2008年06月29日

血小板と成長因子をフリーズドライすることに成功する。

☆画期的な「血小板フリーズドライ法」、米研究者が開発

 血小板を「フリーズドライ(凍結乾燥)処理」する方法が開発された―細胞分裂を促進するなどの働きがある「成長因子」も保存されるため、粉末状の血小板を傷口に直接塗布したり、包帯などに用いたりすることができるという。

 血液中に含まれ、止血や傷の治癒において重要な役割を果たする血小板。医療現場での血小板の需要は高い。しかし血小板は温度の変化に弱く、冷凍保存することができない。

 そのため研究者の中では血小板の「フリーズドライ」に注目が集まっていたという。しかし、これまでに開発されてきたいくつかの方法については、実用性の面での難点、効果面での問題が指摘されてきた。

 米カリフォルニア大学デービス校のFern Tablin博士は、血漿から取り出した血小板を凍結乾燥することに成功。充てん剤としてポリエチレン・グリコールなどの高分子化合物、さらにトレハロースなどのオリゴ糖を加えたという。

 粉末状の血小板には成長因子が保存されているため、傷口に直接塗布、あるいは包帯やばんそうこうに応用することで、止血・傷の治癒に高い効果を発揮するとされる。

 この画期的な「血小板フリーズドライ法」によって、医療機関はもちろん、戦場や災害地など輸血が困難な環境でも負傷者の早急な治療が可能になるとして期待が高まっている。



 おおお。これは画期的な。

 身体の中で血小板が集合して、血の流れを止めるだけでなく、外からでも、しかもお手軽に血小板と成長因子を塗布することが出来るなんて、ねぇ。

 傷ドライやら絆創膏やらありますけれど、医療品として、フリーズドライ血小板配合の絆創膏が出てきても全く不思議ではないですね。むしろ希望。

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2008年06月27日

未だに救急車をタクシー代わりに使っている人々。

救急車を足代わりに利用、全国で増加…読売調査

 救急車を病院までのタクシー代わりに利用しようとする119番が、全国各地で相次いでいることが、主要51都市の消防本部を対象にした読売新聞の調査で明らかになった。

 急病でないにもかかわらず、「病院での診察の順番を早めたい」という理由で、救急車を呼ぶケースも目立つ。昨年1年間の救急出動件数の5割は軽症者の搬送で、110番に続き119番でも、非常識な要請が広がっている傾向が裏付けられた形だ。

 都道府県庁所在地と政令市にある計51の消防本部(東京は東京消防庁)を対象に、最近の119番の内容を尋ねたところ、37消防本部がタクシー代わりの利用など、明らかに緊急性のない要請があると回答。大都市、地方都市とも同じ傾向がみられた。

 例えば、「119番でかけつけると、入院用の荷物を持った女性が自ら乗り込んできた」(甲信越地方)ケースや、「119番で『○月○日の○時に来てほしい』と救急車を予約しようとする」(関西地方)事例が多い。症状を偽る人もおり、甲信越地方の60歳代の男性は「具合が悪くて動けない」と救急車を呼びながら、実際は緊急の症状はなく、あらかじめ病院に診察の予約を入れていた。

 風邪程度なのに、「救急車で行けば、早く診てもらえる」と思って119番する事例も、28消防本部で確認された。

 病院では救急外来の患者の重症度をまず看護師が判断する場合が多い。しかし、山陽地方では、切り傷で搬送された患者と家族が、診察の順番を待つよう告げられ、「救急車で来たのだから、優先的に診察するのが当然だろう」と詰め寄った。

 診察待ちをしている人が、病院を抜け出して119番するケースも7消防本部であった。

 関東地方では、50歳の男性を病院に搬送すると、先ほどまで待合室にいたことが判明。男性は「順番が来ずにイライラし、救急車で運ばれれば早まると思った」と語った。

 51消防本部で昨年1年間に救急車が出動した約232万件のうち、安易な要請も含めた軽症者の搬送は約117万件。厳しい財政事情から救急隊の増員が進まず、重症者への対応が遅れるなど支障も出ている。



 何も変わってないのか、この国は…。

 メディアでも、救急車の過剰要請が酷すぎると以前から報道されてきているものの、一般人の意識は全く変わってません。単なる便利な乗り物のような認識なのでしょう。

 しかしもうそろそろ救急車もお金がかかるようにしないと、本当に破綻してしまうかもしれませんね。その地域ごとに限りのある救急車を出動させている以上、その間に他の重症な疾患が早急に搬送できなくなる可能性もあります。

 そういうことを少しでも考慮していれば、安易に救急車を呼ぶなんて出来ませんけれどね。

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2008年06月26日

飛行機内で救命措置を行った女性が、乗客の撮影でPTSDに

飛行機内で救命中、傍観乗客の視線と写真撮影でPTSDに

 航空機内で心肺停止した男性に蘇生措置をして助けた女性が、やじ馬状態のほかの乗客に写真を撮影され、恐怖心などから心的外傷後ストレス障害(PTSD)になった。

 女性を診察した国保旭中央病院(千葉県)の大塚祐司医師によると、女性は会社員。救急法の指導員資格があり、機内で倒れた男性に独りで人工呼吸や心臓マッサージをした。男性は呼吸が戻り、規則的な心拍も回復して命を取り留めた。

 この間、多くの中高年の日本人男性乗客らが「テレビと同じ」「やめたら死ぬんでしょ」と携帯やビデオで撮影。女性は中年男性が集まる場所で過呼吸症状が出るように。カメラのシャッター音が怖く携帯のカメラも使えなくなった。「やじ馬の罵声と圧力の怖さは忘れないと思う」と話しているという。

 客室乗務員は手伝わず、AEDを頼んだが、持ってこなかったという



 何が起こったんだ・・・。

 一番腹立つのは携帯で撮影よりも「やめたら死ぬんでしょ」と救護者にプレッシャーをかけている点です。そんなこと言うぐらいなら手伝えと。心臓マッサージがどれだけ重労働か分かっているんでしょうか。

 幸いにも呼吸も戻り、心拍も正常ということですので、命が救われたわけです。飛行機に乗っていた何百人という乗客の力ではなく、たった1人の女性のおかげで。

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2008年06月15日

秋葉原通り魔事件で救急トリアージは成功したのか。

惨劇のアキバ、救命最前線は…搬送順位、迫られた選別

 わずか5分の間に17人もの死傷者を出した東京・秋葉原の無差別殺傷事件には、東京消防庁の救急隊20隊に加え、複数の医療チームが初めて同時出動した。混乱する現場で迅速、適切に対応できたのか。

 発生直後に現場に居合わせた医師は、「横たわっている人のうち少なくとも2人は、既に心肺停止状態だった」と、当時の惨劇を振り返る。傷は深く、一目で肝臓などに達しているとみられるケースもあった。

 まさに“戦場”の中で、現場に先着した救急隊員らは、患者の負傷の程度によって搬送の優先順位を決める「トリアージ」を迫られた。トリアージとは「選別」の意味で、助かる可能性のある患者を優先的に搬送する行為だ

 「亡くなった方には気の毒だが、トリアージは機能したのでは」と語るのは、救急医療が専門の山本保博・東京臨海病院院長(66)。死亡した7人の搬送先を見ると、すべて1病院1人ずつになっており、山本院長は「1人の重篤者が搬入されるだけで多くの救急スタッフがかかり切りになる。トリアージの精度が高く、分散搬送ができたのではないか」とみている。

 重篤状態で搬送された男性(54)は、一命を取り留め、呼びかけに反応するまでに回復した。

 今回、災害以外では初めて複数のチームが投入された「DMAT(災害医療支援チーム)」も「比較的連携がスムーズにいった」(石原哲・白鬚橋病院長)との声もある。

 今回の事件では日本医科大付属病院(文京区)、白鬚橋病院(墨田区)、都立広尾病院(渋谷区)、東京医科大付属病院(新宿区)の4病院の4チームに出動要請がかかった。一番早く現場に着いたのは日医大のチームで、東京消防庁の要請から12分後。次いで東京医大が16分だった。

 昨年4月から12月の都内の平均DMAT到着時間は21分。事件発生が、交通量の少ない休日で、駆けつけやすい都心部だったとはいえ、平均よりかなり早かったといえる。一方で、都立広尾病院は28分、白鬚橋病院は30分かかった。

 一般人も救急活動に参加した。DMATの一員、日本医科大の横堀将司医師(33)は、「心臓マッサージや止血などの知識が広範囲に伝わっているのを実感した」と振り返る。

 DMAT(Disaster Medical Assistance Team)

 災害現場に駆けつけ、現場で救命措置を行う医師や看護師らのチーム。2004年8月に東京都が全国で初めて設置した。都内では現在17の指定病院に約550人がいる。これまで04年10月の新潟県中越地震や、07年6月の渋谷の温泉施設の爆発事故などに出動している。

現場で救助なら血液感染に注意
 
 今回の事件では、群衆が携帯電話のカメラで現場を撮影する場面がある一方、救命措置に積極的に協力する市民の姿も目立った。だが、被害者の一人がB型肝炎ウイルスの感染者だったことが判明し、救助にあたった人に感染の不安も出ている。同じような場面に出くわした時、どう対応すべきか――。

 「救助の際、血にはなるべく触れないで」とアドバイスするのは奥村徹・佐賀大学医学部教授(救急・災害医学)。B型肝炎は血液を通じて感染する病気で、C型肝炎より感染力が強い。ただ、「救助する人が手などに傷を負っていなければ、それほど心配する必要はない」とも。あればゴム手袋、なければスーパーの買い物袋で手を覆うだけでも感染防止に有効だ。

 救助のポイントは、「脳に血液を送り続けること」。負傷者が出血していても基本は同じだ。

 意識や呼吸がない場合は、人工呼吸や心臓マッサージが必要。心臓マッサージは、硬い床の上で、あおむけの負傷者の胸に両手を重ねて置き、両ひじを伸ばしたまま垂直に体重をかけて行う。心臓マッサージだけでも十分効果的だという。(十時武士)

 おおむね評価が高かった今回の救助活動だが、課題も残った。

 現場では止まった心臓に電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)も利用されたが、横堀医師によると、現場付近で見つからず、約200メートル離れたJR秋葉原駅付近まで走って取ってきてもらったケースもあったという。

 千代田区によると、AEDが街のどこに、どれだけ設置されているのか全体像はわからないのが実情だという。区が秋葉原地区で把握しているのは区の出張所と図書館、警視庁万世橋署の3か所だけ。地元の秋葉原電気街振興会も「個々の店で設置しているかもしれないが、詳細は知らない」という。

 秋葉原電気街振興会では2年前、通り魔などを想定して危険な目にあった子供などが駆け込める「110番の家」設置を検討したことがある。近年、オタク文化の発信地として知名度があがるにつれ、事件発生が増えるなど治安への不安が出てきたためだ。ところが、「追いかけてきた不審者に店員が襲われてケガをしたらどうするか」と制度導入に慎重な声も多く、実現できなかったという。

 大手家電量販店やアニメやゲームソフトを扱う店、飲食店などが増え、加盟率が「全体の5割以下」(同振興会)に落ち込んでいることも、地域ぐるみの取り組みを難しくしているという。



 わずか12分とは。さすがですね。見事なまでにトリアージが成功した点も、早期に導入した点も、評価できることだと思います。

 現場では市民が救命処置を行っていました。日本はほかの国より平和とはいえ、こういった事件や事故には誰でも遭遇する可能性を持っています。そのため、救命処置のマスターだけでなく、さらに一歩進んだ知識(血液に触れないようにするなど)の自己防衛の知識をも身につけてほしいと思います。その場に居合わせた人の力で、人は救われるのです。わずか12分といえどその間になにもしなければ、間違いなく亡くなっていたでしょうね。

 あとは秋葉原の街がどのように変わっていくのか、どうか。地域ぐるみの付き合いをしろとは強要しませんが、少なくとも街を担う一角である以上、AED設置や、事件発生時の対策などは一緒に話し合うべきだと思います。欲望を吐き出すだけの街で終わってもらいたくはないですね。

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2008年06月12日

秋葉原通り魔事件での被害者。

手術成功、「胸なで下ろした」=重傷タクシー運転手の上司

 タクシー運転手湯浅洋さん(54)は右脇下を刺され重傷を負ったが、手術で辛うじて一命を取り留めた。湯浅さんの会社の上司牛久恭文さん(42)は9日午後、手術の成功を振り返り、「胸をなで下ろした」と話した。

 湯浅さんは8日午後、秋葉原を走行中に異変に気付き、車を降りたところを襲われた。傷は肺や肝臓などに達するほど深く、すぐに病院に搬送された。

 連絡を受けた牛久さんは、病院に駆け付け、手術の終了を待った。同日午後6時ごろ、医師から手術成功の一報。牛久さんは、湯浅さんの家族と喜びを分かち合った。



「彼女のために祈って」=漏れるすすり泣き−犠牲者搬送の病院

 死亡した武藤舞さん(21)=東京都北区=が搬送された東京医科歯科大付属病院(文京区)には8日午後8時ごろ、親族とみられる男女の姿があった。女性はすすり泣き、男性は必死に歯を食いしばっていた。

 武藤さんの体には、右脇腹から肝臓に達する深い刺し傷があり、同日午後4時半ごろ、死亡が確認された。

 知人とみられる男性は消え入るような声で「彼女のために祈って」と言い、病院を後にした。待合室では、涙を流しながら警視庁の捜査員の説明を聞く人の姿もあった。



 秋葉原通り魔事件。ただ自分の屈折した鬱憤をはらすために多くの人が傷つけられた陰惨な事件。当然、鬱屈が溜まっていたからといってやっていいことではありません。容疑者には死刑宣告をして、その後80年ほど生かしておくのが一番いいと思います。文字通り、死ぬほど後悔して、生き続けなければなりません。

 亡くなった方のご冥福を、お祈り申し上げます。
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2008年06月09日

大阪府済生会茨木病院が、術後の体調不良を放置し死亡させる。

4時間半、診察遅れ死亡 大阪・済生会茨木病院

 大阪府済生会茨木病院(茨木市、曽根春男病院長)で昨年11月、入院中の男性患者=当時(34)、同府吹田市=が首の椎間板ヘルニアの手術後に体調不良を訴えたのに約4時間半も医師の診察がなく、重体となって17日後に死亡したことが7日、分かった。

 病院は「放置とは考えていないが診察が遅れたのは確か。手術の後遺障害の認識が低かった」としている。茨木署は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査している。

 調べや病院の説明によると、男性は昨年11月7日午前9時半から午後1時の間、手術を受けた後、呼吸不全などを訴えた。看護師が血圧を測り、その記録などから担当の男性医師(39)は緊急性がないと判断、予定されていた別の手術に取り掛かった

 男性が息苦しさを訴え続けたため、医師は約4時間半後の午後5時半ごろ、エックス線撮影して詳しく調べ、首にできた血腫が気管を圧迫していることが判明。男性は間もなく容体が悪化し、心肺停止状態になった。

 緊急手術を受けて心拍は回復したが、意識は戻らないまま、同月24日に低酸素脳症で死亡した。



 う〜む。忙しかったのは分かりますが、術後管理の点からすれば失態だと思います。
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2008年06月04日

自民党が救急医療基本法を提言してる。

自民党が「救急医療基本法」を提言

 自民党の「救急医療と搬送に関するプロジェクトチーム」は30日、救急患者のたらい回し防止など、救急医療体制を再構築する「救急医療基本法(仮称)」の制定を求める提言をまとめた。

 政府に早期の法制化と必要な予算の確保を要請する。

 高度な専門知識を備えた救急医を育成するセンターの設置が必要と明記。すべての救急患者を受け入れて初期診療を行った上で、専門の診療科に速やかに振り分ける米国の「ER方式」の日本版の導入についても、検討を進めるなどとしている。



 なんだかなあ。まるで今の救急医療が駄目みたいな。

 いや勿論必要なんですけれど、法律を制定するからには、救急医療に携わる人たちの今の地獄のような労働環境も改善してくれるんでしょうか。

 救急医を優遇するようにして、更に医療従事者を増やすような策をとれば、何もわけのわからん育成センターを設置しなくても、高度な知識を備えた救急医が数多く育って、文字通り「全ての救急患者を受け入れることができる」ようになると思いますけれど。

 過労な職場、しかも医療従事者が不足しており、ベッド数すら足りないような状況で、どうやって全ての急患を受け入れるというのか。机上の空論とはまさにこのことではないですかね。

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2008年06月02日

フリーランスの医師の日給について。

フリー医師「1日20万円」 なぜそんなにもらえるのか

医師不足の中で、人材紹介会社に登録する非常勤の医師が、急速に増えている。完全なフリーランスの医師もおり、数千万円の年収がある人もいるという。収入がいいからフリーが増えるのか。

麻酔科医は1日あたり10〜20万円が相場

 「非常勤のお医者さん」と題した求人サイトをのぞくと、ビックリするような数字が目に飛び込んでくる。それは、医師の高額給与ベスト5を特集するランキング表においてだ。

「日勤 1日当り 200,000円」

 これは、東京・新宿のある美容外科で非常勤の医師に1日で与えられる給与の額だ。このほか、東京・葛飾の皮膚科で15万円、千葉の整形外科で12万円と続く。

 このサイトを運営しているのは、医師の人材紹介会社「リンクスタッフ」。同社によると、給与額は専門分野の内容に合わせて高額になる。医師紹介事業部の部長は、「健康診断などに比べ、生きるか死ぬかという場に居合わせ、時間もかかる麻酔科などの医師の方が給与は高くなります」と話す。給与がトップクラスの麻酔科医では、1日あたり10〜20万円が相場になるという。

 リンクスタッフによると、登録する医師の数は、年々増えている。理由の一つが、研修医の制度が2004年に変わったこと。研修医が自由に病院を選べるようになり、病院側が求人に頼るようになったためだ。現在の登録者数は、約1万人で、04年に比べて倍以上になったという。この中には、非常勤の仕事もこなす勤務医や完全なフリーランスも含まれている。

 非常勤の医師が高収入なのは、医師不足という事情もある。登録者が増えている理由の一つは、この高収入にあるとみられるが、リンクスタッフ医師紹介事業部の部長は、別の理由を指摘する。

 「一つには、女性医師が増えていることがあります。主婦や子育てもしている場合、非常勤でないと勤めにくい。また、激務続きの常勤で疲れ果ててという場合もあります」

 特に高収入の麻酔科医は、完全なフリーランスの人も現れ始め、メディアで脚光を浴びるようになった。

 毎日放送(大阪市)は、5月21日放送の番組で、勤務医時代に比べて収入が倍近くになったというフリー麻酔科医の男性を取り上げた。この男性医師は、掛け持ちした10か所以上の病院を飛び回る毎日。勤務は週4日だが、人手不足で緊急依頼も多く、休日も携帯電話を手放せない。「昼間でも時間関係なく手術が入ってくるんですよね」と男性医師。収入も倍になったが、仕事も倍になった

 なぜ麻酔科医がそれほど不足していて、引っ張りだこなのか。

 医師紹介大手のメディカル・プリンシプルの広報担当者は、以前は外科医が代行する場合が多かったが、最近は麻酔科医の資格が求められるようになってきたことを挙げる。

 さらに、麻酔科医のなり手がいない事情があるようだ。「登録者には、内科が一番多いのですが、外科や麻酔科よりも皮膚科や眼科の方が多いんですよ。当直業務もありませんし、人が死にません。産婦人科のように医療過誤の訴訟が増えているということもありません。つまり、手術のようなものは敬遠されつつあるということです」(広報担当者)。

 ただ、完全なフリーランスは、まだごくまれにしか見られないという。メディカル・プリンシプルによると、登録医師は、時間のあるときに働く勤務医がほとんどだ、としている。

 医療関係者の間では、非常勤やフリー医師は、必ずしも医師不足の解決策にはならない、と指摘する声も強い。常勤より非常勤の方がコスト高になることや、非常勤の場合、人数を多くしなければならず、不安定でもあるからだ。地方では、常勤が減ったために、閉鎖に追い込まれる病院も相次いでいる。



 スキマ産業なんですよね、フリー医師って。かけもちして、値段の割高な場所(オイシイところ)をうまく手繰り寄せていく。

 基本、地方の病院で当直すれば10万は貰えます。しかし自分の睡眠時間を削っているわけですし、日中業務は当然こなさなければいけませんから、オイシイかというとそういうわけではないでしょう。大きな病院だと当直しても1万程度と、かなり安くなりますし、それでもこなしている先生方には本当に頭の下がる想いです。彼らがいるから、日本の医療の水準は深夜でも保たれているわけです。

 麻酔科医の給料が高いのは、いいと思うんですよね、個人的に。全身麻酔をかけている間中、傍で管理していなければならないわけですから、1つ手術に入ると6時間とか12時間とか傍で見てるだけという。『やり甲斐』、という面で、なり手が少ないのが最大の実情だと思いますからね。

 と書いている間にも救急車の音。救急隊員の方、当直している医療従事者の方、お疲れ様です。
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2008年05月13日

赤十字マークの無断使用は違法。マークの意味を考えよう。

赤十字マーク:日赤が誤使用防止呼び掛け

 赤十字マークの無断使用は違法です−−。8日の「世界赤十字デー」に合わせ、日本赤十字社(本社・東京都港区)が病院・薬局、企業などに、マークの誤使用防止を呼び掛けている。

 白地に赤の十字は、日本を含む194カ国が批准するジュネーブ条約で「軍隊の衛生部隊などが付ける戦場での中立を表す印」と規定されている。同条約や日本の「赤十字の標章と名称の使用制限法」などは、マークの無許可使用を禁じており、違反すると6月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられる。

 しかし日赤によると、日本では地図やイラスト、病院や薬局の看板などで、赤十字が単に「医療」や「救急」を表すマークとして誤って使われ、年間10〜20件の違反の情報が寄せられるという。これだけ乱用が広がっているのは世界的にも珍しいという。全国に赤十字病院があることや、国土地理院の「病院」の地図記号が黒色の十字を使っていることなどが、一因とみられる。

 啓発のパンフレットを3000部作った日赤総務課は「世界の紛争地帯では近年、赤十字施設が攻撃を受けるケースが報告されている。誤用が定着してしまうと、赤十字の理念が忘れられる恐れがある」と話す。違反が発覚した場合、ただちに告発などの措置は取らないが、使用の自粛を求めていくという。



 しかし世間にとっては一番「病院」のイメージが強いのも現状ですね。それだけ知名度が高いというのはいいことなのかもしれませんが、確かに有事の際に困ることになったりするのかも。

 そもそも赤十字とは、「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」の7原則を掲げて、世界各国に存在する人道的活動団体だそうで。主要任務は、紛争や災害時における傷病者への救護活動、戦争捕虜に対する人道的救援(捕虜名簿作成、捕虜待遇の監視、中立国経由による慰問品配布や捕虜家族との通信の仲介など)などの他、平時における災害対策、医療保健、青少年の育成等の業務などまでやっているらしいです。

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2008年04月13日

医学ちょっといい話

命つないだ橋

 5日に架橋10年を迎えた明石海峡大橋に特別な思いを抱く父親がいる。開通半年後、保育園児だった長女が生体肝移植を受けるために徳島市から京都市まで「特例措置」で橋を渡って救急搬送された。一命をとりとめた長女は、絵を描いたりピアノを弾いたり、懸命に生きたが、4年後に10歳で亡くなった。この時の搬送を機に消防は広域搬送の基準を見直した。娘が生きたのと同じ年月を経た橋に、父親は「たとえ数年でも娘の命をつないでくれた橋にお礼を言いたい」と語りかける。

 阿南市羽ノ浦町、スーパー経営平圭介さん(41)。1998年9月、6歳だった長女の菜子ちゃんは、劇症肝炎と診断され、入院先の徳島大病院(徳島市)で「あとわずかの命」と宣告された。望みをかけた血漿交換の手術もかなわず、両親は実績のある京都大病院(京都市)で生体肝移植を受けることを決意した。

 病院からの再三の要請に、徳島市消防局は規定外の県外搬送を「特例」として認め、救急車で明石大橋を渡って約3時間で京都に到着。約12時間に及ぶ手術は成功し、医師は圭介さんらに「あと1時間遅れていたら危なかった」と話した。

 菜子ちゃんは、地元の小学校に無事入学。絵を描いたり、詩を書いたりするのが好きで、周りの友達と仲良く学校生活を送った。ピアノも始め、発表会では上手に独奏を披露し、圭介さんを驚かせた。

 しかし、肝機能が悪化するたびに入退院を繰り返さなければならず、小学4年生になった2002年2月、京都大病院に再入院したが、亡くなった。

 同消防局は、菜子ちゃんの「特例」を機に、県内での治療が困難な患者を県外の医療機関へ救急搬送できるよう、広域搬送の出動基準を策定した

 「菜子は10年という短い命でした 半分の5年は病気と闘いました それでも弱音を吐くこともなく明るくかわいい子でした――」

 圭介さんは昨年、菜子ちゃんの短い一生を詩に記し、命の大切さを語り継ごうと地元ボランティアグループと朗読会を開催した。

 菜の花が咲く4月7日生まれなので「菜子」。徳島は今、菜の花が満開だ。圭介さんは話す。

 「この橋を通るたびに娘を思い出す。手術後、京都からの帰り、橋から見た夕日は本当にきれいだった。今もあの子が『命の大切さをみんなに教えて』と導いてくれているような気がするんです」。
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2008年04月09日

心停止で倒れている人をみつけたら、とにかく胸を押して下さい。

心停止、とにかく胸押して 救急医ら調査、指針見直しへ

 心停止状態で倒れている成人を助けるには、胸を押し続けて圧迫するだけでも、人工呼吸を加えた方法と同じ蘇生効果があることが、日本の二つのグループの調査でわかった。調査を受けて米心臓協会(AHA)は、この「圧迫」を蘇生法として市民に勧める見解を発表。日本でも指針が見直される見通しだ。

 心臓発作などで倒れた場合、命を大きく左右するのは早期の心肺蘇生。蘇生法は、胸の真ん中を押す「胸骨圧迫」と人工呼吸を交互に行うのが原則で、海外でも同じ。ただ、第一発見者の多くはたまたま居合わせた人。他人に口をあわせる人工呼吸に抵抗感があるのが課題だった

 ところが京都大の石見拓・助教や大阪府の救急医らの調査で、人工呼吸を省いても効果が変わらないことがわかった。調査対象は、98〜03年に心臓病で心停止して倒れたが、近くに人がいた大阪府民の事例約4900件。倒れて1年後に、後遺症なく社会復帰できた率を調べた。

 すると、倒れて15分以内に救急隊が到着したケースでは、居合わせた人から基本蘇生法を受けた場合の「後遺症なし復帰率」は4.1%。胸骨圧迫のみは4.3%で、ほぼ同じ効果がみられた。首都圏の医師らの調査でも同様の傾向だった。

 日本救急医療財団心肺蘇生法委員長の坂本哲也・帝京大教授は「手法の難しい人工呼吸を無理にするより、圧迫だけでもたくさんの人に取り組んでもらえれば、より多くの命を救える」と話す。



 呼吸も大事ですけど、何よりも命が大事なので。一番優先すべきなのは、血液を酸素化することよりも、脳に血流を送ることなのです。

 確かに口をつけることは抵抗があるでしょう。そういう場合には、しなくてもいいから、ガンガン圧迫してくれ、と。それだけでだいぶ違うみたいです。ほんの少しの勇気があれば、助かる命もあるんですよね。人の命を救うのは医者だけじゃなく、人、なのです。



 人工呼吸の手技は仕方ないとして、口をつけることに抵抗があるんでしたら、なんかよくティッシュを該当で配ってるじゃないですか。人工呼吸用の、「フェイスシールド」っていう、空気だけ通すフィルターみたいのがあるんですけど、あれを入れて配ったらどうでしょうかね。もしくはコンドーム無料配布みたいにして、財布の中に忍ばせてもらうとか。

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2008年04月05日

ER緊急救命室、ついにラストシーズンへ。

「ER 緊急救命室」ついに完結

 米NBCのロングラン作品「ER 緊急救命室」が15年目のシーズンに突入する。また、本シーズンで終了することも明らかになった。

 同社と、「ER〜」を製作するワーナー・ブラザースTVは、来シーズンに向けて新たな19話を制作することで合意。条件面は明らかにされていないが、ライセンス料においてワーナー側が大幅な譲歩をしたものとみられている。

 10年前まで、ワーナーは1話あたり1300万ドルのライセンス料をNBCに請求していたが、最近の視聴率ダウンに比例し、ライセンス料も下落していた。

 視聴率が低下したとはいえ、今シーズンの平均視聴者は950万人。とくに18歳から49歳までの女性に人気が強く、NBCで第3位の人気番組となっていることから、ワンシーズン延長することを決定した。

 1994年に放送スタートした同ドラマは、かつての視聴率ナンバーワン番組として知られ、小児科医ダグ・ロス役のジョージ・クルーニーをスターダムにのし上げた。また、日本でもシーズン1から幅広い層の支持を受けていた。



 15年。医療ドラマで長寿って凄いですね。

 ERは日本でもかなり人気で、医療従事者や医学生でERが好き、という人は結構いると思います。私の友人でも大のERファンが。

 実は私はあまり見てないんですよね。たまーにテレビで放映していたのを観たぐらいで。暇が出来たらシーズン1から見てみたいなぁと思いますが……前回の「暇」は同じく医療ドラマのグレイズアナトミーにどっぷりでした…。面白いですね、これ。

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2008年03月27日

全国で初めて、救命救急センターが廃止される。

全国初の救命救急センター廃止 室蘭の日鋼病院

 北海道室蘭市の日鋼記念病院の救命救急センターが、31日付で廃止となることが25日までに決まった。生命に危険のある救急患者を治療する救命救急センターの廃止は、全国で初めて

 日鋼記念病院は、昨年10月ごろから運営方針などをめぐって医師が相次いで退職。医師不足から救命救急センターの機能が維持できなくなり、12月に道に廃止を申し出ていた。

 道は地元の3市3町や国と相談の上、近隣の医療機関で重症患者の受け入れが可能と判断し、廃止を決めた。



 病院の運営方針と医師が対立…。具体的に何が争点だったのかは分かりません。しかし医師と病院の運営側が対立するとなると…おそらく病院側はより利益を出そうとし(それでも大赤字でしょうけれど)、対して医師は労働条件の改善を求めたというところでしょうか…。憶測ですが。

 いずれにせよ今日本で起こっている問題の多くは、医師不足、医療費削減問題に絡んだものですからねぇ…。国ももう少し認識していただきたい。このままでは医療水準が…世界最高の医療が…。
 

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2008年03月14日

機内の心肺停止を、2年目の看護師が救う。

機内で心肺停止、看護師が救う

 インドネシア・バリ島行きの旅客機内で、心肺停止状態になった男性客を乗客の女性看護師が心臓マッサージなどの緊急措置をして一命をとりとめていたことが、分かった。機内で急病患者が出た場合、乗客の医師などに協力を求めるケースは多いが、日本航空は「心肺停止ほどの重篤患者は珍しく、とても感謝している」と話している。

 男性客を救ったのは、滋賀県栗東市の済生会滋賀県病院に勤務する柴田育英さん(23)。

 先月28日、妹(21)とバリ旅行のため関空発の日航機に乗っていた。夜勤明けの疲れで機内で眠っていたが、斜め前の座席で60歳代の男性が倒れた物音に気付き、目をさました。

 呼吸音から、舌がのどに詰まる舌根沈下の状態であることに気づき、駆け付けたが、男性はすでに心肺停止状態。気道を確保しながら心臓マッサージを始めたところ、機内に乗り合わせていた別の女性看護師2人も協力し、男性はまもなく息を吹き返した。

 意識を回復した男性は、家族に付き添われてバリ島の病院で、改めて治療を受けたという。

 柴田さんは看護師になって2年目。救急医療に苦手意識があるといい、その分、積極的に勉強会に出席するなど努力を重ねていた。機内でのことについて「とっさの行動でしたが、研修で身につけた技術が役立ってよかった」と振り返る。



 素晴らしい。看護師になって2年目。見事に生かされていますね。

 舌根沈下というのは、舌が奥のほうに入ってしまって、気道がふさがれてしまう状態ですので、気道を広げてやらなければいけません。そのために傷病者の額に手を当てて、もう一方の手で顎を持ち上げ、頭を後屈させる「頭部後屈顎先挙上法」が気道確保のために用いられます。

 迅速な行動、適切な対応で救われる命って結構あると思います。AEDも普及してきましたし、色んな機会で一般の方でも救命方法を習うことが増えてきたと思いますので、あとは「勇気」の1つだけ。

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2008年03月09日

救急医療を担う看護師、技師にも重い負担を強いている。

「何かが間違っている」救急医院の技師や看護師も疲弊

 救急医療に携わり、重い負担を強いられているのは医師だけではない。看護師や検査技師らの疲弊も進む。過酷な勤務や権利意識が高まった患者への対応などで体調を崩したり、傷ついたりして、現場を立ち去る医療スタッフは後を絶たない。「何かが間違っている」。日夜、そうした疑念が膨らむ。

 近畿の救急病院に約20年勤める臨床検査技師の女性は2年前、涙が突然、ポロポロと流れるようになった。頭がぼんやりして食べ物の味を感じられず、砂をかんでいるようだった。

 臨床検査技師は医師の指導の下、血液や尿の検査、心電図や脳波などの生理学検査を担う。当直は多い月で5、6回。入院患者に加えて急患の検査が立て込み、ほとんど寝ることができない。

 医師や看護師と違って検査技師は医療機関の定員基準があいまいで、病院経営の悪化によって人員が削減されやすい。勤務先でも20年間に臨床検査技師が約3割減らされ、十数人に。給料は据え置かれ、ボーナスも1.5カ月分減った。

 「うつ状態」と診断されて休職したが、2週間で復帰した。「技師が補充されず、同僚の負担が増えると思うと辞められない」。でも、もう限界だと感じている。

 日本臨床衛生検査技師会によると、臨床検査技師は全国で約7万人。高田鉄也専務理事は「医療に不可欠な存在なのに身分が保証されず、報酬も不十分。当直ができる正職員も減り、仕事は激化する一方だ」と明かす。

 患者と接する機会の多い看護師も激しいストレスに悩まされる。

 公務員共済組合病院に勤務していた大阪市の女性看護師(31)は昨春、辞表を書いた。復帰する気は今も起こらない。

 通常の3交代勤務のほか、救急当直が月3回。急患は毎夜、20〜40人来る。「共済組合の病院なのになぜ優先されない」と文句を言う公務員、「昼間は込むから」と平然と言い放つ軽症者未払いの治療代が100万円を超す常習者……。

 8時間立ちっ放しで、一息ついて笑顔を見せた途端、「何を笑ってるんだ」と患者に怒鳴られ、ひたすら謝らされたこともある。「人を助けたいという一番大事な気持ちを失ってしまった」

 関西の脳外科専門病院で働いていた男性看護師(37)は「医師も大変だが、看護師だって人が足りない。この国の医療の仕組みはおかしい」と訴える。残業が多く、2、3時間の睡眠で次の勤務に入らざるを得ない。「薬の種類や量を間違えそうになった」

 脳疾患の救急患者は初期症状で判断力が低下し、暴れることがある。入院後も目が離せないが、看護師3人で受け持つ患者は約50人。急患が来ればパンクする。年収は300万円余で、ほとんど昇給しない。

 2年前、病室でベッドのセンサーが作動し、警報が鳴った。駆けつけると、患者が「飛びます」と叫んでベッドから飛び降りる瞬間。一命は取りとめたが、頭を強打し、「管理がなっていない」と家族から非難された。「やっていけない」と救急のない病院に移った。

 日本看護協会の調査では、病院勤務の新人看護職員の離職率は9.2%。配置が手厚い病院ほど、離職率が低かった。小川忍理事は「救急病院は入退院が頻繁で、過重労働が常態化している。体制にゆとりを持たせるなど、真剣に対策を考える時期だ」と指摘する。



 日本人はメディアに流されすぎなんですかね。

 まぁとにかく極端です。医者が不当に儲けている、必要のない検査をする、とか何とかいって医者バッシング。証拠があるわけでもなく。島民族特有の、狭い社会での口コミを高い重要度をもつものと認識しているせいでしょうか。

 そしてそれは医師だけではなく医療従事者にも降りかかります。

 医療は医師だけが行っているわけではなく、検査、看護、アフターケアなど、様々な領域で医療従事者は尽くしています。単に患者と接する機会が少ないだけの違いです。

 しかし医療費高騰ということで、国は病院側に負担を強いるようになりました。ただでさえ赤字経営であるにもかかわらず、です。そしてその負担は病院で働く医療従事者に強いるようになっています。医師不足の現在、看護師や臨床検査技師の人件費が槍玉に上げられ、彼らには当然今まで以上の負担がのしかかります。

 もう、パニックですわ。

 消費税を上げるだの何だの言われていますが、上げるのならば全て医療費に費やしてほしいものです。もしくは役人の身勝手な無駄遣いをやめるか、ですねぇ。世界有数の医療を、国民全員に提供しているわけですから、医療費なんて上がって当たり前なんですが。何が大事なんでしょうね、一体。

 そしてマスコミの行った「医療従事者=悪」のイメージ戦略が、見事に効果を発揮し、医療不信となった患者及びその家族は、ヤレ医療ミスだ、配慮がないだと訳の分からんことを言い出します。

 どうしようもないですね。日本の医療の崩壊に加担し、お金がなければ良質の医療を受けられない時代に向かわせているのは、誰なんでしょう。

 全国の医療従事者は、それでも患者さんには何もいえないので、中立立場として私が、あえてこういう場で書かせてもらいました。医療従事者側も傲慢な態度をとらないかわりに、患者さん側にも配慮をお願いしたいです。

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2008年03月03日

札幌市産婦人科医会が二次救急からの撤退を通告する。

重症救急撤退を通告 札幌市産婦人科医会 市に「夜間の負担増」

 札幌市の産婦人科の救急医療で、重症患者を診る二次救急を引き受けている札幌市産婦人科医会(遠藤一行会長)が「各病院の負担が重く、これ以上は担いきれない」として、二次救急からの撤退を市に申し入れていたことが、二十六日分かった。市は医師や住民による協議会を三月中に設置し、負担軽減策を話し合う考えだが、同医会は具体案が出ない場合は、九月で撤退すると通告している。市内では現状でも妊婦のたらい回しが起きており、撤退となれば、市の産婦人科救急に大きな影響が出そうだ。

 札幌市の各診療科の夜間、土日・祝日などの救急体制は《1》軽症者を診る初期救急《2》初期救急の医療機関から重症者を受け入れる二次救急《3》より重症な患者を二十四時間受け入れる三次救急−に分かれている。このうち、産婦人科は同医会所属の医療機関のうちNTT東日本札幌病院など九医療機関が、二次救急に加え、夜間(午後五時−翌日午前九時)の初期救急も担ってきた。

 担当医師の負担が増えたのは、産婦人科医の減少で二次救急を毎日交代で引き受ける医療機関が、四年前の十四から五カ所も減少したため。各医療機関の担当回数が二週間で一回から一週間で一・三回程度に増え、担当医から「産婦人科は慢性的な人手不足で、受け持ち患者の診療と出産で手いっぱい。これ以上、救急を分担できない」と、声が上がった。

 このため、同医会は二○○八年度に向け、市の夜間急病センターに夜間の初期救急を診る産婦人科医を置き、初期と二次を分離するよう市に要請した。遠藤会長は「センターで患者を振り分け、子宮外妊娠や早産などの重症患者だけを二次救急に送れば、医師の負担が大幅に軽減される」と説明する。しかし、市は新年度予算案に、二次救急医療機関への報酬の一千万円増額を盛り込んだものの、センターへの産婦人科医配置は見送ったため、医会として撤退を申し入れた

 市医療調整課の飯田晃課長は「夜間急病センターに産婦人科医を配置すると、約七千万円の予算が必要になる。財源が限られる中、住民合意を得られるだろうか」と説明。三月中に協議会を設置し、負担軽減に向けた代案を話し合う。

 医療機関に二次救急を担う法的な義務はない。撤退が決まった場合、市が個別の医療機関に担当を依頼しなければならず、三次を担う市立病院や、市の依頼に応じる一部医療機関の負担が増大するのは確実。最悪の場合は救急体制が崩壊する恐れもある。

 遠藤会長は「医療にどうお金をかけるか、市と住民で考えてほしい」と話している。



 別に医師側は、市や市民に無理難題を押し付けているわけではありません。

 むしろ医師側はできる限り市民の役に立とうと、自身の時間を削って応対していたわけですが、なんかこう、市と市民側が非協力的なんですよね。勿論市側にそういう意図はないんでしょうけれど、「我々ではどうすることもできないから医師のみなさんなんとか頑張って下さい」という姿勢は、問題を医師に全て押し付けているようなもの。そりゃ産科も崩壊します。

 そもそも産婦人科領域でミスが起こって裁判という流れが増えていますけれど、産婦人科医一人当たりの負担が大きくなって医師の疲労が蓄積することこそ、ミスに直結するはずです。お産でそういうミスが許されないというのなら、産婦人科医の負担を減らすような工夫を考えるべきです。

 その工夫が医療機関内で行われることならば、既に医療機関側が自主的に実施しています。それでも解決できないほど追い込まれているのでしょう。

 医療は医師のものではなく患者のものです。勿論診断や治療は医師がします。一般の方には、医師が働ける環境を作る、手助けをお願いしたいのです。

「飛び込み出産危険」産婦人科医ら現状学ぶ

 日本産婦人科医会県支部主催の学術研修会が23日、仙台市青葉区の県医師会館であり、妊婦健診を一度も受けずに医療機関に駆け込む「飛び込み出産」や産科救急搬送の現状が報告された。

 医師、看護師ら約80人が参加。仙台赤十字病院の谷川原真吾産婦人科部長は「飛び込み出産では、早産や新生児異常となるケースが県内の中核病院で増えている。健診を受けていれば、緊急帝王切開手術をしなくても済んだ例は多い」と危険性を指摘した。

 仙台市消防局の小野清救急課長は、妊婦の搬送で医療機関の照会に時間を要した事例を説明。18回目の問い合わせで受け入れ先が決まった2006年の搬送などを例に、「仙台では救急隊の現場到着が早くなっている半面、搬送開始までの時間が長くなっている。より効率的な照会方法を探りたい」と述べた。

 参加した医師は「1人で当直しているときなどは、搬送を受け入れたくてもできないことがある。消防との話し合いがもっと必要ではないか」と提起した。

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2008年02月26日

容態の急変した子供を救急車で迎えに→退職へ。

藤沢市消防本部:救急車を私的利用、救急隊長を懲戒処分

 当直勤務中に救急車で帰宅し、その救急車で病気の次女を私的に運んだとして藤沢市消防本部は19日、同市南消防署警備1課の男性救急隊長(59)を停職42日に、帰宅を認めた上司で同課の男性主幹(56)を戒告の懲戒処分とした。隊長は19日、依願退職した。

 市消防本部によると、隊長は1月19日午後5時過ぎ、南消防署苅田出張所(同市本鵠沼4)で、茅ケ崎市内の自宅にいる妻から携帯電話で20代の次女の容体急変を知らされた。南消防署で当直責任者をしていた主幹に「様子を見に行きたい」と連絡。主幹は救急出動に支障がないことを条件に、同じ隊の隊員2人を乗せて救急車で帰宅することを認めた

 救急車は5時21分ごろ出発し、一時サイレンを鳴らして約3分後に自宅に着いた。次女はすぐ意識を失い、隊長は次女と妻を救急車に乗せて、通院している茅ケ崎市立病院にサイレンを鳴らし約10分かけ搬送した。出張所の救急車は1台だけ。6時35分に戻るまで出動要請はなかった。

 隊長は「今までにない症状で動転した」と釈明したが、消防本部は「出動する必要があったら支障を来たした」として、懲戒免職に次いで重い停職6月に当たると判断。隊長は3月末で定年のため、残り42日間の停職処分とした。

 金子司洋消防長は記者会見し「職務を忘れ、救急車を不適正に利用したことは信用失墜行為に当たる」と謝罪。南消防所長ら3人を文書訓告し、隊員2人も文書で厳重注意した。



 ちょっとかわいそうですねコレ。

 アメリカとかだったらむしろ美談といいますか、子供を想う親って感じでいい話だったのでは。

 業務に支障を来たさないことを条件にしたということですので、上もナイス判断だと思ったのですが・・・。

 家族側が119番に電話するのが一番良かったんでしょうけれども。
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2008年02月17日

玉名中央病院の全麻酔科医が福岡大学医学部へ引き上げる

玉名中央病院、4月から麻酔医不在

福岡大医学部が引き揚げへ、後任見通し立たず

 玉名市玉東町病院組合が運営する同市の公立玉名中央病院(木山程荘院長、302床)で常勤麻酔医2人が3月末で退職し、新年度から麻酔科が不在になることが15日、分かった。医師を派遣する福岡大医学部(福岡市)が昨年末、引き揚げを通知してきたためで、麻酔医が必要な手術ができなくなる可能性が出てきた。

 同病院では2006年度、全身麻酔など麻酔医が必要な大がかりな手術を823件実施。交通事故などによる夜間の緊急手術も月に1、2件行っている。当面の打開策として、昼間の非常勤医を探しているが、見通しは立っていない。麻酔科が不在になれば、熊本市、荒尾市、大牟田市の病院に20〜40分かけて転送しなければならなくなる。

 同病院は県北の拠点病院の一つで、1981年に県から救急車を受け入れる医療機関に指定され、12科に常勤医32人が勤める。常勤医は全員、県内外の大学病院からの派遣といい、外科医3人のうち1人も派遣元の熊本大の意向で新年度からいなくなるという。



 うーむ。

 消化器外科、心臓外科、腎泌尿器外科、形成外科、脳外科、整形外科、そして救命救急。えーとあと何があったかな。

 まぁこれだけ多くの外科がありながら、まず手術の時にいなければいけないのが「麻酔科」です。

 麻酔科は、唯一、人の「意識」をコントロールする診療科でもあります。全身麻酔を行う場合には手術中のコントロールのためにいなければならない存在です。当然麻酔科医1人にかかる負担も相当ですが。

 サポートのスペシャリスト的な存在なので、やりがいがあるのかどうか分からず、なり手が不足しているのも現状でしょう。手術のスペシャリストなだけに、麻酔科医不足について考えることも必要です。

 しかし…親玉である大学病院から医師が派遣されなくなったら、地元の大きな病院はどうすればいいんでしょうね。大学病院も人手不足ゆえに仕方のないことではありますが…。(昔ならばお金のやり取りとか色々あって結構黒かったんですけれどね)

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医学処:薬物を使って手術中に眠りに陥った麻酔科医の医師資格を一時剥奪する
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2008年02月10日

「受診マナー」の向上を県民運動として行う広島県。

勤務医負担減へ県民運動 広島県

 広島県は深刻な医師不足を受け、県民が夜間や休日などに安易な受診を控え勤務医の負担軽減を目指す初の県民運動を展開する方針を固めた。県医師会、経済団体などの協力を得て「ひろしま健康づくり県民会議」(仮称)を二〇〇八年度上半期にも発足。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防対策、食育推進の各テーマも併せ、啓発や情報発信に努める。

 受診マナーの向上は、運動テーマの一つ「医療資源の効果的な活用の推進」の一環。休日や夜間診療を軽い気持ちで利用する「コンビニ受診」、同じ病気で複数の病院をはしごする「重複受診」などによる医療機関の負担増の実態を強調し、子どもの急な発熱やけがに対応する電話相談や、身近なかかりつけ医の活用などを奨励する。

 さらに、医師不足により、病院間の連携強化や診療科の見直し、医師の重点配置などに迫られるとの将来予測を踏まえ、医療機関の集約、重点化への県民理解を深める活動にも力を入れる方針でいる。

 広島県は厚生労働省の隔年調査で、医師総数と、医療施設で働く医師数(人口十万人当たり。開業医を含む)が〇六年にそれぞれ三十年ぶりに減少。広島大など四団体と連名で一日発表した緊急アピールでも、勤務医が敬遠される要因に医療機関の厳しい就労環境があるとの見方を示しており、受診マナー向上が必要と判断した

 広島県の藤田雄山知事、県医師会の碓井静照会長、広島大の浅原利正学長、県市長会長の吉岡広小路三次市長、県町村会長の佐々木清蔵安芸太田町長の5人が「みんなで守ろう広島県の医療」と題して連名で発表した。「各地で必要な医師を確保できず、地域医療に大きな影響が生じ始めた」と危機感を示し、地域の医療態勢を確保するための施策に理解と協力を訴えている。



 広島県Good Jobすぎます。

 医師全体が、医師であるがゆえに言えなかったことを、県全体が主張してくれているようなものです。

 医師は患者のために尽くそうとしていますが、それに反して、理不尽な要求をつきつけられたり、自己中心的になってしまう患者が、問題でした。そりゃ病気で具合が悪い、または具合の悪い子供を連れている人が、まともな精神状態ではないことは承知です。承知であるがゆえに何も言えず、申し訳ないですとしか言えなかったのが現状なのです。

 本来、医師患者関係を正しく成り立たせるためには、医師が患者を想い、患者も医師に適切に接することが必要となってきます。「受診マナー」、凄い革新的な言葉だと思います。今年の流行語にしたいぐらいですね。今の医療は本当に崩壊寸前なんだ、ということを認識していただきたいです。

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医学処:医師の確保が困難で、救急病院が142件減る。
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2008年02月09日

公明党、救急医療情報システムの確立へ

与党、救急搬送の「たらい回し」防止へ法案

 与党は28日、救急車が急患を運ぶ病院の空きベッド状況を把握する「救急医療情報システム」の整備を進めるための議員立法を、今国会に提出する検討に入った。地方自治体にシステム整備に必要な費用を助成し、病院の専門スタッフ拡充を図る内容が柱。救急搬送の「たらい回し」が相次いだことを踏まえて公明党が法案骨子を作成。近く自民党との調整に入る。

 同システムは消防機関が搬送患者の受け入れ先を見つけやすくするため、病院側が空きベッドや診療科目などの情報を提供する仕組み。43都道府県が導入しているが、病院側の人手不足で情報更新が遅れるなど使い勝手の悪さが指摘されている。



 ん、これはいい試み。救急車があいているところに効率的に搬送できれば、理論的には解決する話です。

 しかし「病院スタッフを拡充する」というのは難しいですね。資金があればできる、ということでもないような気がします。絶対数が足りていない現状をみれば、理想論に近いです。
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