[救急]の記事一覧

2011年04月17日

東日本大震災後、1万5千人の医師・看護師が被災地に支援に向かう

医師ら1万5千人被災地入り…震災後1か月で

 東日本大震災の発生から1か月間に、全国から被災地に医療支援に入った医師や看護師らの数は、1万5000人以上にのぼることが、読売新聞の調べで分かった。阪神大震災を機に整備が進んだ災害医療支援は、過去最大の規模になることは間違いなさそうだ。

 調査は今月14日までに、医療関連の各団体と都道府県を対象に、震災後1か月間に派遣した医療者の人数を電話などで確認した。国は阪神大震災で救急医療が遅れた反省から、災害初期の救命医療を担う災害派遣医療チーム「DMAT」を全国に整備、今回の震災では発生の翌日までに全国から1000人以上が被災地入りした。2007年の新潟県中越沖地震では、42チーム、約200人が出動したが、今回はその7倍以上の約320チーム、約1500人が活動。3月22日までに支援を終了した。

 日本赤十字社、日本医師会など様々な医療関連の団体や学会、大学、都道府県など他の支援チームは、現在も活動を続けている。現地で数日間活動し後続のチームと交代する場合が多い。避難所での診療のほか、保健師による健康相談、精神科医による心のケアも実施。日本歯科医師会が派遣した歯科医は、遺体の身元確認作業も行っている。日赤によると、今回の被災地は広域で、もともと医師が少ない地域でもあるため、支援の期間は長引くとみている。



 積極的な支援を行っているところが多いようです。

 災害発生当初は、救急的な意味が多かったでしょうが、避難所暮らしやもともと疾患を抱えている人に対するアプローチなど、むしろ災害後の今だからこそ必要なことも多くありそうです。


posted by さじ at 08:29 | Comment(1) | TrackBack(0) | 救急

2011年01月19日

必要のない救急車出動件数が過去最多に。

松阪消防 救急車出動が過去最多 入院不要61%

 松阪地区広域消防組合(大釋博消防長)の昨年一年間の救急車出動件数は一万二千八百四十四件で、過去最高だったことが四日、分かった。一昨年と比較すると、千二百件、約10・3%増。一万二千件突破は初で、管内の十六人に一人が搬送された計算になる。

 同組合のまとめによると、昨年の一日当たりの救急車の出動件数は約三十五件(一昨年約三十二件)。昨年二月ごろまで猛威を振るった新型インフルエンザによる発熱や、夏の猛暑による体調不良が、出動件数を大きく押し上げたと、分析している。

 また、出動したものの搬送しなかった「不搬送」は、一昨年より五十七件多い四百九十八件で、全体の約4%。家族などが出動要請しても、本人が「大丈夫」などとして救急車に乗らなかった例が複数あるといい、軽症での出動要請が、重症者の搬送を妨げる可能性も否定できない状況にある。

 ただ、搬送後に入院を要しなかった「軽症」は全体の約61%で、管内住民の救急相談に、民間の医師らが二十四時間体制で電話に応じる「救急相談ダイヤル24」が稼働した一昨年十一月以前と比較すると、約5ポイント低下。出動件数そのものは増加したものの、軽症に関しては、「ダイヤル効果」があったとみている。

 同組合は松阪、明和、多気の三市町で構成。管内では、過去には市内三大総合病院が輪番制で救急医療を担っていたが、医師不足や増加する利用者が医療体制を圧迫し、平成十九年に救急車の搬送患者だけを救急医療で対応することを決めた。

 五年前には救急車の出動要請も、医療圧迫の原因になるとして、適正利用を住民に重点的に呼び掛け、出動件数がいったん九千件弱まで減少したことがあったが、同十九年には初の一万件を突破。その後は増加を続けている。要請に応じて出動し、搬送する立場の消防としては、現場で患者の選別をすることはできず、適正利用の呼び掛けが唯一の手立てとなっており、同本部総務課は、「ことしも救急本来の目的を住民の皆さんに理解してもらい、救急車の適正利用と同時に、ダイヤル24の有効利用も啓発したい」と、話した。



 日本は国として最高峰の医療を提供していると思いますが、なんかこう、不思議なのが、すごくどうでもいい案件なのに、なぜか夜に、救急車で行くという点。夜のほうが緊急性が高そうなイメージがあるからでしょうか。

 熱があるなら昼間くればいいのに、何故か夜まで我慢して、夜に来る。我慢できたなら朝まで我慢すればいいのに

 というのは夜間はどこの病院もマンパワーが不足します。はっきりいって、昼間のほうが受けられる医療の質ははるかに高い。採血1つとっても、夜間緊急でオーダーできる採血項目は限られています。夜間にはとれるべきデータも少ない。そして人が少ないから十分な医療が提供できない。そのときいた人が最高の医療を提供しても、昼間には及ばないです。
posted by さじ at 00:10 | Comment(3) | TrackBack(0) | 救急

2011年01月06日

餅は小さく切って食べましょう。よく噛んで食べましょう。

餅を詰まらせ、5都県でお年寄りら10人死亡

 1日から2日にかけて、東京、神奈川、埼玉、千葉、和歌山の5都県で、お年寄りら計10人が餅を喉に詰まらせ死亡した。

 東京消防庁は「餅は小さく切ってよくかみ、高齢者や子どもの場合、家族がそばに付き添ってほしい」と呼びかけている。

 同庁によると、東京都内では、2日午後8時までに24人が病院に運ばれ、このうち6人が死亡した。死亡したのは70〜82歳の男性5人と95歳の女性。うち5人は自宅で雑煮を食べていた。

 他の4県でも、1日午前に61〜89歳の男女4人が餅を喉に詰まらせ、死亡した。



 毎年何人か亡くなりますね。

 どんな食事でもそうなのですが、「ゆっくり噛んでしっかり飲み込むこと」が大事です。

 最近はこういったニュースがあると「こんにゃくゼリー」の話題にシフトします。

 確かに仙石官房長官の、こんにゃくゼリー規制は、よくわからんです。ひとつの企業の主力をあっさり潰している。そのようなことがまかりとおっていいのか、と。

posted by さじ at 02:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急

2010年12月31日

救急搬送の緊急度を段階別に分けてみる。

救急搬送の緊急度を5段階判別、共通基準の導入を検討−総務省消防庁

 救急搬送を要請する人の中から緊急度の高い患者を「トリアージ」して早期の対応につなげようと、総務省消防庁が家庭や救急現場、医療機関が共有する判別基準の具体化に向けた検討に入った。医療機関では、心肺停止やショック状態など最優先での対応が必要な患者を「レベル1」(蘇生レベル)に位置付ける一方、アレルギー性鼻炎や皮膚発赤などは最も優先度が低い「レベル5」(非緊急レベル)にするなど、5段階でトリアージする仕組みの構築を目指す。

 同庁によると、今年上半期の全国の救急搬送件数(速報値)は262万457件で、前年同期から15万1535件(6.1%)増えた。単に交通手段がないために救急出動を要請したり、軽症者が利用したりするケースもあり、これらが救急現場を圧迫しているとされる。

 基準の導入は、こうした中で緊急度が高い患者を判別し、最優先で診察・治療を受けられるようにするのが目的。

 「家庭」「消防本部(119番通報)」「救急現場」「医療機関」の4つのステージで基準を共有させたい考えだ。

 同庁の案によると、このうち救急現場では、傷病者の状態に応じて「高緊急」などのレベルにトリアージし、非緊急の場合には自力で医療機関を受診するようアドバイスする。また医療機関では、救急搬送された患者をトリアージし、蘇生レベルの患者を最優先で診察・治療する。一方、非緊急なら120分以内に診察・治療を始める。

 今後は、どのような状態を緊急度が高いと位置付けるかや、各レベルやステージごとに必要な対応を具体化する。来年度以降の実証事業を経て実用化を目指す。

 同庁は来年度の予算概算要求に必要経費を計上しているが、政府の評価会議は「政策コンテスト」の結果に応じて事業ごとに予算を振り分ける方針を示しており、どこまで具体化できるかは不透明だ。

 こうした仕組みはカナダなどで実際に運用されており、仕組みの具体化を進める上で参考にする。ただ、カナダと日本では医療システムや社会構造が異なるため、18日の作業部会で同庁の担当者は、「そのまま導入できるかは慎重に検討する必要がある」と説明した。

 救急車の出動要請が必要かどうかを家庭で判断できるようにするため、総務省消防庁では一般向けの「救急車利用マニュアル」を年度内に作成する

 マニュアルの骨子案によると、迷わず救急車を利用する必要がある場合の具体例を、「脳疾患」「心疾患」「小児」などの症例ごとに紹介する。また、救急車をタクシー代わりにするなど、不適切利用の事例も盛り込む。

 実際には重症なのに軽症とみなす「アンダートリアージ」が起きないように工夫するという。



 救急車出動というのは結構、よほどのことがないとやらないもんだと思ってましたけどね。

 実際には「何でこんなんで来ちゃったの」っていうようなことも、数知れず、です。夜起こされた医師はため息をつく。

 そうならないよう、家庭で相談できる電話やマニュアルなどがあると便利ですね。実際にそれらは進んでいるようですので一安心といえば一安心か。
posted by さじ at 04:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急

2010年11月26日

横浜市立大学附属市民総合医療センターでフェンタニルを悪用した麻酔科医

麻酔医の麻薬違法使用:永井容疑者、投与前にブドウ糖とすり替え /神奈川

 医療用麻薬「フェンタニル」を違法に所持・使用したとして、横浜市立大付属市民総合医療センター(同市南区)の麻酔医、N容疑者(37)らが麻薬取締法違反容疑で逮捕された事件で、N容疑者がフェンタニル入手のため「治療患者に投与される前、ブドウ糖にすり替えていた」と供述していることが24日、捜査関係者への取材で分かった。ブドウ糖はフェンタニルのような鎮痛作用はなく、患者が痛みを感じていた可能性もあり、県警は調べを進めている。

 N容疑者は09年4月から麻酔科、今年6月から集中治療部に勤務。捜査関係者によると「個人的な悩みがあり、忘れるために今年4月ごろからフェンタニルを使い始めた」と供述しているという。

 麻酔科在籍時は手術で余ったフェンタニルを延べ約100本分吸い上げて流用。集中治療部に異動後は、患者用としてベッド脇に置いてあったフェンタニルを含む液体50ミリリットルの入った容器を、同量のブドウ糖の入った容器に十数回にわたり交換、持ち去って使用していたという。

 同センターによると、N容疑者は、麻酔科在籍時の3〜5月は計52人、異動後の6月以降は月最大約50人の患者を担当していた。

 フェンタニルはモルヒネの約200倍の鎮痛作用があるといわれ、手術時は麻酔用に、集中治療室では全身管理で痛みを和らげるために使われる。ブドウ糖に鎮痛作用はないため、本来投与されるはずだったフェンタニルを処方されなかった患者は痛みを感じていた可能性があるが、話ができない重症患者がほとんどのため、痛みを感じても伝えられなかったとみられる。

 同センターはこれまで、担当部長らを通じて患者に容体の変化などがなかったか調べたが異常はなかったという。同センターは「捜査が進みフェンタニルの入手手法が明らかになった時点でより詳しい調査を行いたい」としており、今後、患者への影響を再調査することになりそうだ。

麻酔医の麻薬違法使用:調査委を設置 市大センター病院、再発防止も検討 /神奈川

 医療用麻薬「フェンタニル」を違法に所持・使用したとして横浜市立大付属市民総合医療センター(同市南区)の麻酔医、N容疑者(37)が逮捕された事件を受け、同センターは25日、調査委員会を設置した。

 県警によると、院内の麻薬が持ち出されており、同センターは、逮捕から1週間が経過したことから設置を決めた。調査委は病院関係者や外部有識者など十数人で構成する予定で、近く初会合を開く。N容疑者が麻薬を入手した方法や動機などを調査、再発防止のため麻薬の管理体制の見直しを検討するという。

 県警によると、N容疑者は、集中治療室の患者に投与される麻薬をブドウ糖にすり替えて持ち去ったといい、同センターでは患者への影響についても調査をする方針。



 横浜市立大・・・。

 全身麻酔を行う手術のうち、麻酔深度が深くなるまでは痛みを身体が感じてしまい、意識はなくとも動いてしまう、という場合があります。そんなとき、痛み止めとして劇的に効くのがこの「フェンタニル」です。

 本来なら厳重に管理されるはずの麻薬ですが、はっきり言って麻酔科医ならば簡単に流用できます。手術中に、投与したフリをして、使ったかのような記載をすればいいだけです。痛みが出ているような状況であれば血圧が上昇したりして、その記録は残りますが、そこまで細かくチェックしている人がいるかというと必ずしもそうではないというのが現状でしょう。そしてフェンタニルの空き容器を提出して、1アンプル使いましたよ、と報告すればいい。

 誰でもできますが、誰もやりません。

 医師としてのプロ意識、モラルが普通はあるはずです。

 おそらく麻酔科にずっと在籍し続けていたら、まずバレなかったのではないでしょうか。集中治療部でも使い続けたあたりが、怖いですね。

 まあ一番被害をこうむったのは患者自身でしょう。痛いのに、痛み止めが使われなかったという。意識がない患者ならばまだいいかもしれませんけれど、集中治療部において、意識はあるけど痛みを感じている患者に使っていなかったとなると、もうこれはプロ失格どころの騒ぎではありません。
posted by さじ at 19:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 救急

2010年08月05日

脳梗塞のt-PA療法、救急医療として川崎市が成果を挙げる

「t―PA療法」脳卒中救急医療に成果、横浜・川崎市がシンポで

 脳卒中の救急医療を考えるシンポジウムが31日、横浜市中区桜木町の日石横浜ホールで開かれた。横浜、川崎市では、多くの脳卒中患者を救える可能性がある「血栓溶解療法」(t―PA療法)に対応可能な医療機関に搬送するだけでなく、搬送から治療までの患者データを集積するなど、全国でも先駆的な体制を整備している。両市が最近1年間の実績を発表。症状の改善など一定の成果があった一方、地域間連携の重要性や啓発の課題も浮上した。

 t―PA療法を行った場合、発症から3時間以内なら劇的に改善する可能性があるとされている。川崎市では治療実績のある10医療機関でつくる「川崎脳卒中ネットワーク(KSN)」が市消防局と連携。救急隊がt―PA適応可能性のある患者をKSN病院に搬送する体制を全国で初めて導入した。横浜市では市健康福祉局が搬送先医療機関として募った31医療機関に搬送する仕組み。

 川崎市では昨年度、KSN病院に搬送された552例のうち、t―PA療法を実施したのは約15%の86例に上り、全国に比べて高水準という。治療後、就業復帰可能レベルまで改善した患者は30%を超えた。死亡は2例あったが治療の副作用が原因ではないという。

 また、症状判明から病院に到着するまでの時間は昨年度下半期は約30分で、同上半期から半減。KSN事務局で聖マリアンナ医科大学の山田浩史医師は「一定の成果がある」と強調しつつ、t―PA適応可能性患者の約10%が横浜市内へ搬送されていることから「両市でデータを共有することが重要」と課題も挙げた。

 横浜市では昨年度、31カ所の医療機関に搬送された患者のt―PA実施率が約13%(177例)。約30〜40%の患者が就業復帰可能レベルに改善する効果が見られた。死亡者は約10%を占めた。

 一方、t―PA適応可能性患者の約15%が、時間帯などを理由にt―PA療法ができない病院に搬送されている実態が判明。市消防局救急課の吉田茂男さんは「患者家族からかかりつけ医への搬送などの強い要望もある」と打ち明け、「市民にもt―PAの効果や搬送システムを理解してもらうことも必要」と話した。

 また、国立病院機構神奈川病院の齋藤良一医師が湘南地区の搬送状況などを報告した。



 救急疾患ながらも「発症から3時間」というタイムリミットがあるのが課題ですね。しかしそれでも劇的な効果があるのならばやるべきでしょう。川崎市というと聖マリアンナ医科大学が中心にやっているのでしょうけれども、そのデータを共有しうまく生かすことでその地域の脳梗塞患者の社会復帰率を大幅に上げることができると思われます。
posted by さじ at 01:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

救急医療情報を冷蔵庫に入れておく運動を広めよう

雲南「救急医療情報を冷蔵庫に」

 緊急情報は冷蔵庫に入っています−。雲南市木次町八日市地区の地域自主組織「八日市地域づくりの会」が1日、緊急連絡先やかかりつけ医などの記録を筒に入れた「救急医療情報キット」を、各家庭の冷蔵庫で保管する取り組みを始めた。独居老人が倒れた時などに、家族に急を知らせ、持病など不明点の解消につなげ、迅速な対応に役立てる。

 同地区の全350世帯、1036人が対象。木次総合センターによると、同地区の独居老人は今年4月1日現在で72人。また、地区内で市に申請した災害時要支援者数は46人に上った。

 地域ぐるみの安全・安心対策として、同会の生活安全部5人が中心となり、1年がかりで準備。県内の先進地の取り組みを参考に、指定の用紙に氏名や住所、かかりつけ医療機関、担当医を記入。診察券や薬剤情報提供などの写しと一緒に筒に入れ、すぐに見つけ、取り出しやすい冷蔵庫に保管することにした。

 個人情報保護の観点から、消防署員と警察署員のみが情報を見ることができるよう配慮。全世帯に1本ずつ筒を配布した。

 同会生活安全部長の布野良男さん(67)は「今は、隣近所でも名前も知らない人がいる。しっかり記入して、1人でも助かってほしい」と話した。



 これ素晴らしい考えですね。考えて実行にうつした人、偉い。

 実際、こう、いざ救急車で病院に行ったとして、まず現場の医療関係者が困るのが「どういう病気でどういう薬を飲んでどういう経過なのか」という点です。飲んでいる薬が分からないことには治療に制約が出てしまう。本人に聞いても何とか言う薬という感じで明確な答えが出てこないことが多い。

 そんなときに、お薬手帳とか、こういった病歴を書いた紙があるととても便利です。この手法、全国で普及させてくれませんかね。救急隊の方もこれがあると探しやすいし便利だと思うのですよね。冷蔵庫がミソ。開けやすいし。
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2010年05月05日

骨折の治療スピードを高める手法をスタンフォード大が開発

骨折治癒を加速 米研究チームが開発

 骨折したマウスの治癒のスピードを速める物質を米スタンフォード大の研究チームが開発し、28日付の米医学誌に発表した。人の骨折治療だけでなく、さまざまな臓器や組織の再生に応用できる可能性があり、研究グループは傷ついた皮膚や心筋梗塞の治療への利用も検討していきたいとしている。

 研究チームは、動物が傷ついた組織を修復する際に細胞から出る「Wnt」というタンパク質に着目。Wntが骨の幹細胞を活性化させることで新しい骨の形成を促すことを突き止めた。

 さらにWntを効率よく細胞内に運ぶためのリン脂質でできたリポソームと呼ばれる微小なカプセルを開発した

 リポソームに入ったWntを骨折したマウスに投与したところ、投与しないマウスに比べて新しい骨の形成が3・5倍速くなることが確認できたという。再生の加速は骨折した部位だけで限定的に認められた



 骨折治療を進めることができれば、スポーツ選手や若者だけでなく、高齢者の骨折に対しても応用できそうです。

 特に高齢者の場合は、骨折によって筋肉を使わなくなり、寝たきりになったりしてしまうことがありますので、できるだけ早く治療を進めたいということもありますので。
posted by さじ at 03:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

2010年04月05日

AEDを一般人が行えば社会復帰率は2倍にもなる

近くの人がAED、効果明確=社会復帰率は2倍

 心肺停止状態の急病人近くにいた一般の人が自動体外式除細動器(AED)で初めに救急処置した場合、駆け付けた救急隊が処置したケースと比べ、患者の社会復帰率が2倍を超えることが、京都大研究チームの調査で分かった。18日の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。

 研究チームは2005年から07年の3年間、医療機関以外で救急処置を受けた心肺停止状態の患者を対象に調査。致死性の高い不整脈のケースで、一般の人がAEDで救急処置をした462人のうち、1カ月後に後遺症がほとんどなく社会復帰した割合は31.6%。一方、最初に救急隊の処置を受けた患者約1万1700人で社会復帰したのは14.0%だった。

 研究グループは「電気ショックによる処置が1分早いと社会復帰が9%増加する。AEDを今後さらに増設し、設置場所を周知するといった一般の人が利用しやすい状況への改善が望まれる」としている。



 31.6%も社会復帰できるんですねぇ。救急隊員が到着する前に目撃者がどれだけのことができるか、が最大の鍵のようです。

 今問題視されているのが、「AEDはもっともっと設置したほうがいい」ということと、「一般人がAEDを使うのにためらってしまう可能性がある」こと。

 はっきり言って、どんどんAEDをやっちゃって下さい。もし仮にAEDが必要がない場合、つまり致死的不整脈でなかった場合は、電流を送らないようになっています。簡易的に機械が診断してショックの指示を出してくれるので、どんどん装着して機械どおりに進めて下さい。

 社会復帰できるかどうか、はその人の人生においてホントに凄く重要なことですから。
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2010年03月02日

奈良妊婦搬送死亡事件で、産科救急の充実が求められる

奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 「救急充実願う」大阪地裁判決言及 

 奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、転送先で死亡した問題を巡り、遺族が町と産科医に約8800万円の賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は遺族の請求を棄却した。しかし、3時間以上も転送を待たされた経緯に触れ「産科救急医療の充実を願う」と付言した。

 原告は、夫晋輔さん(27)と転送先で生まれた長男奏太ちゃん(3)。主な争点は、産科医が頭部CT検査を実施せず、死因となった脳内出血ではなく妊娠高血圧症の子癇とした診断の過失と、救命可能性の有無だった。

 判決は、脳内出血が発生した時刻を、実香さんが頭痛を訴えた06年8月8日午前0時ごろと推認。その上で、「設備の整った医療機関にできるだけ迅速に搬送することを優先させた判断は不適切とは言えない」と産科医の過失を否定した。

 転送時期と実香さんの死との関係については「仮に(初期段階で)脳の異常を診断し、(設備の整った)奈良県立医大に搬送したとしても、手術開始は午前3時半ごろと考えられ、救命の可能性は極めて低かった」と述べ、請求を全面的に退けた。

 一方、判決要旨の朗読後、大島裁判長は産科救急医療の現状に触れ、「重症患者でも現場で搬送先を探しているケースが多く、『救急医療』とは名ばかりだ。人の命を守ることは国や地方自治体に課された責務で、産科など救急医療の再生を強く期待したい」と述べた。

 遺族の願いはかなわなかった。奈良県大淀町立大淀病院で分娩中に意識不明となり、19病院に転送を断られた末、死亡した高崎実香さん(当時32歳)の医療訴訟。大阪地裁は1日、町と産科医側への賠償請求を退けた。しかし判決は、実香さんの死後に浮き彫りになった産科救急医療体制の不備を指摘した。夫晋輔さん(27)は「判決は残念で実香に申し訳ない気持ちだが、裁判所の意見は良かった」と複雑な心境を語った。

 晋輔さんは法廷の原告席に背筋を伸ばして座り、じっと目を閉じたり、ハンカチで目を押さえたりしながら、判決に聴き入った。

 晋輔さんは毎回、裁判に出席する一方、各地で講演会などに参加し、産科医療の改善を呼びかけてきた。訴訟を起こしたことで、インターネットの掲示板でいわれのない批判や中傷も受けた。それでも法廷に足を運び続けたのは、実香さんが亡くなる直前に出産した長男奏太ちゃん(3)に「お母さんのおかげで産科医療が良くなったんだよ」と伝えたかったからだった。

 判決後、記者会見した晋輔さんは、請求棄却について「頭が真っ白で言葉が出ない」と唇をかみしめた。しかし、産科救急医療体制の改善を求めた裁判所の付言には、期待を込めた。「実香の命が重いことを改めて感じた。奏太に説明できると思う。医療界が受け止めて、早急に産科医療の体制を整備してほしい」と語った。また、石川寛俊弁護士は「主張が十分、受け入れられなかった。控訴するかどうかはまだ考えていない」と述べた。

 一方、西浦公章・大淀病院院長は「審理が尽くされた結果と受け止めている。産科救急医療体制の充実を強く希望するとともに、医療体制充実に努力したい」とのコメントを出した。

 19病院に受け入れを断られた高崎実香さんの死は、危機的な産科救急搬送システムの実情を浮き彫りにした。賠償請求は棄却されたが、産科医不足や、産科と一般の救急医療システムとの連携の不備など、医療システム全体の問題点に一石を投じた意義は大きい。

 実香さんの問題などを受け、厚生労働省は今年1月、産科救急医療を脳神経外科などと連携させるよう都道府県に通知。しかし、厚労省が昨年11月に発表した医療施設調査結果によると、分娩可能な医療施設は08年までの3年間で1割以上も減少した。背景には深刻な医師不足や過重労働があり、連携強化だけでは不十分だろう。

 実香さんの遺族は「二度と同じ事故が起きてほしくない」との思いから体験を講演などで訴えているが、医療界には「訴訟が多いから産科医が減る」などと遺族側を批判する意見もあった。救急医療体制の充実に向けて、患者側と医療界が手を携えて動いてほしい。

 06年8月7日、高崎実香さんが分娩のため奈良県大淀町立大淀病院に入院。8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明になり、けいれんを起こした。産科医は妊娠高血圧症の子癇と診断。病院は産科救急の転送先を探し始めたが、19病院に受け入れを断られ、午前5時47分ごろ、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)へ搬送。頭部CT検査で血腫が見つかり、帝王切開で奏太ちゃんが生まれたものの、実香さんは同月16日、脳内出血で死亡した。



 この事件当時の詳細は下記をご覧下さい。

 分娩中の脳出血を、18病院が受け入れ拒否して死亡。

 産科医の対応は、その人の診断で実行したものなので、責められるものではないと思いますが、救命救急システムに不備があるのは事実。

 とはいっても、医療側の責任なのかというと難しいところです。国民皆保険制度で運営している以上、全国どこの医療従事者、病院経営者も同じ想いなのではないでしょうか。

 「予算がない」と。

 医者は患者を助けたいと思っているにもかかわらず、受け入れ体制が整っていないというのは、誰の責任なんでしょうか。公共事業費やらどうでもいい私腹をこやすための税金投入をやめて、医療費に注ぎ込めばいいのでは。

 そもそも医療費が高騰している現状をみた上で、国、国民がどう思っているのか。こういう不幸なことがなければ変わらないというのが、情けないですけどね。

 消費税が増えることに政治家でも反対している人がいますけれど、じゃあどこから医療費を捻出するのでしょうか。疑問ですねコレ。国民皆保険制度を廃止しなければ国として医療水準を維持できないのでは?税金が医療費として適切に使われるのならば、別に消費税を上げても構わんと思いますけれど。ワカランです。どうしたらいいのか、ワカラン。ただ、こういう事件が起こったという事実と、今後こういう事件が起こらないようにするにはどうすればいいかを考えて、動いていかなければいけないんですわ。
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秋田大学医学部付属病院の救急医がみる、自殺未遂者

救える命・自殺未遂者を支える:第1部・現場/1 繰り返し防止策、急務 /秋田

 秋田大医学部付属病院(秋田市)の救急医、中永士師明医師は、数年前に救急部に運ばれてきた27歳の男性を忘れられない。

 やけどが全身に広がり、真っ赤に焼けただれていた。灯油をかぶって焼身自殺を図ったらしい。だが彼は意識を失ってはいない。動く目は、何かを見ていた。

 懸命の治療と強い生命力で、男性は一命を取り留めた。

 仕事がうまくいかず自暴自棄になった末のとっさの行動。容体が安定すると、家族にこう語ったという。

 「死にたいなんて思いは一生続くわけではないのに、とんでもないことをした。これだけ支えてくれる人がいたんだと気付いた」「これからは人の役に立つ側に回りたい。大学に入り直そうかな」

 しかし熱傷で弱った体はその後かかった肺炎に抗しきれず、1年たたないうちに息を引き取った。

 中永医師は「自殺を図る人も、本当は生きたいんだ」と改めて思う。追い詰められ異常な精神状態で起こしたことで、ただやり直したいだけだと。

 自殺を図って秋大病院に運ばれてくるのは年間30人前後。救えた人も、処置が及ばなかった人もいる。中永医師の目には、傍らで泣き崩れる家族の姿が焼き付いている。

 「死にたいやつは死なせてやれとか、苦しませるなとかいう人もいるが、間違いだ。亡くなってよかったなんてことは一つもない

 内閣府の09年度版自殺対策白書によると、08年に自殺した男性の13・5%、女性の28・6%に未遂歴があり、20、30代の女性では約45%に上った。

 一度救われた命を自ら再び断ち切ろうとする現実。懸命に救っても、その後のケアがなければ同じ選択をせざるを得なくなる背景が多くの未遂者にはある。

 秋大病院では救急部に運ばれた未遂者について、家族と相談のうえ院内の精神科か心療センターにつなぐようにした。中永医師は強調する。「自殺も未遂も、対策をすれば確実に減らせる。未遂者の命は救える命だ」



 救命救急の現場において、精神科との連携が求められる時代になってきています。

 失ってよかった命なんて1つもない、そのことを改めて認識させられるニュースでした。
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2010年01月21日

7000年前に前腕切断の外科手術。

7000年近く前に外科手術=前腕切断の人骨発見−仏

 フランスのパリ南方70キロのセーヌエマルヌ県内で、左腕がひじ関節上部で直線的に切断され、前腕のない推定6700〜6900年前の成人男性の骨が見つかった。仏国立予防考古学研究所(INRAP)がエックス線検査などで調べた結果、切断は重傷の男性を救うための外科手術によるものと結論付けられた

 同研究所の人類学者らが英考古学誌アンティクイティの昨年12月号に発表した論文によれば、これは「フランス最古の切断手術の成功例」。外傷で破損した関節の残存部分が切除され、止血、感染症予防など高度な医療処置も施されたらしい。当時の欧州は新石器時代で、手術は鋭利な石器で行われたとみられる。

 遺骨は2005年、砂利採取場の拡張に伴い遺跡の有無を調べる調査で、地下1.5メートルの縦穴式の墓内から発掘された。歯が抜け落ちており、高齢だったらしいが、手術後も数カ月から数年間は生存していたもようだ。



 出血を止めるためにしたのか、壊死したために切り落としたのかは分かりませんけれど、血が止まらないと死ぬ、とか、壊死したところを残しておくと命の危険が、というような経験則から「切り取る」という選択をし、実行したという点は凄いですね。
posted by さじ at 04:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

2009年12月26日

筑波メディカルセンター病院が、乗用車型のドクターカーを導入

筑波メディカルセンター病院:乗用車型ドクターカー導入

 筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)は、救急医らが重症患者のもとに駆けつける「乗用車型ドクターカー」を導入した。医師と看護師が乗り込み、患者を搬送中の救急車と路上で合流。移植用臓器を運んでいた車を改装し、費用は約10万円で済んだ。乗用車型は県内初という。

 大量出血などの重症患者は分単位で死亡率が上がり、約30分で5割を超える。発症直後に容体悪化を抑え、本格治療までの時間を稼ぐのが大事だ。しかし、救急隊員が点滴などの措置をとれるのは、患者が心肺停止の場合に限られ、治療を早く始めるには医師が現場に出る必要がある

 このため、同病院はつくば市消防本部の救急車に医師が同乗してきた。ただ、市外には対応できず、出動は年間20件程度。そこで今月7日から、病院が独自にドクターカーを確保、点滴などに必要な救急診療機器を積み込んだ。また、病院周辺20キロ圏内に位置する10市町の消防とも協定を結んだ。

 平日午前8時半〜午後5時、当番の医師と看護師、運転手が1人ずつ待機し、消防から要請があれば数分で出発。病院で待つより15分程早く治療を始められる見通しだ

 大量出血や、重いぜんそく、けいれんなどの患者が対象で、年間100件程度の出動を見込む。すでに心肺停止した高校生や、6メートルの高さから落ちた30歳代男性を運んだ。

 同病院の河野元嗣・救命救急センター長は「人員の問題があり、平日の昼間だけで始めるが、本来、365日24時間運用が望ましい。軌道に乗れば時間枠を広げたい」と話している。



 これはいいですね。たしかにこう、ドクターカーって、馬鹿でかいイメージがあります。

 ですが、医師をまず現場にかけつけるためなら、普通の車でいいはずですもんね。より迅速、よりローコスト。

 あとはこの乗用車型のドクターカーを、一般に認知してもらうこと、でしょうか。これは素晴らしい試みだと思うので、誤解のないように運営していってほしいです。
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2009年11月09日

画像伝送システムを用いて、救命救急をより密度の高いものに。

画像伝送システムを実証実験―消防庁検討会

 総務省消防庁の「救急業務におけるICTの活用に関する検討会」(座長=織田成人・千葉大大学院医学研究院救急集中治療医学教授)は11月6日、今年度の初会合を開催いた。検討会は今後、心電図や傷病者の容態を画像で、救急現場から消防指令センターの指導医や搬送先の医師に配信した場合、指導医や搬送先の医師が映像を見ながら救急隊員に適切な指示ができるかなどを検証していく。

 検討会では昨年度、石川県で救急車内から医療機関に、救急車内の心電図モニターの映像と搬送患者の様子の動画を携帯電話に送るシステムについて実証実験を行っている。

 今年度の実証実験は、千葉市消防局管内をモデル地区に、千葉大医学部附属病院と千葉県救急医療センターを協力医療機関に定め、心肺機能停止状態、脳疾患、心疾患、重症外傷などの搬送患者で指導医の指導や助言が必要と判断されたものを対象に実施する。

 画像などはまず、救急現場から消防本部指令センターに送信。指令センターがビデオ会議システムを通じて医療機関に転送する。ビデオ会議システムでは複数の医療機関と通信することも可能となる。実験は今月中に開始し、来年1月30日までの予定。

 救急隊、指導医、搬送先の医師から調査表などのデータを集める。搬送先の医師からは、▽伝送された画像等によりどのような情報が得られたか▽その情報によりどのような判断ができたか▽その情報によりどのような指示、指導・助言を行ったか▽その情報は、病院の受入体制等に役立ったか―などを聴き取る予定だ。



 これ実現したら、より救急医療で助けられる人が増えそうです。

 現実的に、救命救急の救命率を上げる方法としては、ドクターヘリを完備すること、救急隊員が行える医療を増やすこと、そしてこの画像システムで搬送先の医療機関にリアルタイムで伝達することなどが考えられます。
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2009年06月26日

モンスターペイシェント対策に、警察OBを病院に配属する。

モンスター患者の暴走ストップ にらみ利かす警察官OB

 宮城県大河原、村田、柴田の3町と角田市による保健医療組合が運営するみやぎ県南中核病院(大河原町、300床)が、モンスターペイシェントなどに対応するため、4月に警察官OBの男性2人を「安全対策員」として採用した。着任から3カ月。職員から「安心感が違い、精神的に楽になった」(看護師)との声が聞かれるなど、病院の安心安全を担う頼もしい存在になっているようだ。

 安全対策員は、問題行動を起こした患者への対応、院内の巡回といった警備的な役割のほか、未収金の回収も支援する。救急医療に取り組んでいるため、平日の昼だけでなく、夜間や休日も呼び出しに応じて駆け付ける「オンコール態勢」で緊急事態に備える。

 2人は今年3月、宮城県警を定年退職した。県警では暴力団対策や防犯分野などの経験があるという。

 全国の病院では近年、モンスターペイシェントによるトラブルが増えている。

 夜間の救急外来なのに「専門医を連れてこい」と言って、治療が終わると「間違っていたら責任を取れよ」と捨てぜりふを吐く。昼の外来診察などで、病院側が理解を求めても、「こんなに待たせてお茶も出ないのか」「院長を出せ」と迫り、「税金泥棒」と叫ぶ―。

 みやぎ県南中核病院でも、実際にこんな例があり、暴力に発展して警察を呼ぶ事態も起きているという。

 特に自治体病院は、経営の一部に税金が充てられていることや、救急医療を手掛けていることなどから、クレームを受けやすい側面も。安全対策員の1人は「医療の現場は想像以上にひどい。まさに病院は社会の縮図」と感想を語る。

 同病院では、医師や看護師らがトラブル対応に割かれる時間が増え、ストレスが大きく、意欲の低下も招いていることなどから、「もはや病院だけでは職員の安全を守れない」と判断。昨年、県警に相談して、安全対策員採用に踏み切った。

 内藤広郎院長は「職員がそれぞれの仕事に安心して専念できる環境が整いつつある。医療機能が向上することで、患者にとってもよりよい医療の提供につながる」と話している。

 宮城県内の自治体病院では、大崎市民病院が2005年度、警察官OBを採用している。大館市の市立総合病院では今年5月、「院内暴力」に備え、警察官を講師に招いた護身術などの講習会を開いた。



 素晴らしい提案。今の段階で最も良い案でしょうね。

 まあこんな案を導入しなければならないほど、日本の一般人の民度が低下しているという事実は嘆かわしいことではありますが。

 でもこういったモンスターペイシェントが増えた背景って、やはりマスコミが「医者は不当に儲けている」ということを昔報道しまくったせいだと思うんですよね。「患者さまの方がエライ」と患者自身が思ってしまっている点が問題だと思います。医療従事者は患者さんのために全力で診療にあたっていますし、治療のためにも信頼関係を築こうと努力しています。

 よくもわるくもいわゆるサービス業のような弊害を受けるようになってきたんでしょうね。「お客様は神様です」という言葉はありますが、あれは店側が、お客さんに尽くすためのサービス精神の塊のような言葉であって、客自身が「俺は客なんだから神様だろ」というのは違いますからね。

 医療の現場は昔から信頼で成り立っています。医者に心を開くのは大歓迎ですし、病気で心が弱ったときにわがままを言うのも良いことだと思いますけれど、なんかこう、傲慢になるのは違うなぁ。

 こういう安全対策員制度、全国でやってくれないものですかね。費用が病院もちなのは仕方ないか。

[モンスターペイシェント]
 医療従事者に理不尽な要求をしたり、暴言を吐いたり、暴力を振るったりする患者やその家族を指す。全日本病院協会が2007年12月〜08年1月、加盟医療機関に実施したアンケートでは、過去1年間に院内暴力などがあったとの回答が52.1%(576カ所)に上った。発生件数は計6882件で、主な内訳は暴言などの精神的暴力が49.9%、身体的暴力が33.6%、セクハラ13.6%。発生件数のうち警察への届け出は5.8%、弁護士への相談は2.1%にとどまる。

関連
医学処:モラルの低下した患者による暴力行為が多発。
医学処:全国の病院で6882件もの「患者の暴力、暴言」があった。
医学処:何故、モンスターペイシェントは増加しているのか。
posted by さじ at 15:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

マイケルジャクソンが心臓麻痺で死亡。

マイケル・ジャクソンさん、心臓まひで死亡

「ポップの皇帝」マイケル・ジャクソンさんが25日(以下現地時間)、心臓まひの症状を見せた後で死亡したと現地のサイトであるTMZ.comが報道した。

ロサンゼルスタイムスは現地の消防署の緊急医療陣がマイケル・ジャクソンさんの自宅に到着した際、呼吸がまともにできていない状態だったため、心肺蘇生術を試み、UCLAメディカルセンターに移送したと伝えた。

マイケル・ジャクソン側でこの日の昼12時ごろ、現地消防署に緊急救助を要請すると、21分後に緊急医療陣が自宅に到着したということだ

これについてCNNとAP通信などは、マイケル・ジャクソンさんの病院緊急移送事実は報道しているが、死亡については言及していない。



マイケルさん、つきまとった健康問題

 ゴシップなどによる心労、無理な食生活−。25日、死去が報じられた米人気歌手のマイケル・ジャクソンさん(50)には常に健康問題がつきまとっていた。少年に対する性的虐待罪に問われた裁判が続いていた2005年ごろには極度の疲労もあり体調悪化をたびたび訴え、死亡説も流れたほどだった。

 ジャクソンさんはもともと体形維持のためもあり極端な小食で知られ、心配した母親や友人が無理に食事を取らせていたとも言われる。

 また度重なる整形手術による感染症の不安もあった。今年2月には英紙が、ジャクソンさんが鼻を手術した際に抗生物質のきかないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染、菌は全身に広がっており、米ロサンゼルスの病院に通っていると報道。全身の皮膚が壊死する恐れがあり、大規模な手術が必要との専門家の見方を伝えた。

 しかし何より健康を悪化させたといわれるのが1年以上続いた性的虐待罪の裁判だった。05年6月には背中の痛みを訴え、病院の緊急治療室に運び込まれた。「ストレスで病院に来るにも大変なほど病状は深刻」(ジャクソンさんの広報担当者)。インフルエンザに似た症状で入院したこともあった。

 実際、05年3月の審理に出廷した際にはほとんど自分で歩くことができず、ボディーガードに寄り掛かりながら入廷したほどだった。



 まさか・・・まさか・・・。

 スリラーのPV撮影であってほしい、と一瞬思いましたけれど、本当に亡くなったようです。

 世界最高のアーティストが。

 実際の死因はなんだったんでしょう。結構、ストレスなどによる面も大きかったんではないでしょうか。アメリカでは馬鹿みたいに訴訟を取り上げていましたからね。マイケルのような人は周囲がもっとうまく保護してやるべき存在だった。ジョンレノンは銃弾で殺され、マイケルジャクソンはメディアに殺されたのではないでしょうか。

 今日は世界中でマイケルジャクソンの歌が流れることでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。

 しかし要請から21分もかかるんですね、アメリカって。たまたまかな。

Youtube マイケルジャクソン Bad (full version)

Youtube マイケルジャクソン Man in the mirror

FLASH マイケルクエスト
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2009年05月07日

空軍病院で手術ロボットを用いた初の外科手術に成功する

米空軍病院、手術ロボットを利用した初の外科手術に成功

 テキサス州で手術ロボットを利用した初の外科手術が行われ成功していたことが26日までに米空軍の発表により明らかとなった。

 手術は今月10日、テキサス州にある米空軍のワイルド・ホール・メディカル・センターでカイル・ウィールド(Kyle Weld)医師(空軍中佐)の執刀により実施。専用の3次元ディスプレーとロボットハンドを使いウィールド医師は腹腔鏡法による初期ガンの摘出手術に成功した。

 米空軍で手術ロボットを使った現実の手術が実施されたのは今回が初。

 今回の手術で利用された手術用ロボットの価格は100万ドル(約1億円)超。今年の3月に導入されたばかりの新品となる。同病院で追加でもう1機の手術用ロボットを近く導入する予定としており、今後も手術ロボットを使った外科手術を数多く実践することにより、手術ロボットによる手術に慣れた外科医を育成を行う

 米軍では十分な医療設備が整備されていない戦地においても最高水準の外科手術が実施できるように、遠隔操作ロボットを使った外科手術の研究開発を進めてきた。



 軍事用として遠隔手術ロボットを用いるのはかなり有用でしょうねぇ。そのロボットさえあれば、ロボット手術に長けた外科医が本国にいながらも手術できるかもしれませんし。

関連
医学処:内視鏡を使った鼻内手術の遠隔指導システムを産総研が開発
医学処:血管内を泳ぐ極小電動ロボット「プロテウス」の開発に成功。
医学処:心臓の動きに同調して手術サポートするロボットを開発する
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2009年04月06日

鳥取大学病院救命救急センターの新体制が整う。

鳥大救命救急センター:新体制 安心してほしい

 専属医4人が一斉退職した鳥取大医学部付属病院(米子市西町)・救命救急センターの新体制が整った。病院は2日、記者会見し、従来は10人だった医師を13人にするなど体制強化を図ったことを明らかにした。豊島良太院長は「地域住民に不安が生じた点はおわびしたい。院内の応援態勢も整って新体制ができた。期待に応えられるので安心してほしい」と述べた。

 センターは3月31日付でセンター長だった八木啓一教授(54)ら4人が退職。補充、再編を迫られていた。

 新体制は、センター長に国立病院機構災害医療センター(東京都)の救命救急センター部長だった本間正人教授(46)を起用。ほかに各診療科の助教8、県派遣1、研修医3の医師12人を組み込んだ。救命救急の専門医は鳥取大出身の本間教授のみ。

 これと別に1、2カ月間は助教2人を緊急応援要員として確保。7月には2人目の救命救急専門医が着任する。看護師32人は専任制にした。

 また、1500万円かけて医療機器を近く更新し、一部施設を改修する計画

 センターは第3次救命救急センターながら、年間患者約1万2000人のうち軽傷で急がない患者が87%を占めているのが実情。このため豊島院長は、センターの負担軽減と第3次機関として充実を図るため、他の医療機関が積極的に患者を受け入れるよう各医師会を通じて要請していることを強調した



 こうやって病院が動いたのも、八木教授一同が退職したためか。「遅すぎる」というのが正直なところでしょう。最初からこのようにしていれば八木教授たちも残っていたでしょうし、より良い救急体制が整っていたのでは。

 しかし軽症患者が87%もいるというのは地元住民と地域の医療機関の問題ですね。鳥取大学は最後の砦。重症の患者に対応しなければならないわけですから、軽症患者は他の病院で診てしかるべきです。まぁ他の医療機関が非協力的というのと、患者側も安易に来院するという点でこのようなことになってしまったんでしょうけれども。救急機関の維持・存続のためには周囲の協力も必要です。

関連:鳥取大学病院の救命救急センターの惨状。

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2009年04月03日

鳥取大学病院の救命救急センターの惨状。

救急医も研修医も足りない

 3人の研修医には3日に1度ずつ、宿直してもらっていた。2人に減ったからといって、さすがに2日に1度にはできない。「もう持ちません」。鳥取大病院救命救急センターの八木啓一・前センター長は06年度末、病院側に伝えた。

 当直は、センター常勤医と研修医の2人体制。だが、06年度からは研修医の減少分を7人の常勤医で穴埋めする状況になっていた。

 八木さんは医学部の教授も務めていた。ともにセンターで働く准教授と2人で、学生の教育や実習を年45コマ以上担当。土日は救急隊や開業医向けの講習などにも追われる

 医師不足は他の診療科も同様だ。同病院では06年2月以降、宿直をやめてオンコール体制(緊急時は自宅待機の医師を呼び出す)への移行が進んでいる。現在は21科のうち精神科など6科が宿直を廃止し、胸部外科など3科も一部の日しか宿直しない。このためセンターの宿直の負担が増す悪循環に陥った。

 それでも何とかセンターの運営を続けた。08年12月には常勤医が1人減り、八木さんは自身の宿直を月1回から4回に増やすことで乗り切ろうとした。

 だが、50代半ばの体には負担が大きい。夕方には動けないほど疲れ果てていることもしばしば。「続けるのは無理」と感じ、今年3月末にセンターの他の3人とともに退職した。鳥取大は4月以降、各科からの派遣医師でセンターを維持するが、前途は険しい。

 「放り出して辞めるのはひどい、という声も分かる。本当に申し訳ないが、退職という形で訴えないと、この状況は変わらないと思った」

 宿直について、労働基準法に基づく通知は「病室の定時巡回など軽度・短時間の業務で、十分な睡眠時間が確保されなければならない」とする。

 だが、次々と患者が搬送され、日中と変わらない激務の「宿直」をする勤務医は多い。労基法を守ろうとすれば、宿直を廃止せざるを得ない病院が続出するのは必至で、解決策の一つは交代制勤務を導入することだ。

 医師8人で3交代制勤務を敷く市立広島市民病院救急診療部。08年度は約5300件の救急搬送を受け入れたが、医師は4週間で8日の休みがとれ、残業はほぼない

 同部は初期診療が中心で、入院した患者は各科の宿直医が対応する。内藤博司部長は「交代制勤務ができるのは、病院全体の協力があるから」と話す。

 しかし、同病院は例外的な存在だ。06年度から2交代制勤務を導入した和歌山県立医科大病院救命救急センターの篠崎正博センター長は「いつまで維持できるか分からない」と不安を漏らす。

 所属医師約15人に加え、各科から約10人の応援を受けている。だが08年度、派遣の難しい科が出始めた。研修医の応援でしのいでいるが、10年度以降の体制は未定という。

 篠崎センター長は訴える。「救急は赤字だと言うが、必要な費用は診療報酬で賄えるようにしてほしい。職員を増やし、労働環境が改善されれば、救急をやりたい人も増えるはずだ」



 悲惨な状況ですね。

 なんか、地方だから医者が少ないというより、今まで何も考えてこなかったから、魅力的ではない病院になってしまったのではないでしょうか。例えば救急に力を入れるとして、病院全体で協力してくれさえすれば、鳥取大学付属病院の救急のような非常事態にはならなかったのではないか、と。
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2009年04月01日

労働基準法を守れないため愛育病院の指定返上を都が打診。

愛育病院の「指定返上」波紋広がる 医師不足と労基法の溝深く 

 リスクの高い妊婦を24時間体制で受け入れる「総合周産期母子医療センター」の指定を受けている愛育病院(東京都港区)が、指定返上を都に打診した問題について、波紋が広がっている。返上の理由は労働基準監督署から医師らを長時間働かせた労働基準法違反で是正勧告を受けたため。周産期医療の維持が、過酷な医師の勤務実態の上に成り立っていることを改めて浮き彫りにした格好で、病院側は「国が医師の労働環境を改善しないのに、労基法を守れというのには無理がある」と訴えている。

 24日夕、愛育病院から都に一本の電話が入った。「総合周産期母子医療センターから地域周産期母子医療センターの指定に変更したい」。「総合」の指定返上をこう切り出した。

 都の基準では「総合」は新生児集中治療室(NICU)などを備え、24時間体制で複数の産科医が勤務することが必要。一方、「地域」では夜間、休日での複数医師勤務は求められていない。

 同病院によると、15人の産科医のうち4人が子育てなどのため夜間勤務ができないという。三田労基署は17日、労働基準法に基づく労使協定を結ばず、医師に長時間労働をさせていたとして、是正を勧告。病院側は「各医師に法定の労働時間を守らせると、常勤医師1人を含む医師2人による当直は難しい」と判断したのだ。

 「搬送調整など他病院が代わりを務めることは難しい」。都は26日、愛育病院に対して「総合」の指定継続を求めた。

 愛育病院は、周産期医療のあり方などを検討する「都周産期医療協議会」のメンバーだ。都内の周産期医療体制について熟知しているだけに「指定返上」の打診は医療関係者の間でさまざまな憶測を呼んだ。

 愛育病院の中林正雄院長は記者会見で、「産科医不足の中では国からの資金支援などがなければ、病院側も産科医の過酷な労働環境を改善することはできない。悪条件が改善されないのに労基法だけを守れというのは現実的ではない」と反発した。

 愛育病院側は現在、都の意向を受け、条件付きで指定継続を検討しているが、「社会全体で周産期医療のあり方について考えてほしい」(中林院長)と訴えている。

 労働基準法に詳しい伊藤博義・宮城教育大名誉教授は「労働基準法を守れないほど長時間労働をしなければならない医療現場の実情に対し、行政側も自らの責任について考え、対応していく必要がある」と話した。



 労働基準法?

 病院に勤務している医者の中で、労働基準法を守れている医者って何人いるんでしょうか。

 行政は医者が労働基準法以上に仕事をしていることを今まで無視してきたのに何故、って気持ちです。

 資金を提供しない、医師不足を今までほったらかしにしていた(それどころかマスコミを使って医師は過剰だとバッシングしていた)にもかかわらず、病院側に待遇を改善しろというのは無茶な話ですわ。


関連
医学処:妊婦の出産のうち250件に1件は、重篤な状態に陥る。
医学処:愛育病院で、新生児を取り出そうとしたら頭蓋骨を骨折してしまい死亡
医学処:帝王切開が増加傾向。その背景にあるものは
posted by さじ at 05:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急
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