[脳神]の記事一覧

2013年04月01日

筋ジストロフィーの臨床治験を2013年夏から開始する。

筋ジス、夏にも治験実施 27機関協力

 国内27医療機関による筋ジストロフィー臨床試験ネットワークが国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)内に設立された1日、樋口輝彦総長は、根本的な治療法が見つかっていない筋ジス医療の前進に期待を寄せた。

 筋ジスは患者数が少ない上、遺伝子型や病態も多様だが、全国に推計で約5000人と最も多い「デュシェンヌ型」を例に説明すると、筋細胞内にあり、運動などの負担から筋肉を守る「ジストロフィン」というたんぱく質が合成できないため、次第に筋萎縮と筋力低下が進む。

 人工呼吸器などの登場により、1976年に17歳だった平均寿命は2006年には30歳まで延びたが、根本的な治療法はなく、現在でもリハビリやステロイド投与など進行を遅らせるのが主な治療だ。

 そんな中、10年ほど前から、遺伝子に着目した治療薬の研究が海外で始まった。「エクソン・スキップ」と呼ばれる技術はその一つで、異常な遺伝子を修復することで、筋細胞で正常に近いジストロフィンが作られるようになる。同センターでも、筋ジスの犬を使った実験で有効性が示され、設立されたネットワークを使って10人程度の患者を対象に、今夏にも治験を実施する予定だ。

 しかし同センターの小牧宏文筋疾患センター長は、「エクソン・スキップだけでは、進行を遅らせることはできても根治は難しい」と話す。「今後、ネットワークが機能し、iPS細胞などを使った再生医療や、遺伝子治療の研究にも応用できれば、根本的な治療への道が開ける」としている。



 すこーしずつではありますが、治療出来なかった疾患が徐々に治療対象になりつつありますね。

 治験段階なので全国的に普及するのはまだですし、実際に効果が保証されているわけではありませんが、患者にとっては光明に他なりませんからね。結果に期待したいと思います。
posted by さじ at 01:46 | Comment(0) | 脳神

眠いときは前頭連合野・頭頂連合野で情報伝達効率が低下する

なぜ眠くなると脳の働きが低下するのか? - NICTがその仕組みを解明

 情報通信研究機構(NICT)は2月7日、はっきり目覚めている時と少しウトウトしている時に、機能的磁気共鳴画像(fMRI)と脳波を同時に計測し、脳内での情報の伝達効率を複雑ネットワーク解析で分析した結果、何もしていない安静時でも、ヒトの脳では複数の領域が協調しながら活動して情報をやりとりしており、眠くなるとこれらの領域間の情報伝達が非効率的になることを明らかにしたと発表した。

 日常的に眠くなってウトウトしている(まどろみ状態)と、刺激を見落としたり、素早い反応ができなくなるといったことは誰でも経験しているようなことながら、実はその仕組みはよく分かっておらず、これまでの研究より、まどろみ状態でも脳の一部分は刺激に対して反応することが判明していることから、脳領域間の情報の受け渡しが悪くなっている可能性が考えられるものの、それをはっきりと証明した研究成果はこれまで報告されていなかった。

 今回の研究では、fMRIを用いることで、まどろみ状態でこの安静状態のネットワークが変化しているのかどうかの解析が行われた。しかし、通常のfMRIの実験では、実験中の被験者がはっきり目覚めているのか、眠たいのかは知ることができないため、特別な脳波計測装置を用いて、fMRIと同時に脳波の計測を実施、はっきりと目覚めている状態とまどろみ状態(睡眠段階1)を区別する形で計測が行われた。

 その結果、まどろみ状態では、安静状態ネットワークの情報伝達効率が低下していることが明らかになったほか、「意識」との関連が深いとされる「前頭連合野/頭頂連合野」で特に情報伝達効率が低下していることも判明し、まどろみ状態では、脳内のネットワークのつながり方が変化し、素早く正確な情報の受け渡しができにくい状態になっていることが明らかにされた。



 眠いかどうかを迅速に判断するには、記事中にもあるように脳波の測定が有用です。睡眠脳波に移行するとき、脳波上では大きく変化が起こります。そのため、睡眠脳波も測定する必要があるので、脳波検査はだいたい30分ぐらいかけて行われるのです。

 効率よく仕事するには日中15分程度の睡眠が有用というのも、こういった情報伝達を元に戻す必要があるからでしょう。より明確に機序が分かれば、シェスタ文化を日本アレンジで取り入れることで人為的ミスを減らすことも出来るかもしれません。
posted by さじ at 01:24 | Comment(0) | 脳神

2013年03月28日

記憶を忘れさせる神経細胞AWCを九大&名大が発見する。

記憶の忘却促す細胞を発見 九大と名大、線虫で実験

 九州大と名古屋大の研究グループは線虫を使った実験で、記憶を積極的に忘れさせる働きをする神経細胞が見つかったとの研究結果をまとめた。21日、米オンライン科学誌に発表した。

 九州大の石原健教授によると、情報を記憶したり、保持したりする仕組みは解明されているが、忘却のメカニズムは詳しく分からなかった。研究グループは単純な神経回路を持つ線虫を使い、においの記憶の忘れ方を調べた。

 その結果、忘却を促す作用をしていると分かったのは、頭部にあるAWCと呼ばれる神経細胞。近くにある嗅覚神経細胞に忘却を促す物質を放出し、においの記憶を約4時間で忘れさせてしまうという。



 記憶してしまうというのは、メリットもあればデメリットもあるわけで、人間は忘れられるからこそ、ストレスから身を守っているといっても過言ではないですね。

 羽生名人の長所は、自分で忘れることにあるとか何とか、10年ぐらい前に目にしたことがあります。

 欧米の、記憶を全く無くさないテレビのプロデューサーは、忘れられないことの苦悩が著しいとも。フォトグラフィックメモリーも、忘れる能力があるからこそ生きてくるのかもしれません。
posted by さじ at 01:20 | Comment(0) | 脳神

2012年12月19日

運動トレーニング時に褒められると運動能力がより向上する。

“褒めて伸ばす”は本当だった

 運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、運動技能が高まることを、自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘教授や名古屋工業大学の田中悟志・テニュアトラック准教授、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授などの研究チームが証明した。米国科学誌「プロスワン」に発表した。
 
 研究チームは、右利きの成人の男女48人に、30秒間のうちにできるだけ速く、順番通りにキーボードを打つといった、連続的な指の動かし方を覚えてもらった。そのトレーニングの直後に48人を「自分の技能が褒められたグループ」「他人の技能が褒められるのを見たグループ」「自分の技能の成績グラフだけを見せられたグループ」に分けた。翌日に、覚えた技能を披露するテスト(30秒間のうちにある順番で何回打てるか)を行ったところ、自分が褒められたグループの成績(回数)は20.0%伸びた。他人が褒められたグループの伸びは14.4%、自分の成績を見たグループの伸びは13.1%にとどまった。

 定藤教授は「褒められることは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だ。この社会的報酬を得ることで、運動技能の取得がより上手に促されることを証明した。“褒めて伸ばす”ことの科学的な妥当性を示すものであり、教育やリハビリテーションにおいて、より効果的な“褒め”の方略につながる可能性がある」と話している。



 運動機能にもこういうのってあるんですね。指導者的立場の人は、厳しく指導するときはして、うまくいったときにはしっかりと褒める、ということが求められそうです。鬼教官であればいいというわけではないのですねぇ。
posted by さじ at 05:45 | Comment(0) | 脳神

やる気スイッチは、腹側淡蒼球にあった。

“やる気スイッチ”は大脳の一部位にあった

 行動や運動における“やる気”は、予測される報酬の量に影響されるという。その予測に、大脳基底核の「腹側淡蒼球」という部位の神経細胞が関わっていることが、自然科学研究機構・生理学研究所の橘吉寿助教と米国NIH(国立衛生研究所)の彦坂興秀博士らのサルを使った研究で分かった。

 哺乳類の大脳基底核は運動調節や認知機能、感情、学習、動機づけといった、さまざまな機能に関わっているといわれる。研究チームは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる腹側淡蒼球に注目した。研究論文が、米国神経科学誌「NEURON」に掲載された。

 アカゲザルに、特定の合図のあと、モニター画面の図形が動く方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュース(報酬)をもらえるようにトレーニングした。そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録し分析したところ、腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図を受けてジュースをもらえるまで、神経活動が持続することを発見した。

 図形の位置によって、もらえるジュースの量を変えると、ジュースの量が多いほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなった。薬物によって一時的に腹側淡蒼球の働きを抑えてやると、目のスピードはジュースの量に影響を受けなくなったという。

 これらの結果から、腹側淡蒼球が、“報酬”を予測し“やる気”を制御する脳部位の一つであることが分かった。教育やリハビリテーションなどでは、“やる気”が学習意欲やその習熟度を高めるといわれる。橘助教は「今回の研究により、“報酬”に基づく学習プロセスの理解が進むことが期待される」と話している。



 ナルホド…。何か報酬を決めてそれを目指して勉強するというのは、あまりやりたくない勉強を行う上での常套手段ですが、それを脳の領域から解明した形。

 だからといって親がゲームを買い与えるから勉強しろとかいうと、失敗例が非常に多いのでまだまだ難しいところではありますねぇ。子供のうちは、楽しく勉強できるようにするべきで、大人というか高校生とか大学生ぐらいになったときに、「自分で」報酬系を活性化させる工夫があると、うまく成長できるのかもしれません。

腹側淡蒼球関連:
医学処:ヒトが高収入を求めるのは、本能によるもの。
医学処:ハンチントン病の進行に関与する因子を発見する。
posted by さじ at 05:25 | Comment(0) | 脳神

将棋などの直感能力は訓練する事で能力向上が見込める。

直観能力はやはり訓練で向上

 将棋や囲碁の棋士の強さの秘密と考えられている優れた直観能力は、脳の尾状核の活動の強さにあり、かつ訓練によって強まることが、理化学研究所などの研究チームにとって確かめられた。

 同研究所脳科学総合研究所の田中啓治・認知機能表現研究チームリーダーらは、伊藤毅志・電気通信大学大学院情報理工学研究科助教、富士通、富士通研究所、日本将棋連盟と共同で、将棋棋士の脳の神経回路の情報処理メカニズムを調べ、人間に特有の直感思考の仕組みを解明する研究プロジェクトを5年前から進めている。

 研究は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で棋士の脳の活動を観察する手法を用いた。これまでに、プロ棋士が持つ優れた直観的思考能力の基礎は尾状核を含む神経回路の利用にあることを突き止めている。

 今回は、将棋の経験がない男性20人(22〜24歳)に、将棋を簡略化した「5五将棋」を4カ月間にわたってコンピュータープログラムを相手に毎日、指してもらった。さらに次の一手を考え出す直観的思考に関わる脳活動を調べるために、5五将棋の詰め将棋問題も与えた。

 この結果、訓練初期、直観的思考課題に取り組んでいる時には、前頭前野背外側部を含む大脳皮質のいくつかの場所が活動することが分かった。これらの活動の分布と強さはその後もほとんど変わらない。しかし、訓練を積むにつれて尾状核の活動が現れ、その神経活動の強さは、直観的思考課題に対する正答率の上昇に応じて高まることが分かった



 1年ほど前にこれに関連した講演会を聞いて、ブログに載せようとしたんですけどなんか忘れてしまいました。笑

関連:
医学処:プロ棋士の脳がどのようになっているのかを解明するプロジェクト

 あれからもう5年か。

 これはいわゆる速読に使う領域とも似通っているような気がしますね。鍛えれば伸びるというのが証明された形か。
posted by さじ at 05:17 | Comment(0) | 脳神

2012年12月02日

脳深部の細胞活動を可視化して観察できる極微細内視鏡を開発する。

東北大など、脳深部の細胞活動を可視化できる極微細内視鏡を開発
 
 東北大学は11月30日、脳機能イメージングが可能な極微細内視鏡を開発したことを発表した。同内視鏡は、保護金属管を含めて直径450μmながら、1万画素を実現しており、単一細胞の発する微弱な光を観察することができるため細胞レベルで神経活動のイメージングが可能であり、脳機能イメージングだけでなく、がん細胞の可視化など臨床への応用も期待できるという。

 近年、神経科学研究のための様々な光学的機能分子プローブが開発され、in vivo(生体内)で使える新たな光学計測技術の開発が期待されていた。今回開発された微細内視鏡は東洋ガラスが開発した直径350μmの屈折率分布型マイクロレンズ「SILICAGRIN」と、フジクラ製のフレキシブルな直径350μm、1万画素のイメージファイバで構成されており、これらを融着させることで、光の透過率が高く、高解像度かつ保護用の金属管を含めても外径450μmを実現。

 使い方としては、既存の光学顕微鏡と結合させる形となるが、その結合の効率を最大限に追及した結果、30fpsの速度で、細胞の発する微弱な蛍光変化を捉えることが可能であり、細胞レベルでの機能イメージングに使用することができるという。

 また、従来の開発されていた内視鏡では、顕微鏡の接合あるいは光学系の構築に専門知識・技術が必要なものがほとんどであったが、今回の極微細内視鏡では専門的な知識・技術をほとんど必要とせずに扱うことが可能だという。

 なお、研究グループでは、近年、がん細胞特異的に蛍光色素を取り込ませる技術が進んできており、同極微細内視鏡を用いることで、単一細胞レベルでがん細胞を可視化することが可能であると考えられ、臨床応用も期待されるとするほか、工業的には非破壊検査などにも役立てることが可能であるため、その応用範囲は極めて広いものと考えらえるとコメントしている



 何でもありなぐらい凄いですな。脳という未知の領域がこんなに分かるようになってしまうっていうのも不思議なことではありますが。観てないんで全然イメージがつかないぐらい、ミクロなレベルの話なんでしょう。
posted by さじ at 06:00 | Comment(0) | 脳神

2012年10月22日

多発性硬化症の筋肉硬直にテトラヒドロカンナビノールが効果あり

大麻で多発性硬化症の症状が軽減、米研究

 多発性硬化症の患者の筋肉硬直の治療に大麻抽出物を使用すると、硬直が軽減されるとの研究結果が、9日の専門誌「神経学・神経外科学・精神医学ジャーナル(Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry)」に発表された。

 英国人患者約280人を対象に12週間にわたって行われた大麻を使用した治験の最終段階では、患者は2グループに分けられ、一方には偽薬が、もう一方には大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノールの錠剤が毎日与えられた。量は最初は2.5ミリグラムから始めて25ミリグラムまで2週間をかけて徐々に増やしていった。

 治験の最後に、筋肉のけいれんについて患者に質問したところ、軽減したと答えた人は偽薬のグループでは15.7%だったが、テトラヒドロカンナビノールを与えられたグループでは29.4%だった。またテトラヒドロカンナビノールのグループでは、睡眠の質が向上したという回答も報告された。一方、神経系や胃腸の障害が副作用として報告されたが、いずれも深刻ではなかった。

 多発性硬化症では、患者の最大90%が痛みの伴う筋肉の硬直を訴える。硬直が原因で寝不足や体の動きの障害を訴える人も多い。



 多発性硬化症は再発するとかなりしんどい病気です。この辛さがとれるなら、医療用の成分の開発と承認が早めに求められますね。ちゃんと規制して使えば良いはずで。多発性硬化症なら、診断もしっかりできるでしょうし、悪用される心配もないですし。
posted by さじ at 01:48 | Comment(0) | 脳神

2012年10月16日

神経幹細胞の分化に役立つncRNA(非コードRNA)を東大が発見する

神経幹細胞の分化にはこれまで役割不明だったncRNAが重要 - 東大が発見

 東京大学は、胎生期における「神経幹細胞」のニューロン分化に中心的な役割を果たす遺伝子「Neurog1」の発現調節に、「非コードRNA(ncRNA)」が決定的な働きをしていることを示したと発表した。

 成果は、東大 分子細胞生物学研究所の後藤由季子教授、同・小野口真広学術支援職員らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、10月1日付けで米国科学雑誌「米科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。

 ほ乳類の大脳は、さまざまなタイプのニューロンが脳の決められた領域に配置され、互いにネットワークを形成することにより高度な機能を発揮する。これらのニューロンは、胎生期に神経幹細胞が適切に分化することで産生されていく。

 「Neurog1」は神経幹細胞がニューロンに分化する際の決定因子の1つとして知られており、Neurog1の発現がONになることが、ニューロン分化に重要だ。したがって、Neurog1の発現がどのように制御されているのかを解明することが、神経幹細胞がニューロンを生み出し、脳を構築していく過程を理解する上で重要であると考えられる。

 遺伝子の発現制御には、DNA配列上に存在する「エンハンサー」と呼ばれる制御領域が重要な役割を果たす。一般的にエンハンサーは、転写因子などの遺伝子の発現を調節するタンパク質が結合する足場となる領域であると考えられている。

 今回の研究では、エンハンサー領域のDNAの塩基配列の特徴に注目し、この領域から新規の非コードRNA(ncRNA)が転写されていることを発見した形だ。この非コードRNAは「utNgn1」と名付けられた。

 utNgn1の発現を胎生期のマウスの脳で詳しく調べると、utNgn1はNeurog1の発現パターンと高い相関を示すことがわかり、神経幹細胞がニューロンに分化する際に発現が上昇することが判明。

 重要なことに、utNgn1の働きを阻害すると、Neurog1の発現が減少することがわかった。これらの結果から、utNgn1はNeurog1の発現を正に制御する新たな制御因子であると考えられたのである。



 細かい因子が分かることで、あと数十年後、どれだけ神経領域で進歩していくんでしょうかねー。発症前から神経難病を克服できたりとかもするようになるのかもしれませんね。
posted by さじ at 01:59 | Comment(0) | 脳神

2012年10月09日

もやもや病の専門外来を国立循環器センターに開設する。

珍しい「モヤモヤ病」の専門外来を設置へ 国立循環器センター

 大阪府吹田市の国立循環器病研究センターは24日、脳内の細い血管が異常に増える難病「モヤモヤ病」の専門外来を設置すると発表した。開設は10月1日付で、診察日は毎週水曜日。センターによると、モヤモヤ病の専門外来設置は全国的にも珍しい。

 センターの中川原譲二・脳卒中統合イメージングセンター部長は「脳ドックでモヤモヤ病が見つかる例が増えており、患者の受け皿になるようにしたい。患者を長期的にフォローして社会的支援にもつなげたい」としている。

 モヤモヤ病は、脳の太い動脈が細くなったり詰まったりしたために起きる。脳血管の造影検査をすると、増加した血管がもやもやと“煙”のように見えることから名付けられた。

 子供から大人まで幅広い年代で発症し、国内の推定患者数は約7500人。日本人に多いが原因ははっきりせず、意識障害や脳出血が起き、重症の場合は死に至ることもある。



 もやもや病。英語でもモヤモヤ。しっかりした検査を行うことで、発見されることが増えてきてるんでしょうか。専門外来があると患者も専門機関に集中できて安心ですね。
posted by さじ at 06:00 | Comment(0) | 脳神

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの画期的治療薬エテプリルセンとは

難病・筋ジス治療に光 新薬治験で歩行能力改善

 筋力が衰えて歩けなくなったり、心不全や呼吸不全のために20代で死亡したりすることが多い進行性の難病、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬ができそうだ。米サレプタ社が米国で行った新薬の小規模臨床試験で、患者の歩行能力の改善などが確認された。

 この病気は、筋肉を作るジストロフィンというたんぱく質が体内で合成されず、筋肉が壊れることで起きる。ジストロフィンの設計図に当たる遺伝子に変異があるためで、根本的な治療法は見つかっていない。

 だが遺伝子の変異部分を読み飛ばす(無視する)作用を持つ薬ができれば、正常に近いジストロフィンの合成が期待される。このアイデアは「エクソン・スキップ」と呼ばれ、今回の新薬エテプリルセンも、これに基づいて開発された。



 こんな凄いことが投薬で何とかなってしまうってのが凄い…医療の進歩って目覚ましいですね。この読み飛ばしの技術使えば神経変性疾患だいたい良くなっちゃうんじゃなかろうか。多岐にわたって活躍しそうだわ。
posted by さじ at 02:00 | Comment(0) | 脳神

2012年09月09日

みかんの皮のヘプタメトキシフラボンが脳梗塞を予防する。

ミカン皮が脳神経守る 松山大、脳梗塞治療に期待

 ミカンなどかんきつ類の皮に含まれる有機化合物に、脳の神経細胞を守るタンパク質を増やす働きがあることを松山大薬学部のチームが8日までにマウスで突き止めた。

 脳梗塞で起きる脳神経の機能障害を遅らせる治療薬の開発につながる可能性があり、チームの古川美子教授(神経化学)は「愛媛県特産のミカンに見つかった新しい力を役立てたい」と話している。成果は9月中にも国際学術誌ニューロサイエンス・レターズに掲載される予定という。

 この有機化合物はヘプタメトキシフラボン。チームはこれをマウスに投与、神経細胞が傷つくのを防ぐタンパク質が、約3・5倍増えた。



 おっ、ご当地モノだね。

 しかし皮か。皮。うーむ。

 あのー、マーマレードっての?あれ、ダメなんですわ。なんかこう、甘いし、甘酸っぱいっつーより甘くて苦いみたいな感じで、あまりパンに塗りたくない。

 でも脳梗塞は予防するという。ぬぬう。みかんの皮を押すとあの目に入ってウッてなる遊び、小学生の頃よくやりましたよね?あの成分だけで何とかならんか。
posted by さじ at 02:23 | Comment(0) | 脳神

2012年08月25日

寝不足な状態だと脳が不快なものに反応しやすくなりイライラする。

寝不足の脳は不快なものに反応、抑制利きにくい

 寝不足で不安になったりイライラしたりするのは、脳が不快なものに反応しやすくなる一方、抑制が利きにくくなるのが原因であることを国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長らが突き止めた。

 研究チームは、20〜31歳の男性14人に、1日4時間と8時間の睡眠を5日間続けてもらい、それぞれの最終日に脳の活動を機能的磁気共鳴画像装置で調べた。

 恐怖の表情の画像を見せると、4時間睡眠で寝不足の時は、不安や緊張などに反応する脳の扁桃体という部分の活動が8時間睡眠時に比べて活発になった。幸せな表情の画像を見せた場合には違いはなかった。

 また、寝不足時には扁桃体の働きを調節する大脳の皮質の活動が扁桃体と同調せず、抑制が利きにくいことがわかった。抑制が利きにくくなる人ほど、心理テストで不安・緊張や混乱の度合いが高かった。



 へぇ。なるほど。確かに、という感じはする。抑制がきかない感じはしますね。

 しかし寝不足でも動ける人っつーのは何でいるのか不思議ですね。徹夜できないタイプなんである意味尊敬しますけれど、うまく抑制かけてるんですかね。
posted by さじ at 01:36 | Comment(4) | 脳神

2012年08月22日

オリゴデンドロサイトを再生して能の白質傷害を改善する。

脳障害:たんぱく質投与で改善 名市大院がマウス実験

 「オリゴデンドロサイト」という脳の細胞を再生し、脳の白質傷害の改善につなげることに、名古屋市立大大学院の沢本和延教授(再生医学)らの研究チームがマウス実験で成功した。新生児の脳障害の治療への応用が期待されるという。研究成果は米科学誌「ステム・セルズ」電子版に近く掲載される。

 沢本教授によると、脳内の神経の線維が集まる白質という部位にあるオリゴデンドロサイトが傷つくと、歩行困難などを起こすことが知られている

 研究チームは、生後5日のマウス10匹を使い、脳を流れる血液を減らして低酸素状態のプラスチック箱に入れ、白質傷害の状態にした。5匹には、細胞成熟効果があるたんぱく質「アシアロエリスロポエチン」を投与し、残りの5匹は投与せずに比較した。

 すると約2週間後、投与されたマウスは、再生されたオリゴデンドロサイトが、投与されないマウスの約3倍になった。約1カ月後には歩行機能も正常な状態に近づいたという。



 神経細胞を短時間で再生出来るというところが凄いね。神経内科的ジャンルは本当にあと何十年かで全部よくなっちゃうんじゃないかと思うぐらい。
posted by さじ at 17:23 | Comment(3) | 脳神

2012年03月19日

薬の効かない慢性とう痛はTRPM2というたんぱく質が関与しているかも

薬が効かない慢性痛、関与のたんぱく質発見 京大

 鎮痛薬がほとんど効かない慢性の痛みに関わるたんぱく質を、京都大のグループが突き止めた。これを手がかりに、新しい痛み止めを開発できる可能性がある。16日、発表した。

 がんなどの病気や、けがに伴って神経に異常が起きた場合、アスピリンやモルヒネといった通常の鎮痛剤がほとんど効かず、けがが治っても痛みが長期間続くことがある。

 京大の中川貴之准教授(薬理学)らは、神経が障害を受けたときに働く免疫細胞に注目し、この細胞にたくさんあるたんぱく質「TRPM2」をもたないマウスをつくった。

 すると、このマウスは通常の痛みにはほかのマウスと同様に反応したが、神経に異常があるときに起きる痛みには平気だった。



 原因不明だけど何か痛いっていう線維筋痛症っていう疾患にも効くんでしょうか。もしかするとこのたんぱく質の異常によるもの?痛みってのは本人にしか分からないながらも、その人の生活の質に大幅に影響しますからね。
posted by さじ at 01:01 | Comment(0) | 脳神

2012年03月11日

線虫から切れた神経細胞を再生させるたんぱく質を発見する

神経が切断されたときに再生するたんぱく質

 切れた神経細胞を再生させる働きのあるタンパク質を、名古屋大大学院理学研究科の松本邦弘教授(生体調節論)や久本直毅准教授(同)らのグループが、体長1、2ミリの線虫を使った実験で発見した。英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」の電子版に4日、発表した。

 ヒトでは、切断された神経細胞が再生する例は少ない。研究がさらに進めば、半身まひを引き起こす脊椎損傷で傷ついた神経細胞を再生させられる可能性がある。

 発見したタンパク質は神経細胞の外にあるタンパク質「SVH1」と内部にある「SVH2」の2種類。グループは遺伝子操作で線虫の体内で両タンパク質が多く合成されるように遺伝子操作して線虫の神経細胞を切断。その結果、通常の線虫の神経細胞は切断されたときに5%程度しか再生しないのに対し、遺伝子操作した線虫の神経細胞は40〜60%が再生した。

 さらに、両タンパク質が再生にどう作用しているか分析。細胞外にあるSVH1が細胞膜上にあるSVH2に結合して信号を送り、再生が進むことが分かった。2つに似たタンパク質はヒトの体内にも存在するが、ヒトでは量が少ないため、再生能力が低いと考えられている。

 久本准教授は「外部からタンパク質を投与すれば、神経の再生を進められる可能性がある。人への応用も可能になるかもしれない」と話している。



 このたんぱく質うまいこと増やしてさ、iPS細胞か何かで応用してさ、脊髄損傷のある人にすぐ使ってさ。どうだい、神経が復活したら。多分神経内科領域の病気の多くが治っちゃうぜ。

 どうだい夢が広がるだろう。みんな神経内科医になって研究してみたらどうだい。これからの人生めちゃくちゃ面白いと思うんだけどな。
posted by さじ at 04:24 | Comment(1) | 脳神

2011年12月05日

サッカーのヘディングが記憶や視覚を担う脳に損傷を与える

サッカーのヘディング:脳損傷につながる恐れ、記憶力に影響も−調査

 サッカーで得点を狙ったりパスしたりする際のヘディングを成人のアマチュア選手が長期にわたって行うと、記憶力に影響を及ぼし得る脳損傷につながる可能性のあることが研究者らの調査で明らかになった

 北米放射線学会がシカゴで開催する年次会議で29日発表された調査結果によると、サッカーボールを頭で打つヘディングを年間1300回以上、1日当たり数回行った人は、注意や記憶、計画、体系化、視覚をつかさどる脳の領域に損傷を受ける可能性が高まった

  米国の各州やスポーツ組織が安全性向上に向けた規則の策定を進める中、スポーツ活動で受ける脳損傷への関心が高まっている。調査によると、レクリエーションでのプレー中のサッカーボールの時速は最高55キロメートルで、プロのゲームではその2倍以上に達する可能性がある。リポートの主執筆者、マイケル・リプトン氏は、どの程度ヘディングを行うと脳損傷を受ける可能性があるかに関する研究が次の段階として必要になると述べた。



 当然と言えば当然ですかね。頭って結構大事なところなのに、あんなボールがバンバン当たっていいはずがないというか。プロ選手は、プロなんで、それで飯食っていくのでまぁいいんでしょうけれども。研究職の人とか、思考力とかそういうのを大事にする職の人、そういう職につく可能性のある人は、リスクはできるだけ避ける方向のほうがいいような気もしますね。まぁあまりそのー、そんなに激しくなければ大丈夫なんでしょうけれども。
posted by さじ at 01:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

2011年11月26日

植物状態の患者に脳波検査をすることで意識を把握することができるかも

「植物状態」でも意識あり、脳波で意思伝達可能に カナダ研究

 脳波を検査すれば、実際には意識があるのに永続的な植物状態にあると誤診するケースを防げるとする論文が、10日の英医学誌「ランセット(Lancet)」に発表された。携帯可能で安価な診断手法や、意識のある患者と意思疎通を可能にする技術の開発に期待がかかる。

「昏睡状態」が意識がなく覚醒してもいない状態を指すのに対し、「持続的あるいは永続的な植物状態」は「自己や環境についての意識はないが覚醒した状態」と定義されている。この「持続的な植物状態」は、脳死と異なり法律上は人の死と認められていない。

 カナダ・ウエスタンオンタリオ大学の研究チームは、脳を損傷して植物状態になった患者16人と、健康な対照群12人の頭皮に脳波を測定するセンサーを装着し、脳活動に起因する電気信号を記録した。

 自分の右手と左右のつま先を動かす場面を想像してみてくださいと告げたところ、患者16人のうち3人に、正確かつ持続的にはっきりとした脳波が検出された。実際には動かすことはできなかったものの、体の部位を動かすよう指示された時の頭頂部の電気信号は、制御信号と完全に一致していた。

 論文は、この実験だけでこれら3人の患者の「内面世界」に関する結論を導き出すことはできないとしながらも、指示を理解し脳内で処理する作業は持続的な注意力を要し、正しい答えを選択し言語を理解するなど、複雑だと付記した。

 この脳波検査に基づく診断手法は、脳内の血流を監視し植物状態の患者の意識を探る実験にも用いられてきた機能的磁気共鳴画像法(fMRI)ほど高感度ではないと考えられている。だが、fMRIスキャナーは極めて高価なうえ、交通事故で脳を激しく損傷した場合など体内に金属が入った患者には使用できない。

 ウエスタンオンタリオ大の研究者らは脳波診断について、安価で携帯可能なため広く活用でき、客観的な結果が示される手法だと話している。診断の精度を向上させ、全身が麻痺していても意識のある患者と意思疎通を図ることも可能になるかもしれないという。

 心的イメージの差異をリアルタイムで分類できるよう改良が進めば、単にイエスかノーかの回答にとどまらず、表現豊かな双方向のコミュニケーションが可能になるだろうと、論文は締めくくっている。



 記事でも触れられていますが脳死と植物人間は全く違います。

 脳波検査は、熟練した脳神経外科医、神経内科医、精神科医でないとなかなか正確な判断がつかない特殊な検査です。微妙なところを読み取る能力のある医者が行えば、記事にあるように「判断」できるのかもしれませんね
posted by さじ at 21:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

2011年11月07日

20歳未満の夜勤で多発性硬化症のリスクが増大する。

10代の夜勤で多発性硬化症リスク増大、スウェーデン研究

 ティーンエージャーにとって夜勤は疲れるだけでなく、のちに多発性硬化症(MS)を発症する危険性も増大するとした研究結果が、19日の医学誌「Annals of Neurology(神経学紀要)」に発表された。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所のチームは、同国で行われた2つの研究のデータを細かく分析した。1つ目は2004年以降にMSと診断された患者1343人とMSではない対象群2900人を比較したもの、2つ目はMSの既往症がある5129人と対象群4509人を比較したものだ。対象者の年齢は16〜70歳で、仕事生活と夜勤の有無に関するアンケートに全員が回答した。

 研究チームが夜勤(午後9時から午前7時までのいずれかの時間帯)の経験がある人とない人でMSの発症率を比較してみたところ、どちらの研究でも、20歳未満での夜勤経験が長い人のMS発症リスクは夜勤を一度もしたことがない人の2倍だった

 研究チームは、夜勤により概日リズムが狂い、睡眠時間も減ったことがMSの発症に起因している可能性を指摘する。実際、体内時計の乱れと睡眠の質低下が免疫系に悪影響を及ぼすことは示されているという

 研究チームが驚いているのは、MSの発症と何らかの関連性があると見られるのが「20歳未満での夜勤」だけだったことだ。研究を率いたAnna Hedstroem氏によると、「若い時の肥満のみがMSリスクを増大させ、大人になってからの肥満は影響しない」ことを示した研究もあるという。

 MSは、免疫系が神経繊維の保護膜である脂肪質のミエリンを攻撃することで発症する。この結果、神経信号は迷子になったり遅れたり途切れたりし、筋肉の協調、体の平衡、発話、視覚に障害が生じる。障害は病気の進行とともに重くなる。



 っつーことは、ですよ

 要するに女子高生時代とかに、夜更かしして遊びほうけているようなことはリスクが高いってことですかね。

 まぁ10代の女性にとって睡眠ってホント大事だと思いますし、みんなちゃんと寝ましょうね。

 日本では20歳未満の夜勤ってそんなないかなーと思ったけど、コンビニとかマックのバイトとかで結構あるか。難しいところですなぁ。もちろんリスクがあるってだけで何とも言えないですけど、多発性硬化症はなってしまうと本当につらい病気だと思うんで、リスクは最小限にしてほしいところですかね。
posted by さじ at 02:10 | Comment(1) | TrackBack(0) | 脳神

多発性硬化症と視神経脊髄炎を脳脊髄液で鑑別する

多発性硬化症と視神経脊髄炎を脳脊髄液で鑑別する

 症状が似ていて誤診率も高い神経難病の「多発性硬化症(MS)」と「視神経脊髄炎(NMO)」を、脳脊髄液の分析によって正確に区別する方法を、京都大の近藤誉之臨床教授と京都府立医大の池川雅哉准教授らが開発した。

 二つの病気の確定診断に使える成果で、米医学誌に発表した。

 MSとNMOは、脊髄などの神経に炎症が起きて手足が動きにくくなったり、目が見えにくくなったりする病気で、MSは国内で1万人、NMOは3000人の患者がいるとされる。MSは症状で病名を確定。NMOは血液中の特定のたんぱく質による診断も可能だが、患者の3割はこのたんぱく質を持っておらず、確定診断が難しい。国内外の統計では、二つの病気の誤診率は30%前後と高く、NMOの患者にMSの治療薬であるインターフェロンβを投与すると、症状が悪化する場合もあるという。



 神経内科領域の疾患は、記事にもありますように、症状がまず重要な鑑別ポイントになります。で、これっぽいなーと疑ってから、各種検査(脊髄液を調べる、MRIをとるなど)を行います。

 多発性硬化症はメジャーな疾患ですし非常に特徴的なのでこれで分かるんですけれども、視神経脊髄症はレアなのでなかなか。そこで新しい鑑別法をということですね。期待したいところ。

 神経内科領域だけでなくても、疾患の診断がついていないことなんてザラです。これっぽいなーと疑っても、特徴的な所見が得られなかったりすると、「確定」することはできませんからね。手探りです、未だに。
posted by さじ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神
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