2007年12月10日

関節リウマチ薬「エタネルセプト」で敗血症などの副作用

リウマチ薬使用で死亡

 2005年3月に国内で発売された関節リウマチ薬エンブレル(一般名エタネルセプト)を使った患者のうち、敗血症など副作用の可能性がある死者が16人いることが、製造元のワイス(本社・東京)などの調査でわかった。

 厚生労働省は「添付文書で警告しているが、医師は慎重に使用してほしい」と話している。

 エンブレルは、重症の関節リウマチにも効果がある一方、免疫の働きを強く抑える作用があり、使うと重い感染症にかかる危険がある。このため添付文書で警告表示をした上で、他の薬で痛みなどが抑えられない関節リウマチ患者に使用が認められる。これまで国内で約2万人が使用した。

 同社には先月末までに、副作用の疑いがある79人の死亡が報告された。このうち、60人の症例について独立行政法人医薬品医療機器総合機構が検討したところ、16人が副作用との因果関係を否定できなかった。15人は敗血症など感染症で、1人は間質性肺炎だった。同省安全対策課は「必要に応じて対応したい」と話している。



 リウマチはメジャーな病気ですが、放置しているとかなり危険な病気であることはあまり知られていません。重度の関節リウマチの治療薬となると、相応のリスクのある薬を使わざるをえないのが現状なのかもしれませんが、こういった副作用は怖いですね。医師が十分薬について把握し、かつコントロールできる技能があれば良いのですが。

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2007年11月25日

タミフルの睡眠試験で、因果関係は認められず

タミフル投与、睡眠試験で「因果関係なし」 厚労省

 インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の因果関係を調べている厚生労働省の作業グループは21日、タミフル服用後の睡眠時の脳波の変化などを調べたところ、「現時点ではタミフルとの因果関係は認められない」とする臨床試験の中間報告を公表した。

 飛び降りなどの異常行動が、寝起きの状態で多く起きていることから、タミフル輸入販売元の中外製薬に対して睡眠試験の実施を指示。20代前半の健康な男性11人にタミフルを投与したところ、睡眠時の異常行動は見られず、タミフル服用の有無と脳波の変化の関係も見られなかったという。試験は30人になるまで続ける予定。

 また、同省に寄せられたタミフル服用後の異常行動の報告件数は、01年の発売から今年9月末までで282人に達した。5月末時点の集計では211人だった。



 20代の男性ではなく本当は10代以下の試験データが欲しいんでしょうが、さすがにそれは実施できませんしねぇ。20代で異常行動が出た確率って結構低いのではないでしょうか。

 一応いまのところ異常行動は認められない、ということですけど・・・今年の冬のタミフル処方はどうなるのでしょう。20歳以下には自粛、という形にすればまぁ、なんとか・・・タミフルを処方しなかったせいでインフルエンザ脳症になったという訴訟が起きないことを祈るばかりです。

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2007年11月24日

血液ドーピングでスキー選手を処罰

血液ドーピングの距離スキー3選手、2年間出場停止

 国際スキー連盟(FIS)は22日、2006年トリノ五輪でドーピング違反に問われたオーストリアの距離スキー3選手を、2年間の出場資格停止処分とすると発表した。

 FISの公式ホームページによると、昨年2月18日以降の成績は取り消され、賞金などもはく奪される。

 資格停止となったのは、ローラント・ディタート、ヨハネス・エダーと、マルティン・タウバー。トリノ五輪中、イタリア警察が行ったオーストリアスキーチームの宿泊施設の家宅捜索で、血液ドーピングなどに使ったとみられる多くの医療器具などが押収され、国際オリンピック委員会(IOC)は今年4月、3人を含む6選手を五輪からの永久追放処分、5月にオーストリア五輪委を百万ドルの罰金処分としていた。3人は、IOCの処分を不服として、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴している。



 血液ドーピングというのは、大会の前に自分で血液を抜いておいて、血中の赤血球が不足している状態に慣らします。その状態で、大会直前にその血液を自分の体内に戻すことで、体内の赤血球量が一時的に多い状態となり、全身に運搬できる酸素量が多くなるとされています。

 昔はドーピング検査といえば尿検査しかなかったので、血液ドーピングの発覚は困難といわれていましたが、近年では血液検査も実施されるようになったので、たとえ自分の血液といえど、発見することが可能になりました。悪いことはできないものですね。
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生き物は、どこで食用か否かを見極めるのか

見つめあっても大丈夫 ヘビとカエルが同居 上野動物園

 カエルは3センチほどのマダラヤドクガエル36匹。生息地の中南米では、外敵に食べられないように皮膚から毒を出す

 かたやヘビは体長140センチの南米原産種だが、日本生まれのエメラルドツリーボア。野生で育っていないヘビがカエルを襲ってしまうのか、共存できるのかの試みだ。

 結果は――

 ヘビは全く無反応

 1メートル四方の展示室でカエルは恐れることなく、とぐろを巻くヘビの頭の上をはね回ることも

 小宮輝之園長は「日本生まれのヘビでも、黒地に緑文様のカエルは危険と本能が知らせているのでは」と話す。



 ただしヤドクガエルは現地と食べ物が違うため、日本では無毒になっている



 これは面白い実験ですねー。読んでてなんかこう、面白い小説でも読んでいるような感じに襲われました。

 昔から、「何で生き物は誰にも教わらずにこんなことできるんだろうな」と思うことが多々ありました。特に親が全て教えるわけではない生物において。犬などの哺乳類ならば、産み落とされて親の介入がなければほとんど死んでしまうでしょう。ですが、例えばハチが花粉を集める行為とか、モズのハヤニエとか、一体誰に教わってやっているんだろうか、と。誰にも教わってないならば「本能」なんでしょうけれど、本能で片付けてしまうにはあまりにも不思議な話です。

 日本で生まれ育ったヘビがカエルを食べないのは何でか。野生ではないから、カエルを食べる習性がなくなった?しかし野生であっても、ヤドクガエルは猛毒を持っているわけですから、むしろ野生において食べてはいけないことを学習するのではないでしょうか。いやいや、しかし…

 よく、毒きのこや毒をもつ生き物が、自分の身を守るために毒をもつといわれていますけれど、食べて発現するタイプの毒をもつものと、野生の生き物って、どちらも矛盾する気がするんですよね。お互い、一期一会なわけですから、人間のように「これは毒だ」という情報を伝えることのできない生物が毒のある生物を食べたところで、食べた生き物がやられてしまうだけですから、毒を内蔵している意味が全くないのでは。

 このように色々考えまくった挙句、最後にオチの一発「このヤドクガエルには毒がない」でズガーンとキました。じゃあ結局無毒か有毒かを判別する術はヘビにないわけで、じゃあこのカエルを野生のヘビならば食うのかどうか、と。ただ相手の色で食用か否か判別するだけならば毒の有無は全く関係ないわけですから…。

 うーん、動物に詳しい人にここらへんは一度聞いてみたいところです。長年疑問視してます。笑
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2007年11月23日

混合診療の全面解禁は果たして得策なのか

混合診療 全面解禁求める

 政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は15日の会合で、健康保険が適用される保険診療と適用されない自由診療を併用した「混合診療」について、全面解禁するよう厚生労働省に求める方針で一致した。

 国が混合診療を原則禁止していることを違法だとする7日の東京地裁判決を受けたもの。規制改革会議は厚労省との交渉を経て、年末にまとめる第2次答申に盛り込むことを目指す。

 会合では、混合診療の全面解禁を求める理由として、〈1〉一部の富裕層のみが自由診療で最先端の医療を受けており、医療の格差が生じている〈2〉混合診療を解禁すれば新しい治療法や薬を試みやすくなり、患者の治癒の可能性が飛躍的に高まる――ことなどを挙げた。

 混合診療は、健康保険が適用される治療と適用されない自由診療を組み合わせて行う診療方法。一部の先進医療などを除き原則として禁止されている。日本では承認されていない抗がん剤などを使った場合、入院や検査など通常、保険の対象となる医療を含めてすべて患者の自己負担となる。

 全面解禁をめぐっては、舛添厚生労働相が、東京地裁判決に対し控訴する方針を表明しており、規制改革会議と厚労省の交渉も難航が必至の情勢だ。

 規制改革会議の前身である「規制改革・民間開放推進会議」は2004年12月に出した答申で混合診療を例外的に認めている診療範囲の拡大を求めている。



 確かに混合診療を承認すると、使える治療や薬選択肢が大幅に広がるという強烈なメリットがあります。現状では、保険適用されていない薬を1つでも使うと、他の治療全部が保険適用外となり、高額な医療費全額を個人が払わなければならないという悲劇になります。

 しかし、大きな落とし穴があります。混合診療を適用してしまうと、薬や治療法が保険適用されにくくなるのではないかという懸念です。

 日本は新薬承認が他の先進国に比べて遅いといわれています。実際遅いんですけど。厚生労働省的には、承認した薬で、問題が露呈したときのバッシングを恐れて、あまり承認したがらないというのもあるでしょうし、医療費の問題もあるのでしょう。

 折りしも、今の政府はヤレ医療費削減だ削減だと声高に叫んでいます。ただでさえ激務な医者の診療報酬を下げろとのお達しまでもおこる始末です。こんな守銭奴的政策ばかり取っている体制で、混合診療を認めてしまったら?新薬承認を強く進めなくても、構わないではないかということになってしまう可能性があります。たとえ混合診療が承認される条件として、「厚生労働省が新薬承認に手を抜かない」というものを加えたとしても、守るはずがありませんよね。そんなことは今までの歴史が証明していることです。

 そもそも、混合診療で用いられる保険適用外の薬というのは、効果があるから使われるわけですよね。それならば(効果があるならば)早急に保険適用すべきだというのが日本医師会、医師、患者である国民の主張であって、はっきりいって混合診療というものは、役人の怠慢を誤魔化すための代替策に過ぎないと思います。

 勿論、現実には患者は効果があるんなら使いたい、逆に言えば役人はあてにならないから自分で輸入したいと考えているわけですから、混合診療は必要といえば必要なのでしょうけれども。

関連:医学処 新薬承認期間を短縮するため、審査人員を大幅に増やす。
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2007年11月13日

経口ワクチンの動物実験に成功する

注射いらずの“飲むワクチン”、動物実験に成功

 口から飲んで腸の粘膜から吸収される新型のワクチンを、東京大医科学研究所の清野宏教授(粘膜免疫学)らが開発した。

 粘膜にある免疫機構を働かせる「スイッチ」役の細胞に着目。この細胞を標的にするたんぱく質とワクチンを組み合わせてマウスに飲ませたところ、有効性を確認した。注射器が不要で、インフルエンザやエイズウイルス(HIV)の次世代ワクチンへの利用が期待される

 腸や咽頭の粘膜には、M細胞と呼ばれる細胞があり、ウイルスや細菌、アレルギーの原因物質を取り込むと免疫機構を働かせる。ただ、腸内にあるM細胞の数が非常に少なく、利用するのが難しい。このため、国内で承認されている飲むワクチンはポリオしかなかった。

 清野教授らは、M細胞のみに反応する特殊なたんぱく質をマウスの粘膜を使って作製、破傷風やボツリヌス菌のワクチンと結合させて、マウスに飲ませたところ、病原体を防ぐのに十分な量の抗体が血液などに分泌されていることを確認した。

 また、マウスにこのワクチンを与えた後、致死量の1万倍のボツリヌス菌の毒素を注射しても、マウスは死なず、予防効果があることも分かった。



 最近では治療成績もさることながら、いかに患者の苦痛を取り除くかに力を注ぐのも医療の1つの形となっています。

 言い換えれば、それだけ医療というものが人に対して深く関わっているというわけで、単に病気を治す、病巣を取る、といった即物的な医療から、将来や人生、日常生活におけるまで、人をまるごと診るのが医療であるという風になっています。

 誰だって注射されるのは嫌なものです。できれば飲んで済ませたい。そんな願いが叶うかもしれない今回の経口ワクチンです。特に予防のための免疫といえば小さい子供に注射することが多いので、それが飲み薬として処方できれば子供は嫌な思いをせず、親は手を焼かず、医療従事者はスムーズにこなせると、まさに三者両得。

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2007年11月07日

今冬のタミフル供給量、2006年の半分に。

「タミフル」供給、今冬は半減の600万人分に

 インフルエンザ治療薬「タミフル」の国内唯一の輸入販売元である中外製薬(東京都中央区)は5日、今冬の国内のタミフル供給計画を昨冬より半減し、600万人分にすると発表した

 服用後の飛び降りなどの「異常行動」が報告され、厚生労働省が10代について原則使用中止とする措置を取ったことなどを受け、同社は「処方患者数はほぼ半減する」とみている。

 中外製薬は、親会社のスイス製薬大手ロシュからタミフルを輸入し、2001年から国内販売している。インフルエンザが大流行した02年冬には供給不足が問題化した。

 厚労省の作業部会は10月、中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表するなど、因果関係は明確になっていない。



 実際どうなるんでしょうね。私だったら処方してほしいと思いますけれど。小さいお子さんのいる人は、あまりオススメできないので、飲まないほうがいいかもしれません。成人なら問題はないのでは?
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2007年11月01日

医師免許のない事務員らにリタリンを処方させていた

リタリンを無資格処方の院長ら2人、逮捕

 若者の間で乱用が広がっている向精神薬「リタリン」(塩酸メチルフェニデート)を医師免許のない事務員らに処方させたとして、警視庁生活環境課は31日、東京都江戸川区北小岩の診療所「京成江戸川クリニック」院長、小倉暢夫容疑者(67)ら2人を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。

 同クリニックを巡っては、3、4年ほど前から「リタリンを大量に処方してくれる」との情報がインターネット上などで広まっており、東京都が9月21日、医療法違反(不適切な医療の提供)で立ち入り検査を実施していた。

 ほかに逮捕されたのは同クリニック事務員、生駒祐子容疑者(42)。

 調べによると、小倉容疑者は、病気で入院中の今年8月21日から9月8日にかけ、生駒容疑者や看護師ら計6人が医師の免許がないことを承知しながら、患者5人に計9回にわたって、問診や注射、リタリンの処方せんの発行などの医療行為をさせた疑い。同課は、生駒容疑者以外の看護師ら5人についても、同容疑で書類送検する方針。



 こりゃアウトですな。

 世間ではリタリンの必要性について再度見直しを求める声もあるよ9うですが、さすがに復活は難しい気もします。確かに不法な医療行為をした人(つまりリタリンを適当に売りさばいた人)が悪いんですが、健常な人が求めるようになったときから、リタリンの役目は違う方向へ向いてしまいましたからね。残念なことです。

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タミフルが脳に達するメカニズムを解明した

タミフルが脳に達する仕組み解明…国内2研究グループ

 服用した若者や子どもに異常行動や突然死が相次いだインフルエンザ治療薬「タミフル」が脳に達する仕組みを、国内の二つの研究グループが動物実験で明らかにした。

 脳には薬など異物の侵入を防ぐ「血液脳関門」という防御機能があることなどから、厚生労働省の作業部会などは服用と異常行動の因果関係に否定的な見方を出していたが、それを覆す可能性のある研究結果として注目される。

 タミフルは、体内に入ると主に肝臓の酵素によって「活性体」に変わり、ウイルスの増殖を抑える。一方、血液脳関門では、「P糖たんぱく質」という物質が脳に入ろうとする異物を排除する。

 荻原琢男・高崎健康福祉大教授らは、タミフルを、通常のマウスとP糖たんぱく質を作れないマウスに投与して比較した。その結果、P糖たんぱく質を持たないマウスでは、脳内のタミフル濃度が血中濃度の65〜85%にも達し、通常のマウスの14〜17%より大幅に高かった。また、活性体を直接投与したところ、いずれのマウスでも脳に達したタミフルの濃度は血中の1%程度に過ぎず、活性化前のタミフルが脳に達しやすいことがわかった。

 人間の場合、肝臓の酵素や脳のP糖たんぱく質の量には個人差がある。この動物実験の結果が人間にもあてはまるとすれば、一部の人の脳にはタミフルが届いてそこで活性化され、影響を及ぼす可能性があることを示す結果だ。



 血液脳関門の機能が完璧ではないためにタミフルによる異常行動が起こったのではないか、という説です。

 血液から脳に物質が分泌される際に、血液脳関門と呼ばれる機構が働いて、不純なものを通さないようになっています。

 P糖たんぱく質は、消化管粘膜や腎尿細管上皮、血液脳関門などで、異物や薬物などを細胞外へ排出する作用を持っています。今回はココに個体差があるという点を注目してタミフルとの因果関係を示しました。

 この結果がどう影響するのか分かりません。来年のインフルエンザ流行の際に医療機関がどのようにタミフルを処方すれば良いのかも。

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2007年10月31日

ノロウイルスを分解消滅させる渋柿のパワー

アルタン、渋柿でノロウイルス撃退・広島大とスプレー

 業務用アルコール除菌剤を製造・販売するアルタン(東京・大田、鈴木賢一社長)は、広島大学と共同で渋柿の成分を活用し、食中毒の原因となるノロウイルスを駆除できるスプレーを開発した。11月中旬から外食企業向けなどに販売する。調理用器具やドアノブに噴射すればウイルスの感染を予防できる。

 商品化したのは渋柿のエキスを原料にするエタノール剤の「アルタンノロエース」。ノロウイルスに効く渋柿の成分は明確になっていないが、ウイルスそのものを分解消滅できる



 渋柿の渋さはタンニンですが、それとはまた違った成分で攻撃してるんでしょうか。

 渋柿の、シブを抜いた後の甘味はたまらないものがあります。秋ということでタイムリーなニュースとなりました。

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2007年10月18日

「1日分の緑黄色野菜を使用」は嘘だったことが判明

「1本で1日分の野菜」ジュース、35品が落第

 「1本で1日分の野菜を使用」などと表示された野菜ジュース類の多くは、「厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量350グラム」を下回る量の栄養素しか含んでいないことが、名古屋市消費生活センターの実施した成分分析でわかった。「飲むだけで栄養素を十分摂取できると受け取れる表示には問題がある」として、消費者団体の主婦連合会は公正取引委員会と厚労省に実態調査をするよう申し入れた。

 成分分析は野菜100%ジュース16銘柄と果汁配合の19銘柄で実施。ほとんどの容器には「1日分の緑黄色野菜を使用」「1本で野菜350グラム」などと記されていた。

 野菜の摂取量について厚労省は01年発表の「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の中で1日350グラムを目標と設定。うちニンジンやホウレンソウなど緑黄色野菜は1日120グラムを目標量としている。

 国民生活センターなどの目安では、緑黄色野菜120グラムを食べれば、栄養素として総カロテン3641マイクログラム▽ビタミンC47.9ミリグラム▽カリウム480ミリグラム▽カルシウム68.5ミリグラム▽マグネシウム27ミリグラムを取れるとされる。

 だが、35銘柄の分析結果では、総カロテンは15銘柄で目安量を下回り、うち2銘柄の測定値はゼロ。ビタミンCとカルシウムは33銘柄が下回った。カリウムで24銘柄、マグネシウムも30銘柄が目安量に届かなかった。

 五つの栄養成分すべてで目安量を上回った商品はなく、逆に全成分で下回った商品は13銘柄あった。うち4銘柄は「1日分の緑黄色野菜」「1本で約100グラムの緑黄色野菜」と表示していた。



 そうだったんですか…あんな少ないのにたいしたもんだと思っていたのですが…。

 加工食品は「調べなければ分からない」といわれていますが、まさにそのとおりですね。野菜ジュースの含有栄養素など素人に分かりませんから…。嘘だけはつかないでほしいものです。
 
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2007年10月17日

日本赤十字社の血液事業、赤字に

日赤血液事業赤字148億円 過去3年検査費増え

 日本赤十字社の血液事業で巨額の赤字が続いたため、約146億円あった剰余金が07年3月末で底をついたことがわかった。血液製剤をつくる際のウイルス検査にかかる費用の増加に加え、事業の効率化が進んでいないことが主な要因だ。日赤は全国の検査施設を減らすなど経営体質改善に取り組んでいるが、「赤字があと5年も続くと、事業が立ちゆかなくなる」と危機感を募らせている。

 日赤は国内で唯一、献血事業を実施できる機関。年間500万人から献血を受け、輸血用の血液製剤を製造販売している。血液事業は、病院など他事業と切り離された独立採算で、年間の予算規模は約1400億円。

 血液製剤の公定価格が引き上げられた90年度以降、事業は黒字で、03年度末に約146億円の剰余金があった。ところが04年度は単年度で50億円の赤字。05年度が67億円、06年度も31億円と、3年間で計148億円の赤字となり、剰余金はゼロになった。今年度も40億〜50億円程度の赤字となる見通しだ。

 要因は検査費用の増加と供給量の減少で、いずれも構造的な問題だ。

 血液の検査体制は80年代以降、輸血によるエイズや肝炎などの感染を防ぐため強化されてきた。しかし、03年度に肝炎ウイルスやエイズウイルス(HIV)がすり抜けた感染例が発覚し、当時の坂口厚生労働相は一層の安全対策強化を指示。日赤は検査精度を2・5倍に上げるなどした。そのため、毎年数十億円単位の追加費用が発生した。

 経費を考慮し、血液製剤の公定価格は06年度に引き上げられた。日赤の収入は約60億円伸びたにもかかわらず、赤字は解消できなかった。

 一方の供給量はピーク時の96年から1割以上減り、収入は落ち込んだ。薬害エイズ問題などを受けて、日赤や厚生労働省が血液製剤をなるべく使用しないように呼びかけてきたためだ。

 日赤は今年度から、職員の退職金などにあてる資金を取り崩して事業を維持。施設のリストラも進め、47都道府県に1カ所以上あった採血、検査、製造の各施設のうち、検査施設を来夏までに10カ所に、製造施設も50カ所から20カ所程度に減らす方針だ。

 ただ日赤は当面の経費削減効果を年数億円としか見込んでおらず、赤字解消にほど遠い。日赤は「ここ数年の資金繰りは対応できるが、近い将来、新たな検査の導入や設備投資ができなくなる恐れがある」としている。



 安心して血液製剤が使えるようになった背景には、それなりのコストがかかっているものです。

 年数十億程度なら、国が負担しても良さそうなものですけどね。美しい国づくりとかいうわけの分からない企画会議を2回やるだけで5000万近くいくわけですからね…ムダを省けば血液事業の赤字を負担することなど容易いのでは。

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2007年10月11日

運動神経は動かせる局所麻酔薬を開発

「動かせて痛みなし」新麻酔薬の可能性 米大など発表

 手術した部分をすぐに動かせて、痛みは感じない――そんな新しいタイプの麻酔薬の開発につながる局所麻酔の方法を、米ハーバード大などのグループが見つけた。4日付英科学誌ネイチャーに発表する。

 現在の局所麻酔は痛みを感じる神経だけでなく、運動神経などすべての神経の働きを抑えてしまう。体を動かしたり温度を感じたりできないのが難点だった。

 グループは、痛みを感じる神経細胞の多くに、唐辛子の主成分「カプサイシン」を受け止めるたんぱく質があることに注目。このたんぱく質にカプサイシンがくっつくと、細胞膜に穴をあけたような構造になる。グループは、この穴を通して細胞に入り込み、神経細胞の興奮を抑えることができる分子を見つけた。

 ラットの足に、カプサイシンとこの分子を注射すると、痛みを感じなくなったが、運動神経は正常で足を動かし続けることができた

 生理学研究所の富永真琴教授は「臨床応用は今後の課題だが、まったく新しい選択的な局所麻酔薬をつくる可能性を開く成果だ」と話している。



 こりゃ凄いです。けど効いてるかどうか、怖いですねw

 全身麻酔薬と違って局所麻酔薬のほうが安価ですし使いやすいといえば使いやすいのですが、暴れる子供などに使いにくいデメリットがあります。運動神経が動いてもらっちゃ困る場合も往々にしてある、ということで…。

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2007年10月06日

ADHD治療薬「コンサータ」、承認見送りへ。

多動性障害の治療薬が承認見送り

 厚生労働省の薬事分科会は3日、国内初の注意欠陥・多動性障害の治療薬「コンサータ」(一般名・塩酸メチルフェニデート)について、安全性や有効性を認めたが「向精神薬リタリンと同じ成分が含まれており、リタリンと共に流通・管理体制を検討する必要がある」として、製造販売の承認を留保した。

 リタリンの乱用問題を受けた異例の措置。同省は、塩酸メチルフェニデートの適正使用に向けて、分科会の下部組織の部会で早急に検討し、医療用麻薬並みの厳しい管理体制を導入する方針だ。具体的には、各製薬会社が医師や医療機関を登録し、取り扱える医師を限定する仕組みを考えている。

 コンサータは、ヤンセンファーマ社(東京都千代田区)が申請した治療薬で、海外66か国で承認されている。部会が今年8月、「安全性や有効性は確認され、承認しても差し支えない」との結論をまとめていた。

 リタリンを巡っては過剰処方による乱用が問題となり、東京都が先月、都内のクリニックに立ち入り検査を行い、製造販売元のノバルティスファーマ社も「難治性・遷延性うつ病」の効能取り下げを検討している。



 これはとばっちりですね。時期が悪すぎたことは否めませんが…。

 人の意識に影響を与える薬って、扱うのが難しいです。「患者を治す」ことを考えたい医療従事者と違って、「健常な人」は悪用することも考えますからね。難しい。

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2007年10月05日

薬剤耐性マラリアに効く安価な新薬を開発

<マラリア>新薬を開発、09年臨床試験へ…岡山大チーム

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の綿矢有佑教授(薬学)のグループが20日、薬剤耐性のあるマラリアに有効な物質の開発に成功したと発表した。

 09年から臨床試験を実施する。マラリアには世界で年間3億〜5億人が感染し、150万〜270万人が死亡しているとされる。この物質を使った新薬が開発、量産されれば、1錠数十円程度での提供も可能という。

 マラリアは熱帯・亜熱帯のハマダラ蚊を媒介してマラリア原虫が体内に入り、発熱や貧血などを起こす感染症。重症化すると死亡する。治療には「クロロキン」などの特効薬があるが、1955年ごろから、薬剤耐性を持つマラリアが現れるようになった。

 綿矢教授らは、5000の化合物で実験した際、炭素、酸素、水素が結びついた「環状過酸化化合物」の一種に、マラリア原虫を死滅させる効果があることを確認。薬剤耐性を持つマラリアに感染させたネズミなどで実験したところ完治し、副作用もみられなかった。

 綿矢教授は「被害はアフリカなどの発展途上国に多い。少しでも安価な治療薬の開発につなげたい」と話している。



 立派な人だなぁ。

 しかし5000もの化合物を試したというのが凄いですね。野口英世も、天才的というよりは執念で菌の分離に成功してきたそうですが。こういう研究だったら忍耐強い日本人のほうが向いているのかもしれないなぁと思った次第であります。

 マラリアは、今でこそ人事のように扱っていますが、温暖化の影響でもしも日本の気候が上がったら、ハマダラ蚊が生息して日本でもマラリアが増えるのではないかと言われています。

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2007年09月23日

内臓を除去し忘れたシロサバフグをジャスコが販売

ジャスコが内臓除去していないシロサバフグを販売

 鳥取県は20日、同県日吉津村の「ジャスコ日吉津店」が内臓を除去していないシロサバフグを販売し客2人が買ったと発表した。1人は自宅でさばいて一部を食べたが現在のところ体に異常はなく、もう1人は特定されていないという。

 県条例はシロサバフグの肝臓や卵巣などについて「健康を損なう恐れがある」として、除去せずに販売することを禁じている

 県によると、ジャスコ日吉津店水産コーナーの従業員が20日午前9時半ごろ、肝臓や卵巣などを除去していないシロサバフグ4パックを誤って陳列。女性客2人が計3パック(計45匹)を購入した。



 危ない…。こういうミスって起こるんですねぇ。食料品関係は特に注意してもらわないと。

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2007年09月21日

海洋細菌の薬剤耐性が別の細菌に取り込まれる

薬剤耐性遺伝子、海の細菌から人体へ移動も 愛媛大研究

 抗生物質を効かないようにする薬剤耐性遺伝子は、自然界の海洋細菌から、人の体内にもいる大腸菌や腸球菌に移動しやすいことが分かった。耐性菌を含んだ生魚などを食べると、使ったことのない抗生物質でも効かなくなる可能性を示す結果だという。松山市で開催中の日本微生物生態学会と国際微生物生態学シンポジウムアジア大会の合同学会で、愛媛大沿岸環境科学研究センターの鈴木聡教授らが17日、発表する。

 実験では、魚の養殖でも利用される抗生物質の一つであるテトラサイクリンが効かなくなる耐性遺伝子を持った5種類の海洋細菌を使った。これらの海洋細菌と、大腸菌や腸球菌を一緒に培養した。すると、細胞の膜構造が互いに似ている場合に、耐性遺伝子が大腸菌や腸球菌に取り込まれる確率は最高1000分の1程度あった

 似た細菌が接触して細菌間で遺伝子が移動する確率は、100万分の1から10万分の1程度だとされる。ところが、耐性遺伝子では100〜1000倍高い値になった

 鈴木教授は「環境中の菌から、人の体内の病原性の大腸菌などに耐性遺伝子が移ると、抗生物質が効かなくなる恐れがある」と話している。



 なんというホラー。

 海洋細菌まで人類を脅かすのか…。かなり高い確率で遺伝子が取り込まれるようです。緑膿菌や結核菌だけでなく、全ての抗生物質が効かない大腸菌が出てくる日も近いかもしれません。

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2007年09月18日

適切じゃないリタリンの処方で、東京クリニックに立ち入り調査。

リタリン:新宿の医院に都が立ち入り検査 不適切処方で

 依存性の高い向精神薬「リタリン」の乱用が広がっている問題で、東京都と新宿区保健所は18日、適応症でない患者にリタリンを処方していたとして、医療法違反(不適切な医療の提供)の疑いで新宿区内のクリニックへの立ち入り検査を始めた。医師の裁量が幅広く認められている医薬品の「処方権」に踏み込んで検査を行うのは極めて異例だ。

 検査を受けたのは新宿区歌舞伎町1の「東京クリニック」=伊澤純院長(37)。医療法では、患者に適切な説明を行うなど「良質かつ適切な医療」を提供するよう定められている。

 都医療安全課などによると、東京クリニックはリタリンについて▽十分な診察もせずに処方▽適応症は難治性・遷延性うつ病なのに、軽症のうつ病患者にも処方▽依存症など副作用の経過観察を怠っている−−など、医療内容が不適切である疑いが強いとしている。

 東京クリニックを直接監督する新宿区保健所には、05年3月〜07年3月、患者の家族や医療関係者から「まるで覚せい剤販売のようにリタリンを処方している」「息子がリタリンを処方され続け、薬物依存になった」など、リタリンの処方や、伊澤院長の診療方法について計30件の苦情が寄せられた。

 このため同保健所は、口頭や文書で過去10回にわたり行政指導をした。しかし、その後も、適応症のない患者にリタリンを投与したり、同クリニックでリタリンを処方された患者が幻覚・妄想状態となって都内の病院に入院したとの情報をつかみ、医療内容の改善が図られていないと判断した。

 東京クリニックは04年3月に開業。医療法違反の疑いが指摘されていることについて、伊澤院長は毎日新聞の取材にクリニックの職員を通じ「取材には一切応じられない」としている。



 東京クリニックは、簡単にリタリンを処方する病院としてネットではとても有名でした。覚せい剤に似た作用を起こすリタリンを欲する人たちがここに集ったようです。

 向精神薬は、当然のことながら、むやみに出すわけにはいきません。故意に与えた場合(必要でないのに利益目的で与えた場合)、罰せられます。おそらく医師免許も一生剥奪されるのではないでしょうか。

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2007年09月08日

科学雑誌「CELL」の表紙に、荒木飛呂彦さん

人気漫画、米科学誌表紙に=日本人研究者論文、イメージ化−「ジョジョ」荒木さん

 人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で知られる荒木飛呂彦さんのイラストが、7日付の米科学誌「セル」の表紙を飾った。同誌に掲載された日本人研究者の研究内容をイメージ化したもので、医学や生物学の分野で権威のある同誌の表紙を、日本人漫画家が描くのは異例だ。

 論文は、神経細胞間のつなぎ目に当たるシナプスで神経伝達の調節に関与するたんぱく質の発見に関するもの。神経伝達の異常はアルツハイマー病や脳梗塞、統合失調症など多くの脳神経疾患でみられ、発見は治療法の解明などにつながると期待される。

 自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の瀬藤光利准教授らは、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解析と、遺伝子組み換えマウスを使った実験でこのたんぱく質を発見。神経伝達に直接かかわる他のたんぱく質を分解することから、壊し屋を意味する「スクラッパー」と名付けた。

 荒木さんの作品のファンだった瀬藤准教授は、つてをたどって論文内容のイメージ化を依頼。荒木さんはこれを受け、作中で「スタンド」と呼ばれる超能力を擬人化したキャラクターにスクラッパーをなぞらえ、標的となるたんぱく質を破壊する様子を描いた。



 問題の画像はこちらです。

 荒木氏の漫画を読んだことのある人はお分かりのように、いつもの漫画そのまんまです。一流科学雑誌の表紙をこれが飾り、全世界で流通し、手に取るのは医学者・生物学者という…。

 では荒木先生の漫画からセリフを借りまして、締めとさせていただきます。

 我が日本の医学薬学は世界一ィィィ!!!

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2007年08月21日

プラセボ効果には、脳領域である側座核が関与している。

「プラセボ効果」のメカニズムが明らかに

 「プラセボ(偽薬)効果」を引き起こす脳の領域が米ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)のDavid J. Scott,氏らの研究によって明らかにされ、医学誌「Neuron」7月19日号で報告された。プラセボ効果とは、患者自身効果があると思い込むことにより、偽薬を投与しても実際に効果が認められる現象。

 研究グループは、報酬予測に役割を果たすことが知られている脳領域である側座核(NAC)に着目。被験者には、試験のため新しい鎮痛薬またはプラセボのいずれかを投与すると伝え、全員にプラセボ(生理食塩水)を注射した。被験者はこの「薬」の鎮痛効果に対する自身の期待度を評価し、その後、「あごの筋肉に生理食塩水を注射する」という中程度の痛み課題を与えられ、「薬」の有無による痛みの緩和のレベルについても評価した。

 第一の実験では、PET(ポジトロンCT)を用いてNACからのドパミン(脳の報酬反応を誘発する物質)の分泌量を測定。その結果、薬剤の鎮痛効果に対する期待が大きいほどドパミン分泌も多いことが判明。さらに、「薬」による痛みの緩和を高く評価した人ほど、プラセボ投与時のNACの活性が大きかった。

 第二の実験では、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳スキャンの間に、被験者にさまざまな額の金銭的報酬を期待させた。このときのNAC活性が大きかった人ほど、プラセボ薬の有効性についても高い期待を示していたことがわかった。

 この知見は、プラセボ効果が生じるにはNAC系が活性化される必要があることを裏付けるものだと著者らは述べている。将来、さまざまな疾患の治療法開発にこの情報が役立つとも考えられるという。



 サブリミナル効果などと違って、プラセボは実際に効果があるから不思議なものです。高度な意識が人体を良い方向へ「騙す」ことができる、というわけですかね。

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posted by さじ at 20:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 薬理
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