厚生労働省は30日、産婦人科(産科を含む)の医療施設のうち、分べんを実施した施設が05年で、統計を取り始めた84年以降、初めて50%を下回ったと発表した。背景には、少子高齢化による出産数の減少や中核病院への集約化などが考えられるという。施設数自体も84年に比べ、約4割減少。「産婦人科離れ」が改めて浮き彫りになった。
厚労省によると、産婦人科を標ぼうする医療施設は、05年が5997カ所で、このうち、分べんを実施した施設の割合は48.9%。84年当時は9612カ所で、同割合は61.6%だった。実施1施設当たりの分べん件数(05年9月)は、全国平均が29.0件に対し、都道府県別では神奈川(38.7件)、埼玉(37.2件)、茨城(36.2件)が多く、徳島(19.8件)、佐賀(20.1件)、長崎(20.2件)が少なかった。
全体の医療施設は05年が17万3200カ所(前年比515カ所増)。病院が9026施設(同51カ所減)で、一般診療所が9万7442カ所(同391カ所増)、歯科診療所は6万6732カ所(同175カ所増)。
病院の診療科目別(重複計上)でみると、前年比で最も増加したのが心療内科で10.4%増の540カ所。一番減少したのは13.8%減の性病科で56カ所。施設数が多いのは、内科(7310カ所)▽外科(5268カ所)▽整形外科(5205カ所)などだった。
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うーむ、深刻なんですねぇ。まああれだけ訴訟起こされてしまっては、病院としてやっていけませんからね。たとえ名医の揃っている良心的な病院だとしても、出産の段階で亡くなってしまう人はいるわけで。それで毎度訴訟でも起こされようものなら…分娩をやめるほうがリスクは少ないです。
心療内科の増加は然るべきでしょう。精神疾患が世の中で認められつつあります。本来ならば精神科に行くべき患者も、「精神科には行きたくない」という偏見があって、似たような心療内科に足を運ぶんでしょうね。ですが実際は精神科と心療内科は別物。テキトーな投薬を受けるより、きちんとしたプロフェッショナルによる治療を受けたほうがいいと思います。
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