[小児]の記事一覧

2012年01月08日

国立成育医療研究センターのES細胞を使った肝臓治療を全力で支援したい。

ES細胞で初の治療へ 肝臓病の0歳児 国立成育医療研

 重症の肝臓病で治療法がなく、肝移植も難しい0歳児に、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)からつくった肝細胞を移植する治療を、国立成育医療研究センター(東京都)が計画している。ES細胞による治療は国内では例がなく、肝臓病への応用は世界初とみられる。研究センターは3年後をめどに、倫理委員会の承認を受けて臨床試験に臨む。

 受精卵からつくられるES細胞には、生命の萌芽を壊すことになるという倫理面の問題やがん化の危険性があり、研究レベルに制限され、一部の認められた研究機関でしか扱えない。しかし、研究が進んで海外では臨床試験も始まっていることなどから、ほかに治療法がない難病患者に限って臨床研究の対象として、厚生労働省は先月、指針づくりを始めたところだった

 治療するのは先天性代謝異常症で、肝臓が有毒なアンモニアを分解できない新生児。血中の濃度が高くなると脳に障害が出る。10万人に1人程度の割合で発症し、生存率は10〜20%。



 今生まれてくる子供の命のことを考えたら、早速やってほしいものですよね。倫理的にどうのと議論するのも大事ですけども、議論しているのは「今を生きている、昔からある倫理に流された大人」じゃないですか。しかも日本人っていったらばりばりの保守体質じゃないですか。そんなんでかけがえのない子供の命を左右していいのか?と思いますね。人体実験をしないとか、そういう当たり前の大前提は既に倫理的に確立していて、それ以上の倫理って、何なんでしょうね。時代に即したものでしかないわけで、そんなんその子供や子供の親や担当している主治医からしたらクソくらえだと思うんですよね。だからといって時代に逆行するのも違うし、明らかに間違っているものも違います。要は倫理は大事だが二の次だと言いたいのですが、自分で書いててツッコミどころ満載だなと。
posted by さじ at 03:12 | Comment(0) | 小児

2011年12月04日

小学生の4割が毎日排便がない。放置すると将来的に悪影響。

毎日排便のない小学生は約4割、親の意識も薄く 放置すると将来の健康に悪影響も…/大塚製薬

 大塚製薬は12月1日、「子どもの排便状況と食物繊維の摂取」に関するアンケート調査の結果を発表した。 同調査は松生クリニックの松生恒夫院長監修のもとベネッセコーポレーション「ウィメンズパーク」にて、 6〜12歳までの子どもを持つ女性1,162名を対象に、10月17日〜27日の期間に行われた。

 「あなたのお子様は、この一週間に何回、排便がありましたか? 」との問いには、「排便7回」(39.1%)が最も多く、 次いで「排便8回以上」(19.6%)となった。しかし、小学生全体で「排便7回未満」(週6回以下)は41.3%にのぼり、 約4割は毎日排便がないという結果になった。

 「あなたは、この一週間のお子様の排便に関して、どのような印象を持たれましたか」との質問には、「順調で ある(問題なし)」が78.8%、「おおいに改善の必要を感じる」はわずか2.8%となり、子どもの排便を楽観視する 傾向が見られた。

 自分自身と子どもの食物繊維摂取量については、「親子ともに不足」が最も多く38.2%。「親は足りているが子は 不足」(15.4%)と合わせると、実に半数以上が子ども食物繊維摂取量の不足を感じている。さらに、子どもの排便の回数が「1日1回未満」の親を見ると、62.1%が子どもの食物繊維不足を感じていた。

 自身と子どもの健康や生活習慣で、改善したい(感心しない、問題だ)と思っていることを聞くと、トップ3は 「食生活のアンバランスや偏食」「運動不足」「寝不足」。「子供の快便習慣ができていないと思う親は10.2%で、 親が自分の子どもの排便習慣を改善しようという意識は薄い」としている。

 同調査に関して松生クリニックの松生恒夫院長は、「小学生の約4割に毎日排便がないというのはとても心配な 結果です」とコメント。「親は子どもの排便状況にもっと気を配り、子どもの便の状態をいつもチェックするように してほしい」と続ける。

 人間の腸の弾力のピークは20歳頃で、それまでは機能が発達する状態にあるとのこと。「特に小さな子どもは 腸の力がとても弱い状態にあり、放っておくと排便状況が悪くなるのはある意味当然といえる。私の病院にくる子どもの腹痛の原因1位は便秘で、便秘になると腸内環境も悪化。それが将来の健康に大きなツケを残す ことにもなりかねないので、子どもの頃からの正しい排便習慣がとても大切となる」。

 子どもの排便状況改善策としては、「下剤に頼らないこと」と松生院長。その理由として、1つ目は「下剤は特に 子どもの場合排便力そのものを奪う作用がある」と指摘する。そして、2つ目に食物繊維の摂取も挙げる。「私は 便秘の患者さんに食物センイ飲料とオリゴ糖を寒天で固めたものをすすめており、改善に役立つと評判」という。

「正しい排便習慣とバランスのよい食事、運動といったトータルの形で、子どもの腸内環境づくりに取り組んで いただければ」と締めくくっている。



 生まれてこのかた、朝出なかったことがないくらいの快便マンなので、便秘の苦しみというのは分からないのですが、小学生で出ないっていうのはどういうことなんでしょうね。

 まず言えるのが生活スタイルが不安定で腸がうまく動かないとか?食生活を、しっかりとしたものにして、小学生らしくしっかり寝る。もともと小学生なのですから、運動はするでしょうし、それならうまく出るような気はするんですけどね。最近の小学生はなんかやたら遅くまで起きていて、それを親が寝かさなかったりするので寝不足とかいうニュースもちらほら耳にしますが。便秘だからと安易に便秘薬を与えるのではなく、まずはここからですね。(大人にも言えることですが、腸を動かすには運動すればいいので、安易に便秘薬に頼るより前にまず運動と食習慣改善からやってみたほうがいいと思います)
posted by さじ at 20:40 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2011年08月18日

子供にMRIを行うには麻酔が必要。その麻酔で合併症が起こった病院は35%にも

子どもに麻酔、病院35%「合併症経験」 MRI検査で

 子どもに磁気共鳴断層撮影(MRI)検査をする際にかける麻酔で合併症が起きた経験のある病院が3割以上にのぼることが、日本小児科学会医療安全委員会の調査でわかった。合併症には呼吸停止など深刻なものもあり、同学会は検査を安全に行うための指針づくりに乗り出す。

 12日の同学会であった報告によると、昨年8〜10月の調査に回答を寄せた416病院のうち、35%に当たる147病院で合併症の経験があった。呼吸停止は73病院、血中の酸素不足で呼吸が浅くなったりする症状は75病院、脈が異常に遅くなる徐脈は21病院が経験。心停止も3病院であった。

 MRIは痛みはないが、ベッドに寝ている間に体が動くと正確な検査ができないため、子どもの場合、飲み薬や座薬で弱い麻酔をかけることが多いという。麻酔は主に小児科医が行うが、危険性はこれまでも指摘されてきた。



 あー。難しいねこりゃ。

 MRIやったことある人ならわかると思うんですけど、長いんですよね、微動だにせず30分とか。動かすと画像がよろしくないんで、子供の場合は、眠らせることが多い。

 で、麻酔っていうのは少なからずリスクがあるもので。もちろん実施する場合は小児科医、放射線科医がそばにいるとはいえ、起こることはおこってしまう。もちろんそばにいるから、すぐに迅速な対応できるんで命にかかわるということはほとんどないんですけれども。

 麻酔の副作用がなくなるなんてことはないですからねぇ、難しいところです。
posted by さじ at 17:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年08月08日

小児の腸重積症の早期発見へ、診療指針をつくる

小児の腸の病気 早期発見へ診療指針 小児腸重積症の特徴

 乳幼児に多く、腸がふさがり重症化すると死亡することもある腸の病気の診療指針を、日本小児救急医学会がまとめた。国内では毎年3千〜4千人の患者が出ている可能性があるが、早く見つければ手術が不要なケースが多い。指針では、家庭でも気づくような病気の兆候などをまとめた

 この病気は、腸の口側の部分がお尻側の部分の中に入り込むことで起こる小児腸重積症。多くは原因不明だが、乳幼児での代表的なおなかの急性疾患の一つ。病理解剖統計の分析によると、過去20年間で少なくとも50人が死亡している。早く発見すれば、空気を使って腸の内側から、はまり込んだ部分を押し戻すなどして治せる。しかし、発見が遅れて病気が進むと、腸が壊死し、腹膜炎やショックで、死ぬこともある。

 病気は広く知られていたが、病院により治療法にばらつきがあり、小児救急医学会の委員会が2004年から指針作りを検討。診断基準や重症度の評価方法、症状に応じた指針を作った。



 意外に診断難しいんですよねぇ。しゃべれるような年齢ならいいんですけれども、ただ泣いているだけだと分からなかったりします。

 以下の診断のポイントは、まぁ医者なら大体分かっているようなポイントですが、ご家庭でこういう症状があった場合は、要注意。

★診断のポイント★
・1歳未満の子供が半分以上
・不機嫌になったり腹痛を訴えたりする
・腹痛が重いときと軽いときの波がある
・血便が出たり吐いたりする
posted by さじ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年08月03日

多系統萎縮症に共通の遺伝子があることを北海道大学が発見する

「多系統萎縮症」に共通の遺伝子異常 北海道大など発見

 小脳などが萎縮し運動機能が失われていく神経系の難病で、遺伝とは関係のない「多系統萎縮症」の患者の多くに共通の遺伝子異常があることを、北海道大学医学部の佐々木秀直教授(神経内科学)と民間研究機関「DNAチップ研究所」(横浜市)の研究チームが初めて突き止めた。発症や進行を抑える治療薬の開発につながると期待されており、国際科学誌に論文が掲載された。

 研究チームは同病を発症した患者の遺伝子解析を実施。卵性双生児で一人が発症、もう一人が発症していないケースを詳しく解析したところ、発症者の第19番染色体の一部が欠損していることを確認。他の患者についても33症例中10症例で同じ遺伝子領域に異常を発見したことで、同遺伝子の異常が発症の大きな要因となっている可能性が高いことが分かったという。

 多系統萎縮症は脊髄小脳変性症と呼ばれる神経疾患の一種で、小脳や脳幹が萎縮し、自律神経の障害や手足の震え、歩行異常などを発症、徐々に運動機能が失われる。



 共通の遺伝子という点がポイントか

 かなりの難病ですので、こういう原因遺伝子が特定されることで、治療法が確立されやすくなります。あと十年ぐらいしたら、病気の進行を止めてしまうような薬もできるのかも。
posted by さじ at 01:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年05月21日

病院は既に虐待の可能性を示唆していた。児童相談所へ通報しよう。

カルテに虐待疑い、病院は通告せず 大阪乳児不審死

 大阪市住之江区で生後3カ月で変死した阿部颯ちゃんにけがを負わせたとして両親が逮捕された事件で、颯ちゃんを診察した大阪市立住吉市民病院(住之江区)の医師が昨年11月末、カルテに「虐待」の可能性を示唆する記載をしていたことが、市への取材でわかった。同病院は市こども相談センター(児相)に通告していなかった。

 颯ちゃんは両足骨折で昨年11月30日に入院し、同12月10日に退院。翌日、呼吸停止状態で救急搬送され、約1カ月後に亡くなった。

 入院当日の昨年11月30日の診察で、医師はカルテにけがの原因として「先天的な骨の形成不全」「ホルモンの病気」に加え「虐待」と記入。原因などを調べるために颯ちゃんを入院させた。父親のA容疑者(21)=傷害容疑で逮捕=と母親のT容疑者(34)=同=は骨折の原因を「飲み会で知人の子どもに足を踏まれた」などと説明したという。

 入院中の12月6日、同じ医師がT容疑者に「児童相談所に相談したらどうか」と提案したところ、T容疑者は「市の助産師さんらに見てもらっているので十分。児相に行くと虐待と思われ困る。夫と相談したい」と答えたという。

 同容疑者は同9日に来院し、「夫と話し合い、児相には相談しないことに決めた」と説明。同病院は10日にそのまま退院させた。

 同病院は「(T容疑者は)出産時も担当し、医師とも顔見知りだった。子育てに熱心で、骨折の他に目立った外傷がなかったことから児相に通告しなかった」と説明。大阪市病院局は「今となっては客観的なけがに基づいて判断して、もっと早く児相などに相談すべきだった」としている。



 虐待疑ったら、もう結構な勢いで児童相談所に伝えちゃっても良かったと思いますね。

 一番早くに発見できるのが医療従事者ですので・・・。
posted by さじ at 15:59 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2011年05月18日

カンガルーケアで植物状態になったとして国立病院を提訴。

「カンガルーケアで植物状態に」両親ら国立病院を提訴

 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(福岡市)で2009年11月に生まれた次女(1)が植物状態になったのは、出産直後、助産師らが観察を怠ったのが原因として、福岡県糸島市の両親らが13日、同センターを相手に約2億3千万円の損害賠償を求める訴えを福岡地裁に起こした。両親らは出産直後から赤ちゃんを母親に抱かせる「カンガルーケア」が、機械を用いたモニタリングなどの観察もないまま、不適切に行われたと主張している。

 訴状などによると、次女は、帝王切開で生まれた後の6〜12時間に2度、計2時間20分、母親の胸の上などに置かれた。しかし、母親は当時、鎮痛剤などで意識がもうろうとしており、経過観察もされないまま。この間、次女は母乳も飲まずにだんだん呼吸が弱まり、母親がナースコールをして助産師が駆けつけたときには次女は青白くなっていたという。新生児集中治療室(NICU)に運ばれたが呼吸が止まり、意識が戻らなくなったという。

 カンガルーケアは、母子関係を深めるのに効果があるとして広まる一方、ケア中に新生児の呼吸が止まるなどの事例が一部で報告され、専門医らが09年9月、▽家族に対する十分な事前説明▽機械を用いたモニタリングなどのガイドラインをつくった。

 両親らによると、次女の出産後、病院側は「(次女は)乳幼児突然死症候群という病気で、不可抗力だった」と説明。カンガルーケアだったとの説明は、事前にも事後にもなく、別の病院でアドバイスを求めたところ、今回の処置はカンガルーケアに該当すると言われたという。

■病院側「カンガルーケア実施せず」

 病院側は取材に「当院ではカンガルーケアを実施しているが、当該患者にはカンガルーケアを実施していない。提訴の有無は確認出来ていないが、当該事案は、何度も交渉し、こちらの過失はないと繰り返し述べている」とコメントした。



 こじれそうな案件。。。

 カンガルーケアを実施していないのならば、何故生まれた赤ん坊を2時間近く母の胸に抱かれていたのか?

 カンガルーケアそのものは、本当にいいものだと思います。やってはならないような不可抗力さえなければ私自身も行いたいぐらいです。最近では帝王切開などの手術による出産であっても、可能な範囲でやっているところもあるようですね。もちろん万全の体制を整えることや、家族に十分な説明をすることなどが必須ですが。

医学処:出産直後のカンガルーケアで新生児16例が呼吸停止に
posted by さじ at 08:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年05月09日

アメリカのノーベル平和賞受賞団体が日本の放射能学校基準を批判

学校基準は「安全でない」 ノーベル賞の米医師団

 福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。

 PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。

 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。



 確かに、放射能に安全なんてない、のかもしれん。特に子供ならば。

 目安を設定したことに納得いかなかったのでしょうなぁ。
posted by さじ at 03:14 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2011年05月01日

妊婦の殺虫剤暴露量と子供の知能指数の低さは相関している。

妊娠時の殺虫剤暴露量と子どものIQに関連性、米研究

 妊婦の殺虫剤暴露量の多さと生まれてくる子どもの知能指数(IQ)の低さの関連性を示した3本の論文が、21日の米医学誌「Environmental Health Perspectives」に掲載された。

 3本の研究はいずれも、果物や野菜の栽培で一般的に使用される有機リン系殺虫剤に的を絞り、妊婦の暴露量とその子ども約1000人のIQを最大9歳まで、ほぼ10年にわたり追跡調査した。

 まず、米カリフォルニア(California)州北部の農場地帯サリナス(Salinas)で392人の子どもを対象に行われた調査では、妊婦から検出された有機リン系殺虫剤の量が10倍増えるごとに、7歳児のIQが5.5ずつ下がっていた。この結果は、教育、世帯収入、その他の環境汚染物質の暴露量などを加味した場合も変わらなかった。

 次に、ニューヨーク(New York)のマウントシナイ病院(Mount Sinai Hospital)が妊婦400人とその子どもを対象に1998年から行った調査では、有機リン系殺虫剤への暴露が、6〜9歳時の知覚・思考能力と非言語的な問題解決能力にマイナスの影響を与えることが分かった。

 なお、妊婦の約3人に1人が有機リン系殺虫剤の代謝を鈍らせる遺伝子変異を持っており、マイナスの影響が認められたのはこうした母親の子どもに限られていた。

 最後に、ニューヨークのコロンビア大(Columbia University)は特に、ゴキブリやシロアリの駆除に広く使われていたクロルピリホスに着目し、子ども265人で調査を行った。なお家庭用のクロルピリホスは米国では2001年に使用が禁止されているため、それ以前に生まれた子どもを対象にした。

 その結果、妊婦の暴露量が多いほど、その子どものIQおよび記憶力が低かった。暴露量が上位25%内に入っている妊婦の子どもでは、それ以下の妊婦の子どもよりも作業記憶が5.5%、IQが2.7ポイントそれぞれ低かった。

 カリフォルニアでの研究を主導したマーリス・ブシャール(Maryse Bouchard)氏は、「3つの調査は別々に実施されたものではあるが、似たような結果が出たことは(有機リン系殺虫剤の使用に関して)いっそうの注意を喚起することになる」と話している。



 へぇ。なんでですかね。まあ微量な物質でも子供に影響するということでしょうか。あんまり関係なさそうですけどね、IQならば(基本的にIQを神聖視するのは医学的・社会的にどうかと思う)
posted by さじ at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年04月26日

三つ子の出産割合、6倍に。体外受精の影響か。

多胎児の出生割合

 三つ子の国内での出生比率は約40年前の約6倍、双子は約2倍とそれぞれ大幅に高まっていることが、南山大学の尾崎俊治教授(信頼性工学)らの研究でわかった。体外受精や排卵誘発剤など生殖補助医療による妊娠が増えたためと考えられるという。

 尾崎教授によると、1968年では出生数全体に対する双子の割合は1.09%、三つ子は0.0106%。ところが2005年になると、双子が2.21%と約2倍、三つ子は0.061%で約6倍に増えていた。

 双子などの出生比率については、19世紀の欧州の統計を元に計算した「ヘリンの法則」があり、それによると、双子の割合は89分の1(1.12%)、三つ子の割合はそのさらに89分の1(0.0126%)。1968年はほぼこの通りだった。

 体外受精では複数の受精卵を子宮に移植することがある。排卵誘発剤を使うと複数の排卵が起きやすく、いずれも双子や三つ子などの多胎児になりやすい。

 国内では83年に初めて体外受精に成功。それ以降、体外受精による出生数は1998年に9224人(129人に1人)、06年には1万9578人(55人に1人)と増えている。多胎妊娠は早産などのリスクが増すため、日本産科婦人科学会は2008年、子宮に戻す受精卵を原則一つとする指針を決めた。

 尾崎教授は「多胎児出生率はここ数年わずかに減少しているが、今後も不妊治療を受ける患者が増え続けることから、多胎児の出生率の高さはしばらく続くだろう」とみている。



 なるほど。不妊治療は画期的に進歩してますし、子供を持ちたいと願う夫婦にとっては画期的なことなんでしょう。

 もちろんリスクをふまえた上で考えなければなりませんね。三つ子になると母体への負担もかかりますし、何より早産になりやすい。難しいところです。それでも新生児医療の発達とともに、救える割合も増えてますから、ありだとは思いますけれどね。
posted by さじ at 01:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2011年04月18日

赤ちゃんの腎臓に硬度の高いミネラルウォーターは負担が大きい。

「赤ちゃんに硬水は負担」学会が見解「水道水使用を」

 日本小児科学会など3学会は共同で「硬水は多くのミネラルが含まれ、乳児に過剰な負担を与える可能性がある」として、硬水を使うより水道水の方が安全との見解を出している。

 市販のミネラル水で粉ミルクを溶く際、硬水だとミネラル分が多く十分に溶けない場合がある。血液成分の調整力が弱い赤ちゃんがミネラル分を多く取り込むと、腎臓に負担がかかる。明治乳業はカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が少ない水を使うよう勧め、選ぶ基準として「pH値が6〜8で、1リットルあたりのマグネシウム30ミリグラム以下、ナトリウム42ミリグラム以下、カルシウム285ミリグラム以下、カリウム367ミリグラム以下」という値を示している。ミネラルの表記がない場合は硬度120以下を目安に、できれば60以下を選んでほしいという。

 水道水の放射性物質が基準以下の時にくみ置く方法もある。東京都水道局は、清潔でふたのできる容器に口元いっぱいまで水を入れるよう呼びかけている。直射日光を避ければ、消毒用塩素の効果は3日程度続くという



 赤ちゃんのことで放射能に敏感になるのは分からんでもないですが、硬水は避けるようにして下さい。

 というか私ですら硬水はちょっと厳しいです。あまりおいしくないし腸がどうもよろしくない。ミネラルはとればいいってもんじゃなく、特に腎臓に影響でますんで、少なくとも赤ちゃんに対してはあまりあげないようにして下さい。
posted by さじ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

2010年12月25日

子供の短足化が進んでいるらしい。身長も頭打ち。

子供たち「短足化」進む ぜんそく過去最悪、視力も悪化

 文部科学省は9日、児童生徒の健康や発育状態を調べた平成22年度学校保健統計調査の速報値を公表した。ぜんそくを患う児童・生徒の割合が幼稚園、小学校、高校で過去最悪となったほか、視力の悪化も進んだ。戦後、全体的に伸び続けていた子供の平均身長が頭打ちとなる一方、男女ともに「短足化」が進んでいる実態も明らかになった。

 調査は昭和23年度から行われ、今回は4〜6月、5〜17歳の幼稚園児と小中高生合わせて約335万人の健康などを調べた。

 ぜんそくを患っている割合は幼稚園で前年度に比べ0・6ポイント増の2・75%、小学校で0・2ポイント増の4・19%、高校で0・2ポイント増の2・08%といずれも過去最悪。中学校も前年度より増加し3・02%だった。文科省は「ハウスダストなどが原因ではないか」と分析している。

 視力の悪化も顕著で、裸眼視力1・0未満の小学生の割合が29・91%、中学生が52・73%でいずれも過去最悪。0・3未満の割合は、幼稚園児と小学生で過去最悪となり、それぞれ0・79%、7・55%だった。文科省は「テレビやゲームなど近くでものを見る機会が増えている」とした。

 虫歯では改善がみられ、12歳の永久歯の虫歯は1人当たり1・29本で、過去最少を更新した。

 男子の平均身長は、調査開始以来初めて5〜17歳の全年齢で前年度より伸びていなかった。女子でも13歳と17歳が0・1センチ伸びたのを除くと、すべての年齢で横ばいか減少した。子供の身長は戦後伸び続けていたが、ここ10年はほぼ横ばいで、文科省は「食生活などの環境も安定し、日本人の平均身長は頭打ちになりつつある」と推測した。

 発育がほぼ止まる17歳の平均身長は男子が170・7センチ、女子が158・0センチ。30年前と比べ男女とも1・0センチ伸びているが、ピーク時の値を下回った。

 一方、高校生の「足の長さ」を調べたところ、親の世代より短いことも分かった。スタイルがいいといわれてきた最近の高校生だけに、文科省は「意外な結果」と驚いている。

 高校生男子の平均身長から座高を引いた「足の長さの割合」は15歳と16歳で46・3%、17歳で46・2%。30年前の昭和55年度と比べ15歳で0・3ポイント、16、17歳で0・4ポイント減少していた。女子の15〜17歳も0・1〜0・2ポイント減っていた。



 何でなんだろう。

 姿勢が悪くなった?

 幼い頃につけるべき筋肉がシフトしてきたから?

 足が長くなるメカニズムって、わからんなぁ。膝の成長骨をうまく刺激し続けるような運動ならいいんだろうけども。
posted by さじ at 02:09 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2010年08月22日

赤ちゃん言葉を発する母親は脳が活性化されている。

赤ちゃん言葉、母の脳活発に=産後うつの診断に応用も−理研

 「あんよ」や「ねんね」など、大人が赤ちゃんに話し掛ける際の高い声でゆっくりとしたリズムの話し方(マザリーズ)が、話す大人の脳内の言語をつかさどる部位を活発化させることを、理化学研究所の研究チームが突き止めた。近く米科学誌ニューロ・イメージのオンライン版に掲載される。

 赤ちゃんに対する話し方は、ほぼすべての言語圏や文化圏で共通しているといい、脳機能とのつながりを解明したのは初めてという。

 研究チームは、大人の被験者を育児経験の有無や性別などで各20人程度の6グループに分類。マザリーズを聞いた際の脳の活動を機能的磁気共鳴画像診断装置(fMRI)で調べた。

 その結果、まだ言葉を話せない赤ちゃんを持つ母親の脳内の言語部位が最も活発に反応する一方、父親では脳内の活動は見られなかった

 次に高い反応を示したのは、「ママ、だっこ」などの2語文を話す幼児を持つ母親だった。マザリーズを使わない小学生の子どもを持つ母親では、反応は見られなかった。

 研究チームは「産後うつの母親は平たんな口調になることが分かっている。マザリーズの脳機能が解明されたことで、産後うつの母親の診断などに応用できるのでは」としている



 赤ちゃん言葉を喋るときの母親というのは、愛情に満ち溢れたような話し方になりますからね。

 それが脳内分泌物質に関わってくるのでしょう。とてもリラックスしているかのような。

赤ちゃん言葉のデータベースづくりを開始する。
posted by さじ at 03:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

2010年08月05日

こどものホスピスプロジェクト発足。課題は資金難か

子どもホスピス、大阪府内設立へ医師ら団体29日発足式

 難病の子と、その家族らを支える子ども専門のホスピス設立に向け、大阪の小児科医らが29日、任意団体「こどものホスピスプロジェクト」を発足させる。子どものホスピスは国内にはまだなく、資金や人材の確保とともに、知名度の低さが課題となるが、医師らは「当面は看護師らによる訪問ケアなど出来ることをしながら、日本の実情にあったホスピスを実現したい」としている。

 子どもホスピスは難病や重い障害の子が家庭的な雰囲気の中で、専門的な治療や緩和ケアを受けられる施設。1982年に英国で誕生以来、ドイツやカナダなど欧米を中心に広がっている。親子で滞在するのも、子どもだけ預かるのも可能で、看病疲れの親の心身の回復や、子を亡くした後の遺族ケア機能なども持っている

 日本では奈良市や神奈川県、福岡県などで設立に向けた動きが出ているほか、大阪では、英国で小児緩和ケアを学んだ大阪市立総合医療センター(都島区)の多田羅竜平・緩和医療科兼小児内科医長(40)らが中心となって準備してきた。

 大きな課題は、資金面の確保だ。建設費はもちろん、英国では1施設あたり、年間数億円かかるとされる運営費は主に地域住民の寄付などで賄われることが多く、多田羅医師は「寄付文化の定着していない日本では、まず施設への理解を深めてもらうことが大切」と指摘。

 団体の発足を機に、勉強会を重ねながら、今年秋頃から、看護師らが難病の子らを訪問して一緒に過ごし、家族に休息をとってもらう活動や、英国で「プレイワーカー」と呼ばれる医療現場での遊びの専門家養成などを計画している。

 また寄付金を受けやすいよう、任意団体を社団法人にすることも検討中という。

 発足式は29日午後7時から、同医療センターのさくらホールで。入場無料。



 資金か・・・。

 ペットボトルのフタを集めたりするボランティアやら、エコ商法にノってしまったり、数年前にはホワイトバンド詐欺などが大ブームを起こしている日本人ですが、

 実際に「寄付」という形でお金が絡むと、全くもって受け入れられないんですよね

 これ不思議です。ペットボトルのフタを集めてワクチンがどうのとやる無駄な労力とフタの郵送費があるならば、直接寄付すればいいのに、そういうことは文化として根付かない。フタを集めるだけで「良いことをした気になれる」んでしょう。不景気だ何だといいながらも世界的にみて最も恵まれている国の1つだからこそできる行為です。

 ホスピスという施設が日本になかなか根付きにくいのもこういった面でしょうね。善意の寄付というものがなかなか得られにくい。それでも最良の医療を安価で受けようとする、というのは虫の良い話ではあるまいか。

 この子どものためのホスピスプロジェクト、果たしてどうなるのでしょうか。資金的に運営するに足りて波に乗ることが出来れば、日本の医療にとって大きな一歩でありますし、日本人としても一歩進んだメンタリティが得られることでしょう。
posted by さじ at 00:28 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

子どもが虐待を受けたかどうかを医学的に判断する

虐待か?判定支援チーム結成へ 臓器提供巡り小児科医ら

 小児科医や小児救急医らでつくる日本子ども虐待医学研究会(会長・小池通夫和歌山医大名誉教授)は、子どもが虐待を受けたかどうか医学的に判断する医師を、専門知識を生かして支援するチームを作ることを決めた

 7月に本格施行された改正臓器移植法で15歳未満の子からの臓器提供が可能になった一方、同法は虐待を受けた子からの提供がないよう求めている。脳死判定などが行われる提供病院が虐待の疑いを見極めないといけないが、慣れていない医師には、子どもの傷や画像診断から判断するのが難しい場合がある。

 そこで研究会は日本小児科学会に連携を呼びかけ、提供病院の支援チームを目指すことにした。虐待を受けた子を多く診てきた小児救急医、脳出血の画像診断に詳しい脳外科医、体を激しく揺さぶられた子に特徴的な眼底出血に詳しい眼科医、虐待された子の骨のけがに詳しい整形外科医のほか、放射線科医や歯科医、虐待の疑いがある親との対話にたけた医師らが参加する。

 コンピューター断層撮影(CT)の画像などの提供を受けて助言したり、主治医から家族の説明を聞いて状況分析を手助けしたりする。

 研究会は、院内の虐待防止委員会のあり方や児童相談所、警察との連携についての指針、虐待判断のための手引書も作る。



 こういった場合にも、法医学のジャンルは有用です。

 法医学者は死体を見るだけでなく、臨床の場において、虐待や傷などをみるプロフェッショナルです。

 うまく病院間で連携をとれば不可能ではないと思うのですがね。まだ現実的には難しいのか。虐待を発見する一番身近な存在として「医師」がいますので、虐待による傷に関しては知識としても覚えておきたいところ。
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2010年08月02日

日本の1〜4歳児死亡率は何故先進国の中でも高いのか

先進国で飛び抜けて高い日本の「1〜4歳児死亡率」

平均寿命が世界でトップ、新生児の死亡率も極めて低い日本。ところが、その間の1〜4歳児の死亡率は先進国のなかで飛びぬけて高いことが最近の調査で分かった。

浮かび上がったこのちぐはぐさの原因は、重篤に陥った小児の診断をした経験に乏しく、適切な処置が行えない医師たちが多いこと。加えて、重篤な小児を集中的に治療する医療体制の不備。そして、何よりも「社会がその不備に気付かないまま、埋もれてしまった」(小児科医)ことだという。

長い不況のなかで親による子供の虐待が頻発している。子供を大切に育てる考えが社会全体で希薄になっているのだろうか。

はいはいからようやく立って歩けるようになる1〜4歳児は、ただでさえ危険な年ごろだ。交通事故や転落事故、病気になると基礎体力が弱く症状が急変しやすく、言葉での表現ができない子供の診断や治療は大人より難しいからだ。

WHO(世界保健機関)のデータによると、1〜4歳児の死亡率で日本は先進国の平均を大幅に上回る状態が過去20年間続いているという。その背景には何があるのか。

番組が取材した医師たちがあげたのは、重篤の子供を見るケースがほとんどないため、経験を積んで診療技術を磨く機会が少なく、助かる可能性がある命が失われている実態だった。

実例として取り上げたのは、子供の命を救えなかった救急現場で働く30代の医師。夜間当直中、3歳児が「息ができず苦しんでいる」と運ばれてきた。大人の急患ばかりを診てきた医師は、幼い子供を前に動揺し、不安を抱えながらぜんそくと診断して治療した。ところが病状は回復せず、結局亡くなった。

後でわかったことは、気管がつぶれて呼吸しにくくなる気管軟化症という病気で、医師の診断ミスだった。しかし、短兵急に医師を責めるのは酷というものだ。幼い子供を頻繁に診ている小児専門医でなければ、診断するのが難しい病気なのだという。

こうした診断ミスの多さを裏付けるデータがある。藤村正哲医師(大阪府立母子保健総合医療センター)が、1〜4歳児の高死亡率の原因を調べるため、子供たちの死亡場所を記録した国の資料を分析したデータだ。

それによると、05年〜06年の2年間、病院でなくなった1〜4歳児は1880人で、全国各地の病院に分散している。これらの病院の67%が、2年間でたった1〜2例しか1〜4歳児を扱ったことがない事実が浮き彫りになった

さらにもう一つの課題として指摘されたのは、1〜4歳児を専門に診る小児ICU、集中治療室の整備の遅れ。現在稼働しているのは全国で10病院以下で、関東では東京にあるだけという。



 まぁ新生児の死亡が圧倒的に低いのも、実は裏があって、「両親の感情などに配慮して、統計的に新生児の死亡として届け出ない」から低いみたいですけどね。

 確かに小児集中治療的な施設が不足しているのは事実。そこらへん難しいですね。社会が医療に対しておいついていないために起こった弊害か。
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2010年08月01日

ダウン症の退行現象にアルツハイマー治療薬アリセプトが効く

ダウン症患者にも効果との研究成果 アルツハイマー型認知症の治療薬

 先天性の染色体異常疾患「ダウン症候群」(ダウン症)の患者にみられる急激な日常生活能力の低下(退行現象)などの治療に、アルツハイマー型認知症の治療薬「塩酸ドネペジル(アリセプト)」が効果がある、との研究成果を長崎大学病院小児科の森内浩幸教授や諫早市の重症心身障害児(者)施設「みさかえの園むつみの家」の近藤達郎診療部長らの研究グループがまとめた。今年に入り8年間の研究内容を日本小児科学会の雑誌で発表した。

 退行現象は、これまでできた日常活動が短期間にできなくなる症状。患者の約10人に1人の割合で起き、20歳前後に多くみられる。具体的には▽動作の緩慢▽表情の乏しさ▽会話の減少▽睡眠障害−が挙げられる。改善は容易でなく、家族に精神的苦痛を強いてきた。また患者は加齢につれアルツハイマーにみられる症状が増え、60歳以上の75%に上るという報告もある。出生率の増加、平均寿命の伸びが顕著な中で対策が求められていた。

 塩酸ドネペジルは、神経伝達物質「アセチルコリン」を分解する酵素「アセチルコリンエステラーゼ」の働きを阻害する作用を持ち、アルツハイマーの進行を抑える薬剤。国内では1999年に認可された。現在はアルツハイマー型認知症にしか医療保険適用が認められていない。

 近藤部長らは2001年7月に薬の存在を知り検討を始めた。1999年には英国の医学雑誌でダウン症患者のQOL(生活の質)を向上させた事例が報告されたことも判明。長崎大学病院倫理審査委員会の承認を経て、02年6月からこれまでに長崎、佐賀両県の患者約60人(使用開始年齢13〜58歳)に投与してきた。

 その結果、服用後1〜数カ月で▽起床や食事といった生活パターンの確立など日常生活の改善▽精神的安定の維持▽表現力や語彙数など言語機能の向上▽排尿機能の改善−といった効果があった。ただダウン症患者は解毒機能が低く薬剤の血中濃度が高くなりやすいため、過度に投与すると下痢や尿失禁、パニック症状などの副作用があることも分かった

 森内教授と近藤部長は「患者の合併症の治療は進んだが、生活能力そのものを向上させる医療的手段はなかった。適正な用法、用量を守ればこの薬物療法は画期的だ。ダウン症患者への保険適用化を目指したい」としている。



 なるほど、薬の血中濃度が高くなってしまう点が難点か。でも効果があるのなら、慎重に投与してうまくコントロールしたいところですね。ダウン症の症状を安定させることができれば、日常生活でのご家族の負担も軽減されるでしょうし。今後のアリセプトの使い方に関するガイドラインづくりに期待。

ダウン症候群(ダウン症)

 体細胞の21番染色体が1本余分に存在し、計3本持つことで発症する先天性の疾患群。英国人医師、ダウンが1866年に初めて報告した。さまざまな程度の精神運動発達の遅れのほか、先天性心疾患や白血病などの合併症を引き起こす可能性がある。高齢出産の増加や医療技術の進歩などに伴い、国内で出生する割合は1975年の932人に1人から、2005年は583人に1人に増加。11年は340人に1人にまで増えるとも言われている。西オーストラリアの研究では2000年度の患者の平均寿命は58.6歳だった。日本の患者の平均寿命は60歳程度と推測されている。
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2010年07月11日

スイミングスクールに通う子供は風邪を引きにくい。

【フラッシュナビ】スイミングは風邪予防の効果あり

 セントラルスポーツ研究所が、スイミングスクールに子供を通わせる保護者(有効回答698人)を対象に「子供の体力としつけに関するアンケート調査」を実施したところ、73・5%の親が「風邪をひかなくなった」と実感していることが分かった。

 これをスクールの在籍年数でみると、1年未満では61・8%だったのに対し、3年以上在籍の場合は94・2%と大幅増。スイミングの継続が風邪の予防につながっていた。また、61・7%の親が「体調が悪くなることが少なくなった」と実感していた。

 スイミングスクールは、しつけの面でも効果が期待でき、「何事にも我慢強くなった」と回答した親は55・7%、「挨拶ができるようになった」は53%だった。

 そのほか、コミュニケーション面でも成長がうかがえ、「友達が増えた」は72・1%、「親子の会話が増えた」は62・3%だった。いずれの回答も長くスイミングを続けていることでポイントが上昇していた。



 しつけ、礼儀の面でいえばダントツに優れているのは「剣道」を習わせることだと思いますが、スイミングスクールは健康面では抜群に効果があります。

 実は私も幼少の頃は病弱、小児喘息持ちで、最低週1回は病院に行くぐらいの虚弱体質でした。

 ところが水泳を始めてから、肺活量も増えたんでしょうかね、喘息も治り、病院に行くこともほとんどなくなりました。以来風邪もあまり引かない身体に。水という負担の少ない環境で、泳ぎを覚えることは何かと有用です。子供にやらせたい習い事ベスト3のうちの1つです。

 大事なのは、親が泳ぐことに対して強要しないことですね。習い事全てにいえますけど、中でも楽しく泳げばいい水泳に関して記録がどうとか強要してはいけません。子供のやる気を削ぎますので。
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2010年03月25日

目と耳の錯覚、視聴覚タウ効果は八ヶ月の赤ちゃんでも見られる

8カ月の赤ちゃんも目と耳からの情報融合

 音を同時に聞かせることで見えるものがずれる。大人では実証されているこうした錯覚が8カ月の赤ちゃんで既に見られることを九州大学などの研究チームが実験で確かめた。

 8カ月というのは乳児が動き回れる時期に当たる。このためこの時期から赤ちゃんも「見る」と「聞く」を合わせて感じることができるようになる、と研究チームは見ている。

 河邉隆寛・九州大学高等研究院特別准教授を中心とした九州大学、中央大学、新潟大学、農業・食品産業技術総合研究機構、日本女子大学、科学技術振興機構の研究グループは、生後5-8カ月の赤ちゃんに簡単な図形の動きを見せて、同時に音も聞かせる実験を行った。大人では、ある図形が同じ速さで移動しているにもかかわらず、音の間隔をずらすことで図形の移動の仕方も音のリズム同様ずれているように見えることが、既に河邉准教授らによって確認されている。

 今回の研究成果は、この錯覚現象「視聴覚タウ効果」が8歳の赤ちゃんに既に見られることを確かめたもので、今後はこうした能力を持つことを前提に赤ちゃんのおもちゃや生活用具のデザインを考えていくことが可能だ、と研究チームは言っている。



 脳がまだ未発達な赤ちゃんでも八ヶ月なら錯覚が起こることを証明。大人同様の視覚・聴覚形成がされはじめている証拠、ということでしょうか。
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2010年03月09日

成育医療を担う病院は一般病院の1.9倍の医師が必要

「成育医療」の医師数、一般病院の1.9倍必要―日医総研

 日本医師会総合政策研究機構はこのほど、胎児期から成人時代までの健康を包括的に取り扱う「成育医療」を担う小児総合医療施設では、一般病院の約1.9倍の医師数が必要で、「現在の医療の水準を保持するためには、国や自治体の財政支援が不可欠である」とするワーキングペーパー(WP)を公表した。

 WPでは、小児用に設計された病室やMRI、CTなどの検査設備、講堂や教室などの教育用スペースなどを備えている小児総合医療施設のうち、児童福祉施設の病床が全体の30%未満で、小児病床率が70%を超えているか、小児病床が250床以上の独立した病院(1型病院)18施設の経常損益などを分析し、1型病院以外の自治体病院などと比較した。

 18施設の2006年度の経常損益を平均すると18.5億円の損失で、赤字だったのは16施設。医業収益に対する給与費、材料費、経費、減価償却費の割合は、給与費が71.5%で最も高く、次いで材料費27.3%、経費22.0%、減価償却費11.3%と続いた。一方、自治体病院では給与費56.0%、材料費27.4%、経費22.8%、減価償却費8.1%の順で、1型病院と比べると給与費に15.5ポイントの差があった。WPでは「成育医療の不採算を語る上で、給与費の影響が最も高い」と分析している。

 一方、厚生労働省の06年度医療施設(動態)調査・病院報告によると、一般病院7870施設の100床当たりの平均常勤医師数は12.6人、平均常勤看護師数は50.9人。これに対し、1型病院の100床当たりの平均常勤医師数は約1.9倍に当たる24.0人、平均常勤看護師数は約2.2倍に当たる114.1人だった。

 さらにWPでは、1型病院1か月当たりの看護師の平均夜勤回数や医師の宿・当直回数が、労働基準法や人事院勧告で定める基準を超えていることから、人員が過剰に配置されているわけではないと指摘。その上で、低出生体重児が増加し、患者数が増えていくことが予想されていることから、「医療の質の向上・安全面を考えると医師・看護師数を減らすことは難しい」としている。



 低出生体重児などの、新生児医療に関しては、日本が世界トップであるといっても過言ではありません。

 しかし1人の患者に対してかかる医療従事者の負担は大人のそれよりも大きい。

 予算が不足していることもそうですが、そもそもそれを使っても人員が足りない、というのが大きな問題でしょうか。
posted by さじ at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児