[脳神]の記事一覧

2009年03月10日

iPS細胞で筋ジストロフィーを改善することに成功する。

iPSで筋ジス改善…京大

 全身の筋肉が徐々に弱くなる筋ジストロフィーのマウスに、新型万能細胞(iPS細胞)から作った筋肉細胞を移植して機能を改善することに、中畑龍俊・京都大教授らのグループが成功した。6日、東京で開かれた日本再生医療学会で発表した。

 根本的な治療法がない筋ジストロフィーの発症を抑えることができる可能性があるという。

 デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の構造を維持するたんぱく質ジストロフィンが作られず、10歳ごろから歩行が困難になる。中畑教授らは、マウスのiPS細胞から筋肉を補強する細胞を作り、ジストロフィン遺伝子が欠損したマウスに移植した。

 この細胞は筋肉に接着してジストロフィンを分泌し始め、筋肉組織を6か月以上、安定した状態に保ち続けた。

 筋ジストロフィーの患者からiPS細胞を作製することにも成功しており、中畑教授は「iPS細胞でジストロフィン遺伝子を補い、早い時期に移植できれば、発症を数十年遅らせることができる」と話している。



 筋肉がヤラれていく筋ジストロフィーですが、iPS細胞を移植することでその筋肉細胞は見事に変性を阻止することができるらしいです。

 筋ジストロフィーの治療法がないだけに、これは大きな発展です。今まで神経内科のジャンルは、治療法がないというのが大きなネックだったのですが、iPS細胞で根本的に補ってやることで改善することができることが証明されました。

 しかし臨床応用にはまだ時間がかかりそうです。できるだけ早く治療に使えるといいんですけども。

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2009年02月21日

ネットで見た最新レーザー手術をすぐに導入して命を救う。

CNNが伝えた機器でレーザー手術、青年の命救う

 米ノースカロライナ州でこのほど、最新式のレーザーメスを使った脳腫瘍の手術が成功し、1人の青年の命が救われた。担当医は3日前にこの機器をCNNのニュースサイトで知り、急きょ取り寄せたという。

 患者はブランドンさん(19)。昨年12月に激しい頭痛と意識の混濁を起こし、同州ウェークフォレスト大の救急センターへ運ばれた。検査の結果、脳の中央部に非常に大きな腫瘍があることが判明。担当の神経外科医、トーマス・エリス博士は2日後、6時間にわたる手術を行ったが、除去できたのは腫瘍の約2割にすぎなかった。

 「腫瘍の組織は非常に硬く、切除しようとしても5分でメスの刃が鈍くなってしまうほど。メスを何本も取り替えたが、完全に取り除くことは不可能だった。15年の手術経験で最も手ごわい腫瘍だった」と、エリス博士は振り返る。

 残された道は放射線治療と思われたが、これほど大きな腫瘍ではそれも難しい。落胆のうちに帰宅したエリス博士がいつものようにCNNのサイトを開くと、医療ページの見出しが目に飛び込んできた。軍事用の技術を活用して、精度の高い二酸化炭素レーザーメスが実用化されたというニュースだった。

 マサチューセッツ州ボストンのオムニガイド社が昨年9月に発売した「ビームパス NEURO」は、正確な操作が可能なペン型の機器。脳や神経などでこれまで手術が困難だった位置でも、周囲の組織を傷つけずにレーザーをあてることができ、実際に成功例も報告されているという。

 エリス博士はその夜のうちに、記事で紹介されていた神経外科医に連絡。この医師からオムニガイドを紹介され、事情を話した。「72時間後には、ビームパスが送られてきた。同社から派遣された医師の説明で、使い方はすぐに分かった」と、同博士は語る。

 レーザーメスによる再手術は翌日に行われた。4時間後には、残っていた8割の腫瘍がすべて取り除かれ、ブランドンさんはその日のうちに食事ができるまでに回復した。再発の可能性には注意する必要があるが、術後の経過も順調だという。

 「新たな機器の登場で、脳神経外科の手術現場は今後大きく変化するかもしれない。いずれにしても、こうやって困難を乗り越え患者を救うことが、われわれ神経外科医の生きがいだ」と、エリス博士は話している。



 さすがアメリカって感じのスピードですね。日本じゃ無理なんだろうなぁ、こういうのは。

 まぁ病院ごとに得意不得意があるのは日本も同じですけどね。大学病院Aから大学病院Bに患者さんを紹介することなどザラです。基本の医学は全国共通ですが、やっぱり最先端にいけば、バラつきがあるのはしょうがないことです。

 日本ではこういうリベラルさはあまりよく思われないかもしれませんねぇ。このアレも、すぐに送られたからといって実際に患者さんに使うとなると普通は躊躇してしまうものだと思います。日本人の死生観には合わんかもしれません。

 でも命が助かるんだったら、、、
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2009年01月30日

芸術家の独創の源を解明する、東京芸大×理化研プロジェクト

芸術家の頭の中は?独創の源を解明へ、理研と芸大が連携

 一流の芸術はどのようにして生まれるのか?東京芸術大学(宮田亮平学長)と理化学研究所(野依良治理事長)は、第一線で活躍する芸術家の脳の活動を詳しく調べる共同研究に乗り出す。芸術と脳科学という全く違う分野の専門機関が連携して研究するのは珍しく、教育手法などへの応用が期待されている。

 テーマは「独創的なアイデアがひらめく瞬間に脳はどんな活動をするか」「進化の過程で芸術や音楽は、どのようにして生まれたのか」「作品を鑑賞する脳の活動は、専門家と一般の人でどこが違うか」など。

 年度内の協力協定締結へ向けて最終調整中で、東京芸大の研究者有志が作る研究会「芸術する脳を考える会」(代表=米林雄一教授)を中心に、理研の脳科学総合研究センターと多角的に研究を進める。

 脳波のほか、磁場をかけて脳を外部から透かし見る磁気共鳴画像(MRI)やコンピューター断層撮影法(CT)、光トポグラフィーを使い、脳が実際に活動する様子を観察。今まで定義することが難しかった「美」や「いやし」「感動」といった人間の感性に及ぼす芸術の効果も探る。成果は将来の創作活動や教育に生かしたい考えで、脳科学に裏付けされた新たな表現方法や芸術の創出を目指す。



 いくら受験勉強をしても才能のない人は入れないといわれる東大以上の超難関大学「東京芸術大学」と、医学研究のトップ、理化研のコラボレーション。

 まあ絵をみてもピンときたことのない上に、自身で絵をかくと幼稚園児以下という私が言うのも何ですけど、芸術ってのはもう才能の領域だと思うんですよね。ある程度までは訓練で何とかなっても、偉大な芸術家というのはもう才能の領域。脳が違うんだと思います。

 そういう人が学業で芳しくなくても、社会で保護して一流の芸術家に育てることも、今後必要なことだと思いますね。同様に、受験勉強なんてふるわなくても、いい臨床医になる能力やモチベーションをもってる人が埋もれてしまうのは非常に残念ですな。なんとかして拾い上げるシステムを作ってほしいものです。

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2009年01月27日

パーキンソン病や男性不妊症に関係する蛋白質「セプチン」

世界初、たんぱく質「セプチン」の機能を名大助教らが解明

 生物の細胞質分裂や精子の形成などにかかわるとされるたんぱく質「セプチン」に様々な細胞の形を制御する機能があることを、名古屋大学の滝口金吾助教らのグループが世界で初めて突きとめ、米科学誌「カレント・バイオロジー」電子版に発表した。

 セプチンは脳や精巣などに幅広く存在し、その異常がパーキンソン病や男性不妊症などに関係していることはわかっていた

 滝口助教らが、リン脂質でできたリポソームという人工の生体膜にセプチンを加えたところ、リポソームから多数の突起が伸び、さらにセプチンが突起部分の周囲を巻くようにして糸状の線維を形成した。こうした形状は、動物の神経細胞などに見られることから、セプチンの機能が判明した。

 滝口助教は「セプチンの異常による疾患の発症原因や治療方法の究明につながる」と話している。



 人間の身体の中にはどれだけ未知の蛋白質が存在しているんでしょうか。大まかな生体メカニズムは分かっているとしても、それを支える機序は想像できないほど膨大なのでしょう。

 そしてそれのどれか1つが異常となり、その異常を他のタンパク質がカバーできなくなると、病気として症状を発現する。これからの医療はその原因究明と、治療法の確立ですね。難病とされている疾患、病気としてみられていなかった状態も克服できる時代がくるかも。
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2009年01月26日

多発性硬化症の脳ではTIP30という分子が異常に増えていた

慶大講師ら、神経再生不良の原因解明…「多発性硬化症」治療に光

 手足のまひや視覚障害などが起きる神経難病「多発性硬化症」の治療のカギとなる、神経の再生不良の原因を慶応大医学部の中原仁講師らが解明、国際医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカルインベスティゲーション」1月号に発表した。

 多発性硬化症は、神経を覆う「さや」が壊れ、電気信号がうまく伝わらなくなる病気。健康な人の場合、「さや」が傷つくと、オリゴデンドロサイトという細胞が成長して、自然に傷が修復されるが、多発性硬化症では、この自然な再生がうまくできない

 中原講師らが多発性硬化症の患者の脳で、オリゴデンドロサイトに成長する過程を詳しく調べたところ、その成長を妨げる「TIP30」という分子が病変部分で異常に増えていることを発見した。中原講師は「この分子を抑える薬を開発すれば治療につながる可能性がある」と話している。



 多発性硬化症といえば神経の難病。神経の難病といえば、慶応大学病院です。

 難病というのは原因不明の疾患を指す言葉ですが、もしその原因が解明されれば、治療法の鍵となることは間違いありません。薬で多発性硬化症が完治する時代は、すぐそこ、なのかもしれない。

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脊髄損傷の患者にES細胞を用いる世界初の治験を行う。

ES細胞 初の治験へ 米で承認 脊髄損傷患者に注入

 米バイオベンチャー企業「ジェロン」(カリフォルニア州)は23日、人間の胚性幹細胞(ES細胞)を応用した治療の臨床試験を、世界で初めて行うと発表した。

 脊髄損傷で歩けなくなった患者に、ヒトES細胞から作製した細胞を脊髄に注入、神経系細胞を再生させる

 AP通信によると、臨床試験の第1段階は今夏に開始。損傷から1〜2週間の患者8〜10人を対象に、中枢神経を保護する細胞に育つ細胞を注入する。治療の安全性を確かめるのが目的だが、マヒした感覚や運動機能の回復など、治療効果も同時に調べる。同社は、ラットなどの実験で治療の安全性や効果を確かめ、臨床試験の実施を米食品医薬品局(FDA)に申請。今週、承認が下りたという。

 岡野栄之・慶応大教授(生理学)の話「今回の承認は、再生医療全体にとって大きな一歩になる。ジェロンは長年にわたり動物実験を行い、安全性や有効性をきっちり確認している。日本で同様の臨床試験を進める際に、安全性を判断する参考になるだろう」



 漠然としたイメージながらも、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞を、神経の途切れ目(損傷部位)に入れてやって、うまく神経同士をつなげる糊のような役目をしてくれれば、運動神経や感覚神経のネットワークを再び取り戻せる気はしますね。

 実際に臨床で応用できるのか、というと、まだまだ未知数ですが、成功する確率はかなり高いのでは。

 脊髄損傷などのように社会的に大きく関係する疾患は、積極的にこういった治療法を取り入れてほしいですね。

 実際に研究レベルでは、再生できるジャンルは結構増えているんでしょうけれども、実際に人に行うとなるとほぼ100%近い安全性だとか副作用の考慮などがあげられますからね。臨床的に日本に普及するようになるのはもうしばらくかかりそう。

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脳波を測定してボールを上下させる玩具を発売

「フォース」を鍛える装置:脳波でボールを操作

 玩具メーカーの米Uncle Milton Industries社は、われわれ『スター・ウォーズ』マニアがその夢を実現するのを助けようとしている。

 『USA Today』紙が報じているように、Uncle Milton Industries社は今秋、ワイヤレス・ヘッドセットを利用して誰でもフォースを鍛え、管の中に浮かぶボールをコントロールできる新しい機器を発売しようとしているのだ。

 実際には、ハンドセットはシンプルな脳波読取装置で、ボールを宙に浮かしているベースステーションにデータを送り、読み取ったデータに応じてボールを上下させる

 従って、もっと正確に言えば、これはバイオフィードバック訓練装置だが、認証用の音声と、ベースステーションが発する、操作を促す効果音のおかげで、スター・ウォーズ・ファンたちも大いに楽しめるだろう。



 脳波測定器が手軽なおもちゃに。

 これ実際にやってみたいですね。本当に上下できたら興奮モノです。日本でも発売されないかなぁ。

 販売予定価格は90〜100ドルとのこと。自分の脳波をデータとして表示するシステムつけてくれたら買いなんですけども。

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2009年01月24日

ジストニアは大脳基底核の信号の異常によって起こる

ジストニア筋収縮症状の原因メカニズム解明

 体の筋肉が勝手に収縮を起こし意思通りに体を動かすことができなくなってしまう神経難病「ジストニア」は、大脳基底核から発する信号の異常によって起きることを、自然科学機構・生理学研究所の研究者たちが突き止めた。
 
 知見聡美・助教、南部篤・教授と米マウントサイナイ医科大のプラニパリ・シャシドハラン博士らは、ヒトのジストニアの原因遺伝子を組み込んで新たに開発したモデルマウスを使い、脳の中の神経細胞の働きをマウスが覚醒した状態で調べた。

 正常なマウスは、運動の司令塔である大脳皮質運動野から適切なタイミングと強さの信号が出ることで、筋肉が正常な動きをする。この運動野の働きを調節しているのが大脳基底核で、運動野の活動を抑える信号の強さを変えることで、運動野が出す運動の指令の強さやタイミングの調節を行っている。

 モデルマウスによる研究の結果、大脳基底核からの信号に異常が見つかり、不必要で意図しない筋肉の運動を抑える仕組みが弱まっていた。研究チームは、これが本人の意図しない筋収縮を生じさせる根本的なメカニズムとみている。

 モデルマウスによる研究をさらに進めれば新たなジストニアの治療法開発につながる、と研究者たちは言っている。

 ジストニアは、国内で約2万人の患者がおり、薬物や手術による治療が行われているが、根本的な治療法はまだ見つかっていない



 ジストニアになると、手の筋肉や首の筋肉が過剰に収縮してしまいます。

 見た目的に気にする人もおられますし、仕事上の作業ができなくなってしまう人もおられます。

 社会的にかなり負担の大きいジストニアという疾患ですが、ボツリヌス療法や薬物療法でも完全に治すことはできません。この研究から治療が出来れば、生活を営む上での苦しみが除かれるでしょう。

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2009年01月22日

てんかんの原因遺伝子「EFHC1」のノックアウトマウスを作成

てんかん原因遺伝子異常による発症をマウスで確認

 全身の激しいけいれんなどでソクラテスの時代から知られるてんかんは、世界の全人口のおよそ3%が一生を通じて一度は発症する頻度の高い神経疾患です。

 発作症状は多種多様で、原因を特定することを難しくしていますが、その多くには遺伝的背景(複数の原因遺伝子や症状修飾遺伝子の存在)が指摘されています。「若年性ミオクロニーてんかん」は、思春期に発症し、起床時に頻発するミオクロニー発作、強直間代発作などを特徴とする、最も発症頻度の高いてんかんのひとつで、てんかん全体の7 〜9%を占めるとされています 。

 理研脳科学総合研究センターの神経遺伝研究チームは以前(2004年)、この若年性ミオクロニーてんかん患者で変異が多く見られる「EFHC1」遺伝子を発見し報告しました。今回、研究チームはこの遺伝子のノックアウトマウスを初めて作製し、このマウスがミオクロニー発作やけいれん誘発剤に対する高い感受性など、てんかん患者と類似の症状を示すこと、さらには脳室壁の上衣細胞繊毛の運動機能の低下などいくつかの特異的な異常症状を示すことを明らかにしました。

 今まで同定されたてんかん原因遺伝子の多くがイオンチャネルを暗号化しているのに対し、EFHC1遺伝子のそれはイオンチャネルではないことや、EFHC1が最も頻度の高いてんかんで多くの変異が見られる遺伝子であることなどから、今回の成果は、EFHC1遺伝子の変異が引き起こすてんかんばかりでなく、てんかん全体の発症メカニズムの理解にもつながり、さらには今後、治療法の開発・改良にも大きく寄与することが期待されます。



 てんかんも、偏見が根強い疾患の1つですねぇ。残念なことですが。

 要するに脳の電気刺激が、少し異常になってしまった結果、けいれんなどを引き起こす疾患です。

 よくてんかん発作で倒れた人がいたら、舌を噛み切らないように口にハンカチを入れるなどの応急処置をしたほうがいいと思っている人もいますが、それは誤りです。

 てんかん発作は大抵は数分で自然におさまるものなので、吐いたもので誤嚥しないように、顔を横に向けること、安静にさせることが大事です。けいれんを起こしても舌を噛み切ることはないので、口に何か入れたりしないようにして下さい。

 押さえつけると余計に止まらないこともあるようですので、落ち着いて対応しましょう。

 てんかんだからといって知能が低下するとかそういうわけではなく、小さい頃のてんかんは思春期になると結構治ってきますからね。無問題です。ドストエフスキーもてんかんでしたし。

医学処:てんかん治療薬「ゾニサミド」がパーキンソン病にも有効
医学処:映画「バベル」を鑑賞し、光刺激によって体調不良に。
医学処:てんかんやパーキンソン病の頭部保護具をオシャレに。
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コーヒーを飲む中高年はアルツハイマー病発症が極めて低い

適量のコーヒーでアルツハイマー病の発症リスクが低下、研究結果

 コーヒーを適度に飲む中高年はアルツハイマー病の発症リスクが極めて低いことが、15日発表されたフィンランドとスウェーデンの合同チームの研究で明らかとなった。

 研究を率いたフィンランド・クオピオ大学(University of Kuopio)およびスウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institute)教授のMiia Kivipelto氏によると、コーヒーを1日3−5杯飲む中高年は、高齢になった時に認知症やアルツハイマー病を発症するリスクが60−65%低いという

 研究チームは、フィンランドで20年以上にわたり1409人を対象に、聞き取り調査を繰り返し実施した。まず50代の被験者にコーヒーを飲む習慣について質問し、その後1998年に65−79歳になった被験者の記憶機能を調べた。その結果、98年までに被験者のうち61人が認知症を、48人がアルツハイマー病を発症していた。

 同教授は、コーヒーにはアルツハイマー病に有効とされる抗酸化剤が多量に含まれていると指摘している。ただし、認知症の発症を遅らせたり回避するのに効果がある正確なコーヒーの摂取量は、不明だという。

 一方、前日発表された、コーヒーを多量に摂取すると幻覚症状を起こしやすいとする研究結果について、同教授は「過剰に摂取するべきでないということだろう」と述べた。



 3年前に日本でも同様のことが言われていましたね。その記事は以下。

 医学処:パーキンソン病予防に、カフェインが効く

 コーヒーは癌などの疾患にも効く可能性があるので、飲みすぎない程度に飲むと効果あり、なのでしょう。

 ちなみに記事中にもあります、コーヒーを飲むと幻覚が起きる、というニュースは以下。

 コーヒーを1日7杯以上飲む人は、カフェインをあまり摂取しない人よりも幻覚症状を起こしやすいとの研究結果が14日、専門誌「Personality and Individual Differences」に発表された。

 この研究は、英ダラム大学(Durham University)の心理学科が行ったもので、カフェインの摂取量が多い人は、1日にコーヒーを1杯しか飲まない人と比べ、その場に存在しない人の声を聞く可能性が3倍高くなるという

 ただし研究では、幻聴や幻覚症状の傾向はカフェインが原因でなく、単にコーヒーを多く飲む人びとに見られるというだけの可能性もあると注釈を加えている

 論文の共同執筆者であるチャールズ・ファニーハフ(Charles Fernyhough)博士は、今回の研究では、カフェイン摂取と幻覚症状の安易な関連性は確認されなかったと強調し、3%の人は日常的に頭の中の声を聞いていると指摘。 また、「幻覚症状が起きる傾向のより強い学生らが、その症状に対処するためにカフェインを利用しているとも理解できる」とも述べた。


参考:afpbb

医学処:パーキンソン病予防に、カフェインが効く
医学処:記憶を司る海馬の神経細胞はカフェインで増強される。
医学処:カフェインは、ずきずきする痛みを和らげる効果がある。
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2009年01月21日

パーキンソン病の一種「ペリー症候群」の遺伝子変異を特定する

ペリー症候群の遺伝子特定 パーキンソン病解明に期待

 手足の震えや動作が緩慢になるなどの症状が出るパーキンソン病の一種で、遺伝性の「ペリー症候群」の患者に共通する遺伝子変異を、坪井義夫・福岡大准教授(神経内科)と米国の医療機関などのグループが突き止め、19日までに米科学誌ネイチャージェネティクスに発表した。

 パーキンソン病は遺伝によらない「孤発性」が約9割を占めるとされるが、坪井准教授は「症状の進行が早いペリー症候群の遺伝子の特定は、孤発性パーキンソン病の発症メカニズムの解明にも役立つ」と話している。

 ペリー症候群は1975年にカナダで確認されて以来、日本を含む世界の8家系でしか見つかっていない極めてまれな疾患40歳代前半での若年発症が多いのが特徴

 坪井准教授が福岡大の山田達夫教授らとともに2001年に日本で初めての家系を報告して以降、発症者と非発症者を含む全家系の約60人の遺伝子を調査した結果、既に発症した約20人全員について「DCTN1」と呼ばれる遺伝子に変異があることが分かった。

 DCTN1は神経細胞内の物質輸送に関するタンパク質「ダイナクチン」をつくる遺伝子。変異でダイナクチンに異常が生じ、脳内の情報伝達に支障が出るとみられる。

 ほかに、ペリー症候群の患者の神経細胞内に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などでも脊髄などへの蓄積が確認されている別のタンパク質「TDP−43」が蓄積することも判明。このタンパク質の働きには未解明な点が多いが、共通の病理現象として注目されるとしている。



 世界で8家系しかいないというのはすごい。極めて稀な疾患、という域を超えるほどレアな疾患です。

 少数の診断・治療とはいえ、その発見と今後の解明によっては、パーキンソン病の治療につながる可能性もあります。

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パーキンソン病の患者からiPS細胞を作ることに成功する。
パーキンソン病の遺伝子治療、1年たっても効果が持続していることが判明
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藤田保健衛生大学で最先端の脳医学を紹介する市民公開講座

最先端脳医学を紹介 藤田保健衛生大が公開講座 25日

 藤田保健衛生大学脳神経外科などが主催して、最先端の脳医学知識を紹介する「第23回市民公開講座 明日から役に立つ脳神経最新の話」が、25日午前9時から午後1時まで、名古屋市中区錦の名古屋観光ホテル那古の間で開かれる。

 ロボットによる歩行・移動支援などについてのミニトーク座談会に続き、塩川芳昭・杏林大教授の「クモ膜下出血の予防と治療」、小笠原邦昭・岩手医科大教授の「脳梗塞予防と治療―健康に長生きするために」など五つの特別講演がある。

 また会場では、加藤庸子・藤田保健衛生大教授らが対応する医療相談コーナー(午前9〜10時)も設けられる。入場・相談いずれも無料。問い合わせは同大脳神経外科(0562・93・9253)へ。



 おっ、脳関連で定評のある藤田保健衛生大学の市民講座。

 やはり脳関連の内容を押してますね。

 今の、最先端の医学に触れたい方、脳に興味のある方は行ってみてはいかがでしょう。かなり面白いと思いますよ、こういう公開講座。

関連:統合失調症は、海馬の歯状回が未成熟で機能していない。
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2009年01月11日

パーキンソン病の患者からiPS細胞を作ることに成功する。

パーキンソン病患者から万能細胞作製…治療法開発などに期待

 様々な細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を、日本人の家族性パーキンソン病の患者から作ることに、慶応大の岡野栄之教授らが成功し、9日、大阪・千里で開かれた講演会で発表した。

 発症メカニズムの解明や治療法の開発につながると期待される。

 パーキンソン病の原因遺伝子の一つ「PARK(パーク)2」に異常がある60歳代の患者から皮膚細胞の提供を受けた。

 PARK2は、脳の神経細胞が信号を伝えるシナプスという部位の働きにかかわっている。iPS細胞を神経細胞に変化させ、正常な細胞と比較しながら発症のしくみを調べる



 慶應の岡野栄之教授ニュース!

 神経難病、パーキンソン病のiPS細胞を作ることに成功。実験室でiPS細胞からパーキンソン病の神経細胞を作れば、それに対するメカニズム、新たな治療法も生まれるかもしれません。

 大きな一歩です。

医学処:国際幹細胞研究学会でiPS細胞研究が白熱する。
医学処:岡野栄之教授がiPS細胞を用いマウスの神経難病治療に成功
医学処:心臓の神経密度を調べることでパーキンソン病の早期発見へ。
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2009年01月09日

心臓の神経密度を調べることでパーキンソン病の早期発見へ。

パーキンソン病、早期診断に光 心臓の検査法を活用

 手が震えたり、体の動きが不自由になったりする難病、パーキンソン病の診断に、心臓の神経密度の低下を調べる検査が使える可能性がある。国立病院機構宇多野病院(京都市)と京都大学の研究グループが明らかにした。早期診断や新しい治療法の研究に結びつきそうだ。

 パーキンソン病患者は、国内で約10万人以上。脳の特定部分で神経細胞が減り、神経伝達物質が作れなくなって、体の動きが不自由になる。脳の画像検査や血液検査には異常が出ず、症状が進むまで診断が難しい。薬などで症状を抑えることはできるが、客観的な検査方法の確立や、発症前の診断、治療法の研究が課題となっていた。

 グループは、パーキンソン病の疑いがある400人に特殊な放射線同位元素を静脈注射し、心臓の神経密度を画像化した。その結果、心臓の神経が減っていた患者の9割以上がパーキンソン病だった。この検査方法と、症状などによるこれまでの基準による診断結果を比べると、86%の患者で診断が一致したという。

 グループの澤田秀幸・宇多野病院臨床研究部長は「発症前の早期診断ができるようになれば、神経細胞の減少を抑え、病気の発症を未然に防ぐ治療法開発の研究にもつながる」としている。



 パーキンソン病の症状などについては下記リンクで。

 症状として特徴的なものが出現してから、診断されることが今までは多かったと思いますが、早期の診断をすることも可能であると。しかし心臓の神経密度を調べることで分かるとは。目の付け所のシャープさが際立ってます。

 早期診断で症状が悪化するまえに抑えることができれば、パーキンソン病と診断されても日常生活に負担なく行動できるようになるかもしれません。

医学処:ビタミンB6を摂ることで、パーキンソン病になりにくくなる。
医学処:パーキンソン病の遺伝子治療、1年たっても効果が持続していることが判明
医学処:パーキンソン病治療薬の副作用で交通事故が多発。
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膠芽腫のモデルマウスを開発。治療法の確立なるか。

膠芽腫の新モデルマウス開発=悪性脳腫瘍、特徴をよく再現

 脳腫瘍の中でも非常に悪性の膠芽腫のモデルマウスを、脳細胞にがん関連遺伝子を導入する方法で開発したと、米ソーク研究所の丸本朋稔研究員(現国立病院機構神戸医療センター脳神経外科医師)らが6日までに米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。

 ヒトの膠芽腫切片を免疫不全マウスの脳に移植する従来のモデルマウスに比べ、病理がヒトの膠芽腫により近い状態を再現した。主に大人で発症する膠芽腫は、有効な化学療法や放射線療法ができず、手術で摘出しても再発するなどして、患者が1年程度で死亡することが多い。発症原因を解明し、新しい薬や治療法を開発するのに役立つと期待される。



 星状細胞腫の中でも分化度が低く悪性の膠芽腫は、成人では大脳半球、小児では脳幹部が好発部位になります。腫瘍細胞は隣接した脳組織に浸潤するため、腫瘍の全摘出は難しいとされています。

 進展が速いため悪性度が極めて高く、予後はよくありません。放射線療法などでQOLをあげることはできるようですが、その効果は短く、なかなか難しいのが現状です。

 まずモデルとなるマウスを作り出し、それに対して新たな治療法の開発や、なぜ発症するのかといった機序を解明することができれば、次の道が開けることでしょう。

医学処:小児がん「神経芽腫」の原因遺伝子を東大が発見する。
医学処:小児脳腫瘍に自分の幹細胞を注入すると劇的に改善した
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2008年12月31日

若いうちから運動をしているとアルツハイマー病になりにくい

脳への血流減少がアルツハイマー病の引き金、研究成果

 数年あるいは数十年にわたって脳の血流量が徐々に減少することがアルツハイマー病の主因の可能性があるとの研究が26日、発表された。

 アルツハイマー病については脳が損傷を受ける仕組みは良く理解されていたが、その原因はこれまで謎とされていた。今回の研究は、血液が脳に運ぶブドウ糖が少なくなると連鎖的に生化学的な反応が起こり、ニューロンを攻撃するタンパク質が蓄積してアルツハイマー病が発症することを示している。

 主執筆者のノースウエスタン大学(Northwestern University)のロバート・ヴァッサー(Robert Vassar)教授は「脳への血流の改善がアルツハイマー病の予防や治療に効果的な治療方法となる可能性がある」と述べた。

 同教授は脳の血流を改善するために若いうちから運動をしたり、コレステロールを取りすぎや高血圧に気をつけていれば、アルツハイマー病にかからずに済むかもしれないと語った。

 すでに動脈狭窄の兆候が出ている患者に対しては、血流を増やす血管拡張薬の投与が脳の栄養になる酸素とグルコースを脳に届ける助けになり得るという。



 やはり老人になってからどうこう、というわけではなく、若いころからの習慣的な運動、適正な食生活によって、将来アルツハイマーの予防になる、と。

 運動しましょう。コレステロールも気をつけましょう。若いころだから無茶できる、と言い続けて中高年になってからではもう遅いですよ。

医学処:6年以内にアルツハイマーを発症するかどうかが分かる検査法
医学処:アルツハイマー病を、臍帯血細胞で予防する。
医学処:アルツハイマー病は、記憶の形成維持プロセスに依存した疾患
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多発性硬化症で髄鞘の自己再生能力が低下する原因を特定

多発性硬化症の治らない原因を特定―慶應大グループ

 神経難病・多発性硬化症に関する再生医薬開発研究に取り組んでいる慶應大医学部神経内科、解剖学教室の研究グループ(鈴木則宏教授・相磯貞和教授・中原仁講師)は、多発性硬化症で神経機能を支える髄鞘の自己再生能力が低下する原因を特定したと発表した。世界初の成果で、髄鞘再生医薬の開発が期待されるという。成果は、国際医学誌「The Journal of Clinical Investigation」誌2009年1月号に掲載された。

 多発性硬化症は、若年女性に多くみられる原因不明の神経疾患で、世界で約250万人、日本では1万2000人の患者がいる。脳、脊髄、視神経(中枢神経系)に病変が多発性に出現し、四肢まひや失明などさまざまな神経症状が一度に現れる。多くの患者が発病後、10年ほどで車いすや寝たきりの生活を余儀なくされる。

 多発性硬化症では、神経機能を支える髄鞘が20歳代後半から30歳頃を起点に、脳や脊髄などで多発性に崩壊(脱髄)し、神経機能に支障をきたす。その後は、平均して半年から2年に1度髄鞘の崩壊が起こり、神経機能は進行性に失われる。

 中枢神経系で髄鞘を形成しているのは、「オリゴデンドロサイト」と呼ばれる細胞。多発性硬化症の病変では、脱髄に伴ってオリゴデンドロサイトが死滅する。しかし、脱髄病変後も「未熟なオリゴデンドロサイト」である「オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)」は多数残っている。本来、OPCは能動的にオリゴデンドロサイトへ成長し、髄鞘をほぼ完全に修復する能力を持っている。多発性硬化症では、OPCが残っているにもかかわらず、なぜ能動的にオリゴデンドロサイトへ成長することもなく、また髄鞘を修復できないのかは解明されていなかった。

 OPCがオリゴデンドロサイトへ成長するには、その成長にかかわるDNA上の遺伝子情報を読み出すことが必要になる。DNA上の遺伝子情報を読み出す役割を担うのは転写因子と呼ばれるタンパク質群で、OPCがオリゴデンドロサイトへ成長する際に使用される転写因子は、NICDと呼ばれるタンパク質だ。

 OPCが脱髄した神経軸索を感知すると、OPC内部にNICDが出現する。NICDはOPC内部で、DNAが保管されている核の内部に入り、DNA上の情報を読み出すが、このためにはImportinと呼ばれる運搬タンパク質に乗って、核膜に空いた小さなゲート(核孔)を通る必要がある。

 研究ではまず、多発性硬化症脳を細かく解析。髄鞘の自然再生が成功したわずかな例外的病変のOPCでは、NICDが核内に移動して遺伝子情報の読み出しに成功しているのに対し、再生に失敗した大多数の病変では、NICDが核内に入れず、細胞質内に残っていることが分かった

 再生に失敗したOPCでは、NICDがImportinに搭載されるまでは成功していたものの、Importinの運搬能力を阻害するTIP30分子が異常に増加、結果的にNICDが核内へ移送されず、オリゴデンドロサイトへの成長や髄鞘再生に必要な遺伝子情報を読み出せなくなっていた。

 こうした研究の結果、多発性硬化症の脳において病変部位に髄鞘再生を妨げるTIP30分子が過剰に発現していることが、髄鞘の再生能力が乏しい原因と特定した。 今後、研究成果は発症により傷ついた髄鞘を修復し後遺症を回復させる「再生治療」に生かすことが期待される。



 なるほど!すごくわかりやすいです。

 しっかしこの問題も、1つのたんぱく質が関与していたんですねぇ。これだけ科学の発達した現代において、ようやくたんぱく質1つの機能などがわかり始めて来ました。一体生物はどこまで多様なのか、と。こんな細かい機能をもったたんぱく質の集合体がよくぞまぁ生き続けてきたもんだ、と。命の神秘を改めて感じてしまいます。

 慶應大学はこういったジャンルに非常に強い上に、再生医療も日本トップクラスの実力がありますからね。期待です。

医学処:多発性硬化症の視神経脊髄型にインターフェロンを用いて悪化
医学処:多発性硬化症はNR4A2という遺伝子を抑制すれば症状が軽快する。
医学処:多発性硬化症に白血病治療薬アレムツズマブが効く。
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2008年12月25日

ワサビを1日に12.5g食べると脳細胞の再生促進に。

ワサビが脳細胞の再生促進 名市大・岡嶋教授ら解明

 ワサビの辛み成分が脳の神経細胞の再生を促し、記憶力や学習能力を改善させる。こんな効果を名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授が、マウスを使った実験で突き止めた。人の認知症予防につながると期待される。

 岡嶋教授らはこれまで、人の胃や腸の知覚神経がトウガラシの辛みや熱さ、痛みの刺激を受けると、全身の細胞の増殖を促進するタンパク質「インスリン様成長因子−1(IGF−1)」が多く作られ、認知機能が改善されることを解明していた。

 今回は、ワサビでも同じメカニズムが働くかどうかを調べた。

 実験は、ワサビの辛み成分「6MSからし油」をマウスのえさに混ぜ、4週間食べさせた。記憶や学習機能にかかわる脳の海馬でIGF−1の濃度を調べたところ、濃度が2−2・5倍に増加。増殖した海馬の細胞数も、通常の2−3倍に増えていた。

 水を張ったプールでマウスを泳がせて浅瀬を見つけるまでの時間を比べ、ワサビを与えたマウスは初日の80秒が、5日目で30秒に短縮。

 与えていないマウスは5日目でも60秒かかり、浅瀬の場所を覚える能力の向上が見られた。

 一度に大量のワサビを食べると体調を崩すこともあるが、岡嶋教授は「計算では、人間も1日にワサビ12・5グラム(刺し身に添える時の5人分)を食べれば、同程度の効果が出るはず。脳だけでなく全身で細胞の再生が促進され、認知症予防以外にも、血管拡張や骨密度強化など多彩な効能がある」と話している。



 単純に刺激になるんですかね。全身の細胞の再生が促進って、すごいこと言ってるような気がする・・・。

 まあ、唐辛子のような辛さに比べるとワサビの辛さは独特な感じですよね。あの清涼感をもった辛さは世界ひろしといえどなかなか。

 でもワサビ12.5Gか・・・。罰ゲームシュークリーム1個ぶん?でも効果はあるようなので受験生など、いかがですか?

医学処:注射液の起こす痛みはワサビの刺激と同じ仕組み。
posted by さじ at 12:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | 脳神

2008年12月12日

自分の体と他人の体が入れ替わったように錯覚させることに成功

「入れ替わり」の錯覚に成功、スウェーデン神経学チーム

 スウェーデン最大の医学系大学であるカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は3日、同大の神経学チームが、被験者に自分の体と他人の体が入れ替わったように錯覚させることに成功したと発表した。

 研究を率いた同研究所のヘンリック・エールソン(Henrik Ehrsson)氏は実験結果について「身体的自己に対する脳の知覚を、容易に変えられることを示している」と述べ、感覚的印象を操作することで、体外離脱を感じさせるだけでなく、他人の身体を自分のものと錯覚させることも可能だと説明した。

 実験の1つでは、マネキンの頭部に2台のカメラを取り付け、被験者には2つの小型スクリーンを仕込んだ眼鏡を掛けさせた。このスクリーンとカメラを接続し、マネキンが「見る」ものを被験者が見ている状態にした。そして、マネキンと被験者の頭部を同時に下に向けると、被験者は本来の自分の身体ではなく、カメラを通して見えたマネキンの体の映像のほうを自分の体だと認識した

 また、棒を使って被験者とマネキンの腹部に触れる実験では、被験者はマネキンと自分の体が入れ替わったように錯覚した。被験者とマネキンの腹部を同時に触ると、被験者はマネキンの腹部が触られているのをカメラを通じて見るだけで、自分の腹部が触られているところは見なくても、自分の腹部も触られていると実感した。被験者は「マネキンの体が自分のものだと強く感じた」という。

 もう1つの実験では、カメラを別の人物の頭部に設置し、被験者にはスクリーン付きの眼鏡でその映像を見せた。この人物と被験者が互いに向き合って握手をすると、被験者はカメラが映しだす自分の姿ではなく、カメラを付けた別人の体が自分のもので、自分自身と握手をしたように錯覚した。この錯覚は、被験者と別の人物の性別が異なっても起きたが、いすなどカメラを取り付けた対象が物だった場合には起きなかった

 研究結果は、バーチャルリアリティーやロボット技術で実用化が可能で、さらにほかの分野で利用できる可能性もあるという。「自分自身を知覚する仕組みや、自分が一定の集団に属していると考える仕組みについて疑問を呈することができる。先入観を打ち砕くことも可能かもしれない。教育・医療分野からゲームにまで使用できる可能性がある」とエールソン氏は指摘した。



 おっもしろい。

 何でしょうね、この不思議感覚。人間といえど生き物だからこそ、入ってくる情報「だけ」で自己を認識しているということでしょうか。

 バレエのダンサーがぐるぐる回っているだけの錯覚動画(gif?)をみたことがおありでしょうか。右回りにも左回りにも見えるアレです。PET画像でも似たような感じになります。なんか不思議な錯覚ですよねぇ、アレ。

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医学処:振動していない携帯が、振動しているように感じる人
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2008年12月09日

海馬を切除し、脳研究に協力していた男性が死去。

「海馬」切除後、脳研究に協力 米男性「H・M」氏死去

 脳の一部を切除する実験的治療を受けて新たな記憶ができなくなったあと、脳機能の研究に積極的に協力し、学習や記憶の仕組みの解明に多大な貢献をした米国の男性患者が82歳で亡くなった。ニューヨーク・タイムズなど米主要メディアが5日、報じた。

 この男性はヘンリー・モレゾンさん。米コネティカット州の老人ホームで2日、呼吸不全のため亡くなった。研究論文などではプライバシー保護のために「H・M」という名前で呼ばれ、脳研究分野では世界的に知られていた。

 モレゾンさんは9歳のときに自転車とぶつかって頭を強く打ち、原因不明のけいれん発作に悩まされるようになった。18年後の1953年、脳の「海馬」などを切除する手術を受けたあと、昔のことは鮮明に覚えているのに、新たな記憶がほとんどできなくなる「超記憶喪失」になった。

 その後認知科学や脳科学の研究に進んで協力。当時はほとんどわかっていなかった脳機能の解明に貢献した。現在、海馬は学習や記憶で重要な役割を担っていることがわかっている。



 アメリカ的だなぁという感じですね。

 海馬を切除するという実験的手術を行ったのも凄いですが、その後実験に積極的に協力した点もなかなかできることではありません。

 しかしおかげで研究が進んだわけですから。ありがたいことです。

 そういえば胃のもつ作用を初めて解明したのも、銃が暴発して腹部に穴が開いた人を観察したのが初めてだったとか何とかいう話がありますね。胃が外側に貼り付いて、外からでも胃の仕組みが見えるようになったとか。まぁその人は度重なる実験を苦痛に感じて最後は逃げてしまったらしいですけれど。

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posted by さじ at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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