思春期のやせ願望から、無理なダイエットをしたり、食べても吐いたりするなどの異常な食行動を続ける「思春期やせ症」の子どもが増えている。厚生労働省研究班が予防、早期発見などの診療指針を作成し、早期の発見と対処を呼びかけている。
成長期なのに体重が大きく減る状態を経験したことがある女子は、中学3年で5・5%、高校3年では13・2%にも上る。学校、家庭、友人関係など、思い通りにならないストレスを抱える中で、「芸能人のようにスリムになりたい」「細身の服を着たい」といったささいな自己実現への欲求が、無理なダイエットに走るきっかけになるとされる。
一般には拒食症と言われるが、特に思春期の子どもは、将来の健康に及ぼす影響が大きいことから、思春期やせ症(神経性食欲不振症)と呼ぶ。男女比は1対10で女性が圧倒的に多い。
極端にやせると、栄養失調から、血液中の糖分が不足し、元気が出ず、不眠や疲労感が現れる。脳の働きが低下し、精神的に不安定になったり、ホルモンバランスが乱れ、成長障害や不妊の原因になったりする。
少ない栄養で生きのびようとするため、心拍が遅くなり、心不全の危険も招く。このため、死亡率は国内外の研究で6〜10%にも上る。深刻な病気で、ゆがんだ食習慣や自分の体のイメージを修正していく地道な努力が必要だ。
厚労省研究班は、早期発見し医療機関を受診する基準として、〈1〉身長などから算出する肥満度がマイナス15%以下〈2〉身長体重の変化をグラフにした成長曲線で、体重が前年より1段階以上(おおむね5キロ・グラム)減少〈3〉安静時の脈拍が1分間に60回を下回る――を目安としている。
本人が進んで医療機関を受診することはほとんどない。やせることが心地良く、他人から見たイメージも良いと思いこむからだ。健康なら空腹感や体の不調は苦痛だが、脳内麻薬物質の分泌により心地良いと錯覚している。このため、体重が20キロ・グラム台になるまで平気な場合も少なくない。
「早期発見しないと生命に危険が及ぶばかりでなく、完治させるのが非常にやっかい。学校、地域の小児科医らの連携が欠かせない」と、厚労省研究班班長で慶応大小児科講師の渡辺久子さんは言う。
治療では、ゆっくり時間をかけながら、十分な栄養を取れるようにする。親子関係のすれ違いなどから、子どもの心の奥の孤独や自信のなさを親が理解していないことも多いことから、親など家族の心理支援も必要になる。重症の場合は1年以上の入院が必要な場合も珍しくない。
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思春期やせ症というのはどうも違和感があるというか、おそらく一般的にも神経性食欲不振症(神経性無食欲症)のほうが有名だと思います。
やせ願望の強い女性というのは、他者が言っても聞かないことが多いですね。やせて美しくなるというより、グラフ上の、自分の体重が減っていくのが快感でしょうがないのでしょう。貯金をして何か買おうという購買欲よりも、ただ貯金額が上がっていくのを見ているのが快感、という感じと同じイメージです。
心の問題ですが、生き物が食べ物を食べないとどうなるのか、それは自明です。ですがそれ以上に痩せることを望む女性に対して、我々はどうすれば良いのか。難しい。身近な人が少しずつ、歩み寄るしかないのが現状です。無理に食えというのではなく、もっと心の奥の部分を。決して「押し」てはだめだと思います。まぁ素人判断するより専門家(精神科医)に連れて行くのが一番です。世間体やらを気にするより、まず病院へ。一生のことですよ。