偽名で整形、横行 病院側「患者の権利、追及できぬ」
整形手術で顔を変え、約2年7カ月余り逃げ続けていた市橋容疑者。だが、さらに整形を試みようと訪ねた美容外科医が警察に通報、整形後の顔写真が公開されたことが逮捕につながった。偽名でも受けられるという整形手術。問題はあっても、「手術を絶対に知られたくない患者」が少なくない現状があるようだ。
「整形で偽名が疑われるケースは多い。それでも、問診票に書かれた名前を信用するしかない」。社団法人日本美容医療協会の原口和久事務局長は明かす。
美容整形手術は通常、健康保険が適用されない自由診療だ。患者に健康保険証の提示を求めることはない。市橋容疑者のように現金で支払えば、問診票に書かれた名前の真偽を確認する必要もない。
厚労省医政局も「医師法、医療法は医師や患者に診療時の本人確認、本名の申告を義務付けていない」という。
都内の美容外科医は「手術を受けたことを絶対隠したいという患者さんの願いは強い。病院側に本名を伝えないことも患者さんの権利で、追及しないことは病院のサービスだ」と説明する。
美容外科のクリニックが急増し、顧客の獲得競争が激化している事情もある。同省によると、05年の国内の美容外科の診療所数は824、病院数は93で、それぞれ96年の約2.2倍と約1.2倍。複数の医師が「競争は激化の一途。厳しく本人確認すると患者を失いかねない」と話す。
整形手術は過去にも、松山市のホステス殺害事件(82年)などで約15年逃亡した末に逮捕された福田和子・元受刑者(無期懲役確定後、死亡)の逃走に利用された。
先の美容外科医は、「極めてまれなケースだ。本人確認を厳格にしても、他人の保険証を使うなど抜け道はある」という。
今回の逮捕について福島章・上智大学名誉教授(犯罪心理学)は「『逃走のため顔を変えた』とのセンセーショナルな情報が、整形後の顔写真とともにメディアに広く流布され、人の注意をひきやすい状況を容疑者自らが招いてしまった側面がある」と指摘した。
逃亡に悪用されない対策について原口事務局長は「警察から要請があれば、手配書を会員向けの新聞などと一緒に送ることは可能だ。ただ対策は個々のクリニックが判断すること」としている。
整形じゃなくて、形成な。
現実的に、今の保険制度で、市橋容疑者だと確実に医療機関で判断する術はないでしょうねぇ。難しいです。
2009年11月12日
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