[内分]の記事一覧

2009年10月18日

選択的DPP-4阻害薬(経口糖尿病治療薬)を初承認。

経口2型糖尿病治療薬を承認―厚労省

 厚生労働省は10月16日、万有製薬と小野薬品の経口2型糖尿病治療薬(商品名「ジャヌビア錠」「グラクティブ錠」)を正式承認した。日本で初の選択的DPP-4阻害薬で、新しい作用機序を持つ経口2型糖尿病治療薬の正式承認は10年ぶり。

 DPP-4は、食後に分泌される消化管ホルモン「インクレチン」を分解する酵素。「インクレチン」は血糖値の状態に合わせ、膵臓からのインスリンの分泌を増加させるとともに、グルカゴンの分泌を減少させることで血糖値をコントロールする。この治療薬はDPP-4を選択的に阻害することで「活性型インクレチン」を増加させ、体内の血糖値レベルに応じて血糖低下作用を発揮する。

 「インクレチン」は血糖値が正常、低値ならインスリン分泌を増強しないため、低血糖にはならない。また、国内外の臨床試験により、体重変化がないことも明らかになっている。



 低血糖にならないという点は結構優秀ですね。そういえば何年か前に、低血糖と高血糖を間違えてしまった研修医のニュースとかもありました。


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2009年10月03日

アレルギー・喘息講演会、10月10日に開催。

アレルギー対策にトップレベルの講演会

 アレルギー性疾患の研究・治療では全国屈指の国立病院機構相模原病院臨床センター(桜台)を拠点とし、患者への様々な支援活動を行う「アレルギーの会」。設立20年目を迎えた同会では10月10日(土)、アレルギー疾患の最新医療等を紹介する講演会を開催する。

 相模原病院に昭和32年に設置されたアレルギー・センターは、国の難病対策の一環として昭和49年、アレルギー・リウマチ基幹施設に指定され、早くからアレルギー疾患に苦しむ大勢の患者たちが専門治療を求めて同センターへ来院した。「いつ襲ってくるか分からない喘息の発作に怯え、病院の近くに引っ越してくる人も少なくなかった」と、自らも発作の苦しみに悩まされた同会広報の北島芳江さん。

 症状の出方も薬の効き方も個人の差が大きなアレルギー疾患。医者任せで治る病気ではなく、患者自身にも病気への知識が必要と平成2年、当時の病院長、臨床研究部部長らの支援を受けて発足したのが会のスタートとなった。

 以来、患者支援の先駆団体として会員約400人、市内はじめ遠くはインターネット経由で入会する全国規模の組織へと成長。患者の自己管理、家族による管理の支援を行うほか、喘息、アトピー性皮膚炎、耳鼻疾患などあらゆるアレルギー疾患の最新医療を紹介。年2回行う市民・患者向けの勉強会や講習会、年4回の会報発行が主な活動の柱だ。「患者と医者の橋渡しはもちろん、社会的弱者の立場に置かれがちな患者の支援にも、今後は積極的に取り組みたい」と同会は語る。

「アレルギー・喘息講演会」

■日時・会場/10月10日(土)12時半〜16時半、神奈川障害者職業能力開発校ホール(相模原市桜台13−1)

■講演「食物アレルギー:現状と新しい治療の可能性」(小児部門)「インフルエンザとぜんそく」(成人部門)

■講演後に医療相談あり

■入場無料(希望者はハガキかメールで10月7日(水)迄に申込。住所、氏名、電話、人数を記入し、〒228−0814南台3−18−14アレルギーの会事務局allergy-net@jcom.home.ne.jpへ。詳細は北島さん、携帯電話080(4075)5723へ。



 アレルギーでお困りの方は是非。専門医療を一般向けにした聴講は良い機会かと思われます。
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2009年09月29日

性分化疾患をガイドライン化し、より正確な性別判定を行う

<性分化疾患新生児>男女の判定にガイドライン 症例調査へ

 染色体やホルモンの異常により、外見で男女の区別が難しい新生児が約2000人に1人の割合で生まれているとされる。いずれかの性に近づける医療にあたる際、医師が誤った判断をしているケースが問題化している。染色体や性腺からみるとほぼ女性である子に対し、男性ホルモンを投与していた例もある。日本小児内分泌学会(藤枝憲二理事長)は医療機関が性別を判定するためのガイドライン策定に向け、10月から初の症例調査に乗り出す。

 こうした疾患は医学的に「性分化疾患」「性分化異常症」などと呼ばれる。以前は原因がほとんど分からなかったが、90年代以降に性が男女に分化する仕組みが急速に解明され、診断の精度が上がってきた。

 しかし、同学会性分化委員会によると最近でも、外性器だけをみれば男性に近いが、染色体が女性型で卵巣もある子に過剰な男性ホルモンを投与し続けたり、外性器で男女の区別がつかない子が染色体検査もされぬまま性別を決められた例などが報告されている。医師が判断を誤ったことで、出産ができない体にされた人や、精神的な苦痛を抱えている人もいる。

 さらに、男性型と女性型の染色体が混在していたり、卵巣と精巣の両方があるなど、専門医でも判定の分かれる症例があり、家族や成長後の患者本人が医療に不信感を抱くケースも明らかになってきた。

 このため、同学会は性分化疾患が疑われる子が生まれた場合のガイドラインが必要と判断。より正確な診断をする手順をまとめるほか、男女どちらの性が望ましいかを慎重に議論するためのチーム医療体制のあり方や、親に説明する際の留意点などについて、具体策を示すことにした。

 また、病気の総称についても、一般的に使われている「半陰陽」「両性具有」などの呼び方には蔑視的な響きがあるとして、10月に宇都宮市で開かれる総会で「性分化疾患」に統一する。

 性分化委員会委員長の大山建司・山梨大教授は「医学界が真剣に取り組んでこなかった分野で、当事者や親は孤独でつらい思いをしてきた。安易な性別決定によって苦しむ人を一人でも減らしたい」と話している。



 2000人に1人って、結構いますね。

 一般的には半陰陽って言葉が有名なのでしょうか。性染色体で性別が決定されても、その後男の外性器になるか、女の外性器になるかは、ホルモンの分泌によります。ホルモンが出なかったり、過剰に分泌されたり、ホルモンは出ていても受容体に働かなかったりすると、正しい性分化ができないことがあります。そうすると、見た目が女の子みたいでも実は精巣があったり、逆であったりすることがあります。

 性の問題は身体の問題と心の問題があります。治療していくといっても、全く正常に戻すことはできないわけですし、あまり認知度が高い病気というわけでもないですから、周囲の理解が得られないというのも大きな問題です。

 通常は男女いずれかで統一されている染色体(XX、XY)、性腺(卵巣、精巣)、外性器や内性器(子宮、膣)などの性が一致せずに生まれてくる疾患の総称。心と体の性が一致しない性同一性障害とは異なる。新生児の段階で疾患が見つかった場合は、ほとんどがその時点で男女どちらが望ましいかを選び、手術やホルモン治療をする。8月の世界陸上選手権女子八百メートルで、優勝した南アフリカの女子選手が性別を疑われた例など、スポーツ界で論議となることも多い。

 心と体の性が食い違う性同一性障害については、04年に特例法が施行され、権利擁護がようやく進み始めた。一方、体の性も一致しない性分化疾患の人たちは、これまでほとんど光が当てられてこなかった。

 性分化疾患の治療に長年携わってきた位田忍・大阪府立母子保健総合医療センター消化器内分泌科主任部長は「科学がメスを入れないタブーの領域で、医師の間でも問題意識が共有されてこなかった」と認める。不適切な性別判定や医療行為が後を絶たない一因も、そこにある。

 当事者や家族は周囲の偏見を恐れ、苦しみを抱え込んできた。出産直後に子どもの性別がはっきりしないと知らされた親は、いきなり重責を負わされる。男性と女性、どちらで育てるべきか。診断結果と方向性を示すのは医師だが、最終的に決断するのは親だ。

 さらに患者自身の苦痛は計り知れない。自分の意思が芽生えない段階で大事なものが人為的に決められ、それが成長してから自覚する性と違ってしまうこともある。家族や医師から告知されないまま成長し、第二次性徴期や結婚後に自分の疾患を知る人もいる。



関連:陸上優勝のセメンヤ選手、両性具有であることが判明する。
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2009年09月24日

尿と灰を組み合わせた肥料を使うことで収穫量が倍増する。

人間の尿と木の灰は肥料として有効

 人間の尿と木の灰を組み合わせた肥料を使うことで、トマトの豊作が期待できるという最新の研究が発表された。フィンランドにあるクオピオ大学の環境科学者で、研究を率いたスレンドラ・プラダン氏は、「尿と木灰はさまざまな点で自然の補完財だ」と説明する。

 尿には窒素が多く含まれる一方、木灰はカルシウムやマグネシウムなど尿にはない栄養素に富んでいる。何世紀も前から尿と木灰は別々に肥料として使用されてきたが、一緒に使おうとする人はこれまでいなかった。

 プラダン氏らは温室栽培のトマトをいくつかのグループに分け、それぞれに別の肥料を使った。1つ目のグループは人間の尿とカバノキの灰、2つ目は市販の無機肥料、3つ目は尿のみが肥料として与えられたのである。

 結果、尿と灰を与えたトマトは肥料を与えなかったトマトの4倍近く収穫できた。これは市販の無機肥料に引けをとらない収穫量だ。意外なことに、尿のみを与えたトマトは尿と灰のグループより、わずかながら収穫量が多かった。

 ただし、尿と灰を与えたトマトはどのグループよりも大きく育ち、マグネシウムの含有率がはるかに高い栄養価に優れた実を付けた。マグネシウムは骨や筋肉、心臓などの生化学機能を正常に保つ働きがある

 プラダン氏によると、尿と灰を肥料にする最大の利点は「非常に簡単な収集方法」にあることだという。環境保護のために尿を分離するトイレを使えば、簡単に尿を集めることができる。自分の尿を缶に入れて集めるだけでもいい。

 研究チームの試算では、1人の尿で年間6300株ほどのトマトを育てることができ、約2.4トンもの収穫量が見込めるという。 

 肥料の与え方も簡単で、尿を散布してから3日以上の時間を置き、そのあと灰をまくだけでいい。プラダン氏らは同氏の出身地ネパールで、このアイデアを実行に移そうとしている。

 プラダン氏によると、尿中に排出される薬やホルモンが作物に悪影響を及ぼす恐れもあるという。例えば経口避妊薬の残留物などだ。こうした副産物がバクテリアの抗生物質に対する抵抗性を高めたり、作物に吸収されたりするかもしれない。 

「ただし、家族で行う小規模な農業の場合、尿に残留する薬はごく微量で許容範囲だ」とプラダン氏は話す。また同氏によると、長年にわたって肥料として利用されてきた家畜の糞尿も薬やホルモンの残留物を含むが、農業に危険をもたらす証拠は過去の研究で見つかっていないという



 これ面白いですね。尿も灰も、肥料として使われてきたものですけれど、今まで同時にやらなかったんですね。で、実際に同時でやってみたら、収穫量が物凄く増えたと。
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壊死した足を切断せずに骨髄細胞を移植して再生する。

骨髄細胞移植し壊死の足再生

 広島大病院(広島市南区)循環器内科の東幸仁准教授の医療チームが、壊死した足を切断せずに温存する再生医療に取り組んでいる。2002年4月の開始から今月22日までの症例は60症例に達した。患者本人の骨髄細胞を患部の周りに移植して新たな血管網をつくる。

 糖尿病などの生活習慣病によって血管が細くなり、末梢血管が詰まる閉塞性動脈硬化症が進むと、指先が壊死する。感染症などの危険が高まるため、健康な血管がある太ももやふくらはぎから切断しなければならないケースが出てくる。

 全国で年間約1万人が足を切断している。東准教授は「患部周辺の血管を増やして、酸素や栄養を循環させる。動脈硬化の症状を緩和することで、切断を回避できる」と説明する。

 治療は患者の骨盤から骨髄液を抽出。血管の基になる骨髄細胞を分離し、患部周辺の筋肉50〜60カ所に注射する。本人の細胞を移植するため、拒絶反応は少ないという。治療を受けた患者の8割は2〜4週間で血管が再生し、切断せずにすむ

 東准教授は今後、骨髄細胞を細胞バンクで増殖し、繰り返し移植して効果を上げる方法の実用化も図る。



 これはかなり期待できる方法か。

 実際に血管を新しく作っちゃうわけですからね。そりゃ血流も改善するでしょう。

 足を切断してしまうと、その人の一生の生活に関わってきてしまいますから。そういう選択しかできない状況もあるとは思いますけれど、温存できるなら、やらないにこしたことはないです。

 あとは、糖尿病が悪化しないように、日々の生活を。


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2009年09月19日

免疫力が上がると謳う健康食品が増えるが実際に効果があるのは…

免疫力増強うたう食品増えるも、効果認証は4種だけ

 最近、新型インフルエンザ予防や治療に効果があるとうたう食品広告が増えているが、実際に国内で正式に免疫力強化が認められた食品原料はいくらもない。

 食品医薬品安全庁が18日に明らかにしたところによると、製品に「免疫力増強(維持)」という機能性を表示または広告することが認められている健康機能食品原料は、紅参と高麗人参、アロエ、 アルコキシグリセロール含有サメ肝油の4種だけとなっている。

 これら原料を十分に使用したという検証を受けた健康機能食品だけが「免疫力増強」と表示することができる。一部、シイタケ菌糸体やメシマコブ含有製品などが個別に免疫力増強機能を認められているが、そのほかの食品が免疫力の増進を助けると宣伝するには、製品ごとに食品医薬品安全庁の健康機能食品認定を受けなければならない。

 免疫力増強を助けると認められた食品でも、新型インフルエンザなど特定疾病の予防や治療に効果があると宣伝すれば、違法行為となる。食品医薬品安全庁関係者は、こうした誇大広告への注意を呼びかけている。



 健康食品で、本当に効果があるのなら、

 既に医薬品に格上げされて医療機関で使われますよね。

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2009年09月16日

天才数学者アラン・チューリングの名誉、55年ぶりに回復する。

天才数学者 55年ぶり名誉回復 チューリングに英首相謝罪

 ブラウン英首相は十日、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号解読に歴史的功績を挙げながら、同性愛を理由に自殺に追い込まれた英国人の天才数学者アラン・チューリング(一九一二〜五四年)に謝罪する声明文を出した。

 チューリングはわずか二十四歳の時、現在のコンピューターの基本原理となる思考上の計算機械「チューリングマシン」を発案。コンピューター科学の父ともいわれる。第二次大戦中は、暗号の傍受・解読機関のスタッフとしてドイツの暗号機「エニグマ」の理論的解析などに成功した。

 だが、五二年に当時、違法とされた同性愛が発覚。有罪判決を受け、同性愛治療として女性ホルモンを投与された。政府研究機関への出入りも差し止められ、五四年に失意のうちに服毒自殺をした。

 ブラウン首相は声明で「彼の抜群の功績がなければ第二次世界大戦の歴史は変わっていたと言っても過言ではない」と指摘。「時計の針は戻すことはできないが、彼に対する処置はまったく不当であり、深い遺憾の意を表す」とした。チューリングをめぐっては、科学者や同性愛者らが政府に公式謝罪と死後叙勲による名誉回復を求めていた。



 当時は同性愛が迫害されていたというのは知っていましたが、治療として女性ホルモンを強制的に投与されていたんですね…。というか女性ホルモン投与で同性愛が治るわけでもないと思うんですけど。

 過ちを公式に首相が認めたのは評価できます。
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2009年09月12日

オバマ大統領、子供の健康を守るため炭酸飲料税の導入を検討中

「炭酸飲料税」導入に前向き 米オバマ大統領

 オバマ米大統領は財源確保と国民の健康のため「炭酸飲料税」に前向きな姿勢を示している(ブルームバーグ) オバマ米大統領は議会で審議中の医療保険改革の財源確保に向け、糖分の入った炭酸飲料などに対する課税検討に前向きな姿勢を示した。

 大統領は来週発売の雑誌「メンズ・ヘルス」のインタビューで「課税は追求すべき考えだと思っている。子供たちは明らかに炭酸飲料を飲み過ぎている」と語った。

 医療保険改革にかかるコストは向こう10年で最大1兆ドル(約92兆円)と見積もられ、関連法案を作成している議員らは糖分を含む炭酸飲料を対象とする新税導入を検討してきた。

 オバマ大統領は課税提案に一部議員が反対しているものの、炭酸飲料の消費減少に寄与する課税は医療コストを抑えるために役立つとし「肥満に関してこれまで実施されたすべての調査が、炭酸飲料消費と肥満の高い相関関係を示している」と語った。

 飲料業界企業のためにロビー活動を展開する複数の団体は、上院財政委員会で取り上げられている同提案に反対している。

 米飲料大手コカ・コーラや同ペプシコなどのロビー団体、米飲料協会(ABA、ワシントン)で広報を担当するケビン・キーン氏は「政府が税法を利用し何を飲むべきかについて指図するようになれば、米国民の大半は胸焼けしてしまうだろう。われわれは引き続きこの法案の行方を見守っていく」と語った。

 米穀物メジャー、カーギル、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドなどのロビー団体トウモロコシ精製協会(CRA、ワシントン)の広報からはコメントを得られていない。

 オバマ大統領は「政府が国民に何を食べ、何を飲むべきかについてあれこれ言う」ことへの懸念は理解していると発言。その上で、炭酸飲料の消費量を削減すれば「米国民の健康状態の大幅な向上」につながる可能性があると述べた。

 売り上げの落ち込みや商品価格の値下げがすでに打撃となっている企業にとって、清涼飲料の消費量を減少させる政策は追い打ちとなる恐れがある。飲料業界誌ビバレッジ・ダイジェストによると、2008年の清涼飲料の売上高は前年から3%減り、4年連続で減少している。

 米連邦議会予算事務局(CBO)によると12オンス(約355ミリリットル)の炭酸飲料1缶に3セント課税すれば、10年間で500億ドルの税収が得られる公算だ。



 ま、アメリカに関していえば導入したほうがいいでしょうね。炭酸飲料は思った以上に糖分を含みますし、がばがばいってしまいますからね。

 炭酸飲料をやめれば多少なりとも国民全体の健康度合いはアップしそうですし、税収を医療費に充てることもできるようになるわけですし。

 ただ、アメリカのジャンボサイズの油モノにはやはりコーラ等が合うのかなぁというイメージ。じゃあ油モノ食べなきゃいいじゃんって話にもなるんですが・・・。

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2009年09月09日

太もものサイズが細い人は、寿命が短くなる傾向にある。

太もものサイズが寿命に関係、細ければ短命に=研究

 デンマークの研究者らが3日、太ももの細い人は、そうでない人と比べて短命になる傾向があるとの調査研究の結果を発表した

 英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された同研究は、1987年と1988年に実施された大規模な医学的調査に参加した男性1436人と女性1380人を対象に、12年以上にわたって経過を追ったもの。

 太ももの外周が60センチ未満の人は男女とも12年以内に死亡した人が多く、46センチ未満のグループでは、亡くなる確率がさらに高かったという。

 これまでに発表された多くの研究では、体のどの部位に脂肪が付くかが健康に大きく影響するという結果が報告されており、ウエストの周囲と内臓脂肪の関係などが指摘されてきた。

 デンマークの研究者らは、太もものサイズも同様に健康のバロメーターになる可能性があると期待している。一方、オーストラリアのイアン・スコット医師は、今回の統計は対象が極めて限られていると指摘。太ももサイズを健康の指標と認めるためには、さらに大規模な調査が必要だとしている。



 内臓脂肪型ではなく、下半身肥満型のほうが寿命は良い、ということでしょうかね。目にみえる太ももの太さよりも、内蔵に蓄積された脂肪のほうが予後は悪い、と。。。

 メタボリックシンドロームも、簡便にリスクをはかるための基準として広く普及しました。それと同じように、太ももの長さによる基準ができれば、より警笛をならすことができるかも。
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糖尿病患者由来のiPS細胞から、膵臓の細胞を作ることに成功する

糖尿病患者由来のiPSから膵臓細胞…日米チーム

 1型糖尿病の患者由来の新型万能細胞(iPS細胞)から膵臓の細胞を作ることに米ハーバード大や松本歯科大(長野県)など日米合同研究チームが初めて成功した。

 成果は、米科学アカデミー紀要電子版にこのほど掲載された。

 1型糖尿病は、血糖値の上昇を抑えるインスリンを作る細胞が、免疫異常などによって破壊され、発症する病気。できた膵臓細胞からはインスリンの分泌も確認された。糖尿病治療への応用が期待される。



 おおー。あとは倫理的に、iPS細胞を使った臨床研究が行えるかどうか、のラインだけですねぇ。実際にこの技術が出来たら、多くの患者さんが救われると思います。糖尿病と1口にいっても、その影響は体中に及びますから。例えば腎臓も、糖尿病が改善すれば予後が良くなりますし。

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医学処:遺伝子を注入するだけでβ細胞を作り出す技術。
医学処:おなかの脂肪から幹細胞を取り出して移植する。
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年齢とともに増加し免疫力を低下させる特殊な「悪玉リンパ球」

悪玉リンパ球:京大大学院が発見 「若返り」可能に?

 京都大大学院医学研究科の湊長博教授(免疫学)らの研究グループがマウスを使った実験で、年齢とともに増加し免疫力を低下させる特殊な「悪玉リンパ球」を見つけ、7日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。悪玉リンパ球の除去がヒトで可能になれば、がんの免疫療法の効率化や高齢者の感染症予防、「若返り」にもつながるとして注目される

 外部から病原体が侵入すると、胸腺で生まれる「Tリンパ球」が働き、体を守る。研究グループはマウスのTリンパ球から、免疫反応をしない上、がん悪化の原因物質を作るPD−1陽性Tリンパ球(悪玉リンパ球)が生まれることを発見した。



 へぇー。面白い発見ですね。

 Tリンパ球なのに免疫に関連しない、どころか、自身の細胞を癌化させる物質を作ってしまうとは。こういうリンパ球が実際に老化によって悪さをしているということが証明され、改善する治療がみつかれば、高齢者に多いとされる悪性疾患のいくつかの予防に繋がるかもしれません。結構大きな発見だと思います。
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2009年07月20日

B型インスリン抵抗症をピロリ除菌で完治に成功する。

糖尿病の一種 完治に成功 ピロリ菌除去で 東北大

 東北大大学院医学系研究科の片桐秀樹教授(代謝学)と岡芳知教授(糖尿病代謝学)らの研究グループは17日、ピロリ菌の除去によって、糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」の完治に成功したと発表した。片桐教授は「現時点で成功は1人だけだが、根治療法としてほかの患者にも適用できる可能性がある」としている。

 B型インスリン抵抗症は、高血糖と低血糖を繰り返す病気。受容体と結合することで血糖値を下げるインスリンが、受容体と結合できずに発症する。受容体にインスリンに対する抗体ができるのが原因

 受容体の抗体が消えるなどしてインスリンが急激に作用し、急に冷や汗や体の震えなど激しい低血糖発作を数日の周期で起こす。

 完治に成功した男性患者は、インスリン受容体の抗体の値が陽性を示した上、空腹時の血管中のインスリン値が正常値の10倍以上だったため、B型インスリン抵抗症と診断された。

 この患者は血中の血小板が少なくなる「特発性血小板減少症」を併発。この治療にはピロリ菌の除菌が有効とされる研究結果があり、グループは除菌を実施した。

 その結果、インスリン受容体の抗体も消滅し、空腹時のインスリン値も正常値まで低下。B型インスリン抵抗症が完治した。除菌後1年経過しても再発の兆候は見られなかった。

 ピロリ菌の除菌は3種類の薬を1週間服用するだけで可能で、いったん除菌されれば再感染はまれだという。除菌は一般的な治療で、副作用もほとんどない。

 片桐教授はB型インスリン抵抗症にはピロリ菌感染が関与している可能性を指摘。「除菌による治療法を知ってもらい、世界各地で試してもらいたい」と話している。



 ピロリ菌によって起こるものは胃がんなどが有名ですが、リンパ腫なども起こすことが知られています。除菌することで免疫的に正常に戻れば、抗体も正常化して、B型インスリン抵抗症も治療できる、ということなのでしょう。

 いやーこう色々分かってくると、ピロリ菌の発見がノーベル賞モノだということも改めて頷けますね。

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医学処:ピロリ菌は細胞死を抑制する
医学処:ピロリ菌の新たな胃がん発症のメカニズムを発見する
医学処:ヘリコバクターピロリ菌のいる人は全員除菌すべきである。

[B型インスリン抵抗症]

 一般的な1型や2型の糖尿病と異なり、日本糖尿病学会の成因分類で「その他の特定の機序、疾患によるもの」の、「免疫機序によるまれな病態」に分類される。インスリン受容体に抗体ができて、インスリンが受容体と結合できなくなってしまうため高血糖になる。正確な統計データはないが、患者は数千〜数万人に一人と推測されるという。
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2009年07月12日

若い喫煙者はアディポネクチンの濃度が低く糖尿病リスクに。

若い喫煙者 生活習慣病リスク大 青森保健大教授が調査

 若い喫煙者は同年代の非喫煙者よりも生活習慣病を防ぐとされるホルモン「アディポネクチン」の血中濃度が低く、糖尿病の指標となるグリコヘモグロビン(HbA1c)の血中濃度は高いという研究結果を、青森県立保健大の渡部一郎教授(リハビリテーション医学)らがまとめた。

 渡部教授は2007〜08年度、同大の男子学生45人(平均22.3歳)を対象にアディポネクチンとHbA1cなどの血中濃度を調査。喫煙習慣の有無も合わせて尋ねた。

 その結果、脂質の代謝を促す機能があるアディポネクチンの血中濃度は非喫煙者は1ミリリットル当たり平均5.0マイクログラムだったのに対し、喫煙者は平均3.5マイクログラムだった。

 HbA1cは非喫煙者が4.7%で、喫煙者は5.0%。渡部教授によると、5.7%以上が異常値とされ、6.0%以上になると入院が必要だという。

 アディポネクチン濃度が低い人は体重、腹囲、体脂肪率、体格指数(BMI)が高い値を示す一方、動脈硬化を防ぐとされる「善玉コレステロール」、がん細胞を攻撃するとされるナチュラルキラー(NK)細胞活性の数値は低かった。

 渡部教授は「若いうちから喫煙すると生活習慣病や糖尿病になるリスクが大きくなる傾向だと言える」と指摘。「平均寿命が全国で最も短い青森県では、もっと禁煙を啓発していくべきだ」と提起している。



 青森。美味しいものが豊富であってもやはり喫煙習慣が根強そうなところは寿命も短くなってくるのか。

 アディポネクチンは今後注目されてくるホルモンのひとつです。喫煙はそもそも体にとって良いことはひとつもないのでセーブしていく方向でお願いしたいところですかね。

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2009年06月29日

マルチビタミンを摂取している女性は寿命が延びるかも

マルチビタミンで寿命が延びる可能性

 マルチビタミンは、染色体の末端部分であるテロメアの短縮予防に有用であり、結果として女性の寿命が延びる可能性があることが、新しい研究によって明らかにされた。

 テロメアは染色体を損傷から保護している。細胞が分裂するとテロメアがわずかに短縮することから、米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のHonglei Chen博士らは、この短縮を予防すれば、新しい細胞を保護することができ、加齢の影響が低減する可能性があると推測した

 米国立衛生研究所(NIH)の資金援助を受けて実施した今回の研究で、同氏らは、乳癌患者で姉妹には癌が認められない女性を対象とした姉妹研究の被験者586人のデータを分析。研究の一部として、被験者に12年間のビタミンサプリメントの使用状況を尋ねた。また、血液検体を採取し、 DNA検査も実施した。

 研究の結果、マルチビタミンを1日1回摂取していた女性は摂取していない女性に比べて、白血球テロメア長が平均 5.1%長かった。これは、約9.8年の加齢によるテロメア長短縮に相当するという。Chen氏は「食事によるビタミンCやEの摂取も、より長いテロメア長と関連していた」としている。

 同氏は「マルチビタミンを摂取する女性のほうが、白血球テロメアが長いという疫学的エビデンス(根拠)が 示されたのは今回が初めて。ただし、ビタミンがテロメア長を維持し、実際に寿命を延ばすかどうかは不明である。健康なライフスタイルによる可能性も排除できない。マルチビタミンの使用が加齢の過程を遅らせると結論づけるのは時期尚早である」としている。

 米エール大学医学部予防研究センター所長のDavid Katz博士は「ビタミン摂取の価値については様々な意見があり、確固たるエビデンスが得られるまで、摂取するかどうかは個人の選択である」としている。 同氏はまた、今回の研究はビタミンの使用を割り付けて行ったものではなく、観察的なものである点も指摘している。



 取らんよりは取ったほうがいいということですかね。取れば取るほど劇的に効果があるというわけではないでしょうけれど。

 水溶性ビタミンなら過剰症は考えにくいので、まぁサプリで取っても構わんとは思います。ビタミンD,Aなどは脂溶性なので気をつけてくださいね。

◆ビタミンA過剰症◆
食欲不振,皮膚落屑,脱毛,皮膚乾燥,骨・関節痛,肝脾腫,皮膚色素沈着,胎児奇形,脳圧亢進. 急性中毒:仮性脳腫瘍:髄液圧の異常をきたし、嘔気,嘔吐,頭痛,泉門開大等慢性中毒:易刺激性,骨痛,手掌・踵の落屑等

◆ビタミンD過剰症・ビタミンD中毒◆
ほとんどが医原性、高カルシウム血症と類似の症状。 筋緊張低下,嘔気,食欲不振,易刺激性,腹痛,脱水,便秘,下痢,多飲 ・多尿等。かゆみ,腎石灰化症,異所性石灰化,腎不全,尿路結石.高血圧症の悪化

参考:J-medical

関連
医学処:老化防止クリームに含まれる抗酸化物質には効果が無い。
医学処:ビタミンB3が特定酵素に結合することを妨げれば老化防止に繋がる
医学処:ビタミンA,Eなどの抗酸化サプリメントは死亡率を高める可能性もある
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2009年06月14日

飲酒で攻撃的になる人はグリコーゲンが少ないのかもしれない

飲酒で攻撃的は「低グリコーゲンレベル」も要因、研究報告

 お酒を飲むと決まって攻撃的・暴力的になる人は、グリコーゲンレベルが低い可能性がある。フィンランドのヘルシンキ大学(University of Helsinki)が1日、このような研究結果を発表した。

 同大と同大附属病院は、お酒に酔うと衝動的、暴力的、反社会的な行動をとる、つまりアルコール問題を抱えている男性49人と、アルコール問題のない男性40人で、インスリンとグリコーゲンのレベルを測定した。

 前者49人のうち、その後8年間で飲酒後に新たな暴力ざたを起こしたのは17人だったが、この17人は、後者のグループや、前者の残りのグループと比較して、インスリンレベルは高く、グリコーゲンレベルは低いことが明らかになった

 人体は、炭水化物をブドウ糖に変換し、その一部は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵される。たとえば絶食をして血液のインスリンレベルが低下すると、肝臓はグリコーゲンをブドウ糖に戻し、これを血液中に放出する。 

 研究チームは、以上から、グリコーゲンの生成を促すと同時に低血糖リスクを抑える物質を摂取することが、こうした衝動的な暴力行為に対する有効な治療法であると考えられるとしている。さらに、お酒を飲むときは食べ物も並行して摂取するという習慣も重要だと指摘している。



 お酒を飲むと、低血糖になって暴力的になるということですね。ある程度はグリコーゲンを分解して何とか血糖を保っているのですが、グリコーゲンの貯蔵量が少ない人は血糖値を保つのが難しい、と。

 お酒の嗜みもそうですけれど、やはり誰かと飲んでいる以上、他の人に迷惑をかけない飲み方、をしないといけません。暴れるぐらいならそれ以上飲まないほうがいいですし、もしかしたらこういった理由で怒りっぽくなっているかもしれないので予防をしてみてはいかがでしょうか。
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2009年06月07日

体内時計の時刻を簡単に測る方法を開発する。

「体内時計、いま何時?」 理研チーム、測定法を開発

 血液中の微量な物質を利用して体内時計の「時刻」を測る方法を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームが開発した。マウスでは1時間程度の誤差で測定でき、「時差ボケ」の診断にも成功した。睡眠障害の診断法の開発などに役立ちそうだ。米科学アカデミー紀要で発表する。

 人間やマウスは脳に約24時間周期の体内時計があり、実際の時刻と合わせ、体温やホルモン分泌を調節している。

 同センターの上田泰己チームリーダーらは、血液に含まれる微量のアミノ酸や脂肪酸のほか代謝物質の濃度が、体内時計に合わせて周期的に変わることに着目。マウスの約300種の代謝物の変動を調べ、体内時計の時刻表のようなプログラムをつくった

 このプログラムで規則正しく生活させたマウスの体内時計を測ると、実際の時刻との誤差は1時間以内に収まり、体内時計の時刻をほぼ正確に測れることが検証できた。

 さらに8時間の時差を人工的につくったマウスの体内時計を測ると、1日目は時差を生じさせる前と同じ時刻を示し、「時差ボケ」になっていることを確認した。時差ボケは、5日目では4時間半に縮まったが、完全に治ったのは2週間後だった。

 現在の体内時計の測定法では、神経伝達物質を数時間ごとに1日かけて測る必要がある。上田さんは「体内時計の異常で起きる病気を簡単に診断できる方法の開発を目指したい」と話す。



 ほぉー。これは面白い。

 体内時計の異常、といっても、やはり睡眠障害に起因するものが多いのですが、大人と違って子供の場合は学校という義務が生まれる以上深刻な問題です。

 夜寝つけず、朝起きられなくなる「睡眠相後退症候群」は、この体内時計が狂い、生体リズムが変化した状態である

 北九州市の女子中学生(14)は今年初め、「睡眠相後退症候群」と診断された。働いている両親の帰りが遅く、幼児期の就寝時間は午後10時過ぎ。小学校高学年で塾に通うようになって、寝る時間はさらに遅くなった。

 中学入学後は寝坊による遅刻や欠席が増えた。ベッドの中で携帯電話の画面やテレビを見ながら眠気がくるのを待ち、午前2時に就寝する。

 部屋には日がほとんど差し込まず、朝方、母親から声をかけて起こされると、怒鳴り返した。起床後はそのことを全く覚えておらず、普段は言葉遣いも普通で、優しい子どもだという。有吉院長は「同症候群の子どもを持つ保護者からは同じ経験をしているという話が多い。早朝の深い睡眠時で寝ぼけた状態が続いているからではないか」と語る。

 体内時計がずれた状態では、学校や会社に通うといった時間的制約への適応が難しく、周りから意志の弱さを指摘されたり、ひどいときには二次的にうつ病を引き起こす可能性もある

 体内時計の異常で起こる病気には他にも、海外旅行時に時差ぼけと呼ばれる「時間帯域変化症候群」や、過度に早寝早起きとなる「睡眠相前進症候群」、約1時間ずつ眠る時間が遅くなっていく「非24時間睡眠・覚醒症候群」などがあり、総称して「概日リズム障害」と呼ばれている。

 女子中学生が診断された睡眠相後退症候群は深夜のコンビニエンスストアなど、強い光を浴び続ける生活が続くことで、時計のリセット力が弱くなり、ある日突然、眠る時間が3〜4時間ほど遅くなったところで固定されてしまう。生活習慣を改めれば治る場合もあるが、生体リズムは遅くなりやすい面があり、専門医による治療が必要となる

 診断ではまず、就寝時間や起床時間などを1カ月ほど調べ、生体リズムの異変を調べる。朝、太陽光になるべく当たるように指導し、太陽光に当たるのが難しい環境では、タイマーを朝起動するようにセットして「高照度光照射装置」(3万〜6万円程度)の照度2500〜5000ルクスの人工光に20分から2時間以上あたる光療法を行う。ずれた生体リズムを元に戻すホルモン「メラトニン」やリズムを固定するため「ビタミンB12」などの薬も服用する。

 治療期間は短くて1カ月、半年以上かかる場合もある。発症は30代前半までで、年齢とともに症状が改善する場合もある。予防策としては、毎日決まった時間に朝日を浴びるのが効果的だという。

 有吉院長は「カーテンを開けて就寝し、日光を朝受けることで、睡眠障害の予防になる。睡眠相後退症候群は心の問題と関係が深く、(うつ病を予防する意味でも)周囲のフォローが重要だ」と話している。


 この記事中にもあるような、生体リズムの検査を、より簡便に行えるようになった研究です。メジャーになればそれだけで診断がたやすくなるために、今後の臨床応用にも期待したいところです。

関連
医学処:体内時計は真夜中の光で狂う。
医学処:時差ぼけを修正する蛋白質を名古屋大学が発見する
医学処:朝型より夜型のほうが覚醒状態の持続力が強い。
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2009年06月06日

髪の毛の1000分の1の細さしかない注射針を開発する。

細胞内に直接“注入”、ナノテク注射針

 注射嫌いの人に朗報だ。いずれ医者が「まったくチクっとしませんよ」と言う日が来るかもしれない。最新の研究によると、人間の毛髪の1000分の1の細さしかないナノレベルの新しい注射針が開発された。金メッキが施されたこのナノ注射針により、薬剤成分の微粒子を各細胞内の小器官にピンポイントで送達することが可能になるという。

 薬物療法においてもっとも重要で難しいのは、対象となる細胞やその内部小器官(オルガネラ)だけが、血液中に放出された薬剤成分に対して適切に吸収・作用するよう、薬を投与することである。

 新しく開発されたナノ注射針では、対象の細胞小器官に薬剤成分を直接“注入”するため、この問題が回避できると期待されている。

 研究チームの一員でアメリカにあるイリノイ大学の分子生物学者、ユ・ミンフェン氏は次のように話す。「微量の薬剤成分を正確に細胞に送り届ける強力なツールが手に入った。まず問題の細胞組織を一度体内から摘出し、ナノ注射針で注射を行った後、再び体内に収める。この方法により、病状に応じた適切な経過観察・診断・処方を行うことができる」。

 ナノレベルの注射針という発想は決して新しいものではない。過去数十年にわたり、何人もの専門家が極小の注射器による細胞への直接注射を実現しようと試みてきた。しかし、これまでの注射針はまだまだ作りが粗く、注射の際に細胞に損傷を与えてしまっていた。

 そこでユ氏の研究チームは、薬剤を噴出してしまう注射筒ではなく、空洞のない高強度の注射針を設計した。通常の注射器とは異なり、ナノ注射針は空洞を必要としない。この方式を採用したことにより、直径50ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)という“細胞に優しい”医療器具の開発に成功したのである。従来のナノ注射器が数百ナノメートルの直径であったことを考えれば、今回の技術の革新性が伝わるだろう。

 注射筒を使わない最新ナノ注射針では、薬剤成分の微粒子は、連結用粒子の働きにより金でできた針の薄い外層に添加される。そして針が細胞小器官に入り込むと、薬剤粒子が解き放たれる。

 細胞よりも小さい内部小器官を“狙い撃ち”にするとなると、途方もない精度の射撃技術が必要に聞こえるかもしれない。たしかに現在のところ、ナノ注射針を使いこなせるのは、高性能顕微鏡を巧みに操る技術者だけだ。



 細胞内注射という新しい概念。成功すれば結構色々出来そうです。

 しかし注射は痛いもの、という時代はまだまだ続きそうです。

関連
医学処:テルモが、直径0.2mmの痛くない注射針を増産する。
医学処:使用済み入れ歯1個で、予防接種の注射針250人分に
医学処:弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」
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2009年06月03日

ビタミンDを多く摂取している中年男性は頭が良くなる。

ビタミンDを多く摂取する中年男性は頭の回転が速い、英大学研究

 ビタミンDを多く摂取する中年の男性は、「脳力」も高い――英マンチャスター大学(University of Manchester)によるこうした研究結果が、21日発行の医学誌「Neurology, Neurosurgery and Psychiatry」に掲載された。

 同大は、欧州の専門家らの協力のもと、40歳から79歳までの男性3000人以上を対象に、ビタミンDの摂取量と認識能力を比較した。すると、摂取量が多い男性では、注意力と情報処理速度を見る神経心理検査で一貫して良い成績を示した。また、摂取量が少ないと情報処理速度が遅くなるという明確な相関性も認められた。

 また、ビタミンDの摂取量が多いと情報処理速度が速いという関係性は、60歳以上で顕著に見られた。生物学的な理由は不明だという。

 なお、実験では、気分の落ち込み、季節、身体的活動レベルといった諸要素も加味された。

 ビタミンDは、10-15分程度日光を浴びると、皮膚で生成される。脂肪の豊富な魚にも多く含まれている。2008年には、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)の研究チームが、年配者では、ビタミンDが不足するとうつなどの神経疾患リスクが高くなるとの研究結果を発表している。



 ビタミンDは面白いホルモンです。皮膚で合成され、肝臓やら腎臓で活性化されて、血液中のカルシウム濃度を上昇してくれます。

 この他にも色々とメリットの多いホルモンなので、しっかりと摂取しておきたいところ。中年男性諸君、ビタミンDをとろう。

関連
医学処:ビタミンDの摂取で、多発性硬化症を予防できるかもしれない
医学処:ビタミンD値が低い人は心臓発作を起こす確率が高くなる
医学処:妊娠時にビタミンDが欠乏すると帝王切開の確率が上がる。
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2009年05月31日

コーラの飲みすぎで低カリウム血症になった症例。

コーラの飲み過ぎで不整脈や呼吸筋麻痺に、ギリシャの医師らが警鐘

 19世紀後半に米国で誕生して以来、世界中で愛飲されているコーラ。独特な風味と炭酸の爽快感が多くの人を虜にしているが、糖分が多いことから、肥満や虫歯、さらには骨密度への影響など、健康を害することがたびたび問題視されている。こうした中で、ギリシャの医師らがコーラを毎日大量摂取した人に起きた健康障害の事例を、英医学誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・クリニカル・プラクティス最新号に発表した。

 ギリシャ・ヨアニナ大医学部のモーゼス・イリサフ博士らは、オーストラリアの男性に起きた事例を紹介。この男性はダチョウを飼育する44歳で、カンガルー狩りを楽しんだ夜に、突然筋力が低下して立つことも困難になり、自発呼吸もできなくなったという。病院での検査の結果、血液中のカリウム濃度が極端に低下する低カリウム血症に陥っていることが分かった。話を聞いてみると、男性は3年にわたってコーラを1日4リットル、さらにカンガルー狩りのときは1日10リットルも飲んでいたそうだ。医師がコーラの量を減らすようアドバイスした結果、血中カリウム濃度が正常に戻り、筋力の低下も回復した。

 別の事例では、21歳の妊婦が疲労感や食欲不振、持続的な嘔吐を訴えて入院。検査をすると、不整脈のほかに血中カリウム濃度が低いことが判明した。この妊婦も1日3リットルのコーラを飲み、入院前の10か月に限れば最高で1日7リットル飲んでいたという。コーラを控えてカリウムのサプリメントを摂取した結果、病状は完全に回復した。

 低カリウム血症は心臓を含む筋肉や腎臓などに障害を及ぼし、重度になると両手両足や呼吸筋の麻痺などを引き起こす。イリサフ博士らは論文で、個人差があるとしながらも「コーラなどに含まれるブドウ糖や果糖、カフェインを大量に摂取すると、低カリウム血症を引き起こすことを示唆した」との見解を示している。

 また同博士は、2007年度における世界の清涼飲料水消費量は1人当たり年間83リットルで、2012年には同95リットルに増加すると推計。特に米国は、すでに1人当たり年間消費量が212リットルに達しているという。

 コーラを含む清涼飲料水消費量の増加予想に、イリサフ博士らの論文を解説した米クリーブランド退役軍人医療センターのクリフォード・パッカー准教授は、飲料メーカーに対して警鐘を鳴らす。ガーディアン紙によると「飲料メーカーは、全年齢層に安全で適度な消費を促す必要があり、容量を小さくするなど健康的に飲めるよう、増加する需要に注意を払うべき」とコメントした。これに対し、英清涼飲料水協会は「すべて極端な事例で、食事や生活の中で適度に飲む分には、コーラは全く安全な飲み物だ」と反論している。



 インスリンの作用によって糖分を細胞内に取り込むときに、同時にカリウムが取り込まれることで血液中のカリウムが減少してしまったために起こった、と考えられますかね。

 まぁこれはコーラに限った話ではないとおもいますけれども、コーラってのはそれだけ世界中の人々に愛される飲み物、ということでしょうかね。

 何事もほどほどが一番です

関連
医学処:添加物を全く使わない炭酸飲料「ビオナーデ」
医学処:2008年度イグ・ノーベル賞発表。2年連続で日本人が受賞する。
医学処:ネット販売の医薬品で肝障害の副作用を来たす。
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2009年05月20日

早発閉経の新治療法を聖マリアンナ医科大学が開発する。

早発閉経に新治療法 妊娠例も、聖マリ大など

 通常より若い年齢で卵巣が機能しなくなる「早発閉経」の女性の卵子を発育させる新たな治療法を、聖マリアンナ医大の石塚文平教授(不妊内分泌学)とIVFなんばクリニック(大阪市)の森本義晴院長らのチームが開発し、患者19人中5人(26%)で体外受精卵ができたと、同教授が12日明らかにした。うち30代半ばの1人は、妊娠4カ月を迎えた。

 患者は全員が早発閉経の診断から4年以上経過。こうした患者で卵子採取や受精にこぎ着けたのは非常に珍しいという

 新治療法は、ホルモン剤の投与で人為的に規則的な月経周期をつくり出す従来の治療法を改良。

 月経周期は約1カ月だが、チームは、卵子が卵巣にある「卵胞」と呼ばれる組織の中で、もっと長い時間をかけて成熟することに注目した。

 約120日の長い周期でホルモンバランスを管理し、卵胞への血流を良くするタンパク質の投与を組み合わせるなどの工夫で卵子の成熟を促した。卵子は、卵巣に針を刺し、体外に取り出した。

 昨年10月から、30−44歳の患者計19人に実施したところ、6人から計8個の卵子が採取できた。

 うち5個は十分に成熟していたため夫の精子と体外受精させた結果、すべて受精に成功。受精卵を子宮に移植した1人で妊娠が確認され、4人は移植のタイミングを計るため受精卵を凍結保存しているという。



 早発閉経、と診断はついているものの、閉経がいつか、というのは個人差がありますからね、、、と月並みなコメントをしようと思っていたんですけれど、これはスゴイ。

 ただ単に月経周期に合わせてホルモンを調節するのではなく、120日という長期的スパンで、卵子を育てることに成功したのが素晴らしい。この手法が全国的に普及すれば、早発閉経で子供を授かることのなかった夫婦も高確率で妊娠することができることでしょう。

早発閉経

 卵巣の働きが衰え排卵がなくなる閉経を、平均よりかなり早く迎えること。日本人女性の閉経は一般に50歳前後だが、40歳未満で閉経した場合は早発閉経と呼ばれる。染色体異常など先天的な原因のほか、抗がん剤や放射線治療などの副作用で起きることもあるが詳しいことは分かっていない。日本産科婦人科学会によると頻度は30歳未満で千人に一人、40歳未満では百人に一人程度と推定される。

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医学処:チンパンジーには閉経がない。
医学処:尿もれや性器脱などで悩む女性向けの電話相談。
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posted by さじ at 07:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分
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