Babies faces 'make us want to care for them' 人は、赤ん坊の世話をするように組み込まれていると科学者は報じている。研究者は、人が知らない赤ん坊の写真を見せられたとき、
脳の一部分が高い活動性をもつことを特定した。
彼らは、親の本能についての生物学的な根拠を発見したとしている。この発見は、
産後の抑うつ症に苦しむ13%に及ぶ母親を医師が見分けるのに役立つかもしれない。
ダーウィンは、赤ん坊が種として生き残る可能性を高めるために、大人に注意を促させる何かがあることを示唆していた。
ノーベル賞を受賞した動物学者のコンラート・ローレンツは、比較的大きい頭、額、眼と、ふくらんだ頬という赤ん坊の顔の構成こそが、大人に愛情と育成させる気持ちを引き起こしているのではないかと提案していた。
オックスフォード大学出身の神経学者のMorten Kringelbach医師と精神科のAlan Stein博士は、7人の女性と5人の男性の頭のスキャンを遂行した。
彼らはコンピューターに映し出された小さな赤い十字の色が変化したときに、赤いボタンを押すという作業を行った。このテストの間、大人と赤ん坊の写真を映し出した。すると、彼らが赤ん坊の顔を見たとき、
正中眼窩前頭皮質と呼ばれる脳の一部分が活動性を示した。
この現象は意識下で起こるには速過ぎるので、研究者は本能的なメカニズムだろうと結論づけている。
Kringelbach医師は「我々は、幼児の顔に対する正中眼窩前頭皮質の活動性の速い特徴という、とても特徴的なものを発見した」と述べている。
「これは、幼い赤ん坊の育成と、愛情を注ぐために、ローレンツによって表された『生まれつき持っているメカニズム』の潜在的な脳の基礎となる証拠となりうる。これらの反応の程度は知られていないが、知らない幼児の顔に素早く反応するということは、意識下での反応よりも確かに速いこととして起こっているのである。」
正中眼窩前頭皮質は脳の前部にあり、ちょうど眼球の上に存在する。そして感情を統制する重要な部分として最も知られている。
研究者は、正中眼窩前頭皮質は人々に、赤ん坊の顔を特別のものとして扱わせているとしている。そしてそれは
親の絆を確立する上での鍵となる役割を果たしているといえよう。
眼窩前頭皮質というのは、要するに、眼で受け止めた情報を感情と織り交ぜて処理する場所、のようです。眼球の上にあるというのも頷けます。
眼窩前頭皮質は、「思考する脳」と呼ばれる皮質、「感じる脳」として様々な情動反応に関る偏桃体、自動的な反応を司る「爬虫類の脳」である「脳幹」、という3つの主要な部分を神経で結びつける。
この緊密な結び付により、思考・感情・行動の迅速且つ強力な連携が可能となる。
動物は、赤ん坊だけでなく、哺乳類の赤ん坊を見たときには守ってやりたいという感情を持つ、ようです。身体に比べて大きい頭などの条件があるというのは以前どこかで見たことがありますが、実際にそれを証明した形になりそうですね。眼窩前頭皮質かぁ。
参考:
キスの神経解剖学