[移植]の記事一覧

2007年08月25日

再生医療が商業化の段階に入り、培養皮膚の製造販売が承認される。

「培養皮膚」の製造販売を承認 再生医療、初の商業化

 厚生労働省の医療機器・体外診断薬部会は23日、愛知県の企業が申請していた「培養皮膚」の製造販売を承認した。重症やけど患者自身の組織から作った皮膚のシートで、患部に移植して治療する。病気やけがで失った体の一部を再生させる目的でヒト細胞や組織を使った製品が国内で承認されるのは初めて。再生医療が国内でも商業化の段階に入った

 申請していたのは、ベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(J―TEC)。9月末にも開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会を経て、正式に承認される。

 培養するのは、皮膚の一番外側の「表皮」と呼ばれる部分。損傷していない皮膚組織を1平方センチほど採取して表皮細胞を分離し、マウスの細胞を加えてウシの胎児血清で培養する。約3週間で、8×10センチの表皮シートが十数枚できる。これを病院に出荷し、医師が患部に移植する。

 重症やけど患者は、全国で年間4000〜5000人ほど。やけどが大きい場合は自分や家族の皮膚などを移植することが多いが、自分の皮膚は足りなかったり、他人の皮膚だと拒絶反応が起きたりする問題がある。

 培養皮膚はこれらをクリアでき、3日〜1週間で自分の皮膚として生着するという。J―TECは皮膚の培養のほか、出荷検査、輸送までを請け負う。販売価格は現時点で1000万円ほどの見込みで、今後、公的医療保険適用の申請を行う。

 同社は99年、名古屋大の技術協力などを得て設立。培養皮膚は02年から国内2施設で臨床試験を行い、04年10月に製造販売を承認申請していた。

 再生医療は90年代後半からベンチャー企業などが製品開発に取り組んできた。しかし、脳外科手術でヒト乾燥硬膜の移植を受けた人がクロイツフェルト・ヤコブ病に感染する被害が社会問題化したことなどから、厚生省(当時)は00年に規制を強化。審査や安全性の確認に時間がかかるようになった。培養皮膚以外では現在、2製品が臨床試験の段階まで進んでいる。



 これは売れるでしょう。必要な領域の代物ですからね。ですがやはり値段が。こういうものこそ保険適用されるべきなんですけどねぇ。日本は慎重派なので何とも。

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2007年08月06日

世界初、ドナー1人から取り出した肺で生体肺移植を成功させる。

ドナー1人で生体肺移植…成人間で世界初

 福岡大病院(福岡市)は3日、閉塞性肺疾患で呼吸不全に陥った女性(30)に夫(32)の右肺の一部を移植する生体肺移植を実施したと発表した。

 2人とも容体は安定している。同大によると、生体肺移植は国内で50例以上報告されているが、成人間で1人の臓器提供者からひとつの肺を移植したのは世界初という

 同大によると、女性は約2週間前に入院したが、呼吸不全で酸素吸入が欠かせない状態となった。肺移植を行わなければ、長く生きられないため、夫の右肺の約2分の1を摘出し、2日に妻に移植した。



 どのくらいの量の呼吸量があれば呼吸不全にならずにすむか、という数値をあらかじめ算出しておきます。普通の生体肺移植ですと、1人の人間から少しもらって、別の人間から少しもらって、呼吸不全にならないようまかないますが、今回は1人からとった肺だけで行ったということです。ここが世界初の偉業。

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2007年08月03日

心臓移植認定取り消しの埼玉医大、再申請も認められなかった。

心臓移植認定取り消しの埼玉医大、再申請認められず

 埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)が4月に心臓移植の認定を取り消された問題で、9医学会でつくる「心臓移植関連学会協議会」は31日、同大の新しい移植チームに実績がないことなどを理由に「再認定できない」と同大に通知した。同大で移植を待っていた患者約20人は近く全員が転院する見通し

 同大は、心臓移植を実施する心臓病センターを4月に新設した同大国際医療センター(同県日高市)に移転。その届けを協議会に出していなかったとして認定を取り消された。5月に再申請したが、過去に心臓移植3例を行った移植チームのメンバーの大半が変わっていることなどから、協議会は「継続性に問題がある」と判断したという。



 前記事はこちら。

 医学処:埼玉医大病院が心臓移植実施施設の認定を取り消される

 しかしまぁ、結局、転院させることに?心臓移植を待っている、重度の病気の患者20人を?一体何を優先させているというのでしょう。実績、ねぇ。じゃあどうすれば認可してくれるのでしょうか。上層部を納得させるための肩書きが必要ということ?

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2007年07月16日

フィリピンで腎臓移植を行った40代の男性がインタビューに応じる

「腎移植、日本で無理だった」比で手術した男性証言

 フィリピンの臓器移植施設で腎臓提供者に謝礼を支払い、7月上旬に移植手術を受けた大阪府の40代の男性が、マニラ首都圏の療養先で本紙の取材に応じ、「国内での移植が無理だったため、海外へ出ざるを得なかった」と述べた。

 比政府は、ドナーへの謝礼を前提とした臓器売買を事実上公認する制度を検討しており、男性は「国内で移植ができないなら、海外で安心して移植を受けられる道筋を国がつけてほしい」と訴えた。

 男性は1年半前、腎不全で腹膜透析を始めたが、透析液の管理などで生活に支障が出たため、移植を決意。実母から腎臓提供を受ける話もあったが、医師に「母親も10年以内に透析が必要になる」と言われて断念したという。

 関係者によると、男性が比国内で支払ったのは約800万円。フィリピンでは近年、患者が支援団体を通じて、ドナーに生活支援金を渡す仕組みが広まっており、男性の場合も、紹介業者が契約したドナー支援団体経由で、提供者に生活支援費が届けられるという。日本の臓器移植法は、内外問わず臓器提供への「対価」の支払いを禁じているが、関係者は「臓器売買との認識で海外で移植する患者はいない」と反論している。



 お金持ち大国日本が、フィリピン人の臓器を金で買っているわけです、要するに。たとえフィリピン側が公認していても同じ話ですわ。

 日本の臓器移植が進まないためにこのような事態になっているわけですが、いいんでしょうかね、果たしてこれで。フィリピン人にしてみればそりゃ面白くないでしょう。むこうにだって腎臓の病気で臓器移植を必要としている人がいるにもかかわらず、日本人が金で横取りするわけです。それはアメリカやドイツの心臓移植でも同じこと。

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2007年07月12日

生体肝腎同時移植をうけた4歳女児が、術後の合併症で死亡していた。

生体肝腎同時移植、4歳女児死亡

 国立成育医療センター(東京)で国内初の生体肝腎同時移植を受けた4歳女児が先月28日、手術後の合併症で死亡していたことがわかった。詳しい病名や経緯などは遺族の意向で明らかにされていない。

 女児は今年5月18日、血液型の異なる父親から右腎と肝臓の一部を提供され、移植手術は約14時間に及んだ。手術自体は無事終了し、父親は先月5日に退院したものの、女児は集中治療室で闘病を続けていた。

 女児は腎臓内部に分泌物がたまった袋が生じる「多発性嚢胞腎」で生後9か月までに両腎を摘出。さらに、肝臓の病気で敗血症を繰り返していた。肝臓と腎臓を別々に移植すると、免疫抑制剤の影響で感染症にかかる危険性が高まるため、同センターは両親の強い希望と院内倫理委員会の承認を得て、同時移植を実施した。



 こちらのニュースの続き、ですが、大変残念なニュースです。

医学処:国内初の、血液型の異なる生体肝腎同時移植が成功。

 ちなみに常染色体優性多発性嚢胞腎とは、両方の腎臓に多数の嚢胞がびまん性にできる疾患で、進行性の腎不全を来たします。胎児期から嚢胞は存在しているのですが、発症するのは嚢胞が大きくなる成人以降です。症状としては腰背部痛、腹部膨満感、血尿などです。

 これに対して、常染色体劣性多発性嚢胞腎というものがあります。こちらは常染色体優性のものと比べると頻度ははるかに低いのですが、腎臓の腫大や、肝腫大(肝臓にも嚢胞ができるため)が乳児期に出現します。つまり生後数ヶ月で腎不全状態となってしまい、このままでは多くが乳児期の段階で死んでしまいます。

 その治療としての、生体肝腎同時移植なのです。手術そのものは成功、ということですが…合併症…悔やまれますね。この女児のご冥福を祈るとともに、国立成育医療センターでは次の生体肝腎同時移植を成功させるべく頑張ってほしいと思います。
posted by さじ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2007年07月09日

生体肝移植のドナーの3.5%は、術後に重い合併症を来たしている。

生体肝ドナー 3.5%が重い合併症

 国内で行われた生体肝移植で、提供者(ドナー)の30人に1人が手術により重い合併症にかかっていたことが、日本肝移植研究会の調査で6日、わかった。国内で実施される肝移植の9割以上を占める生体移植の提供者に大きなリスクがあることが、統計的に初めて明らかになった。

 調査したのは、同研究会のドナー安全対策委員会(委員長=清沢研道・長野赤十字病院長)。2005年12月までに国内で行われた生体肝移植のうち、37施設3005例の症例を得た。

 このうち、〈1〉生死にかかわる可能性がある〈2〉再手術を要した――など五つの問題に該当する症例を「重い合併症」と見なして調べたところ、105人(3・5%)が該当した。内訳は、肝臓を切った部分から「胆汁が漏れる」(45人)が多く、ほかに「2リットル以上の出血」(24人)、「感染症」(8人)など。46人は再び開腹手術を受けた。

 国内では、2002年に京都大で手術を受けたドナーが肝不全で翌年死亡したほか、2005年には群馬大の手術でドナーが大量出血し、下半身不随になった。対策委は「生体肝移植には一定のリスクがある」と話している。



 結構リスクあるものですね。とはいえ3.5%か…。身内が助かるのならそのくらいの覚悟をして望むんでしょうけれど、健常者である「ドナー側」にこれだけの合併症が生じてしまうのはいささか問題かも。脳死臓器移植の良い点は、死者の臓器を用いることができるという点で、合併症などのリスクを考慮する必要がないからですよね。生きている正常な人を傷つけて臓器移植を行うなんて本当はやるべきではないんでしょうけれど、それでも脳死臓器移植がこれだけ進まない日本において、生体肝移植は重要視されている移植法です。

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2007年06月25日

オーストラリアでの病気腎移植、41例が成功し再発はなし。

病腎移植、豪で41例 がん患者から、再発なし

 オーストラリアの病院で、腎臓がん患者から摘出した腎臓の病変部分を切除し、第三者に移植する病腎移植を11年前から続け、既に計41例にのぼっていることが15日、分かった。早急に移植が必要な60歳以上などの腎不全患者のみを対象とし、これまで移植した腎臓からがんの再発が確認された例はなく、うち3人は他の病気で亡くなったという。担当医師は「移植せず透析を続ける場合より高い生存率で推移しており、臓器提供者(ドナー)不足が続く現状では有効な手段だ」とし、豪では他の2病院にも同じ試みが広がったという。

 日本で宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らが行った腎臓がん患者からの病腎移植と同じ試み。海外ではこのほか、米国シンシナティ大学で少なくとも11例のがんの病腎移植が行われたことが明らかになっている。

 がんの病腎移植を続けているのは、豪ブリスベーンにあるクイーンズランド大学のデビッド・ニコル教授と同僚医師ら。

 ニコル教授が泌尿器科と腎移植の責任者を務めるプリンセス・アレクサンドラ病院で、1996年5月に1例目を行って以後、今年に入ってからも既に9例行うなど、現時点で計41例にのぼっている。近くもう1例行う予定という。

 このうち初期の3例は死体腎で、腎がんのあったドナー3人から死後に腎臓を摘出し、病変の切除後3人に移植した。他の38例はすべて生体腎で、1〜3・5センチ大の腎がんが見つかり、全摘を希望した患者の腎臓から病変を切除し、第三者38人に移植した。

 移植対象の患者(レシピエント)は、移植を待つ腎不全患者の中でも死亡率が比較的高い60歳以上の人や、合併症のため将来の移植が危ぶまれる患者などに限定し、リスクを説明した上で患者に選択を委ねるという。

 ニコル教授らは全患者の追跡調査を続けており、41人中3人が他の病気で死去したが、他の38人の移植した腎臓に機能廃絶はなく、これまでのところ、がんの再発を確認した例はない、としている。

 ニコル教授は産経新聞の取材に「数字を見てもらえば、がん再発のリスクが小さいことが分かる。国内の別の2病院でも同じ移植が昨年と今年に1例ずつ行われ、経過は良好と聞いている」などと語った。



 腎臓移植を待つ患者がいて、腎臓移植を行うには絶望的な確率であることを知る。そして患者と世間との板ばさみにあいながらもなんとか患者を助けたいとして行った病気腎移植。日本だけでなくオーストラリアでも行われているようです。

 ポイントとなるのは、移植をしないと死んでしまうかもしれないほどリスクの高い患者に行っているということ。そして癌の再発などのリスクをしっかりと話していることです。癌再発の危険性があるからといって、患者を見殺しにしているのは医師としてどうなのか。切実に望む患者がいて、それに応えないのはある種の罪なのではないか、とすら思います。インフォームドコンセント、ムンテラを十二分に行った上での決断ならば、病気腎移植はアリだと思います。

関連:医学処 癌の疑いのある腎臓を移植した、勇気ある秋田大学医学部に拍手。
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2007年06月23日

臓器移植法改正案、ようやく衆議院で審議入り。

臓器移植法改正案、衆院で審議入り

 脳死移植の条件緩和などのため、自民、公明両党の議員が国会に提出した二つの臓器移植法改正案が20日、衆院厚生労働委員会で提案理由説明が行われ、審議入りした

 同委員会は小委員会を設置し、次期国会で実質的な審議を行う。



 やっと審議入り!!毎年毎年面倒くさがって審議すらしていないという無能っぷりと見せていましたが、さすがに諸外国での日本人臓器移植が増加しているために見逃せなくなったのでしょう。日本的といいますか…医療のレベルは世界有数にもかかわらず、医療体制を決めるのが国ですからねぇ…。そういった意味では医療後進国です、日本は。決して医療従事者のレベルが低いわけではないにもかかわらず。

 しっかり審議した上で、何が大切なのか、そしてどうすれば良くなるのかを話し合ってほしいと思います。

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2007年06月18日

角膜移植が50周年。しかし献眼数は20年前の1/7にまで減少している

角膜移植50年で活動計画 アイバンク協会発表

 財団法人日本アイバンク協会(東京都千代田区)は14日、アイバンクに登録した人の角膜を移植する手術が日本で最初に実施されてから今年で50年になったことを機に、不足している献眼登録者を増やすための活動計画を発表した

 今年度から3年間、全国の保健医療関係団体などに事業の説明を行う。各都道府県のアイバンクに死後の献眼を登録した人の数は、1983年度に最多の約7万9600人に上ったが、その後は減少傾向が続き、2006年度には約1万5700人になった



 何故20年も前のほうが献眼数が多いのでしょう。社会の退行なのか、それとも日本人が退行しているのか。

 時代の流れに逆らった数値ですね。お腹を開けて臓器を取り出すわけではありませんし、眼球を取り出した後は義眼による処置が施されるので見た目は何も変わりません。角膜を望む人はとても多く、何人もの人が待っている状態です。

 どうか死後、まだ生きている人に新しい光を与えるためにも、献眼にご協力下さい。近眼や老眼の方でも献眼することができます。

参考:日本アイバンク

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変形性股関節症の治療に使える、ひざ軟骨の人工培養に成功。

ひざ軟骨の人工培養技術、東大など開発 再生医療に期待

 従来は難しかったひざ軟骨の人工培養技術を、東京大学などが開発した。体内と同じ高圧環境下で培養するもので、国内で3000万人とも言われる変形性ひざ関節症の患者などへの再生医療に道を開くと期待される。米専門誌「ティッシュ・エンジニアリング」に発表された。

 東大では軟骨がすり減るため、ひざが痛み、歩行や階段昇降が困難になる変形性ひざ関節症の患者を3000万人と推計している。

 一部の患者には、ひざから採取した健康な軟骨細胞を培養した後、患部に注入する治療が試みられているが、培養中に病的なたんぱく質を持つ異常細胞ができる問題があった。

 東京大学大学院工学系研究科の牛田多加志教授は、関節内で体液の入った袋に包まれた軟骨には、歩行時に約50気圧の圧力がかかることに着目。プラスチック製の培養袋にウシの軟骨細胞を入れ、体内と同じ水圧をかけて4日間培養したところ、球状の正常軟骨(直径1ミリ)ができた。

 ヒトの細胞で球状軟骨を多数作り、体内の軟骨と同じ形の型に詰めて成形すれば、移植可能な人工軟骨が作れるようになるという。

 共同研究者の東大病院整形外科・脊椎外科の中村耕三教授は「減量や運動が治療の基本だが、傷んだ軟骨を再生医療で治せるようになれば治療手段が増す」としている。



 普通、変形性股関節症はいきなり手術をするわけではなく、運動療法などを行います。詳しくはこちら

 しかしどうしても治らない場合、やはり手術は必要になるわけで、今回のこの人工軟骨移植によって画期的に回復する可能性が出てきたわけです。

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2007年06月13日

多臓器移植を受けた山下みらいちゃん(1歳3ヶ月)が帰国。

多臓器移植を受けたみらいちゃん帰国

 生まれつき腸が機能しない難病のため、渡米して大腸などの多臓器移植を受けた愛知県春日井市の山下みらいちゃん(1歳3か月)が12日、帰国した。

 みらいちゃんは午後4時過ぎ、父親の努さん(42)、母親のメリーザさん(27)とともに成田空港に到着。拒絶反応や感染症の危険はまだ残っているものの、食欲は旺盛で、体重は渡米前より約3キロ増え、つかまり立ちができるようになったという。



 この娘ですね。
 
 医学処 ヒルシュスプルング病で臓器移植のための募金を呼びかける。

 臓器移植は成功ということで、ご両親は一安心でしょう。あとは、無事にすくすくと育ってくれることを願うばかりです。

 みらいちゃんの成長を願いつつ、日本でも早く同様の移植手術を行えるよう、願ってやみません。技術的には可能なはずです。あとは法整備をするだけではないでしょうか。動けば、助かる命が増えるのです。あと数年で何とかならないものか、今後に期待します。

関連:医学処 拡張型心筋症を患う松永真和さんの心臓移植のための募金成功を願って
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2007年06月12日

自分の右手を左腕に移植する手術で、手を動かせるようになった男

自分の右手を左腕に移植=スペイン

 スペインで、左手を失った上に右半身が不随になっていた63歳の男性が、自分の右手を左の腕に移植する手術を受け、成功したことが4日、明らかになった。手術の過程では親指の位置を変えたという。

 この男性は40年前に事故で左手を失っていたが、3年前に脳卒中で倒れ、右半身が不随になった。手術は4月29日にバレンシアの病院で行われ、13時間に及んだ。

 病院によると、手術は成功し、男性は既に手を動かせるようになっている。男性は1人では何もできずに、すべてに助けが必要だったため、自分の手の移植手術に踏み切った。



 右手を左にって、かなり難しい手術だと思うんですが。自分の腕なので、拒否反応がないというのが幸いしたのでしょう。しかし血管や神経を逆にくっつけたわけですよね。むむー、いやはや。色んな医療が可能になってきてますねぇ。

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ミシガン州で臓器運搬用の飛行機が墜落、行方不明に。

臓器運搬用の飛行機が墜落 ミシガン湖

 ウィスコンシン州ミルウォーキーに近いミシガン湖に4日、ミシガン州の大学所有の飛行機が墜落した。6人が乗っていたとみられるが、行方は分かっていない。飛行機は通常、移植のための臓器運搬用に使われていたという。AP通信が伝えた。

 飛行機はミルウォーキーの空港を離陸して、ミシガン州デトロイト近郊の空港に向かっていた。離陸直後にパイロットから遭難の連絡が入り、間もなくレーダーから機影が消えたという。



 行方が分かっていないとは。臓器を狙う何者かに、的なサスペンス要素など現実にはありえないのでしょうが、臓器はそれほどまでに裏では取引されている、というのが現実でしょうからね。何事もないといいんですが。

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2007年06月09日

拡張型心筋症を患う松永真和さんの心臓移植のための募金成功を願って

 先日、とある拡張型心筋症の男性患者の心臓移植について取り上げました。

 医学処:拡張型心筋症の松永真和さん29歳が、心臓移植のための募金を呼びかけ

 公式サイトでもあれば、と思ってましたが、2日前に出来たそうですのでご紹介。

 公式サイト:まさと君を助ける会

 一番印象に残ったのは、ご両親の以下のコメントです。



 臓器移植とは、他の方のご不幸の上に成り立つ医療です。正直、戸惑いもありました。そんな時、息子は発病するずっと以前から、ドナーカードで臓器提供の意思表示をしていた事をしりました。臓器移植とは、優しさと思いやりからなる医療なのだと思えるようになりました。



 前回の記事でも書きましたが、成人でも、成人だからこそ、臓器移植のための募金をするんだ、と思います。一つの人格として完成されている命を失うってしまうことは、あまりにも。

 日本でも臓器移植が促進すればいいと思いますが、政治家連中が渋ってなかなか前に進めません。国の怠慢によって臓器移植が受けられないのですから、国が7000万負担すべきだとすら思いますが、そうもいえないのが現状です。

 なお、募金は小倉駅などの周辺で行うようですので、お近くの方は是非。

6月10日街頭募金(天神コア前)
6月17日街頭募金(小倉駅周辺)
6月17日募金活動(イオン八幡東)
6月24日街頭募金(小倉駅周辺)
6月24日募金活動(イオン八幡東) etc

 また、公式サイトでは郵便局、銀行、信金での受付方法や、「いのちのダイヤル」として1回かけると315円が課金される方法なども載っているので、是非一度ご覧になってみて下さい。


 生きたいと思う気持ちは誰にでもあると思います。そして誰もが、臓器移植を必要とする可能性をもっているわけです。23歳で拡張型心筋症を発症してしまった松永真和さんと、私たちの差って何でしょうか。そして私たち自身が発症してしまった時に、どうすべきなのか。そのことを一度考え、臓器提供の意思表示をしてほしいと思います。松永真和さんが、発症前から意思表示をしていたように。

関連:医学処 臓器移植法を改正すれば救える命のことを考えよう
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2007年06月07日

東京女子医大の医療ベンチャーが再生医療用アップセルを販売

東京女子医大発VB「セルシード」 再生医療素材販売へ

 東京女子医科大学発の医療ベンチャー、セルシード(東京都新宿区)は、皮膚や角膜をはじめとする自己組織再生医療への貢献が期待される温度応答性ポリマーの販売に乗り出す。関連特許の出願が終了したのを機に、大学や企業の研究用として、国内で9月、海外で11月にも提供を開始する計画だ。

 温度応答性ポリマーは、東京女子医大の岡野光夫教授が開発した。温度変化に応じて表面が疎水性(親油性)から親水性に変化。親油性にした培養皿(シャーレ)で、患者本人の細胞を増殖させて細胞シートを作成し、その後に親水性に変化させると簡単にはがせる。

 従来の細胞培養は、シャーレからはがす場合に分解酵素などを使うため、細胞同士をつなぐ「細胞外マトリックス」も分解されてバラバラになり、生体に引っ付く接着性も失う。シャーレに同ポリマーを張った状態の「アップセル」を使えば、新鮮ですぐに生体に移植できる細胞シートが得られる。

 アップセルは、国内で口腔粘膜を培養して角膜に利用する臨床研究が始まっており、その他の部位でも年内には臨床研究が開始される予定。欧州でも年内には治験開始を目指しており、数年から5年後程度で、実際の治療での使用が可能になる見通しだ

 アップセルの価格は、直径3・5センチのシャーレで2000円程度。研究用に提供を開始することで、国内外の研究者や医師が動物実験などに使い、同ポリマーの自己組織再生医療への利用が広がると期待される。同社は将来の株式上場を目指しているが、アップセルの販売で、公開企業の目安である年間売上高1億円乗せを果たしたい考え。



 いよいよ実行に。この技術が国内に普及すれば、角膜不足に悩むこともないでしょうし、膀胱組織や心筋組織など、その用途は多岐に渡ります。日本が再生医療の分野で世界をリードする日も遠くありません。そしてそれと同じように、新しい光を受ける患者さんも多くなるに違いありません。

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臓器提供意思表示のインターネット登録が全然増えていない。

臓器提供 ネット登録伸び悩み

 日本臓器移植ネットワークが今年3月に始めた臓器提供意思のインターネット登録が、伸び悩んでいる。今月4日までの3か月間で6753件。移植ネットが目標に掲げた初年度10万件を大幅に割り込むのは必至で、関係者は頭を悩ませている。

 ネット登録は、臓器提供意思表示カードの所持率が8%(昨年の内閣府調査)にとどまる現状を打破するために始まった制度。パソコンや携帯電話で、〈1〉脳死または心停止後に臓器を提供するか〈2〉提供したい臓器の種類〈3〉氏名、生年月日、性別――などを専用ホームページに入力すると、意思表示カードが自宅に届く仕組みで、インターネット利用率が高い若者世代を中心に普及を狙っていた。

 移植ネットによると、滑り出しの3月5日は約2000件の登録があったが、その後は1日当たり10件に満たないことも多かった。パソコン普及率やカード所持率から試算した目標値を大幅に下回りそうだという。移植ネットでは、スタート時の報道発表以外に広報活動をしていなかったことが原因と分析している。



 まず失敗の原因として、このサービスが世間にまるで認知されていないというものが挙げられます。実際登録したいと思っている人でも、サービスの存在を知らないでしょうし、知っていても容易にそのサイトまでたどり着けないというのがネックですね。

 というわけで、臓器提供意思表示カードが欲しいけど、どこにあるかもわからん!見たことない!という方は、ネットで申し込んじゃいましょう。無料で自宅に送られてくるので手間いらずです。

 登録はこちらから

 なお、臓器提供意思表示カードってどんなものか分からない、という方はこちら。

 医学処:ねんがんの臓器提供意思表示カードをてにいれたぞ!

参考:日本臓器移植ネットワーク

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2007年06月06日

拡張型心筋症の松永真和さん29歳が、心臓移植のための募金を呼びかけ

難病29歳男性に募金呼び掛け=ドイツで心臓移植−福岡

 難病の特発性拡張型心筋症を患う福岡県岡垣町旭台の松永真和さん(29)の家族らが5日、同県庁で記者会見し、ドイツで心臓移植手術を受けるための募金を呼び掛けた。渡航費や手術費用など約7000万円が必要で、今年9月までの渡航を目指している。

 松永さんは、23歳だった2000年11月、心臓の筋肉の収縮力が低下し、心不全や不整脈を引き起こす拡張型心筋症と診断された。松永さんの場合、心臓移植以外に助かる方法はないとされているが、国内ではドナーが少ないため、海外での移植を決意した。



 よくこう、幼児だと、募金やってかなり集まるんですけど、29歳の男性で集まるんですかね。これちょっと興味あるところなんですけど。

 小さい子が拡張型心筋症で移植受けなきゃいけないって時は、まだこんな小さいのに可哀想とかそういう同情もあって募金集まるんだと思います。いや私が勝手に思ってるだけですが。

 で、この人は23歳の頃に発症したわけですよね。いわゆる男として一番いい期間を病気に捧げ、そして今、命までも捧げようとしてるわけです。それを食い止めるためには移植しかない。

 小さい子には「未来」があって、無垢な命を助けたいって思う気持ちは分かるんですけど、私としては29歳の男性の「完成された人格」を失わせてはいけない!とも思うんですよね。真っ白なキャンパスにも可能性という良さはありますが、既に風景の描かれた絵も、それと同じように大切だと思うんです。今まで29年もかけて構築してきたものを、簡単に失わせていいものかどうか。しかも「移植すれば助かる」命を。

 どちらのほうが救う命の価値が高いかと言いたいわけではないんです。むしろ逆で、平等だろうってことがいいたいだけなんですけどね。しかし募金という性質上、おそらく子どものほうが集まりやすいんじゃないかなと私が勝手に思ってるだけ、だと良いのですが。

参考:ネコの近況

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2007年06月04日

先天性免疫不全症に、造血幹細胞を移植して改善することに成功。

造血幹細胞移植に成功=世界初、免疫不全の男児回復−弘前大小児科・青森

 先天性免疫不全症のうち、「NEMO」と呼ばれる細胞内物質の異常で生まれつき免疫細胞がつくれない病気だった青森県在住の男児(4)に対し、血液をつくるもととなる造血幹細胞を移植、改善させることに、弘前大医学部付属病院小児科が1日までに成功した。移植後、男児は外出できるまでに回復、経過は順調だという。

 同大によると、理論的には移植が有効と考えられていたが、成功例は世界で初めて。近く英国の骨髄移植専門雑誌「ボーン・マロウ・トランスプランテーション」に掲載される。

 男児は生後2カ月で敗血症を起こし、入退院を繰り返した。その後、先天性免疫不全症と判明。2歳半で腸炎などにより食事がとれない状態まで悪化した。同大は昨年1月、正常な免疫細胞をつくり出すために、臍帯血などに多く含まれる造血幹細胞を静脈に注入した。

 同大医学部小児科学講座の伊藤悦朗教授(52)は「造血幹細胞の移植で同じ病気の世界中の人が助けられる可能性がでてきた」と話している。 



 おおおおおー。おめでとうございます。弘前大やりましたね。先天的に免疫(抗体か)が機能しなくなっているために、その抗体を出す工場の元となる幹細胞を入れてやろうということでしょう。実際に成功したとなると、今後この免疫分野において、かなり広い幅で発展していく可能性がありますね。

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2007年05月31日

40代の男性がドナーになり、脳死移植55例目を実施。

脳死移植:55例目実施へ 兵庫・西宮病院でドナー判定

 兵庫県立西宮病院(同県西宮市)に入院中の40代男性が30日、臓器移植法に基づく脳死と判定された。男性は脳死で臓器提供する意思を示すカードを持ち、家族も提供に同意した。同法に基づく脳死判定は56例目、移植は55例目。

 日本臓器移植ネットワークによると、心臓は30代男性に、肝臓は30代女性にいずれも大阪大病院で、すい臓は九州大病院で20代女性に、片方の腎臓は神戸大病院で10歳未満の男児に、もう片方の腎臓は県立西宮病院で30代男性に、小腸は京都大病院で10代女性に移植される予定。肺移植を受ける患者は選定中という。



 前回はこちら。

脳死移植、54例目を施行。10歳未満から40代までに移植

 まず日本では、脳死移植による臓器移植は望み薄といわれています。それは、臓器提供意思表示カードの所持率があまりにも低いためだと思います。カードで意思表示さえしてくれれば、その臓器によって助かる人は大勢います。今こうして我々がインターネットをやっている間にも、インターネットすらできない重病人が、命を削って闘病しているのです。一度、以下の記事をご覧下さい。所持や記入に関して、面倒なことなどありませんから。

医学処体験レポ:ねんがんの臓器提供意思表示カードをてにいれたぞ!

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2007年05月26日

ES細胞の研究を推進するため、文科省が改正案を告示する

ES細胞分配機関、新設など指針改正…文科省

 再生医療の切り札とされる、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の研究を推進するため、文部科学省は23日、ES細胞に関する改正研究指針を告示する。

 ES細胞を作製・使用する研究機関とは別に、ES細胞を分配する機関の新設を認めるほか、海外への輸出解禁が改正の柱。8月1日、施行する。

 ES細胞は、さまざまな臓器や組織の細胞に変化する能力を秘めており、けがや病気で失った体の一部を修復する再生医療の実現に役立つと期待されている。分配機関の新設は、再生医療への期待から、ES細胞の使用計画が増加、作製機関の分配業務の負担が増しているため、その負担を減らすのが狙い。



 今年、来年とES細胞を使ったどのような医学的進歩がみられるのか、今から楽しみです。免疫の制限を受けない医療というものの可能性は無限大です。たとえ研究者といえど悪用する輩が出現するのでES細胞の扱いは厳重になっていますが、医療の発展とうまく折り合いがつけば、と思います。

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