[薬理]の記事一覧

2011年05月21日

術後の鎮静剤過量投与で心臓停止。病院側に7千万円の支払い

手術後植物状態、病院側7千万円支払いで和解 福岡高裁

 2004年に福岡市の浜の町病院で食道がんの手術を受けた後に意識不明になった男性(67)=福岡県太宰府市=と妻(67)が、病院を運営する国家公務員共済組合連合会(東京都)などに約1億3700万円の損害賠償を求めていた医療過誤訴訟で、同連合会が男性側に和解金約7千万円を支払うことで和解が成立した。男性の妻が9日、明らかにした。先月22日に福岡高裁で成立した。

 訴状によると、男性は04年3月に食道がんの手術を受けた後に鎮静剤を投与され、2日後に心臓停止。そのまま植物状態になったという。原告は、鎮静剤の過剰投与が原因で引き起こされたとして、当時の担当医師に過失があったと主張していた。

 和解では、病院の過失は認められていないが、病院が男性側に「陳謝」し、再発防止を約束したという。男性の妻は「医療現場で考えられないことが起きると知らされた」。病院側は「和解の提案がなされ、応じた。それ以上はコメントしない」としていた。



 まー、、、

 鎮静剤の量、というか、薬の量って、案外軽視されがちといいますか、まぁしょうがないんですけれども、だいたい同じように使うわけで、例えば、個々によって1〜20mgの間でどこを使うか、なんて厳密な指標があるわけではないですからね。

 それでも、「薬を使うということは怖いこと」を改めて認識しながら、使うべきではありますからね。もう一度、惰性で出すのではなく、「大丈夫か」と思いながら、怖がりながら使うのを意識しましょう。


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2011年05月20日

武田薬品がスイス大手製薬会社を1兆円超で買収する

武田、スイス製薬大手を1兆円超で買収−欧州・新興国でプレゼンス拡大

 武田薬品工業は5月19日、欧州や新興国で事業を展開するスイスのナイコメッド社を約1兆1100億円で買収すると発表した。欧州での事業基盤の強化や、医薬品市場の成長をけん引する新興国における事業拡大、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬ダクサスの獲得などを目的としている。買収によって、武田の医療用医薬品の世界売上高ランキングは16位から12位に浮上し、カバーする地域は28か国から約70か国に拡大するという。

 長谷川閑史社長は同日、東京都内で開いた記者会見で、「ナイコメッドと武田のビジネスにはオーバーラップが少なく、お互いの強みを生かした相乗効果が発揮できる」と買収の意義を強調した。

 ナイコメッドの昨年の売上高は約3200億円(買収対象外の米国皮膚科事業を除く)で、このうち欧州で1563億円とおよそ半分、新興国で1248億円と約4割を占める。一方、武田の欧州での売上高は1129億円、新興国は178億円であるため、ナイコメッドの売り上げが加わると、欧州での売り上げは2倍以上、新興国では約8倍に拡大する。武田では、2015年の医療用医薬品の地域別売上高構成比を、▽日本35%(昨年は40%)▽北米23%(42%)▽欧州21%(15%)▽アジア・新興国21%(3%)-と見込んでいる。

 また、ダクサスについて長谷川社長は、「COPDの炎症を悪化させる原因となるメカニズムを阻害し、炎症を抑制するファーストインクラスの経口薬。米国と欧州では承認されているほか、新興国ではCOPDの患者数が先進国以上という調査結果もあり、新興国市場でのプレゼンス向上に寄与する」と説明。15年の売上高見込みは5億ユーロ規模とした。



 武田製薬爆心中。

 市場ってやっぱり大事なんでしょうねぇ。旨みも大きいか。
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2011年05月10日

製薬会社ファイザー、高脂血症治療薬リピトールの特許切れ。

米ファイザー10%増益 1〜3月、処方薬は伸び悩む

 米製薬大手ファイザーが発表した1〜3月期決算は、売上高が前年同期比横ばいの165億200万ドルだった。特許切れなどが影響し処方薬の売り上げが伸び悩んだ。一方、純利益は税負担減少などで同10%増の22億2200万ドルとなった。

 1株利益は0.28ドル(前年同期は0.25ドル)。買収費用など特殊要因を除いた場合の1株利益は0.60ドルで、市場予想(0.59ドル程度)を上回った。

 地域別売上高は、米国が3%減収、その他の地域が2%の増収。事業再編や買収に伴うコストが膨らんだが、研究開発費の削減で対応した。為替は全体で1%程度の増収要因となった。

 部門別では、最大事業のバイオ医薬品が2%の減収。米国外で特許切れが始まった高脂血症治療薬「リピトール」の落ち込みが大きかった。動物向け医薬品事業は16%増収、市販薬を含むコンシューマーヘルスケア部門は12%の増収だった。

 同社のイアン・リード最高経営責任者(CEO)は「多くの主力薬や、新興市場の売り上げは順調に伸びている」として11年通期の業績見通しを、1株利益で2.16〜2.26ドルとした前回予想を据え置いた。



 主力のリピトールでの収益がなくなったのは痛いとはいえ他の部分で補えてはいるようです。

 日本ではなかなか旨みが少なくなっているのかなぁという気もしますけれど、まだまだ製薬会社は強いようです。良い薬を開発するためには莫大な研究費がかかるので、旨みがあって然るべきとは思いますけれどもね。
posted by さじ at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

2011年05月09日

ステロイドの使い方について。副作用を防ぐにはどうしたらよいか。

ステロイドの副作用と用法による違い

 ステロイドは、薬効がほぼ確実という強みもありますが、非常に副作用発症率の高い薬剤でもあります。にもかかわらず、研修などを行っていると、意外に副作用について把握していない薬剤師が多いことに気づかされます。特に、経口ステロイドでは原則禁忌となっている「高血圧症」「緑内障(セレスタミンでは禁忌)」はほとんど無視されている印象さえ受けます。また、目の感染症や、白内障、緑内障は点眼剤でも起きるにも関わらず、ステロイド点眼液の濃度ミスも散見されます(例:リンデロンの点眼液は、「リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%」と「リンデロン点眼液0.01%」では10倍の濃度差があります)。

■副作用の種類と用法・用量による違い

1)大量(プレドニゾロン換算で1日40mg以上)投与した場合に起きる副作用
高血糖、不整脈
 ⇒投与数時間後から現れてくる副作用です。

2)中等量(プレドニゾロン換算で1日20mg以上)以上投与した場合に起きる副作用
高血圧、不整脈、高血糖、精神障害、浮腫
 ⇒投与後、数日以内に起きてくる副作用です。
感染症(細菌)、無菌性骨壊死、骨粗鬆症、満月様顔貌、脂質異常症、精神障害、緑内障、ステロイド筋症、消化性潰瘍、高血糖
 ⇒投与後、1〜2カ月ごろから現れてくる副作用です。

3)少量でも起きる服用
感染症(ウイルス、結核)、満月様顔貌、二次性副腎不全、骨粗鬆症、脂質異常症、動脈硬化、白内障、緑内障、ステロイド筋症、消化性潰瘍、高血糖
  ⇒投与後、3カ月以上たってから起きてくる副作用です。

 なお、吸入ステロイドは、従来「原則禁忌」の項目に高血圧がありましたが、現在では削除されています。

■小児に注意すべき副作用

 小児で特に問題になるのは、成長障害ですが、容姿の変化(ざ瘡、満月様顔貌、野牛肩、多毛、皮膚線条、中心性肥満など)も重要だと捉えられています。

■高齢者に注意すべき副作用

 高齢者で、最も注意が必要なのは、感染であると言われます。時として致命的となるからです。そのほか、動脈硬化は心疾患や脳血管障害の原因になりますし、精神障害は高齢者では記憶障害として現れることがあります。ステロイドミオパチーは、筋力低下を起こし、骨粗鬆症と並んでADL低下の原因になります。

■副作用を回避する工夫

1)用法変更による回避
 ステロイドの副作用は、一般に、持続点滴のような継続使用時に最も大きくなります。ですから、経口薬などでも、分割する投与回数が多ければ副作用も大きくなります。

 可能であれば、分1投与や隔日投与にしますが、炎症性疾患では、症状が日単位で起きるので、隔日にすると服用しない日に治療効果が得られません。

 この他、副作用回避のために、次のような用法変更が行われることがあります。

a)短期大量投与:短期間で投与を終了できます。
b)他の療法との併用:漸減しつつ、他の免疫抑制剤などをかぶせる方法です。
c)漸減:少しずつ1日量を減らしていく方法です。後半は0.5〜1mg単位で減らすこともあります。
d)隔日投与:1日おきに連日必要分の2倍量を投与する方法です。

2)薬剤変更による回避
 高血圧を回避するのに、電解質作用の少ないベタメタゾンやメチルプレドニゾロンに変更するといった方法です。

3)予防薬投与による回避
 消化性潰瘍に対するPPIの投与、骨粗鬆症に対するビスホスホネート系薬剤の投与などです。

4)日常生活の工夫や検査での初期症状チェックによる回避
 食事療法を取り入れたり、ものの見え方や感染症初期症状の自己チェックを行うように指示が出ることがあります。また、各種の検査を行うことで、副作用を早期に発見できます。



 ステロイド、というと、怖い薬と思われがちですが、医療の分野では幅広く使われます。免疫能を抑制することで日常生活を楽に行えることが多いからです。アレルギーだけでなく、神経内科などの分野でもよく用いられます。というかほとんどの科で使われますね。

 もちろん副作用がおきやすいことも知られています。そこは副作用が起きた場合に、主治医や薬剤師と相談すると良いと思います。決して自己判断でどうこうしようとしないようにしてください。
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2011年04月30日

ガードナー国際賞に自然免疫関連タンパク質を発見した審良静男教授

ガードナー国際賞に審良静男教授

 医学の分野で世界的な発見や貢献をした研究者に贈られるガードナー国際賞に、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの審良静男教授が選ばれた。

 10月にカナダで授賞式がある。受賞理由は、自然免疫の中核を担うたんぱく質の発見。体内に初めて侵入した病原体を異物と認識して攻撃する自然免疫の仕組み解明に貢献した。仏国立科学研究センターのジュール・ホフマン博士が共同受賞する。

 賞金はそれぞれ10万カナダドル(約830万円)。受賞者の約4人に1人がノーベル医学生理学賞や化学賞を受賞している



 栄誉ある賞に。自然免疫を担うタンパク質を発見するという全ての医療の土台のような発見。もしかするとノーベル医学賞も夢ではない?
posted by さじ at 17:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

2011年04月29日

だだちゃ豆に肝機能改善効果のあるオルニチンが枝豆の5倍ある。

「だだちゃ豆」の成分に、肝機能改善や疲労回復に効果があるとされるアミノ酸の一種「オルニチン」

 山形大農学部の阿部利徳教授(62)(遺伝育種学)は、山形県鶴岡市特産の「だだちゃ豆」の成分に、肝機能改善や疲労回復に効果があるとされるアミノ酸の一種「オルニチン」が、一般的な枝豆の最大約5倍も含まれているとの研究成果をまとめた。

 阿部教授は「だだちゃ豆は味だけでなく、健康にも良いことが証明された」としている。来月、専門誌に論文が掲載されるほか、同市内で今月27日に開かれる研究報告会でも発表される。

 阿部教授は20年以上前、だだちゃ豆を初めて科学的に調べた同学部の研究に携わったのをきっかけに、自身の研究テーマにした。鶴岡市高坂の農場で毎年、膨大なサンプルを栽培しており、今では第一人者として、農協職員らに栽培方法を教えるなどしている。

 今回の研究は「だだちゃ豆はなぜ、ほかの枝豆と味が違うのかを、アミノ酸の成分から徹底的に調べたい」と思い立ち、約5年前に本格的な成分分析を始めた。

 実験では、だだちゃ豆のうち「甘露」「尾浦」など代表的な9品種と、比較用に通常の枝豆を2種類用意。2007年産と09年産のさや各2つ分を液化して専用の機械で成分を分析し、23種類のアミノ酸を抽出した。

 その結果、通常の枝豆は100グラムあたり10ミリ・グラム以下だったオルニチンが、だだちゃ豆では全ての品種で同10ミリ・グラム以上あった。

 特に、ピークを迎える8月に市場に出回る「早生白山」「白山ダダチャ」では同30〜50ミリ・グラムと、明らかな差を示した。オルニチンの量が多いと言われるシジミは同10〜15ミリ・グラムで、多くのだだちゃ豆を下回っている。

 また、通常の枝豆では、うまみを示す「スクロース」が同約3グラム程度にとどまるのに対し、だだちゃ豆では同4〜5グラムと、「明らかに甘くておいしいとわかるレベル」(阿部教授)で検出された。

 阿部教授は「鶴岡の夏の定番となっている『だだちゃ豆に生ビール』という組み合わせが、科学的にも理にかなっていることがわかった。これまで、だだちゃ豆の成分を詳細に比較分析したデータはなく、後発の実験の基準にもなる」としている。

 一方、なぜ、だだちゃ豆だけにオルニチンが多いのかは解明できていないといい、今後の研究課題となった。

 阿部教授の研究成果は、3月発行の専門誌「育種学研究」に論文として掲載される予定。また、同学部の教授陣が今月27日に鶴岡市末広町のマリカ東館3階で開催する「地域在来作物の高度化利用研究」の報告会でも発表される。



 なるほど。だだちゃ豆にビールは肝臓をサポートする意味でとってもいいかもしれません。

 でもだだちゃ豆ってマイナーですよねぇ。全国的にもっと広まってお手軽に手に入れば、枝豆感覚で食べちゃうんですけども。
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2011年04月26日

准教授が学生時代に豆腐屋でみつけた酵素、宇宙で実験へ。

豆腐店起源の酵素、宇宙へ…エイズ、高血圧解明に期待

 長岡技術科学大(長岡市)などのグループが、たんぱく質分解酵素の結晶構造解明を目指し、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」での実験実施を目指している。

 「DAP B2」と呼ばれるこの酵素は、たんぱく質分解の仕方が非常に珍しく、そのメカニズムを調べることで、病人への栄養補給に応用したり、たんぱく質分解が関係しているとみられるエイズや高血圧の発症の仕組みを解明したりなどの成果が期待されるという。

 この酵素は、ある微生物(バクテリア)から生成されるが、それは約20年前、豆腐製造の廃液の中から発見された。当時同大の学生だった小笠原渉准教授と、教授だった森川康・名誉教授が、特殊な能力を持つ微生物を採集するため、長岡市上除町の「今井豆富店」で廃液を調べる中で、行き当たった

 たんぱく質は、アミノ酸が鎖のようにつながった構造をしているが、この酵素は、たんぱく質をアミノ酸2分子からなる「ジペプチド」単位で、規則的に切断していく働きがあるという。

 ジペプチドは、栄養素として、アミノ酸より消化吸収が早い。この酵素の働きがわかれば、たんぱく質からジペプチドを大量に生成させて、病気で栄養補給が困難な患者に対し、利用が可能になるという。

 この酵素がなぜこうした働きを持つのかは不明で、これを調べるには、結晶の構造解析が必要。無重力状態で結晶を生成させれば解析できる可能性が高く、小笠原准教授らは昨年、「きぼう」内で行う実験として応募し、最終選考候補に残った。選考結果は4月下旬にわかる。

 小笠原准教授や、同大出身で岩手医科大(岩手県)の野中孝昌教授らがグループを作り、共同研究を進めている。選考されれば、今年6月21日にカザフスタンで打ち上げられるプログレス補給船に搭載され、宇宙飛行士により「きぼう」で結晶生成の実験が行われた後、ソユーズ宇宙船で9月16日に同国へ帰還する予定。

 小笠原准教授は「長岡の豆腐店から広がる、宇宙への道。応用範囲が広く科学的にも期待が大きいので、ぜひ実現して、構造解析を成功させたい」と話している。



 好奇心って大事ですね。学生のころみつけたものが今まさに宇宙へ。ロマンあふれます。
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2011年04月22日

ヨードうがい薬は安定ヨウ素剤の代替品とはならない。

うがい薬「飲まないで」と専門家 買い求め客が急増

 東日本大震災に伴う福島原発放射性物質漏えいで15日、首都圏でも通常より高い放射線量を観測した。都内の薬局でヨウ素入り消毒薬やうがい薬を買い求める客が急増。放射線医学総合研究所は「内服すると有害成分が多い。飲むのは絶対にやめて」と呼び掛ける。「これは安定ヨウ素剤でなく、うがい用です」とレジで念を押す薬局も。

 世田谷区の薬局では、うがい薬やヨードチンキが在庫切れに。被ばくによる健康被害を抑える「安定ヨウ素剤」服用には医師の処方が必要だが、ヨウ素はうがい薬などにも含まれるため、代替品と誤解されやすい

 大手量販店ドン・キホーテはここ数日、首都圏の店舗中心に高機能マスクや消毒用ハンドソープ売り上げが通常の2〜3倍で「放射能対策かも。インフルエンザ予防用なのに」と困惑する。埼玉県内のホームセンターは地震発生直後からカセットこんろやペットボトルの水が品薄になり、今後は肌を隠す雨がっぱや帽子などの需要が増えると予測。「客は何としても身を守りたいという心理状態になっている」と指摘する。

 乾電池などがほぼ完売の都内のスーパーも、入場制限するほど客が開店前から詰め掛け「原発事故の影響は予測できない」と不安を口にする。

 東京ディズニーリゾートやよみうりランドなど、地震直後から休園を続ける遊園地も多い。東京・浅草花やしきは営業を再開したが「原発との関係は分からないが、客は極端に少ない」と話す。



 全くの別物ですからね。これ。要注意です。(医者でも結構分かってない人がいるようですが)
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2011年04月20日

プラセボ効果の逆バージョン「ノセボ効果」も正しく作用するという実験

プラセボ効果とは逆の"ノセボ"効果も作用

 プラセボ(偽薬)を服用してもそれが薬だと信じていれば効果がみられがちな「プラセボ(placebo)効果」は一般的に知られているが、その逆も真実であることが新しい研究によって示唆された。

 ドイツ、ハンブルク大学メディカルセンター神経学のUlrike Bingel博士らによる今回の研究では、薬剤の投与量を変更しなくとも強力なオピオイド系鎮痛薬であるレミフェンタニルの使用状況(有無)を信じることで疼痛レベルが大きく変動した。また、患者に薬剤投与の中止を告げるとまもなく、疼痛レベルが急上昇する“ノセボ(nocebo:反偽薬)”効果)がみられたという

 同氏らは、健常ボランティア22人にレミフェンタニルを投与し、治療に対する患者の期待を変化させてその効果を調べた。まず被験者を脳MRIスキャナーに入れ、薬剤投与のための静脈ラインを確保後、痛みが生じる点まで被験者の脚を加熱し、それぞれの被験者が7割の痛みであると最初に評価したレベルに疼痛を設定した。同時に、レミフェンタニルを投与したが、そのことは被験者には告げなかった。

 被験者の自己申告による平均疼痛レベルが100点満点の66点から55点に低下後、(すでに投与していた)同薬の投与を開始したと告げたところ、平均疼痛レベルは39点まで劇的に低下した。“ノセボ”効果を調べるため、同薬の投与中止を告げると、被験者は再び疼痛を感じ始め、疼痛レベルは平均64点上昇し、鎮痛薬をまったく使用しない場合と同程度になった

 また、MRIスキャンでは、試験の各段階で被験者の疼痛や疼痛軽減に対する期待に応じて異なる脳活動がみられ、特に、鎮痛薬を服用していると考えていると、脳の領域は疼痛シグナルが脳や脊髄に到達しにくい状態になっていた。Bingel氏は「この研究は薬効への期待が治療効果に大きく影響するエビデンス(科学的証拠)をもたらす。全体的な治療結果を最適にするため、医師は薬物療法に対する信念や期待、経験をより体系的に評価し、統合すべきである」という。

 別の専門家は「医師は治療に関する患者の教育をうまく行ない、誤った期待や否定的な期待を限定させなければならない。そうすれば、結果がはるかに良くなり、患者が治療により満足すると思われる」と述べている。



 そうなると、ネットで簡単に情報を得られる時代というのはなかなか難しいですね。

 別にだますわけではなくとも、どんな薬も、「効かなかった」という意見などザラに書き込まれています。例えばとある抗うつ薬があったとして、ネットで「これ全然効かなかった」「俺も」「俺も。てか副作用強すぎ」と書かれていたら、誰だって飲み続けるのをためらいますよね。

 薬に個人差はあっても、少なくとも医者は効くと信じて処方しているわけで、それにノセボ効果が働いてしまったら、せっかくの治療もうまくいくはずもなく。
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2011年01月03日

子宮頚がんワクチンの筋肉注射で失神を起こす事例が多発。

子宮頸がんワクチンで副作用、失神多発

 子宮頸がんワクチンの副作用として、気を失う例の多いことが、厚生労働省の調査でわかった。

 接種者の大半が思春期の女子で、このワクチン特有の強い痛みにショックを受け、自律神経のバランスが崩れるのが原因とみられる。転倒して負傷した例もあるという。同省は「痛みを知ったうえで接種を受け、30分程度は医療機関にとどまって様子を見るなど、注意してほしい」と呼びかけている。

 子宮頸がんワクチンは、肩近くの筋肉に注射するため、皮下注射をする他の感染症の予防接種より痛みが強い。昨年12月以降、推計40万人が接種を受けたが、10月末現在の副作用の報告は81人。最も多いのが失神・意識消失の21件で、失神寸前の状態になった例も2件あった。その他は発熱(11件)、注射した部分の痛み(9件)、頭痛(7件)などだった。



 ワクチンそのものの疼痛刺激というより、筋肉注射自体の痛みによる迷走神経反射、なんですかね。

 迷走神経反射は、結構起こる合併症の1つです。採血でも起こります。要するに針をさされるという行為で緊張したり、針を刺された痛みで、迷走神経が過敏に働き、フラーっとしてしまうのです。

 筋肉に注射するわけですから、インフルエンザ予防接種とはまた違った、痛みになるのでしょう。

 こういうところの注意も併せて伝え、合併症を予防することが大事かもしれません。
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2010年12月24日

アルツハイマー治療薬ガランタミン(レミニール)を承認へ

アルツハイマー治療薬、2種類目を承認へ 厚労省審議会

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は24日、アルツハイマー型認知症の進行を抑えるヤンセンファーマの「ガランタミン」(商品名・レミニール)について、「承認して差しつかえない」との結論をまとめた。上部組織の薬事分科会への報告を経て、最終的に承認される見込み。

 国内で承認されているアルツハイマー型認知症治療薬は「アリセプト」しかないため、海外ではすでに承認されていて実績のあるガランタミンなどについて関連の学会が早期承認を求めていた。

 アリセプトやガランタミンとは別の作用がある第一三共の「メマンチン」(商品名・メマリー)についても、次回分科会で議論することになった。



こういう選択肢が広がると、大変ありがたいです。薬が何かに効く、といってもそれには個人差がありますから。副作用の問題とかもありますし。
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2010年09月29日

病原菌の毒素生成だけを抑制する薬を京都府立大が開発

病原菌の毒素生成を抑制 府立大准教授ら

 病原菌が食中毒などを引き起こす毒素を作ることを抑える阻害剤を、京都府立大生命環境科学研究科の宮崎孔志准教授(病原細菌学)たちのグループが開発した。治療が難しく、院内感染で大きな問題となっている「多剤耐性菌」に毒素をほとんど作らせなくする薬剤としても期待できるという。

 緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの病原菌は、それぞれ特異的なフェロモン様の物質を出して情報交換し、菌が十分に増えたことを互いに確認してから一斉に毒素を出して宿主を攻撃する。フェロモンの働きを阻害する物質は研究されているが、病原菌の種類だけ阻害剤も必要で、実用化には課題が多い。

 宮崎准教授は、多くの病原菌でフェロモンを作るスイッチとなる化学物質が共通していることに注目し、この化学物質を菌体内で合成する酵素の阻害剤を開発した。緑膿菌などの培養液に入れると、毒素の産生を約20分の1に減らすことができた。虫歯菌(ミュータンス菌)でも、歯垢の原因物質の産生が約4分の1になった

 宮崎准教授は「(開発した阻害剤には)殺菌作用がないので、有用な常在菌を殺さない新しいタイプの消毒・除菌剤としても期待できる。動物実験で効果を確かめたい」と話している。



 これは医療現場で色々応用できそうな技術ですね。

 抗生剤は常在菌までも殺してしまうデメリットがありますけどもこれならば。
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2010年08月22日

脳卒中患者の多くが三ヶ月以内に服薬を中断している。

脳卒中患者の多くが服薬を途中で中止

 脳卒中患者の多くが薬剤の服用を途中で止めていることが新しい研究で判明した。一方、心不全患者の多くが推奨される薬剤を処方されていないことも明らかになった。

 第1の報告では、脳卒中患者の25%が、脳卒中を起こしてから3カ月以内に1種類以上の予防的薬剤の服用を中止していることが判明。このことから、医療従事者は患者や介護者の服薬指導にもっと時間をかける必要があると、研究を率いた米ウェイク・フォレストWake Forest大学(ノースカロライナ州)准教授のCheryl D. Bushnell博士は述べている。この報告は、医学誌「Archives of Neurology(神経学)」オンライン版に8月9日掲載された。

 研究では、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA、ミニ脳卒中)で米国の106カ所の病院を受診した患者2,598人のデータを収集。75.5%は処方薬をすべて継続していたが、脳卒中から3カ月後の時点で、患者の20%は薬剤の少なくとも半分しか服用しておらず、3.5%は全く服用していないことがわかった。

 服用を継続していた患者の理由としては、ほかにも重篤な疾患がある、適切な保険に加入している、薬剤の数が少ない、服用理由を理解しているなど、さまざまであった。長期的な服薬コンプライアンス(遵守)は以前から問題になっているといい、患者の教育や脳卒中患者向けの追跡プログラムの必要性を専門家は指摘している。



 この「服薬コンプライアンス」という考え方、日本でも大変重要視されます。

 いくら説明しても、薬を飲み続けてくれない人というのがいます。彼らのことを「服薬コンプライアンスが悪い」と表現します。コンプライアンスというのは「柔らかさ」の指標であって、要するに「頭が固くて言うことを聞いてくれない患者」ということです。

 日本の場合はどうなんでしょうかね。アメリカよりはコンプライアンスは良いのではないでしょうか。薬安いし。もし薬を減らしたいとか辞めたいとか思った場合には、ちゃんと医師に確認して下さい。
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2010年08月02日

作用の違う三種類の薬を配合した高血圧治療薬トライベンゾール

第一三共、「3薬配合」の高血圧症薬 米で販売承認

 第一三共は高血圧症治療薬「トライベンゾール(開発番号CS8635)」が米食品医薬品局(FDA)から23日付で販売承認を受けたと発表した。

 作用の仕方が違う3つの高血圧症薬を配合したもので、飲み忘れを減らせる利点がある。同社は高血圧症薬を世界で2000億円以上販売しており、飲みやすくした製品の品ぞろえを増やし、販売力を強化する。

 血圧を上げる「アンジオテンシン2」の働きを阻害する「オルメサルタンメドキソミル」、血管を収縮させ血圧を上げるカルシウムの働きを抑える「アムロジピン」、利尿薬にもなる「ヒドロクロロチアジド」の3つを配合した。



 最近、こういう多種類の薬の配合薬が増えてきてますね。確かに飲み忘れをなくす、という意味では、単剤化したほうが良いのでしょう。

 しかも特許が取れて製薬会社的にもオイシイですからね。
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2010年08月01日

朝起きたときに疲れている人はドリンク剤を飲んでいる?

出勤前にドリンク剤 3割強

 マイボイスコムは2010年6月24日、ドリンク剤・滋養強壮剤の利用に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうちドリンク剤などを飲む人は、6割以上が「疲れが残っているが頑張らなければならない時」に口にしていることが分かった。一方で飲むタイミングとしては「朝出かける前」と回答した人が3割強でもっとも多かった。この2点から、少なからぬ人が「朝出かける時点ですでに疲れている、前日の疲れを引きずっている」ことが想定できる。

 最近ではドラッグストアで色々な種類が1本単位、あるいは数本まとめて陳列されるようになり、通常の飲料水とあまり変わらないような扱いを受けているドリンク剤・滋養強壮剤(以後「ドリンク剤」)。清涼飲料水や炭酸飲料水と比べ、名前通り「滋養の面での栄養補充」や「強い気分転換」など効用の強さを求める向きがある。

 それらドリンク剤などを飲んでいるか否か、飲んでいる場合はその頻度について聞いたところ、頻度は別にして、定期的に飲んでいる人は合わせて43.7%。4割強の人がドリンク剤を口にしている。

 銘柄別では別項目で【リポビタンD】がもっとも愛飲されているという結果が出ている。それではそれらのドリンク剤はどのような状況で飲まれるのだろうか。複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答は「疲れが残っているが頑張らなくてはいけない時」、次いで「風邪気味の時」となった。

 回答項目を大きく区分すると、トップの「疲れてるけど頑張らねば」や「疲れて帰って来た時」「気合いを入れたい時」など主にメンタル面での回復を期待する場面と、「風邪気味の時」「睡眠不足の時」など、体の欲求に応じて引用する「滋養強壮効果に期待する」場面の二つに分けられることが分かる。そしてどちらかといえば前者の方が回答率が高い。実際に栄養補充などの面で気をサポートするのと共に、「これを飲んだからもう大丈夫」と自分自身に思い込ませる面、納得させるための証の意味合いもあるのだろう。

 一方、ドリンク剤を飲む「状況」ではなく「タイミング」について尋ねると、こちらは「朝出かける前」がもっとも多く、「仕事・勉強、家事の合間」がそれに続く結果となった。

 「状況」と「タイミング」を縦横軸にかけ合わせたデータが公開されていないので断言はできないが、「就寝前に気合を入れるために」「通勤・通学中に疲れて帰ってきた時」など想定が難しい組合せを除外して考えると、少なからず「朝出かける前に、前日の疲れが残っていて、でも頑張らなくてはいけないからドリンク剤を飲用する」という事例があることが考えられる。

 他の組み合わせでも「朝出かける前にドリンク剤を口にする」場合、「状況」としては「朝からもう気合いが足りないの?」「朝からもう眠たいの?」という、一日の始まりとしてはあまり想定したくない場面が容易に目に浮かぶ。



 実際あのドリンク剤のメインの効果は「大量に含まれる糖分」と「カフェイン」ですからね。まぁ朝ぼーっとしているときに飲めば効くといえば効くのでしょう。

 まぁ世の人たちは疲れてますよ。朝起きたとき疲れてないことのほうが珍しいぐらいじゃないですかね。少なくとも私はそうなんですけれども…。

 でも学生時代の過酷な試験時代には飲んでいたドリンク剤も、社会人になってからは飲まなくなりましたね。何でなんでしょう。あまり効果がないというか、糖分よりも野菜を含んだ食のほうが大事だと思ったからでしょうかね。まぁ忙しいときはその朝ごはんもままならないのですけれども…。
posted by さじ at 10:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

2010年07月23日

排水に含まれる抗うつ剤で海老の行動が変化している

排水中の抗うつ剤、エビの行動に影響

 世界各地の下水道などに垂れ流される抗うつ剤の残留物の影響で、エビの行動が変化し、捕食されやすくなっているという最新の研究が発表された。抗うつ剤プロザックを飲んだエビは“ハッピー”にはならないようだ。

 研究では自然の状態を再現するために、一般的な下水処理後の排水に含まれる濃度の抗うつ剤フルオキセチンの水溶液に、河口などの入江に生息するヨコエビを入れた。フルオキセチンは、代表的な抗うつ剤製品であるプロザックやサラフェムの主成分だ。

 エビは安全で薄暗い物陰にいることを好むのが常だが、フルオキセチンの影響を受けたエビは、水中の明るい場所に向かって泳いていく確率が通常の5倍であることが実験でわかった。イギリスにあるポーツマス大学の生物学者で研究の共著者アレックス・フォード氏は、「こうした行動の変化によって、エビは魚や鳥などの捕食者にかなり襲われやすくなる」と説明する。フルオキセチンの作用によってエビの神経は、心的状態や睡眠のパターンを変化させることで知られる脳内化学物質セロトニンの影響を受けやすくなるという。

 抗うつ剤の使用量は近年急増しつつある。「Archives of General Psychiatry」誌に2009年に掲載された論文によると、2005年に抗うつ剤を使用したアメリカ人は約2700万人で、アメリカの全人口の10%を超えるという。抗うつ剤の使用が拡大することで、エビ以外の生物へも大量のフルオキセチンが影響を与えるのではと研究チームは懸念する。

「今回の実験は、どこにでもいて食物連鎖の中でも重要な位置を占めるエビに焦点を当てて行ったが、セロトニンは魚などエビ以外の生物の行動の変化にも関係がある」とフォード氏は指摘する。同氏は、抗炎症剤や鎮痛剤など他の多くの一般的な処方薬も水生生物に被害を及ぼす可能性があると警告する。

 しかし、人間が服用する薬の弊害から水生生物を守る方法もあると同氏は主張する。例えば、責任ある薬の廃棄について社会の認識を高めたり、下水処理で薬を分解する技術を改良したりするなど、問題解決に向けでできることはたくさんあるという。



 そんなに濃度の高い排水が流れるんですか・・・確かに最近抗うつ剤の使用頻度は増加しているとは思いますけれども。

 もともとうつに対抗するための薬理作用は、脳内分泌物質をどうこうするものですからね。それを他の生物が摂取した場合の影響もそれなりにあるというわけか。だからといって減らすわけにもいかないし。
posted by さじ at 18:41 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理

2010年07月19日

デジタルドラッグ(i-dosing)がアメリカで蔓延

青少年に蔓延する「麻薬音楽」

 米国の青少年の間で、インターネット上のMP3音楽で「ハイ」になり、エクスタシーになる「デジタル・ドラッグ」が流行している――カンザス州オクラホマのテレビ番組『News 9』は、そう報道している。

 「デジタルな一服(i-dosing)」に必要なのは、ヘッドホンを着けてある種の「音楽」を聴くことだ。こうした音楽は、大部分は単調な騒音にしか聞こえないが、販売しているサイトは、聴けばハイになれると主張している。

 こうした音楽の一部は『YouTube』で無料公開されている(ドラッグはいつでも、最初はタダだ)。ティーンエージャーたちがこれらを聴いて「ハイ」になる様子の動画が、YouTubeにはいくつも掲示さている(たとえば、「Gates of Hades」(ハデス=冥界への門))

 これらの「デジタル・ドラッグ」は、マリファナやコカイン、アヘンやぺヨーテ等と同じ効果を生み出すとされている。ただし、街で売られているドラッグに取扱説明書が付いていることはまずないが、デジタル・ドラッグの利用者は40ページの説明書の購入を勧められる。これにはMP3で適切にハイになる方法が書かれているのだ。

 カンザスのMustang公立学校学区では、この脅威を軽く受け流すことはせず、この新たな流行に警戒するよう、保護者たちに手紙を送った。学校関係者たちは、生徒たちがサイバードラッグの常習者になることを阻止するため、学校での『iPod』の使用禁止まで行なっている、と『News 9』は伝えている。



 前回取り上げた記事はこちら

耳で聞く麻薬「i-doser」を韓国で取り締まる。

 こんなどうでもいいもんを使ってまでハイになろうとするのは残念な人生、といってしまうのは容易いですけれども、現物のドラッグやマリファナだって同じですもんね。まぁマユツバなものだとは思いますけれど、取り締まって損はないかなというところ。
posted by さじ at 23:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理

2010年05月18日

必要性の高い未承認薬を早急に承認してもらおう

医療上必要性高い未承認薬・適応外薬は109件―厚労省が開発要請へ

 厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(座長=堀田知光・国立病院機構名古屋医療センター院長)は4月27日の第3回会合で、学会や患者団体などから寄せられた未承認薬・適応外薬の開発要望374件について、各専門作業班(WG)から報告された医療上の必要性についての評価結果を了承した。

 「必要性が高い」と判断されたのは109件で、これを受け厚労省は、製薬企業に特段の意見があるかどうか確認した上で、5月中旬に開発を要請する。製薬企業は、臨床試験を行わなくてもいい「公知申請」に該当するかどうかの見解や、該当しないと判断した場合に実施する臨床試験の内容を6月中に取りまとめる。

 WGの検討状況の概要によると、「検討済み」は139件で、うち「必要性が高い」は109件。これをWG別に見ると、「代謝・その他」が10(未承認薬8・適応外薬2)、「循環器」が28(9・19)、「精神・神経」が15(8・7)、「抗菌・抗炎症」が12(1・11)、「抗がん」が20(10・10)、「生物」が4(3・1)、「小児」が20(11・9)。一方、「必要性が高くない」は30件だった。また、「検討中」が129件残っている。それ以外は、「海外承認等なし」が103件、「承認済み」が3件だった。

 委員からは「必要性が高いと判断されなかった品目ついて、要望された方々にその理由をしっかり明示する必要がある」「必要性が高いと判断された品目の中に審査中の品目が散見される。なるべく早く承認するなど、何らかのインセンティブがあってもいいのではないか」などの意見が出された。審査中の品目の取り扱いについて、厚労省医薬食品局の成田昌稔審査管理課長は「数年前に比べて審査スピードはかなり早くなっており、特別の対応をしなくても、そんなに遅くはならないのではないかと思っている」と答えた。



 審査スピードは確かに向上しているようです。しかしまだまだ欧米に比べて遅れている薬のジャンルというものは存在しますね。選択肢を広げ、かつその薬を適切に使うためのガイドライン作りを、早急にお願いしたいところ。
posted by さじ at 00:16 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理

2010年03月02日

強毒性鳥インフルエンザにも効果のある治療薬を開発する

強毒性鳥インフルに効果、第一三共が申請中の新薬

 第一三共が国内での製造販売を厚生労働省に申請中のインフルエンザ治療薬「CS―8958」は、従来の治療薬タミフルが効きにくいタイプの強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)にも効果があることを、東京大学の河岡義裕教授と木曽真紀研究員らが動物実験で確かめた。米医学誌「プロス・パソジェンズ」に26日、発表した。

 研究チームは、マウスにH5N1型ウイルスを感染させ、その2時間後に、人への標準的な投与量に相当する新薬をマウスに与えた。すると、6〜8割が3週間たっても生き残った。

 また、感染7日前に投与した場合もほぼ同じ結果で、予防効果も確かめられた。薬を投与しなかったマウスは2週間以内にすべて死んだ。

 新薬はタミフルと同じように、ウイルスの表面に結合して増殖を妨げる。タミフルは1日2回、5日間続けて飲む必要があるが、新薬は、1回口から吸入するだけでよい

 同社は1月末に治療薬としての承認を申請しており、2010年度中に販売が開始できる見通し。



 劇的な効果。

 タミフル耐性のインフルエンザも出来ていますし、この治療薬がパンデミックの救世主となるかもしれませんね。
posted by さじ at 07:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理

内科勤務医によるMRの好感度ランキング、第1位は第一三共

内科系勤務医のMR好感度 1位第一三共 2位ノバルティスと武田薬品

 ミクス編集部とMCIが共同で内科系勤務医100人に行ったMR好感度調査によると、第1位は第一三共、第2位はノバルティスファーマと武田薬品が同数、第4位はアステラス製薬、第5位はアストラゼネカの順となった

 第1位の第一三共と第2位の武田薬品のMRは、ともに自社製品の情報提供の正確性が高く評価された。第2位のノバルティスは、学会情報を含む情報提供の迅速性が高く評価されている。第4位のアステラス製薬も同様の傾向。一方、優秀なMRがもつべきスキルについては、製品知識以外に、コミュニケーション能力や場の空気を読む能力などを求めていることが分かった



 大学病院などの大きな病院で、黒いスーツに身を包んだ人が廊下に立っていたら

 それはMRさんかもしれません。

 MRさんとは、医薬情報担当者、英語でいうとMedical Representative、略してMR。

 医薬品の適正な使用に資するために、医薬関係者を訪問すること等により適正使用情報を提供し、収集することを主な業務として行う者のことを指す。

 多くのMRは製薬会社に所属し、自社の医薬品情報を医師をはじめとする医療従事者に提供し、副作用情報を収集することを主な業務としている。

 かつてはプロパー(宣伝者という意味のpropagandistに由来)と呼ばれていた


 要するに医師と製薬会社を繋ぐ情報マン件営業マンといったところでしょうか。

 彼らがいてくれるから、医師は最新の医薬品情報を得ることができるのです。

 傲慢な医師はMRさんをこきつかうこともあるようですが、全くけしからん次第です。

 自分の職が立派なものであるぞ、と奢り高ぶっている姿は非常に滑稽です。そういう態度に覚えのある医師の方がいらっしゃいましたら、すぐに改めたほうがいいですよ。周囲に訝しく思われてますから。
posted by さじ at 07:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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