2008年12月29日

小児の便秘に要注意。

小児の便秘は莫大な医療コストをもたらしている

 米国では、小児の便秘の治療にかかる年間の医療コストが、喘息および注意欠陥多動性障害(ADHD)に匹敵するほどの高額に上ることが、米ネイションワイドNationwide小児病院(オハイオ州コロンバス)の研究により明らかにされた。

 今回の研究では、2003〜2004年に便秘の診断または下剤の処方を受けた18歳未満の小児のデータを分析。その結果、小児の便秘により、年間の医療コストが39億ドル(約3,450億円)増加していることが判明した。この知見は、米医学誌「Journal of Pediatrics(小児科学)」に2009年初頭、掲載される予定。

 小児の便秘の罹病率およびコストがこれほど高いにもかかわらず、公衆衛生活動において便秘はあまり注目されていないと研究グループは指摘している。「便秘はさほど危険な疾患ではないと考える人が多いが、小児の便秘は生活の質(QOL)を大きく低下させることがわかっている。便秘による毎日の苦痛が情緒面に大きな影響を及ぼすことも多く、小児とその家族の全般的な健康および快適な生活に影響することもある」と、研究を行ったCarlo Di Lorenzo博士は述べている。研究グループは、今回の知見により小児の便秘に対する認識が高まり、早期治療につながることを期待している。

 同病院のHayat Mousa博士によると、多くの場合、小児の便秘は食生活や行動の改善によって予防ないし改善できるという。「親が子どもにトイレの習慣について教え、少なくとも2日に1回は排便があるようにする必要がある。軽度の便秘にはプルーン果汁やリンゴ果汁、繊維質の豊富なシリアル、市販の小児用便軟化剤や下剤が有用だが、症状が続く場合は医師に相談する必要がある」と同氏は述べている。



 そんなに深刻なんでしょうか。小児での便秘ねぇ。

 これって日本ではどうなんでしょうね。なんというか、食生活の違いもあるかもしれませんね。ああでもアメリカの子供のほうが食物繊維摂ってるんですかね。コーンフレークとかシリアルとか。

 でも完全なる日本食のほうが圧倒的に体によさそうですからねぇ。

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2008年12月24日

広汎性発達障害児は療育法によって能力の伸びに差が出る。

広汎性発達障害児、療育法で伸びる能力に差…東大病院調査

 自閉症などの広汎性発達障害を抱える幼児に対する治療教育(療育)は、グループで行うとコミュニケーション能力の発達が大きく個別指導では着替えや片付けといった基本的な生活技能の向上が大きいことが、東大病院こころの発達診療部の調査で明らかになった。

 調査は、広汎性発達障害の幼児38人(3〜6歳)とその母親が対象。療育の指導は、同診療部の心理士や言語聴覚士が担当した。

 まず6か月間、年齢や発達水準が近い3〜5人がひと組になり、毎月2回、2時間程度、グループでの運動やカードを使った学習などに参加。その後6か月間、2か月に1度、子供の生活技能に応じた課題に取り組んだり、母親の相談に乗ったりする個別指導を1時間半行った。

 各6か月間の前後で、能力、技能の伸びを評価。コミュニケーション能力は、▽名前を呼ばれればわかる▽他人の動作をまねる▽誘われれば遊び仲間に入れる――などの項目を調べ、平均的な発達年齢に換算。生活技能は、▽手が汚れたら、きれいにしてほしがる▽着替えができる▽食事の後片付けができる――などの項目を調べ、同様に換算する。

 その結果、コミュニケーションに関係する集団参加(集団で遊べるなど)の能力は、グループ療育前後で約6か月分の伸びをみせた。個別指導前後での伸びは約2か月分。個別指導と比較してグループ療育の伸びが3倍だった。生活技能は、グループ療育前後でほとんど変わらなかったのに対し、個別指導後には約5か月分と大幅な伸びを示した。

 調査をまとめた同診療部の心理士、蓑和巌さんは「療育の方法により、伸びる能力が異なることがわかった」と分析する。

 発達障害の療育は、就学前は発達障害者支援センターなどの公的機関や民間の療育機関などで、学校教育は、知的水準などに応じ特別支援学校や特別支援学級などで行われている。

 しかし、年齢や発達水準が同じぐらいの子供をそろえるのは手間がかかって難しく、現状では、グループ療育の方が手薄になりがちだという。効果を検証したデータも乏しく、必ずしも重要性が十分に認識されていない面もある。蓑和さんは「一人ひとりの子供の課題や発達段階を踏まえて、療育の方法を考えるのが望ましい」と話す。



 結構差がでるものですねぇ。やりづらいグループ療育をうまく行うことがどうやら課題っぽいですね。

 子供のことを中心に考えるのなら、発達水準ごとにデータベース化して大規模な運営を行うのが手っ取り早いんでしょうけれど、それもなかなか難しそうですしねぇ。より向上するように療育していきたいものではありますが。

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2008年12月08日

繊毛の異常が生じる原因遺伝子を東大が突き止める。

東大、繊毛病の原因遺伝子を確認−患者のDNAも解析

 東京大学大学院理学系研究科の武田洋幸教授らの研究チームは、人間の遺伝病である繊毛病の新しい原因遺伝子を突き止めた。繊毛の異常により内臓の配置が変異したり、腎臓が肥大したメダカを分析したところ、遺伝子の変異を見いだした。さらに繊毛病患者のゲノムDNAを調べてみると、その遺伝子の変異により発症していたことが分かった。

 変異をきたしたその遺伝子は、人間を含めた脊椎動物、昆虫、単細胞生物と、繊毛や鞭毛を持つ生物に広く存在している。詳細な解析により、この遺伝子の異常によって繊毛などの運動に必要なたんぱく質の一種「ダイニンアーム」が形成されず、運動性を失うことが判明した。

 実際にクラミドモナスという単細胞生物でこの遺伝子を破壊してみると、ダイニンアーム前駆体の形成阻害が生じたことからも、その結果が裏付けられた。



 繊毛病って何でしょうね。Kartagener症候群のことでしょうか?

 Kartagener症候群は、気管支拡張症、内臓転位症、慢性副鼻腔炎を三主徴とする先天性の繊毛運動機能障害です。

 これは、Immotile Cilia症候群と言われる繊毛不動症候群の中のひとつで、色んなところの繊毛のダイニンアームの欠損が見出されている病気です。

 簡単にいえば、繊毛の運動性を喪失する常染色体の劣勢遺伝病で、ダイニンの合成ができないために、繊毛の運動性が喪失し、繊毛運動が重要な役割を果たす気管や臓器に問題を引き起こします。繊毛の機能が悪いためにこれらの3主徴を呈するといわれています。また、精子が動かないために男性不妊症などの原因ともなるようです。

 先天疾患であるKartagener症候群の治療法が出来るかもしれませんね。
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2008年12月07日

新生児集中治療室を国立大学の全病院に作る計画。

新生児集中治療室、国立大の全病院に 文科省計画

 脳出血を起こした東京都内の妊婦が大学病院を含む複数の病院に受け入れを断られ、出産後に死亡した問題などを受け、文部科学省は5日、国立大学病院の周産期医療体制を充実させる「整備計画」を発表した。09年度から4年間ですべての国立大学病院に新生児集中治療室(NICU)をつくり、半数の病院でNICUなどの病床を20床に増やす計画だ。

 現在、NICUがない国立大学病院は、弘前、山形、千葉、東京医科歯科、福井、山梨、岐阜、佐賀、長崎の9施設。計画では、1病院、最低6床のNICUを設置する。

 高齢出産などの増加でリスクの高いお産が増える中、高度な治療ができるNICUの重要性は高まっている。また国立大学病院の整備を重視する背景には、周産期医療を行っている大学病院を対象に実施した調査(11月1日時点)で、国立大の整備の「遅れ」が目立ったことがある。

 NICUがある大学病院(本院)は、公立は8病院中8施設、私立は29病院中27施設だったが、国立は42病院中33施設。平均病床数(施設がある病院の平均)も、公立8.3床、私立11.3床に対し、国立は7.4床だった。

 NICUに、リスクの高い妊婦に対応する母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、NICUを出た子どもが入る継続保育室(GCU)を加えた平均病床数は、国立大学病院の場合、11.4床(施設がない病院も含む)。文科省はこうした施設についても、半数の21の国立大学病院で最低20床の確保を目指す。文科省は今回の整備で、国立大学病院のNICUとMFICU、GCUを240床程度増やしたい考えだ。

 一方、周産期医療の充実には、人材確保も重要課題となる。そのため、公私立も含めた全大学病院で、周産期医療にたずさわろうとする医師への教育環境の整備、産科や小児科への女性医師の復帰促進、院内助産所を活用した産科医の負担軽減などの取り組みを支援する

 文科省は09年度予算の概算要求で、産科医や小児科医育成を促す費用として89億円を計上し、うち58億円をこうした計画の推進に充てる考え

 文科省の調査によると、リスクの高いお産を扱う総合周産期母子医療センターは全国で75施設が指定され、大学病院が28施設を占める。大学病院が扱う分娩数は、分院も含めると07年度は5万47件で、05年度に比べて20%増。うちリスクの高い分娩は2万791件で24%増えている。



 うーむ、最初からこれぐらいお金をかけてくれれば、今のような惨状にならずにすんだかも。結果論ですが、分かりきっていたことですからねぇ。

 私立大学のほうが、こういうことに対してはイニシアチブが早いですけれど、国立でもそれを補おうとする構え。予算さえあれば出来るだけ頑張りますよ。

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2008年10月28日

自殺した小児科医の過労死訴訟、2審も敗訴する。

小児科医自殺 2審も敗訴

 立正佼成会付属佼成病院(東京都中野区)の小児科に勤務していた中原利郎医師(当時44歳)が自殺したのは、過労によるうつ病が原因だとして、遺族が病院側に計約1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁の鈴木健太裁判長は22日、請求を棄却した1審・東京地裁判決を支持し、遺族の控訴を棄却した。「業務は過重ではなかった」とした1審判決に対し、2審は「うつ病になったのは過重な業務が原因」と認めたが、「病院側が病気を予見することはできなかった」と病院の過失を否定した。

 中原医師の自殺を巡っては、遺族が労災認定を求めた行政訴訟で、同地裁の別の裁判長が昨年3月、労災と認定し、確定している。

 判決によると、中原医師は1999年1月、同病院の小児科部長代行に就任したが、同科の医師2人の退職に伴い、多い月には自ら8回の当直をこなした。その後、うつ病を発症し、同年8月、同病院の屋上から飛び降り自殺した。判決は、中原医師が業務を問題なく処理していたことから、「病院側がうつ病の発症に気付かなかったのも、やむを得ない」と判断した。

 「過重な業務だと認めながら、病院に責任はないという判決は、私には理解できない」。中原医師の妻、のり子さん(52)は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。

 中原医師は、深刻な医師不足など小児医療の抱える問題を記した遺書を残した。その後、各地の病院で小児科や小児救急の休止が相次ぎ、自殺は「死をもって警鐘を鳴らした」と受け止められた。控訴審で原告側は、小児科医の過酷な勤務実態を明らかにするため、独自の調査を実施。「いつ急患が運ばれるか分からず、空き時間も休めない」といった現場の切実な訴えが寄せられ、約140件の声を証拠として提出した。



 厳しい判決ですね。しかし筋は通っているように思います。要するに、うつ病の徴候が業務では出ていなかった、と。確かにそれならば病院側は分からないでしょうし、そもそもうつ病と診断されて診断書を提出するなどのアクションがあれば、病院側も何らかの対策を行ったかもしれません。というか、社会人なのですから、そういう事をしないで自殺したとしても、病院の責任となるのはさすがに酷ですよね。。業務が過重であることと、うつ病が判明できるかどうかは、別のことですし。

 ただ、そのー、よく学校で何か起こると、どんな理不尽なことでも学校側の責任になるじゃないですか。それと同じように病院側が負けるんだろうなぁと思っていたから、あれっと思った次第です。

 誰の責任かというと、国や国民の責任ではないかと思います。どこの病院でも過酷な労働を強いられているという点においては、この病院の責任ではない、と思うのです。

 お金がないという理由だけでただでさえ不足している医者を馬車馬のように働かせる日本、しかも自己中心的な罵倒を浴びせる患者の家族。つらいですね。

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2008年10月27日

強い体罰を受けた子供の脳の前頭葉は萎縮している。

長期体罰の子、脳が萎縮 熊本大准教授が共同研究

 子どものころ長期にわたり強い体罰を受けた人は、受けていない人より脳の前頭葉の一部が最大で約19%縮んでいるという研究結果を、熊本大大学院医学薬学研究部の友田明美准教授(小児発達社会学)が米ハーバード大医学部との共同研究でまとめた。体罰と脳の萎縮の因果関係を実証した研究として、体罰のあり方に一石を投じることになりそうだ。

 研究は米国で、4〜15歳のころに平手打ちされたり、むちで尻をたたかれたりするなどの体罰を年12回以上、3年以上にわたって受けた米国人の男女23人を対象に実施。磁気共鳴断層撮影装置(MRI)で脳の断面図を解析したところ、体罰を受けず育った同年代の22人に比べ、感情や意欲の動きにかかわる前頭前野内側部が平均19.1%、集中力や注意力にかかわる前帯状回が16.9%、認知機能にかかわる前頭前野背外側部が14.5%小さかった。

 小児期に過度の体罰を受けると行為障害や抑うつなどの精神症状を引き起こすことは知られているが、脳への影響は解明されていなかった。今回の研究で脳の萎縮がみられた人については、体罰でストレス下に置かれた脳が、前頭葉の発達を止めたと考えられるという。

 友田准教授は「研究結果は虐待の早期発見に生かせるのではないか」と話している。

 子どもの虐待に詳しい才村純・関西学院大学人間福祉学部教授(児童福祉・母子保健)の話:「虐待が子どもに与える影響を客観的な証拠で示した画期的な研究だ。子どもが虐待の事実を言い出せず、親も隠したり認識がなかったりして見落とされる事例は多い。脳との因果関係を裏付けることができるなら、隠れた虐待の発見に役立つだろう。研究成果が今後、教育や福祉の分野で普遍化されていくことを期待する。」



 悲しい話ですね。

 些細なことがあっただけで「身体で覚えさせるため」と勝手な解釈をして、すぐに手を上げるというのは、はっきり言って何の効果もないと思います。

 まずは言葉で。言葉で分からないようならば、再度言葉で。途方もない時間をかけても言葉で分からないようならば、自分自身の言い方や考え方を見直した上で、言葉で説明すべきです。

 日常的に体罰をする親というのは、はっきりいって総じて頭が悪いような気がします。思考を説明できないがゆえに、短絡的に体に痛みを与えて覚えさせようとする。それは本人は教育=体罰という考えに基づいているのかもしれませんが、結局は虐待に他ならないです。

 個人的には、親が子に手を上げるってのは、よほどのことだと思います。例えば万引きをしたとか、そういうシーンがあったときに、一生に一度、手を上げるのは教育かもしれません。それは人それぞれの感じ方でしょう。(初めて叩かれたから更生した、という人もいれば、何も叩かれず店の前で土下座されたから更生した、という人もいれば、何も言わずただ抱きしめられたから更生した、という人もいるのでなんともいえません)。

 また、一度も叩かれなかったからといって、言葉できちんと叱られなかった人も、駄目になりますね。それはただの甘やかしですが、体罰をしないのは「甘やかし」ではありません。ちゃんと向き合って言葉で叱るべきです。子育ては大変でしょうけれど、子供のことを第一に考えて、行動してもらいたいです。

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2008年10月25日

食品による窒息死が年々増加している。

食品で窒息死 相次ぐ

 こんにゃく入りゼリー、小学校給食のパンと、食べ物をのどに詰まらせて死亡する事故が相次いだ。実は食品による窒息死亡事故は年間4000件以上もある。専門家は「予防法、応急処置を知っておくことが必要」と呼びかけている。

 食品による窒息死亡事故は年々増加傾向にある。人口動態統計によると、1995年に年間3846件だったのが、2006年には4407件。昭和大教授の向井美恵さん(口腔衛生学)は「食べ慣れない、新しい形状の食べ物が増えたことも原因ではないか」と話す。

 向井さんは今年、厚生労働省研究班で調査を行った。全国の消防本部12か所と救命救急センター75か所を調べたところ、食品による窒息事故は06年に1327件(うち死亡事故は443件)。8割近くが65歳以上の高齢者だったが、15歳未満も消防本部で約13%、救命救急センターで約4%いた。

 原因食品としては「穀類」が401例と最も多く、もち(168例)、パン(90例)、米飯(89例)など。ほかに「菓子類」のあめ(28例)、だんご(23例)も。向井さんは「でんぷん質の食品は、早く食べようとして口に押し込むと、唾液でかたまってしまいのどに付着しやすい。子どもや高齢者はのみ込む力が弱いので、注意が必要だ」と指摘する。

 また調査では、家族などの応急処置がされなかった例が半数を占めたことも分かった。「対処法が家庭や学校に普及していない。今後の情報提供が課題」と向井さんは話す。

 一方、学齢期の子どもは歯やのどが発達途上であることにも注意が必要だ。日本小児歯科学会は昨年、「食育」についての提言を発表した。この中で「歯が生え替わる時期はかむ能力が低下する。この時期は食事時間をゆったり取る配慮が必要」などとしている。

 同学会理事長で鶴見大教授の朝田芳信さん(小児歯科学)は「子どもの気管は想像以上に細い。よくかめば唾液が十分に出てのみ込みやすくなるので、家庭や学校でも日頃から子どもの食べ方に気をつけてほしい」と話す。

 東京都が今年9月に約1000人の未就学児の親を対象にインターネットで行った調査でも、ウエハースなど生後1歳未満の乳児向けのおやつを子どもに与えて、「のどに詰まらせたり、詰まらせかけたりした経験がある」と答えた親が22%もいた。

★窒息予防法★

・食べやすい大きさでよくかむ、食事の時、誰かがそばにいる

 内閣府食品安全委員会は、食品による窒息事故を防ぐため、注意を呼び掛けている。ホームページでも予防法などを紹介している。

 乳幼児や高齢者などの事故予防に重要なのは「食べやすい大きさにしてよくかむ」「食事の際、なるべく誰かがそばにいて見ている」の2点。

 乳幼児は「誤って気管支に入りやすい豆類は、3歳くらいまで食べさせない」「あおむけの状態や、歩きながら、遊びながら食べさせない」「食べることを無理強いしない」などに注意する。高齢者は、かむ機能が低下するので、加熱しても軟らかくなりにくいもの(イカやタコ、キノコ類)、ぱさぱさしたもの(パン、ふかしイモ)などに注意。こんにゃく入りゼリーは、子どもや高齢者には食べさせない。

 食べ物をのどに詰まらせた際の応急手当てとして、年齢などに応じた方法がある。口の中に手は入れず、はきださせる。背中をたたく時は、内臓を傷つけないよう力を加減すること。

 高齢者の場合、食べ物が口の中にたまっているのが見えれば、ハンカチなどを指に巻き、口からかき出すことを試みる。



 最近クローズアップされるようになった食物による窒息。

 結局は「よく噛む」という、当たり前のようでなかなか守れないことを重要視する必要がありそうです。

 でも思うんですけど、最近あったパンを喉につまらせた子供とかって、あれは誰が悪いというか、事故のようなものではないのか、と。早食いを子供が始めて窒息してしまって、校長が槍玉に上げられるのはどうにも・・・。

 小さい子供のおられる親御さん、毎日の食卓で、食べる時にはよく噛むようにと、ご指導ください。事故の起こる確率がはるかに減ると思います。誰の責任になるのか、という前に、まずは「予防」を。

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医学処:窒息死亡事故のあったこんにゃくゼリーの販売元と商品名を公開。
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2008年10月22日

駆除剤の効かない抵抗性アタマジラミが小学生間で流行中

アタマジラミが県内の児童に流行の兆し

 アタマジラミが県内の児童を中心に流行の兆しを見せている。県教委によると、二〇〇七年度に感染の報告があった小中学生は計五百九人と前年度(百五十二人)に比べ三倍強に急増、本年度の感染者数も〇七年度とほぼ同ペースだ。被害の増加は全国的な傾向とみられ、駆除薬が効かない「抵抗性アタマジラミ」も出現、シラミを知らない戦後世代の親の気づきが遅い、との指摘も上がる。県教委は「感染は不衛生とは関係ない。異常を見つけたら早めに学校に連絡を」と保護者に呼び掛けている。

 「あれ、何だろう」。九月下旬、宇都宮市内の公立小学校。低学年の児童の頭髪に小さな白いつぶがあるのを教諭が見つけた。アタマジラミの卵だった。クラスで同級生の頭髪を確認すると、数人の感染が見つかった。

 「保護者にはすぐに防止策を訴える通知を出した」。校長は「ここ数年では初めて」と戸惑いつつ、「被害の拡大はなさそうだ」と胸をなで下ろした。

 県教委健康福利課によると、被害が報告された県内の小中学生は〇四年度二百十一人、〇五年度百六十九人。〇七年度は一転して五百九人と激増し、過去四年間で最多となった。本年度も九月末までに百三十九人と前年度とほぼ同じペースで推移している。

 髪と髪が直接触れたり、タオルやくし、帽子の貸し借りでうつり、洗髪やブラッシングがまだ上手でない子供に多い。アタマジラミに感染した昨年度の五百九人のうち五百八人は小学生で、その半数は低学年だった。

 同課の担当者は「各学校から月別に報告されますが、ほぼ季節に関係なく被害は出ている。〇七年度に被害が急増した理由は分からない」と困惑気味だ。

 県教委は学校を通じて(1)小まめな洗髪(2)児童間でタオルなどを貸し借りしない│といった防止策、感染した場合は(1)目の細かい専用くしでとかす(2)市販の駆除用シャンプーを使うなどを保護者に伝える方針。一般的に一、二週間で駆除できるという

 国立感染症研究所昆虫医科学部第三室の冨田隆史室長は「駆除薬が効かない抵抗性アタマジラミが過去三年の調査で増えている」と感染増に懸念を示し、「駆除用シャンプーやパウダーを二週間使っても駆除できないような場合は皮膚科に相談してほしい」とコメントしている。



 何度もシラミ(アタマジラミ)がニュースに取り上げられるようになってきましたね。かなりトピックというか、実際に現場で問題になりつつあるのでしょう。早急な理解が求められます。

 まぁ戦後の時代、シラミは根絶されたようなイメージはありますし、何より「シラミは不潔にしているとなるもの」という印象が、今のお父さんお母さんの世代では強いのでは?

 実際は、記事中にもありますように、いわゆる感染症のようなものです。不潔とか抵抗力とか関係ありません。小さい子供であれば、誰しもがなりうるものなのです。

 子供同士で感染することもあるので、ご父兄の方は、どうかご理解とご協力を。適切な治療とケアをすれば治るものなので。まず子供の心を第一に考えて、行動するようにしましょう。

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医学処:小学生間の、アタマジラミの感染が拡大。
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2008年09月14日

割り箸死亡事件の控訴審判決が11月に。

診察医に11月控訴審判決=1審無罪、割りばし事故−東京高裁

 1999年、転倒してのどに割りばしが突き刺さった東京都杉並区の杉野隼三ちゃん=当時(4つ)=が診察後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ、一審で無罪とされた元杏林大付属病院耳鼻咽喉科医師根本英樹被告(40)の控訴審公判が11日、東京高裁(阿部文洋裁判長)で結審した。判決は11月20日。



 11月に判決。一審では過失はあるものの無罪という曖昧な感じでしたけれど、今回は果たして。

 個人的な予想では無罪なんですけどもね。理由は下記リンクをご覧下さい。

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医学処:綿菓子の割り箸が脳に刺さった事件を覚えていますか
医学処:割り箸死亡事件で過失を認められたが無罪となった医師
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2008年09月13日

中国製粉ミルクを飲んだ乳児が腎結石を発症する。

乳児14人が腎結石=安い粉ミルクが原因か−中国

 10日の新華社電によると、中国甘粛省蘭州市の中国人民解放軍第一病院で6月下旬から2カ月半、乳児14人が腎臓結石の治療を受けていたことが分かった。14人は同じ粉ミルクを飲んでおり、衛生当局が症状と粉ミルクの因果関係を調べている。

 この粉ミルクはほかの商品よりも安く、同省東部の農村でよく売れていた。14人は生後6〜11カ月の乳児で、いずれも尿が出なくなり、何人かは血中カリウムの濃度が上がって、一時は危険な状態だった。医師は「乳児の腎臓結石は少なく、短期間にこれほど多いのはまれだ」と話している。



 恐ろしい〜。

 最近あれですよね、汚染米もそうですけれど、「安い食品は質が悪い」っていうのを地で行ってる気がします。ちょっと前までは、安くて良いものを、っていうスタンスが主流でしたのに。

 赤ん坊に食べさせるものは、高いもののほうがいいのかなぁ。あ、宗教的なものや健康食品系は無駄に高いだけなので除外の方向で。

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2008年09月06日

子供の身長を伸ばすためのレシピを考案する。

子どもの背を伸ばす食事のレシピ考案、神戸の医師

 神戸市で開業する子どもの低身長治療の専門医、額田成さん(52)が、身長を伸ばすための「成長食」を考案し、レシピ集にまとめた。日本人の子どもの平均身長はこの20年間、横ばいで、6歳児の身長は、低下傾向に転じた。「親より背が低い」と悩む子も増えている、という。額田さんは「食事の偏りと睡眠不足が原因」とみて、改善を呼びかけている。

 身長を伸ばすのに必要な栄養素はたんぱく質とカルシウム、亜鉛。加工食品に含まれるリン酸塩は、亜鉛やカルシウムを体外に排出する働きがあり、取りすぎると骨の成長にはマイナスだ。また、糖分の取りすぎで血糖値が上がると、成長ホルモンの分泌が阻害される。小学校低学年までの肥満も、思春期以降に背が伸びなくなる要因の一つになる。

 文部科学省の学校保健統計によると、07年度の日本人の17歳の平均身長は、男子が170.8センチ、女子が158.0センチ。親の世代にあたる30年前(1977年度)の17歳と比べると男子で1.7センチ、女子で1.4センチ高いが、最近20年間はほぼ横ばい。身長の伸びのピークは男子11歳、女子9歳と、親の世代より1歳ほど「早熟」になり、小児肥満などの影響で、中学以降は伸び悩む子が多い。

 額田さんは20年間の臨床経験から、「男子の身長=(父の身長+母の身長+13)÷2」、「女子の身長=(父の身長+母の身長―13)÷2」の公式を立てた。「これより伸ばすには、バランスのとれた献立と十分な睡眠が大切。毎年5ミリ余計に伸ばせば10年で5センチ高くなる。レシピを生活を見直す一助としてほしい」と話している。

 「子どもの身長を伸ばす成長食レシピ」はPHP研究所刊。1470円。ぬかたクリニックは078・515・5152(予約制)。



【ヘルシー肉だんごスウェーデン風】(2人分)

(1)木綿豆腐半丁は水分をしっかり切り、手で細かくつぶし、片栗粉大さじ1と混ぜ合わせる。

(2)ボウルに鶏ひき肉200グラム、卵1/2個、白ねぎのみじん切り1/4本分、酒大さじ1/2、薄口しょうゆ小さじ1、おろししょうが1かけ、塩・コショウ少々を入れ、粘り気が出るまで混ぜ、(1)を加え、丸めて5分ゆでる。

(3)鍋にオリーブ油小さじ1とみじん切りにしたにんにく1片を入れて火にかけ、スライスしたタマネギ1/2個を加えしんなりするまでいためる。

(4)ホールトマト200グラムをつぶしながら(3)に加え、水1カップ、白ワイン50cc、固形スープ1/2個、ロリエ1枚、砂糖小さじ1/2、塩少々を入れて5分ほど煮る。(2)の肉だんごを加え、弱火で10分煮込む。仕上げに粉チーズ、パセリを加える。



【ママの手作りソーセージ】(4人前、約20個分)

(1)豚ひき肉270グラム、鶏むねひき肉90グラム、タマネギみじん切り1/2個分、塩・コショウ少々を混ぜ合わせる。

(2)高野豆腐はおろし金ですり下ろして粉状にし、大さじ2杯を(1)に加える。卵小1個、濃い口しょうゆ、酒、片栗粉各小さじ1、セージ小さじ1/3、ショウガのしぼり汁、ニンニクのすりおろし少々を加えてまぜる。

(3)親指ぐらいの大きさにまとめ、油をひかずにフライパンでよく焼く。



【切り干し大根のオムそば風】(2人分)

(1)切り干し大根40グラムはさっと洗って水に5分ほどつけてざるに上げ、水気を切っておく。

(2)豚もも肉100グラムは食べやすい大きさに切り、塩、コショウで下味をつける。

(3)フライパンにサラダ油大さじ1/4をひき、(2)と(1)、切りイカ20グラムをいため、トマトケチャップ大さじ1.5、ウスターソース大さじ1、砂糖少々で味をつける。

(4)卵2個に脱脂粉乳、水各大さじ2を加えて混ぜ、フライパンで薄焼き卵をつくり、(3)を入れて巻く。

(5)ケチャップとウスターソースを混ぜてかけ、青のりやかつおぶしをのせる。



 ただ戦前までは欧米に比べて低栄養だっただけで、同じ生物なのですから、現代の栄養で成長すれば親と同じ身長に落ち着くはずです。

 親より背が低いのは、栄養面と、成長ホルモン分泌に大きく関与する睡眠時間帯が原因ですかね。

 もうこれは何度も言ってると思うんですけど、深夜0時を過ぎたコンビニで5,6歳の子供が走ってる姿をみると、やるせなくなります。真っ当な親であれば8,9時に寝かせるべきです。

 何故生活リズムまでも自分に合わせようとするのでしょうか。自分勝手な馬鹿な親だと思います。どうして親としての自覚が芽生えないのか、不思議です。自分もそのように自分勝手な親に育てられたから、分からないんでしょうか。

 子供のコンプレックスを払拭するためにも、栄養のある食事を摂らせて、早く寝かせて下さい。

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2008年07月31日

被虐待児の心のケア「あまえ療法」について。

「あまえ療法」を発表へ

 県内乳児院の「あまえ療法」実践などが8月1日、横浜市で開催の乳幼児精神保健学会世界大会で発表される。

 おんぶや添い寝で、被虐待児に心のケア。



 あまえ療法、どんな療法なのでしょう。

思春期やせ症の家族療法 佐賀大学医学部小児科 藤田一郎

 子どもの心身症が増加しているが、その原因には家族、学校の機能不全と心身症に取り組む小児医療の不足がある。思春期やせ症は、自分らしく生きることができずに苦しんできた児が最後に逃げ込んだ砦であり、治療には親との愛着関係を深める家族療法が必要である。早期発見が望まれるが、不健康やせの指標として成長曲線(急な体重減少)、肥満度(-15%以下のやせ)、徐脈(60/分未満)、無月経(3ヶ月以上)のチェックが役に立つ。

 家族療法が有効であった早期発見症例を紹介する。10歳女児、3ヶ月で7kgの体重減少があり、肥満度-24%で当科に入院。親子の信頼と情緒の交流を育み直す「あまえ療法(育て直し療法)」を行い、母親はできる限り病院で子どもと過ごして添い寝や食事介助を行った。行動療法や経管栄養は行わなかった。-30%までやせてパニック状態も生じたが、徐々に母子関係が親密となり本音が話せるようになった。自宅外泊を契機に食欲が回復し始め、入院53日目、肥満度-18%で退院。家庭と学校でのストレスが原因と思われるが、母親に甘えることにより心理状態が落ち着いて食欲が回復した。退院後5ヶ月の肥満度は-5%である。母親の理解協力が得られれば効果的な方法と考える。
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2008年07月19日

母乳にはビフィズス菌を増やす成分が含まれていた。

母乳にビフィズス菌増やす成分=粉ミルク改良期待−京大など

 腸内の代表的な善玉菌とされるビフィズス菌を増やす具体的な成分を母乳内に発見したと、京都大、東京大、石川県立大、食品総合研究所(茨城県つくば市)の研究グループが9日、発表した。

 人工乳より母乳で育てられた赤ちゃんの方が腸内のビフィズス菌が多い。この成分を添加することで、母乳に近い粉ミルクの開発が期待される

 母乳にはミルクオリゴ糖が含まれ、これがビフィズス菌を増殖させると考えられている。

 研究グループはミルクオリゴ糖の構成成分を分析し、ラクトNビオースという2つの糖の結合体に注目。ビフィズス菌がこの結合体を取り込み、増殖していることを突き止めた。

 ラクトNビオースを大量生産することにも成功。健康食品などの実用化を目指す。



 母乳には、赤ちゃんが生まれてきてすぐに外敵から身を守るために必要な成分を供給してくれます。

 ビフィズス菌が増えることで、赤ちゃんの腸内細菌叢も安定してくるでしょう。生物って、うまくできてるものですねぇ。

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母親がわが子の笑顔を見たときの高揚感は計り知れない。

わが子の笑顔は麻薬と同じ?=母親の脳活動を測定−米大学

 初めて赤ちゃんを産んだ母親がわが子の笑顔を見たときには、麻薬を服用した際と似たような脳の領域が活発に働き、自然に高揚した状態になるとの実験結果を、米ベイラー医科大の研究チームが13日までに米小児科学会誌の電子版に発表した。

 母親の子への愛情を脳科学で分析すれば、育児放棄や虐待の背景にあるかもしれない病理の解明に役立つと期待される。 



 生まれたらすぐに母親の近くへもっていくのが良いとされています。あと、母乳で育てたりとか。赤ちゃんと早い段階から接することで、母親に良い影響が現れるようです。

 しかし笑顔を見ただけで脳の領域が顕著に活発になるとは。生命って凄い。
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2008年07月16日

乳幼児突然死症候群は脳内のセロトニンと関係ある?

乳児突然死症候群:脳内のセロトニンレベルが乱れた時に幼若マウスが死亡する

 乳児突然死症候群(SIDS)の原因を知る新たな手掛かりが、脳内のセロトニンレベルが乱れた時に突然死亡する幼若マウスから得られた。

 セロトニンは脳および他の器官に広範囲の影響を及ぼす情報伝達化学物質である。しかし過剰または過少なセロトニンが様々な問題を引き起こすことがあるが、死亡がそのひとつであるとは推定されていなかった。

 ローマ近郊の欧州分子生物学研究所のCornelius Gross, PhDらは、セロトニンレベルが異常に低いマウスを遺伝子組換えによって作成した。博士らはこれがマウスの死亡につながるだろうとは考えていなかった。結局、セロトニンを全く分泌しない遺伝子組換えマウスは何とか生存することができた。

 しかしGross博士のチームは、ヒトの乳児がSIDSになる生後1カ月から1歳までとほぼ等しい幼若期に多くのマウスが実際に死亡したことに驚いた。

「SIDSとの類似点は、幼若期の限られた期間に突然死が発生すること、およびそれがセロトニン系の変化によって引き起こされることである」と、Gross博士はWebMDに語っている。

 生後間もない頃、Gross博士のマウスは正常なようであった。その後、心拍数と体温が予測不能に低下する、一連の「クリーゼ」を経験した。半数以上のマウスがこれらのクリーゼの間に死亡した

 クリーゼの誘因は何であったのか?Gross博士にはそれはわからないが、博士はクリーゼは睡眠から覚醒状態に移るときに発生する可能性が高かったと推測している。

「もしかすると、クリーゼが発生する前に、これらのマウスが目覚めたときに反応する方法に、何らかの徴候が見出されるかもしれない」と、Gross博士は述べている。「それは、我々がSIDSのリスクが最も高い乳児を同定し、クリーゼが発生する前に気づくための何らかのモニタリングを両親に提供するのに役立つ可能性がある」。



 クリーゼというのは、英語でいうところのクライシス、いわゆる危機的状況なほどヤバイ状態という意味です。

 ホルモンが急激に分泌されたり欠乏したりすることで、身体がショック状態になるということは、副腎クリーゼや甲状腺クリーゼで有名です。

 それと同じようなことが、セロトニンで起こったということでしょうか?まだまだ謎に包まれております。解明の糸口となってくれればいいんですが。
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2008年07月15日

哺乳瓶に使われているビスフェノールAが乳児に悪影響か。

哺乳瓶の使用物質 乳幼児に影響か

 厚生労働省は8日、プラスチック製の哺乳瓶や缶詰の腐食防止材などに使われる化学物質ビスフェノールAについて、国の食品安全委員会に食品安全法に基づく食品健康影響評価を依頼した。

 胎児と乳幼児の体に影響を及ぼす可能性が国内外の動物実験で示されたためで、必要があれば規制値の見直しも検討する。

 国は1993年、毎日摂取しても問題ないとされるビスフェノールAの量を体重1キロ当たり0・05ミリ・グラムに設定した。しかし、国立医薬品食品衛生研究所などの実験で、母ラットに妊娠後から離乳前日まで規制値の100分の1にあたる0・0005ミリ・グラムを毎日与えたところ、子ラットの発情期の周期に異常が見られた。



 今何気なく口にしているものでも、もしかすると毒であったりする可能性はあるわけです。それが毒かどうか分からないのが、環境ホルモンの怖いところですね。

関連
医学処:ビスフェノールAが胎児や子供の神経系に悪影響を与える。
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2008年07月07日

七夕の小児病棟。願いを込めて。

七夕祭り:短冊に願い込め 一宮市民病院の小児病棟で /愛知

 一宮市民病院で2日、小児病棟の七夕祭りがあった。入院中の子供35人のうち、医師の許可が出た約30人が参加。長期入院のため院内学級で学ぶ児童3人がハンドベル演奏などを発表すると、市立貴船小合唱部の児童21人が美しい歌声を披露して激励した。

 祭りは同病棟の恒例行事。今年は風船釣りや射的などの模擬店も用意され、子供たちを喜ばせた。また、子供たちが書いた短冊を結んだ七夕飾りが会場に飾られ、「元気になって野球をやろう」「早く学校へ行けますように」などの願い事が目を引いた。




七夕会:入院中の子どもたち集め−−大垣市民病院 /岐阜

 大垣市民病院(大垣市南頬町)の小児科で3日、七夕会が開かれた。自宅で七夕を過ごせない入院中の子どもたちに「少しでも楽しい時間を」と実施しており、今年で28回目を迎えた。

 「元気になってパパやママとおそとで遊びたい」「野球選手になりたい」などと願い事を記した短冊がつるされたササを飾った病院内の会場に、入院している子どもたちや家族ら約70人が集まった。

 近藤富雄副院長が「一日も早くおうちにかえれますように」などとあいさつ。入院しながら病院内の学級で学ぶ児童・生徒たちがクイズと歌を元気に発表した。市内の看護専門学校生による歌や踊り、小児科医の劇「大きなかぶ」なども披露され、子どもたちも飛び入り参加し、楽しく過ごした。




七夕会:紙人形シアターで子供らを励まし−−半田病院 /愛知

 半田市東洋町の市立半田病院(中根藤七・病院長)小児科病棟で3日、入院生活を送る子供たちに楽しんでもらおうと、若手看護師らが七夕会を開いた。

 3週間前から飾りつけの準備や出し物の練習をしてきた。会場のデイルームには子供や父母、同じ病棟のお年寄りら約30人が参加。「子供が元気になりますように」「みんなが毎日幸せに過ごせますように」などと願い事を書いた短冊も飾られた。男性1人を含む看護師5人が物語にあわせて紙の人形を張っていく「織り姫とひこぼしのパネルシアター」などを披露した。

 小児科には、交通事故で足を骨折しベッドで寝たままの2歳の男児ら10人が入院している。



 

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   ミ /彡       :::.゜。 ゜・。゜゜. .  . .
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2008年07月03日

胎児の体内時計は母親の食事時間に影響される。

胎児の脳内時計リズム、母親の食事時間が影響−東北大が実験

 東北大学病院周産母子センターの太田英伸助教らの研究グループは、妊娠母体の食事スケジュールが胎児の脳内時計リズムに大きく影響することをラットの実験で突き止めた。睡眠などに影響を及ぼす脳内時計は、昼夜の光条件に反応してリズムを形成しているが、今回の研究により、母体が正常な光条件を体験していても、食事を摂るタイミングが不規則になると胎児の脳内時計パターンが変化してしまうことがわかった。

 生活中の哺乳類の脳内時計は、視床下部にある「視交叉上核」が中心的な役割を果たしており、視交叉上核は目から光情報を受け取ってリズムを形成している

 実験では、2匹の妊娠ラットそれぞれに朝型・夜型の食事スケジュールを与え、昼夜の区別ある同一の光条件下で22日間管理した。その後、帝王切開で胎児を取り出し、母親と胎児の視交叉上核の活動のリズムを比較した。



 なんか不思議ですね。臍帯血から得られる栄養素の変動によって、胎児の体内時計のパターンが変わってしまうって。

 胎児がまだ生まれる前の段階であっても、母親が摂取したものによって子供は影響を受けます。できるだけ子供に優しい生活を送って下さい。今回明らかになった、食事時間に関しても、毎日定期的なリズムで食べるようにしたほうがいいでしょうね。

関連
医学処:新生児には照明の切り替えが大切。常時照明は悪影響を
医学処:体内時計は真夜中の光で狂う。
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2008年07月02日

ダウン症候群の治療のためにES細胞を利用する。

ダウン症候群治療にES細胞利用を承認 鳥取大

 鳥取大学(能勢隆之学長)は二十三日までに、鳥大大学院医学系研究科機能再生医科学専攻の押村光雄教授らによるヒト胚性幹細胞(ES細胞)を利用したダウン症候群の治療研究計画を承認した。

 ES細胞の染色体改変にまで踏み込んだ点で注目され、ダウン症で起こる不整脈やアルツハイマー病の治療につながると期待される。

 ダウン症などトリソミー症候群の患者は、通常は一対二本の染色体が一部で一対三本になっており、発達障害や循環器系の異常などが起こる。

 計画では、ヒト二十一番染色体を導入したダウン症のモデルES細胞を作製。この細胞から心筋、神経、血液細胞などに分化を誘導し、不整脈やアルツハイマー病の治療法、医薬開発に役立てる。

 ES細胞はあらゆる細胞に分化することができるため、再生医療への応用が期待されているが、今回の計画ではこれまでに確立した染色体導入技術を活用する。

 押村教授は「新しい切り口の研究。一般の不整脈などの治療薬開発につながる可能性もある」と話している。



 治療にES細胞を使うのではなく、各臓器別の細胞群に分化させて、どのように異常が出現するのかを見ようというものですかね。

 実際の人の心筋細胞や神経細胞など、なかなか得られるものではありません。研究対象として遺伝子操作でダウン症の細胞を作れるのであれば、誰にも侵襲性がなくて研究も活性化するでしょう。

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医学処:ダウン症の発症メカニズムを脳神経回路の観点から解明
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2008年06月27日

自閉症の発症原因はニューロリジンの突然変異にあった

自閉症発病過程を国内学者が解明

 きちんと記憶することができず感情を表現できない自閉症の発病過程が国内科学者によって明らかにされた。

ポステック(POSTECH、旧浦項工科大)生命科学科のキム・ジョンフン教授チームは、自閉症を起こすと知られる遺伝子がどんな過程で症状を起こすかを確認したと24日、発表した。研究の結果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。これを受け、神経活動を調節することで自閉症を治療できる可能性が開かれたと、学界はみている。

脳の扁桃体にある「ニューロリジン」という遺伝子が自閉症と関連があるという事実はかなり以前から知られている。 自閉症と診断された人のニューロリジン遺伝子はほとんど突然変異を起こしているからだ。

しかしなぜそうなるかは分かっていなかった。扁桃体は感情情報を処理し、恐怖記憶を担当する脳の部位。

研究チームは、マウスのニューロリジンを操作して突然変異を起こさせたところ、神経情報伝達強度と神経間の接合部であるシナプスの機能が大きく落ちることを発見した

またこのマウスは記憶作用が低下し、環境にもうまく適応できなかった。自閉症が表れたのだ。このマウスは電気衝撃を与えてもほとんど反応がなく、電気衝撃学習効果も見られなかった。 正常なマウスは鐘の音を聞かせた後、電気衝撃を与える行為を反復すれば、後に鐘の音を聞くだけで恐怖を感じる。

キム教授は「自閉症は脳発達の過程でさまざまな原因によって発病する」とし「今回の研究では、そのうちニューロリジンの作動過程を明らかにした」と語った。 また今回の研究結果を利用して神経伝達過程をうまく調節できる薬物を開発すれば、ニューロリジンの突然変異による自閉症は治療が可能になるかもしれない、と付け加えた。



 つまりこの部分を補うような薬が開発されれば、自閉症も治療できるようになるかもしれない、と。

 統合失調症も、薬が開発されてから劇的に改善するようになりましたからね。製薬会社の方々が頑張って下されば、遠くない将来、自閉症も治療する対象となるのかもしれません。

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posted by さじ at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児
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