2013年01月05日

IQを重視するMENSAという団体は果たして頭がいいと言えるのか。

「IQ60以下の人はニンジン」と発言したことで英BBCが謝罪

 IQ(知能指数)は、知能検査の結果を表わす数値で、数字が高い人は知能が高く、数字が低いほど知能が低いことを表わします。

 このIQの特に高い人(人口上位2%)のみが会員になることのできる団体「メンサ」のスポークスマンが、英BBCの番組でIQの低い人のことをニンジン呼ばわりしたことから視聴者からクレームがあり、謝罪することになりました。

 メンサ会員であるピーター・ベイムブリッジ氏がインタビューを受け、IQテストの効果やその判断についてコメントをしていました。

 そのときの彼の説明が、「ほとんどの人のIQは平均的な100前後であり、その数値が高いほど頭が良いということになります。もしあなたのIQが60くらいなら、多分あなたはニンジンなのでしょう」

 この番組を見ていた視聴者から苦情が入り、司会者は放送の最後に番組からとベイムブリッジ氏からの両方の謝罪を読み上げるという事態になったようです。

 後にメンサの団体からも不適切な発言だったと謝罪がありました。ベイムブリッジ氏も発言を後悔し、心から反省していると述べています。イギリスには学習障害者が約150万人いるとのことです。

 IQの高さは、思慮分別とは別のものであるようです。



 前も書きましたが・・・

 医学処:IQが高いとどうなるの?実際の精神医学上何か有用なことがあるのだろうか?

 IQっていうのは、そもそも精神発達遅滞とかを見出すための指標であって、100以上はあんまり意味がないと言われています。日本で言うと、受験の偏差値の高いところに入る人は大体IQ 110前後でしょうか。情報処理能力の高い人はIQ120ってのもあるかもしれません。

 ちなみにIQ 200ってのはないです。どれだけ早くてもそこまでいかないんじゃないかな。

 よくネットでIQ testなんてもんが転がってますけど、あくまでパズル的なものなので、ごく一部の能力しか見出せません。例えば発達障害だと、言語性IQと動作性IQの解離があるのが特徴ですが、そういったこともああいうパズルでは見出せません。

 ちゅーことでですね、MENSAとかに所属している人が頭いいかっていうと、そういうわけじゃないんですわ。

 というか、IQ高くて頭のいい人だったら、MENSAに入ってドヤァなんてしないんじゃないかしら。勿論そういうのにこだわるというか、アイデンティティの一部にするのは本人の勝手なんですけど、それにどういった意味があるのかというと、正直言ってあまりないですし、もしそこに極度にこだわりを持っているのだとしたら、それはそういった「偏り」の一部なんだと思います。

 本当は、高いIQの人ならば、IQを測定して、その下位項目を分析して、自分がどういう特徴があるのかとか掴むためのもんなんですけど、そういうのを見出さない、見出せないのならば、その程度ってことで。
posted by さじ at 00:58| Comment(11) | NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月31日

読者モデルやミスキャンパスなどの美人女性から医学生はモテない。

読モとミスキャンパスから医学生と「業界1位企業」は不人気

 「医学部生と付き合いたい」「商社マンと出会いたい」──。こうした話題は女子会トークでよく出るものだ。「医学部」「商社」という肩書きは、女子垂涎モノのイメージがあるものの、この発想はすでに“古い”という。 読モ(読者モデル)女子とミスキャンパス女子が終結した女子会に潜入取材したところ、彼女たちの口からは意外な言葉が飛び出した。

 お酒が入った彼女たちは、まず「カレシにしたくない業界」トークでヒートアップ。

Aさん(タレント業・23歳):「医学部はホント無理。アイツらと付き合ったら玉の輿乗れると思ってる女は、マジ馬鹿(笑)」
Bさん(ミスキャンパス・22歳):「だよね〜。結局、将来開業する時にお金出してくれる女子と結婚したいわけよ。玉の輿どころか、医学部生は“逆玉”狙ってるからね」
Aさん:「そうそう〜。医学部生ってどんな女とでも付き合うけど、結局女子大のお嬢様狙いだから! 将来、玉の輿乗れるなんて幻想だから」
Cさん(ミスS大学・23歳):「自分が医学部生っていうだけで女がホイホイ付いてくると思ってるあたりも、ウザイくない? 基本調子のってる奴が多い! 俺がちょっと優しくすればすぐヤれる、とかいってる奴いてさ、ホント最低〜」
 
「医学部」生と付き合っても玉の輿は狙えないとは、彼女達はかなりリアリストのようだ。



 確かに医学部生と付き合って、要するに医者になって玉の輿に乗れると思ってる人がいたら「マジ馬鹿(笑)」でしょう。玉の輿に乗れる、いわばCLASSYに載っているような憧れの生活をしたいなら、外資系企業とか、あとはITベンチャーの男性と付き合ったほうが良いでしょう。

 勿論、それらには時折爆弾のようなものもついていますが、そういうのも含めて玉の輿を狙っている女性にはお勧めしたい。

 今日も、ジュンク堂で1万7千円払って、雨の中クソ重たい医学書を抱えて帰宅しましたけれど、食事600円だったし。ホント、前も書きましたけど、医学書の電子化、頼んますわ。ずっと持ってたい本なのにたった4冊で17000円は鬼ですよ。重すぎてどこにも持って行けないわ。

 話が逸れましたが、ここでのポイントは、読者モデルやミスキャンパスなど、要するに容姿に自信のある女性、特にこういう記事になるような、ホントーに自分の容姿にイニシアチブを持っているような女性は、裏を返すと男性から姫のように扱われてきた女性なわけで、そういう女性を満足させたり乗りこなせるような人ってのは、多分医者にはほとんどいないと思う。いたとしても結婚はしないと思う。
posted by さじ at 01:55| Comment(0) | 大学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月19日

重たい医学書から解放する電子書籍版医学書がなかなか出てこない理由

「電子教科書」出版社は複雑な思い 重たい医学書から解放!学生は歓迎の声

 電子書籍の普及が進む中、大阪府立大学(本部・堺市中区)で、教科書の電子書籍化に向けた実証実験が進められている。今年6月から一部の学生を対象に、電子化した教科書を収めたタブレット端末を配布。デジタルならではの検索機能に加え、教科書の重さから解放されることが、学生にとって最大のメリットだ。一方で出版社の側には、電子化による教科書の“価格破壊”への懸念も広がる。これに対し、タブレットを提供し二人三脚でプロジェクトを進めるシャープは、府立大での実験成果を踏まえて全国の大学に普及させたい考えだ。

 府立大では6月、総合リハビリテーション学部で臨床実習中の4年生80人に、11月末までシャープ製のタブレットを貸与。10月から来年7月までは、第2陣として看護学部の3年生92人が実験に参加している。

 これらの学生は臨床実習のために、病院などの施設と、大学や自宅との間を往復する機会が多い。しかし、理系の学生ならではの悩みが教科書の重さ。学生によっては、15冊にも及ぶ分厚い医学専門書約10キロ分を、リュックなどに入れて持ち運ばねばならないという。総合リハビリテーション学部では約75%、看護学部の場合だと約95%を、女子学生が占める。重たい教科書の持ち運びは、学生たちにとって悩みの種だった。

 これに対し配布されたタブレットは、大学ノートとほとんど変わらない大きさの10・1インチ画面で、重さはわずか640グラム。この中に必要な教科書すべてに加え、患者との接し方や採血の手順を学ぶ動画など府立大が独自に開発した教材、国家試験の問題集も収録されている。

 紙の教科書にはない、電子化のもう一つの大きなメリットが検索機能だ。タブレットでは、収録されているすべての教材を横断的に、一瞬でキーワード検索することが可能。紙と同様に、重要な部分に付箋をつけたり、マーカー線をひいたりすることもできる。

 また実験第1陣の総合リハビリテーション学部の学生から、「電子教科書に書き込みができるといい」という意見があったことから、看護学部で使用するタブレットにはノートのように書き込める機能も付加。

 学生からはほかに、「画面に1冊分しか表示できないのは不便。机の上で何冊も本を広げるような使い方がしたい」との要望も出ているといい、今後も学生へのアンケート結果やタブレットに記録された使用状況記録を分析し、実用化へ向けた検証を進めていくという。

 一方で、実用化には、クリアすべき課題も多い。その一つが、出版社側の対応の不透明さだ。実証実験には出版社約10社が協力し、タブレットに収録された教科書は無償で貸し出された。だが、実用化に際しては、対応を留保する社が少なくないという。

 その大きな原因が、電子教科書は紙の教科書に比べて価格が安く利益が出ないのでは、という懸念が出版界に根強く残っていることだ。出版社によって事情は異なるが、府立大によると、電子教科書を販売する条件として、紙の教科書と電子教科書の双方を購入することを挙げる社が複数出てくる可能性があるという。

 しかし電子教科書を、これまでの教育界を変えるビジネスチャンスととらえる見方もある。実験に協力している医学系専門の出版社、三輪書店(東京都文京区)は教科書の電子化に前向きだ。

 青山智社長は「電子化によって、教科書に音声や映像を入れることも可能になる。これまでの教科書の概念を変え、大きく発展する可能性がある。出版社にとっても電子化は有益だ」と期待を込める。

 シャープの辰巳剛司・モバイルソリューション事業部長は「府立大での実験で培ったノウハウは、他の大学へも転用することができる。今後、全国の大学で電子教科書が広まるのでは」と予想。

 実証実験チームのリーダー、矢田泰規・同副部長は「電子教科書を導入する大学が増えれば、出版社側も積極的に電子化を推進するはず」と話している。



 三輪出版やるじゃん!

 三輪出版というとあまり聞いた事ないようですが、研修医なら「研修医当直御法度ーピットフォールとエッセンシャルズ」や「そこが知りたい! 感染症一刀両断!」などが超有名ですね。

 やー、正直、電子化は必須ですよ。他の出版社の方々。逆に三輪出版は先陣きってやれば凄いイニシアチブ取れるぞ。

 日々勉強、日々進歩の医学においては、教科書は必須といえど、あの膨大な量の本を持ってまわらなければならないというのはありえない。家でも病院でも、電車の中でさえみられるようにしないといけない。それをなんだ、価格がどうのとか。層が少ないから買う人も少なくて専門書ほど高いつったって、1冊8000円とか、10000円とか、バカか!っつー話ですよ。

 ハリソン内科学とか上下巻合わせて4000ページぐらいあるんですよ。大体字が細かすぎるし、索引が超使えないし、でかすぎてページを開くのすらおっくうだから、普通に使うのもメンドクサくて漬物石みたいになる。価格も3万円ぐらいするから勉強熱心の医学生も買わないし。東海大学は全員に配ってるんでしたっけ?そんなブルジョワジーなこと他の大学には出来ませんぜ。

 そこで電子化ですよ。価格も1万ちょいにして、電子化して、検索充実させてごらんなさいよ。あとページをタブレットでみれるぐらいに見やすくしてさ。これだけやったらハリソン内科学買う人3倍にはなるよ。絶対。私も買うし。いや、私は書籍で持ってますよ、上記の理由であまり使ってないけど。ハリソン内科学を家から学校、病院にもっていく人がいたらマゾですね、ただの。皆さん、本屋に絶対あるから観て下さい。ハリーポッター上下巻セット4個分ぐらいの重さあるから。

 あと、今やらなきゃ致命的な問題が1つある。

 タブレット流通に伴って、医者たちはより最新の知識を得ようとして海外の本、いわゆる「原著」を電子書籍で買う。爆安だし、タブレットですごく見やすいし、何より検索しやすい。それに、良い専門書は海外のものが多いし英語をやらなきゃなーって思ってる若手医師やベテラン勢はみんなそっち買う。それを、未だにあんなバカでかい本を高値で買うやつがいると思って?学生じゃないんだから英語だって抵抗ないんですわ。

 …まだだめか!じゃあ電子化してもウケる究極のテクニックを教えたい!

 冒頭にも書いたように、医学の世界は日進月歩です。新しい薬が出ればそれだけ薬の項目が増えるし、最新の知見が得られれば、版を更新します。特にガイドライン系などは、数年に1度は更新されるでしょう。

 するとどうなるか。例えば精神科領域でいうと、「DSM」っていう疾患ガイドラインが、来年更新される。世界中で。今現在DSM4っていうのを使ってるけどこれがDSM5になる。来年なるってことは、今からDSM4を買う人が激減するでしょう?

 そこで、電子化によって、アルティメットな革命が起こせるわけですよ!もしDSM4の日本語版を電子書籍で買っていたら、安価でDSM5にアップデートできるようにすればいい!今書籍として売っているDSM4が4000円だから、電子書籍を2000円ぐらいにして、アップデートを500円で行えばいい。そしたら今からDSM買いたい人も買い渋らなくて済むし、安価だからみんな買うでしょう。しかも軽い!ガイドラインなんて別に他の教科書みたいに書き込むところもないんだから、電子書籍にしない手はない。手軽に調べられるのがミソ!

 どうですか。どうですかね。ホント、このアップデートシステムがあれば参考書買う医師絶対増えるよ。しかもずっと使えるんだから。各出版社さん、どうぞお願いします。

 …ちなみに引っ越しのたびに段ボール6箱分ぐらい医学書を移さなきゃいけないので死ぬほど面倒です。お願いします、ホント…。
posted by さじ at 18:00| Comment(1) | 救急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

運動トレーニング時に褒められると運動能力がより向上する。

“褒めて伸ばす”は本当だった

 運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、運動技能が高まることを、自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘教授や名古屋工業大学の田中悟志・テニュアトラック准教授、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授などの研究チームが証明した。米国科学誌「プロスワン」に発表した。
 
 研究チームは、右利きの成人の男女48人に、30秒間のうちにできるだけ速く、順番通りにキーボードを打つといった、連続的な指の動かし方を覚えてもらった。そのトレーニングの直後に48人を「自分の技能が褒められたグループ」「他人の技能が褒められるのを見たグループ」「自分の技能の成績グラフだけを見せられたグループ」に分けた。翌日に、覚えた技能を披露するテスト(30秒間のうちにある順番で何回打てるか)を行ったところ、自分が褒められたグループの成績(回数)は20.0%伸びた。他人が褒められたグループの伸びは14.4%、自分の成績を見たグループの伸びは13.1%にとどまった。

 定藤教授は「褒められることは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だ。この社会的報酬を得ることで、運動技能の取得がより上手に促されることを証明した。“褒めて伸ばす”ことの科学的な妥当性を示すものであり、教育やリハビリテーションにおいて、より効果的な“褒め”の方略につながる可能性がある」と話している。



 運動機能にもこういうのってあるんですね。指導者的立場の人は、厳しく指導するときはして、うまくいったときにはしっかりと褒める、ということが求められそうです。鬼教官であればいいというわけではないのですねぇ。
posted by さじ at 05:45| Comment(0) | 脳神 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

やる気スイッチは、腹側淡蒼球にあった。

“やる気スイッチ”は大脳の一部位にあった

 行動や運動における“やる気”は、予測される報酬の量に影響されるという。その予測に、大脳基底核の「腹側淡蒼球」という部位の神経細胞が関わっていることが、自然科学研究機構・生理学研究所の橘吉寿助教と米国NIH(国立衛生研究所)の彦坂興秀博士らのサルを使った研究で分かった。

 哺乳類の大脳基底核は運動調節や認知機能、感情、学習、動機づけといった、さまざまな機能に関わっているといわれる。研究チームは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる腹側淡蒼球に注目した。研究論文が、米国神経科学誌「NEURON」に掲載された。

 アカゲザルに、特定の合図のあと、モニター画面の図形が動く方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュース(報酬)をもらえるようにトレーニングした。そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録し分析したところ、腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図を受けてジュースをもらえるまで、神経活動が持続することを発見した。

 図形の位置によって、もらえるジュースの量を変えると、ジュースの量が多いほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなった。薬物によって一時的に腹側淡蒼球の働きを抑えてやると、目のスピードはジュースの量に影響を受けなくなったという。

 これらの結果から、腹側淡蒼球が、“報酬”を予測し“やる気”を制御する脳部位の一つであることが分かった。教育やリハビリテーションなどでは、“やる気”が学習意欲やその習熟度を高めるといわれる。橘助教は「今回の研究により、“報酬”に基づく学習プロセスの理解が進むことが期待される」と話している。



 ナルホド…。何か報酬を決めてそれを目指して勉強するというのは、あまりやりたくない勉強を行う上での常套手段ですが、それを脳の領域から解明した形。

 だからといって親がゲームを買い与えるから勉強しろとかいうと、失敗例が非常に多いのでまだまだ難しいところではありますねぇ。子供のうちは、楽しく勉強できるようにするべきで、大人というか高校生とか大学生ぐらいになったときに、「自分で」報酬系を活性化させる工夫があると、うまく成長できるのかもしれません。

腹側淡蒼球関連:
医学処:ヒトが高収入を求めるのは、本能によるもの。
医学処:ハンチントン病の進行に関与する因子を発見する。
posted by さじ at 05:25| Comment(0) | 脳神 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

将棋などの直感能力は訓練する事で能力向上が見込める。

直観能力はやはり訓練で向上

 将棋や囲碁の棋士の強さの秘密と考えられている優れた直観能力は、脳の尾状核の活動の強さにあり、かつ訓練によって強まることが、理化学研究所などの研究チームにとって確かめられた。

 同研究所脳科学総合研究所の田中啓治・認知機能表現研究チームリーダーらは、伊藤毅志・電気通信大学大学院情報理工学研究科助教、富士通、富士通研究所、日本将棋連盟と共同で、将棋棋士の脳の神経回路の情報処理メカニズムを調べ、人間に特有の直感思考の仕組みを解明する研究プロジェクトを5年前から進めている。

 研究は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で棋士の脳の活動を観察する手法を用いた。これまでに、プロ棋士が持つ優れた直観的思考能力の基礎は尾状核を含む神経回路の利用にあることを突き止めている。

 今回は、将棋の経験がない男性20人(22〜24歳)に、将棋を簡略化した「5五将棋」を4カ月間にわたってコンピュータープログラムを相手に毎日、指してもらった。さらに次の一手を考え出す直観的思考に関わる脳活動を調べるために、5五将棋の詰め将棋問題も与えた。

 この結果、訓練初期、直観的思考課題に取り組んでいる時には、前頭前野背外側部を含む大脳皮質のいくつかの場所が活動することが分かった。これらの活動の分布と強さはその後もほとんど変わらない。しかし、訓練を積むにつれて尾状核の活動が現れ、その神経活動の強さは、直観的思考課題に対する正答率の上昇に応じて高まることが分かった



 1年ほど前にこれに関連した講演会を聞いて、ブログに載せようとしたんですけどなんか忘れてしまいました。笑

関連:
医学処:プロ棋士の脳がどのようになっているのかを解明するプロジェクト

 あれからもう5年か。

 これはいわゆる速読に使う領域とも似通っているような気がしますね。鍛えれば伸びるというのが証明された形か。
posted by さじ at 05:17| Comment(0) | 脳神 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カルピス社の乳酸菌飲料で記憶力や集中力が改善する。

乳酸菌飲料で記憶・集中力が改善!?

 カルピス株式会社の発酵応用研究所は、自社保有の乳酸菌「ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)」で発酵させて作った乳酸菌飲料(殺菌済み)の飲用で、ヒトの記憶力や集中力などが改善されることを、中部大学応用生物学部の横越英彦教授との共同研究で確認したと発表した。これまでマウスの実験でこれらの効果を確かめていたが、今回はヒトでの効果を確かめた。研究結果は今月2-6日に米国・ハワイ州で開かれた国際機能性食品学会(ISNFF 2012)で発表した。

 同研究所は、もの忘れを自覚する45歳から70歳までの男女20人(平均年齢50.9歳)に、ラクトバチルス・ヘルベティカスで作った乳酸菌飲料200ミリリットルを1日1回朝食前に飲んでもらい、8週間後に「アーバンス神経心理テスト」を用いて、「即時記憶」「空間認知」「言語」「集中力」「短期記憶」について評価した。

 その結果、飲用前と比べて総合点と言語、集中力、短期記憶で改善効果がみられた。とくに言語では「意味流ちょう性」(野菜や動物の名前をできるだけ挙げさせる)の項目、集中力では「数唱」(読み上げた数字〈1・5・3・4・8など〉を覚えて答えさせる)と「符号」(図形の下の空欄に90秒間内で、対応する数字を記載させる)の各項目、短期記憶では「図形再生」(約20分前に模写してもらった図形を思い出して描かせる)の項目が有意に改善されることが分かったという。



 殺菌してるということは乳酸菌そのものの作用というより発酵してつくられた何らかの物質が良かったということ?より細かいデータがみたいですね。同じことを牛乳でやった時との違いとか。カルピスって文字を見るだけでプレミアムカルピスが飲みたくなるのは私だけではないはず。牛乳割りカルピスとか発売してくれないかしら。
posted by さじ at 05:07| Comment(1) | 介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

孔脳症や裂脳症とCOL4A1遺伝子の変異が関与している可能性

横浜市大、孔脳症と裂脳症の患者の約2割に遺伝子「COL4A1」の変異を発見

 横浜市立大学は12月10日、脳性麻痺やてんかん、精神遅滞などを引き起こす脳奇形「孔脳症」および「裂脳症」の患者の約2割に、「IV型コラーゲンα1鎖」をコードする遺伝子「COL4A1」の「ヘテロ接合性変異」があることを同定したと発表した。

 成果は、横浜市大大学院 医学研究科の米田祐梨子氏、同・学術院医学群の才津浩智准教授(遺伝学教室)を中心とした、宮城県拓桃医療療育センターの萩野谷和裕副院長、山形大学小児科の加藤光広講師、神奈川県立こども医療センターの小坂仁部長らの共同研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間12月8日付けで米国小児神経学会雑誌「Annals of Neurology」オンライン版に掲載された。

 孔脳症は大脳半球内に「脳室」との交通を有する「嚢胞」または空洞が見られる脳奇形で、胎生期における梗塞や出血といった脳循環障害により発生すると推測されている。海外での発症率は10万人に0.5〜3.5人程度とされているが、日本での正確な頻度は不明だ。

 また、裂脳症は脳室から大脳半球表面まで達する裂溝が存在し、その表面が異常灰白質で覆われる脳奇形である。神経細胞の遊走異常を伴う点が孔脳症と大きく異なるが、孔脳症と同様に脳循環障害により発生する可能性も示唆されていた。どちらも臨床的には、脳性麻痺(多くは半身麻痺)、てんかんおよび精神遅滞を引き起こす重篤な疾患だ

 研究グループは、IV型コラーゲンα1鎖をコードするCOL4A1変異が孔脳症を起こすことが報告されていたことから、日本人孔脳症患者61例および裂脳症患者10例の計71例でCOL4A1の変異解析を行い、孔脳症の10例と裂脳症の5例においてCOL4A1遺伝子のヘテロ接合性変異を同定した。

 その内の5変異については両親に認められない新生突然変異であり、2変異については明らかな臨床所見を認めない両親由来の変異だった。また、変異の見つかった1例は家族例であり、脳性麻痺を有する3名の患者と明らかな臨床所見を認めない血縁者にも変異が発見されている。

 今回の成果は、世界で初めてCOL4A1遺伝子変異が裂脳症を引き起こすことを明らかにした形だ。孔脳症・裂脳症は同じく血管障害によって引き起こされることも究明した。また、従来周産期障害が原因と考えられていた孔脳症の背景に、遺伝的要因が大きく関与していることも明らかにした形だ。



 突然変異なんですね。症状からしたら、そりゃそうか、、、。こういう遺伝子異常があっても、症状の緩和とか、治療法の確立とかうまく繋がるといいんですけれども。遺伝子異常があってもどのたんぱく質が異常となるのか解明できれば臨床応用できそう。
posted by さじ at 05:01| Comment(0) | 小児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。