[薬理]の記事一覧

2009年05月12日

薬の通販規制に対し離島など特定の条件では猶予を与える。

薬の通販規制、離島や継続使用者は2年間猶予 厚労省案

 一般用医薬品(大衆薬)の通信販売規制が6月に始まるのを前に、厚生労働省は11日、薬局などがない離島に住む人と、5月まで特定の薬を継続利用していた人に限り、規制後も2年間は通販を利用し続けられる、とした経過措置案を明らかにした。一般から意見を聴いた上で、省令を改正し、6月からの施行をめざすとしている。

 この日の専門家による検討会で示された案によると、離島の住民については、薬剤師らが電話などでの情報提供に努めることや販売記録の保存を条件に通信販売を認める。

 薬局で製造している漢方薬、胃腸薬など特定の薬を今月までに購入して、継続して使う人に対しては、同じ薬に限って、その店での通信販売を認める。ともに、都道府県への届け出が義務づけられる。

 厚労省は、通信販売以外で薬の入手が難しい人への救済策だと説明している。しかし、検討会で、ネットや通販の事業者は「離島が良くて、山間地などの過疎地の住民や、共働きで薬を買う時間がない人たちがダメな理由が分からない」(楽天の三木谷浩史社長)と強く反発した。

 一方、厳格な規制を求める薬害被害者団体や薬剤師会、配置薬業界からも「経過措置が拡大解釈される恐れがある」などと経過措置案に反対する声が上がった。ただ、「最終的には、行政の責任で対応すべきだ」(井村伸正座長)とされた。



 妥当なラインだと思いますね。

 まあそもそも大衆薬程度の代物とはいえど、通販での薬の弊害を考慮すれば規制して当然といったところでしょう。

 山間地は車がありますし、共働きで薬を買う時間がない人、というのもいささか限局しすぎな気がします。何より楽天社長が言うというのが説得力がないんですよね。

関連:薬害被害者が薬のネット販売全面禁止を訴える


posted by さじ at 06:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

2009年05月10日

アレルギー性を抑えた鶏卵の開発に成功する。

低アレルギー卵産む鶏誕生へ、インフルワクチン製造に期待

 広島大の堀内浩幸助教(免疫生物学)らのグループが、アレルギー性を抑えた鶏卵の開発につながる、鶏の万能細胞「ES細胞」の遺伝子組み換えに成功した。年内にも低アレルギー性の卵を産む鶏が誕生する見通し

 有精卵は、新型を含むインフルエンザワクチンの製造に使われ、卵アレルギーの人にも接種可能なワクチンができると期待されている

 卵アレルギーは乳幼児から10歳代に多く、発疹や呼吸異常を招き、重篤な場合は意識障害などを起こすアナフィラキシーショックで死亡することもある。鶏卵に熱や酵素を加えても、アレルギー性の強いたんぱく質・オボムコイド(OVM)は除去できなかった

 堀内助教らは2001年、鶏の血液や骨など組織のもとになるES細胞を作製する方法を発見。今年4月には、ES細胞内で、OVMを発現させる遺伝子の塩基配列を並べ替えることで発現を止める技術を確立した。遺伝子を組み換えたES細胞を受精卵に戻しており、5〜6月に第1世代約10羽が生まれる。掛け合わせで遺伝子が完全に組み換わり、OVMを含まない卵を産む第2世代が早ければ12月に誕生するという。

 インフルエンザワクチンは、鶏卵内で増殖させたウイルスを無毒化して作るのが一般的。卵の成分がわずかに残るため、重い卵アレルギーの人は接種を避けるのが望ましいとされる。堀内助教は長男(3)にアレルギーがあり、「同じ不安を持つ親子のためにも実用化を急ぎたい」と話す。

 手島玲子・国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部長の話「食品としては安全性のハードルがあるが、医薬品には早期の応用が期待でき、アレルギーのある人に朗報」



 これは有用性が高いですねぇ。インフルエンザワクチンを全ての人に注射できるという大きすぎるメリット。

 いずれは食用でも可能になるんでしょうね。卵の美味しさを味わえないというのは厳しすぎるので、卵アレルギー用の食用卵の開発はニーズがありそうです。

関連
医学処:少しずつ卵を摂取することで、卵アレルギーを改善する
医学処:中越沖地震で、アレルギーのある子供への対応が十分とられていない。
医学処:アレルギー体質の子供向け、お寿司ケーキを作成。
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2009年05月07日

微生物の眠っている遺伝子を目覚めさせて新たな抗生物質を作る

目覚めた遺伝子で抗生物質 微生物が生産、新薬に光

 微生物で通常は働いていない遺伝子を活性化させると、これまで作らなかった抗生物質を生産するようになることを見つけたと、食品総合研究所(茨城県つくば市)とアステラス製薬(東京)の研究グループが26日付の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジーに発表した。

 近年は微生物から新たな抗生物質を見つけることが難しくなっているが、放線菌では抗生物質を作る遺伝子の約80%が休眠状態という。活性化させる技術は“宝の山”を掘り出すものといえ、同研究所の越智幸三研究専門員は「新しい抗生物質を発見でき、新薬開発につながる」としている。



 あんな小さい生き物でも、一攫千金の可能性があります。一度見つけて商品化できれば相当な代物になるでしょう。新たな抗生物質を見つけられれば治療法も劇的に変化するかもしれませんしね。大いに期待です。

関連
医学処:インフルエンザ菌の6割が抗生物質効かず。
医学処:超多剤耐性結核菌に効く化合物を微生物化学研究会が開発
医学処:福岡大病院で多剤耐性アシネトバクター菌の集団感染。
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2009年04月29日

ビスフォスフォネートが放射線被曝による白血病を防ぐ。

骨粗しょう症治療薬、放射線誘発白血病を予防

 米研究グループが19日、骨粗しょう症の治療に使われるビスフォスフォネート剤が、放射線被ばくによる白血病を予防するという研究結果を発表した。

 それによると、マウスを使用した実験で、同剤に含まれる2つの化合物が放射線被ばくによる白血病の進行を遅らせたり、予防することができたという。

 実験では、マウスに放射線を照射し、薬を投与されなかったグループすべてが白血病を発症したのに対し、薬を投与されたグループの約半数は白血病を発症しなかった。また、薬を投与されて白血病を発症したマウスについても、発症を遅らせることができたという

 研究を率いた米軍放射線生物学研究所(AFRRI)のアレクサンドラ・ミラー氏は、軍関係者や宇宙飛行士らを放射線被ばくから守る方法を研究してきたが、今回の研究結果は放射線治療を受けるがん患者の白血病対策にもなる可能性があるとしている。

 人間の治療に適用できるようになるためには、今後も数多くの実験を続ける必要があるという。



 へー。面白い。

 今後放射線を浴びなければならないような職業の人のためにも、こういった薬の効果を明確にしておけば、万が一の時に役立つかも。

 ちなみにレントゲンとかで用いられる放射線量は微々たるものですので、まぁ普通に撮る程度ならおよそ白血病などの心配はないでしょう。

関連:骨粗鬆症の新しい治療に欠かせない「ヘッジホッグ」。
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2009年04月14日

カフェインの離脱症状は頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如

その症状、カフェインの離脱症状?

 研究によると、カフェインの離脱症状には頭痛、疲労感、眠気、集中力の欠如、風邪のような症状、イライラや憂鬱感などがみられるという。離脱症状は最後にカフェインを摂取してから12〜20時間後に表れ始め、2日後をピークとして最長1週間程度続くこともあるといい、当然ながら摂取量が多いほど離脱症状の程度も大きいとのこと。

 カフェインには血管を広げるレセプターをブロックする作用があるため、頭痛の原因となっている場合もあるそうだ。妊娠でカフェイン摂取量を減らす必要に迫られる場合もあるだろうし、パニック発作や不安神経症などを患っている人はカフェイン摂取を控えるよう推奨されるという。また手術前の断食などでカフェイン断ちせざるを得ない場合もあるだろう。そういった場合、他の薬物と同じように徐々に摂取量を減らしていくことがお薦めだそうだ

 北米では80〜90%の人が毎日カフェインを摂取しているとのことで、専門家らはその半分が頭痛などの離脱症状を示す可能性があるとしている。



 身近にある薬物中毒ですかね、これも。

 適量が一番ですねー。中世あたりから人類はカフェインとともに歩んできたといっても過言ではありませんが、今の社会ほど手軽に頻繁にコーヒーを飲むこともなかったのでは。文豪バルザックは一日に何十杯もコーヒーを飲んだそうですが、カフェイン中毒だったんでしょうねぇ。

関連
医学処:パーキンソン病予防に、カフェインが効く
医学処:カフェインは、ずきずきする痛みを和らげる効果がある。
医学処:コーヒーを飲む中高年はアルツハイマー病発症が極めて低い
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2009年03月31日

弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」

注射針使わず電流で 痛くない予防接種、京都薬科大開発
  
 注射針を使わずに、弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」の開発に、京都薬科大や北海道大などのグループが動物実験で成功した。麻酔薬などの投与法では実用化されているが予防接種成分ではできなかった。28日の日本薬学会で発表する。

 薬物に電気を帯びさせて、電流を使って皮膚に吸収させる手法は、注射針のように皮膚を傷つけず痛みもない。日本ではほとんど使われていないが、痛みを極度に嫌う人が多い米国などでは需要があるという。薬を飲み込めない高齢者や飲んでも吐いてしまう人などにも使われる。

 しかし、予防接種成分は、分子量が大きく、電気を帯びにくいため、この手法が使えなかった。そこで、京都薬科大の小暮健太朗教授らは、予防接種成分に、リポソームという電気を帯びやすい物質を混ぜて粒子状にした。ネズミの背中の皮膚に電流を流して送り込むと皮下にまんべんなく広がった。免疫が刺激され、予防接種成分に対する抗体ができたことも確認した

 インフルエンザでは最初に感染する鼻やのどなどの粘膜に抗体ができると、予防効果が高まるとされるが、予防注射による抗体は主に血液中にできる。今回の方法で、補助に加える物質を工夫すると粘膜にも抗体ができるという。



 へぇー。痛くないことって結構重要ですからね。

 極力患者さんには痛くないようにしてあげたい、とは医療従事者なら誰しも思うことですが、患者さんのためにもやらざるをえないわけですから。

 日本人は我慢が得意というか美徳に思っているところがあるんで、海外のように注射前に麻酔クリームを塗ったりすることはないんでしょうけれど、特に子供とかの場合はこういう手法のほうが良さそうです。

関連
医学処:想像の痛みと実際の痛みは、活動する脳の部位が同じである。
医学処:昔と違って「まったく痛くない」歯医者が増えている。
医学処:注射液の起こす痛みはワサビの刺激と同じ仕組み。
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2009年03月27日

アジサイの葉が原因とされた食中毒事件、原因物質検出せず。

アジサイの葉は毒?原因物質検出できず…昨年2件の食中毒

 アジサイの葉が原因と見られる食中毒が昨年、2件相次いだ。

 当初は青酸系の成分が原因とされていたが、1件では検出されず、もう1件も微量で、「シロ」の可能性が高くなった。アジサイが食卓に上ることは昔からあり、市場にも流通しているのに、過去に中毒の報告が全くなかったのも不可解で、「別の有毒成分があるのでは」「アジサイの種類によって違う」という見方も出ている。アジサイは、はたして有毒なのか。各地の研究者や行政担当者は首をひねりながら、謎を追いかけている。

 昨年6月13日、茨城県つくば市の飲食店で、8人が料理に添えられたアジサイの葉を食べ、吐き気や、めまいを訴えた。同26日には大阪市の飲食店でも客1人に同様の症状が出た。

 茨城県は、青酸中毒と似た急性症状だったことから、アジサイに含まれる「青酸配糖体」が原因で中毒が起こるという書物の記述を参考に、食中毒と発表。厚生労働省も、これをもとに全国に通達で注意を促した。

 ところが、客が食べた店先のアジサイを県で精密に調べても青酸配糖体は検出されず、農薬など他の毒性物質も出なかったという。

 厚労省には、複数の専門家が「そんな論文はない」と指摘。約80年前に米国で馬や牛が中毒したという簡単な報告しか見当たらず、8月に「知見が十分でない」と通達内容を訂正した。

 一方、大阪市立環境科学研究所は、葉1グラムあたり29マイクロ・グラムの青酸配糖体を検出したものの、「微量だから1〜2枚で中毒は起きないはず」と困惑する。

 他の自治体や大学も分析に乗り出したが、大阪以外では検出例はなかった。京都薬科大の吉川雅之教授らは、中国に自生する一種から青酸配糖体を検出。「国内でも多くの種類や産地で調べる必要がある」とし、26日に始まる日本薬学会で報告する。ただ、青酸配糖体では茨城県の事例の説明がつかず、「別の物質があるのだろう」という意見も多い。

 茨城県・食の安全対策室の担当者は「とても苦くて何枚も口にできない。それでも、天ぷらや刺し身のツマなどに飲食店や家庭で時々使われてきたのだから、もし毒があれば報告がなかったのは不思議だ」と話す。



 アジサイの葉の種類によって青酸配糖体含有量が異なる、ということでしょうか。専門家のほうでもよくわからん、ということですのでまぁ口にしないことが無難か。

 青酸配糖体が検出されなかった食中毒事件では、もしかすると別の食中毒だった可能性もあるわけですよね。原因の究明って難しい。

関連:アジサイの葉を食べると胃酸と反応して中毒を起こします。
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2009年03月23日

プロテアーゼの全構造を原子レベルで解明することに成功。

HIV酵素の全構造解明

 エイズウイルス(HIV)の増殖に欠かせない酵素「プロテアーゼ」の全構造を、原子レベルで明らかにすることに成功したと、日本原子力研究開発機構や京都薬科大などの研究チームが、米科学アカデミー紀要電子版に9日付で発表した。

 酵素の働きに重要な役割を果たすが、観察が難しかった水素原子の位置も特定できたため、効果的な治療薬の開発に役立つと期待されるという。

 チームは、プロテアーゼと、その働きを失わせる阻害剤が結び付いた結晶を作り、茨城県東海村にある原子力機構の研究用原子炉の中性子線を使って分析した。

 中性子線は、エックス線では観察するのが難しい、水素原子もとらえることができる。チームは今回、プロテアーゼが阻害剤とどのように結合するのかを詳細に観察することに成功した

 原子力機構の黒木良太ユニット長は「今回の成果を活用すれば、治療薬をより精密に設計できるようになる」と話している。



 原始レベルで。細かい箇所まで解明できれば、より効果的な治療薬を作ることができるようになるかもしれません。

 HIV治療薬は、エイズの発症を遅らせることができますが、それをより強力なものにし、かつ全世界の人がHIVに関する知識を確実なものにできれば、より根絶に近い形にまでもっていくことができるかもしれませんね。

関連
医学処:副作用の少ない新しいタイプの抗HIV剤を開発
医学処:耐性をもつHIVにも効く新エイズ治療薬を満屋教授らが開発
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2009年03月10日

細菌性髄膜炎を予防するHibワクチンの供給が不足状態。

ヒブの予防ワクチンが不足

 子どもの細菌性髄膜炎を引き起こす「インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)」の予防ワクチンが不足し、販売元の第一三共が先月から病院に対する供給調整を始めた。

 供給は月ごとに診療所で3人分、病院で10人分程度に限定され、希望者が多い地域では接種のめどが立っていない。患者家族や医師らで作る「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」は4日、供給不足を速やかに解消するよう求める要望書を、厚生労働省などに提出した。

 このワクチンは、昨年12月に販売が始まったばかり。同社では年間約100万本を供給する計画を立てていたが、販売開始を前にワクチンの認知度が急激に上がり、予想を大幅に超える接種希望が殺到。ワクチンとしては異例の供給調整を行う事態になったという。同社では、急きょ増産や輸入増を検討している。

 インフルエンザ菌b型は、鼻やのどなどにあるありふれた菌だが、脳の髄膜に感染すると髄膜炎を発症。5歳未満の乳幼児では2000人に1人の割合で発症し、患者の5%が死亡、25%に発達の遅れなどの後遺症が残ると言われている。接種費用は自己負担。



 まぁ販売が始まったばかりですからね。。。

 そりゃ親御さんなら誰しも、Hibワクチンを接種したいと思うでしょう。すぐにこの不均衡状態は改善されると思うので、いましばしお待ちいただきたい、というところでしょうか。

関連
医学処:小児の細菌性髄膜炎のワクチンの導入が延期される
医学処:細菌性髄膜炎予防のHibワクチン、公費負担となるか
医学処:Hibワクチンを接種していなかった乳児5人が死亡する。
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2009年03月03日

日本脳炎の新ワクチン「ジェービック5」を承認する。

日本脳炎 新ワクチン承認

 厚生労働省は23日、阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が開発した日本脳炎ワクチン「ジェービック5」を正式に承認した。

 原材料にマウスの脳を使用した旧ワクチンより、副作用が少ないとされる手法で製造されている。今夏の流行シーズンを前に、5月に発売を開始する見通し。

 日本脳炎ワクチンは定期接種の対象。しかし、重い副作用が出たとして同省は2005年、旧ワクチン接種の積極的勧奨を控えるよう各市町村に勧告。そのため、全国的に乳幼児の接種率が低下、現在年間10例にも満たない日本脳炎患者の増加が懸念されていた

 比較的副作用が少ない新ワクチンによる定期予防接種の勧奨を再開するか、厚労省は26日開かれる会合で検討する。しかし、積極的な定期接種を実施した場合、生産量が限られていることから供給量不足も予想されている。



 確かにワクチン接種による副作用は避けられないかもしれませんが、その疾患に感染することを考えれば予防接種はして然るべきではないか、と思います。

関連
医学処:日本脳炎の感染危険性が高いのは、広島、高知、長崎、香川
医学処:東大でも、入学前に麻疹予防接種を促す。
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2009年02月28日

iPS細胞で新薬の心臓への影響を検査する技術。

世界初、iPS細胞で新薬検査…心臓への影響を確認

 様々な臓器や組織の細胞に変化する人間の新型万能細胞(iPS細胞)を使い、新薬の候補になる物質が心臓へ副作用を起こすかどうかを検査するサービスが、早ければ4月に始まる。

 実施するのはバイオベンチャー企業リプロセル(本社・東京)で、iPS細胞を使って事業を起こすのは世界で初めて。ヒトiPSは、作製の公表から1年余りで実用段階に入る。

 新薬は、効能や副作用を動物実験などで確かめながら、数万種類の物質から絞り込んでいく。生死にかかわる心臓への副作用が、最終段階の臨床試験で初めて分かった場合、数十億〜数百億円に及ぶ開発費が無駄になりかねない。このため、早い段階で副作用を確かめる手法が求められていた。

 リプロセルは昨年、サルの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を利用し、心臓への副作用を検査する技術を確立。今回はこの技術を応用した。

 小さな電極60個を張り付けた皿に、iPS細胞から作った心筋細胞の塊(大きさ0・1〜0・3ミリ)を入れたところ、正常な心電図のパターンの検出に成功。心臓への悪影響が知られている化合物2種類をこの皿に加えたところ、不整脈のパターンを検出、副作用を確認できたという。

 横山周史社長によると、国内外の製薬会社約10社が関心を示している。



 なるほど。これは必要な技術でしょう。新薬開発には莫大なお金がかかります。そのバクチ度数を低くして確実にするために、心筋細胞の塊を心臓に見立てて、悪影響があるかどうかを臨床試験前に調べよう、と。良い案だと思います。

関連
医学処:iPS細胞で得られた情報をデータベースにする。
医学処:難病の解明のために、iPS細胞を用いる。
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プロプラノロールは嫌な記憶を薄めることができる。

高血圧治療剤に過去の嫌な記憶を薄める効果も=研究

 高血圧治療薬には嫌な記憶を消去できる可能性があるとの研究結果を医学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に発表した。将来的に、不安障害や恐怖症などの治療に活用できるかもしれないという

 アムステルダム大学の心理学者、Merel Kindt氏らの研究によると、健康な治験者が高血圧治療剤として知られるプロプラノロールを服用したところ、クモに対する恐怖の記憶が減退したという。

 これまでの動物実験では、恐怖の記憶は思い出す際に変化することがあるという。研究者らは、脳内の神経細胞に働きかけるプロプラノロールにも、記憶を薄める効果があると話している。



 プロプラノロール、いわゆるβブロッカーです。

 基本的に交感神経系を抑制するような働きをします。嫌な記憶がどういう仕組みで蓄積されているのかは分かりませんが、恐怖の記憶が減るというのは色々治療に使えそうです。

 けど、、、ただ普通に記憶が薄まるという効果はないんですかね、副作用として。なんか、あってもおかしくなさそうな気がするんですが。

関連
医学処:憂さ晴らしに酒を飲んでも、嫌な記憶が強化されるだけ。
医学処:恐怖の記憶にブレーキをかけるたんぱく質を発見する
医学処:高齢者は若い人よりも嫌な記憶を消すのが上手い。
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2009年02月17日

グレープフルーツの薬物代謝阻害作用をキノコが変化させる

食用キノコが、グレープフルーツジュース中の、薬剤を変化させる化学物質を吸収

 食用キノコが、グレープフルーツジュースが薬剤を変化させる作用を中和すると、USDAの研究者らが報告している。

 グレープフルーツジュースはおいしいだけでなく、身体にも非常に良い。抗酸化物質や他の有用な化合物を豊富に含んでいる。癌や心疾患の防止に役立つ可能性すらあるというエビデンスが存在する。

 しかしグレープフルーツジュースには弱点がある。多くの汎用薬剤を身体が排泄するために必要な肝酵素を阻害する種類の化合物を含んでいるのである。このグレープフルーツと薬物の相互作用は、薬剤による副作用のリスクを上昇させる。

 USDAの研究者Kyung Myung, PhDらは最近、ある非食用の真菌が、グレープフルーツと薬物の相互作用の原因となる化合物を何らかの形で吸収することを見出した。

 今回Myung博士のチームは、Morchella esculentaという食用キノコ(別名アシボソアミガサタケ)にも同じ作用があることを見出した。そして程度はそれよりやや劣るが、他の食用の真菌にも同様の作用がある。これまでのところ、そのリストには、ヒラタケの変種、紅麹、さらには一般的なかさの小さなキノコが含まれている

 USDAの研究者らはキノコを浸漬し、華氏250度(121℃)まで加熱して菌を死滅させた。次にキノコをすりつぶして真空濾過したものを、新鮮なグレープフルーツジュースまたは濃縮還元グレープフルーツジュースと混合した。

 試験した最高濃度において、すなわち1.7オンス(50ml)のジュースに大匙約3分の2のアシボソアミガサタケを加えたとき、標的化合物の大部分がグレープフルーツジュースから除去された。他の真菌ではそれよりも小さな効果が認められた。

 別の実験で、キノコがグレープフルーツジュースに含まれるすべての好ましくない化合物を除去するわけではなかったことが明らかになった。処理後のジュースと肝酵素との相互作用は依然としてオレンジジュースよりも大きかった。しかし処理後のジュースには未処理のグレープフルーツジュースの約半分ほどの活性しかなかった。



 グレープフルーツジュースに含まれる成分は、薬物代謝酵素のシトクロムP450を阻害する作用を持っています。よって例えば免疫抑制剤などを服用したときに、グレープフルーツジュースを飲むと、身体で薬の成分がいつまでも代謝されず、ときに効きすぎてしまったり副作用がでたりします。

 このキノコの成分をうまく使えばそのデメリットも解消されるのかもしれません。味については記事中でも保証していないようですが。笑
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2009年02月08日

セロトニンの分泌刺激でバッタは変貌する。

バッタが群れとなる原因は脳内物質セロトニン、英研究

 英国の専門家チームは、バッタが孤独相から群生相に相転換するのは、脳内の神経伝達物質セロトニンが原因であることを突き止めた。29日の米科学誌「サイエンス(Science)」で発表された。

 バッタの後ろ脚をくすぐると、2時間後、そのバッタは、作物を食い尽くす巨大な群れを構成する一員となる準備が整う。これは、脚をくすぐって刺激するのは、通常1匹で行動するバッタが、食糧不足のために集団にならざるを得ない状況でぶつかり合うのと同じ状況を作り出すことになるためだが、研究者らは群れを作る理由は分かってはいたものの、急激な生物学的変化が起こる仕組みについては90年間も頭を悩ませていた。

 研究論文の共同執筆者、ケンブリッジ大学(Cambridge University)のSwidbert Ott氏は、「セロトニンは脳内の化学物質で、人間の行動や他者とのかかわりに大きく影響を及ぼすものだが、これと同じ化学物質が、内気で孤独を好む昆虫を大集団に団結させるのを知るのは驚きだ」と語った。

 研究結果によると、セロトニンが、個々のバッタを敵対関係から引きつけ合うように変えるという。また、群生相のバッタのセロトニン水準は孤独相のバッタより3倍高いことも判明した。

 いったん群生相に相転換すると、緑色だったバッタは鮮やかな黄色に変わり、筋肉も増強して長時間の飛行や仲間の活動的な捜索が可能となる。数十億匹規模の大集団となって、餌を探して約100キロメートルの距離を5-8時間飛ぶこともできるという。

 だが、孤独相のバッタにセロトニンの生成を抑制する物質を注入すると、そのバッタは落ち着いたままで、後ろ脚を刺激したり群れが現れても群生相には転換しなかった。一方、セロトニンの分泌を刺激する物質を注入されたバッタは、きっかけとなる刺激がなくても群生相へと変形したという。

 もう1人の共同執筆者のオクスフォード大学(University of Oxford)のMichael Anstey氏は、「これまで、刺激を与えるとバッタが『ジキルとハイド』のような驚くべき変形を引き起こすことは分かっていたが、孤独相のバッタを巨大な群れへと変える神経系の変化を特定することはできずにいた」と述べた。



 バッタこわい・・・。

 バッタの大群は食物を即座に食い荒らすために天敵とされているようですけれど、セロトニンをうまいこと使うことが出来たら群れることもなくなるかも?

 人間も似たような作用あるんですかね。セロトニンの感受性の違いで。

関連
医学処:セロトニンを分解する遺伝子が欠損すると心配性で疲れやすくなる
医学処:恋愛している相手を見ると中脳の腹側被蓋野が活性化する
医学処:セロトニンが視覚に与える役割を解明する
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タミフルと風邪薬を同時に飲んだネズミに異常行動がでる

タミフルと風邪薬併用でネズミに異常行動

 インフルエンザ治療薬「タミフル」とカフェインなどの風邪薬成分を同時に飲むと異常行動が起きる可能性が高まることを、米ワシントン大学(ミズーリ州)の和泉幸俊教授(精神医学)らが明らかにした。ネズミを使った実験だが、和泉教授は「タミフル類と他の風邪薬の併用は避けたほうがいい」と呼びかける。論文は近く米国の専門誌に掲載される。

 和泉教授らは、タミフルをネズミに注射し、2時間後にカフェインとエフェドリンを追加注射した。その直後に行動の冷静さを調べる「Y字迷路」というテストをすると、ネズミは落ち着かず、同じ通路に何度も入り込み、行き当たりばったりに動いた。何も注射していないネズミと、タミフルだけを注射したネズミは正常な行動をした。

 タミフル後にカフェインとエフェドリンを注射した若い雄ネズミ12匹を観察すると、全匹とも体中にぐっしょり汗をかき、30分以上にわたって跳び上がったりそわそわしたりする過剰な活動をした。うち2匹は、仲間の上に乗るという異常行動を繰り返した。

 神経細胞の働きを直接調べる実験では、タミフルが体内で変化した状態の化合物にカフェインやエフェドリンをそれぞれ単独で加えた場合には異常はなかったが、双方を同時に組み合わせると神経伝達に異常応答があった

 カフェインは眠気防止のため市販の風邪薬やドリンク剤の多くに入る。エフェドリンは生薬「麻黄」の主成分で、生薬系の風邪薬に入っている。気付かぬうちに併用してしまう落とし穴に陥る可能性がある

 国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「大変興味深い。ただ、動物実験の結果はストレートに人間に結びつけられないので、人間での疫学調査も必要だろう。インフルエンザは、病気自体が異常行動を起こすことがある。薬を飲む、飲まないにかかわらず、看病する人は患者の様子を注意して見守ってほしい」と話している.



 タミフルがいけないというか、まぁ薬を複数同時に飲む際には注意が必要なのはどの薬でも言えることですけども。

 風邪薬とタミフルを同時に飲む人なんているのかなぁ。治りそうな気がする、という気持ちは分からんでもないんですけどね。絶対にやめて下さいね。

関連
医学処:転落死した中学生を調べたところ、タミフルは脳で検出されず。
医学処:タミフルの睡眠試験で、因果関係は認められず
医学処:タミフルだけでなくリレンザでも異常行動が認められる
医学処:タミフル服用後20分で、0.15%が脳に移動することが判明
医学処:10代患者に対するタミフル治療に混乱も。
医学処:NPOと厚生労働省でタミフルの異常行動発生率が異なる不思議
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2009年01月30日

微量の薬で人体への効果・副作用を予測するマイクロドーズ試験

微量の薬で効果・副作用を予測 新薬開発に新たな手

 臨床試験(治験)に先立ち、開発中の薬をごくわずか飲み、人体での効果や副作用を予測する技術の確立に向けた検証が、3カ年の計画でスタートした。人体への負担が少ないうえ、成功しそうにない治験は避けられ、1千億円ともいわれる新薬開発費を圧縮できる可能性がある

 「マイクロドーズ試験」と呼ばれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で、東京大学や医薬品開発支援機構、製薬メーカーなどによるグループが実施する。

 すでに承認された約20種の薬で、服用量の100分の1以下を飲んでもらい、放射性同位体や陽電子放射断層撮影(PET)などを用いて、体内での吸収や分布、代謝などを調べる。これで実際の効果や副作用をどの程度、予測できるかを検証する。

 厚生労働省は昨年6月、マイクロドーズ試験の実施にあたって、被験者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)など、手続きや届け出のガイダンスを作製した。杉山雄一・東大薬学系研究科教授は「(マイクロドーズ試験の導入で)治験の成功確率を3割程度まで上げられれば新薬開発にとって飛躍的進歩になる」と話す。



 治験は、動物実験などで人体に悪影響がないかどうか確認はするものの、やはり実際に病気の人に投与すると副作用が生じてしまう可能性というのはあります。

 しかし100分の1というごく少量の投与で効果を判定することができれば、新薬開発の負担はかなり減ることでしょう。あとはこのマイクロドーズ試験にどれだけの精度があるのかどうか、ですね。

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2009年01月11日

健康食品と医薬品の関連をまとめた健康食品ポケットマニュアル

健康食品と薬関係を1冊に

 健康食品の有効性、医薬品との飲み合わせによる副作用などの情報をまとめた「健康食品ポケットマニュアル」が出版された。

 臨床検査技師や看護師らでつくる「健康食品管理士認定協会」が2年がかりで国内外の研究論文などをもとにまとめた。

 マニュアルは、ウコンや黒酢など144食品、コエンザイムQ10やイソフラボンなど食品成分78品目について、〈1〉一般的な使用例〈2〉有効成分〈3〉相互作用がある医薬品一覧〈4〉検査値への影響――を紹介。例えば、抗血液凝固剤「ワーファリン」を服用している人が、滋養強壮に有効とされるクロレラを摂取すると、クロレラに含まれるビタミンKが薬の作用を著しく低下させるので注意が必要だヨーグルトも免疫抑制剤と併用すると感染症を引き起こす可能性があるという

 同協会理事長の長村洋一・鈴鹿医療科学大学教授は「健康食品に関しては誤解が多く、正しい情報知識を身につけることが大切。薬を処方する医師、看護師にも参考になる」と語る。

 1冊4000円。416ページで文庫本並みのサイズ。問い合わせは同協会((電)059・381・1510)へ。



 お、これ便利かも。検査値に与える影響が書かれているのはいいですねー。

 健康食品って薬とは違うんですけど、見逃すとエライことになることもありますからね。医療者としてはワーファリンとクロレラが拮抗することなどは知っていると思いますが、他のマイナーな成分に関しては知られていないことも多そうです。

 まあ、病院で薬を処方されるレベルなら、できるだけ健康食品は飲まないにこしたことはないかもしれません。もし何か飲んでるようでしたら主治医に「こういうのを飲んでいいですか」と聞いてみるといいでしょう。

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2008年12月31日

免疫抑制剤が効かない移植患者に、抗がん剤ボルテゾミブを使う

抗がん剤「ボルテゾミブ」、臓器移植の拒絶反応抑制に効果

 通常の免疫抑制剤が効かない臓器移植患者に抗がん剤「ボルテゾミブ(bortezomib)」が有効であることが分かったとする研究結果が、27日の米学術誌『トランスプランテーション(Transplantation)』に発表された。

 米オハイオ(Ohio)州シンシナティ大学(University of Cincinnati)の研究チームは通常の免疫抑制薬が効かずに拒絶反応が起きた腎臓移植患者6人にボルテゾミブを投与した

 その結果、患者全員の拒絶反応が治まって臓器の機能が改善され、抗体レベルも長期にわたって低下し、少なくとも5か月間にわたり拒絶反応の再発を抑えることができた

 論文の共著者の1人、同大学のスティーブ・ウードル(Steve Woodle)氏は、「この結果は臓器移植と自己免疫疾患に重要な影響をもたらす」と述べている。研究チームは、今回の予備的な結果を発展させるため、現在4件の臨床試験を行っている。

 ボルテゾミブは副作用の予測と管理が可能である上、毒性もほかの抗がん剤よりもはるかに低いことが分かっている。



 ボルテゾミブ、多発性骨髄腫の治療薬であるベルケイドのことです。

 ベルケイドはプロテアゾーム阻害薬といって、プロテアゾームの機能を阻害して、異常なたんぱく質を増やし、がん細胞を死に追いやります。

 プロテアソームは正常細胞にもあるので、ベルケイドによって正常細胞が障害を受けることは十分考えられます。実際、ベルケイドには、強い副作用が報告されています。本来は多発性骨髄腫のような血液がんの状態に用いられるものですが、確かに免疫抑制のために用いるのも、理にかなっているわけです。白血球を攻撃することができるわけですからね。
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2008年12月24日

アメリカのインフルエンザはタミフル耐性のものが多い

今冬の流行はタミフル耐性 / 米国のインフルエンザ

 米疾病対策センター(CDC)は19日、この冬に米国で流行が始まったインフルエンザの主流は、治療薬タミフルが極めて効きにくい耐性ウイルスであるとして、医師向けに注意喚起した。

 患者から分離されたウイルス50試料のうち、49(98%)で耐性が確認された。このウイルス型がどの程度広がるかは不明だが、タミフルを大量に使用している日本では特に警戒が必要になりそうだ。

 CDCによると、流行を始めたインフルエンザA型の「H1N1」と「H3N2」、同B型の計3種のウイルス型のうち、ハワイや米南部テキサス州などを中心に「H1N1」が最も多く、検査した試料中98%で耐性が確認された。

 リレンザなどほかの治療薬の効果はあることから、H1N1の感染が疑われたら、リレンザか、タミフルと旧来の薬の併用を勧めている。対策に最も効果的なのは予防注射だとしている。



 日本でも、おそらく、タミフル耐性のインフルエンザが流行中です。

 インフルエンザA型の場合はザナミビル(リレンザ)も有効ということは知られていますが、どうなんでしょう。

 インフルエンザは致死率はそれほど高くはないですし、薬を飲まなくても治療できるものですが、有効とされるタミフルがこれほど早く無効になるとはねぇ。ウイルスの脅威です。

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2008年12月18日

脳の働きを増強する薬は何故合法化されないのか?

「脳を増強する薬」合法化を主張する『Nature』論説

 脳の働きを安全に高めてくれる薬があるのなら、なぜ使わないのだろうか? 自分が使いたくないからといって、なぜ他人の使用まで止めるのだろうか?

 成績や仕事の評価を上げたいため、本来なら注意欠陥障害の患者に処方される薬を、その目的とは違った意図で日常的に、違法に服用している人々が存在する中では、こうした倫理的な問いかけが時宜を得たものになる。

 『Nature』誌から、1つの答えが提示された。倫理学や神経科学の分野で著名な7人によって、12月11日号に掲載された論説「認識能力増強薬の、健康な人による責任ある使用に向けて」だ。

 結論を言えば、合法化すべしということだ

「責任能力がある成人は、薬による認識能力の増強を認められるべきだ」と彼らは書いている。

 大学生の約7%、科学者の最大20%がすでに、精神機能を高める目的で『リタリン』[製品名。成分名はメチルフェニデート]、『アデラール』[同上。アンフェタミン]といった薬を使用している。これらの薬は本来、注意欠陥障害を治療するためのものだ。

 化学物質によって認識力を増強することは一種の不正だという指摘がある。自然に反すると言う人もいる。Nature誌の論説は、これらの批判に次のように反論している。まず、脳の働きを高める薬が不正とみなされるのは、規則で禁止されているからであり、そもそも禁止する必要はないという。こうした薬が自然に反するという指摘については、そうであるなら医学や教育、住居も自然のものとは言えないと主張する。

 この主張はさまざまな意味で説得力がある。自然に反するという理由で、殺菌された牛乳や歯科麻酔、セントラル・ヒーティングを否定する人はいない。また、脳が変化した場合、その原因が薬、教育、健康的な食事のどれにあるとしても、神経生物学のレベルではどの変化も同じであり、これらを道徳的に区別するのは恣意的といえる。

 しかし、一部の人が認識力を増強する薬を使用した場合、他のすべての人が、自分の意思にかかわらず追随せざるを得なくなる可能性はないのだろうか?

 多くの人の能力が上がれば、能力が上がった状態が普通になる。その結果、脳の働きを高める薬を使用することが、仕事を得るための基本的な要件になるかもしれない。

 学問の世界で「景気づけの1杯」のようにごく普通に使われているリタリンやアデラールは、脳の働きを高める薬の第1世代にすぎない

 次に登場したのが『プロビジル』[商品名。成分名はモダニフィル]という「覚醒を促進する薬」で、一睡もせずに何日も起き続けていられたり、記憶力が向上したりする効果がある。今後、もっと強力な薬が生み出されるだろう。

 Nature誌の論文にも書かれているように、「認識力の増強は、人体の最も複雑で重要な臓器に作用するものだ。そのため、予期せぬ副作用のリスクは高く、重大だ」。しかし、たとえ安全性が確認されたとしても、労働者がマラソンのように高い能力を発揮しながら起き続けることを期待されるようになったらどうだろう?

 筆者の知り合いのほとんどはすでに週50時間働いており、友人や家族、生活のための時間を作るのに苦労している。仕事を失わないためにロボットのような人間になることは、誰も望んでいない。そこで、精神生物学を専門とするカリフォルニア大学サンタバーバラ校のMichael Gazzaniga教授に疑問をぶつけてみた。同氏は論説の執筆者に名を連ねている。

 「まず、優位に立つために使い始める人が現れる。そして、使用する人が増えれば、使っていない人は、実質的に高くなった新しい基準についていかなければと感じるようになる

 Gazzaniga教授は、こうも指摘している。「誤用や乱用を恐れるがゆえに、年配者の記憶障害(もしくは若年者の認知障害)への効果を持つかもしれない薬に関する研究が阻害されてしまうかもしれない」

 そうなったとしたらそれは、21世紀における「麻薬との戦い」から生じる副次的損害といえる。そして「麻薬との戦い」は、費用がかかり効果は薄い。脳の増強の問題は、そういった文脈のなかで考える必要もあるだろう。

 リタリンとアデラールは『スケジュール2』の薬物に指定されており、米国の法律ではアヘンやコカインと同等の扱いだ。

 「認識力を安全に増強する方法を求めている人たちが重罪に問われることがないよう、こういった法律を修正すべきだ」と論文には書かれている。法律の文言どおりなら、大学生の7%と科学者の20%は刑務所に入ることになる。筆者も同様だ。

 リタリンは服用した日には効果があっても、その翌日の疲労が激しく仕事はできない、常用すると不安などの副作用が現れる、などの報告がある。

 メチルフェニデート(リタリン)は難治性・遷延性鬱病や慢性疲労症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)などに使われる中枢神経刺激薬。約85%が米国で消費されているが、日本では2007年ころから「リタリン依存」が社会問題化。薬事法の改正で、通常の向精神薬よりも一段と厳しい管理が要求されるようになった。処方に従わずに規定量を逸脱した量を服用した場合、副作用や後遺症、薬物耐性による服用量の増大、依存などを引き起こす可能性が高い。

 アンフェタミンは、合成覚醒剤の一種。ナルコレプシーやADHDなどの治療に用いられ、能率向上や娯楽目的での濫用は、ほとんどの国で違法とされる。密造と濫用がヨーロッパ諸国で横行。さらに米国などでは、処方されたアンフェタミンが横流しされ、高校や大学で最も頻繁に濫用される薬剤の1つとなっている。習慣性を生じやすく、依存症となった患者には、不穏状態、不安、うつ、不眠、自殺衝動といった症状があらわれる



 うーん。でも結局ドーピングのようなものですしね。スポーツの世界において、何故ドーピングが禁止なのか、スポーツする上で人間の体を増強させて何が悪いのか、と言ってるようなものです。

 確かに眠らなくなる、集中力が上がるといった「スマートドラッグ」の類は魅力的です。どんな人間でも仕事の能率や記憶力を上げたいと思うものでしょう。そういう情報処理をメインに行わなければいけない社会で生きているわけですから。

 でもこういった薬を合法化したら、生活スタイルが根底からおかしくなると思うんですよね。副作用だってあるわけですし、誰もが飲むことを強制しているようなもんじゃないですか。それは社会の退化に近いようなものだと思います。


29 名前: タチウオ(コネチカット州) 投稿日:2008/12/16(火) 23:45:52.18 ID:5pJYCLUm
科学的根拠はしらんが
高校三年途中からリタリン飲み出した俺の場合は
現役時偏差値50だったのが浪人した頃に70に上がってて京大受かったよ
1日12時間とか信じられないくらい集中して勉強できてた

でも合格が実力じゃなくて薬のおかげだったとしたらへこむな

ちなみに睡眠障害で処方されてて27歳の今でも飲んでる

44 名前: さくらんぼ(兵庫県) 投稿日:2008/12/16(火) 23:49:55.29 ID:BUjBVzal
>>42
なんか後で反動がありそうだな・・・

87 名前: タチウオ(コネチカット州) 投稿日:2008/12/16(火) 23:57:02.36 ID:5pJYCLUm
>>44
実際いま健忘症がすごくやばい

42 名前: レタス(コネチカット州) 投稿日:2008/12/16(火) 23:48:40.54 ID:5pJYCLUm
確かにリタリン飲むと眠気は飛ぶな
自分の集中力を試してみたら英単語を1日で500くらい暗記できた

ただきっと脳によくないし
何より切らすと不安になるから薦めないよ

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posted by さじ at 02:05 | Comment(3) | TrackBack(0) | 薬理
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