[生殖]の記事一覧

2011年05月10日

チンパンジーも人と同じように母親の背中側を向いて生まれてくる

チンパンジーの出産、定説覆す 子は母親の背中側向き

 チンパンジーの赤ちゃんは、ヒトと同じように母親の背中側を向いて生まれることを林原生物化学研究所の類人猿研究センター(岡山県玉野市)や滋賀県立大のチームが発見し、20日の英王立協会の学会誌(電子版)に掲載された。

 チームによると、これまでは、母親の背中側を向くのは、頭が大きくなり出産が特殊化したヒトに特有のもので、ヒト以外の霊長類は腹側を向いて生まれると考えられていた。チームは「定説に再考を迫る結果」としている。

 チームは2005年と08年、センターで飼育するチンパンジー3頭の出産を間近で撮影。赤ちゃんが母親の産道から出てくるときに顔は母親の背中側を向くシーンを捉えた。



 人の出産は面白いもので、骨盤をこう、回転しながら赤ちゃんがおりてくるんですよね。そのときに頭の大きさがうまいことはまりながら進んでいくので、自然に背中側を向いて生まれてきます。

 逆に、ですが、なるほど、他の「大脳が発達していない霊長類」は、頭部が大きくないために、別に骨盤の回転がどうとか、いらないのかもしれません。そのまますぽんと生まれる形か。


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2011年04月30日

世界初、双子の姉妹間で卵巣移植し女児を出産する。

世界初、双子の姉妹間で卵巣移植し出産

 染色体異常を持った女性が世界で初めて、双子の姉妹間での卵巣移植を受け、元気な女児を出産していた。医師らが16日発表した。

 ビクトリアちゃんと名付けられた女児は、3月8日にパリ郊外で誕生した。自分の母親と叔母が持っていたターナー症候群と呼ばれる染色体異常はなかった

 母親のカリン(Karine Thiriot)さん(39)は体外受精による妊娠を約15年間、試みていた。

 2009年8月にカリンさんへの卵巣移植手術を行ったベルギー人の婦人科医ジャック・ドネ(Jacques Donnez)氏は「ターナー症候群の姉妹間でのこうした移植術は世界で初めて」で、また欧州では初の卵巣移植だったと述べた。ドネ氏はこの手術の後、双子ではない姉妹間の卵巣移植も1件行い、成功している
 
 カリンさんは、女性2500人に1人の割合で見られるターナー症候群が原因で、生まれつき卵巣がなかった。しかし双子のステファニーさんは、似た染色体異常を持っていながら生殖機能には問題なく、今回の移植までにすでに2人の子どもを出産していた。

 移植から数か月後にカリンさんの生殖サイクルは定まり、極めて普通に妊娠できるようになったと言う。カリンさんは「ビクトリアはいたって健康。ターナー症候群も持っていない」と喜びを語った



 ふつう女性の性染色体はXXなんですが、ターナー症候群はXO(Xが1本しかない)んです。そうすると女性らしさである二次性徴がなかったり、卵巣が瘢痕化してなくなったり、無月経になったりします。結構見た目で違いが分かるので、「この人ターナーっぽいな」って人は時々おられますね。もちろん普通の見た目でも、検査したらターナーだったって人はいますが。

 身体所見上の特徴としては「外反肘、翼状頸、盾状胸、毛髪線の低位」がみられます。まぁ女性は外反肘の人結構いますけれど、それ以外は特徴的かもしれません。あと、大動脈縮窄症、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症などの左心系の心奇形、馬蹄腎などの腎奇形を合併することもあります。

 今回のニュースでは、姉のほうの卵巣が正常に機能しているというところが幸い。更にその姉と双子であったというのが幸い。心疾患などの手術リスクをクリアーしていたのが幸いと、良いことづくめでした。姉妹間以外でも卵巣移植に成功しているということなのでこれはかなり期待できそうですね。しかし他人の卵巣を移植して子供を産んだらそれは代理母とどう違うのかという気もしなくもないですが。
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2011年04月27日

日本産婦人科学会、性同一性障害の子供、嫡出子と認められず。

性同一性障害

 日本産科婦人科学会は26日、性同一性障害のため女性から男性に戸籍上の性別を変えたうえで結婚した人に対しては、第三者の精子を使って妻との間に子供をもうける「非配偶者間人工授精」の際、嫡出子と認められないことを説明するなど、重な対応を求める通知を発表した。

 兵庫県宍粟市で2009年11月に生まれた男児が、「父親が戸籍上は男性でも生物学的に女性」だとして、嫡出子と認められなかった。法務省も「嫡出子とは認められない」との見解を示したため、同学会が会員への通知を決めた。

 同学会の吉村泰典理事長は、「子供の福祉を考え、十分に説明して同意を得た上で行わなければならない。きちんとした法整備が必要だ」と指摘している。



 日本でも少しずつ性同一性障害について認められ始めてはいると思うんですが、まだまだ後進国ですね。よくも悪くも保守的というか。欧米のノリだと「まぁいいんじゃねえの」という感じなんでしょうけれど、日本はまず現状維持から入るので、革新的なことは受け入れがたいのでしょう。

 当たり前のようになるといいんですけどねぇ。血縁だって、正直いってどうでもいい。養子だろうと何だろうと子供は子供ですし親は親。

医学処:性同一性障害の若者が海の家を運営する。
医学処:性同一性障害の女子、学生服で登校することが認められる
医学処:性分化疾患、XX/XYモザイク型に悩む人を追う。
医学処:性同一性障害の性別変更手術、国内実施例は2割以下。
医学処:性同一性障害者同士のカップルが結婚する。
医学処:子供を産んだ旦那さん。
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母体の血液を測定するだけでダウン症を診断できる方法を開発

腹部に針を刺さないダウン症診断法、2年以内に普及の可能性

 母親の血中DNAを検査するダウン症診断法が、2013年までに一般に普及するかもしれないという研究成果を、キプロスの研究者が8日開いた会見で発表した。研究の概要は英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」にも掲載されている。

 首都ニコシア(Nicosia)にある神経学・遺伝学研究所(Institute of Neurology and Genetics)のフィリッポス・パトサリス(Philippos Patsalis)氏は、血中DNA検査法の利点について、非侵襲性のためリスクが少ないこと、安価で5日以内に結果が出ること、特殊な機器やノウハウがいらないことなどを挙げ、このダウン症診断法を受ける妊婦が増えていくだろうと述べた。

 現在行われている出生前診断は、妊娠16週の時に腹部に針を刺して羊水を抜き取るというものだが、流産リスクが1%存在する。そのため、この検査を受けるのは事前の血液検査と超音波検査で胎児の異常が疑われた妊婦に限られている。

 血中DNA検査法の臨床試験は、キプロス、ギリシャ、英国の研究者たちによってギリシャ人の妊婦に対して行われ、現時点では100%の確度が確認された。今後は日本を含めた広い地域で1000人を対象に臨床試験が実施される予定だという。



 確かに胎児の血液は母体で浄化されているようなものですが、母体の採血だけで分かってしまうというのは凄く画期的ですね。

 侵襲性が極端に減って安全に診断できるようです。日本では議論の余地があるでしょうけれども、ダウン症を早期に診断するかどうかは夫婦の問題であって、大勢の夫婦がいての社会ですからね。その結果が「ダウン症迫害」とか「淘汰」という概念に繋がらない社会を形成できると、日本を信じてます。
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2011年04月20日

妊婦の超音波検査は遺伝学的検査になりうると産婦人科学会が認定

妊婦エコーは遺伝学的検査 学会、慎重な扱い求め指針案

 日本産科婦人科学会は23日までに、胎児が順調に育っているかを調べる妊婦の超音波検査(エコー)は、出生前に胎児の病気や異常を把握する「遺伝学的検査」になりうるとして、検査結果の慎重な取り扱いを求める倫理指針改定案をまとめた。4月の総会で正式決定する。

 超音波検査では胎児が入っている胎のうや心拍の様子などをみるが、奇形などが偶然見つかって染色体異常が疑われる場合があり、遺伝学的検査にもなるとしている。

 改定案では、偶然異常が見つかった場合、妊婦や家族に、検査結果をどう解釈すべきかや、どのような対応が選択できるのかなどを十分に伝える必要があるとした。初めから病気の有無を調べる目的の場合には、事前のカウンセリングを十分にするよう求めた。

 近年、妊娠中にダウン症などの病気を見つけるため、胎児の首の後ろのむくみ「後頸部浮腫(NT)」の厚みを超音波検査で測定する方法が注目されているが、病気と判定するための信頼できるデータはないとして積極的な位置付けはしなかった

 また学会は、妊婦から採血し胎児の染色体異常の可能性を調べる「母体血清マーカー検査」に消極的な姿勢だったが、改定案では「妊婦や社会の認識やカウンセリング体制整備が進んだ」として、検査について適切に情報を提供すべきだとの方針に転じた。



 難しい問題です。

 後頸部浮腫について書いた当ブログのエントリーでは、この5年間に多くのお母さんたちからのコメントが寄せられました。

 確かにエコーという、今では聴診と同じくらい簡便に行えてしまう検査で、胎児に異常があった場合、どうするのか、という、医療的というより社会的な側面が強いですね。障害があるかないか以前に、「遺伝子異常がある可能性がある」という代物なので。

 ただ、そうやって曖昧になってはいても、結局決断を強いていることには変わりないわけで。難しいです、ホント。

医学処:後頚部浮腫像検査はあくまで参考程度に。
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2010年10月16日

2010年度のノーベル医学生理学賞は「体外受精」

ノーベル医学賞、体外受精の先駆者に

 10月4日、2010年度のノーベル医学生理学賞が発表された。今年の受賞者は、体外受精(IVF)のパイオニアである85歳のイギリス人科学者ロバート・G・エドワーズ氏だった。

 体外受精は不妊治療の一種で、女性の卵巣から採取した卵子に精子を注入してできた胚(受精卵)を再び子宮に移植する技術である。今日までにおよそ400万人が体外受精のおかげでこの世に生を受けている。

 エドワーズ氏が最初に体外受精法を思い付いたのは1950年代のことで、1960〜1970年代にかけて技術を開発し洗練させていった。そして1978年7月25日、世界初の“試験管ベビー”、ルイーズ・ブラウンさんがイギリスで誕生した。

 イギリスにあるコベントリー大学病院の不妊治療専門家で国際不妊学会(IFFS)事務局長のリチャード・ケネディ氏は、「今回の受賞はすばらしいニュースだ。生殖科学におけるエドワーズ氏の先駆的研究の偉大さが見事に実証された」と受賞決定を喜んだ。「体外受精技術の開発により、何百万組のカップルが子どもを持てるようになった。この技術がなければ、おそらく実現しなかっただろう」。

 スウェーデンにあるカロリンスカ研究所のノーベル賞委員会は、「体外受精は現代医学において画期的な偉業であり、不妊に悩む世界中の人々に対して喜びをもたらした」と授賞理由を述べている。エドワーズ氏には賞金として1000万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)が贈られる。なお、同氏は体調が優れないためメディアの取材には応じておらず、代わりに夫人が喜びのコメントを発表した。

 世界中で10%以上のカップルが不妊に悩んでいるといわれる。かつての不妊治療は非常に限られたものであった。しかし、現在は体外受精により受精卵移植のおよそ5回に1回は子どもの誕生にまで至っている。この数字は自然妊娠とほぼ同じである。

 エドワーズ氏が体外受精を初めて思いついたのは、ほかの研究者がウサギの卵子を試験管内で精子と受精させる研究を行っているのを見たときだった。人間の不妊治療にも応用できると考え、実験を始めた。

 ヒトの卵細胞はどのように成熟するのか、各種ホルモンはどのように成熟度を制御しているのか、どの段階で受精可能な卵子となるのか。エドワーズ氏の研究チームはしだいにそのメカニズムを明らかにしていった。

 1969年、当時ケンブリッジ大学に所属していたエドワーズ氏は、初めて試験管内で人間の卵子を受精させることに成功した。しかし受精卵は1度細胞分裂をしただけで、その後発達しなかった。エドワーズ氏は、「体外受精のために取り出す前に、卵子を卵巣内で成熟させる必要がある」と考えた。

 そこで産婦人科医パトリック・ステプトー氏と連携して、腹腔鏡検査法と呼ばれる手法で卵巣から成熟した卵子を安全に取り出した。腹腔鏡検査法はステプトー氏が開発した光学技術で、卵巣内の卵子を調べることができる。このときは卵子の受精後、細胞分裂が数回続くところまで成功した。ただし、わずか8個の細胞に分かれたところで胚の成長は止まってしまった

 この段階で世間では議論が噴出した。さまざまな宗教指導者や政府関係者が体外受精技術に反対を唱え、イギリスの政府機関である医学研究評議会(MRC)は体外受精プロジェクトへの資金提供を継続しないと決定を下した。

 しかし個人からの寄付が集まり、エドワーズ氏らは研究を続けることができた。そして、ついに世界初の体外受精児誕生へと至る。1978年以後、体外受精技術はさらに改良され、簡単で無理の少ない採卵方法が編み出されていった。

 ただし体外受精治療は子どもが複数生まれる多胎妊娠につながることが多く、母子共に高いリスクをもたらすといわれている。例えばアメリカのメリーランド大学メディカルセンターによると、多胎妊娠では早産と低出生体重の確率が大幅に高くなるという。

「それでも、体外受精はすっかり定着している」と前出のケネディ氏は話す。「将来的には遺伝学的スクリーニングと組み合わせて遺伝性疾患の可能性を減らすことができるだろう。また、さまざまな技術が改善されれば成功率が高まり、多胎妊娠を避けられるようになるはずだ」。



20世紀を代表する素晴らしい技術の1つだと思います。

 不妊、というのは医学的のみならず、社会的な問題です。宗教上の問題というのは要するに倫理以前の古臭い慣習ゆえにダメを強いているだけで、現実を直刺していない。

 当時は世論に散々叩かれたことでしょう。しかし現在は世界中の人に恩恵を与える技術になったわけです。諦めないということは、結果につながるのですね。おめでとうございます。
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2010年05月05日

毎日1リットルのコーラを飲む男性は精子が減少する

コーラと精子の関係

 コペンハーゲンからの報道によると、デンマーク大学は2001〜2006年に2554人を対象におこなった実験の結果、毎日1リットルのコーラを飲む男性は、一般人と比べて精子の量が約30%減少していると発表しました。

 コーラに含まれるカフェインが原因との説もありますが、お茶やチョコレートを食べた場合には減少は顕著でなく、原因は断定できていません。

 また、コーラを飲み続けることで糖尿病になり、内分泌系に異常をきたした結果、ホルモンバランスが崩れて精子量が減少している可能性もあるとのこと。



 毎日1リットルも清涼飲料水を飲んでたらそりゃー影響出ても不思議ではないと思いますが…

 おそらく糖尿病などの血糖値異常と関連してるんじゃないでしょうかね。
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交換が容易になった新型頚動脈ステントを発売

J&J、頸動脈ステントに新型 手術中も交換容易

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京・千代田)は27日、頸動脈用ステントの新製品を発売すると発表した。

 「頸動脈ステント留置術」と呼ぶ、頸動脈狭さく症の血管内治療法で使う機器で、狭くなった首の血管にステントを留置し、血液を流れやすくする。従来製品に比べ、手術中のステント交換が容易にできるという。

 血管壁を押し広げる頸動脈用ステント「プリサイス プロRX」と、血栓などが脳に流入するのを防ぐ機器「アンジオガードRX」の2種類。両製品は組み合わせて使う。



 頚動脈にコレステロールなどが溜まると、血管内を流れる血流が悪くなります。それによって脳への血流が減ってしまったりするのが怖いところです。

 最近では頚動脈にステントを入れることで、血管を広げてやることができるようになりました。今回の商品は、その改良型。

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小さく見せるブラジャーをワコールが発売

「無理に盛り上げたくない」ワコールが胸を小さく見せるブラ発売

 コットンのような質感を表現したレースに小花の刺繍をあしらった「小さく見せるブラ(バイオレット)」 下着大手のワコールは23日、ボリュームのあるバストをスッキリしたシルエットに見せる機能を持ったブラジャー「小さく見せるブラ」をインターネット限定で発売したと発表した。価格はD、E、Fカップが4935円、Gカップは5250円。カラーはブラック、ベージュ、バイオレットの3色。

 同社が20代〜40代の女性を対象にアンケート調査を実施したところ、「無理に盛り上げたくない」というニーズが10、7%あることがわかったという。胸を大きく見せる機能を重視したブラジャーが主流ではあるが、「大きなバストをコンパクトに見せたいと考える女性の願いに応えたい」とアピールしている。

 「小さく見せるブラ」の特徴は、胸のボリュームを抑え、華奢でスリムなシルエットでありながら谷間がつくれること。コットンのような質感を表現したレースに小花の刺繍をあしらい、かわいらしいカラーを取り揃えた。販売目標は2000枚(4月〜8月)で、今後の展開は需要を見てから検討するという。



 ワコールのブラシリーズについてはたびたび取り上げさせてもらってますが、この小さく見せるブラはかなり需要があるのではないでしょうか。

 胸が大きい、ことがコンプレックスというか、ファッションにおいても障害になることも多々ありますので、こういうブラを用いたいと思う女性は結構いるはずです。
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2010年05月02日

精子幹細胞の自己複製を抑える遺伝子を確認する

分化・増殖の制御遺伝子を発見

 精子の源である精子幹細胞の自己複製と分化・増殖の制御に関与する遺伝子を、京都大医学研究科の篠原美都助教、篠原隆司教授たちのグループが突き止めた。米国科学アカデミー紀要で23日に発表する。

 精子は、精子幹細胞が自己複製を繰り返し、一部が前駆細胞へと分化して増殖、さらに減数分裂して精母細胞、精子細胞に分化して作られる。自己複製と分化・増殖を制御するメカニズムは、まだよく分かっていない。

 篠原助教たちは、細胞分裂を繰り返す周期「細胞周期」の進行を抑えるタンパク質(CDK阻害因子)を作る遺伝子p21とp27に着目し、マウスの精巣を使って二つの遺伝子の働きを調べた。p27は精子幹細胞の自己複製を抑え、p21は前駆細胞の増殖を促進していることが分かった。

 精子幹細胞の自己複製を抑える遺伝子の確認は初めてで、二つの遺伝子が不妊症に関係している可能性もあるという。篠原助教は「不妊治療で精子形成効率を改善する糸口にもなるかもしれない」と話している。



 遺伝子レベルでの治療が可能になれば、不妊症は減るかもしれません。昔ならば相性が悪かったとか、種が悪いとか体が悪いとか差別されたりしたことも、こういった医学を駆使すれば「子供を作る確率が上がる」とされています。無理やりつくるのは自然の摂理に反しますかね。それでも愛し合う夫婦なら子供が欲しいと思うのは当然のことですから、個人的には賛成です。
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2010年04月16日

中絶手術がきっかけで失血死したことで産婦人科訴訟に

業過致死容疑医師、輸血準備せず

 静岡市清水区の女性(当時45歳)が2005年、同区内の産婦人科医院(閉院)で受けた中絶手術の前処置がきっかけで死亡する事故があり、静岡県警は、必要な輸血の準備をしなかったことが死亡につながったとして、執刀した60歳代の男性院長と妻の医師を業務上過失致死容疑で静岡地検に書類送検する方針を固めた。

 中絶手術の死亡で医師が刑事責任を問われるのは異例。

 捜査関係者などによると、女性は05年9月に同医院で中絶手術の前処置として子宮を拡張する手術を受けた際、院長らは器具で子宮周辺を傷つけた。子宮の全摘出手術をしたが、輸血の準備を怠ったため、女性が大量出血を起こしたのに対応できず、女性を失血死させた疑いがもたれている。

 女性の遺族は、院長を相手取り約9300万円の損害賠償を求めて08年2月に静岡地裁に提訴(係争中)。09年9月に業務上過失致死容疑で院長を県警に刑事告訴した。告訴状では、子宮の全摘出手術にあたり、〈1〉出血を防止する義務を怠った〈2〉輸血の準備を怠った〈3〉全摘出手術を行う前に総合病院に転院させるべきだった――などと指摘。県警は第三者の医師にも意見を求め、輸血の準備を怠ったことのみについて責任を問うことにした。

 院長は読売新聞の取材に対し、「コメントできない」としている。



 まぁ全摘術を行うならば輸血の準備は必要だった、と思いますが。

 最近こういう訴訟が増えてますね。一説によると弁護士の激増によって医療訴訟件数は増えているらしいですが。
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2010年04月13日

医学の発達した国の女性のほうが、男らしい顔を好まない

女性がマッチョな男性を好まない理由

 昨年、4,800人近い女性が、スコットランド、アバディーン大学の研究所Face Research Laboratoryが開設するオンライン版心理研究所Faceresearch.orgの実験に参加した。参加者の大部分は20代前半から半ばの若い女性で、「民族性」の欄に「白人」と答えている。その後、同研究所の研究者は IPアドレスから参加者の出身国がアルゼンチン、スウェーデン、ロシア、オーストラリア、米国など30カ国であったことを確認することになるが、この女性たちの出身国が実験の重要な鍵を握っていた。

 研究所のウェブサイトに登録を済ませると、女性たちは「顔の好み」「年齢別の魅力度」など心理実験の質問に答えていく。選択にあたり、英語または翻訳された文章で、いくつかの対の男性の顔が示され、それぞれについて、彼女たちはより魅力的と思う方を選択し、その好みの程度を答える。

 対の顔は、あたかも一卵性双生児のように不気味なほど似かよっていながら、微妙な違いがある。これらの顔は画像ソフトを使用し、ある1人の男性の顔に少し手を加え、より男性的またはより女性的な顔を生み出したものだ。じっくり見て初めて、例えば左の男性はやや目が丸い、右の顔はあごの幅が狭いなどの差異を確認できる。その他には、片方のそっくりの顔より薄い唇、より大きな目、より太くまっすぐな眉などがある。大部分の女性が10分もかけずに20対の男性の顔を全てクリックし、最もセクシーだと思う顔を選んだ。

 研究者らは、女性たちの顔の好み、出身国、その国の健康指標を含むデータを集計し、驚くべきことを立証した。世界保健機構がまとめる死亡率、平均寿命、伝染病による影響度などの統計値が示す女性の出身国の健康水準で、その女性がパートナーに望む男らしさの程度が予想できるというのだ。つまり健康水準の低さが特に生存の危機を意味する国々では、女性は「より男っぽい」男性を好んだ。具体的には、より短く、より幅広の顔、より強い眉、頬骨、あごのラインを好んだのだ。この研究は科学誌『Proceedings of the Royal Society: Biological Sciences』の今月号に掲載される。

 進化心理学の分野に馴染みのない人々にとって、この研究結果はやや強引に聞こえるかもしれない。いったい女性たちの男らしさの好みが出身国の健康水準とどう結びつくというのか。その答えは、性淘汰理論に始まる。この理論は、女性は妊娠・出産や子育てなどの大部分のリスクや重荷を背負うことから、男性より好みがうるさいと考える。男性は1年に100人の女性と関係を持ち、100人の子供を持つことができるが、女性は100人の男性と関係を持っても子供は1人しか持てない。つまり女性は妊娠一回が、より大きな賭けとなる。従って、女性にとって少なくとも質のよい相手を選択するのは得策だ。そして質のよい男性の特質の一つが健康というわけだ。

 しかし健康と男らしさとはどう関係するのだろう。両者をつなぐのはテストステロン、つまり男らしい筋肉、強いあご、突き出した眉骨、顔の毛、低い声などの決め手となるホルモンだ。このテストステロンには免疫抑制作用がある。そのため男性は免疫抑制作用が身体の発達に与える影響に耐えるため、健康でよい状態である必要がある。テストステロンはまた、身体的健康、繁殖力、優性など強さに関わるその他の特性にも関与している。要するに進化の観点でみると、男らしさとは男性がよい遺伝子、優性、健康な子供の父親になる可能性などを宣伝する手段といえる。かつてのように病気が真の脅威であった時代――間違いなく現代もいまだにそうであるが――遺伝的健康の価値は計り知れないのだ。

 しかし男らしさには大きな犠牲が伴う。女性はテストステロンが多い男性を非協力的、思いやりがない、女たらし、攻撃的、子育てに無関心であると考えることが多い。事実、テストステロンが多い男性ほど実際に女性関係で問題を起こすという証拠がある。心理学者ジェイムス・ルーニーのグループがカリフォルニア大学サンタバーバラ校で実施したある小規模な研究では、29人の女性が複数の男性の写真に基づき、彼らの男らしさと子供好きの程度を評価するよう指示された(男性たちは事前に子供に対する愛想のよさとテストステロンの高さについて検査を受けている)。すると、最も男らしいと評価を受けた男性たちは概して高いテストステロン値を示すことが分かった。また全般的に女性たちは、子供に対する愛想のよさについても男性たちを正確に評価していた。

 また、2,100人の空軍退役軍人を対象とした別の調査では、テストステロン値が平均より1標準偏差上回る男性は標準的な男性より離婚する確率が43%高く、結婚生活の問題で家を出る確率が31%高く、妻に隠れて浮気する確率が38%高く妻を殴ったり、妻に物を投げつけたと認める確率が13%高かった

 この点では、明らかに男っぽいタイプはそれほどいいものではなさそうだ。少なくとも、重要な男女関係においては。女性は無意識的に健康な子供を授ける能力があるテストステロンの多い男性に惹かれる。しかし、もし健康と引き換えに、貞節や子育て能力といった特質を犠牲にしなければならないとすれば、実際には男らしさはどれほど重要といえるだろう。

 まともな医療制度が整い、有害な病原菌の脅威にさらされていない国に生活する女性にとっては、たいして重要でない、というのが明らかな答えだろう。男らしい父親の「よい遺伝子」が子供に健康上の強みを与えるとしても、医学的に十分配慮することや、清潔な環境も健康上の強みとなる。今回の研究では、男らしさの優先傾向が最も低い女性たちは、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オーストリアなど健康水準が最も高い国に住む傾向がみられた。男らしさをそれほど好まないその他の国々は、ルーマニア、ギリシャ、ニュージーランドなどだ。全体で最も男らしさの優先傾向が低かったのはベルギーの女性たちであった。実際、ベルギーは公的資金による医療制度が欧州で最も充実している国の一つと考えられている(健康指標はデンマーク、オランダと並ぶ)。

 では、米国は男らしさの優先度ランキングの何位に位置するだろう。米国は研究対象の30カ国中5位で最も高い部類であった。結局米国は、ジェームス・ディーンやクリント・イーストウッドが生まれた国なのだ。では米国の健康指標ランキングはどうかというと、30カ国中20位で健康水準が最低の国の一つである。

 もちろん健康以外の文化的要因が女性の男性に対する好みに影響しないと言っているわけではない。今回の研究でも、研究者は考慮しなかった変数があることを認めている。例えば、女性の平等や資源の支配が男らしさの優先傾向に影響する可能性があるという。その他、凶暴な犯罪(の有無)も1つの変数だ。身体的強さや優性が安全や社会的流動性を確保する主要な手段である文化においては、男らしい配偶者は価値ある資産となるようだ。しかし概して、以前の研究で特定された文化特有の様々な基準よりも、出身国の健康指標が女性の男らしさを好む傾向のばらつきをよく説明する、と今回研究者らは発見した。

 この研究の結果、大きな疑問が沸く。現代医学ひいては現代社会は、男らしさの価値を低下させることになるのか。恐らくそうだろう。米国の男らしさの象徴である色気溢れるマルボロマンは絶滅の危機にあるのだろうか。いや、米国女性は明らかに男らしさを好む傾向が強いので、その答えはノーである。米国人はまだマッチョな男性を排除する段階にはない(とはいえ、米国は健康指標を改善する必要がある)。しかし、変化が近いことを示す兆候もみられる。

 社会環境の変化に伴い、女性の配偶者に対する好みが変化しうる。石器時代においては、女性は男らしさの明確な特徴を子供の生存率に結びつけたが、時代は変化している。米国の医療制度改革がその変化の一例だ。

 別の要因として、女性の経済的自由がある。1970年代、労働人口に占める女性の割合は43.3%に過ぎなかったが現在は55.8%に上昇している。また米国では不況により、建設や製造など伝統的な男らしい仕事についている男性が大きな打撃を受け、失業者の82%が男性となっている。現在米国では多くの家族が働く親、すなわち母親に経済的に依存している。母親の70%以上が家庭以外に仕事を持っている。女性が子供の健康や財産を守るために男性の遺伝子や仕事に依存しなくなり、配偶者の他の特質を尊重するようになったとも考えられる。進化の過程で、協力的で、コミュニケーション能力があり、思いやりがあり、親としての能力が高い男性を好むことが進化的適応となったのかもしれない。

 そうはいっても、女性は常になぜ全てでなく、どれか1つを選択しなければならないのか、と自問してきた。107組の米国の夫婦を対象とした研究で、進化心理学者のデビッド・バスとトッド・シャクルフォードは、「美しい女性」(男性および女性の面接者による8チームの平均評価で決定された)は、男らしさ、身体的健康、愛情深さ、教養、家・子供を望んでいる、2〜3歳年上、高収入の見込みなど、全ての条件を配偶者に求めることを発見した。

 非常に魅力的(または裕福)な女性は実際に理想的な配偶者を手に入れるとしても、大部分はやむをえずいくつかの特質のうちベストな組み合わせを持つ男性に落ち着かざるを得ない。配偶者を求める女性は、連帯感や子育て能力と引き換えに男らしさを諦める。逆に財産と引き換えに思いやりを犠牲にする場合もある(「私は親切で理解のある男性が欲しい。百万長者には、それは求め過ぎなの?」とかつてザ・ザ・ガボールは不満をもらした)。こっそりと両者を手に入れるため、中には「二重のパートナー」戦略を採る女性もいる。堅実で誠実な男性と結婚し、セクシーな男性との逢引を楽しむという寸法だ。その結果、ある集団では、生まれる子供の10%がその「父親」と血がつながっていない。

 米国女性が徐々に経済的、社会的、医学的な安定を確保するようになれば、こうした状況は変わるだろうか。心理学者フィオナ・ムーアらがセントアンドリューズ大学で行った研究によると、女性による「資源の支配度」の向上、つまり女性の経済的自立に伴い、見た目のいい男性を好む傾向が高まるという。では女性が「メトロセクシャル」な男性、つまり、肌の手入れをし、ディナーではサラダを注文し、財力もある申し分のない男性を求め始めると、それは進歩と考えるべきなのだろうか。これには議論の余地があり、あれこれ思いをめぐらせるのは楽しい。もしかするとコリータ・ケントの考えが現実のものとなるかもしれない。「女性の解放とは、男性の中の女性らしさと女性の中の男性らしさの解放を意味するのだ」



 すんごく面白いニュースです。

 世界有数の医療大国である日本では、ジャニーズ系のような、中性的なアイドル顔が人気のような気がします。無骨な男の人を好きという女性もいますが、それは中性的な顔よりはウケが悪いというか、まさしく「好み」ではないでしょうか。

 中性的な顔が好み、というのは、「女性は先天的にレズ傾向を有している」からではないでしょうかね。男同士とは違って、体で触れ合ったりトイレに行ったりする傾向と近いものがあるのでは。

 男らしさ、暴力的な意味あいを重視する女性は、ハイソサイエティな考え方が根底にはあまりないというか、例えば娯楽や余暇の過ごし方なんかにも違いが出てくるのではないでしょうか。

 それにしても、男らしさの指標にもなりそうな、テストステロンが高い人は結構壮絶ですね。離婚率やDV率も高そうです。そういう人を選ばないことも、社会的な恋愛や長続きする恋愛をしたい人にとっては重要視しているのかも。まぁ一概にそうだともいえないところが人間の面白いところではあるのですが。

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2010年04月12日

名古屋大病院の泌尿器科で国の審査を受けず臨床研究を行う

名古屋大学病院泌尿器科

 名古屋大病院泌尿器科の研究グループが、国の審査を受けずに、脂肪に含まれる幹細胞(脂肪幹細胞)を使った治療(臨床研究)を2人の患者に行っていたことがわかった。

 広島市で19日開かれた日本再生医療学会で成果を発表、会場から「問題では」と指摘を受け、発覚した。厚生労働省が調査を始めた。

 幹細胞には、病気やけがで傷んだ臓器や組織を修復する効果があり、再生医療の重要な研究テーマ。厚労省は2006年9月、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」を施行。研究に先立ち、施設の倫理委員会と国による二重審査を義務づけている。

 名大の研究は、前立腺がん摘出手術の後遺症で慢性的な尿漏れを起こす患者から、脂肪を取り出して幹細胞を濃縮し、尿道の筋肉に注射して回復を図るもの。09年1、2月、70歳代と80歳代の男性に実施した。

 グループの山本徳則講師によると、08年秋、医学部の倫理委員会から承認を受ける際、「国の指針に基づいて申請すべきだ」との指摘を受けた。診療科で検討したが、「手術で自分の血液を輸血する『自家輸血』に近く、指針にはかからない」と判断したという。



研究01  尿失禁の再生医療概要腹圧性尿失禁は、女性骨盤底機能障害、前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術、神経因性膀胱などにおける尿道括約筋障害によってみられ、潜在患者は極めて多いにもかかわらず、適切な治療が得られず、患者のQOL低下を引き起こしていることが多い。現在有効な薬物治療はなく、女性における括約筋不全による腹圧性尿失禁に対してはTVTスリングなどの外科的治療が広く行われているが、根治的前立腺摘除術後や神経因性膀胱に対しては有効な治療法がなく、新しい治療の開発が待たれている。尿道括約筋再生治療は、原因疾患にかかわらず括約筋障害にもとづく腹圧性尿失禁に対して有望な治療方法である。さらに、自己脂肪由来幹細胞は採取が容易であるとともに、その括約筋への注入は経尿道的内視鏡下に容易に行うことができ、脂肪由来幹細胞による括約筋再生治療は、低侵襲で実現可能性が高く、また治療によるQOL改善効果へのインパクトが極めて大きいものである。


 んー、患者さんのQOLを考えたら、厚生労働省の承認を待っていられなかったのかもしれませんし、このぐらいならOKだろうと思ったんでしょうけれども、やはり幹細胞を使った治験ですからねぇ、人体実験を防ぐためにも、できるだけ用心して審査を受けるべきでしたね。
posted by さじ at 23:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖

同性愛者の74%は、異性愛者になりたくないと思っている

「男性同性愛者・両性愛者の74%は異性愛者に変わりたくないと思っている」ネット調査で判明

 同性愛者・両性愛者の男性2500人を対象とした調査で、回答者の74パーセントが「異性愛者になる薬があっても飲まない」と答えたというニュース。

 この調査を行ったのはゲイ向けウェブサイトのMancentral.com。回答者のうち26パーセントが「異性愛者になれる薬」を飲むと答えた一方で、74パーセントもの男性が、自分の性的な好みを変える気はないと答えたとのことです。

 ちなみに異性愛者に変わりたいと答えた人がもっとも多かった層は18〜24歳(37パーセント)。年齢が増すごとに異性愛者になりたい人の数は減り、 51〜60歳では13パーセントだったそうです。



 ふーむ…。達観してくるのでしょうかねぇ。

 でもやはり10代だと、「人と違う」ことで悩んだりするのでしょうね。マイノリティでも受け入れる風潮になってきたとはいえ、マイノリティであることに対しては誰でも悩むものですから。

 できるだけ「受け入れる」ことを周囲が受け入れたり手伝ったりするようなサポート体制がもっと活性化すると、苦しまなくてすむのでしょうけれどもね。ネットという文化の発達で少しは楽になっているのかもしれませんが。
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2010年04月11日

がん化の危険のないiPS細胞を使っても寿命が短い

がん化の危険がないiPS細胞でも早死にか

 がん化の危険のない安全な方法で作ったiPS細胞(新型万能細胞)から生まれたマウスを1年以上飼育すると、寿命より早く死ぬものが増えることが京都大学の山中伸弥教授らの研究でわかった。

 死亡率が高くなる理由は不明で、山中教授は「現時点ではiPS細胞の臨床応用には慎重な検討が必要」としている。9日広島市で開かれた日本再生医療学会で発表した。

 iPS細胞は、皮膚細胞にレトロウイルスで3〜4種類の遺伝子を導入して作る方法が一般的。ただ、染色体が傷つくなどして、がん化しやすいのが欠点だった。山中教授らは、染色体に入らずに働くリング状遺伝子(プラスミド)に着目。これに4遺伝子を載せ、細胞に入れてマウスiPS細胞を作製。導入遺伝子が消え、安全だと考えられていた。

 ところが、このiPS細胞から生まれたマウスを飼育すると、70週目までに約30%が死んだ。通常のマウスの死亡率は20%程度で、明らかに寿命は短くなった。

 山中教授は「iPS細胞は性質がばらつく。このばらつきの原因をつかみ、今後4年間で安全な細胞を作る方法を突き止めたい」と話す。



 羊のドリーも早死にでしたね、そういえば。

 やはり何か、あるんでしょうか。難しいですねぇ医学は。ただやはり最終的に臨床に応用しなきゃならんとは思うので、この難しい点を克服することが課題となってきます。
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2010年03月02日

性同一性障害の女子、学生服で登校することが認められる

性同一性障害の女子「受け入れて」願い深く

 県内の性同一性障害に悩む中学1年の女子生徒(13)が、4月から男子学生服を着用して登校できることになった。女性から男性として学園生活を送ることは、生徒だけでなく、家族にとっても大きな決断だった。

 昨年6月、母親(41)は、娘から「ほかの人と何かが違う。僕は変なのかなあ」と打ち明けられた。さらに「好きな人ができた」と切り出され、口にしたのは、女の子の名前だった。動揺した母親は自分に言い聞かせるように、「大丈夫だよ、大丈夫」と娘に声をかけていた。

 小さい頃から男の子の服装を好み、アニメのヒーローになりきる様子は、明らかに2人の姉とは違っていた。

 「もっとしっかり、娘のことを知りたい」。母はインターネットなどで、性同一性障害のことを調べた。そして、翌7月、ブログを通じて知り合った性同一性障害の人に頼み、娘に会ってもらった。

 「好きな女の子がいるけど、どうやってつきあったらいいの」。娘はせきを切ったように悩みを質問し始めた。相手は女性と交際していると話し、胸の手術跡を見せてくれた。

 「お母さん、僕、初めて同じ人に出会えた」。その時、娘が抱えていた孤独の深さを思い知ったという。

 これまで「セーラー服を着ると、吐き気がする」と訴えていた娘は、これを機に、周囲に自分の悩みを打ち明けるようになった。

 理解されないこともあったが、「悩んでないで相談しろよ」と、好意的に受け止めてくれる友人もいた。「背中の重荷が取れて、なんだか息がしやすくなった」と、笑顔で学校から帰ってくるようになった。

 クラスで一人だけ体操服で登校するようになって約半年。4月からは、晴れて学生服で登校できるようになる。先日、家族で学生服を買いに出かけた際、娘は、ずらりと並ぶ学生服を前に、「これだよ、これ。僕には」とはしゃいだ。

 両親は「娘の判断は間違っていないと思っている。みんなに受け入れてもらって、まっすぐに育ってほしい」と話している。

 性同一性障害(GID)の児童、生徒に学校がどう向き合うのか。多感な時期だけに、学校の理解やサポートが必要不可欠だ。

 岡山大大学院の中塚幹也教授(保健学)らは2006年、過去10年間に同大のジェンダークリニックを受診したGIDに悩む661人を対象に、問題行動の発生率を調査したところ、不登校が24・4%、自殺を考えた人が68・7%、自傷・自殺未遂は20・6%に上った。問題行動は、2次性徴が始まる中学時代に時期が集中していた。

 はりまメンタルクリニック(東京都)の針間克己院長は、「教諭がきちんと理解し、子どもたちに教えることが大切」と話す。性に違和感を感じていた男子生徒に「男らしくしろ」などと教諭が頭ごなしにしかったことが、いじめにつながったケースもあるという。

 誰にも打ち明られず、心と体の不一致に悩む子どもたちがどれぐらいるのかは未知数だ。文部科学省も、まだ対応指針は定めていないのが実情だ。

 生徒の通う学校では養護教諭を中心に、定期的な勉強会を開くなど、支援に向けての活動を始めている。2月中旬、生徒の母は保護者会で、今回の決定を報告し、理解と協力を求めた。すべてが手探りの中だが、女子中学生が学生服での登校を認められたことをきっかけに、GIDを個性として受け入れる社会に向かうことを期待したい。



 こう、幼い頃から悩み苦しむ類のものですので

 こうやって、学校単位で支援というか、個が認められるのは非常に良いことですね。

 日本でもようやく欧米に追いつこうとしている、というところでしょうか。

 偏見はあるでしょうけれど、無理やり性別を身体に強制するより、身体を性別に近づけられるようになったのは、性同一性障害の方にとっては何よりなのでは。

 案外、同じ年代の子のほうが受け入れられるかもしれません。社会や大人が変わっていかなければならないことであります。

【性同一性障害】

 世界保健機関(WHO)で認める医学的疾患で、健全な身体でありながら、持続的な自分の性の違和感と異性への一体感を持つ。国内には1万〜3万人いるとされ、原因は不明。通常、男性よりも女性の方が自覚症状が早く、物心ついた頃から自分の性別に違和感を感じる人が多い。
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2010年01月31日

父親が別々の双子が生まれる、異父過妊娠について。

双子の父親が別々=妻の浮気でまれな現象―トルコ

 DNA検査の結果、双子の男児のうちの1人が自分の子供ではないことが分かったトルコ人の男性が妻と離婚することを決めた。地元紙サバハが報じた。

 A.Kと表記されている警備員のこの男性は、妻の不貞を疑い3歳の双子のDNA検査を依頼。検査の結果、99.99%の確率で、A.Kさんは双子のうち1人だけの父親であると判明。離婚調停を担当する裁判所の法医学研究所もこれを確認した。

 母親のC.Kさんは実家からA.Kさんとの結婚を強いられる前に付き合っていた男との関係を続けていたという。

 異なる父親を持った双子ができるという現象は医学的には「異父過妊娠」と呼ばれ、人間では非常にまれだがネコやイヌなどの動物ではよく起きる。

 アンカラ大学医学部婦人科長のルセン・アイタク教授によれば、女性が1回の月経周期に2個排卵した状況で、女性が短期間に2人の男性と性的関係を持てば、別々の遺伝的資質を持った卵によって双子を妊娠することが起こり得る。

 A.Kさんは、自分が父親である子だけを引き取り、もう1人を離縁した。この子は国営の養育施設に送られることになる見通しという。



 怖い怖い

 なにが怖いって女性が怖い


 普通は1個排卵、1個受精ですが、2個排卵してそのうちの1つに別の人の精子が受精すれば、父親の違う双子、も可能です。


 異父二卵性双生児

 極めて稀ではあるが、二卵性双生児それぞれの父親が異なる可能性もある。過妊娠や過受胎のように異なる時点の性交で複数の卵子が受精するケースで、父親が異なる場合を異父過妊娠・異父過受胎と呼び、生物学上の父親が異なる双生児が生まれる。

 1992年のある研究は、父親認知訴訟で審理されたケースのうち、異父二卵性双生児が約2.4%であったと報告されている



 不妊治療などで、排卵を誘発すると、複数排卵されてしまうこともあります。不妊治療の増加に伴って、日本でも、異父過妊娠が増加しているのかもしれません…。
posted by さじ at 12:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖

2010年01月21日

0.0000034パーセントの良き出会いに期待して。

“僕に彼女がいない理由”自分にピッタリな彼女ができる確率は

 イギリス、コヴェントリー市にあるウォーリック大学で経済学を学ぶ大学院生、ピーター・バッカスが発表した論文が話題となっている。タイトルは“僕に彼女がいない理由”。

 この論文ではバッカスに彼女がいない理由、つまり良いパートナーにめぐり逢える確率を、宇宙にどれくらい地球外生命体がいるかを推定する“ドレイクの方程式”を用いて計算した結果が書かれている。その確率、じつに0.0000034パーセント

 論文が掲載された大学のwebサイトには、「数値を見て僕は落ち込んだよ。イギリスで真の愛が見つかる可能性は、この銀河で地球外生命体を発見する確率のたった100倍しかないんだ」とのバッカスの言葉が綴られている。

 現在イギリスには約3,000万人の女性がいるが、その中でバッカスにピッタリな女性(大学を卒業している24〜34歳までの身体的にも魅力的な女性)は26人しかおらず、バッカスがロンドンで一晩外出した場合にこれらの女性と出会い、かつ相手がバッカスにも興味を持って貰える確率、それが0.0000034パーセントなのだそうだ。

 彼女のいない男性にとってはなんとも落ち込む数字ではあるが、まずは外出しないことには始まらない。彼女が欲しい人は今日から外に出てみてはどうだろうか?

 そうすれば、この論文を書いたバッカスのようにステキな彼女が見つかるかもしれない。「ロンドン出身の彼女ができたんだ。付き合って6ヶ月、もちろん僕にピッタリだよ」



 論文の著者はちゃっかりピッタリな女性を見つけたようです。

 一番難しい条件が「相手も自分に興味を持ってもらえる」ってところでしょうかね。恋愛は外見ではなく中身、といいますけれど、その中身にも色々な要素がありますから。

 好きになる、という感情を大事にして行動すれば悪い方向にはいかないのではないでしょうか。
posted by さじ at 02:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖

2010年01月12日

がん治療後に凍結した卵巣を移植してホルモン分泌を維持する

卵巣を凍結、がん治療後移植 聖マリアンナ医大が研究

 膠原病やがんの治療の副作用で卵巣の機能が失われる前に一部を凍結保存し、治療後に本人に移植する臨床研究を始めると、聖マリアンナ医大(川崎市)産婦人科の石塚文平教授、鈴木直准教授らが明らかにした。学内の倫理委員会の承認を得た。

 女性ホルモンのエストロゲンが欠乏すると心筋梗塞や骨粗しょう症などにつながる恐れがあるため、卵巣の移植でホルモン分泌を回復させる狙い。既にサルを使った同様の実験で周期的なホルモン分泌を確認している。

 卵巣の機能が失われると、女性ホルモンの投与のため通院しなければならないが、保存していた卵巣を移植して機能すれば、通院の必要がなくなる。また、より自然な自分のホルモンを得られるのが利点という。

 凍結保存によって卵巣内にある卵子も保存されるため、子どもを持つことができる可能性もあり、国内では慶応大、岡山大などが白血病などの女性を対象に凍結保存に取り組み、海外では出産の報告例もある。ただ技術は未確立といい、石塚教授らは安全な手法の開発を目指す。

 石塚教授らは対象を、治療に抗がん剤を使う膠原病や子宮頸がん、初期の乳がんなどに拡大。3年間で18〜39歳の女性50人に実施する。

 計画では、抗がん剤や放射線の副作用で卵巣が機能不全になる前に、最低でも6分の1程度の組織を採取し、厚さ1ミリ以下にスライス。細胞が傷まないように、独自の技術で脱水し、マイナス200度で凍らせる。治療後に解凍し、卵巣があった場所や卵子ができた場合に採取しやすい皮膚の下などに移植する



 人間の体というのは、ホルモンの絶妙なバランスで成り立っています。ホルモンをつくる臓器を取ってしまうと、ホルモンが足りなくなってしまい、様々な症状が出てしまいます。

 この研究は、そんなホルモン不足を補うだけでなく、妊娠する可能性をも維持する画期的なもの。海外でも色々やられているようですが、これはそれをより安全かつ利便性の高いものにした、というところでしょうか。

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2010年01月06日

早稲田大が、生殖機能を抑制するホルモンを発見する。

不妊治療へ応用期待…筒井・早大教授ら、生殖機能抑制ホルモン発見

 人の生殖機能を抑制する脳ホルモンを、早稲田大の筒井和義教授らが突き止めた。不妊など生殖機能障害の治療への応用が期待される。米科学誌プロスワン電子版で発表した。

 人の精巣や卵巣を発達させ、生殖機能を維持するホルモンは知られていたが、研究チームは2000年、これとは逆の働きをするホルモン「GnIH」をウズラの脳から発見。ネズミやサルからも見つけ、人で調べたところ、脳の視床下部で作られる物質の中から同様のホルモンが見つかった。

 動物実験では、脳からのGnIHが過剰になると、精巣や卵巣の維持、発育が悪くなり、精子や卵子がうまく作れなくなった。人でも同じ生殖機能障害が起きるとみられる。

 また、夜間に多く分泌されるメラトニンという別の脳ホルモンが、GnIHの生産を促し、生殖機能を抑制する仕組みも解明。体内のメラトニン量を操作してGnIHをコントロールできれば、生殖機能障害の新たな治療につながる可能性があるという。

 メラトニンには睡眠促進作用などがあるとされ、米国では健康補助食品として販売、国内でも個人輸入する人がいるが、筒井教授は「メラトニンの過剰摂取は、生殖機能に影響する恐れがある」としている。



GnIHとはまた安直なネーミングといえばそれまでですが、分かりやすくていいですね。発見そのものはかなり凄いものだと思います。

 メラトニンとフィードバック機構を作っていることまでわかってるんですねぇ。医学が進歩しているといっても、まだ未知のホルモンが分泌されているわけです。これからの可能性を考えるとワクワクしてきますね。

 記事の最後にもありますけれど、海外から輸入するとホルモン剤って結構簡単に手に入ります。ですけれど、ホルモンというのは他のホルモンと繋がりを持っているわけでして、簡単にそのバランスを崩していいものではありません。個人輸入で使うのは危険ですので避けるようにして下さい。
posted by さじ at 04:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖
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