2007年04月29日

サリン被害者の脳が縮小していることを突き止める。

サリン被害者の脳「縮小」 不調続く原因か 東大病院

 95年の地下鉄サリン事件で被害を受けた人たちの脳にサリンの影響で縮小したとみられる形の違いがあることが、東京大病院の助教を務める山末英典医師(精神神経科)らの研究でわかった。被害者の中には、いまでも疲労感や動悸といった不調に悩む人が少なくない。こうした後遺症は、実は脳に起きた損傷による可能性が出てきた。

 研究グループによると、長期的な後遺症を抱える被害者が、「気のせいだ」などと決めつける周囲の反応に苦しんでいるという。山末さんは「脳に損傷を受けたことがはっきりすれば、被害者の孤立感を減らすことができるかも知れない」とみている。

 事件の被害者で筋力低下や頭痛といった急性中毒症状を起こした男女38人に協力してもらった。磁気共鳴断層撮影(MRI)で脳の体積などを調べ、被害を受けていない76人と比べた。

 被害者は、左右のこめかみから4〜5センチほど内側にある脳の「島皮質」や「海馬」などの体積が、被害のなかった人より小さかった。

 これらの場所の体積の違いで、動悸や息苦しさなど長期的な後遺症の度合いに差があり、サリン中毒の程度を示す血中酵素の低下が激しいほど体積は小さい傾向があった。サリンで損傷を受けたことで痛みや疲れに敏感になり、不調に悩むなどの後遺症につながったと考えられる。

 研究グループは以前、事件後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された人たちで、感情の制御にかかわる脳のある部分が小さかったことを報告している。今回は場所が異なり、サリンそのものの化学的影響の可能性があるという。

 サリン事件を中心に、犯罪被害者らの支援に取り組む「リカバリー・サポート・センター」(東京都新宿区)は昨年秋、松本サリン事件を含めた被害者約150人を対象に検診を実施。「頭痛がする」と訴えた人が受診者の6割、「目が疲れやすい」とした人は8割にのぼっている。

 今後はこうした後遺症に悩む人についての診断法と、治療法の開発につなげていく必要がある。



 未だに消えぬ当時の傷。

 サリンは、副交感神経を刺激するアセチルコリンを分解する酵素である「コリンエステラーゼ」を抑制します。つまり副交感神経はずっと刺激されっぱなしの状態になるわけです。それにより、まず自覚症状として目がチカチカするなどの症状が出て、涙や鼻水が止まらなくなり、呼吸困難を発症、最悪の場合死に至ります。

 聖路加病院に沢山の被害者が運ばれた地下鉄サリン事件ですが、症状などからすばやくサリンであることを見抜き、治療薬として、副交感神経を抑制する「アトロピン」を用いたことで多くの人の命を救うことができました。自衛隊と医者の連携で迅速な処置を施せたのですね。

 しかしそれでも残る脳の障害。
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posted by さじ at 13:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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