[薬理]の記事一覧

2007年01月05日

てんかん治療薬「ゾニサミド」がパーキンソン病にも有効

てんかん薬、パーキンソン病にも効果 日本人医師ら研究

 てんかんの治療薬「ゾニサミド」が、運動機能が低下する難病・パーキンソン病にも効果があることが、村田美穂・国立精神・神経センター武蔵病院神経内科長らの研究でわかった。これまでのパーキンソン病の治療薬とは異なった効き方をすることから、新しい治療法につながる可能性があるという。2日付の米神経学会誌で発表した。

 パーキンソン病は、手が震えたり、体が硬くなって歩けなくなったりする難病。国内で約14万人の患者がいるとされる。はっきりした原因は不明だが、脳内の神経細胞が死んでしまうため、運動や記憶に関連するドーパミンという脳内物質の分泌量が減り、運動機能の低下につながるらしい

 村田さんたちは、てんかん発作を起こすパーキンソン病患者がゾニサミドを飲むと、てんかんだけでなくパーキンソン病の症状も改善することを発見。347人のパーキンソン病患者に、てんかんの治療で使う量よりも少ない量のゾニサミドを12週間飲み続けてもらった。その結果、パーキンソン病の診断基準で運動機能が30%以上改善した人が3〜4割に上った

 パーキンソン病の治療は現在、ドーパミンのもとになる物質を脳内に直接投与する方法が中心。ゾニサミドを使うと、ドーパミンの産生を促すとみられる。村田さんは「これまで、あまり効果がなかった人にも、効果的な治療法につながる可能性がある」としている。

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 パーキンソン病は、脳の黒質と線状体のドーパミン含有量が低下すると症状が起こるといわれています。てんかん治療薬ゾニサミドを用いることで、ドーパミンの産生を促し、含有量の低下を防ぐことができるかもしれないということです。

 国の医療費削減政策で、パーキンソン病の軽度症状の人は医療費保障を受けられなくなるかもしれません。てんかん治療薬を早急に保険適用しないと、効果のある治療法でも受けられなくなってしまう可能性があります。

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2006年12月31日

ドイツ人漢方医が本場中国で外国人に大人気

本場で人気 ドイツ人漢方医

 ドイツ人漢方医が開いた診療所が、上海に住む外国人ビジネスマンらの間で大変な人気を博している。多くの患者は西欧風の清潔さと外国人が経営していることへの安心感からこの診療所に足を運ぶようになったという。

 この診療所は上海市建国新路にある「ボディー&ソウル」。オーナーのドリス・ラーテゲーバーさんは夫の転勤にともない1995年に上海にやってきたが、生活環境の変化についていけず体調を崩した。一時は飲食さえもろくにできず、知人の紹介で漢方医に相談した。

 漢方医は脈と舌根を診て「病は気から来る」と説明して処方箋を書いた。苦い薬草を2カ月間服用しただけで健康を取り戻したことから、ドリスさんは漢方医療に魅せられた。中国語を学んだ後、上海中医薬大学に入学、基本から学んで漢方薬にのめり込んだ。

 ドリスさんは漢方医療が地元の人たちには高価すぎるうえ、病院の管理がずさんで清潔に保てないなどの問題があることから、外国人専用の漢方診療所を開設することを思いつき、2年前に投資家を募って3人の漢方医を雇い、診療所を開設した。狙いは大当たりで、訪ねてくる患者は増え続けたため、漢方医をさらに雇って2号店を開くほどになった。

 ドリスさんは成功の理由について「患者は99%が外国人です。中国はいま、健康を犠牲にしてでも経済発展を重視している。例えば悪化の一途をたどる公害がそうです。逆に外国人は健康のためなら高くても代価を支払う用意がある。中国の歴史は、漢方という素晴らしい治療法を編み出したのに、その価値が経済重視の中で忘れ去られている。先進国の方が漢方の可能性を見ている」と話した。

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 漢方はうまく使えば非常に有効な薬です。

 そして、漢方を一番うまく使っているのは、日本でしょう。西洋医学と漢方をうまく融合させた日本漢方こそ、これからの時代をリードしていくでしょう。中国も韓国も欧米も、「どちらか」ですからね。欧米は、日本を参考にして広げていこうとしている最中のようです。

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胃酸分泌抑制薬「プロトンポンプ阻害薬」で骨折の危険が高まる

胃薬「PPI」で骨折の危険増大…英で調査

 胃かいようなどの治療で胃酸の分泌を強力に抑制する「プロトンポンプ阻害剤」(PPI)を1年服用すると、足の付け根で骨折して歩けなくなる「大腿骨頸部骨折」の危険が22%も増加することが、英国の50歳以上を対象にした調査で分かった。

 米ペンシルベニア大の研究者らが26日、米医学会誌に発表した。

 同骨折を起こした患者1万3556人を含む約15万人を胃酸抑制剤の服用歴に着目して分析した。

 骨折の発症率はPPIの服用が長くなるに連れて増加。発症率は2年で41%、4年では59%も服用しない人より高かった。

 研究者らは「PPIによってカルシウムの吸収が妨げられるため」と推定。医師が投与量を必要最小限に抑えるよう求めている。PPIは日本でも処方薬として使われている。

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 プロトンポンプインヒビターの副作用です。高齢者は特に注意してほしいですね。カルシウム吸収が抑制されるために骨密度が落ちると、ただでさえ骨粗しょう症になりやすい女性などはダメージも大きいと思います。

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2006年12月26日

市販の鎮痛解熱剤の副作用を知っておかないと、死亡する可能性も

市販の鎮痛解熱剤に副作用警告の表示を 米FDA

 米食品医薬品局(FDA)はこのほど、アセトアミノフェンなど市販の鎮痛解熱剤について、副作用を警告する表示の強化を求める方針を明らかにした。

 FDAによると、市販の鎮痛剤は指示通りに服用すれば安全で、効果も高い。しかし、過量摂取などで病院へ運ばれたり、死亡したりする例は後を絶たないという

 アセトアミノフェンは、米国内の家庭で広く使われている「タイレノール」などの主要成分だが、大量に服用すると肝臓に障害を及ぼし、死に至る危険性もある。またアスピリン、イブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAID)は、適量を服用した場合でも、消化管出血や腎障害を引き起こすことがある。こうした副作用について、FDAではこれまでも、製薬業界に薬局のパンフレットや広告などを通じた警告を促してきた。新たな指針では、注意書きや成分を薬のラベルにはっきりと表示するよう求めている。

 アセトアミノフェンについては、患者が指示を超える量を服用した場合やアルコールを1日3杯以上摂取している場合、重度の肝障害を起こす恐れがあると明記される。また、アセトアミノフェンを含む複数の薬品の併用を避けるようにとの注意書きも記載される。

 NSAIDのラベルでは、消化管出血の危険性を指摘し、59歳以上の人や胃かいようの患者など、特に注意すべき対象を明記することなどが求められる。

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 鎮痛薬など、薬の成分は肝臓で解毒されます。そのため肝臓に負担が強いられるわけです。NSAIDも、うまく付き合っていけば非常に良い薬です。ただ用法を守らなかったり、用量過剰となってしまうケースが多いのがいささかいただけません。ちゃんとした使い方をしなければ、薬も瞬時に毒になります。ご注意下さい。
 
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2006年12月16日

九州大学で、ベーチェット病患者へのサリドマイド使用を承認する。

サリドマイド使用、ベーチェット病で承認…九大倫理委

 深刻な薬害を引き起こし、約40年前に販売が停止された「サリドマイド」について、九州大医学研究院等倫理委員会は14日、全身に潰瘍ができる難病「ベーチェット病」を発症した九州在住の男性患者への使用を承認した。

 倫理委によると、患者は10歳代前半で、腸に潰瘍ができ腹痛や下血などの症状が出る腸管型のベーチェット病。一般の免疫抑制剤では効果が得られず、昨年4月から信州大病院でサリドマイドの服用を始め、症状が改善した。このため、居住地に近い九州大病院で引き続き同じ治療を行い、安全性と有効性を検討する。

 サリドマイドはかつて催眠鎮静剤として販売され、胎児の手足に重い障害が出るケースが相次いだ。近年、がん治療薬として一部で使用されているが、薬害被害者からは慎重な使用を求める声が上がっている。倫理委は「薬害につながる危険は否定できず、別の患者に使用する場合は倫理委で改めて審議する」としている。

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 薬害被害者と、被害があったというイメージでサリドマイドは避けられがちですが、正しく使えば非常に良い薬です。これからもおそらく、徹底した管理体制のもと、用いられることと思います。ベーチェット病や多発性骨髄腫の人からすれば、サリドマイドはまさしく「神の薬」なのです。

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2006年12月14日

アントシアニンの含有量を偽る健康食品会社に排除命令

アントシアニンの含有量を誇大表示 3社に排除命令

 眼精疲労に効果があるなどといわれているブルーベリーの成分「アントシアニン」の含有量を過大に表示して健康食品を販売したとして、公正取引委員会は13日、健康食品販売会社「ティー・アンド・エフ」(東京都中央区)、「メディカルコスメティクスジャパン」(同)、「ウインズインターナショナル」(横浜市港北区)の3社に対し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。

 公取委によると、3社はそれぞれの商品について、ラベルやチラシ、通販カタログで、アントシアニンの量を「3粒で36%」「1粒で36%」と表示したが、実際の含有量は1%程度だった

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 健康食品の含有量なんて、その会社が偽れば誰にもわかりっこないですからねぇ。検査のほうを徹底してもらいたいものです。詐欺と何らかわらない行為ですから。



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2006年12月03日

チェスのアジア大会に、ドーピングテストを導入する

チェスのアジア大会にドーピングテスト導入

 チェスの世界運営団体であるFIDE(世界チェス連盟)は、今週から始まるアジア大会にドーピングテストを導入するが、チェス界の関係者は、薬によってどうチェスが強くなるのか見当もつかない、と首をかしげている

 大会責任者のユーセフ・アフマド・アリ氏は「どの薬を使うと対戦によい影響が出るのわかりません。でも、対戦後、競技者がドーピングテストを受けなければならないのは事実です」と語った。

 ドーピングテストは、将来チェスを五輪競技にしたいと望んでいるFIDEが国際基準をまとめようとする動きの1つだ。

 チェスのアジア競技大会が開かれるのは初めてのことで、60人ほどの選手がメダルをめざして競い合う。選手の中には、元世界チャンピオンのルスタム・カシムジャノフ(ウズベキスタン)、カタールに国籍を変えた元中国の女子選手諸宸も含まれている。

 アジア大会は今月1日から15日まで。

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 普通スポーツに用いられるドーピングは筋肉増強系ですが、用いられるとしたらスマートドラッグと呼ばれる代物ではないでしょうか。スマートドラッグとは精神的な認知機能を向上させると言われています。具体的には、パーキンソン病やアルツハイマー病などの精神疾患に対する薬を健常者に用いることで記憶や学習、注意力、集中力、問題解決力を改善しようとするわけです。まあ医学的には何の証明もされていないんですけどね。

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2006年11月30日

経口投与を繰り返すとHIVに対する免疫が着実に高まる薬

免疫効果高めるエイズワクチン、順天堂大など実験成功

 経口投与を繰り返すと着実にエイズに対する免疫力が高まる新しいエイズワクチンの開発に、順天堂大や近畿大などの共同研究グループがマウスを使った実験で成功した。

 よく効くエイズワクチンの開発は世界的な課題で、将来の臨床応用が期待される。30日から東京・千代田区で始まる日本エイズ学会で発表する。

 このワクチンは、天然痘の予防接種に使われていた安全な種痘ウイルスに、エイズウイルスの遺伝子の一部を組み込んだもの。投与するとエイズウイルスのたんぱく質が作られ、それをもとにエイズウイルスへの免疫ができる。

 エイズウイルスは増殖時に変異しやすいため、それに対抗できる免疫を複数回の投与でつけることが望ましいが、これまでの研究では、1〜2回投与すると種痘ウイルスに対する免疫ができてしまい、エイズウイルスに対するワクチン機能が低下する欠点があった。

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 なるほど。少しずつエイズウイルスたんぱくに対する抗体を作り続けていくから、免疫力は着実に高まる、ということでしょうか。これで根治できるんでしょうかね?変異に対抗できるのかどうかも難しいところですが、なにぶん情報がないもので。

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2006年11月29日

青柿から、血中コレステロールを減少させる効果が

青柿:血中のコレステロール減少効果 岐阜県生物工学研

 岐阜県生物工学研究所(平正博所長)は28日、同県美濃加茂市の食品加工会社「八尋産業」(大矢正昭社長)との共同研究で、未成熟柿(青柿)の粉末に血中のコレステロールを減少させる効果があることが分かった、と発表した。高脂血症やメタボリックシンドロームの改善に有効とみられ、県は機能性食品や薬品としての実用化に向けて研究を進める。

 同研究所によると、共同研究で同県の特産品である柿の約3分の2が未成熟の段階で摘果されることに着目。高脂肪・高カロリーの餌に、乾燥させた青柿の粉末を10%混ぜて、マウスに14週間摂取させる実験を行った。

 その結果、粉末入りの餌を食べたマウスは、血中のコレステロールから胆汁酸を合成する肝機能が促進された。さらに、通常は90%が小腸を通じて肝臓に再吸収される胆汁酸の体外への排出量も約4倍に増加。結果として、肝臓が血中からより多くのコレステロールを吸収し、血中のコレステロールが減少した。マウスの健康状態に異状はなかった。

 青柿のどの成分が肝機能を促進したのかは不明。また、収穫時期によって効能が異なる可能性もあるため、今後も詳しい研究を続けていく。

 岐阜県は甘柿の出荷量が全国2位(05年度)。実用化されれば、これまで摘果により大量に廃棄されていた未成熟柿を活用でき、柿農家の新たな副収入源としても期待される。

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 ほー。胆汁酸を沢山つくり、外に排出することで血中コレステロールを下げるとは。青柿なかなかやりますね。今まで廃棄していた青柿から、もしかしたら大ヒット商品が作れるかもしれません。

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2006年11月20日

栄養ドリンクの成分についての詳細を知ろう

栄養ドリンク 主成分はアミノ酸や生薬… 疲労回復は気から!?

 医薬品・医薬部外品として認められている栄養ドリンクは、約100社で1500ブランド。年間15、16億本、2000億円が飲まれているという。メーカーによると、消費層は意外にも女性の方がやや多く、年代では40歳代がトップ。ただし、飲む量でみると、50〜60歳代の男性が全体の2割と、最も多くを占める。

 医薬部外品は、医薬品に比べ作用が穏やかなものとされ、コンビニなどでも買える。また店の陳列棚には、法律上薬効をうたえない“健康飲料”も一緒に並んでいて、どれがどの分類に当たるのか、商品を手にとってみないとわからないことも多い。

 商品に表示されている成分を調べると、タウリンなどのアミノ酸、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、眠気を覚ますカフェイン、ニンジンエキスなどの生薬が、おおむね4大成分と言えそうだ。

 東邦大大橋病院栄養課長の山崎大治さんに効能などを聞いた。

 タウリンは、高ビリルビン血症という肝臓の病気の治療薬として認可されており、肝機能を強化する働きがある。体内でも作られ、栄養所要量は特に定められていない。

 ビタミンB群の所要量はB1、B2、B6とも成人で各1〜1・4ミリ・グラムほどだが、栄養ドリンクには5ミリ・グラム程度含むものが多い。B1、B2に上限基準はなく、多めにとっても問題ない。水に溶け、不要な量は尿として排出されるためで、飲んだ後の尿が黄色くなるのはB2が溶け出しているせい。「もったいない」と感じるか「必要量が満たされた」と思うかは、考え方次第だ。

 カフェインは、番茶(30〜50ミリ・グラム)やコーラ(45ミリ・グラム)と同程度の50ミリ・グラム含むものが一般的なようだ。飲んだ後のシャキッと感はこのおかげ。150〜200ミリ・グラムとカフェインを主成分に、眠気覚まし効果を前面に押し立てた商品もある。

 生薬成分は、表のほかにもオウセイ(ユリ科の根茎)や冬虫夏草(とうちゅうかそう)(幼虫とそれに寄生する菌)、カイクジン(オットセイの陰茎、精巣)といったものなど数多く、1本で十数種類を含むものもある。

 漢方医薬学研究会元講師の早川五四男さんは、「中国伝統医学の生薬分類で補気薬、補陽薬と呼ばれる、まさに滋養強壮が目的の成分です」と話す。1000円以上する高価なドリンクは、生薬の種類や量、珍しさによるそうだ。

 また、ほとんどの製品で成分を溶かす添加物として1%未満のアルコールを含んでおり、下戸の人や子供は要注意。カロリー表示は義務づけられていないが、1本70キロ・カロリー程度あることも知っておきたい。低カロリーの製品もある。

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 と、この記事を書きつつリポビタンDを飲んでいます。別に疲れているわけじゃないですけど、好きなんですよね、この味。栄養ドリンクはまずいから一気に飲む人が多いと思うんですけど、私は好きなんで、チビチビやってます。

 まー、おそらく普段の生活で足りなくなるようなものというより、一時的に気力を上げる成分ばかりだと思うんで、栄養ドリンクというのは誤りかもしれませんね。健康的なのは野菜ジュースのほうがいいとも思いますし。でも風邪引いたときは1000円ぐらいのユンケル買ってしまいますね。あのゴージャス感と中の液の少なさ、付属の細いストローなどが、いかにも効きそうな感じがします。笑

 勤勉な日本人は、この手の栄養ドリンクが「お供」となっています。疲れているけれど、やらなければいけないことがある。一本飲んで、また頑張ろう、と。そういう考え方、行動力は、結構好きです。

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日本人は新薬の国際共同臨床試験の対象とされていない

新薬の国際共同臨床試験、日本人対象わずか6件

 新薬開発のため、世界の多地域で同時に行う「国際共同臨床試験」で、日本、米国、欧州の大手製薬会社が実施している413件の試験計画のうち、日本人の協力者を含む計画はわずか6件だったことが、米国立医学図書館の臨床試験登録からわかった。

 スピードが遅く、コストが高いなど、日本の臨床試験の特徴が障壁になっているとみられ、海外で有効性が認められた薬が、日本人のデータが不足しているため、国内で使えない事態も起きている。

 日本製薬工業協会・医薬産業政策研究所が8月下旬に、同図書館の登録データを調べた。少数の患者で適切な投与量などを調べる第2相試験、多数の患者で有効性や安全性を確認する第3相試験で参加者を募っている臨床試験のうち、日米欧の大手製薬会社12社がかかわっている臨床試験を対象にした。87か国で国際共同臨床試験が計画され、米国(264件)、カナダ(175件)、ドイツ(171件)の順で臨床試験に組み込まれている件数が多かった。日本は60番目で、アジア諸国でも下位だった

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 逆に、海外で有効性が認められて、中でも日本人に最も効果がある薬なども存在します。肺癌の分子標的薬イレッサ(ゲフィチニブ)が有名ですね。

 混合診療に関する問題なども、根底を見れば「新薬承認までのスピードが遅い」ことがあげられるわけで。もしここを他国並に早くすることができれば、混合診療も適用されて、患者にとっては医療の選択肢が広がるんですけどね。所詮、役人仕事ですから、難しいとは思いますが、努力して体制を変えていってもらいたいところです。

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2006年11月17日

貼るだけで済む「ワクチンパッチ」の開発が進む

「張るワクチン」の開発進む 米バイオ企業が臨試開始

 病院で注射をしてもらう代わりに、ばんそうこうのように自分で皮膚に張るだけでインフルエンザなどを予防できる「ワクチンパッチ」の開発が進んでいる。このほど数百人を対象にした臨床試験が始まり、実用化が視野に入ってきた。

 開発に取り組んでいるのは、米バイオ企業アイオマイ。同社によれば、ワクチンパッチは従来のワクチンのように冷蔵保存する必要がなく、注射針による感染症の心配もない。対象者の自宅に郵送するといった使い方ができ、発展途上国での活用も期待される。米国立衛生研究所(NIH)は、インフルエンザワクチンの改良・普及や新型インフルエンザ対策に役立つとして、この研究を補助している。

 皮膚に貼り付けるタイプの医療用パッチは、禁煙補助用のニコチンや避妊薬などですでに実用化されている。しかし、ワクチンはこうした薬品に比べて分子が大きく、そのままでは体内に浸透しにくいことが課題となっていた。同社の研究では、皮膚の表面にある角質層を紙やすりのような道具で軽く削ってからパッチを貼れば、ワクチンが表皮の免疫細胞に到達することが判明。注射と同等か、それ以上の効果が得られるとの結果が出ているという。

 現時点で最も研究が進んでいるのは、いわゆる「旅行者下痢症」の原因となる病原性大腸菌のワクチンパッチだ。テキサス大の協力を得て、メキシコとグアテマラへの旅行者300人にパッチを試験的に使用し、効果を確認している。またインフルエンザについても、安全性や免疫反応の強さを調べるため、先月、270人を対象にした臨床試験を開始した。

 ワクチンパッチはさらに、生物化学テロへの対策に応用できる可能性もある。同社は米国防総省の補助を受け、炭疽菌のワクチンパッチの開発も進めているという。

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 へぇ。皮膚からの吸収では心もとないかと思っていましたが、角質層を削ってパッチをあてれば充分吸収されるんですねぇ。注射器入らず?事故もおこらないし侵襲性も少ないし、簡便に行えるとメリットだらけですな。

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WHO曰く、ネットで販売される薬の半分は偽物。

<ネット薬販売>半分は偽物 WHO調査

 世界保健機関(WHO)は15日、インターネットを使って処方せんなしで不法に販売される医薬品の半分は、ニセ薬だという調査結果を明らかにした。新型インフルエンザ対策の切り札と期待される「タミフル」や勃起(ぼっき)不全治療薬「バイアグラ」など本来は処方せんが必要な薬を、処方せんなしで販売するようなサイトで安易に薬を購入することに警鐘を鳴らした形だ。

 WHOと経済協力開発機構(OECD)などの調査によると、中南米や東南アジア、アフリカの一部の国では病院や薬局に流通する薬の3割以上が有効成分が入っていない偽物。規制が厳しい先進国でのニセ薬混入率は1%以下だったが、会社の住所を明かしていないようなサイトで販売されている薬は半分以上がニセ薬だった。

 WHOによると、世界のニセ薬貿易は現在最大で年間350億ドル(約4兆1300億円)規模。有害な成分が含まれていて服用した患者が死亡したケースも報告されているという。

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 これの続報ですかね。
 医学処 ネットを通して売られる「偽薬」、4兆を越す巨大市場に

 怪しいサイトから怪しげな薬を買っても、効かないということです。日本は医療サービスが世界一充実している国なんですから、普通に病院に行ったほうがお得だと思うんですけどねぇ。破綻してるイギリスやアメリカなら分からんでもないんですが、わざわざリスクを冒すメリットがないと思います。
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イモ貝の毒素で、重度の神経痛を和らげることができる

イモ貝の毒に神経痛を和らげる効果=米ユタ大学など研究グループ

 AP通信によると、米ユタ大学のマイケル・マッキントッシュ教授を中心とする研究グループはこのほど、ネズミを使った実験で、海産の巻貝である「イモ貝」の毒に、重度の神経痛を和らげる働きがあること発見し、米科学アカデミー紀要の電子版に13日付で発表した。これにより、新しい鎮痛剤の開発が期待されるが、マッキントッシュ教授はヒト用の経口薬を開発するまでには10年程度がかかる見込みだとしている。

 研究では、イモ貝の毒が刺激を受け取る分子の1種である「a9a10 ニコチン性アセチルコリン受容体」をブロックする働きがあることを突きとめた。アセチルコリン受容体は、痛みを伝達する脊髄後根神経節を含め、ヒトの体の各部に存在する。一般的な鎮痛薬は神経痛には効き目が薄く、モルヒネのような強い薬品だと副作用の危険がある。

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 痛みを伝える神経の道筋の間を行き止まりにしてやることで、痛みを感じなくするということです。ボツリヌス毒素を弱めて用いれば顔面神経麻痺や眼瞼下垂が治るように、自然界にある毒素を逆に利用することもできるわけです。副作用がないということなので結構期待できそうですね。痛みって結構重要な要素です。生きたいと思う気持ちすら挫いてしまうほど、人は痛みに弱いですから。

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2006年11月09日

脱法ドラッグを規制対象に。ラッシュや5−MeO−MITPも取締り

関大生転落死の脱法ドラッグ仕入れ先逮捕

 大阪府吹田市のマンションで7月、脱法ドラッグを服用した関西大法学部2年の男子学生(19)が転落死した事故をめぐり、吹田署は9日、薬事法違反(無許可販売など)容疑で大阪市中央区のアメリカ村の雑貨店「HIT」経営山田達也容疑者(36=愛知県春日井市)ら3人を逮捕した。

 調べでは、山田容疑者らは7−9月、アメリカ村の雑貨店「クロスボーン」経営永田智昭被告(30=同法違反罪などで公判中)ら3人に、通称「5−MeO−MIPT」と呼ばれる幻覚作用のある成分を含む脱法ドラッグなど10個を計約3万円で無許可販売するなどした疑い。

 学生の友人らがこの脱法ドラッグをクロスボーンで購入し、学生が服用して転落死した。

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 この事件のことですね。

医学処 関西大学でマジックマッシュルームを食べ、飛び降りて死亡。

 その後続報にて、「マジックマッシュルームではなく、5−MeO−MITP(ミプティ)だった」という情報がありました。

 「5−MeO−MITP」(ミプティ)は麻薬取締法で規制対象外になっている脱法ドラッグ。男子学生が服用した薬物は当初、色などから麻薬の「マジックマッシュルーム」とみられていたが、マジックマッシュルームに含まれる麻薬成分「サイロシビン」「サイロシン」は学生の体内などから検出されなかった。 


 そして、次のニュースです。どんどん厳しくなっていきますね。まあ死者を出したんですから当然ともいえますが。薬物に依存しても人生良くなりゃしませんよ。別の方向にエネルギー使っていきましょうや。

脱法ドラッグ33種を指定 厚労省、ラッシュ成分など

 麻薬に似た幻覚症状や性的興奮をもたらし、若者の間で乱用が問題化している「脱法ドラッグ」の輸入や販売を禁止するため、厚生労働省は9日、「ラッシュ」(通称)などに含まれる33種類の薬物を規制対象とすることを決めた。同日開かれた専門家による部会で了承された。

 来年4月に施行予定の改正薬事法で「指定薬物」として扱い、治療や研究目的以外で輸入、製造、販売した場合には5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科せられる

 今回指定されたのは、亜硝酸イソブチル(「ラッシュ」の主成分)、PMMA、サルビノリンA、7月に大阪府内で大学生が服用後にマンションから転落死した5−MeO−MIPTなど。インターネットやアダルトショップで芳香剤、ビデオクリーナーと偽って売られ、現行の薬事法では取り締まりが困難だった。

 厚労省は「今後も(摘発を逃れるために)化学構造をわずかに変えた薬物が出回る可能性が高い」(監視指導・麻薬対策課)として、新たな薬物が見つかれば指定薬物に追加する考え。

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2006年11月05日

魚を食べるリスクよりも、身体に良い効能のほうが上回る。

魚食の効用はリスクを上回る

 魚類摂取には、汚染物質などによるリスクを大きく上回る健康面での効果があることが、2つの研究で明らかにされた。米ハーバード大学(マサチューセッツ州)による研究は、米国医師会誌「JAMA」10月18日号に掲載、もう一方の米国医学研究所(IOM)助成による研究は、IOM報告書「Seafood Choices: Balancing Benefits and Risks」で発表された。

 サバ、サケ、イワシといった脂肪分の多い魚に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのオメガ-3脂肪酸は、胎児や乳幼児、小児での神経系の発達を助け、成人ではコレステロール値を下げ、心疾患を予防する働きがある。しかし魚類には、メチル水銀などの工業毒が含まれるという負の側面もある。

 ハーバード大学の研究からは、脂肪の多い魚なら、週1〜2回摂取するだけでも死亡率が17%低下し、冠動脈疾患による死亡率は36%低下することがわかった。心疾患予防には、サケを週1回、6オンス(約170g)食べるだけでも十分で、魚油サプリメント(栄養補助食品)で代用も可という。しかし、オオサワラ、サメ、メカジキ、アマダイなど水銀含有率の高い魚は、妊婦は避けるようにとのこと。IOMでは、妊婦および12歳未満の小児は、この4種類を除く魚介類を週に12オンス(約340g)以上摂取するよう推奨している。

 しかしこの量は、体の小さい小児では水銀過剰摂取につながるという批判もある。また同じ魚料理でも、脂肪の少ないタラなどを不健康な油で揚げた出来合いの魚フライでは、魚食の利点が打ち消されるばかりか、かえって悪影響をもたらすという。サケの缶詰は、原料がオメガ‐3脂肪酸含有率の高い野生サケであることが多く、経済的にも賢い選択だという。

 米国心臓協会(AHA)では、心疾患患者で1日1,000mg、健康な人で1日500〜1,000mgのオメガ3-脂肪酸摂取を推奨している。3.5オンス(約100g)当たりに含まれるオメガ-3脂肪酸は、イワシのオイル漬けで約3,300mg、サバ2,500mg、ニシン1,600mg、サケ1,200mg、カワマス500mg、エビやヒラメで300mg。サプリメントの場合、「魚油1,200mg」と表示されていてもEPAやDHAの含有量は20%程度のことが多いので注意が必要とのこと。

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 昔から魚と水銀との関係は指摘されています。工場で垂れ流しにしたメチル水銀は確かに魚の体内に蓄積されます。が、今回のデータでは「そんな水銀を気にするより魚食わないと将来心臓疾患で死ぬよ?」ということが裏付けられた形となりました。

 とはいえ妊婦や幼い世代の子供に関しては、心臓疾患の危険性もありませんし、できるだけ水銀を摂らないようにしたほうが無難でしょう。特に妊婦の場合、子供に悪影響が出るか未だに分からない状態ですからね。魚とはうまく付き合っていきたいものです。
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2006年10月30日

タミフル服用と異常言動には関連がないことが証明される

異常言動との関連みられず タミフルで厚労省研究班

 インフルエンザ治療薬タミフルの服用後に、子どもが異常な言動を見せ交通事故死も報告されている問題に関連し、厚生労働省研究班(主任研究者・横田俊平横浜市立大教授)は29日までに、タミフル服用と異常言動の間に関連はみられなかったなどとする調査結果をまとめた。

 研究班は、12都県の子どものインフルエンザ患者約2500人を対象に、治療薬の種類と異常言動の有無などについて、医師や患者の家族へのアンケートを実施した。

 患者の約9割がタミフルを服用していたが、異常言動がみられたのは服用者の11・9%。一方、タミフルを服用しなかった患者で異常言動があったのは10・6%で、統計的な差はなかった

 横田教授は「今回の結果からは、タミフルと異常言動との間に関連性はないと言える。しかし調査はまだ十分ではなく、今後はタミフルを服用した時間や異常言動が起きた時間なども調べ、関連の有無をさらに調査したい」と話している。

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 確かにこのデータをみると統計的な差はありませんね。しかしこの異常言動ってどんな具合なんでしょうかね。インフルエンザによる朦朧とした状態で発せられた言葉のことでしょうか。

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2006年10月23日

シンナーを吸い続け失明した経験を、青少年に訴え続ける

シンナー、失明/青少年に訴える

 地域の保健・医療・福祉にかかわる仕事をしながら地道に研究を重ねている人を支援する06年度の「地域保健福祉研究助成」(大同生命厚生事業団主催、朝日新聞厚生文化事業団など後援)に、県立盲学校教諭の牟田征二さん(37)が選ばれた。佐賀市神野東4丁目の大同生命佐賀支社で先日、贈呈式があり、表彰状と助成金36万円の目録が贈られた。シンナー吸引、失明という自らの体験を乗り越えての講演と研究活動が評価された。

 牟田さんがシンナーを吸い始めたのは中学2年の冬だった。好奇心から仲間とともに吸い始め、矯正施設に入所している時以外は2年間、ほぼ毎日吸っていた。「空を飛ぶような感じで、体がふわーっとした」と振り返る。

 18歳の時、朝、目覚めたら突然両目が見えなくなっていた。失明で自暴自棄になった自分を、父親は無理やり寮のある県立盲学校に入学させた。失明後もシンナーは吸っていたが、なぜか以前のように気持ち良くならなくなった。精神が不安定になり、「今度はどうなるのか」という新しい症状への恐怖心から、やっとやめることができた。

 現在は母校であんまやはり、きゅうの教諭として働く傍ら、佐賀、福岡の中学・高校を中心に年に30回ほど自らの体験を話して回る。市内の中学校に頼まれて97年から始めたが、今はなんとしても子どもの薬物汚染を防ぎたいとの思いがある。力を入れて話すのは、シンナーによって失明したことと、周囲に支えられて更生し教員を目指すようになった過程だ。

 05年からは、自分の講演がどれだけ生徒たちの抑止力になっているか調べるためにアンケートを始めた。「シンナーを吸うことをどう思うか」などの40項目の質問を書いたアンケートを、講演前と講演直後、半年後に行い、生徒の意識の変化を探る。

 サンプル数は885で、結果を整理中だ。今回の助成では講演と調査活動の両方が評価されて選ばれた。贈呈式で、牟田さんは「18歳まで手を出さなければ、大体の人が薬物を使用しないで済む。私のような青少年が二度と出ないよう、活動を続けたい」と力を込めて話した。

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 こう、馬鹿やってた人が自分の過去を愚かであると認め、反省する人は好きです。気づくことは遅かったかもしれませんが、それでも前を向いて進む人は立派ですね。

 シンナーとは有機溶剤でありまして、油をとかすことができますが、これを吸い続けることで、細胞の脂肪分も溶解してしまうんですね。よくシンナーを吸うと歯が溶けるといいますが、それも同じで、その他に、脳や、神経系統もやられてしまいます。まぁ今時シンナーなど吸ってる人はよほどのアホだとは思いますが。
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2006年10月19日

イプラトロピウム使用でディープインパクトがドーピング違反

ディープインパクトから禁止薬物 国内レースは出走可能

 日本中央競馬会(JRA)は19日、凱旋門賞(1日・ロンシャン競馬場)で3着だったディープインパクト(池江泰郎厩舎)の理化学検査で、禁止薬物のイプラトロピウムが検出されたと発表した。フランスの競馬統括機関であるフランスギャロから報告を受けた。

 JRAによると日本国内のレースには出走できる。凱旋門賞の失格など処分についてはフランスギャロ審査委員会が馬主、調教師を召喚して決める。

 理化学検査はドーピング(禁止薬物)検査に相当するもので、イプラトロピウムは気管支の拡張作用があるとされる。同馬はフランス滞在中にこの薬物を使った治療を行ったという。フランス競馬では禁止薬物に指定されているが、JRAは禁止していない

 今年限りで引退することが決まっているディープインパクトは、国内GI5勝の実績で世界最高峰レース、凱旋門賞に挑戦した。帰国後は東京競馬場で着地検疫を受けながら、29日の天皇賞・秋への出走に向けて追い切りも行っていた。

 同馬は昨年、シンボリルドルフ以来、21年ぶり2頭目の無敗のクラシック3冠馬となった。

◆池江泰郎調教師の話
 禁止薬物が検出されたことについて大変驚いており、信じられない気持ちでいっぱいです。原因が究明されていない段階ですので、コメントは控えさせていただきます。

◆武豊騎手の話
 ただただ、驚いています。内容も詳しいことも分からないので、今のところはコメントすることは控えさせていただきます。

■ディープインパクト
 父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア、母の父アルザオ。鹿毛の牡4歳。栗東・池江泰郎厩舎所属。北海道・早来町(現安平町)のノーザンファームの生産馬で、馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績12戦10勝(海外1戦0勝)。重賞は平成17年GII弥生賞、GI皐月賞、GI日本ダービー、GII神戸新聞杯、GI菊花賞、18年GII阪神大賞典、GI天皇賞・春、GI宝塚記念。GI凱旋門賞(フランス)に挑戦し惜しくも3着

■イプラトロピウム
 気管支の収縮を抑える作用がある薬剤。人間では気管支ぜんそくや慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸困難の症状を和らげるのに使われる。副作用としては、急激なアレルギー反応であるアナフィラキシーのような症状が現れる場合がある。

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 気管支を拡張する薬には3種類あります。そのうち、アセチルコリンの分泌を抑制することで気管支平滑筋を弛緩させ、気管支を広げる薬が抗コリン薬と呼ばれます。副交感神経のムスカリン受容体を阻害することで作用を発現しますが、イプラトロピウムはこの、抗コリン薬に入ります。

 抗コリン薬には気道分泌物が抑制されるため、喀痰粘度が上がり、痰が排出しづらくなるといった副作用がありますが、イプラトロピウムはそのような副作用もなく、慢性気管支炎や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患に用いることができます。

 人間ではイプラトロピウムを使用してもドーピングにはひっかからないようですし、日本の競馬界でもお咎めなしですが、フランスではダメ、ということで。焦点は「本当にディープインパクトはイプラトロピウムを使っていたのか?」というところにあるでしょう。馬本人には責任ありませんからね。

 最強馬の称号のまま引退しようとしているディープインパクトですが、思わぬ処で足をすくわれた形となりました。

参考:安心して使える薬(ドーピング禁止物質を含まない薬)の代表例
posted by さじ at 22:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理

2006年10月16日

武田薬品とエーザイが新薬の治験を海外並に短縮する

武田とエーザイ、新薬の国内発売時期早める

 武田薬品工業とエーザイは医療用新薬の国内発売時期で、海外に比べて平均4年あった遅れを1年以内に縮める。海外を先行させていた「臨床試験(治験)」を初めて日米欧でほぼ同時に実施し、新薬の早期発売を望む患者の声に応える。新薬の治験や承認審査期間を短縮する規制緩和の動きを背景に、製薬業界で同様の動きが広がりそうだ。

 製薬会社が新薬を実用化するには、医療機関に委託して人を対象に実施する治験が必要。国内では治験に手間と時間がかかることが発売遅れの最大の原因になっている。患者が集めにくく、実施できる医療機関も限られ、3―7年程度かかる。商品化を急ぐ製薬会社は海外で先に治験を実施するケースが多かった。

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 武田薬品の企業努力は物凄いですね。製薬会社にとって、ジェネリックが普及してくるであろうここ4,5年は気合の入れどころなのでしょう。下手すりゃ喰われる、そういう時代にきていると思います。

 日本の新薬実用化の遅延っぷりは以前から指摘されていました。患者側からすれば(厚生労働省の)怠慢以外の何物でもありませんが、その規制緩和に伴って治験を早めるようです。早めるからといっておざなりな検査をしては製薬会社の名折れ。倒産級の打撃となるため、武田薬品がそんなヘマをするわけはないとは思いますが。

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posted by さじ at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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