[小児]の記事一覧

2010年03月07日

赤ちゃんと同じ成長方法をするロボットを阪大が開発する

大阪大が赤ちゃん型ロボット開発 ハイハイや寝返りも

 ハイハイや寝返りの仕方を試行錯誤しながら自分で学ぶ赤ちゃん型のロボット「M3―neony」を大阪大の浅田稔教授らのチームが開発し、大阪市内で3日公開した。

 人間が動作や言葉を身につける過程を調べる科学技術振興機構のプロジェクトの一環。浅田教授は「人と共存できるロボットの開発や、人間の運動学習や認知発達の仕組みの研究に生かしたい」と話している。

 ロボットは身長約50センチ、体重約3・5キロで、新生児とほぼ同じ体形。全身にモーター22個と触覚センサー90個、頭部の目と耳の位置にカメラとマイクを2個ずつ持ち、相手の顔や声を識別する。

 ハイハイを学ぶプログラムでは、「前に進む」という目標を与えると、もがくようにランダムな動きを繰り返しながら、徐々に両腕を使って前に進む動作ができるようになる。寝返りやつかまり立ち、伝い歩きも学ばせることが可能という。

 チームは同時に、多彩な表情をつくるロボット「M3―synchy」も公開。手や首のほか視線や口を動かして、さまざまな感情を表現する。ロボット同士や、人間とロボットとの言葉を使わないコミュニケーションの研究に応用する。



 育児に不安な人のためにもなるのかもしれませんけれど、研究用。

 身長体重まで平均値という作りこみ具合もなかなかナイス
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2010年02月26日

胎児に2つの言語を聞かせると、両方の言語を区別できるように

胎児に2言語聞かせるとバイリンガルになりやすい?加研究

 母親の胎内にいる間に2つの言語が話されている環境で過ごすと、赤ちゃんはバイリンガルになりやすいとの研究結果が、心理学専門誌「サイコロジカル・サイエンス」に今週掲載された。

 新生児を2つのグループに分け、一方には胎内で英語だけを聞かせ、もう一方には英語とフィリピンのタガログ語の2つの言語を聞かせた。

 新生児の言語に対する好みを判断するにあたり、研究者らは、新生児の吸引反射に注目した。吸い付く動作は、赤ちゃんの刺激に対する関心を示すとされている。

 まず、最初の実験では、1分ごとに英語とタガログ語が交互に話される演説を、赤ちゃんに10分間聞かせた。

 その結果、胎内で英語だけを聞いていた赤ちゃんたちは、タガログ語の演説よりも英語の演説を聞いているときに「吸引行動が増加する」ことが観察された。つまり、タガログ語よりも英語の方に、より関心を示したことになる。

 一方、2言語が聞こえる環境で胎内にいた赤ちゃんグループは、英語とタガログ語の両方に等しく関心を示した

 この結果から、研究者らは、出生前からバイリンガルの環境にある新生児は2つの母国語を覚えるための準備をしているとみられると結論づけた。

 さらに研究者らは、赤ちゃんたちが2つの言語の違いを区別しているかどうかについても調べた。言語の違いを区別することは、バイリンガルになるために重要な要素である。

 研究の結果、まず、赤ちゃんたちは興味がなくなるまで1つの話に耳を傾けていることがわかった。次に、赤ちゃんたちは語り手が別の人に変わった際にも関心を示し、また、言語が変わった際にも関心を示すことがわかったという。

 また、同じ言語が話されている間は赤ちゃんの吸引行動は増加しないが、別の言語に切り替わると増すこともわかった。

 これらの結果から、報告書は、「バイリンガルの赤ちゃんも、1言語だけの赤ちゃんも、2つの言語を区別することができるとみられる」と述べ、「バイリンガルの赤ちゃんが、生まれた瞬間から2つの言語を混乱せずに聞き分けることができるメカニズムがあることがわかった」と結論づけた



 3歳までに別の言語を聞かせれば、その発音の違いなども容易にわかるようになるといいます。絶対音感を身に付けるならば3歳まで、といわれているのと同じです。

 この研究では胎内にいるときから聞かせると区別する能力が身につくというもの。

 実際バイリンガルって難しいですけどね。日本語と英語という全く別のことを同時にやらせようとすると、確かに英語の発音は良くなりはしますが、逆に日本語が微妙になるというか、どっちつかずになってしまうことも多いようです。何ていうんでしたっけ、バイリンガルならぬ、セミリンガルでしたっけ。

 とりあえず英語を喋れるようになってほしい、と願う親は多いでしょうし、私も子供は楽に英語を身に付けてほしいとは思いますが、英語教育を重視するあまり日本語に不備を来たしたり、子供がそれで小学校の段階で苦労するようならば、別に英語ぐらいどうでもいいかなと思ったりもします。
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2010年02月01日

少子高齢化対策を大成功させている長野県下條村を見習おう

“奇跡の村”長野県下條村

 全国的に少子高齢化が深刻な問題となっている中、出生率が上がっているのが長野県下條村。村営の保育所を充実させ、中学3年生までの医療費は村が面倒を見るといった徹底ぶり

 また、子どもがいる若い世代向けに村営の集合住宅を作りました。下條村の伊藤村長は、25億円の村の予算を、こうした子育て支援に重点配分するため、そのほかの予算の削減を図りました。

 道路の建設や補修にしても、コンクリートなどの資材を村民に提供。作業は村民が行うため、人件費の削減につながりました。下條村のこうした取り組みを見ようと、全国から視察団が訪れています。少子高齢化に対して、地方は何ができるのか。下條村が一つのヒントを与えていると言えそうです。



 スゲェ・・・

 村全体で少子化対策に貢献してるんですねぇ。

 こういう徹底さがあれば、子供も減ることはない。もっといえば国をあげてやるべきなんでしょうけれど、そこまでの勇気というか先見さがないんでしょうねぇ。

 長野県下條村の村長の英断には感服させられました。

 いま地方の医療従事者不足が叫ばれてますけれど、たとえば「日本で一番子育てに関するケアが行き届いている町」があったら、結構人気出ると思うんですよね。やっぱり医療従事者にとって子育てというのはどうしてもしづらいもの。そのケアを全面的にサポートしてくれる病院があったら、それだけで就職先として考えられるんですけれどもね。
posted by さじ at 09:27 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2010年01月13日

栃木県で産婦人科、小児科を目指す医学生に奨学金制度。

県の医学生修学資金貸与 5人程度募集

 県保健福祉部は、医学生を対象にした修学資金貸与の募集を始めた。医師不足や地域偏在などが問題となっている産科や小児科の医師確保対策で、今回で3回目。昨年は募集枠10人に対し貸与決定者は7人にとどまったため、今回は実績を踏まえ「5人程度」の募集とした。

 応募対象者は産科医か小児科医を目指す医学生、または医大合格者。新入生の場合は入学金100万円、ほかに授業料など月25万円が貸与される。大学卒業後は県内で初期臨床研修を行うほか、県内の公的医療機関で貸与年数の1・5倍の期間勤務すれば修学資金の返還は免除される

 昨年の貸与決定者7人は、いずれも小児科医希望だった。同部は県内でも産科医不足が深刻化しているとして、産科医希望の学生の応募も期待している。



 こういう奨学金制度、増えてきましたね。優秀な人材を確実に得るための地方ならではの工夫です。

 自治医大システムみたいなのを県全体で出来るといいんですけどね。まあ自治医大も、卒後に何千万だか払って息子を自由の身にさせる、という恩義もへったくれもないようなことを平気でする親御さんもいらっしゃるようで、なかなか大変みたいですが。

 小児科医志望者、産婦人科医志望者って、案外多いんですよね。不足、と言われているのは社会のシステムのせいな気がしてなりません。せっかく小児科医になりたい、と熱望する若者がいるわけですから、その芽を国民が摘まないであげてほしいです。
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2010年01月06日

世界初、胎児が自発的微笑をする瞬間を撮影する。

お母さんのおなかの中で、赤ちゃん微笑む

 お母さんのおなかの中にいる赤ちゃんがほほ笑んでいる様子を、超音波診断装置を使って撮影することに、聖心女子大の川上清文教授(心理学)らの研究チームが成功した。

 国際的な基準に沿って「微笑」と判定されたのは、世界で初めてという。

 もっとも幼い赤ちゃんの微笑を見せたのは、23週と1日目の胎児。神奈川県鎌倉市で産婦人科を開業する矢内原巧医師とともに約3分間撮影したところ、計6回、1回あたり平均4・7秒の微笑を見せた。

 この微笑は「自発的微笑」といわれ、外的な刺激と無関係に表れる。新生児にもみられる。唇の端が上がっている状態が1秒以上続くことなどが、国際的な判定基準とされる。人の笑顔などに反応する「社会的微笑」とは区別される。

 これまでに、生まれたてのチンパンジーやニホンザルでも確認されているが、胎児での確認は初めて。自発的微笑がなぜ起きるのかは不明だが、川上教授は「進化した動物には自発的微笑が見られる。この微笑がいつ始まっていつ終わるかという点に、情動の進化を解明する手がかりが隠されているかもしれない」と話している。



 情動に関与している現象なんでしょうか?

 よく特別ニュースのない日に、「笑う猫」だの「歌う犬」だの見せられますが、ああいう類の笑いっていうのは何故起きるんですかね。たまたまなんでしょうか。胎児の段階で、口元を曲げる動きというのが何かにリンクしているんですかね。
posted by さじ at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2009年12月26日

ダウン症の合併症は、酵素の過剰分泌が原因だった。

ダウン症、酵素の過剰発現が原因 メカニズム解明へ

 先天性疾患のダウン症は、染色体の異常で過剰に作られる酵素によって、細胞の生死や増殖をコントロールする別の酵素が分解されるのが原因との研究結果を北海道大遺伝子病制御研究所の野口昌幸教授(分子生物学)らのグループがまとめ、15日付の米専門誌「デベロップメンタルセル」に発表した。

 ダウン症では、若年性アルツハイマー病や白血病などの合併症が高い確率で発生することが知られており、発症メカニズムの解明で、合併症治療に役立つことが期待できるという。

 野口教授によると、蛍光顕微鏡などを使った解析で、ダウン症の原因とされる21番染色体の異常により「TTC3」と呼ばれる酵素が通常より約20%多く放出されていることが判明。TTC3が、細胞の生死や増殖を制御している別の酵素「AKT」と結合、分解することでAKTの量が極端に減り、細胞増殖の異常などダウン症の症状が現れることが分かった。

 野口教授は「二つの酵素の結合バランスの乱れが合併症の発症原因の一つになっている可能性がある。結合を阻害する新薬の開発などが進めば、今後治療の可能性が広がるだろう」と話している。



 酵素1つの量が20%多いだけでこんなに大きな違いに。

 この酵素を減らすような薬や治療法が出来れば、染色体異常であってもダウン症の症状を軽減したり、合併症を減らしたりできるかもしれませんが、細胞の酵素を減らすというのはなかなかに難しそうですねぇ。
posted by さじ at 18:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2009年12月18日

出産後の入院期間の短縮でベッド数不足を改善する

産後の入院短縮 広がる

 出産後の入院期間を、現行の1週間前後から3〜6日に短縮する取り組みが広がっている。東京の日本赤十字社医療センターでも、来年1月から早期退院制度を導入。出産を扱う医療機関が不足する中、「お産難民」の解消策として期待される。

 横浜市の主婦山田満希子さん(35)は10月末、同市の神奈川県立汐見台病院で次男を出産した。入院日数は、出産した日を含めて4日。長男(3)を同病院で出産した際は7日入院したが、今回は、2007年7月に同病院が導入した早期退院の制度を利用した。「実家に預ける長男が心配だったので、早く帰れて助かりました」と話す。

 退院翌日とその2日後には、病院が提携する同市の「みやした助産院」の助産師が自宅を訪れ、母子の健康を確認。授乳の相談にも乗り、山田さんは安心できたという。

 同病院周辺ではお産をやめる医療機関が相次ぎ、同病院にお産が集中した。05年に年間約500件だった同病院の出産件数は、07年に700件に急増。ベッド不足の状態になっていた。また、2人目、3人目を産む母親からは「上の子が心配だから早く退院したい」という要望もあったという。

 そこで同病院では、経産婦で母子ともに健康、早期退院を希望する場合に限り、これまで6日だった入院期間を4日に短縮。退院後は助産所の助産師が自宅を2回訪問することにした

 高度の産科医療に取り組む総合周産期母子医療センターに指定されている日本赤十字社医療センター(渋谷区)でも、来年1月から、早期退院と、助産師による自宅訪問の制度をスタートさせる。

 同センター周辺でも出産の取り扱いをやめた医療機関が相次いでいる。同センターの昨年の出産件数は約2500件で都内最多と見られ、3年前の25%増。1月から新病棟に移転し産科の病床数が減る事情もあり、「より多くの出産を受け入れたい」(周産母子・小児センター長の杉本充弘さん)と入院期間短縮を決めた。

 現在は初産婦が出産当日を含め7日入院、経産婦は6日が基本だが、母子の状態が良好な場合、それぞれ1日ずつ短縮する。状況によっては、さらに早期の退院もできるようにする。

 横浜市の産科診療所「池川クリニック」では、出産した日を含め入院日数は3日が基本で、当日退院した人もいるという。退院後、希望者には助産師が訪問するほか、診療所を訪れた母親の母乳指導を無料で行っている。

 横浜市では昨年度から、早期退院に取り組む医療機関と、退院後の訪問指導を行う助産所に補助金を支給している。

 こうした取り組みは広がると見られる。日本助産師会は1月から、早期退院した人を地域で支える役割を果たそうと、地域で開業している助産師を対象に、母子の健康チェックなどの研修を始める。同会会長で順天堂大特任教授の加藤尚美さんは、「自宅で過ごす方が母子はリラックスし育児にも早く慣れることができる。医療が必要な時期が過ぎたら早く退院し、自宅で支援を受ける態勢が理想的だ」と話している。



 ある地域では、地域住民が産科病院を保護する運動を進めているようですが、こういう大都市圏ではなかなかそういう意識も芽生えていないようです。

 お産というのはリスクがつきもの。そのリスクを極力減らすためにも定期的な妊婦検診やかかりつけ病院を作らなければいけないんですが、実際には飛び込み出産など、リスク軽視をしている人が多い。そしていざ何かあったときに、病院のせいにしたり、医療過誤だとして訴えたりする人がいる。

 そういう問題があり、お産を取り扱う病院が減少。1つの病院に集中するようになり、ベッド数が足りなくなってくる。

 こういう悪循環を断ち切らないと、産婦人科医療を続けるのは困難ですが、いかんせん医療機関の改革だけでは難しいところです。

 唯一できる対策がこの助産所を有効活用した入院期間の短縮ですが、どこまでできるかどうか。
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2009年11月27日

フランスで、尻たたきを禁止する法律が出来るかもしれない。

仏で尻たたき禁止法制化にノン 世論調査で82%が

 フランスで子供のお尻をたたいて叱責することを禁じる法案が検討されていることに対し、有権者の82%が法制化に反対であることが22日、同国の世論調査で分かった。

 この法案は、与党、国民運動連合(UMP)のアンティエ議員が「体罰を受けて育った子供は他人に攻撃的になる」との理由から、議会に提出する意思を示している。

 調査会社TNSソフレスの世論調査によると、子供を育てる際にお尻をたたいた経験があったり、尻たたきを是と考えたりする回答者は67%に達した。また45%は「親の権威の尊重を学ばせるために有意義」と答えた。

 ただ「尻たたきをできれば避けたい」とする回答者も52%に上っており、法律による禁止には反対しても、体罰は後ろめたいと考えている親が多いことも浮き彫りになった。

 同議員によると、欧州連合(EU)が子供への体罰禁止の法制化を各加盟国に呼び掛けており、加盟27カ国中18カ国が関連法を整備しているという。



 正直、尻たたきを法律化しても困る人はいなさそうですが。

 体罰が教育に必要と考えている人は、体罰されてきたんでしょうね。

 私も幼少の頃はかなりの悪がきでしたが、親に体罰されたことは一度もありませんね。そのかわり言葉で諭された。

 言葉で言えば分かるもんです。

 ファミレスとかで、子供がちょっとこぼしたりフォークを落としたりするだけで、すぐに頭を叩くバカそうな親がいますが、あれは良くない。自分もそうやって育ってきたから、そういう教育の仕方しか知らないんでしょうけれど、理解力のある子供に育つとは到底思えませんね。
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2009年11月18日

川崎病の原因は複数の細菌だった?抗菌薬で治療に成功。

川崎病、複数細菌原因か…抗菌薬で治療成功

 乳幼児の原因不明の難病・川崎病が、体内で大量に増えた複数の細菌の感染によって引き起こされる可能性が高いことを、順天堂大のチームが突き止めた。

 従来の治療法では効果のない患者の治療にも成功しており、英国免疫学会誌電子版で発表した。

 研究チームの永田智・准教授らは、患者ののどや小腸に、毒性の弱いブドウ球菌や、ありふれたタイプの桿菌の仲間が、通常の10倍〜100倍も存在することに気づき、詳しく調べた

 その結果、〈1〉ブドウ球菌によって免疫反応が強まり、高熱や腫れの原因になる〈2〉桿菌の仲間は血管内皮細胞にHSP60という特殊なたんぱく質を作らせ、これが免疫細胞の標的となり、冠動脈で過剰な免疫反応が起きる――ことを突き止めた。

 炎症を抑える血液製剤を大量に投与しても効果がない患者7人に、ブドウ球菌や桿菌を抑えるST合剤という抗菌薬を投与したところ、6人が回復した。

 研究チームの山城雄一郎・特任教授は「細菌の組み合わせによって症状が変わると考えられる。数滴の血液から細菌の種類を特定できるので、さらに多くの症例を調べれば治療法を確立できるだろう」と話している。



 おおおおおお

 川崎病の根本的原因が分かるかもしれません。

 今までは、アスピリンやγグロブリン大量投与といった治療法がメインでしたけれど、このニュースによれば、抗菌薬の組み合わせで治療できるとのこと。

 川崎病は心臓に血液を送っている冠動脈に瘤が出来てしまうのが最大の問題でした。何故瘤が出来てしまうのか、という点も、細菌によって免疫の過剰反応が起きることで説明がつきそうです。

 小児の難病でしたが、もしかすると治療法や検査が一新するかも。

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2009年11月14日

新生児を誘拐して売却していた医師、看護師を逮捕する。

新生児を誘拐し売却、医師と看護師ら5人を逮捕 メキシコ

 メキシコの捜査当局は7日までに、メキシコ市の病院で生まれた赤ちゃん2人を誘拐して売却したとして、医師3人と看護師、受け付け担当者の計5人を逮捕したと発表した。また、赤ちゃんを「買った」カップルと精神科医の女も逮捕していると明らかにした。

 赤ちゃんが誘拐されたのはオリエンテ中央病院。赤ちゃんの母親には出産後「死んだ」と伝えていたという。

 事件が発覚したのは、同病院で出産し、娘を「亡くした」ディアナ・フェルナンダ・カスティージョさんの元へ届いた、病院オーナーの息子からの電子メールだった。

 カスティージョさんは2008年10月25日に同病院で出産。帝王切開で出産した際、赤ちゃんの泣き声を聞いたが、麻酔から覚めても赤ちゃんに会わせてもらえなかったという。

 医師や看護師らは、「赤ちゃんは先天性の病気があり、小児病院で治療を受けている」などと説明。その後、「赤ちゃんは死んだ。すでに火葬された」などと話していた。

 カスティージョさんは医師に遺灰と、死亡証明書の発行を求めたが、まったく相手にされなかったという。

 しかし、その後、病院オーナーの息子から「赤ちゃんは生きている」と告発するメールを受け取ったため、捜査の手が入ることになった。

 捜査中、あるカップルが4月に生後7カ月の女の子を養子として迎え入れていたことが分かった。この赤ちゃんは当初、カスティージョさんの娘かと思われたが、DNA鑑定の結果、別人と判明。しかし、この赤ちゃんもオリエンテ中央病院で生まれて誘拐され、売られていたことがわかった。カップルは1万2000ペソ(約8万1000円)を病院医師に支払っていた

 カスティージョさんの娘は、精神科医の女が昨年11月に1万5000ペソ(約10万円)で買った赤ちゃんだと判明した。女は約5年前に、逮捕された医師に子供がいないことを相談。医師は子供を捨てる親がいるので、その場合に赤ちゃんを引き渡すなどと説明していたという。

 カスティージョさんは出産から1年ぶりに、DNA鑑定で娘だと確認された赤ちゃんと対面することができた。



 メキシコ怖いなぁ。

 確かにバレづらいとはいえ、安価でこういったことが出来てしまうのもおそろしいです。

 病院オーナーの息子、という方の良心のおかげで判明したようなもんですからね。息子も共謀していたら、どうなっていたことか・・・。
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2009年11月10日

赤ん坊の泣き声は、母親の胎内にいたときに聞いた言語に似る。

赤ちゃんの産声は母国語によって音調が異なる、研究報告

 これまで万国共通だと考えられていた赤ちゃんが最初に上げる産声は、母親の胎内にいるときに聞いた言語によって違いがある――。

 過去の研究で妊娠7か月以降の胎児は外部の音を記憶し、特に音楽や言葉の音調を認識することが分かっていた。また、新生児は母親の声を好み、母親が話すときのイントネーションで怒りや喜びの感情を見分けられることも知られている。ただ胎児が言語の差異を聞き分けられるとしても、その違いを音声で表現できるとは考えられていなかった。

 今回研究を行ったフランス人とドイツ人からなる研究チームは、生後3〜5日の健康な新生児60人の泣き声を録音して比較・分析した。60人のうち半数がフランス語を話す家庭に生まれた新生児、残りの半数はドイツ語を話す家庭に生まれた新生児だった。

 その結果、泣き声の音調は、その母国語によってはっきり異なることが分かった。泣き声の音調は、フランス語家庭に生まれた新生児では上昇するが、ドイツ語家庭に生まれた新生児では下降する。この傾向は、それぞれの言語の特徴と一致しているという。

「従来の考え方とは逆に、人間の新生児が泣くのは言語発達の基礎を作る上で重要であることをこの研究データは裏付けている」と、研究チームを率いた独ヴュルツブルク大学(University of Wurzburg)のKathleen Wermke博士は述べている。



 へー。面白い。

 日本人の赤ちゃんの泣き声って似ていると思いましたけれど、他の国では違うんですねぇ。

 生まれながらにしてお母さんの声を認識し、それに似てくるというのは、なんとも可愛らしい話。こういうほほえましい発見があるにもかかわらず、虐待などの悲劇を聞くとなんともやるせないです。
posted by さじ at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

子持ちの女性意思の復帰支援を、県が開設する。

県女性医師支援センター:女性医師の復帰支援、県が開設 /埼玉

 増加する女性医師の復職や家庭との両立をサポートするため、県は10月、「県女性医師支援センター」(さいたま市)を開設した。就業のための電話相談や、県内にある病院の求人情報を提供する。小児科や産婦人科など医師不足に悩む医療機関が多いなか、人的資源として女性医師の復帰は重要ととらえ、支援に乗り出した。

 県医療整備課によると、県内の医師9578人(06年現在)のうち、女性は1654人。10年前に比べ600人以上増えた。埼玉県は人口10万人当たりの医師数が134・2人(04年調査)と全国最少で、県内医療を支える女性医師の重みは年々高まる。

 一方、長時間の不規則な勤務と結婚や出産との両立に悩む女医は多い。センターの運営を受託している日本女医会埼玉支部が08年度に実施したアンケートでは、出産や育児などが理由で仕事を離れた女性勤務医のうち、約3割が再就職できていなかった。

 加須市の開業医、篠崎佳織さん(49)も出産時に仕事を離れた一人だ。直前までは勤務医として従事。子どもたちが1歳半を超えた時期に復帰を模索した。偶然、知人から週1回の勤務でいい個人病院を紹介してもらい、子育てしながら徐々に仕事を増やすことができた。篠崎さんは「私は職場に恵まれ何とか医師を続けられた。でも、友人の女性医師は両親と同居している人以外は出産後はほとんど復帰できなかった」と嘆く。

 現在、センターには「育児休暇が終わり都内の病院に復職したが、仕事と家庭の両立が大変。自宅のある県内で仕事を探したい」など3件の相談が寄せられているという。

 自身も医師の中田恵久子相談員(59)は「子育てや介護があると、働ける時間は短かったり、不規則だったりする。一方で、医師不足で短時間でも働いてほしい病院もある。その橋渡しの役目を果たしたい」と話す。

 相談受け付けは平日午前9時から午後5時まで。問い合わせは同支援センター(電話048・642・7115)。



 医者になるまでには高校までの受験戦争、そして六年間の勉強、更に国家試験、終了後の初期臨床研修と、長い年月を要します。

 国も医師一人を育成するのにお金をかけているわけですし、是非とも女性医師に復帰してもらいたいところです

 が、確かに今の日本は復帰に向けた体制が整っていないと思います。

 まあ、こういってしまうとアレなんですけれど、女性医師の中には、結婚したら退職して主婦としてやっていく、という方が大勢いるのも事実。

 勿体無いですよね。

 欧米のようにベビーシッター制度を強化して、昼間の間だけでも仕事に出られるようになれば、医療機関の負担も大幅に減るでしょう。外来をやってもらうだけでも大きな力になるはずです。

 実際の医療業務は当直や手術など、かなりのハードですが、まず子供が小さいころは分担してやれるようなことをやってみるのもいいんじゃないかと思います。そのための環境作りを国や市町村、病院機関を挙げて実施すべきです。
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2009年11月05日

日本での子供のためのホスピス設立に向けて。

「子供のホスピス」国内での設立へ動き

 治療の難しい病気の子供と家族を支える施設「子供のホスピス」。1982年にイギリス・オックスフォードに設立されたのが始まりで、その後、多くの国々に誕生している。日本にはまだないが、実現に向けた動きが生まれている。

 日本での設立を目指す医療関係者らが10月、世界で初めての施設である「ヘレン&ダグラスハウス」の関係者を招いて大阪市内でセミナーを開催した。創設者のフランシス・ドミニカさんが約700人の聴衆を前に、「何よりも大切なのは(病気の)子供と家族の声に耳を傾け、ともに歩んでいくこと」と語りかけた。

 映像も交えて紹介される施設は、緑豊かな木々や色鮮やかな花に囲まれ、温水プールやおもちゃがいっぱいの部屋も備わり、パーティーなど子供たちを楽しませるイベントも盛ん。医師や看護師、理学療法士、音楽療法士ら豊富な経験を持つ専門家がそろい、子供一人一人の状態に合わせたケアプログラムが組まれている。子供たちや家族、スタッフらの笑顔が印象的で、「家庭的な環境の中でのケア」(ドミニカさん)を重視する姿勢の象徴といえる。

 ターミナルケアとしてよりも、病気の子供を短期間預かるレスパイト(休息)ケア目的で利用する人が多数を占めているのが特徴で、家族が宿泊できる部屋もある。長男が脳に重い障害があり、施設を時折利用するバージェス早苗さんは「背水の陣で長期にわたる介護を続けるのは難しく、支えてくれる人がいる安心感は大きい。ここで心身を充電していつもの生活に戻ることができる」と話す。

 日本での設立に向けては、いくつかの課題が指摘された。

 まず、ホスピスという言葉が死を連想させがちな心理的抵抗感があること。それについて施設の医師、ウィリアム・ソーントンさんは「ハウスは死ぬための場所ではなく、充実した『生』をサポートする場」と強調。バージェスさんも、家にいるようなハウスの明るい雰囲気に当初抱いていた懸念は払拭されたという。

 また、資金集めも難問だ。イギリスでは施設は地域住民の寄付などで運営されており、利用は無料。近年はボランティアがリサイクルショップも運営しており、その利益も運営資金に充当されているという。

 ドミニカさんは「さまざまな場で活動を伝えることで著名人も協力してくれるようになった。一歩ずつは小さいかもしれないが、徐々に大きくなっていく」と日本の関係者らを激励。そして、「日本での新たな動きをうれしく思う。日本の文化にあった子供のホスピスをぜひつくってほしい」と呼びかけた。



 絶対に、必要なものですからねぇ。

 そもそも日本では、どうもボランティアというものに対してなじみが薄い印象を受けます。海外では主婦の方も結構積極的にこういう医療ボランティアに参加しておられます。日本の大きな病院では病院ボランティアの方のおかげで助かっている部分はかなりあるんですけれど、まだ少数の活動に留まっています。

 むしろ子供にできやすい癌、というものも多く存在するわけです。生まれてきた「生」に対してどれほど見つめられるか。日本でも小児ホスピスが普及してほしいと思っています。 
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2009年10月14日

小中学生の保護者の4割が余った薬を服用していた。

小中生の保護者、4割が余った薬を服用

 製薬企業23社を会員とする「くすりの適正使用協議会」は10月13日、全国の小・中学生の子供を持つ保護者を対象に実施した「くすりの服用に関する実態調査」の結果を公表した。それによると、子供の薬の服用を確認する保護者は9割以上だったものの、保護者自身は、家族に処方されて余った薬を服用した経験がある人が4割に上るなど、薬の服用方法を必ずしも正しく理解できていない実態が明らかになった。

 調査は全国の小・中学生の子供を持つ保護者600人を対象に今年8月に実施し、全員から回答を得た。

 それによると、「子供と一緒に用法・用量を確認し、服用するのを見ている」など、子供の薬の服用を確認する保護者は92.7%。また、服用方法について、「1人で勝手に服用しない」など、子供に注意喚起している保護者は56.0%だった。

 一方、保護者自身の服用方法について、処方された薬の服用を途中でやめた経験がある人は71.8%だった。その理由を複数回答で聞いたところ、「回復したと自己判断し、止めた」が83.5%で突出して多く、以下は「効き目がなかったので、止めた」(11.4%)、「面倒になったため、止めた」(9.7%)と続いた。

 さらに、家族に処方されて余った薬を服用したことがある保護者は40.3%に上った。このうち、74.8%が誰にも相談せずに服用していた。また、相談した保護者(25.2%)に誰に相談したかを複数回答で聞いたところ、「家族に相談した」が83.6%で最も多く、医師や薬剤師に相談した割合はそれぞれ13.1%にとどまった。

 また、「食前」(食事の約30分前)、「食後」(食事の約30分後)、「食間」(食事の約2時間後)、「寝る前」(就寝の約30分前)の意味を正しく理解している保護者は、それぞれ67.8%、59.0%、49.0%、53.7%にとどまった。



 服薬コンプライアンスっていうんですけどもね、ちゃんと薬を飲んでるかどうかって。

 いやー結構な数値ですね。余った薬を自分の判断で飲むって、結構怖いです。その人に合った薬を出してるわけで、容量も違えば、効果を正しく出せず副作用が出てしまう可能性もありますし、もしその人が別の薬を飲んでいたら・・・。

 怖い。怖い。

 薬を自己判断で途中でやめちゃうのも、よろしくないです。結核っていままた流行ってきてますけど、あれも、薬を自分で途中でやめちゃうと、耐性菌が出来ちゃうんですよ。それを広めているかと思うとね、ホント怖い。新型インフルも耐性のができちゃいましたよね。

 あと最後に、食間は食後2時間のことですからね。食事中に飲む薬、じゃないですよ。
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2009年09月28日

出産直後のカンガルーケアで新生児16例が呼吸停止に

出産直後のカンガルーケア 新生児の呼吸停止など16例

 生まれた直後から赤ちゃんを母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」(KC)を実施したところ、新生児の呼吸が止まるなどしたケースが全国で16例あったことが、27日に東京都内で開かれた日本母乳哺育学会学術集会で報告された。その後も増えているといい、報告者の渡部晋一・倉敷中央病院総合周産期母子医療センター長は、赤ちゃんの状態をきちんと観察するなどの実施基準を明確にすべきだと注意喚起した。

 KCは、母乳育児促進に有用とされ、広く行われている。新生児医療の専門医のグループが昨年全国205の病院を調査。16例のうち1人が死亡、4人が植物状態という。渡部センター長はうち3例について説明。KC中に赤ちゃんの呼吸が止まるなどしているところを発見されたが、いずれも赤ちゃんの状態が観察されておらず、事前説明も母親には行われていなかったという。「KCは推進したい。だが、どう実施するかだ」と話した。

 長野県立こども病院の中村友彦・総合周産期母子医療センター長も「(正常出産でも)出生直後は呼吸循環状況が危機的な状況となる可能性が高いことを認識して実施すべきだ」と強調した。



 母子のその後の育児のためにも有用とされているのが、このカンガルーケアです。生まれてからすぐに、お母さんと赤ちゃんをくっつけてあげるというものですが。実際に効果はかなり高いと思います。

 ただ、生まれたての赤ちゃんの状態にもよりますよね。無事生まれた、と喜ぶだけでなく、医療従事者は赤ちゃんの呼吸にも注意を払いつつ、カンガルーケアを実施すべきでしょう。リスクとしてはそんなに高いものではないと思いますし、カンガルーケアの効果の大きさを考えると広く普及させていきたいところです。

関連
医学処:母乳を与えた女性は、心臓発作などの心血管障害の危険性が減る
医学処:遺伝子操作したマウスの乳から、人間の母乳を作る。
医学処:助産師による自宅出産は病院と同じくらい安全。
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2009年09月20日

紫斑病性腎炎とはどういう病気なのか?

7歳の子が紫斑病性腎炎

 7歳の子どもの両足に赤い斑点が出て「紫斑病」と診断されました。その後、尿からたんぱくが出て「紫斑病性腎炎」と言われました。どのような病気か教えてください。

たんぱく尿 長引いたら検査

 紫斑病は、皮膚の下で内出血を起こし、赤紫色の斑点ができる病気です。

 様々な種類がありますが、お子さんは「アレルギー性紫斑病」と思われます。これは、3〜10歳の子どもに多く、20〜60%に腎炎を合併します。予防の手だてがなく、通常、斑点が出てから1か月以内に発症します。

 「溶連菌感染症」などの感染症や、食物アレルギーなどが一因と考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。腹痛や関節痛といった症状が出ることもあります

 血尿や、少量のたんぱく尿が出る程度なら、数か月で自然に治ることも多いですが、たんぱく尿が半年〜1年以上続くようであれば、詳しい検査をします。

 特に、〈1〉むくみや高血圧などの症状が出る〈2〉血尿と多くのたんぱく尿が長期間出る〈3〉たんぱく尿が多く出て血液中のたんぱく質が減る「ネフローゼ症候群」や腎機能の低下などがある――場合は、早めに治療を始めた方が良いと思います。

 ステロイド薬や免疫抑制薬、抗血小板薬を使ったり、血液を体外循環させて成分を浄化させる「血漿交換療法」を行ったりします。こうした治療で重症になる子どもの数は減ってきました。

 へんとう炎などを起こし、血尿やたんぱく尿が出る場合は、感染症の治療が必要です。また、たんぱく尿が続く場合や運動をして血尿やたんぱく尿が出る場合は、激しい運動を制限しなければなりません。

 この病気に詳しい小児科医を受診し、相談してみてください。 

 内山 聖・新潟大病院小児科教授



 腎臓は大事な臓器です。子供の場合、このような紫斑病性腎炎などが原因で、腎機能が低下する可能性があります。適切な治療を行うことで、重症化することは減ってきましたが。

 異常を感じたら、すぐに大きな病院へ。
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2009年09月17日

アスペルガー症候群に対しての公的支援が不十分と感じる。

発達障害 手薄な支援 現制度障害年金もらえず 

 生まれつきコミュニケーション能力が欠如するなど、日常生活に支障がある発達障害。その一つ「アスペルガー症候群」を患う長女(19)を持つ金沢市内の母親が、娘の将来に不安を募らせている。現状の制度では障害年金などが受けられず、公的支援が不十分と感じるからだ。民主党中心の連立政権誕生を直前に控え、母親は「早く改善を」と訴える。

 「五時五十八分の十分後は何時何分?」

 昨年から通い始めた児童デイサービス。長女は机の上で、作業療法士から出された問題にじっと考え込んでいた。苦手な時間の計算の訓練だった。

 母親は「私が死んだら、この子は生きていけるのか」と嘆く。

 発達障害は、障害者ごとに支援を定める「障害者自立支援法」では、精神障害に分類。重度の知的、身体障害者に支給される障害年金は受け取れない。

 長女は現在、特別支援学校に通い、来春に卒業を予定する。収入を得るには働く必要があるが、時間を守れず、人の輪に溶け込むのは難しい状況。母親は「不況の中、本当に職場が見つかるか」と心配する。

 発達障害は、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など、種類が多岐にわたる。文部科学省の昨年五月の発表では全国で約六十八万人(石川は約六千四百人)もの小中学生に疑いがある。

 厚生労働省によると、症状の個人差が大きく、まだ統一された診断基準がない。支援の質、量を見極められないのが現状だ。

 ただ、精神障害を対象とした就労などの支援内容が「発達障害を想定しておらず、合っていない」という声が現場からは聞かれ、同省の担当者も「適切な支援を行うため、研究を重ねている段階」と話す。

 長女を指導する作業療法士の中川等史さんは「発達障害は早い年齢での気付きと、一人一人に合ったケアが大事。不足気味の児童デイサービスの診療報酬を上げたり、学校に一人ずつ療法士を配置したりするなどの対策が必要」と指摘する。

 民主党は政策集で、障害者政策の見直しを掲げる。母親は「制度のはざまに置かれないよう、安心して暮らしていける仕組みをつくってほしい」と願う。



 自閉症は皆さんご存知だと思いますが、アスペルガー症候群は、知能障害や運動障害などがありません。対人コミュニケーションに障害があります。ですので、学習面でいえば普通。アスペルガー症候群であっても東大でもどこでも行けます。まぁ個人差があるので一概にどうとは言えませんけれど。

 こういう発達障害は、身体機能的なところに問題がないだけ、逆に社会に馴染めず、職探しなどの点で困難なのでしょう。こういう点のサポートは今まで度外視されてきたところではあるので、政権交代と同時に何らかの対策に繋がればいいんですけれども。まずは周囲の一般の人の理解を促進するところから、ですね。

 発達障害

 言葉の遅れや対人関係の障害などがある「自閉症」、興味関心にこだわりが強い「アスペルガー症候群」、読み書きや計算が極度に苦手な「学習障害」、じっとしていられず衝動的に行動しがちな「注意欠陥多動性障害」などをいう。症状に個人差があり、一見しただけでは障害が分かりにくいため、周囲とトラブルになることもある。原因は脳機能の障害と考えられ、就学前の早期発見で療育を受ける環境を整える必要があるとされる。

関連
医学処:自閉症を持つ子供は、脳内の扁桃体が大きくなっている。
医学処:自閉症の染色体異常を再現したマウスの作成に成功する。
医学処:ADHDの8割以上が、子供時代にいじめられた経験を持つ。
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2009年09月08日

聖隷三方原病院で静岡県内初の院内助産所を開設する。

聖隷三方原病院で県内初の院内助産所 医師の負担も軽減

 病院内に助産所を設ける画期的な取り組みが、浜松市北区の聖隷三方原病院を皮切りに静岡県内でも始まっている。分娩を仕切るのは、産科医ではなく助産師。役割分担で医師の負担を軽減し、妊婦には家庭的な出産環境を提供できる。いざとなれば医師が駆け付けるため、安心感も強く、お産の選択肢が広がった。

 「初めてのお産だから、機械に囲まれた分娩室より、畳の上がよかった」。8月5日、同病院の院内助産所「たんぽぽ」が3月に開所してから50人目の赤ちゃんを産んだ愛知県新城市の団体職員松宮恭江さん(31)は、助産師の祝福を受けながら、笑顔が絶えない。

 「家にいる安心感で産みたい」と、助産所を選んだ。妊娠20週すぎから助産師がマンツーマンでケアし、陣痛やむくんだ体の対策など、どんな小さなことでも相談に乗ってもらったという

 院内だけに医療設備は整い、産科や小児科の医師の目も届きやすい。「助産師さんと信頼関係があったから、リラックスして身を任せられた。主人も座って落ち着いて立ち会え、きずなも深まった。2人目もここで産みたい」

 笑顔で振り返る松宮さんに、助産師の高林香代子担当課長らも「この信頼感やきずなこそ、私たちが求めているもの。出産は大変だけれど、一緒に乗り越え、いいお産だったと満足してもらいたい」とうれしそうだ。

 院内助産所は全国で広まりつつある。県内は、4月に浜松市中区の県西部浜松医療センターと清水町の静岡医療センターでも始まったが、聖隷三方原病院は「専属助産師を4人置き、医師が同席せずにこれだけの件数を担当するのは珍しいのでは」と話す。

 背景には、多様化するお産の要望に応えること、助産師の能力を生かすこと、そして多くの病院が抱える産科医の負担軽減がある

 同院の場合、最多時に7人いた常勤医師が、現在は4人。非常勤3人を加えて年間850件前後のお産を担当しており、院内助産所が担当目標に掲げる月30件は、大きな力となる。

 妊婦の安心を高めるための「次の手」も進む。7月末に導入した「産科セントラルシステム」だ。妊婦のおなかの張り具合や胎児の心音を、外来や病棟の産科医が画面上で見ることができ、医師側も「すぐに確認できるので安心」という。

 命だけでなく、心もつなぐ院内助産所。高林担当課長は「主体的にお産にかかわることができ、水を得た魚みたい。実績を積み信頼を得たい」と意気込む。宇津正二産科部長は「産科としても助かるが、みんなの達成感が違うのが一番」と手応えを語っている。



 異常な妊娠経過をたどるような妊婦さんの場合は、大学病院や大きな総合病院でみてもらう必要はありますが、そうでないのであれば、こういうお産のほうがより自然ですし、良い出産を迎えられると思います。

 助産師というのはやはり世間では町のおばあちゃんがやっているもの、というイメージが強いかもしれませんが、実際には大学で高度な産科の看護という学問を修めたスペシャリスト。高い能力とモチベーションを備えた人たちです。

 こういう院内助産所の開設こそが、今の産科医療を救う道ではないでしょうか。全国の病院で導入してほしい仕組みです。

関連
医学処:済生会宇都宮病院に正常分娩を対象とした院内助産所を作る
医学処:神奈川県助産師会立の助産院「とわ助産院」が開院する。
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2009年08月19日

大気汚染にさらされると、子供の知能指数は低下する。

「子供の知能指数、大気汚染が影響」…米コロンビア大調査

 妊婦が自動車の排ガスなどの大気汚染にさらされると、生まれてくる子供の知能指数(IQ)が低下するとの調査結果を米コロンビア大がまとめ、発表した。

 研究チームは、ニューヨーク市に住む妊婦に機器を身に着けてもらい、日々さらされている大気汚染の程度を測定した。5年後、249人の子供のIQを知能テストで計測した。いずれも喫煙しない家庭だったが、大気汚染の程度が高かったグループと低かったグループの間で、IQに4ポイント以上の差が出た

 研究チームは「学校での成績などに影響しうるほどの違いだ。大気汚染に対する警鐘となる」としている。



 大気汚染が酷いようなところに住んでいるという家庭事情とか抜きにして、大気汚染だけでIQが下がるんでしょうか。

 家庭や収入の違いなどもありそうですが、どうなんでしょうかね、実際は。本当にこうなら、東京より田舎のほうが優秀な子供が育つということに・・・って実際育ってるのかもしれませんけど。
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2009年07月24日

医療費削減が続き、このままではNICUが破綻してしまう。

新生児集中治療室(NICU)の8割強、医師待遇に難

 重症の赤ちゃんを24時間態勢で受け入れる新生児集中治療室(NICU)の8割強で、労働基準法上は割増賃金が必要な医師の「時間外労働」が、一般的に手当の安い「宿日直」と見なされていることが新生児科医らでつくる「新生児医療連絡会」のアンケート調査で分かった。

 労基法では、平日の夜間や休日の業務は、軽度なものであれば宿日直として認められるが、昼間と同じような治療を行っていれば時間外労働となる。調査は、今年3月に愛育病院(東京都)で、4月に県立奈良病院(奈良市)で、産婦人科医や新生児科医の宿日直が時間外労働にあたると労基署や地裁から指摘されたのを受けて実施された。

 総合・地域周産期母子医療センターなど190施設に質問紙を送り、50%にあたる95施設が回答。夜間や休日の勤務の扱いについて、50施設が「すべて宿日直」、28施設が「宿日直と時間外勤務の併用」とした。だが、宿日直中の勤務実態は、時間外労働と変わらなかった。

 一方、労基法上、最も好ましい2交代か3交代制が実施できているのは6施設にとどまり、64施設は人材難を理由に「交代勤務制は不可能」と答えた。

 調査をまとめた杏林大准教授の杉浦正俊さんは「国の医療費カットでどの病院も経営が苦しく、現場も改善を強く求めづらい。だが、このままでは、ただでさえ人材難が深刻な新生児医療に若い医師を積極的に勧誘できない」と話していた。



 総選挙の話題で盛り上がっておりますが、医療費削減の風潮を打破し、できるだけ費用を捻出するような政党は現れないものでしょうか。

 今まで過酷な労働条件で献身的に医療を行ってきた医療従事者も、限界が近づいています。このままでは何年か後に医療は破綻してしまうかもしれません。医療事故を未然に防ぐ最善の方法は、医療従事者の過酷な労働状況を改善することです。
posted by さじ at 04:51 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児