[がん]の記事一覧

2006年11月22日

PS3を癌やアルツハイマー病の新薬研究に活用する

PS3、新薬開発に一役・SCEと米スタンフォード大学

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は米スタンフォード大学と組み、新ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」をがんやアルツハイマー病の新薬研究に活用する。国内外のPS3所有者がインターネットに接続すれば、同大学の研究に参加できる。スーパーコンピューター並みのPS3の能力を膨大なデータ処理が必要な先端分野に生かす。PS3は国内は11日に発売。米国では17日に販売が始まる。

 対象の研究は人間のたんぱく質構造を解析して病気の特効薬を探す。SCEが近く、PS3の利用者がネットにつないで解析専用ソフトをダウンロードできるようにする。ゲームをしていない時間でもネットにつないでおけば、それぞれの端末が解析作業に参加する。

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 あれ、これはUDと同じ仕組みなんですかね。UDは「薬として使える蛋白質の解析」でしたが。

 UDについては近々まとめたいと思います。是非皆さんにもやってもらいたいプロジェクトの1つです。
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2006年11月16日

ブドウの種子に含まれているプロアントシアニジンに抗がん作用

ブドウのたねが癌を防ぐ

 ブドウ種子抽出物に大腸腫瘍の成長を妨げる作用があることが、培養細胞およびマウスを用いた研究で示された。米コロラド大学健康科学センター(デンバー)薬学部門教授Rajech Agarwal氏らのチームによると、マウスにこの抽出物を投与したところ、進行性大腸腫瘍に44%の縮小がみられたという。

 研究チームはさらに、ブドウ種子抽出物が癌の成長を妨げる機序も突き止めた。細胞周期を「凍結」させ、癌細胞の自己破壊を引き起こす腫瘍内の蛋白「Cip1/p21」の作用が、ブドウ種子抽出物によって高められるのだという。この知見は、医学誌「Clinical Cancer Research」10月15日号に掲載された。

 Agarwal氏らは過去の研究で、別のタイプの腫瘍でもブドウ種子抽出物に抗癌作用がみられることを示している。ブドウの皮や種には、プロアントシアニジンという抗酸化フラボノイドが豊富に含まれている。

 ただし、今回の結果について「今すぐブドウ種子エキスを買いに走るよう勧めているわけではない」とAgarwal氏は述べている。用量や副作用については不明な部分が多く、むやみに利用するのは危険だという。ブドウ種子抽出物が癌を縮小させることと、その機序を明らかにした点でこの前臨床試験は価値のあるものだが、ヒトの癌の治療法および予防法として試験を実施するまでには、さらに多くの研究が必要とのこと。


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 おそらく人が効果を挙げるには、例によって何百倍もの濃度と量を投与しなければいけないんでしょうが、効果があると実証されただけでも一歩前進です。

 ちなみにこのプロアントシアニジンですが、既に商品として売られているようで。効果が定かではないのですが、以下のような効果がある「らしい」、と。

・抗酸化作用
・抗がん作用
・血管の弾力性を回復させ、毛細血管の浸透性を高める
・コラーゲンの強化
・良性の脂肪酸の生成を促進
・炎症を起こした細胞組織の修復の援助
・視力と網膜に対する栄養学的サポート
・月経前症候群に関連した症状に対する栄養学的援助
・関節炎の症状の緩和
・静脈癒の症状の改善
・花粉症と喘息に対する栄養学的サポート

 よくもまぁこんなに挙げたものだと感心してしまいますが、他の健康食品と同様、「だから飲めば癌が治る」とかそういう類の商品ではないので、購入を検討されている方は慎重に。

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大腸がんの原因となるポリープは、男性のほうができやすい。

大腸癌リスクは男性の方が高い

 大腸癌の原因となるポリープは、女性よりも男性に多くみられることを示したポーランドのグループによる研究が、「New England Journal of Medicine」11月2日号に掲載された。大腸癌検診ガイドラインの修正を提案しているが、米国の専門家は異議を唱えている。

 大腸癌(結腸直腸癌)はほかの癌と異なり、前癌状態のポリープを検知することにより、かなり予防できる。米国消化器病学会(ACG)では現在、平均的リスクをもつ人の場合、大腸内視鏡検査を50歳から受けるよう推奨しているが、男女での区別はない。内視鏡検査およびその他の検査法の利用により、米国では過去20年で大腸癌が有意に減少しているという。

 今回の研究は、マリア・スクロドフスカ‐キュリー記念癌センター(ワルシャワ)の研究チームが、ポーランドでの大腸内視鏡を用いた大腸癌検診プログラムに参加した40〜66歳の被験者5万人強のデータを調べたもの。40〜49歳の被験者は大腸癌の家族歴がある人で、ほかは平均的リスクの人である。50〜66歳では約6%、40〜49歳では3.4%に、進行した新生物(大腸の病変またはポリープ)がみられ、男性では女性よりも73%多くみられた。この結果に基づいて、研究グループは、大腸癌の検診に関するガイドラインを、年齢やリスクだけでなく性別も考慮したものに修正することを提案している。

 しかし、米Northern Westchester病院(ニューヨーク州)のJerald Wishner博士は、大腸癌やポリープは女性にも非常に多いので、男性に集中して検診を行うのは問題だと指摘。米テキサスA&M大学医学部のAndrejs Avots-Avotins博士も、わずかな差はあっても大腸癌は男女均等に発症するもので、男女を区別するべきではないと述べている。

 またWishner氏は、大腸癌の罹患率や食生活が異なるポーランドの研究を米国人に当てはめるのは難しく、費用対効果の面でも、癌に関しては、最善の方法と費用の安い方法とを量りにかけるべきではないという意見だ。Avots-Avotins氏は、大腸内視鏡検査の供給には限りがあり、この知見がリスク階層化の一つの手段となることは認めているが、ガイドライン変更の必要性についてはやはり疑問を呈している。

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 どちらにも多い、大腸癌ですが、男性のほうがリスクが高いという研究です。ですが今までもそれは指摘されていました。今回の研究は「ポリープの数で、男性のほうがリスクがある」ということでしょう。

 以下、国立がんセンターのサイトより引用です。

 大腸は消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収しながら大便にするところです。多種、多量の細菌の住みかでもあります。約2mの長さがあり、結腸と直腸肛門からなります。大腸粘膜のあるところではどこからでもがんができますが、日本人ではS状結腸と直腸が大腸がんのできやすい部位です。

 年齢別にみた大腸がん(結腸・直腸・肛門がん)の罹患率は、50歳代付近から増加し始め、高齢になるほど高くなります。

 大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性のほうが女性の約2倍と高く、結腸がんより直腸がんにおいて男女差が大きい傾向があります。

 男女とも罹患数は死亡数の約2倍であり、これは大腸がんの生存率が比較的高いことと関連しています。

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2006年11月05日

大量のパン食は腎臓癌を引き起こす可能性がある

大量のパン食が腎臓癌をもたらす

 腎臓癌患者と非患者の食物摂取を比較したイタリアの研究で、パンを大量に摂食している人では、少量の摂食者に比べ腎臓癌のリスクが2倍高いことが明らかになった。しかし、米国の専門家は、こうした研究は再現性と一貫性が必要で、結果の解釈は慎重にするべきだと忠告している。

 医学誌「International Journal of Cancer」10月20日のオンライン版に掲載された研究では、Mario Negri 薬理学研究所(ミラノ)のFrancesca Bravi氏らは、24〜79歳の腎臓癌患者767人と、同年齢層の非患者1,534人を対象に、食事、生活習慣、本人や家族の病歴を尋ねるとともに、身長と体重からBMI(肥満指数)を割り出した。また被験者は、78食品について過去2年間分の1週間毎の平均摂取量を回答した。

 パンを最も多く摂取したの人は週28人分で、最も少ない9人分の人より腎臓癌リスクが2倍近く高かった。1人分は50gの計算で、パン1〜1.5枚に相当する。パスタや米を最も多く摂取した人では、リスクは上昇していたが統計的な有意差は認められなかった。牛乳やヨーグルトを大量摂取した人では、腎臓癌リスクは1.3倍高かったが、鶏肉、加工肉や野菜の摂取量が多い人ではリスクは低下した。

 Bravi氏は、パン、パスタ、米の大量摂取と腎臓癌リスク上昇の関係は、これらの食品が血糖を上昇させることが原因ではないかと推測している。同氏は、こうした食品の大量摂取は、癌に関与するインスリン様成長因子の濃度に作用し、癌の発生プロセスに影響する可能性があるという。

 しかし、米国癌協会(ACS)スポークスウーマンのKarji McCullough氏は、同研究には限界があると指摘する。被験者は食事内容を2年分思い出す必要があり、また、腎臓癌患者は、自分と非患者の食事で異なる点を思い出した可能性もある。さらに、パン摂取が直接関与したのではなく、パンと一緒に多量のバターを摂取したなど、別の要因も考えられるという。同氏は、現時点で腎臓癌リスクを軽減する最良の方法は、肥満や喫煙など、既知の要因を改善することだと述べている

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 若干怪しい研究データですね。パンとの直接の因果関係がつかめているわけではないのでそこまで深刻に考えることはないかも…。でももしかしたら「白米と脚気の関係」を見出した高木兼寛や鈴木梅太郎などのようにパンと癌にも関係があるかもしれないので無下に否定することはできませんね。

関連:医学処 和食生活だと大腸ポリープ発生率が3割減少
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2006年11月04日

モズクに含まれるフコイダンにがんの増殖を抑制する効果あり

モズクにがん抑制効果 フコイダンが転移を阻止
 
 モズクの主成分フコイダンにがん細胞の転移を阻止する効果があることが分かった。

 29日に横浜で開催された第65回「日本癌学会学術総会」で、シーズ(浦添市、前田すえこ社長)と共同研究を進めていた岡山理科大臨床生命科学科の浜田博喜教授らが学術論文で発表した。31日、県庁で会見した前田社長は「まだ基礎実験の段階だが、がんを抑える代替医療として世界に発信できるのではないか」と話した。

 研究はシーズが持つフコイダンを低分子化する技術を使って浜田教授らが進めていた。がん細胞は自ら血管を作り出し(血管新生)、正常な血管とつながることで栄養を取り入れ、転移する。

 浜田教授によると、5000に低分子化されたフコイダンががん細胞の血管新生を阻止し、結果がん細胞は死滅するという。浜田教授は「フコイダンを構成するフコースはメチル基という分子構造を含み、その部分が阻害に影響しているのではないか」と分析した。

 実験は鶏卵を使って行われ、フコイダンを投与した2日後、頭部に当たる部分の血管新生が止まったという。血管新生を阻止する抗がん剤としては、米国の製薬会社「ジェネンティック社」が開発した「アバスティン」が大腸がんに効果があるとして、2004年に米食品医薬品局(FDA)の認可を得、日本でも今年認可された。前田社長は「今後は抗がん剤としての可能性を探りながら、健康食品として商品化を目指したい」と述べた。

 シーズと岡山理科大は共同で研究を進めていた「沖縄生物資源からの配糖体とオリゴ糖包接体の開発」が、県実施の2004年度産学官共同研究推進事業に採択されている。

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 モズクが岡山名物なのかどうかは不明ですが、だからこそ信憑性が出てきましたね、これがもし「モモは癌に効く」とかだったら「あぁ〜」って思いますし。

 調べてみたところ、モズクは沖縄名物でした。

 アバスチンと同様の機序で癌を抑制できるのなら、モズクももしかしたら効くかもしれません。更なる研究成果に期待です。

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2006年10月28日

CTで発見した肺癌は10年生存率が9割にも上る

肺がんCT検診で早期治療、10年後の生存率9割

 CT(コンピューター断層撮影)による肺がん検診を受け、早期の段階で見つかり、治療した人の10年後の生存率が約9割にのぼることが、日本を含む国際チームによる大規模調査で分かり、26日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。CT検診の有効性をめぐる論議が活発化しそうだ。

 93年から05年の間にCTで検診を受けた日米欧などの3万1000人あまりを調べた。日本人では、JA長野厚生連安曇総合病院(長野県池田町)で人間ドックを受診した約6000人が対象になった。

 その結果、484人に肺がんが見つかり、うち85%は早期段階の「1期」と判断された。このうち、診断から1カ月以内に手術を受けた患者の10年生存率は92%だったという。一般的に、1期で見つかった肺がん患者は、5年生存率でも70%ほどとされている。CTでがんが見つかった患者全体の生存率は80%だった。

 CT検診は胸部X線を使う従来の検診よりも、小さいがんを発見できる。一方、結果的に、ただちに治療する必要のないがんが見つかってしまう例なども指摘されており、CT検診が必ずしも有効かどうか、まだ結論は出ていない。

 日本CT検診学会理事長の金子昌弘・国立がんセンター中央病院医長は「CTの有効性を考えるうえで、非常に心強い治療成績だ」としている。

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 普通はCT受けませんからね。でも高性能なものを使えば小さい肺癌でも見つけることができます。胸部X線で影を見つけるより、人体を輪切りにして腫瘍のようなものを見つけるほうが性能は良いですからね。手間隙かかりますが。

 小さい、限局した肺癌であれば、切って治すことができます。勿論の再発の可能性などがあるので100%とはいきませんが。より小さい癌を見つけることのできるCTは有用でしょう。

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2006年10月25日

がん細胞のアポトーシスに関する仕組みを山形大が解明

がん細胞自殺の仕組み解明 山形大、新治療の可能性も

 山形大医学部がんセンターの北中千史教授(腫瘍分子医科学)は24日、がん細胞の代謝と自殺(アポトーシス)に関する仕組みを解明したと発表した。がん細胞の代謝メカニズムを利用することで難治性がんの治療につながる可能性もあるという。研究は米医学誌に発表された。

 北中教授によると、正常な細胞は酸素を利用してエネルギーを作り出すが、がん細胞は酸素を利用できる状態でも利用しないことが分かっていた。しかし、がん細胞がなぜ酸素を利用した場合の20分の1しかエネルギーを作れない方法をとるのかは謎とされていた。

 北中教授の研究チームは、がん細胞を酸素と酸素以外のものを使って代謝させた場合を比較。酸素を利用しない場合、細胞内にある細胞の自殺を引き起こす分子が働かなくなっていることを発見した。

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 アバウトすぎてイマイチ掴めませんが…。アポトーシスのメカニズムとつかめたということは、逆に言えばそのメカニズムを活性化させれば勝手に消滅してくれるということに繋がりそうです。実際そんなんが成功するのかは疑問ですが。

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2006年10月21日

乳がん患者だけで行く温泉ツアーを再度開催決定

温泉ツアー:乳がん患者貸し切り、参加者募集−−来月 /福岡

 中央区天神で乳がん専門の「高木ひろみ乳腺レディースクリニック」を開く高木博美院長(46)が、乳がん患者だけの温泉ツアーの参加者を募集している。人の目を気にすることなく入浴できるように温泉を貸し切る。高木院長は「手術後、温泉に入れなくなった人も、この機会にぜひゆっくりくつろぎに来て」と呼びかけている。

 温泉ツアーは、11月11〜12日に1泊2日で大分県日田市の琴平温泉に行くコース(旅館「旅籠かやうさぎ」泊、3万4800〜3万6800円)▽同23日に日帰りで熊本県南小国町の黒川温泉に行くコースの2種類。バスの乗降場所はいずれもJR博多駅と天神・日銀前の2カ所。申し込みは今月中にJTB九州旅物語センター(092・725・4881)へ。

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 続報です。

医学処 乳がん手術患者だけで行く温泉ツアー

 乳がん術後、積極的に人前に肌を晒せなくなった人、大丈夫です。行ってみませんか?
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2006年10月17日

癌の化学療法を受けた患者に起こるケモブレインとは

癌(がん)克服後も患者を悩ませる「ケモブレイン」

 癌で化学療法を受けた元患者が、「ケモブレイン(chemo brain)」と呼ばれる慢性的な記憶力および注意力の障害に悩まされることがある。ケモブレインには、脳の代謝および血流の変化が関わっているという知見が、医学誌「Breast Cancer Research and Treatment」オンライン版10月5日号に掲載された。ケモブレインは患者の思い過ごしによるもの、という見方を否定する結果である。

 米国女性の死亡原因として、乳癌は肺癌に次いで多く、年間21万1,000人以上が乳癌と診断されており、化学療法を受けた患者の25〜80%が後に記憶障害を訴えている

 今回、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)David Geffen医学部のDaniel H.S. Silverman博士らは、PET(ポジトロンCT)を用いて、5〜10年前に腫瘍摘出術を受けた元乳癌患者21人の脳を検査した。このうち16人は化学療法を受けており、5例は外科手術のみであった。ほかに乳癌罹患歴も化学療法を受けた経験もなく、年齢やその他の条件の類似する女性13人についても検査を実施。被験者が約10分間の「短期記憶課題」に取り組む間、脳の血流を観察し、課題終了後に脳代謝も調べた。ケモブレインとの関係について直接脳を調べた研究は、今回が初めてとのこと。

 この結果、化学療法群では、課題に取り組んでいるときに脳の特定部位で比較的大きな血流の「急増」がみられ、ほかの2群に比べ課題の達成率が13%低かった。さらに、化学療法群は課題終了後の前頭葉での脳代謝率が低く、化学療法とホルモン療法を共に受けた患者は、大脳基底核と呼ばれる部位での安静時代謝が約8%低いこともわかった。脳血流の急増は脳活性の高まりを示すものであり、課題を達成する上での負担が大きいことを意味するという。

 ケモブレインは患者の生活の質(QOL)を長期にわたり大きく低下させるものであり、今回の知見は喜ばしいニュースとはいえないが、予防という観点からみれば、極めて心強いものだとSilverman氏は述べている。一方、別の専門家は、認知障害は多因子性のもので、年齢や閉経の影響と切り離すことが難しい点も指摘。また、症状が現れる患者は比較的少数であり、時間とともに改善することが多いのも事実だという。

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 抗がん剤による影響は深刻のようです。脳の血流が増減するだけで、その人の性格が変わってしまったのかと思わんばかりの作用が…。

 いつの日か、脳の受容体には働かないような薬ができるかもしれません。その時までは、知識を身につけることでケモブレインに対処するしかなさそうです。
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2006年10月11日

煙草と関係なく、家族に肺癌患者がいると発症率は倍になる

肺がん発生率 “家族に発症歴”で倍に

 家族に肺がんになった人がいると、そうでない場合に比べ約2倍の人が肺がんにかかっていることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査でわかった。家族に共通する体質や生活習慣が影響しているとみられる。

 調査対象は、全国の40〜69歳の男女約10万人。両親や兄弟姉妹に肺がん歴があるかを聞いたうえで、2003年までの11年間、肺がんの発生状況を追跡調査した。

 それによると、肺がん歴がある家族を持つ人は全体の2%で、11年間に791人(男性584人、女性207人)が肺がんを発症。家族に肺がん歴があるグループは、ないグループに比べて約2倍の人が肺がんになっていた。性別では男性が1・7倍、女性が2・7倍で、女性にこの傾向が強かった

 本人の喫煙や職場での受動喫煙などの影響はあらかじめ除かれているため、研究班は、家族に共通する体質や何らかの生活習慣が肺がんの危険性を高めたとみている。

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 受動喫煙(副流煙による肺癌発生)の影響がないとなると、遺伝しか考えられませんねぇ。肺癌のリスクファクターに喫煙がありますが、煙草の煙を吸い込まなくても肺癌は発生します。その時に関与しているのが、遺伝子です。

 でもまぁ今の世の中は、肺癌患者の大半が喫煙者なんで、そこまで遺伝子のことを考慮する必要はないかもなぁというのが本音です。分子標的薬の効き方の違いなどを考慮するなら別ですが。

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2006年10月10日

乳がん手術前のセンチネルリンパ節生検が普及しはじめてきた。

乳がん後遺症減へ「生検」普及

 乳がん手術の後遺症を減らすことを目的に行われる検査「センチネルリンパ節生検」を導入している医療機関が、全国主要施設の78%と、一昨年の35%から急速に広がっていることが、読売新聞が実施した「病院の実力・乳がん」のアンケート調査でわかった。

 この検査は、乳房に特殊な色素や放射性物質を注射し、がんが転移する時に最初にたどりつくリンパ節(センチネルリンパ節)数個を特定して、乳がんの手術中に摘出、病理医が転移の有無を調べる。がん細胞がなければ、残りのリンパ節は切除せず温存する。

 従来は、事前に転移の有無を調べる方法がなく、リンパ節を広く切除していたが、リンパ液の流れが滞ると、腕がむくむリンパ浮腫が起こりやすい。検査により、不要なリンパ節切除による後遺症を減らすことができる。

 調査は今年8月、国内の主要543施設に、昨年の診療内容を質問する形で実施(回収率79%)した。同様調査は一昨年から毎年行っている。

 埼玉県立がんセンター病理科の黒住昌史部長は、「放射性物質を使えない場合や経験不足だと診断精度が下がるが、後遺症を減らすために有益な検査で、普及は患者さんにとって望ましい」と指摘する。

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 記事中にありますように、今までは乳がんの手術といえば、腫瘍を切除するだけでなく、リンパ節もとっていました(リンパ節廓清)。ですがこれをやると、リンパ液の流れが悪くなるために、腕がパンパンに腫れたりしていたんですよね。

 そこで。患者のQOL向上の意味も込めて開発されたのが、センチネルリンパ節生検です。勿論リンパ節をとったあとの診断が重要となってくるわけで、転移しているかどうかを見極めるのは「腕」が必要ですが、とりあえず技術は普及してきているようです。

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乳がん早期発見を訴える、ピンクリボン・スマイルウォーク

「乳がん早期発見を」 ピンクリボン・スマイルウオーク

 ピンクのリボンを胸につけて、乳がんの早期発見や治療の大切さなどを訴えて歩く「ピンクリボン・スマイルウオーク」(朝日新聞社など主催)が7日、東京・六本木ヒルズなどであった。

 午前10時、15キロを歩くコースからスタートした。約5000人の参加者は、6キロなど4コースに分かれ、六本木から有楽町や表参道などを歩き、乳がんへの関心を高めてもらうようアピールした。

 参加者の一人、東京都杉並区の秋山ゆかさん(33)は「友だちが31歳で乳がんで亡くなり、すごくショックだった。若くても乳がんになるし、早い発見が大事だと、いろいろな人に知ってほしいと思った」と話した。

 六本木の会場には医療機関の協力で、マンモグラフィーを載せた乳がん検診車を配置。事前に応募した60人が無料で検診をした。

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 特に乳がんというのは年齢とともにリスクが高くなってくる病気なので、閉経前でも毎年検診に行って下さい。よくある触診法は、腫瘍が1cm以上にならないと発見できなかったりするので。マンモグラフィーならばより細部まで、乳腺の変化が確認できるのでとても有用です。女性にとってかけがえのない場所だからこそ、定期的に検査しましょう。

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2006年10月04日

くらげの蛍光を利用して、がん細胞を光らせる技術

クラゲ蛍光遺伝子を利用、がん細胞の転移先を把握

 転移によって増えたがん細胞を、クラゲの蛍光遺伝子を利用して発光させる技術を、岡山大学の藤原俊義助教授らのグループが開発した。これにより、転移先やその範囲を正確に把握することが可能となり、その結果、手術で切除する部分を減らすことで、患者の負担軽減につながるという。2日付の医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。

 技術の根幹を担うのは、がん細胞の中で増殖するように工夫した風邪のウイルス。研究グループは、この中に、蛍光たんぱく質を作り出すクラゲの遺伝子を組み込んだ。がん組織に投与すると、がんが転移した場所でウイルスが増殖し、その部位が光って見えるという仕組みだ。

 実際に、人間の大腸がんの細胞を移植したマウス7匹に、クラゲの蛍光遺伝子を組み込んだこのウイルスを投与して調べたところ、がん転移先の13か所のリンパ節のうち、12か所で蛍光が確認できた

 藤原助教授は「動物実験で安全性を確認、感度を高めた上で、臨床応用も考えていきたい」と話している。

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 手術に便利そうです。まあこればかりに頼ってはいられないでしょうけれども。

関連:医学処 カルシウムを大量に摂ると、大腸がんのリスクが減る
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2006年10月03日

内視鏡で1mmの食道癌を発見する技術

昭和大、内視鏡で1ミリの食道がんも発見・早期治療に道

 昭和大学横浜市北部病院の井上晴洋・助教授らは、早期発見が難しいとされる食道がんを直径1ミリの初期段階で見つけることができる手法を開発した。病巣部を拡大して見る内視鏡を使い、がんになると特徴的に表れる毛細血管の形状変化を観察、がんかどうか判別する。食道がんは進行してから見つかることが多いが、早期発見できれば治るケースが大幅に増える。

 食道がんは食道の内面を覆う粘膜の表面にある上皮から発生する。上皮には先端部がループ状になった毛細血管がいくつもある。

 井上助教授は食道がんの病変部を詳しく観察し、がんが発生すると同時に、毛細血管の形状が微妙に変化することを突き止めた。がんの進行度に応じて、血管が特徴ある形を示すことも分かった。

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 1mmの癌も。こりゃ凄いですな。微細な特徴を掴んだ井上晴洋助教授は非常にGood Job。今後、食道癌の5年生存率だけかなり良くなりそうですね。ですが1mmの段階で検診を受ける人が果たしているのかという問題も。自己管理の出来ている人なら毎年するんでしょうけれども。

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手術数が多い病院ほど、死亡率が低いとは言えない。

手術数多い病院ほど死亡率低い 食道がんなど 学会調査

 日本胸部外科学会(松田暉理事長)は、食道がん、肺がん、心臓病の手術に関し、手術の数が多い病院ほど患者の死亡率が低いとする全国調査の結果をまとめた。厚生労働省は手術件数によって診療報酬に差をつける制度を今年4月に廃止したばかりだが、手術数と治療成績の相関関係を示すデータが示されたことで、今後の診療報酬の議論に影響を与えそうだ。

 調査は全国747の病院の、00〜04年の約42万件の症例を分析した。 食道がんの手術では、年平均手術数が25未満の716病院の平均死亡率(入院中に死亡した患者の割合)が6.5%だったのに対し、手術数が75以上の6病院は1.6%だった。25未満の病院では死亡率が20%を超えたところもあった。

 肺がん手術は、年平均手術数が10未満の病院の平均死亡率(術後30日以内に死亡した患者の割合)は1.6%だったが、150以上の病院は0.3%。心臓病でも、年間手術数100以上の病院の平均死亡率(同)は、25未満の病院の約2分の1だった。

 今回の調査は、病状の重さの違いで死亡率に差が出ることを考慮していないが、同学会は「調査数が非常に多いため、各病院の患者の平均的な病状に大きな差はないと考えていい」としている。

 厚労省は02年度、手術件数が基準に満たない病院の診療報酬を3割削減し、特定の病院への手術の集約化を促す仕組みを導入した。しかし、中央社会保険医療協議会(中医協)が「手術数と治療成績が相関するとはいえない」との検証結果をまとめたため、今春、廃止した。中医協は今年7月に新たな検討会を立ち上げており、病状の重さも考慮した詳しい調査を近く実施する。

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 うーん、病状の重さの違いを考慮していないって。そんなデータ意味ないんじゃないのかとすら思ってしまうのですが。

 手術数の多い病院はそれ専門にやっていると考えられませんかね。だとすると早期の手術適応例が多いのではないでしょうか。手術適応な疾患といえども、早期のものとそれ以外とでは5年生存率で大きく差が出ます。手術例の少ない病院は、総合病院ゆえに発見が遅れるという可能性は?患者のほうも「なんか調子悪くて病院きました」という人(既に進行してしまっている人)が多いのではないでしょうか。対してそれ専門でやっている「外科病院」ではこなす件数も多い分、早期のものも多いと考えるのが普通でしょう。統計的に。

 Stage分類すら考慮しないで「専門の病院のほうが助かるよ」とするのはいささか軽率すぎやしないか、というお話。

関連:医学処 がんカテゴリー
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2006年09月30日

非小細胞肺がんの中には、喫煙の影響とは関係ない癌もある

「非小細胞肺がん」喫煙の影響ないタイプも・愛知県がんセンター調べ

 肺がん患者の約8割を占める「非小細胞肺がん」には、喫煙で発症しやすくなるタイプと喫煙とは無関係なタイプのあることが、愛知県がんセンターの調査で分かった。患者のがん細胞の遺伝的特徴と喫煙習慣の有無などの関係を分析した。喫煙は肺がんの危険性を高めるといわれているが、遺伝子の違いと喫煙との関係を初めて明らかにした。喫煙で発症しやすくなる人は多く、同センターは禁煙を訴えている。

 調査したのは光冨徹哉胸部外科部長と松尾恵太郎主任研究員ら。非小細胞肺がんは増殖にかかわる遺伝子(EGFR、上皮成長因子受容体)に変異のあるタイプとないタイプがある。

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 非小細胞肺がんとは、小細胞癌を除いたすべて、つまり腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の3つの総称です。以前から「腺癌は喫煙とはあまり関係がなく、扁平上皮癌は喫煙と非常に強い関連がある」と言われていましたが、そういうことではないのでしょうか。

 EGFRが出てくるということは、もしかして分子標的薬であるイレッサの薬効に関する話なのでしょうか。EGFRに変異のあるタイプの癌だとイレッサがあまり効かない、とか。イレッサは煙草を吸わない人に良く効きますが、それはもしかしてEGFRが変異してないから?

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海草の糖脂質「SQAG」に副作用のない、がん増殖抑制作用

東京理科大、海草由来の糖脂質に放射線がん治療に効果を強める働き

 東京理科大学の坂口謙吾教授らのグループは28日、海藻のスギノリから取り出した「糖脂質」と呼ぶ物質に、放射線がん治療の効果を強める働きがあることを、動物実験で確かめた、と発表した。この糖脂質はがん組織に集まる性質があり、体内に入れて放射線を照射するとがん組織は壊死し、大きくならなかった。副作用もみられなかったという。

 研究グループは今後、札幌医科大学や東京医科歯科大学と共同で臨床応用を目指すと説明している。

 坂口教授らはスギノリから抽出した「SQAG」と呼ぶ糖脂質に、がんの増殖を抑えることを発見した。人工合成して作用を詳しく調べたところ、がん表面にある抗原とくっつき、がん組織周辺に血管ができるのを防ぐことが分かった。抗がん作用自体は弱いが、副作用がみられなかったのが特徴という。

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 糖脂質。糖なのか脂質なのか。正解は、糖と結合した脂質です。めっちゃくちゃ細かいので詳しく知りたい方は下記参考をどうぞ。副作用がないということなので、何かの抗がん剤系と併用して行えば生存率を上げることができるかもしれません。

参考:糖脂質
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2006年09月29日

和食生活だと大腸ポリープ発生率が3割減少

大腸ポリープ:和食で発生率が2〜3割減少 学会で発表

 肉をなるべく魚に替え植物油の摂取量を減らし、旧来の和食を食べるよう指導を受けた人は、そうでない人に比べ、大腸ポリープの発生率が2〜3割程度減ることが、名古屋市立大の徳留信寛教授(公衆衛生学)らの研究で分かった。食事改善の効果が出るには2年程度かかり、徳留教授は「継続した取り組みが大切」と訴えている。横浜市で開催中の日本癌学会で28日に発表した。

 徳留教授らは96年から04年までに、同大で大腸ポリープを切除された50代から70代までの男女計206人を、くじで二つに分けた。片方の104人には、肉はなるべく魚に替える、てんぷらなどの揚げ物を避けるなどの指導を3カ月おきに繰り返した。残りの102人には食事の脂肪を減らすよう一般的な指導をした。

 最初の指導から2年後に検査すると、一般的指導のグループでは検査を受けた74人中27人(36%)にポリープが再発していたが、魚を多く食べるなどの指導を受けたグループでは91人中26人(29%)にとどまった。検査を受けなかった人も含めて推計すると、魚食などでポリープが2〜3割減らせたとの結論が出た。

 ポリープを調べると、一般的指導の方が、悪性度が高くがんに近いポリープの割合が高かった。ただ、1年後の検査ではポリープの率に差がなかった。大腸がんの多くはポリープからできるため、徳留教授は「適度な運動と食事改善で、大腸がんを半減できるのではないか」と話している。

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 やはり和食最高!ということで。今までの歴史で和食が悪かったことなんてあるんですかね?「脚気」ぐらいでしょうか。

 脚気はビタミンB1不足でなります。白米中心の食でビタミンB1をおかずなどで補わなかった当時、脚気による死亡者が激増しました。高木兼寛という天才が、脚気は栄養不足であることを発見し、更にその解決策として鈴木梅太郎という天才がビタミンB1を発見します。世界初のビタミン発見&ビタミンB1単離に成功した鈴木梅太郎ですが、日本人の論文なんか認められないとばかりに無視され、翌年、ポーランド人科学者カシミール・フンクが「オレがビタミン発見した」として各国から賞賛を浴びるというファックな事実がございました。

 似たような事例としては「アドレナリン」が挙げられます。高峰譲吉が世界で初めてアドレナリンを発見したのですが、ほぼ同時期にアメリカ人研究者もエイベルもアドレナリンと同じものを発見しました(エピネフリンと名づけました)。若干の差で高峰譲吉のほうが早かったんです。しかし例によってアメリカの圧力で認められず、更にエイベルは高峰譲吉の死後、「高峰譲吉は自分の研究を盗作した!」と主張。

 結局、反証が発見され、現在では高峰譲吉がアドレナリンの発見者ということで確定しています。ヨーロッパではそれを認めており、アドレナリン派が多いのですが、対してアメリカでは未だにエピネフリンです。いやはや、アメリカというのは世界一の負けず嫌いだなぁ。笑

 …話それすぎました。申し訳ございません。

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posted by さじ at 15:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

肺癌治療薬イレッサの副作用発症率は他の薬の3倍

重い肺障害、他の抗がん剤に比べイレッサで発症率3倍

 肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の副作用とみられる重い肺障害の発症率は、他の抗がん剤を使った患者に比べ約3倍に高まることが、イレッサを販売するアストラゼネカ社(本社・大阪市)が国内で実施した大規模な調査でわかった。

 今回の調査は2003年11月から06年2月まで行われ、全国の肺がん患者4473人を登録。イレッサの代表的な副作用とされる、急性肺障害と間質性肺炎の発症率などを調べた。イレッサを使用し3か月以内に発症したのは4%で、他の抗がん剤を使用した場合は2・1%だった。

 喫煙歴があるなど重い肺障害を発症しやすい人はイレッサの治療から外されることが多いため、こうした対象患者の違いを考慮に入れると、イレッサは他の抗がん剤に比べ、発症の危険性が3・2倍に高まることが判明した。イレッサは、投薬から1か月以内の発症率が高いこともわかった

 イレッサの副作用によるとみられる死亡は2%だったが、主に重い肺障害が原因で、他の抗がん剤でみられる造血系の副作用による死亡は、1例もなかった。専門家は「喫煙歴以外の患者の特性も見極め、適切な抗がん剤を選択することが望ましい」と分析している

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 続報です。

 医学処 肺がん治療薬「イレッサ」、副作用による死亡者が643人に

 以前より、約5%近い使用者に間質性肺炎の合併症が指摘されていたイレッサです。イレッサの凄いところは、日本人の女性で非喫煙者、更に限局すれば肺癌の種類のうち最も多いといわれている「腺癌」にとてもよく効くという点です。記事中にもありますように、約5%が間質性肺炎になるという合併症が問題視されています。癌治るんだからいいじゃん?と思う方もおられるかもしれませんが、間質性肺炎のせいでイレッサ投薬患者のうち2%が死亡しているというデータを見ると、果たして使ったほうがいいのか使うべきではないのか悩みどころです。イレッサは分子標的薬という新しいジャンルの薬なので、他の抗がん剤と併用したらもっと生存率も伸びるんじゃないかと期待されていましたが、うまくいかずにガックリというのが現状でしょうか。
posted by さじ at 12:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

ザクロから前立腺癌を抑制する成分が発見される

ザクロに前立腺がん抑制成分、名古屋市立大が研究発表

 果物のザクロに、前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれていることが、名古屋市立大の朝元誠人助教授らの研究で分かった。横浜市で開催中の日本癌学会で28日発表した。

 朝元助教授らは、人間の初期の前立腺がん細胞を培養し、濃度5%のザクロ果汁の溶液に入れて影響を調べた。すると、わずか30分で激しい反応を起こし、がん細胞が死滅した。前立腺がんにこれほど強く作用する天然物質は例がないという。他のがん細胞には効果がなかった。

 また、前立腺がんのラットに、5%濃度のザクロジュースを飲ませたところ、がん縮小効果がみられた。ザクロの何の成分が効いているかは不明。

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 果物シリーズ。今回はザクロということですが、何だか本当にかなり効いているみたいですね。ご当地モノというわけでもなさそうですし、本格的に期待できるかも。

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posted by さじ at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん