[がん]の記事一覧

2008年09月12日

RUNX3がん抑制遺伝子の欠如が大腸がんを引き起こす。

大腸がんの抑制遺伝子解明 シンガポール国立大の伊藤教授ら

 シンガポール国立大の伊藤嘉明教授らの研究グループが、RUNX3と呼ばれるがん抑制遺伝子の欠如が、大腸がんの発症や増殖に深く関与していることを解明した。この遺伝子は胃がんの抑制遺伝子として知られているが、大腸がんでも早期診断や治療への応用が期待される。

 米科学誌キャンサーセルの9月号に掲載。同大学などが9日、発表した。

 発表によると、グループは動物実験やがん患者の細胞の分析を通じ、大腸がんの増殖を引き起こすタンパク複合体を抑制するRUNX3が、がんの極めて早期に不活性化することを突き止めた

 伊藤教授は「乳がんやぼうこうがん、大腸がん、肺がん患者の治療に臨床応用が期待できる」と話している。

 伊藤教授は東北大で医学博士号を取得、京大ウイルス研究所所長などを経て、2002年にシンガポール国立大教授(がん研究所所長)に就任した。



 がん抑制遺伝子とは、文字通り、がんの発生を抑制するタンパク質を作り出す遺伝子です。

 一番有名ながん抑制遺伝子は「p53」ですかね。このRUNX3も同様にがんを抑制する遺伝子なのですが、この遺伝子が何らかの理由で欠如している人には大腸癌が発症しやすい、ということで、今後早期発見などで有用となるかもしれません。

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2008年09月09日

2ヶ月で13回も通院したのに癌を見落とされたとして訴訟。

「医師のがん見逃しで死亡」 遺族が盛岡地裁に損賠提訴

 盛岡市の女性が適切な治療を受けられないままがんで死亡したのは、医師の見逃しで発見が遅れたためとして、夫ら3人が26日までに、同市内の診療所と担当医に約1000万円の損害賠償を求める訴訟を盛岡地裁に起こした。

 訴状によると、女性は昨年3月から右腹などに違和感を訴え、診療所に通院。約2カ月の間に13回、担当医の診断を受けたが、医師は「精神的なものからくるのではないか」と説明、ほかの病気を疑うことなく整腸剤を処方し続けた。

 ところが昨年5月7日、別の病院で診察を受けると、結腸がんであることが判明。手遅れの状態で、11月19日に死亡した。

 診療所側は「岩手医師会に対応を付託しているため、コメントできない」としている。



 開業医に必要な能力の1つとして、全身を診る力と、異常を見落とさない力があります。

 2ヶ月に13回も来院していれば尋常でないとして他の検査を行うと思うんですけれど、この医師は何の検査もせず整腸剤だけ出し続けたんですかね?それはちょっと考えにくいか。

 腹部単純X線写真を撮っていて、見落としていたとしたら、医師側の落ち度ですね。画像という証拠があれば、医療ミス確定ですから。

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2008年08月22日

アメリカ人の半数以上が、医者よりも神の奇跡を優先する。

米国人の過半数「医師よりも神の奇跡を信じる」

 自分の家族が死に瀕している場合、医師の宣告よりも神の奇跡を信じるという米国人が過半数を占めることが、外科医が実施した終末期医療に関する調査で分かった。

 調査はコネティカット大学のレンワース・ジェイコブズ教授らが、無作為に抽出した一般の米国人1000人と、医師、看護師などの医療従事者774人を対象に2005年に実施。18日付の医学誌に発表した。

 一般の人を対象とした調査では、57・4%が「自分の家族が治療を続けても助かる見込みはないと医師に宣告されたとしても、神の力で助かる可能性はあると信じる」と回答。医師が勧めない治療でも家族が要求する権利はあるとの回答も4分の3に上った。

 一方、医療従事者では、神の力で助かる可能性があると答えたのは19.5%にとどまった。

 ジェイコブズ教授は、外科医療の進歩によってこれまでは即死だった患者も延命されるようになり、外科医が人の死にかかわる比重が大きくなったと指摘。助かる見込みはないと告げても、神が助けてくれると信じて治療継続を望む家族も多いという。医師はその気持ちを尊重しながら、レントゲンなどの検査結果を示し、奇跡は起こらないと納得してもらわなければならないと同教授は話している。



 まぁ、現実的には神様なんていませんからね、と言ってしまうと酷なようですが、終末期医療において、その自分の病状を受け入れるということは大切なことです。

 死を否定することはそのプロセスにおいて大切ですが、最終的には悲しみ、そして受け入れることで、自身の限られた命をより有意義に使ってもらうことができます。

 奇跡を信じ続けて闘病するか、死を受け入れて残された人生を歩むか。
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2008年08月14日

乳がんを早期発見できるブラジャーを開発している。

乳がんを早期発見する下着 英研究者が開発進める

 生地に施した特殊な加工により、乳がんのしこりを早い段階で発見できるブラジャーの開発に、英ボルトン大の研究者が取り組んでいる。今後2−3年のうちに発売される見通しだという。

 同大のエリアス・シオレス教授によると、ブラジャーの生地にはマイクロ波アンテナが織り込まれ、体内組織の微妙な温度変化を検知することができる。増殖する腫瘍の周辺は血流が増え、温度が上昇することが知られているため、この兆候をとらえれば早期発見につながるというわけだ。「乳がんの治療中に効果を観察する目的で使うこともできる」と、同教授は説明する。

 ただ、このアイデアが本当に実用化されるのか、従来の検診に代わる方法となり得るのかについて、懐疑的な見方を示す専門家もいる。米トーマスジェファソン大病院の乳腺外科医、アン・ローゼンバーグ教授は「良性の腫瘍や炎症でも、血流は増える可能性がある」と指摘する。

 衣服に医療機能などを導入する研究は、10年ほど前から飛躍的に進歩し、これまでに防虫、防臭などの作用を持たせた服が売り出されている。米コーネル大では昨年、服飾デザインを専攻する学生が、銀イオンの殺菌作用を利用して「風邪やインフルエンザを防ぎ、洗濯も不要なファッション」を発表。米デラウェア州のテキストロニクス社は、運動中に心拍数などを計測できる「スポーツブラジャー」の開発に成功した。

 欧州では3年前から、欧州委員会の出資で、生体センサーなどを衣服に織り込む国際共同プロジェクト「バイオテクス」が進められている。チームでは第一段階として、着る人の汗の量や成分を測定できる衣服の開発を目指す。同プロジェクトに参加するアイルランドの研究者、シャーリー・コイル博士は「繊維製品にさまざまな機能を加える方法は、日々新たに発見されている。大きな可能性を秘めた研究分野だ」と話している。



 血流の増加による温度変化を見極めようというのか…ん〜難しいような気もしますが…。

 まぁでも、良性にしろ、異常はみつけといたほうがいいですもんね。おや?と思ったら病院に行って検査するぐらいのほうが、早期発見しやすくなりますし。

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ビタミンCを直接体内に投与することでがん細胞に効く。

がん:ビタミンC、マウス大量投与で増殖半分に 米研究所

 ビタミンCをマウスに大量投与することで、がん細胞の増殖を半分に抑えることができたとの実験結果を、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

 チームによると、約30年前にビタミンCががんに有効だと注目されたが、その後の実験で否定された。今回は、効果が否定された経口投与ではなく、体内に直接注入。「副作用もなく、人間への適用も可能だ」としている。

 実験ではまず、43種類のがん細胞と5種類の通常細胞に、ビタミンC(アスコルビン酸)の溶液を加えると、通常細胞に変化はなかったが、がん細胞のうち33種類では細胞の半分以上が死滅した。

 次に、腹腔内にそれぞれ子宮がん、膵臓がん、脳腫瘍の細胞を植え付けたマウスに、体重1キロ当たり4グラムという大量のアスコルビン酸を毎日投与すると12〜30日後に、投与しなかった場合に比べてがんの重さが41〜53%に抑えられた。副作用もみられなかった。

 アスコルビン酸から発生した過酸化水素ががん細胞に作用したとみられるという。



 昔と違って、今ではがん細胞に直接特定の物質を入れることも可能になってきていますからね。もしかするとビタミンCの有効性も再検討されるかもしれません。

 ビタミンCを多く摂取すれば、がんに効くというわけではないかもしれませんけれど、日常的に多く摂れば、健康に良いので。定期的に摂取したいところです。

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2008年08月13日

喉頭癌で人工喉頭になった人が禁煙教室を開く。

人工喉頭使い「誘惑に乗らないで」 禁煙日記

 「53歳の時に声帯を取りました

 首に当てた電動式人工喉頭からロボットのような声がした。和歌山市大谷、市民団体「たばこ問題を考える会・和歌山」代表世話人、畑中孝之さん(63)は一語一語かみしめるように続けた。「たばこの誘惑には乗らないでください」。同市立吹上小で7月10日にあった禁煙教室。6年生64人は水を打ったように静まり返った。

 97年、喉頭がんが見つかった。放射線治療を受けたが、再発の恐れがあると声帯の摘出手術を勧められた。「手術せなんだら、どれくらい生きられますか」。医師は「10カ月」と答えた。15歳で鉄工所に就職して「大人への仲間入りだ」と吸い始め、それまでの20年ほどは1日約50本。何度も禁煙を試みたが、手術当日の朝まで吸い続けた

 喫煙者を非喫煙者と比べた場合、がん発症率が高くなるとされ、咽頭がんは32・5倍に上るという研究もある。禁煙の重要性を感じた畑中さんは03年5月、考える会に入会。県内外で講演し、04年10月から、「和歌山禁煙教育ボランティアの会」が小学校で行う出前授業にも加わった。

 「ぼくは1本くらい吸おうと思っていたけど、絶対吸いません」「人前で話すのは嫌なのに、私たちのために話してくれてありがとう」。学校から受け取ったアンケートに涙し、勇気をもらった。

 「お母さんにたばこをやめるようもうちょっと頑張ってみます」というメッセージもあった。講演後そばに寄ってきた子に、「家族で誰か吸うてんの」と声をかけたら、せきを切ったように泣き出したことも

 「たばこ吸うてなんだら、こんなんならんかったと後悔してる。一人でもたばこを吸わないでいてくれるよう願っています」



 煙草ががんを引き起こすことなんぞ分かっている、しかしそれは確率論であって、その覚悟があるんだから別に今吸ってもいいだろうマジで

 と、若者は思っているかもしれません。しかしもし本当に癌になったら、その時にそう思っていたことを後悔するでしょう。

 癌による弊害というのは、命を失うことだけではありません。身体の機能を失うのです。命を失うよりマシだと本っ当に思いますか?

関連:禁煙へ挑戦するためのまとめ
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2008年07月18日

偽のがん検査キットを18万個売った臨床検査会社社長を逮捕

ニセがん検査器具 18万個販売「陰性」信じ、死亡も

 「尿で簡単にがん検査ができる」とうたって、役に立たない診断キットを販売したとして、警視庁は18日、医薬品輸入販売業、南秀明(63)(神戸市東灘区)と臨床検査会社「マリア・クォールホールディングス」社長、飯田祐巳(37)(東京都中央区)の両容疑者ら3人を薬事法違反(無承認医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕した。

 同庁は、南容疑者らが約3年前から同キット約18万個を健康食品会社などに卸し、約3億2000万円の利益を得ていたとみている。

 発表によると、3人は2006年6月〜昨年12月、医薬品の販売資格がないのに、仙台市や大阪市内の健康食品会社などに、「CCD」「CCS」などと名付けた無承認のがん検査キット計約9800個を計約2200万円で販売した疑い。健康食品会社などは、全国各地の薬局に商品を卸していたという。

 同庁幹部によると、南容疑者らは、同キットについて、「尿に薬品を入れ、変化した色の濃さでがん細胞の有無がわかる」などと説明していたが、主成分は水銀とニッケルで、がん細胞には反応しないという。同キットを購入したがん患者が陰性反応を信じ、がん摘出手術を断るなどして、結果として死亡するケースもあったという。

 調べに対し、南容疑者らは、無許可で販売したことを認めており、「香港からキットを輸入した」などと供述しているが、海外で同キットが使われている事実はなく、同庁では、南容疑者らがキットの製造にもかかわっている可能性もあるとみて調べている。



 酷い話ですな。

 まぁこんなうさんくさいものを信じるほうもどうか、とは思いますけれど、がん患者やそのご家族は、まさしく藁をもすがる想いでいるわけです。

 一番我慢ならんのは、病院以外の選択肢として、「詐欺」というものを与えてしまったことです。

 当然、がんであることを否定したい人からすれば、まさに幸運だったことでしょう。しかしそれはごまかしにすぎず、結局命まで奪ってしまった。

 重い刑を期待します。そして、がん関連で溢れかえる偽の健康食品が悉くなくなりますように。
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2008年07月16日

日常でよく動く人は、がんになるリスクも低くなる。

よく動く人、がんリスク低い=8万人追跡調査−厚労省研究班

 日常生活で体をよく動かす人ほどがんになりにくいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で分かった。米国の疫学専門誌に10日までに発表した。研究班の井上真奈美国立がんセンター室長は「活動的な生活ががん予防の一端を担える可能性がある」としている。

 研究班は1995年と98年、全国10地域の45〜74歳の男性約3万8000人、女性約4万2000人を対象に、身体活動の時間を(1)肉体労働や激しいスポーツの時間(2)歩いたり立ったりする時間(3)座っている時間(4)睡眠時間−に分けて調査。2004年末まで追跡したところ、この間に男性2704人、女性1630人ががんになった。 



 代謝の問題なんでしょうかねぇ。生き物である以上、動くほうが自然で、その自然さにマッチしない人には異常細胞が出来やすくある?

 男性3万8000人のうち2700人が、女性4万2000人のうち1600人が10年のあいだに癌になってしまうんですね。いやー、ホント、癌は国民病ですねぇ。かかるリスクが大きい以上、できるだけリスクを減らすような生活を心がけたいところです。

 その手始めの一歩が、「よく動くこと」。

関連:がん
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2008年07月06日

がん患者と家族に医療情報を提供する民間団体が発足。

電話がん相談、民間団体が設立

 がん患者と家族に様々な医療情報を提供する民間団体「がん電話情報センター」(東京都文京区)が先月設立され、相談業務を始めた。

 電話でのがん情報の提供を目的にした団体は国内では初めて。当面は白血病などの血液がんと乳がんを対象に、教育プログラムを修了した相談員が対応している。

 白血病などの患者の電話相談を11年続けてきた「血液情報広場・つばさ」など二つのNPOが国立がんセンター(東京都中央区)の研究者らと合同で130時間の相談員養成プログラムと相談マニュアルを開発した。

 プログラムで学んだ看護師や乳がん経験者ら5人が専属の相談員として雇われ、病気の基礎知識や治療法、副作用、医療機関、福祉制度、患者会などを患者・家族に紹介している。

 相談主任で、「つばさ」代表の橋本明子さんは「がんを告知された患者は最も孤独で混乱している。じっくりと話を聞いて必要な情報を伝え、心に余裕を持ってもらうことが大切。その人に最善の方法を見つけてもらうお手伝いができれば」と話していた。

 相談は一般加入電話と携帯電話のみ、平日の正午〜午後5時に相談センター(0570・055224)で受け付ける。通話料は全国一律で1分10円。運営のために寄付も求めている。



 日本では医療ボランティアが少なく、どうしても患者医者関係1本になってしまいがちなんですが、こういう「電話相談」があることで、救われる心ってのは確かにあるものです。医療従事者側にしてもありがたい存在ですし、患者側にしてもかけがえのないものだと思います。

 新たにがんの電話相談を民間が始める、素晴らしいことです。なかなか思い立っても実行できないものですわ。この活動が普及して、気持ちの上で楽になる人が多くなれば、これ幸いではないかと思います。

関連
医学処:尿もれや性器脱などで悩む女性向けの電話相談。
医学処:神戸いのちの電話の役割と活躍について。
医学処:2007年度の全国県別自殺率・自殺者数表。
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2008年07月03日

噛み煙草は口腔癌のリスクを80%も上昇させる。

無煙たばこ、口腔がんのリスクを80%上げる=WHO研究

 噛みたばこや嗅ぎたばこは肺がんとの関連性がないものの、こうした無煙たばこ製品は口腔がんのリスクを80%上昇させるという研究結果を、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が1日に発表した。

 IARCの疫学者、パオロ・ボフェッタ氏は、同研究の狙いについて、これまで専門家の見解にばらつきがあった無煙たばこのリスクを数値化しようとしたと説明。

 世界各地で行われた11の研究を調査したところ、噛みたばこや嗅ぎたばこを使用する人々は、食道がんとすい臓がんを発症するリスクも60%高かったという

 同研究結果は英医学誌ランセット・オンコロジーに掲載されている。



 煙が悪いわけではなく、煙草の成分そのものが癌を引き起こすんですかね。

 噛み煙草は日本ではあまりメジャーではありませんけれど、普通の煙草は癌のリスクになるが噛み煙草なら問題ないという誤解をよく見ます。

 実際は、肺に行くことはないにせよ、口腔や食道などには当然煙草の成分がいきわたりますので、癌は出来る、と。

 肺癌は症状としてかなりツライですが、口腔癌は美容上の問題もありますし、何より口関連の機能って高次機能を行う人間にとっては重要ですからね。正直言って口腔癌になるリスクが上がるというだけで、噛み煙草はやりたくありません。。。

参考:口腔癌体験記

関連
医学処:禁煙へ挑戦するためのまとめ
医学処:将来煙草を吸わないと考えている児童が増加している。
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乳房手術した女性専用のブラジャー「リマンマ」を発売する。

乳房手術後の下着 相談会

 乳房を手術した女性のための下着を展示し、試着や採寸、個別相談に応じる装いと下着に関する相談会」が今月から全国9都市で開かれる。

 下着メーカーのワコール(京都市)が行っている相談会で、今年で16年目。同社では、乳がんなどの手術をした女性のための下着「リマンマ」を販売している。

 例えば、ブラジャーの肩ひもの調節金具は背中側に付けて手術跡にあたらないようにするなど、細かな工夫が施されている

 会場では全サンプルを展示。専門アドバイザーがパッドや下着の選び方、着け方の相談に無料で応じ、採寸や試着も可能。当日は商品の販売はしないが、予約を受け付ける。

 会場と日程は以下の通り。

和歌山市(和歌山ビッグ愛)17〜19日

青森市(青森県観光物産館アスパム)9月11〜13日

新潟市(新潟商工会議所中央会館)9月18〜20日

熊本市(レンガヒル・熊本)10月16〜18日

長野市(JA長野県ビル)11月13〜15日

徳島市(アスティとくしま)11月20〜22日

前橋市(12月に予定)

浜松市(1月に予定)

広島市(広島県立総合体育館・2月に予定)

 事前予約が必要。問い合わせは、ワコール・リマンマ事業課(0120・037・056)へ。



 女性ならばかなり高い確率で、乳がんになります。しかし早期発見のためのプロセスを経ていれば、つまり定期的に検診を受けていれば、早期がんで済みますし、切り取るだけで治ることもあります。

 しかし乳房にメスを入れ、切り取るということは、女性ならば誰しも抵抗があるもの。

 現在は再生術も発達していますので、結構満足度は上がってきているようですが、それでも違和感はあるでしょう。

 この、乳がん術後専用ブラ「リマンマ」は、まさに女性のためのブラといった感じです。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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医学処:乳がん患者だけで行く温泉ツアーを再度開催決定
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2008年06月30日

肺癌治療薬イレッサによる副作用は1916件。734件が死亡

イレッサ副作用死、734人に=1年間で28人増−厚労省

 厚生労働省は24日、肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の副作用と疑われる症例が、2002年7月の販売開始から今年3月末までに1916件報告され、死亡した人は734人に上ったことを明らかにした。

 小池晃参院議員(共産)の質問に対する答弁書で明らかにした。07年度の1年間で、副作用と疑われる症例は119件増え、死亡は28人増えた。



 画期的な「分子標的薬」でしたが・・・副作用が強くては使い勝手が良いはずもないですよね。

 副作用による死亡なのか癌によるものなのかは分かりませんが、副作用だけで2000例近く報告されているので、まぁ今後は難しいかなあと。

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医学処:肺癌治療薬イレッサでの副作用による死亡が706人に上る。
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がんの発見の遅れを医療ミスとして1000万円を払う。

がん発見遅れは医療ミス、市が1千万円支払う

 大阪府の東大阪市立総合病院の医師のミスでがんの発見が遅れ、人工肛門と人工膀胱をつけた生活を余儀なくされたとして慰謝料1500万円の支払いを求めた同市内の男性(63)に対し、市側が医療ミスを認め、1千万円を支払って和解した。市が26日明らかにした。

 同病院によると、男性は腹痛などを訴え、消化器科に99年秋に約1カ月、内科に01年春に約10日間入院。その際、便に血が混じっていたり、がんが疑われたりする検査結果が出たが、担当した30代の女性医師と40代の男性医師は大腸ファイバースコープなどを使った精密検査をせず、それぞれ、すい臓炎、細菌性大腸炎と診断した

 男性はほかの病院で直腸がんと診断され、02年1月に手術で膀胱などを摘出。昨年8月に市に損害賠償を求めた。病院が当時のカルテを調べ、退職していた医師2人に事情を聴いたところ、異常を見落としたことがわかり、今年5月、東大阪簡裁での調停で和解に応じたという。

 波多丈院長は「あってはならない医療ミスで、深くおわびする。すべての医師に指導を徹底し、再発防止に努めたい」としている。



 まず癌を疑い、それを念頭において診断すべきところですからね。これは医療ミスですな。

 画像などの検査法が発達した今では、「見落とし」というイージーミスは、あってはならぬことです。特に総合病院などの大きい病院の場合、「病院の中でも最後に行き着くところ」としての責任がありますからね。

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医学処:胃癌検診の裏側〜異常を拾い上げる能力〜
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2008年06月19日

ハーバード大学が慢性骨髄性白血病の根治療法を開発する。

慢性骨髄性白血病、根治へ治療法を開発 ハーバード大

 慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を、米ハーバード大医学部の伊藤圭介研究員らが開発した。異常な白血病細胞をつくりだす骨髄中のがん幹細胞をなくし、再発を防ぐことにマウスで成功した。人間の細胞でも同様の効果を確認した。19日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 同大はこの治療法の臨床試験の開始を、すでに決めた。イタリア・トリノ大からも臨床試験の依頼を受け、日本でも計画しているという。

 現在の抗がん剤治療で使われる薬は、白血病細胞のような増殖能力が高い細胞を標的にしている。このため、白血病細胞は殺せるが、増殖をしていないことが多いがん幹細胞には効きにくかった

 伊藤さんらは、まず「PML」という遺伝子が、がん幹細胞を休止期の状態にしていることを発見。さらに亜ヒ酸を抗がん剤と一緒に投与すると、このPMLの働きが落ちて、がん幹細胞の増殖が盛んになり、抗がん剤の効き目があがることを突き止めた。

 慢性骨髄性白血病は、国内では10万人に1〜2人の割合で発症し、成人の白血病の約2割を占めるとされる。



 慢性骨髄性白血病。いわゆるCMLです。フィラデルフィア染色体、BCR-ABL遺伝子、そして治療薬のグリベッグ(イマチニブ)。

 グリベッグの登場により、かなり効果を挙げて来ましたが、今回のこの発見によって、より助かる人が増える可能性が。血液のがんと言われている白血病でも、根治することができるようになる、かも。

参考:慢性骨髄性白血病

関連
医学処:適合した途端に辞退する骨髄ドナーの存在意義
医学処:白血病の再発を防ぐための画期的治療法を開発
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2008年06月04日

移植後の肝がんを防ぐ、NK細胞の培養投与について。

NK細胞で移植後の肝がん防ぐ

 正常な肝臓にある強い抗がん作用を持つナチュラルキラー細胞(NK細胞)を培養・投与することで、肝臓がんで臓器移植を受けた後の患者で、再び肝がんができるのを防ぐことに、広島大の大段秀樹教授(外科学)らが成功した。

 肝臓がん患者に移植を行った後、体内に残るがん細胞で、移植した肝臓に再びがんができる場合がある。

 大段教授らは2年前、移植用の肝臓に通した後の保存液から、強い抗がん作用を持つNK細胞を発見。2日間培養し、肝臓がんを殺す能力を高めたNK細胞の投与を移植患者に始めた。

 その結果、2000〜2006年に移植を受け、NK細胞を投与されなかった患者42人のうち4人に再びがんができたが、細胞を投与した14人には現在、がんはできていない。

 培養したNK細胞の表面には、肝臓がんを殺す働きを持つたんぱく質が多数生成されるという。

 また、肝臓がん患者の7割以上がC型肝炎だが、培養したNK細胞は肝炎ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンを作り出す働きも持つ。大段教授らが移植後の患者にNK細胞を投与したところ、何もしない場合と比べ、ウイルスの量を一時100分の1まで減らすことが出来たという。



 これはナイス。

 あ、これはアレですよ、いわゆる免疫療法っていうんですか、癌の患者の免疫細胞を取り出して培養して注入すると治るとかいう、うさんくさい医療(?)とは違います。実際免疫療法ってどこまで効くんですかね。根拠はまるでないですし、末期のがんを免疫で治せたらそりゃどこの病院でも取り入れますし。

 あくまで、肝がんが「出来るのを防ぐ」だけ。がんを治すというわけではないので。
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喫煙者が飲酒すると肺癌の危険率は更にアップする。

飲酒で肺がん危険度アップ=喫煙者の場合「拍車」

 たばこと肺がんの関係はよく知られているが、酒を飲む量が多いとさらに発症リスクが高まることが30日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。非喫煙者ではこうした関係がみられなかった

 飲酒と肺がんについては多くの研究があるが、たばこの影響が大きいため、はっきりした結果は得られていない。

 研究班は1990年と93年、東北から沖縄まで全国10地域で、40〜69歳の男性約4万6000人の生活習慣などを調査。2004年まで追跡し、この間に651人が肺がんになった。

 飲酒量で「飲まない」「時々飲む(月1〜3回)」と、1日当たり「1合未満」「1〜2合」「2〜3合」「3合以上」に分け、喫煙者と非喫煙者を別々に解析。喫煙者では、飲む量が多いほど肺がん発症率が高くなる傾向があり、「2〜3合」「3合以上」では時々飲む人の1.7倍だった。 



 実際、酒もがんのリスクにはなりますけれど、肺癌の場合、煙草の害がダントツすぎて今まで調査のしようがなかったというだけでしたからね。

女子中高生が煙草を吸う原因は、母親にあった
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2008年05月15日

抗がん剤の原料となる猛毒の植物。

抗がん剤原料の猛毒もつ植物、なぜ平気? 副作用減に道

 大腸がんや肺がんなどに使われる抗がん剤イリノテカンの原料になる猛毒カンプトテシンをもつ植物が、自らは中毒を起こさない仕組みを千葉大学の斉藤和季教授(植物細胞分子生物学)らが突き止めた。この仕組みを応用すれば、薬を大量生産したり、副作用を抑えたりする方法が開発できる可能性がある。今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表される。

 イリノテカンは、中国原産の落葉樹である喜樹や南西諸島のクサミズキの葉からカンプトテシンを抽出、精製して製造している。これらの植物は、動物に食べられないためや近くにほかの植物が生えないようにするためにカンプトテシンをつくるよう進化したと考えられる。

 薬の大量生産には酵母や大腸菌の遺伝子に原料の遺伝子を組み込んでつくらせる方法がある。しかし、カンプトテシンができるとその毒で、酵母や大腸菌が死んでしまう

 斉藤教授らは、カンプトテシンをつくるチャボイナモリという植物では、酵素の遺伝子に、特殊な変異があることを見つけた。喜樹の酵素にも同じ変異があった。同じ変異を酵母の酵素に人為的に起こすと、カンプトテシンがあっても酵母は増え続けた。そこで、この方法を応用すれば、イリノテカンを短期間に大量生産できる可能性があるという。



 へぇー。イリノテカンって植物から作っていたんですか。それが腫瘍を攻撃する働きをする薬になるとはねぇー。

 自分の毒で死なない工夫も、遺伝子としてセットされている、と言ってしまえば簡単ですけれど、実際はなかなか難しいですよね。まさしく進化の不思議と言わざるをえません。

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2008年04月24日

乳製品を多く取る男性は前立腺癌になりやすい?

乳製品が前立腺がん促進? 他のがんには予防効果も

 牛乳やヨーグルトなど乳製品を多く取る男性は、前立腺がんになる危険性が、ほとんど取らない人の約1・5倍になるとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班が16日、発表した。

 研究班は9府県の45−74歳の男性約4万3000人を平均7年半追跡。この間、329人が前立腺がんになった。牛乳で摂取量が最多のグループ(1日コップ1杯半)は、最少のグループ(ほとんど飲まない)より危険性が1・53倍大きかった。ヨーグルトや乳製品全体でも、最多グループの危険性は、最少グループの1・52−1・63倍だった。

 乳製品は大腸がんや他の疾患を予防するとの報告もあり、研究班の倉橋典絵国立がんセンター研究員は「一概に摂取を控えるべきだとはいえない」として、乳製品の利益と不利益のバランスを明らかにするような調査が必要だとした。



 何ででしょうね。乳製品に含まれる脂肪分か、もしくは内分泌に影響を与えるような何かが前立腺に悪影響を?

 いや、でも、癌ですもんね。そんな理由ではないような気もします。

 まぁ今までどおり食べても平気でしょう。

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2008年04月17日

化学療法前に正常の細胞を副作用から守る方法を発見する

癌化学療法前の絶食が正常細胞を副作用から守る

 癌化学療法の前に絶食することで、強い薬剤による細胞毒性副作用(toxic side effects)から患者を保護し、悪性細胞だけを攻撃する効果が得られることが示された。化学療法による副作用は癌治療の大きな障害の一つ。

 研究を行った米南カリフォルニア大学ノリスNorris癌センターのValter D. Longo氏によると、今回の知見は試験管レベル、および酵母とマウスを用いた実験によるもので、ヒトでは再現されていないが有望だという。この知見は米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に3月31日掲載された。

 Longo氏によると、今回の発想はもともとアンチエイジング(抗加齢)という異分野の研究から得たという。正常細胞にはあらゆる危険やストレスから生体を守る「防御モード」があることを突き止めたLongo氏らは、この特質を利用して、化学療法を実施する際に正常細胞と癌細胞とを区別することができないかと考えた。

 飢餓状態を模倣するよう遺伝子操作した酵母において、ストレスに対する防御が得られることが示された。その後、ヒトおよびラットの癌細胞および正常細胞でブドウ糖欠損を誘発したところ、正常細胞は毒性物質から保護され、癌細胞は保護されないことがわかった

 研究グループは次に、脳腫瘍細胞を注射したマウスを高用量の抗癌薬エトポシドに曝露させ、治療前に48時間および60時間の絶食させたマウスと、絶食させなかったマウスとを比較した。その結果、絶食していないマウスの43%が治療から10日以内に死亡したのに対し、48時間絶食マウスでは死亡は1匹だけだった。また、絶食マウスは治療前に体重が20%減少したが、治療後4日で元の体重に戻ったのに対し、絶食していないマウスは治療後20%の体重減少がみられた。絶食していないマウスにみられた運動障害、体毛の乱れ、姿勢の悪化などの毒性副作用も48時間絶食マウスには認められなかった。

 60時間絶食マウスはさらに高用量の薬剤に曝露させたところ、絶食していないマウスは5日以内に全部死亡したが、絶食マウスには死亡例はなかった。絶食による体重減少は治療後ほぼ回復し、毒性の徴候も認められなかった。Longo氏らは、短期間の絶食により正常細胞が保護され、癌細胞のみ治療することが可能と結論付け、ヒトを対象とする試験を準備しているという。

 別の専門家は、この研究を化学療法の望ましくない副作用を軽減する取り組みとして「理にかなった」もので、極めて興味深く、期待できると述べている。ただし、この方法が誰に対しても有効であるとは限らない点も指摘している。



 これは興味深い!正常の細胞が正常たる点に着目し、不死・増殖という癌の特徴を見事に利用した手法です。

 絶食という、生物にとっては命の一大事となりうる状況を作ることで、正常細胞だけに通常とは違った活性化を与えるという着眼点が素晴らしい。是非とも人での臨床試験で成功させてもらいたいものです。

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2008年04月03日

国立がんセンターの麻酔科医、現場に不満で退職相次ぐ。

国立がんセンターで麻酔医退職相次ぐ 手術も制限

 日本で最大級のがん治療施設である国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長)で、常勤の麻酔医10人のうち、5人が昨年末から今年3月にかけて相次いで退職し、手術件数を2割減らす事態に陥っている。全国的な麻酔医不足の波に、がん医療の先端を担う中核病院ものみ込まれたかっこうだ。

 中央病院は、1日当たり約20件だった手術を、3月から15件に減らした。院内に張り紙で手術件数の制限について患者に周知。「(手術を)特に急ぐ必要のある方には都内、あるいは自宅の地域の病院を紹介します」と理解を呼びかけている。

 中央病院によると、退職医師の多くは、給与など待遇の良い医療機関に転籍した。中央病院医師は国家公務員で、30代の中堅で年収700万〜800万円ほど。1千万円を超えることの多い民間病院と比べて低く、より良い待遇を求めたとみられる。また、関係者によると、技術を向上したいという麻酔医らの要望に、中央病院の手術内容では応えられないという不満も出ていたという。

 日本麻酔科学会が05年にまとめた提言では、全国にある1万の病院のうち4千施設が全身麻酔を実施。だが、麻酔医が所属する同学会員が常勤している施設は約2千にとどまっており、手術の安全が懸念されると指摘している。

 全身麻酔による手術件数は年々増えているほか、がん患者らの痛みをコントロールする緩和ケアやペインクリニックも広がっている。手術以外での麻酔医の需要も不足に拍車をかけているとみられる。



 お金の面ではまぁ仕方ないでしょう。むしろ薄給でも最先端のところでやりたいというガッツ溢れる麻酔科医が入っていると思っていました。

 しかし国立がんセンターでは麻酔科医の要求する「技術の向上」に応えられないということだそうで・・・。技術的にも他の病院に行ったほうがいいなら、麻酔科医はまぁいなくなって当然ですよね。ただでさえ麻酔科医は重宝するわけですから。

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posted by さじ at 23:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん