2008年03月09日

救急医療を担う看護師、技師にも重い負担を強いている。

「何かが間違っている」救急医院の技師や看護師も疲弊

 救急医療に携わり、重い負担を強いられているのは医師だけではない。看護師や検査技師らの疲弊も進む。過酷な勤務や権利意識が高まった患者への対応などで体調を崩したり、傷ついたりして、現場を立ち去る医療スタッフは後を絶たない。「何かが間違っている」。日夜、そうした疑念が膨らむ。

 近畿の救急病院に約20年勤める臨床検査技師の女性は2年前、涙が突然、ポロポロと流れるようになった。頭がぼんやりして食べ物の味を感じられず、砂をかんでいるようだった。

 臨床検査技師は医師の指導の下、血液や尿の検査、心電図や脳波などの生理学検査を担う。当直は多い月で5、6回。入院患者に加えて急患の検査が立て込み、ほとんど寝ることができない。

 医師や看護師と違って検査技師は医療機関の定員基準があいまいで、病院経営の悪化によって人員が削減されやすい。勤務先でも20年間に臨床検査技師が約3割減らされ、十数人に。給料は据え置かれ、ボーナスも1.5カ月分減った。

 「うつ状態」と診断されて休職したが、2週間で復帰した。「技師が補充されず、同僚の負担が増えると思うと辞められない」。でも、もう限界だと感じている。

 日本臨床衛生検査技師会によると、臨床検査技師は全国で約7万人。高田鉄也専務理事は「医療に不可欠な存在なのに身分が保証されず、報酬も不十分。当直ができる正職員も減り、仕事は激化する一方だ」と明かす。

 患者と接する機会の多い看護師も激しいストレスに悩まされる。

 公務員共済組合病院に勤務していた大阪市の女性看護師(31)は昨春、辞表を書いた。復帰する気は今も起こらない。

 通常の3交代勤務のほか、救急当直が月3回。急患は毎夜、20〜40人来る。「共済組合の病院なのになぜ優先されない」と文句を言う公務員、「昼間は込むから」と平然と言い放つ軽症者未払いの治療代が100万円を超す常習者……。

 8時間立ちっ放しで、一息ついて笑顔を見せた途端、「何を笑ってるんだ」と患者に怒鳴られ、ひたすら謝らされたこともある。「人を助けたいという一番大事な気持ちを失ってしまった」

 関西の脳外科専門病院で働いていた男性看護師(37)は「医師も大変だが、看護師だって人が足りない。この国の医療の仕組みはおかしい」と訴える。残業が多く、2、3時間の睡眠で次の勤務に入らざるを得ない。「薬の種類や量を間違えそうになった」

 脳疾患の救急患者は初期症状で判断力が低下し、暴れることがある。入院後も目が離せないが、看護師3人で受け持つ患者は約50人。急患が来ればパンクする。年収は300万円余で、ほとんど昇給しない。

 2年前、病室でベッドのセンサーが作動し、警報が鳴った。駆けつけると、患者が「飛びます」と叫んでベッドから飛び降りる瞬間。一命は取りとめたが、頭を強打し、「管理がなっていない」と家族から非難された。「やっていけない」と救急のない病院に移った。

 日本看護協会の調査では、病院勤務の新人看護職員の離職率は9.2%。配置が手厚い病院ほど、離職率が低かった。小川忍理事は「救急病院は入退院が頻繁で、過重労働が常態化している。体制にゆとりを持たせるなど、真剣に対策を考える時期だ」と指摘する。



 日本人はメディアに流されすぎなんですかね。

 まぁとにかく極端です。医者が不当に儲けている、必要のない検査をする、とか何とかいって医者バッシング。証拠があるわけでもなく。島民族特有の、狭い社会での口コミを高い重要度をもつものと認識しているせいでしょうか。

 そしてそれは医師だけではなく医療従事者にも降りかかります。

 医療は医師だけが行っているわけではなく、検査、看護、アフターケアなど、様々な領域で医療従事者は尽くしています。単に患者と接する機会が少ないだけの違いです。

 しかし医療費高騰ということで、国は病院側に負担を強いるようになりました。ただでさえ赤字経営であるにもかかわらず、です。そしてその負担は病院で働く医療従事者に強いるようになっています。医師不足の現在、看護師や臨床検査技師の人件費が槍玉に上げられ、彼らには当然今まで以上の負担がのしかかります。

 もう、パニックですわ。

 消費税を上げるだの何だの言われていますが、上げるのならば全て医療費に費やしてほしいものです。もしくは役人の身勝手な無駄遣いをやめるか、ですねぇ。世界有数の医療を、国民全員に提供しているわけですから、医療費なんて上がって当たり前なんですが。何が大事なんでしょうね、一体。

 そしてマスコミの行った「医療従事者=悪」のイメージ戦略が、見事に効果を発揮し、医療不信となった患者及びその家族は、ヤレ医療ミスだ、配慮がないだと訳の分からんことを言い出します。

 どうしようもないですね。日本の医療の崩壊に加担し、お金がなければ良質の医療を受けられない時代に向かわせているのは、誰なんでしょう。

 全国の医療従事者は、それでも患者さんには何もいえないので、中立立場として私が、あえてこういう場で書かせてもらいました。医療従事者側も傲慢な態度をとらないかわりに、患者さん側にも配慮をお願いしたいです。

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2008年03月03日

札幌市産婦人科医会が二次救急からの撤退を通告する。

重症救急撤退を通告 札幌市産婦人科医会 市に「夜間の負担増」

 札幌市の産婦人科の救急医療で、重症患者を診る二次救急を引き受けている札幌市産婦人科医会(遠藤一行会長)が「各病院の負担が重く、これ以上は担いきれない」として、二次救急からの撤退を市に申し入れていたことが、二十六日分かった。市は医師や住民による協議会を三月中に設置し、負担軽減策を話し合う考えだが、同医会は具体案が出ない場合は、九月で撤退すると通告している。市内では現状でも妊婦のたらい回しが起きており、撤退となれば、市の産婦人科救急に大きな影響が出そうだ。

 札幌市の各診療科の夜間、土日・祝日などの救急体制は《1》軽症者を診る初期救急《2》初期救急の医療機関から重症者を受け入れる二次救急《3》より重症な患者を二十四時間受け入れる三次救急−に分かれている。このうち、産婦人科は同医会所属の医療機関のうちNTT東日本札幌病院など九医療機関が、二次救急に加え、夜間(午後五時−翌日午前九時)の初期救急も担ってきた。

 担当医師の負担が増えたのは、産婦人科医の減少で二次救急を毎日交代で引き受ける医療機関が、四年前の十四から五カ所も減少したため。各医療機関の担当回数が二週間で一回から一週間で一・三回程度に増え、担当医から「産婦人科は慢性的な人手不足で、受け持ち患者の診療と出産で手いっぱい。これ以上、救急を分担できない」と、声が上がった。

 このため、同医会は二○○八年度に向け、市の夜間急病センターに夜間の初期救急を診る産婦人科医を置き、初期と二次を分離するよう市に要請した。遠藤会長は「センターで患者を振り分け、子宮外妊娠や早産などの重症患者だけを二次救急に送れば、医師の負担が大幅に軽減される」と説明する。しかし、市は新年度予算案に、二次救急医療機関への報酬の一千万円増額を盛り込んだものの、センターへの産婦人科医配置は見送ったため、医会として撤退を申し入れた

 市医療調整課の飯田晃課長は「夜間急病センターに産婦人科医を配置すると、約七千万円の予算が必要になる。財源が限られる中、住民合意を得られるだろうか」と説明。三月中に協議会を設置し、負担軽減に向けた代案を話し合う。

 医療機関に二次救急を担う法的な義務はない。撤退が決まった場合、市が個別の医療機関に担当を依頼しなければならず、三次を担う市立病院や、市の依頼に応じる一部医療機関の負担が増大するのは確実。最悪の場合は救急体制が崩壊する恐れもある。

 遠藤会長は「医療にどうお金をかけるか、市と住民で考えてほしい」と話している。



 別に医師側は、市や市民に無理難題を押し付けているわけではありません。

 むしろ医師側はできる限り市民の役に立とうと、自身の時間を削って応対していたわけですが、なんかこう、市と市民側が非協力的なんですよね。勿論市側にそういう意図はないんでしょうけれど、「我々ではどうすることもできないから医師のみなさんなんとか頑張って下さい」という姿勢は、問題を医師に全て押し付けているようなもの。そりゃ産科も崩壊します。

 そもそも産婦人科領域でミスが起こって裁判という流れが増えていますけれど、産婦人科医一人当たりの負担が大きくなって医師の疲労が蓄積することこそ、ミスに直結するはずです。お産でそういうミスが許されないというのなら、産婦人科医の負担を減らすような工夫を考えるべきです。

 その工夫が医療機関内で行われることならば、既に医療機関側が自主的に実施しています。それでも解決できないほど追い込まれているのでしょう。

 医療は医師のものではなく患者のものです。勿論診断や治療は医師がします。一般の方には、医師が働ける環境を作る、手助けをお願いしたいのです。

「飛び込み出産危険」産婦人科医ら現状学ぶ

 日本産婦人科医会県支部主催の学術研修会が23日、仙台市青葉区の県医師会館であり、妊婦健診を一度も受けずに医療機関に駆け込む「飛び込み出産」や産科救急搬送の現状が報告された。

 医師、看護師ら約80人が参加。仙台赤十字病院の谷川原真吾産婦人科部長は「飛び込み出産では、早産や新生児異常となるケースが県内の中核病院で増えている。健診を受けていれば、緊急帝王切開手術をしなくても済んだ例は多い」と危険性を指摘した。

 仙台市消防局の小野清救急課長は、妊婦の搬送で医療機関の照会に時間を要した事例を説明。18回目の問い合わせで受け入れ先が決まった2006年の搬送などを例に、「仙台では救急隊の現場到着が早くなっている半面、搬送開始までの時間が長くなっている。より効率的な照会方法を探りたい」と述べた。

 参加した医師は「1人で当直しているときなどは、搬送を受け入れたくてもできないことがある。消防との話し合いがもっと必要ではないか」と提起した。

関連
医学処:飛び込み出産の1割がリピーターで4割が医療費未払い
医学処:北大産婦人科の医局を法人化してクリーン路線に。
医学処:我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じ支援します
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2008年02月26日

容態の急変した子供を救急車で迎えに→退職へ。

藤沢市消防本部:救急車を私的利用、救急隊長を懲戒処分

 当直勤務中に救急車で帰宅し、その救急車で病気の次女を私的に運んだとして藤沢市消防本部は19日、同市南消防署警備1課の男性救急隊長(59)を停職42日に、帰宅を認めた上司で同課の男性主幹(56)を戒告の懲戒処分とした。隊長は19日、依願退職した。

 市消防本部によると、隊長は1月19日午後5時過ぎ、南消防署苅田出張所(同市本鵠沼4)で、茅ケ崎市内の自宅にいる妻から携帯電話で20代の次女の容体急変を知らされた。南消防署で当直責任者をしていた主幹に「様子を見に行きたい」と連絡。主幹は救急出動に支障がないことを条件に、同じ隊の隊員2人を乗せて救急車で帰宅することを認めた

 救急車は5時21分ごろ出発し、一時サイレンを鳴らして約3分後に自宅に着いた。次女はすぐ意識を失い、隊長は次女と妻を救急車に乗せて、通院している茅ケ崎市立病院にサイレンを鳴らし約10分かけ搬送した。出張所の救急車は1台だけ。6時35分に戻るまで出動要請はなかった。

 隊長は「今までにない症状で動転した」と釈明したが、消防本部は「出動する必要があったら支障を来たした」として、懲戒免職に次いで重い停職6月に当たると判断。隊長は3月末で定年のため、残り42日間の停職処分とした。

 金子司洋消防長は記者会見し「職務を忘れ、救急車を不適正に利用したことは信用失墜行為に当たる」と謝罪。南消防所長ら3人を文書訓告し、隊員2人も文書で厳重注意した。



 ちょっとかわいそうですねコレ。

 アメリカとかだったらむしろ美談といいますか、子供を想う親って感じでいい話だったのでは。

 業務に支障を来たさないことを条件にしたということですので、上もナイス判断だと思ったのですが・・・。

 家族側が119番に電話するのが一番良かったんでしょうけれども。
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2008年02月17日

玉名中央病院の全麻酔科医が福岡大学医学部へ引き上げる

玉名中央病院、4月から麻酔医不在

福岡大医学部が引き揚げへ、後任見通し立たず

 玉名市玉東町病院組合が運営する同市の公立玉名中央病院(木山程荘院長、302床)で常勤麻酔医2人が3月末で退職し、新年度から麻酔科が不在になることが15日、分かった。医師を派遣する福岡大医学部(福岡市)が昨年末、引き揚げを通知してきたためで、麻酔医が必要な手術ができなくなる可能性が出てきた。

 同病院では2006年度、全身麻酔など麻酔医が必要な大がかりな手術を823件実施。交通事故などによる夜間の緊急手術も月に1、2件行っている。当面の打開策として、昼間の非常勤医を探しているが、見通しは立っていない。麻酔科が不在になれば、熊本市、荒尾市、大牟田市の病院に20〜40分かけて転送しなければならなくなる。

 同病院は県北の拠点病院の一つで、1981年に県から救急車を受け入れる医療機関に指定され、12科に常勤医32人が勤める。常勤医は全員、県内外の大学病院からの派遣といい、外科医3人のうち1人も派遣元の熊本大の意向で新年度からいなくなるという。



 うーむ。

 消化器外科、心臓外科、腎泌尿器外科、形成外科、脳外科、整形外科、そして救命救急。えーとあと何があったかな。

 まぁこれだけ多くの外科がありながら、まず手術の時にいなければいけないのが「麻酔科」です。

 麻酔科は、唯一、人の「意識」をコントロールする診療科でもあります。全身麻酔を行う場合には手術中のコントロールのためにいなければならない存在です。当然麻酔科医1人にかかる負担も相当ですが。

 サポートのスペシャリスト的な存在なので、やりがいがあるのかどうか分からず、なり手が不足しているのも現状でしょう。手術のスペシャリストなだけに、麻酔科医不足について考えることも必要です。

 しかし…親玉である大学病院から医師が派遣されなくなったら、地元の大きな病院はどうすればいいんでしょうね。大学病院も人手不足ゆえに仕方のないことではありますが…。(昔ならばお金のやり取りとか色々あって結構黒かったんですけれどね)

関連
医学処:麻酔による痛み、吐き気などは手術を行う時間帯によって異なる
医学処:薬物を使って手術中に眠りに陥った麻酔科医の医師資格を一時剥奪する
医学処:医師不足などを背景に、現場の負担はピークに達している
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2008年02月10日

「受診マナー」の向上を県民運動として行う広島県。

勤務医負担減へ県民運動 広島県

 広島県は深刻な医師不足を受け、県民が夜間や休日などに安易な受診を控え勤務医の負担軽減を目指す初の県民運動を展開する方針を固めた。県医師会、経済団体などの協力を得て「ひろしま健康づくり県民会議」(仮称)を二〇〇八年度上半期にも発足。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防対策、食育推進の各テーマも併せ、啓発や情報発信に努める。

 受診マナーの向上は、運動テーマの一つ「医療資源の効果的な活用の推進」の一環。休日や夜間診療を軽い気持ちで利用する「コンビニ受診」、同じ病気で複数の病院をはしごする「重複受診」などによる医療機関の負担増の実態を強調し、子どもの急な発熱やけがに対応する電話相談や、身近なかかりつけ医の活用などを奨励する。

 さらに、医師不足により、病院間の連携強化や診療科の見直し、医師の重点配置などに迫られるとの将来予測を踏まえ、医療機関の集約、重点化への県民理解を深める活動にも力を入れる方針でいる。

 広島県は厚生労働省の隔年調査で、医師総数と、医療施設で働く医師数(人口十万人当たり。開業医を含む)が〇六年にそれぞれ三十年ぶりに減少。広島大など四団体と連名で一日発表した緊急アピールでも、勤務医が敬遠される要因に医療機関の厳しい就労環境があるとの見方を示しており、受診マナー向上が必要と判断した

 広島県の藤田雄山知事、県医師会の碓井静照会長、広島大の浅原利正学長、県市長会長の吉岡広小路三次市長、県町村会長の佐々木清蔵安芸太田町長の5人が「みんなで守ろう広島県の医療」と題して連名で発表した。「各地で必要な医師を確保できず、地域医療に大きな影響が生じ始めた」と危機感を示し、地域の医療態勢を確保するための施策に理解と協力を訴えている。



 広島県Good Jobすぎます。

 医師全体が、医師であるがゆえに言えなかったことを、県全体が主張してくれているようなものです。

 医師は患者のために尽くそうとしていますが、それに反して、理不尽な要求をつきつけられたり、自己中心的になってしまう患者が、問題でした。そりゃ病気で具合が悪い、または具合の悪い子供を連れている人が、まともな精神状態ではないことは承知です。承知であるがゆえに何も言えず、申し訳ないですとしか言えなかったのが現状なのです。

 本来、医師患者関係を正しく成り立たせるためには、医師が患者を想い、患者も医師に適切に接することが必要となってきます。「受診マナー」、凄い革新的な言葉だと思います。今年の流行語にしたいぐらいですね。今の医療は本当に崩壊寸前なんだ、ということを認識していただきたいです。

関連
医学処:救急病院の勤務医不足が深刻化しており病院数激減
医学処:医師の確保が困難で、救急病院が142件減る。
医学処:消化器外科医が不足しており過労のまま手術している現状
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2008年02月09日

公明党、救急医療情報システムの確立へ

与党、救急搬送の「たらい回し」防止へ法案

 与党は28日、救急車が急患を運ぶ病院の空きベッド状況を把握する「救急医療情報システム」の整備を進めるための議員立法を、今国会に提出する検討に入った。地方自治体にシステム整備に必要な費用を助成し、病院の専門スタッフ拡充を図る内容が柱。救急搬送の「たらい回し」が相次いだことを踏まえて公明党が法案骨子を作成。近く自民党との調整に入る。

 同システムは消防機関が搬送患者の受け入れ先を見つけやすくするため、病院側が空きベッドや診療科目などの情報を提供する仕組み。43都道府県が導入しているが、病院側の人手不足で情報更新が遅れるなど使い勝手の悪さが指摘されている。



 ん、これはいい試み。救急車があいているところに効率的に搬送できれば、理論的には解決する話です。

 しかし「病院スタッフを拡充する」というのは難しいですね。資金があればできる、ということでもないような気がします。絶対数が足りていない現状をみれば、理想論に近いです。
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2008年01月27日

全国の学校の25%に、AEDを設置。

AED普及25% 全国の学校・幼稚園 今年度内に4割

 心臓の動きを正常に戻すため電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)を全国の国公私立の学校と幼稚園の25%にあたる1万2951校が06年度までに設置していることが24日、文部科学省の調査で分かった。07年度中の設置予定を合わせると4割になる。規制緩和で一般の人が扱えるようになったのは04年7月からで、同省は「急速に普及している」とみている。

 学校別でみると、もっとも設置比率が高いのは高校の68%(3631校)。以下、特別支援学校66%(664校)、中等教育学校60%(19校)、中学校38%(4154校)、小学校18%(4035校)、幼稚園3%(448園)と続く。公立高校に限ると、30都府県で年度内に完備される予定だ。

 AEDの設置状況を文科省が公表したのは初めて。購入には1台約30万円かかるが、ボールが胸に当たるといったスポーツ事故での救命効果も高いことから、文科省はその有用性を学校側に説明してきた。



 心臓が動いているというのは、何とも不思議なものです。洞房結節から発せられた電気が房室結節へ行き、更に心筋全体にめぐって収縮が起こるというプロセスを1秒間に1度、毎日必ず行われているわけです。

 その経路が少しおかしくなるということは、誰にでも、もちろん小さい子供にも起こりうることです。そして、起こってから数分で死んでしまうということも。

 AEDを学校に普及させれば、そんな「いざ」というときにも対応できます。25%はまだまだ低い数字ですが、全国で25%も普及すれば、100%に持っていくのは難しいことではありません。設置していない学校のほうがおかしいんだ、という良い風潮が生まれつつあると思います。

関連
医学処:高校生へのAED指導を、授業で行う。
医学処:一般人がAEDを使う際にためらいが生じる可能性も
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2008年01月06日

交通事故から1時間、5つの救命センターで受け入れ拒否

収容に1時間、事故男性死亡 5救命センター拒否 大阪

 大阪府東大阪市で2日夜に交通事故に遭った男性が、府内の五つの救命救急センターから「満床」などを理由に受け入れを断られ、事故から1時間後に現場から約13キロ離れた同府吹田市の救命救急センターに運び込まれた後、死亡していたことがわかった。搬送した同府大東市消防本部によると、24時間態勢で緊急治療を担う救命救急センターに重篤な患者の受け入れを要請する場合、通常なら2、3施設目までに搬送先が決まり、「5施設も断られるのは極めてまれ」という。

 いわば「最後の砦」が相次いで受け入れを断ったことは、大都市の救急医療体制の弱体化を浮かび上がらせたとも言えそうだ。

 河内署によると、亡くなったのは大東市灰塚4丁目のトラック運転手、西村正夫さん(49)。西村さんは2日午後10時20分過ぎ、バイクを運転して市道を直進していたところ、右折しようとした大阪市淀川区在住の会社員の男性(28)の軽乗用車と衝突した。同署は男性に当時の状況を聴いている。

 大東市消防本部によると、同10時33分に救急隊が事故現場に到着。西村さんは胸を強く打っており、意識はあるもののもうろうとしている状態だったため、命にかかわる重篤患者を受け入れる3次救急の救命救急センターでの治療が必要と判断。東大阪市や大阪市など現場から近いセンターから順に受け入れを要請したが、5施設に「満床」などと断られた。

 6番目に要請した大阪府済生会千里病院(吹田市)併設の千里救命救急センターでの受け入れが決まり、救急隊が現場を出発したのは、事故発生から30分以上経過した午後11時ごろ。西村さんは同センターに同11時25分ごろ運び込まれたが、3日午前1時40分過ぎに死亡した。

 大阪府では、3次救急医療は、府が救命救急センターに指定した11病院が担っている。年末年始は一般の病院が休みで、救命救急センターなど救急体制をとる病院に患者が集まりやすいという。

 現場から最も近い府立中河内救命救急センター(東大阪市)は当時、通常の夜間と同じく救急専門医を含む3人が救急の当直として勤務していた。しかし、2人の重症患者を治療中で、「これ以上の対応はできない」と判断して断ったという。

 西村さんの長男(27)は、搬送先の病院の医師から「到着時に意識がなく傷は心臓に達しているため、手術が難しい状態だった」と説明を受けたという。「近くで受け入れてもらえなかったのは悔しいが、正当な理由があるのなら、あきらめざるを得ない」と話した。



 長男の、非常に良識があるというか、物分りの良過ぎるコメントが、逆に全国の医療従事者に無念さやふがいなさを感じさせるような気がします。

 医療従事者は皆、目の前の命を助けようと奮闘しています。しかしどうにもこうにも多忙すぎるわけです。今回のニュースも、年始特有の忙しさといいますか、本当に手一杯であったことが容易に想像できますし、仕方がないな・・・と思いがちなのですが、

 最後にご子息の「諦めざるをえない」というコメントを目にすると、諦めるって何だ?国がもう少ししっかりと医療に目を向けていれば、医学生をもっと増やしていれば、医療費削減ばかりに力を注ぐのではなく現状の医療を良くしようとしていれば助けられた命ではないのか、と、悔しさすら込み上げてきます。
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2007年12月27日

一般人がAEDを使う際にためらいが生じる可能性も

AED「その時」使えますか

 ある男性会社員(47)は10月の週末の夜、東京のJR駅近くの路上で人だかりを見つけた。横たわる男性に、救急隊員がAEDを使っていた様子に、「自分が第一発見者で、衆人環視の中、AEDを使わなければならなかったら。自分のせいで(救命に)失敗したら。そう考えると身がすくんだ」と振り返る。

 2004年、厚生労働省の通達で、高度な医療知識や複雑な操作がいらないAEDを一般の人も使えるようになり、「AED」と書かれた箱を街で目にするようになった。

 総務省消防庁によると、「市民」が心肺停止の現場を目撃した事例は05年で1万6257件。このうち救急搬送前のAED使用は41件だったが、06年の使用事例は1万8320件中140件に急増した

 さらに、使用した140件の内訳を見ると、「市民」の中には統計上、医師や看護師ら医療従事者が多く含まれている可能性が高い。東京消防庁の速報値では、今年1月から10月までに病院施設以外の場所でAEDを施された人は63人。その際に救命を手助けした「市民」は138人だったが、そのうち少なくとも54人は居合わせた医師や看護師、消防関係者だった。医療関係者が中心となってAEDを使用したとも読める数字だ。

 日本救急医学会監事で杏林大学教授の島崎修次さん(67)は「普及台数に比べ、『純粋な』市民が使う例はまだまだ少ないのではないか」と指摘する。「AEDを使うことで救命率は一気に高まることは知っていても、一般の人たちがその場に遭遇した時、大丈夫か、失敗して死なないかと、『事後』を考えて逡巡するのは当然の感情だろう」

 使用例のうち命を取り留めた人は05年の11人から、06年は45人に急増した。一方、亡くなる人も多い。こうした現状から、厚生労働省のAEDに関する研究班は、使用者の「動揺」も考慮し、不成功に終わった場合の心のケアにも踏み込んで研究を進めている

 島崎さんは「AEDの音声ガイダンスに従えば大丈夫だが、市民が『事後』も気にせず使える環境を作るには、使う人たちの心の問題を継続的に研究する必要がある」と話す。そして、「心肺蘇生とAEDが使える人が1人でも増え、恐れず『とにかく使ってみる』という意識に変わることが求められる」としている。



 AED利用者の心のケア・・・難しいですね。確かにそこを考えないと普及しないかもしれません。

 AEDは簡単に利用できるもの、とはいえ、命に直接関わるものですから、自分がそのスイッチを押していいのかどうかためらってしまうものかもしれません。

 ですが、行わなければ確実に死んでしまうわけです。勇気をもって使ってみることが大切です。ノーリスク・ハイリターンな代物だと思っていただければ良いと思います。

 日本救急医療財団のホームページで、全国約3500か所のAED設置場所が検索できる。施設名、住所、台数などが登録されており、同財団は「身近な所ではどこに設置されているか、日ごろから把握しておくことが大事」と話す。ただ、施設使用時間などの詳細は掲載されていないため、独自の確認が必要だ。

 普及具合に比べ登録台数が少ないことから、同財団は設置者側に対し、積極的に設置情報を登録するよう呼びかけている。財団ホームページ

 また、埼玉県、愛知県は、携帯サイトで県内設置施設の検索が可能だ。利用できる曜日、時間帯などがわかる。


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医学処:高校生へのAED指導を、授業で行う。
医学処:一般人がAEDを用いることで、蘇生率が7倍にまで増加。
医学処:三重県の中学校の水泳授業で心肺停止→AEDで回復する。
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2007年12月22日

救急医学の現場でも、PTSD発症を予防することが重要

救急医療でもPTSD発症予防が重要

 救急医療の現場では命を救うことが最優先だが、精神疾患を発症するとけがの回復やリハビリ、社会復帰にも影響しかねない。鬱病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防につながる精神的ケアは、本人や家族のためはもちろん、社会的にも重要だ。

 交通事故でも、体験や記憶が心に少なからず影響を与えることが今回の調査で判明したが、今後、事故後の鬱病やPTSDが、けがの回復やリハビリにどう関係するかの研究も期待される

 研究班によると、交通事故の患者は、全国の救命救急センターに新たに入院する人の1割ほど。ほかの事故や災害に遭った人にも今回と同じような傾向がみられる可能性もある。

 PTSDについては1995年の阪神大震災後、取り組みが目立つようになったが、ほかの病気も含めて実態が明らかになれば、医療の進歩につながるだろう。



 交通事故にあって命が助かったからよしとするのではなく、その後の社会復帰等を考慮していくことも、今後必要なことなのでしょう。

 もともと救急の現場というのは、うつ病や統合失調症の患者もかなりいるので、精神科医が出向くことはしばしばあります。PTSDの患者さんにも、メンタル的なケアを考慮しつつ、対応していければ理想的ですね。

関連
医学処:PTSDは恐怖の記憶を塗り替えられないことによって起こる。
医学処:注文の違うウエディングケーキによってPTSDになったとする裁判
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2007年12月07日

入れ歯の誤嚥を見逃し肺炎で死亡→書類送検へ

入れ歯誤飲見逃し死亡=救急医を書類送検−京都府警

 京都市下京区の医療法人財団康生会武田病院で1月、救急搬送された女性=当時(60)=が入れ歯をのどに詰まらせているのを見逃し死亡させたとして、京都府警捜査一課と堀川署は6日、業務上過失致死の疑いで、非常勤の救急医(44)を書類送検した。容疑を認めているという。

 調べによると、救急医は1月27日、問診など必要な診察をせず、レントゲンに入れ歯が映っていなかったことから誤飲を見逃し、女性を肺炎で死亡させた疑い

 女性は同日、朝食時に入れ歯を詰まらせ、武田病院に運ばれた。誤飲なしと判断され、帰宅したが、同月31日、路上で倒れ、搬送先の病院で翌朝死亡した。



 実際にフィルムには写っていたんでしょうか。まぁ写っていなかったとしても問診をしなかったというのはちょっと…。

 子供の誤嚥でよくあるピーナツは、X線透過物質でして、レントゲンに写りません。誤嚥って結構(相当)危ないので、皆様注意して下さい。お酒飲みすぎた後に酩酊状態で嘔吐した時の誤嚥も、怖いものです。

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2007年12月05日

飛行機内のエコノミークラス症候群は女性に集中している

エコノミー症候群:大半は女性 「トイレ行きたくない」水飲まず−−日医大が分析

 長時間の空の旅などで起きる「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」は女性客に集中的に発生していることが、日本医科大千葉北総病院などによる成田空港利用客のデータ分析で分かった。同病院は「女性患者にはトイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多い。水を飲まないのはよくない」と注意を呼びかけている。千葉市で開かれた日本航空医療学会で1日発表した。

 分析は、94年1月〜07年7月、重症の循環器病のため成田国際空港クリニックから同病院の集中治療室に転送された旅客72人(男性38人、女性34人、平均年齢59・7歳)を対象に実施した。

 最も多かったのはエコノミー症候群で31人。急性心筋梗塞23人、原因不明の胸痛5人、うっ血性心不全と不整脈各3人が続く。うち2人は病院で死亡した。

 エコノミー症候群の31人のうち29人は女性。31人中27人は帰りの飛行機着陸後に発症した。

 一方、急性心筋梗塞は23人中20人が男性だった。発症時期は、行きの飛行機に乗る前が7人、行きの機内4人、渡航先滞在中7人で、往路や滞在中が多い。

 エコノミー症候群は、長時間同じ姿勢をとることで、足などにできた血栓が肺の静脈に詰まり、呼吸困難になることもある。女性は更年期を境に、血液が固まりやすくなるとされる

 同病院の畑典武・集中治療部長は「肺血栓塞栓症を起こした女性患者の中には、10時間以上一度もトイレに行かなかった人もいる。じっとしていれば血流が悪くなるし、脱水状態は血栓ができやすい」と話す。



 脱水状態になりやすい長時間のフライトでは、水を多く摂取することと、尿意を感じるぐらいの時間の間隔でトイレに行きましょう。

 脱水状態で血液が濃くなるということと、長時間動かないでいることによる血液の鬱滞は、血栓形成を容易に引き起こします。

 血栓が出来るということは、動脈硬化や高血圧のように慢性的なものではなく、その血栓が肺動脈に詰まったらすぐ死に至るほど重篤なのです。飛行機のトイレってそんなに汚いというイメージはないのですが……どうしても行きたくないという人は、2,3時間おきに席から立ったほうがいいと思います。

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暴力団が救急車から救急隊員を引きずり出して暴行する

救急車から隊員を引きずり暴行

 救急隊員の対応が遅いことに怒って、救急車から隊員を引きずり降ろし、暴行を振るった男が逮捕されました。公務執行妨害などの疑いで警視庁に逮捕されたのは、住吉会系の暴力団組員、大久保瞬次容疑者(56)です。

 大久保容疑者は今月19日、具合が悪くなった妻を病院に運ぼうと救急車を呼びました。ところが、搬送先がなかなか決まらないことに苛立ち、「俺が運転する」などと言って、救急車から救急隊員を引きずり降ろして暴行を加えた上、ほうきの柄で救急車を叩いて運転席のドアを壊した疑いが持たれています。

 大久保容疑者は救急隊員が去った後も、自分の車に乗って救急車を追いかけ、更に暴行を加えていました

 調べに対し、大久保容疑者は「救急隊員がモタモタしていたので頭にきてやった」と供述しているということです。



 物凄く迷惑な話ですね。ヤクザって仁義がどうたらとかいいますが、所詮映画の中の奇麗事なんでしょうね。ホント迷惑極まりない存在です。医療従事者に手を上げるなんて言語道断。

 自分の妻を心配する気持ちは非常にわかりますが、それとこれとは全く相反することです。

自分の車に乗って救急車を追いかけ、更に暴行を加えていました

 何がしたいんだこの人は。

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2007年11月29日

若者の献血離れが深刻。43%から25%へ減少。

若者の献血離れ深刻 10年前の4割に減

 県内で若者の献血離れが止まらない−。1996年度に3万8367人だった10−20代の若年層献血者が、2006年は1万5742人まで減少したことが、県赤十字血液センター(山口市野田)のまとめで分かった。

 献血者数自体も減少しているが、若者の献血離れはそれ以上に深刻。献血者全体に占める若年層の比率は、96年の43.1%から06年は25.1%となった。全国平均の31%を下回る結果に、関係者らは将来への不安を募らせるが、明確な要因が分からず、有効な対策もないのが現状だ。一方で、献血の現場では大学生ボランティアらがPRに取り組んでいる。

 同センターによると、県内の献血者数は85年度の13万8506人をピークに減少を続け、06年度は6万2628人。20年余りで半減した。中でも10−20代の減少が目立ち、04年度に2万人を切った後も減少を続け、06年には10年前の約4割にまで落ち込んだ。

 県薬務課の堀穣主幹は「献血には怖いイメージがあるようだが、一度経験すると繰り返し献血する人が多い。まず1回目のきっかけを作りたい。若年層をなんとか増やさないと、将来的には先細りになる」と話す。

 県では中高校生を対象にしたポスターや作文を募集。高校1年生向けに、献血について解説した冊子も配布している。



 うーん…。思うに、献血にどれくらいの時間がかかるか、とかを明確にしないといけないと思うんですよね。そこらへんが一番不安なところじゃないでしょうか。

 私が献血に行くときに思った不安は、「痛いのか」と「閉鎖的ではないか」と「かかる時間」でした。

 痛みに関して言えば、針を刺している人はプロみたいなものですから、これがまた、全然痛くありませんでした。よく献血用の針は太いといいますけれど、見た感じそんなに太くないですよ。それでも「全然痛くない」というのは驚きでしたね。

 閉鎖的かどうか、は、これはもう漫画喫茶より快適ともいえる明るさ、自由度、サービスでした。待ってる間は雑誌を読んだりできますし、飲み物の自動販売機はタダ。献血待ちの緊張はありませんでした。

 ただ、かかる時間はやっぱり不安です。回転は良いので、そこまで待たされませんでしたし、実際に入ってから出るまでの時間も想像していたよりもかからなかったんですけれど、「待ち時間も含めて1、2時間かかるんじゃないか」と思っていると、ふらりと献血しに行くのもためらわれますよね。献血ルームのあるところは要するに人の多い繁華街なわけで、そんなところに行くときってのは、用事があるからに他なりません。そこで1,2時間かかると思ってしまうと、入るには入れませんよね。

 あの「献血ルームこちらです」とか「O型が不足しています」とかいう看板持っている人が、例えば「400ml献血は待ち時間も含めて30分です」とかいう案内を出してくれれば、より入りやすくなると思うんですけど。勿論、混み具合をみてその表示は変えてもらいます。いちいち看板を変えるのではなく、電光掲示板のようなもので、窓口の人が変更する形で。どうですかね。

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2007年11月23日

福島市内で、交通事故から救急搬送できなかった。

4病院で8度拒否 救急搬送の女性受け入れ

 福島市仁井田の県道で11日に起きた交通事故で、亡くなった無職菊田ミツ子さん(79)を救急車が救急搬送した際、市内の病院で受け入れ先が決まらず、本格的な治療が約1時間も受けられなかったことが13日、分かった。

 菊田さんと同居していた知人の男性らによると、菊田さんを搬送した福島消防署の救急車は4病院で合わせて8度にわたり、受け入れを拒まれたという。菊田さんは9度目の依頼先となった市内北沢又の病院に収容されたが、事故から約6時間後に死亡した。各病院が菊田さんを受け入れられなかった理由は分かっていない。

 知人男性は事故が起きた午後8時15分ごろ、自宅にいた。約30分後、菊田さんの帰りが遅いことに胸騒ぎを感じて外へ出て、菊田さんが交通事故に巻き込まれたことを知った。男性が病院に到着した時、菊田さんには意識があり「苦しい。先生、助けてください」と訴えていたという。



 福島市内でも…。

 別ソースによりますと、福島県立医科大学附属病院にも行っているそうですね。ただ、「午後8時半ごろとその10分後に消防から要請を受けたが、8床ある集中治療室がすべて埋まっていたため、断らざるをえなかった」ということだそうで。。。

 福島赤十字病院でも、「6床ある集中治療室がすべてふさがっていて、受け入れができなかった」ということです。

 こうなるともはや不運であったというしかないのですが、記事の書き方が「たらい回し」と、さも救急隊員と病院の医者が悪いような書かれている次第です。実際、一般の方がこのニュースを見て、医師に悪いイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

 医師も看護師も不足している中、どのように受け止めたらいいのか、別の側面から見ると問題が山積みです。

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2007年11月14日

659回目の献血を行った熊本市の本松さん

659回目の献血…笑顔で定年、熊本市の本松さん

 県内の女性で献血回数最多の熊本市帯山、本松ユリ子さん(69)が厚労省の規定で献血ができなくなる70歳を前に、7日、同市の県赤十字血液センターで最後となる659回目の献血をした。本松さんは「人のために何かしたいと献血を始め、生きがいになった。健康に恵まれ、ここまで出来てよかった」と“献血定年”を笑顔で迎えた。

 1959年に長女が未熟児で生まれたことが、本松さんが献血を行うきっかけけになった。長女は「助かるか分からない」と言われたが、懸命に育て、元気に成長した。「命の大切さを知った。世の中の役に立ちたい」と、子育てが一段落した1960年代後半から献血を始めた。

 200cc、400ccと始め、最近は成分献血を年24回のペースで続けた。献血が出来るようにと、週4回のエアロビクスと無添加、無農薬の食事を心掛け、健康維持に細心の注意を払ってきた。

 この日は引退献血セレモニーが行われ、早野俊一所長から「多くの献血が多くの人の助けになりました。ありがとうございました」と感謝状を贈られた。13日に70歳を迎える本松さんは「最後になったのは寂しい。700、800回とできる体力と気力があるので年齢をごまかしてまた来ようかな」とおどけてみせた。

 同センターによると、昨年度の県内の献血者数は5万3106人。本松さんは「若い人にもっと献血してもらえるように呼びかけていきたい」と話していた。

 これまで県内で最も献血が多いのは、2005年に70歳の誕生日を迎えた男性の980回。



 動機は人それぞれ。しかし献血によって救われている人が数多くいるのもまた事実です。1日に何件オペをするのかは分かりませんが、救命救急医の多くが過労状態にあるということは、手術数もそれなりにあるでしょう。血液は、使われていくのです。

 常に不足気味にありますので、特に献血と縁の遠い若者には是非行ってほしいところです。Aですら不足しているので、ABやOは緊急を要するほどの不足っぷりです。一度献血ルームへ足を運んでみて下さい。思っているほど病院っぽくない、いい環境ですよ。

  /l、
 (゚、 。 7   
  l、~ ヽ      
  じし' )ノ 

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2007年11月06日

意識不明男性の救急搬送を拒否して消防が訴訟

救急搬送拒否され意識不明の男性家族、消防を賠償提訴

 駐車場で頭から血を流して見つかり、警察から消防に通報された奈良県大淀町の男性(43)が、消防の救急隊員に搬送を拒否され、意識不明になったとして、男性の両親が、同県中和広域消防組合市、堀田智消防長)を相手取り、治療費など総額約2億5230万円の損害賠償を求める訴訟を奈良地裁葛城支部に起こした。

 訴状などによると、男性は昨年11月15日未明、橿原市内の飲食店で酒を飲んだ後、近くの駐車場で転倒して頭を打ったとみられ、橿原署の駐車場に迷い込んだところを保護された。

 当初は意識があり、署員が名前や住所を聞き出したが、間もなく意識不明になり、署員が同組合橿原消防署に通報した。

 救急隊員3人は飲酒して軽傷を負ったと判断したが、駆けつけた家族は、昨年8月、大淀町立大淀病院で意識不明になった妊婦が19病院で転院を断られ死亡した問題を挙げ、「(あの時は)18、19件目まで探して連れて行ったのに」と搬送を強く要請。しかし、隊員は「朝まで大丈夫。様子を見て病院へ搬送して下さい」と言って引き揚げた。

 両親は男性を連れて帰宅したが、翌日朝になっても意識が回復せず、他の消防署に依頼して同県立医大に搬送した。手術の結果、外傷性脳内出血と判明、現在も昏睡状態が続き、意識が戻る見通しはないという。



 飲酒していると難しいですけど、最初意識があったにもかかわらず意識がなくなっていたら、搬送したほうがよかったように思います。神経学的所見は大事ですので。
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2007年11月04日

開業医の初診料を減らし、夜間報酬を上げる。

開業医の診察料分減額 夜間は増やす 厚労省検討

 厚生労働省は2日、開業医の診療報酬について、夜間診察を手厚くする一方で、その財源捻出のために初診・再診料を引き下げる方向で検討に入った。夜間の救急医療で開業医が一定の役割を担うよう促すことで、病院勤務医が診る救急患者数を減らし、負担軽減するのが狙い。ただ、日本医師会は反発しており、調整は難航しそうだ。

 08年度の診療報酬改定について議論する中央社会保険医療協議会(中医協)に提案した。

 病院の勤務医の過酷な労働条件が、医師の病院離れや地方病院での医師不足の原因との指摘があり、08年度改定でも勤務医の負担軽減は主要な課題の一つだ。

 厚労省の調べでは、午後6時以降に開業している診療所が多い地域では、救急医療で病院が受け入れる患者の数が比較的少ない。このため、夜間開業の報酬を手厚くすることで夜間対応の診療所の数が増えれば、その分、病院の勤務医の負担も軽減されると厚労省はみている。

 ただ、社会保障費の抑制傾向の中で新たな財源確保は難しいことから、開業医の初診・再診料を引き下げることで、財源に充てるとした。



 勤務医と開業医の格差がなくなるという意味では、開業医の診療費を減らすという作戦はアリかもしれませんが、、

 まず大前提の「予算が少ないから夜間診療を増やすかわりに初診料を減らす」というのが大きな間違いです。予算を増やせばいい。現実的に可能です。日本は公共事業費に多くの予算を費やしていますが、世界的にみて医療費の割合が少なすぎます。公共事業費を減らせばいい、これは政治家に良識があれば実現可能な案です。
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2007年10月10日

輸血による弊害について

輸血は益となるより害となる可能性がある」 米デューク大研究報告

 多くの患者にとって、「輸血は益となるより害となる可能性がある」との研究結果が、8日発行の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。

 研究を発表したのは、ノースカロライナ(North Carolina)州デューク大学(Duke University)医療センター。

 血液中の窒素酸化物は、赤血球が体内組織に酸素を運搬するのを補助する役割を果たす。研究によると、輸血が害となるのは、保存血中の窒素酸化物が採血後3時間以内に失われてしまうことが原因だという。

 同大学のジョナサン・スタムラー(Jonathan Stamler)教授(肺医学)は「輸血が患者にとって有害となる可能性があるという問題は、米医療界が直面する最大の問題の1つだ」と指摘する。「原則的に、窒素酸化物をめぐる問題については解決策がある。血液中に窒素酸化物を戻してやればいい。ただし、臨床試験での証明が必要だ」

 スタムラー教授の研究チームはすでに、酸欠状態にあるイヌの心臓に、窒素酸化物を戻した保存血を輸血することで、血流を増加させることに成功している。次の段階は、ヒトでもこの技術が機能するかを確認することだ。

 近年の研究で、輸血を受けた患者の心臓発作、心不全、脳卒中などの発生率が高く、死に至る場合もあることが分かっていたが、その理由を特定したのはスタムラー教授の研究が初めて。

 「窒素酸化物は、酸素を運ぶ赤血球が通過しやすいように、小血管を押し広げる役割を果たす」と教授。「もし血管が開かなければ、赤血球は血管内にとどまり、体内組織に酸素が運搬されないことになる。その結果、心臓発作が起きたり、場合によっては死に至ることもある」

 また、窒素酸化物は、赤血球の柔軟性にも影響を与える可能性があるという。血液中の窒素酸化物の濃度が低下すると赤血球が硬化し、小血管内の移動が困難になるという。



 へぇーーー。まさか輸血にこんな弊害があったとは。窒素酸化物が血管を拡張させ、結果的に血流を増加させるとしても、確かに何時間も残っているものではありませんからね。輸血を行う際に、必要な量だけ補ってやることで、その効果を取り戻せれば、術後の回復率も高まるかもしれません。

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2007年10月08日

妊婦の緊急受け入れを行った病院には診療報酬を優遇するよ

妊婦緊急受け入れ診療報酬で優遇へ…厚労省検討

 奈良県で救急搬送中の妊婦が9病院に受け入れを断られ死産した問題などを受け、厚生労働省は5日、妊婦の緊急受け入れに応じた病院を診療報酬で優遇できるよう検討に入った。

 2008年度の診療報酬改定を議論している中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会で提案された。

 緊急に受け入れた妊婦に何らかの異常があった場合、病院が「受け入れ料」などとして診療報酬を加算できる方法を検討する。自然な出産に至った場合は対象から除外する方針で、来年1月までに詳細を詰める。



 そういう方法で緊急受け入れをカバーしようというのかー。

 でも確かに、「何かあった場合の費用を国が補填」では、受診しない妊婦の思うツボですからねぇ。

 緊急受け入れをさせないための策も何か必要だと思うんですけど。

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