2009年01月26日

骨髄移植用の器具の代替品600個が確保される。

骨髄移植、器具600個確保

 医療器具の在庫不足から骨髄移植が一時中断する恐れがある問題について、舛添厚生労働相は23日の閣議後記者会見で、器具の代替品600個が確保されたことを明らかにした

 6月までの当面の移植をまかなえる量で、今後、保険適用に必要な製造販売の承認を急ぐ考えを示した。

 日本では月約150件の骨髄移植が行われるが、厚労省は器具を製造する米バイオアクセス社が、日本向け製品600個を確保していることを確かめた。同社製品は米食品医薬品局が安全性を認めている。



 このニュースの続報です。

 骨髄移植に用いる医療器具が在庫不足で実行困難になるかも

 いやー、良かったですね。血液内科系の疾患は、タイミングが大事ですから。器具がないからちょっと待っていよう、なんて言っている間に、実際に苦しんでおられる患者さんは亡くなってしまうかもしれない。それぐらいシビアな疾患もあります。

 600個あるうちに、はやく工場も100%安全な器具を安定して供給できるよう整えてもらいたいものです。

関連
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2009年01月19日

79例目の脳死臓器移植、国内初の心肺同時移植へ。

初の心肺同時移植へ=80例目の脳死判定−兵庫

 兵庫県災害医療センターに頭部外傷で入院中の30代男性が臓器移植法に基づく脳死と判定され、日本臓器移植ネットワーク(東京都港区)は17日、移植に向けた準備に入った。

 脳死判定は80例目、移植は79例目。心臓と両方の肺は大阪大医学部付属病院の患者に移植される見通しで、国内では初の心肺同時移植となる

 男性は2008年4月、健康保険証の意思表示欄に脳死下で臓器を提供する意思を記していた

 心臓と両肺の移植が予定されているのは、肺高血圧症を伴う先天性心疾患の男性患者。肺移植の待機順位1位で、かつ同時移植の待機者だった。 



 国内初。成功なるか。技術的には大丈夫だと思いますけれども、是非とも成功してほしいです。

医学処:75例目の脳死判定。心肺肝腎膵を移植へ。
医学処:76例目の脳死臓器移植。10代女児から60代男性に提供。
医学処:栃木県で初の脳死臓器移植、獨協医大で行われる。
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2009年01月15日

iPS細胞を肝臓に注入して血友病を治療する。

iPS細胞で血友病治療、マウス実験成功…米研究チーム

 新型万能細胞(iPS細胞)を成長させた細胞を肝臓に注入することによって血友病を治すことに、米ネバダがん研究所などがマウスを使った実験で成功した。

 血友病の根本治療につながる成果で、米科学アカデミー紀要電子版に13日掲載された。

 研究チームはマウスの尾の皮膚からiPS細胞を作製。内皮の元になる細胞まで成長させたところ、血を止める成分が分泌されていることを確認。この細胞を血友病のマウス6匹の肝臓に注入した。その結果、注入したマウスは尾を切って出血させても、人間なら20年間にあたる3か月間も生きた。一方、細胞を注入しなかった血友病のマウス6匹は2〜8時間で死んだ。



 血友病Aは、第VIII因子の欠損、血友病Bは第IX因子の欠損です。肝臓に注入することで、不足していた凝固成分を自身で作り出し補うことができるようになる、ということでしょうね。すごい技術です。

 性染色体であるX染色体上にある、血液凝固因子の第VIII因子、第IX因子をコードする遺伝子に変異が入ることによって引き起こされる。伴性遺伝。劣性遺伝子であるため、X染色体が二本ある女性の場合には、もう一方のX染色体に異常がなければ機能が補完されるため、発症する事がない。そのため血友病患者のほとんどが男性であり、女性は全血友病患者の1%以下である。かつては血友病遺伝子は致死遺伝子と考えられていたが、女性患者の存在が確認されているため、現在では致死遺伝子であるとは考えられていない。

 基本的には遺伝病であるが、突然変異により非保因者の女性から血友病の子供が生まれる場合もある。実際には血友病患者の25%前後が、家族歴が不明の突然変異と言われている。ただし母親の保因/非保因の検査、判断が難しく、最終的にはDNA検査を要する。


参考:wikipedia

関連:薬害エイズ事件の担当医の手記が出版される
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2009年01月12日

栃木県で初の脳死臓器移植、獨協医大で行われる。

県内初脳死臓器移植 「いのち」万全リレー

 脳死下の臓器提供を受けた県内初の移植手術が九日、獨協医大病院で始まった。提供者の尊い「いのち」は関係者の万全な連携によって無事にレシピエント(移植患者)にたどり着き、同病院関係者らは手術の成功を祈った。

 九日午前、日本臓器移植ネットワークから連絡を受けた獨協医大病院は急きょ、移植チームを招集。間もなく胸部外科の男性医師二人を、臓器提供者のいる関東地方の病院に派遣した。

 摘出手術に立ち会った医師チームは午後八時二十分、新幹線でJR宇都宮駅に降り立った。臓器の入った水色の専用ケースを二人で運び、改札を通過。県臓器移植コーディネーターの先導で、待機していた宇都宮市消防本部の救急車に素早く乗り込んだ。サイレンを鳴らして出発する救急車。コーディネーターは深々と頭を下げ見送った。

 午後八時四十三分、壬生町北小林の同病院に到着。救急車は白衣の医師、看護師らが待ち構えた救命救急センター入り口に横付けされ、救急隊員が後部ドアを開けると、医師団はレシピエントの待つ手術室へ直行した。

 同病院事務部によると、脳死肺移植などの経験を持つ三好新一郎教授を中心に心臓血管外科医、麻酔科医ら十数人のチームが編成され、これまでに何度もシミュレーションを重ねこの日に備えてきたという

 対応に追われていた同事務部職員の一人は「手術が何とか成功してほしい」と願っていた。




脳死移植:無事終了、執刀医「うまくいった」

 壬生町の独協医科大学病院で9日から10日にかけ、県内では初めてとなる脳死臓器移植が行われた。関東地方の医療機関に入院し、9日に脳死と判定された30代の男性から摘出された肺の一つが、30代の男性じん肺患者に移植され、手術は無事終了した。会見した執刀医の三好新一郎教授(57)は、「うまくいったケース」と笑顔を見せた。患者の容体は、比較的良好に推移しているという。

 独協医大病院の説明によると、日本臓器移植ネットワークから最初に連絡が入ったのは9日午前1時50分ごろ、三好教授らの移植チームは直ちに準備を開始した。

 チームは、肺移植を受けるために2年10カ月間待機していた患者本人と家族に連絡。手術を受ける意思を再確認した後、午前7時ごろから本人への事前説明(インフォームド・コンセント)や、麻酔の適性検査などを行ったという。

 患者は同日午後、まず自分の傷んだ肺を摘出する手術を受けた。そして、脳死の臓器提供者(ドナー)から提供された肺が到着した午後9時過ぎ、移植手術が始まった。手術は日付をまたいだ10日午前2時前に終了した。

 ドナーの肺は、移植を受ける患者(レシピエント)の肺よりも大きかったため、技術的に難しい手術だったという。だが、三好教授は「ほぼ予定通りに進められた」と胸を張った。

 三好教授は、前任地の大阪大で生体肺移植1例と、脳死肺移植4例の手術を行った実績があり、今回が6ケース目という。

 同病院ではこれまで脳死移植の実施を想定し、他大学で研修を受けるなどして訓練を重ねてきた。移植チームには各科から医師が集まり、ドナー、レシピエント側でそれぞれ担当を分け、連係を密にすることを心がけてきたという。三好教授は「シミュレーションの成果が生きた」と笑顔を見せた。同病院は今後も、肺移植を手掛けていく方針。

 移植手術を受けた患者は現在、移植肺の血管から水が漏れ出す症状がみられるという。だが、「肺移植では一時的によく経験すること。徐々に改善しており、おおむね良好」と三好教授。

 患者は順調にいけば、人工呼吸器が1週間ほどで外され、リハビリなどを経て、早ければ約2カ月で退院できる見込みという。

 ただ、三好教授は「退院まで結果は分からない。拒絶反応や感染症の恐れはこれからで、注意深く術後管理をしていく」と、気を引き締めていた。



 おお、大きな一歩。

 脳死臓器移植も全国で行われるようになってきてますからねぇ。あとは脳死臓器移植に関してもっと広い認知と、国民の意思表明が必要ですね。今の医学じゃ絶対に治せない疾患を、移植によって治すことができれば。

 この日のために着実に準備し、シミュレーションを積んできた獨協医大の胸部外科に拍手をおくりたいです。

医学処:75例目の脳死判定。心肺肝腎膵を移植へ。
医学処:76例目の脳死臓器移植。10代女児から60代男性に提供。
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2009年01月04日

自身の幹細胞を使った世界初の気管支移植手術

気管支再生治療で回復、「奇跡の女性」にインタビュー

 患者本人の幹細胞を使った気管支移植手術で世界初の成功例となったクラウディア・カスティージョさん(30)の名前は、当地ばかりでなく、世界中に知れ渡った。父親の住む実家で順調に回復しているというカスティージョさんを訪ね、心境を聞いた。

 カスティージョさんは今年6月、移住先のスペインで手術を受けた。04年に結核にかかってから激しいせきや息切れに悩まされ、仕事や2児の子育て、家事なども困難なほどに悪化していたというカスティージョさんに、医師は「左肺を切除するか、世界初の移植手術を受けるか」という選択を示した。

 手術は、カスティージョさんの腰などの組織から取り出した幹細胞を培養し、気管支を再生したうえで移植するという方法。それまでブタの事例しかないと聞かされたカスティージョさんは、「医師の勧めで手術を受けたブタにも会いに行きました。元気だったわ」と振り返る。「確かに怖い気持ちはあったけれど、それまでの治療で医師をとても信頼していた。神様と医師を信じていたから、きっとうまくいくと思えました

 術後は15歳、4歳の子どもたちとともに故郷へ戻り、普通の日常生活を送っているという。「息をするのがずっと楽になって、階段や上り坂も平気。まだ試していないけれど、走ることもできると思う」と、明るい表情で語る。

 取材班が訪れた日は体調が万全ではなく、激しくせき込んだり、長く話すと息切れをしたりする様子もみられたが、「冬のスペインから暑いコロンビアへ移り、環境が急に変わったせいだと思う」と、カスティージョさんは説明する。

 道を歩けば「奇跡の女性」と声をかけられ、「中には抱き締めてくれたり、泣き出したりする人もいる」という。「病気に苦しむ人たちに希望を与えることができるのが、とてもうれしい」と、穏やかな笑顔を見せた。



 呼吸器の問題は、痛みというよりまさに「呼吸苦」という感じで、患者はそうとう苦しい思いをします。

 気管支を移植によって完全なものにすることができれば、多くの方の苦しみを取り除くことはできます。最初が成功して、この技術がより確立されれば。自身の幹細胞を使うことで、移植の拒絶問題も大幅に改善されますしね。

関連
医学処:幹細胞から作った気管支を移植することに成功。
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2008年12月28日

iPS細胞で得られた情報をデータベースにする。

iPS細胞 データベース化…変化の特性蓄積

 さまざまな細胞に変化できる人間の「新型万能細胞(iPS細胞)」について、文部科学省は2009年度、データベースの構築に着手する。

 目的の細胞への変化のしやすさなど個々のiPS細胞の特性に関する情報を一元化することで、研究者が医薬品開発や病気のメカニズム解明などの研究に取り組みやすい環境を作り、iPS細胞の迅速な実用化を促す狙いがある。

 文科省は25日午後に開く作業部会に報告し、iPS細胞研究の総合戦略に盛り込む方針だ。データベースには、iPS細胞を採取した人の性別、病気の症状のほか、遺伝子などの情報を明示する。当面は国内で作製された細胞を対象にするが、将来は海外で作られた細胞の情報も閲覧できるようにする考えだ。

 人間のiPS細胞は、山中伸弥・京都大教授が07年に作製を発表し、08年には日本人十数人からの作製にも成功した。慶応大は人間の胎盤などから約200種の細胞を作る計画を進めている。



 こういうデータベースが、後々効いてくるんですよねぇ。

 本格的に始動したら、かなり有意義な情報源になるのでは。いつの時代でも、情報を制するものが世界を制するんですよねぇ。CIA然り。

医学処:国際幹細胞研究学会でiPS細胞研究が白熱する。
医学処:iPS細胞研究に、国は来年度も予算を確保する構え。
医学処:iPS細胞研究は、日本がアメリカに遅れをとっている。
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iPS細胞研究は、日本がアメリカに遅れをとっている。

iPS細胞研究「日本1勝10敗」

 さまざまな細胞に変化できる「新型万能細胞(iPS細胞)」を作った京都大学の山中伸弥教授は25日、文部科学省の会合で、今年のiPS細胞研究の国内外の進み具合を振り返り、「1勝10敗くらいで負けた」と語った。

 その上で「日本の研究者ネットワークの推進が必要」と強調した。

 山中教授が世界に先駆けて作製を発表したiPS細胞について、文科省は今年45億円の研究費を投入したが、今年主な科学誌に載った国別のiPS細胞関連の論文数は日本が1本、米国が8本、ドイツが1本だった

 山中教授は、米科学誌サイエンスが今年の研究成果の1位にiPS細胞関係を選んだことに触れ、「評価されたのは、アメリカのハーバード大が病気の患者の皮膚などからiPS細胞を作製した成果。国から大きな研究費の支援を受けている日本の研究者はふがいない」と述べた。



 発見したイニシアチブよりも、応用で先を越されてしまいましたね。

 しかも今回は資金も豊富だったというのに。山中教授がふがいないとおっしゃる気持ちもわかります。

 なんか、いつもと逆のパターンですね。アメリカが開発して、日本がそれを応用してより質の良いものを作っていく、というのとは。

 しかしまだまだ遅れているわけではありません。臨床応用のためにもお互いライバル意識を刺激して、頑張ってもらいたいところ。
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2008年12月24日

骨髄移植に用いる医療器具が在庫不足で実行困難になるかも

骨髄移植、2月以降困難に 医療器具が在庫不足

 国内の骨髄移植の9割以上で利用されている米バクスター社製の医療器具が在庫不足となり、来年2月以降の移植が一時的に難しくなる可能性が出ていることが19日、わかった。

 新工場の稼働開始の遅れが原因。毎月百数十件ずつ実施されている国内の骨髄移植手術に支障が出る恐れもあるため、厚生労働省は22日、器具を輸入・販売する日本法人「バクスター」(東京都中央区)の担当者を呼び、調査に乗り出す。

 問題になっているのは、骨髄液の採取、濾過に使う器具で、骨髄を移植された患者に血栓ができるのを防ぐのに欠かせない

 米バクスター社は、この器具の製造部門を昨年3月、投資グループに売却し、米国内の工場も閉鎖。日本法人は在庫が切れる来年1月末以降、器具の製造を引き継いだ別会社の中米ドミニカ工場から輸入する予定だったが、品質・安全確認の遅れで、工場の稼働開始が3月以降にずれ込み、供給が途切れる見通しになった。



 えーこれは・・・。米バクスター社も何でこんな大事な製造部門を売ってしまったのか。ドミニカ工場からの輸入って・・・。儲け主義かコノヤロー。

 どうなるんでしょうね。厚生労働省もバクスター社のヒト呼んで「どうすんだコノヤロー」って言うみたいですけど、どうにもならんのか。えー。骨髄移植がどれだけ大事な技術か分かってるのか、バクスター社コノヤロー。

 医療機器だけは、どれだけ高くなってもクオリティ落としてほしくないですし、ゲームやお菓子じゃないんだから生産ライン増築のために半年ほど出荷停止みたいなことも絶対にやるべきではないです。そこらへんを踏まえた上で経営努力に走ってもらいたいものですよ、コノヤロー。

関連
医学処:骨髄バンクのドナー登録数、30万人を超える。
医学処:骨髄バンク始動から16年、骨髄移植の件数が1万を超える。
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2008年12月08日

国が禁止にしている病気腎移植、修復腎移植への理解を求める。

「病腎移植への理解を求める会」あす宇和島で講演会

 ドナーに恵まれない腎臓の移植待機患者への支援と修復腎(病腎)移植を国が認めるよう広く訴え続けている「移植への理解を求める会」(向田陽二代表・会員数約1300人)は7日、愛媛県宇和島市栄港のえひめ南農協JA会館で講師を招いた記念講演会を開く。

 講演会は同日午後1時〜同2時20分まで。長崎医療センター泌尿器医長の松屋福蔵医師を招いて「修復腎移植・その可能性と問題点」というテーマで開催。国が原則禁止としている修復腎移植の現状について、多くの市民に理解してもらうことなどを目的にしている。また、同会は来春以降、NPO法人の立ち上げを目指しており、同日に総会を開催して、今後の活動方針などを決める。



 日本のような風土で、献腎移植もろくに進まず、脳死による臓器提供も数が伸びず、

 そして妻や親戚などからの生体腎移植にばかり。それにも期待できない人は血液透析などを行い続けるしかありません。

 このような状況を打破するためにも、病気腎でいいから移植してほしい、と願う方々が大勢いるのです。

 病気の腎臓だから体に悪いとか何とか、そんなレベルの話ではなく、命そのものを助けてほしいという話なのです。腎臓のない苦しみは現場を見ないと分からんでしょう。国は早急に認めるべきだと思いますね。

関連
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2008年12月07日

骨髄バンク始動から16年、骨髄移植の件数が1万を超える。

骨髄移植1万例、バンク始動から16年 なおドナー不足

 日本骨髄バンク(骨髄移植推進財団)は4日、国内の骨髄移植が3日で1万例を超えたと発表した

 バンクの活動開始から16年かかった。骨髄提供者の登録は32万7千人に増えたが、登録者と白血球の型が合わないなどで移植できない待機者は11月末で2360人

 毎年、待機者の約2割が亡くなるため、さらに、登録を呼びかけている。日本さい帯血バンクネットワークも、臍帯血移植が2日で5千例を超えたと4日に発表した。



 そうなんですよね。。

 待機者が2000人少しと、まぁそんなに多くないかな?と思われがちですけど、実際にはその何割かが亡くなって、そして何割かが発症しているんです。

 誰が発症するか、わからないのも血液の病気です。この骨髄バンクはまさに助け合いの精神で運営されています。登録者が多ければ多いほど、助かる可能性は増えるのです。

 血液疾患ですと、もう残された治療法は骨髄移植しかない、という状況もあります。その方が3ヶ月後に生きていられるかどうかは、「健康な人の助け」に懸かっているのです。

参考:骨髄バンク ドナーの輪

関連
医学処:ドナーの骨髄移植検査料が3000円値下げされる。
医学処:日本より中国の骨髄提供者が多いので中国と提携します
医学処:骨髄採取の新技術「潅流法」なら、負担が軽く痛みも軽減。
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医学処:先天性免疫不全症に、造血幹細胞を移植して改善することに成功。
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2008年11月25日

幹細胞から作った気管支を移植することに成功。

欧州医療チーム、患者の幹細胞を使った気管支移植に成功

 患者自身の幹細胞を使用して作られた気管支を移植するという画期的な手術に成功したと、スペイン・イタリア・英国の医療チームが19日、発表した。

 移植手術を受けたのは、結核を患っていたコロンビア人のクラウディア・カスティージョ(Claudia Castillo)さん(30)。カスティージョさんは、気管支の組織が感染症で治療不能になり、左肺を切除する以外に方法がないという事態となった。

 これに対し、医師らは気管支移植手術を提案。カスティージョさんの同意を受けた後、スペイン・イタリア・英国の各医療チームが移植手術に向けて行動を開始した。

 チームはまず、51歳のドナーの遺体から取り出した気管を高度な技術で洗浄し、表面の細胞などを除去して「骨格」だけの状態にした。次に、カスティージョさんの骨髄から採取した幹細胞を培養して気管支の構造の基礎となる軟骨細胞や上皮細胞を生成。それらを骨格だけになった気管の表面でさらに培養し、気管支を再生した。

 その後、医療チームはカスティージョさんから症状の悪化した気管支を除去し、新しい気管支を移植。手術の4日後、移植された気管支はほかの臓器と見分けがつかないほど正常に機能していたと、チームは報告している。



 おおー、この技術が臨床的に成功するとは。

 今後何年か様子をみてみて、大丈夫なようであればいずれは日本でも出来るかもしれませんね。気管支の表面の細胞群だけを再生する、再生医療の1つの形ですが、成功したことは大いに称賛すべきことであります。

関連
医学処:気管支喘息の死亡率は、都道府県によって大きく差が出る。
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2008年11月23日

心臓移植は異性間だと生存率が低下する。

心臓移植、異性間だと生存率低下 米大の研究チーム

 米国で行われた心臓移植では、臓器提供者と患者の性が同じ場合、異性間の移植に比べて患者の生存率など手術後の成績が良いことがわかった。米ジョンズ・ホプキンス大の研究チームが米心臓協会の学術集会で発表した。

 98〜07年にあった1万8千例あまりの心臓移植の全米臓器分配ネットワーク(UNOS)の記録を分析し、移植後の生存率などを調べた。

 その結果、症例の71%を占める同性間移植では、手術から30日以内に患者が死亡する確率が、異性間移植に比べ25%低かった。手術から1年以内に拒絶反応が起きる確率も13%低くなるなど、さまざまな指標で同性間移植の方が成績がよかった。

 チームは、異性間移植では心臓の大きさに差があることが短期的な成績の差に関係しているとみているが、「長期的な差の原因は別にあるかもしれない」としている。

 チームのエリック・ワイス博士は「同性の提供者が現れるまで移植を待つべきではないが、1人の患者に対して複数の提供者がいる場合は、性を合わせたほうがよい」と言っている。

 日本の心臓移植患者選択基準では、提供者と患者の体重差が「マイナス20%からプラス30%以内」とされているが、性の組み合わせは直接には考慮されていない。



 へー。やはり男性と女性の心臓の大きさの問題なんですかね。単純に大きさだけでなくても、例えば血流の速さとか、圧力とか、そういうことも関係してきそうです。

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医学処:死んだ心臓に細胞を注入して再生することに成功
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2008年11月02日

76例目の脳死臓器移植。10代女児から60代男性に提供。

76例目の脳死臓器移植 10代の女児らに

 日本臓器移植ネットワークは22日、名古屋第二赤十字病院(名古屋市昭和区)に脳出血で入院していた40代女性が同日朝、臓器移植法に基づく脳死と判定され、国内で76例目の脳死臓器移植が行われる見通しだと発表した。

 心臓は東大医学部付属病院の50代男性へ、肺の片方は東北大病院の40代女性、肝臓は名古屋大医学部付属病院の40代男性、膵臓は九州大病院の40代男性、腎臓は岡崎市民病院の40代女性と名古屋記念病院の60代男性、小腸は京大医学部付属病院の10代女児へ移植される。

 臓器の摘出は23日午前8時に終了する予定で、各病院に移送される。



 76例目。前回からだいたい2ヶ月近くでしょうか。

 心臓や肺の移植も、珍しくなくなってきました。もともとあった技術力に、経験が重なった結果でしょうか。しかし、どうにもこうにも数が足りない。脳死に陥る人はかなりおられるのでしょうけれど、臓器提供の意思表示をしている人が全然いないのではないかと思います。残念なことです。こうして多くの人が助かるのが脳死臓器移植ですのに。

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移植された角膜は、今年で123歳に。

ノルウェーで移植された角膜、ことしで“123歳”

 ノルウェー人男性に移植された角膜の使用年数が、ことしで123年目を迎えた。移植手術を受けた男性(80)は23日、電話でロイターに対し「これはノルウェーでも最も古い角膜だ。世界で最も古いかは分からないが」とコメント。

 その上で、視力はこの上なく良好だと述べた。

 この男性は1958年、ノルウェー中部の病院で、1885年6月生まれの高齢男性の遺体から摘出された角膜を右目に移植する手術を受けた。

 手術を執刀した病院の眼科医によると、1950年代、医師団らは角膜移植の効果は5年間ほどと予想していた。同手術は、20世紀初頭に移植に成功した極めて初期の例の1つだったという。



 角膜ってそんなにもつものなんですねぇ。

 最近じゃ献眼も減っているようです。いかんですよねぇ。100年以上も持つものなのですから、困っている誰かに託して天に召されたいものですな。

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2008年10月16日

臓器提供意思表示カードを全国に置いたローソンに感謝状。

臓器移植で感謝状 ローソンへ

 厚生労働省は、臓器提供意思表示カードの普及に協力した大手コンビニエンスストアチェーンのローソン(本社・東京)に、舛添厚労相の感謝状を贈ることを決めた。

 ローソンは1999年1月から全国約7000店のレジ脇などに意思表示カードを置き、今年3月までに計680万枚を配布した。



 これはもっと褒め称えられるべき。

 ・・・とは言うものの、私自身一度も見たことないんですよね、ローソンしょっちゅう行くのに。もしかするとあの申し込み用紙が沢山あるところにあるんでしょうか。

 だとしたら私が見たことないのも当然というべきか・・・。

 臓器提供意思表示カードは、所持してナンボです。提供する人だけが持てばいいのではありません。提供しない人も、提供しないという意思を書いて所持すべきなのです。お近くのローソンにはあるらしいので、是非みなさん寄ってみて下さい。お願いします。

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2008年10月09日

臓器提供意思表示カードを持っていれば、助かる命がある。

腎臓移植:理解を 患者ら、街頭で呼びかけ−−中京区 /京都

 腎臓移植への理解を求めようと、京都腎臓病患者協議会(梅田保夫会長)は5日、中京区の河原町三条交差点などで、臓器提供意思表示カードの携帯などを呼びかけた。臓器移植普及推進月間に合わせた全国一斉街頭キャンペーンの一環。同交差点では、腎臓病患者ら約25人が買い物客らにチラシや意思表示カードなどを手渡した。

 同協議会によると、腎臓病の対症療法として人工透析療法が普及しているが、年間約500万円の費用負担と週3回(1回4〜5時間)の治療が一生続く。腎臓移植を求める患者も多いが、97年の臓器移植法施行後も依然として臓器移植が定着していないのが現状という。梅田会長は「臓器移植への抵抗感はまだまだ根強いが、小中高の教育に移植問題を取り入れるなどして理解を深めてほしい」と話していた。



 透析にかかる週3回の時間を見るだけでも、いかに腎臓が大事な臓器なのかが分かります。今の生活から、透析のためだけに週3回、1回4,5時間、あなたは取れますか?

 臓器提供意思表示カードが普及していないのは残念ですねぇ。まぁカードがなかなか分かりづらいところにあるというのは分かりますが…。でも1度所持したらずっと持っていられるものなので、どこかで大規模に配布するのが最も得策かなぁと思うのですが。

 理想をいえば、免許証や保険証の裏にでも書けるといいんですけどね。ちなみに私も記入して以来、財布に入ってますよ、臓器提供意思表示カード。

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医学処:ねんがんの臓器提供意思表示カードをてにいれたぞ!
医学処:臓器提供意思表示のインターネット登録が全然増えていない。
医学処:臓器移植法施行から10年。助かった人数209人。
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2008年10月07日

病気腎移植を禁止することは、生存権の侵害である。

「病気腎移植禁止は生存権侵害」、腎臓病患者ら国提訴へ

 治療のために摘出した腎臓を別の腎臓病患者に移植する「病気腎移植」を厚生労働省が原則禁止としたのは患者の生存権侵害にあたるなどとして、愛媛県内などの腎臓病患者らが4日、国を相手取り、損害賠償と病気腎移植の容認などを求める訴訟を松山地裁に起こすと発表した。

 病気腎移植を否定した日本移植学会幹部に対する損害賠償請求訴訟も行う予定で、ともに今月中にも提訴する。

 愛媛や広島など5県の9人が原告になる予定で、原告のうち、6人は病気腎移植を望んでいた患者で1人当たり1000万円程度、残り3人は移植経験者で1人500万円程度の賠償を求める方針で、総額約7500万円を見込んでいる。



 難しい問題ですな。国に責任があるかというとどうかなーという気もします。病気腎は確かに異常な腎なわけで、移植したらよろしくない効果が出てしまうかもしれない、じゃあ国としてはどちらに傾くかとなると、そりゃ病気腎移植廃止の方向でしょう。もしOKして、例えば病気腎から転移とかしたら、そりゃ大事ですし。

 ただ、腎臓というのはあまりにも重要な臓器なものですからね。イメージとしてはやはり脳や心臓が命には大事っていう感じはあるかもしれませんけれど、老廃物の除去や体を流れる物質の調整を行っているのは腎臓なので、これが機能していないというのは本当につらい状況なんですね。ですので、病気の腎臓でもいいから移植してほしいという人がいるのも分かりますし、そういった希望を断ってしまうのが酷だというのも分かります。

 日本はお国柄なのか、脳死による臓器移植が発達していないので、このように病気の腎臓すらも数に入れなければならなくなっているんですよね。逆に病気腎移植を禁止にしたところで、じゃあ金持ち日本人がフィリピンやインドネシアに行って臓器を買ってくるのは良いのか、と。自己責任なだけ病気腎移植のほうが倫理的に問題ないような気もしないでもないです。

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2008年09月14日

山中教授のiPS細胞の特許が国内で成立する。

iPS細胞の特許成立=マウス・ヒト問わず、4遺伝子で−京大

 京都大は11日、山中伸弥教授が世界で初めて作った人工多能性幹(iPS)細胞の特許が国内で成立したと発表した。特許は山中教授が特定した4つの遺伝子を体細胞に導入してiPS細胞を作成する方法。特許の文言には「体細胞」としか書かれておらず、京大は「ヒトも含まれる」とみている。

 世界では3つの遺伝子や化合物で作成する方法の開発が進められている。今回の特許で権利を主張できる範囲について、記者会見した松本紘次期総長らは「判断するのは裁判所」としつつも、「他の権利も確保されていくようにする」と述べた。

 京大は2006年12月に特許を国際出願し、今年5月に日本で一部を分割して出願。今回、この分割した特許が認められた。他に約20の国と地域にも出願。国際出願に先立ち、05年12月に国内で出願しており、特許はこの時期にさかのぼって優先されるという。



 圧倒的に日本がリードしているiPS細胞部門。

 この特許をうまく生かして、世界に発信する医療大国になってもらいたいものですねぇ。iPS細胞、期待しています。

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2008年09月01日

顔面移植後、社会復帰が可能なレベルにまできている。

顔面移植、大きな問題なく社会復帰も可能=研究チーム

 これまでに世界で3例が報告されている顔面移植。研究者らが21日発表した論文では、移植を受けた患者は仕事をすることも可能であり、移植された部分が大きな問題なく長持ちする可能性が示された

 中国とフランスで行われた移植の例を2つの研究チームがそれぞれ医学誌ランセットで発表した論文によると、移植後最初の1年は組織の拒絶反応があったが、2人とも新しい顔を受け入れる心理的な問題はみられず、社会復帰も可能になっているという。

 世界初の顔面移植は2005年11月、犬に襲われて顔面に大けがを負ったフランス人女性のイザベル・ディノワールさんに対して行われた。担当医師団は昨年、ディノワールさんがゆっくりだが確実に回復していると報告していた。

 2例目の移植はクマに襲われた30歳の中国人男性。2006年に手術を行った中国の医師団によると、手術後は拒絶反応による合併症がみられたが、現在の経過は良好だという。

 西京病院の研究チームは「激しく損傷した顔面の再建には移植が選択肢になり得ることや、移植によって患者が速やかに社会復帰できる可能性を示している」と述べた。

 また、2007年にフランスの医師団が実施した顔面移植のケースでは、男性患者は術後13カ月で仕事を始め、移植された鼻や口やあごなど組織の拒絶反応も少なかったという。アンリ・モンドール病院のローレン・ランティエリ博士らは「われわれのケースでは、特定の損傷の修復には顔面移植が外科的に実現可能で、効果的であることが確認された」としている。



 顔がないまま過ごすか、免疫抑制剤などのリスクはありつつも顔を移植するか…。

 顔がない、って社会で生きていくためにはなかなかツラいですからね。拒絶反応ゆえに不可能といわれていた顔面移植も、何例か順調にきているようです。命と直接関わりない移植とはいえ、その人の人生を左右する事柄ですから、やる意義は十二分にあると思います。

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2008年08月31日

75例目の脳死判定。心肺肝腎膵を移植へ。

75例目の脳死判定 臓器移植へ

 国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)にくも膜下出血で入院中の40代男性が29日、臓器移植法に基づく脳死と判定された。30日午後から臓器の摘出が始まる予定。97年の法施行後、75例目の脳死判定で、臓器移植としては74例目。

 日本臓器移植ネットワークによると、心臓は国立循環器病センター(大阪府吹田市)で40代男性、両肺が岡山大で10代女性、肝臓が大阪大で50代男性、腎臓は東京女子医大の30代男性、もう片方の腎臓と膵臓は広島大で40代女性に移植される見通し。



 今回は関西多いですね。1つ1つの臓器が、1人1人の命を助けることになるのでしょう。

 法改正後11年目となる今回で、75例目。

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