[移植]の記事一覧

2006年09月29日

ドナーの骨髄移植検査料が3000円値下げされる。

骨髄移植 検査手数料3000円値下げ

 骨髄移植推進財団(日本骨髄バンク)はこのほど、骨髄提供者(ドナー)の検査手数料を値下げした。昨年度、骨髄移植件数が予想より多かったことで検査手数料収入が増え、財団の会計が黒字となったためで、移植を受ける患者の経済的負担が軽減される。

 白血病などの患者は、同バンクの仲介で、白血球の型(HLA)が適合するドナーを見つけ、移植を受ける。ドナーの血液検査、検査手数料、傷害保険料などは、すべて患者側の負担となる。ドナー1人あたりの検査手数料は、従来の1万2000円から3000円値下げして9000円となった。

 検査の途中で提供を断られるケースもあるので、一般的には複数のドナーの検査を並行して行う。例えばドナー候補4人を検査し、骨髄移植に至った時の平均的な患者負担金は、4人分の検査料値下げで、これまでより1万2000円安い25万9000円になる。患者側には、このほかに治療費がかかる。

 同バンクは、骨髄移植を希望するほとんどの患者にドナーが見つかるとされる「ドナー登録30万人」を目指しているが、現在の登録者は約26万人。

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 財政が黒字になったら値段そのものを下げるとは見上げた根性。本来こういう団体はこうあるべきですね。利権に群がるバカに見せたいニュースです。

 しかし断られた時のことを考えて4人同時に検査するとは。安くなったとはいえ、26万は結構な金額ですね。ドナー提供者の日和がこんなところで露呈してしまっています。

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posted by さじ at 12:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年09月23日

適合した途端に辞退する骨髄ドナーの存在意義

骨髄ドナー、辞退相次ぐ 「適合」後に負担痛感

 骨髄バンクが91年に発足して以来の悲願、「ドナー登録30万人」が近々達成されそうなのに、移植が思うように進まず、待機患者も増え続ける事態が起きている。白血病を題材にした小説や映画の大ヒットなどでドナー登録は急増しているが、移植可能な患者が見つかっても、「仕事があって行けない」などと断るケースが多いのが大きな理由だ。骨髄移植推進財団は「30万人」の見直しも含めて検討を始める。

 骨髄移植は白血病や悪性リンパ腫などの治療手段。ドナーの白血球の型や遺伝子を調べ、移植が可能な患者が見つかれば同財団などが仲介する。「30万人が登録すれば、患者の9割以上にドナーが見つかる」と、登録を呼びかけてきた。

 サッカー元日本代表の井原正巳さんや、急性骨髄性白血病で亡くなった歌手の本田美奈子さんを起用したCMやポスターが反響を呼んだ。「世界の中心で、愛をさけぶ」「半落ち」など、白血病や骨髄移植を扱った小説や映画が話題になったことでも関心が高まった。

 また、昨年から登録年齢を20〜50歳から18〜54歳に広げたほか、ドナー登録時に家族の同意を不要にするなど手続きを簡略化した。04年度までは年間の新規登録は1万1000〜2万6000人で推移してきたが、昨年度は4万5000人超。今年8月末の累計は25万7104人になり、来年度の目標達成は確実だ。

 一方、財団などの仲介で移植を受けた患者は、今年8月までに7650人に上る。しかし、新たな患者も登録され続けており、現在、移植を待っている患者は3000人を超えてこれまでで最大規模だ。制度が浸透した面もあるが、右肩上がりが続いている。

 財団によると、05年度に「適合通知」を受け、移植に前向きな姿勢を示したドナーでも半数が断念した。健康以外の理由が6割を占め、「家族の同意が得られない」「仕事などで都合がつかない」などが多く、不安になって登録を取りやめる人、連絡がつかない人も目立ち、移植をしたのは約900人だった。患者全体から見ると、移植を受けられたのは36%にとどまっている。

 財団は「善意で協力してくれるのだが、最近は軽い気持ちからドナー登録する人が増え、本当に提供する意思があるのか読み切れない。30万人を超えても安心できない」と困惑している。

 提供を断る人が多い背景には、登録時の血液検査の方法が変更された事情もある。これまでは白血球の型で分類していたが、昨年3月から遺伝子まで見る精度の高い検査方法に変えた。財団は新しい検査で登録した人を優先的に提供リストの上位にすえているため、同じ人が何度もリストアップされるなどのケースが出ている。

 NPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」(東京都新宿区)には、ドナー側から「一度断ったのに、何で私ばかりに何回も来るのか」、患者側から「適合するドナーが20人いたのに断られた」など戸惑いの声が寄せられている。 30万人の目標などについて、財団は10月に有識者の検討会議を設置。来年1月をめどにドナー登録のあり方を抜本的に見直す方針だ。財団の正岡徹理事長は「目標登録数を増やすことと、ドナーの質を上げていくことを総合的に考えたい」と話している。

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 一番移植しやすい「骨髄」でもダメか。簡便さがウケたため、その「結果」も安易な想像になってしまったのでしょうか?いくら簡単な移植であるとはいえ、自身が提供すれば助かる命という認識が浅いような気もします。登録する気になった時の意志を再確認してみて下さい。

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骨髄移植

 白血病や再生不良性貧血などの患者の骨髄液を提供者(ドナー)のものと入れ替え、正常な血液をつくる機能を回復させる治療法。ドナーの腰の骨から注射器で骨髄液を採取し、患者に移植する。患者とドナーの白血球の型(HLA)が適合しなければならない。ドナー登録は献血ルームや保健所などで採血すればできるが、骨髄提供には3〜5日程度の入院が必要なため、財団は会社などに休暇を取りやすい制度の導入を働きかけている
posted by さじ at 02:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年09月14日

移植するための骨を供給する「骨バンク」を知ろう

移植用に供給 骨バンク始動 九州初 熊本にNPO法人

 切除した骨や遺体の骨を保存し移植用に供給する特定非営利活動法人(NPO法人)熊本骨バンク協会(熊本市、高木克公理事長)が、業務を開始した。地域骨バンクの設立は九州では初めて、全国でも2カ所目。「移植用の骨の安定供給につながる」と関係者は期待を寄せている。

 移植用の骨は、骨肉腫などの手術でできる骨の欠損や、人工関節のゆるみを補うために使う。日本整形外科学会によると、2004年に人工骨を含めて全国で約3万2000件の骨移植が行われ、年々、需要が高まっているという。

 ただ、骨の供給は不足しており、これまでは各医療機関が、患者の正常な部分を削ったり、他の人の切除した骨を使ったりしてきた。しかし、生体からの摘出は神経などを痛める危険があり、人工骨も医療費がかさむなどの問題があった。

 このため同協会は、日本臓器移植ネットワークが発行しているドナーカードで、骨の提供にも同意した人が亡くなった場合、摘出チームを派遣するなどして骨の提供を受ける。医療機関から生体の切除骨の提供も受けて、冷凍保存し、医療機関の要請に応じて移植に適した骨を供給する。既に処理・保存施設は完成しているという。

 13日には業務開始の記念事業を同市で開催。1992年に活動を始めた東海骨バンクの蜂谷裕道医師が講演し「当初は理解が得られず、取り組みはなかなか広がらなかった。(熊本での活動開始を機に)理解が広がり、提供者が増えてほしい」と期待を込めた。

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 骨の移植があるってこと、知って下さい。色んなところで役にたってます。

 確かに骨を提供してもらうのって、臓器以上に難しいかもしれない。日本では火葬中心なので、お骨を残しておく習慣があります。故人の唯一遺された肉体ですから、あげるのはためらわれるかも。私は死後だったらどの臓器でもご自由に使って下さいとは思いますが、骨を全部もってかれるのはちょっとって気もしますね。まだ俗世間に未練があるからでしょうか。

 骨提供の意思って1,2本単位でできるんですかね?大腿骨2本とか橈骨2本とか。できれば需要あるかもしれない。まさに骨の1本や2本ってノリで、移植が広まってくれれば幸い。
posted by さじ at 19:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 移植

2006年09月10日

生体肝移植ドナーの術後ケアのため、健康管理手帳を配布

肝移植提供者、健康手帳で術後のケア 厚労省研究班作成

 生体肝移植手術で肝臓を提供した人の「健康管理手帳」を、肝移植にかかわる厚生労働省研究班(班長=里見進・東北大病院長)が作った。手術をした病院だけでなく、近所の医療機関でも手術後のケアを受けやすくし、提供者の不安を解消するのが目的。千葉市で開かれている日本移植学会で9日、発表した。

 生体肝移植は親子や配偶者、兄弟で臓器を提供する例がほとんどだ。提供者は手術実施病院から遠くに住んでいるケースも目立つ。術後に体調不良などで自宅近くの医療機関を受診して肝臓を提供したことを告げると、「手術した施設で受診してほしい」などと診察を拒否されるケースもあるという。

 手帳は、母子健康手帳とほぼ同じB6判で約40ページ。手術実施病院が、提供者の経過、担当医や連絡先などを記録する。術後の定期検診を図るための欄も設けた。今後、肝臓提供者全員に渡す。

 生体肝移植は、国内では89〜05年に55施設で約3800件が実施された。03年に京都大病院で提供者が死亡する例があり、今年7月には群馬大病院で薬の量を間違えたことで下半身まひになった例が明らかになった。日本肝移植研究会の調査では、傷のひきつれや感覚のまひ、疲れやすさなどを訴える提供者が術後1年以上たっても多い。

 手帳の作製にあたった首都大学東京の清水準一准教授(看護学)は「どの医療機関でもまずは提供者を診てほしい。その際に手帳を役立ててもらいたい」と言っている。

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 アフターケアも医療においては重要です。特にドナー側がたらいまわしにされるなどあってはならないこと。工夫を施した清水準一准教授に拍手。あとは医師全体がこの手帳を見て対応できるような認識が広まれば良いだけです。

参考:生体肝移植 看護 健康社会学 : 清水準一のWeb Site

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posted by さじ at 09:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年09月07日

世界初!完全人工心臓の販売をFDAが許可する。

米国:世界初の完全人工心臓の販売認可 食品医薬品局

 米食品医薬品局(FDA)は6日までに、米アビオメド社が申請していた世界初の完全埋め込み型人工心臓の販売を認可した。

 高齢や医学的な理由で心臓移植の対象にならず、余命が1カ月未満の心臓病患者が対象。昨年、FDAの諮問委員会が「副作用の危険がある」として認めない結論をまとめていたが、それを覆した形だ。

 FDAによると、人工心臓は重さ約900グラムのソフトボール大で、病気の心臓を取り出して埋め込み、皮膚越しに外部から充電する。費用は医療費を含め数カ月間で数十万ドル(数千万円)という。

 臨床試験で14人の患者に移植され、手術中に2人が死亡、ほかも脳梗塞が起きるなどして平均生存期間は約5カ月だった。しかし、2人はそれぞれ10カ月、17カ月生存し、うち1人は退院して自宅で過ごすことができたという。

 FDAは「家族や友人と大切な時間を過ごすために数カ月延命したいという患者は多い。危険性の情報を与えた上で、最新の技術を早く使えるようにすることが重要だ」としている。

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 凄い。ブラックジャックの世界だ。本間血腫、本間血腫

 確かに副作用はありそうですね。心筋からは色々と分泌されているものもありますし。血栓もできやすい。非常にデリケートな臓器です。いつかは完全な人工心臓も作れるのでしょう。

 しかし費用高すぎますね。

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2006年09月04日

若麺会主催、献血すると無料でラーメンが食べられる。

献血してラーメン食べよう/あすから11月まで協力1000人に無料券/若松の若麺会

 会津若松市のラーメン店9店でつくる「若麺会」は会津での献血運動を応援しようと、2日から11月29日まで、会津赤十字血液センターでの献血協力者1000人に加盟店でしょうゆラーメンを味わえる無料券をプレゼントする。

 献血への協力が伸び悩む中、新たな協力者を発掘するのに協力するため、キャンペーンを企画した。各加盟店に置いてある「献血応援キャンペーンカード」を持参し、期間中に市内一箕町の会津大短期大学部東側にあるセンターで献血すると、無料券がもらえる。

 キャンペーンのオープニングイベントとして2日午前9時から、先着90人(各店10杯ずつ)に若麺会からしょうゆラーメン無料券をプレゼントする。

 若麺会の城戸進代表は「本県は血液が不足していると聞いて会として何かできなかと考えた。ラーメン店の協力で新しい協力者が増えてほしい。この運動が会津以外にも広がることを期待したい」と話している。

 問い合わせは献血フリーダイヤル(0120)203977。

 若麺会の加盟店は次の通り。

 頓珍館、ふじ乃、豪快、一風亭、七福神、くるくる軒、牛乳屋、とらぞう、小豆屋

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 会津Good Job!福島の皆様、これを機会に献血に接してみて下さい。

関連:
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posted by さじ at 23:22 | Comment(4) | TrackBack(0) | 移植

2006年08月30日

自分の子供の幹細胞を将来の怪我に備えて保存するサッカー選手たち

新生児の幹細胞を保存する親たち 英サッカー選手も

 何人かの一流サッカー選手が、将来、選手生命を台無しにしてしまうケガにあった場合に備え、子どもが生まれたときに幹細胞を採取して冷凍保存しているそうだ。

 『サンデー・タイムズ』紙の報道によると、選手たちは赤ちゃんが生まれたとき、臍帯(さいたい。へその緒)の血から細胞を採取して冷凍している。これは将来、軟骨や靭帯を損傷したときの治療に役立つというのだ。幹細胞はあらゆる細胞の最初期形態なので、破損した器官や組織を作りなおすのに利用できる。

 同紙は、イングランド北西部のとあるプレミアリーグのチームに所属する選手の言葉を匿名で紹介した。「僕たちは将来治療が必要になる可能性を考えて、新生児の幹細胞を保存することに決めました。子ども自身と僕と、両方のために」

 「サッカー選手としては、負傷してしまうともうおしまいです。ですから幹細胞を用意しておくのは理にかなっています。それはリペアキット(修理道具)とも言えますね」

 この選手は、リバプールを拠点とする商業幹細胞バンク「CryoGenesis」に子どもの幹細胞を冷凍してある5人の選手うちのひとり。

 『タイムズ』紙によれば、過去5年間で1万1000人以上の両親が、新生児の幹細胞を保存するために最大1500ポンド(およそ33万円)を支払っている。

 血液状態が悪化したり免疫に異状をきたした子どもを救う目的で行う臍帯血の幹細胞移植手術の成功例は、すでに何千件もある。

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 子供の臍帯血を保存しておくのは、有益だと思います。この調子で医学が進歩していけば、いつか万能細胞として利用できる時がくると思います。それは子供の将来を考えるなら当然の決断といっても過言ではない

 のですが、まさか自分のために保存しているとは。さすが身体が資本のサッカー選手といったところでしょうか。靭帯が再生するのかどうかは定かではありませんが、恐らく可能ではないのかと思われます。スポーツ医学もこういう観点で発達していくのでしょうね。

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posted by さじ at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

臓器移植法を改正すれば救える命のことを考えよう

臓器移植法改正を 患者団体らがシンポジウム

 臓器移植法を改正して臓器の提供条件を緩和するよう求めるシンポジウムが27日、福岡市の九州大病院で開かれ、約200人が参加した。

 重い心臓病の高校生江田果瑠奈さん(16)の母博子さん(41)=福岡市早良区=は「国内の心臓移植は実施例があまりに少ない。医師から『移植が必要』と言われれば、死の宣告に等しい。海外渡航を決断したが大きな賭けだ。国内で移植を受けたかった」と訴えた。

 現行法は、本人の生前に書面で提供意思が示されている必要があるため臓器提供者が増えず、国内での心臓移植の実施例は年数例にとどまっている。病状が悪化した果瑠奈さんは、ドイツでの移植を目指し、募金を集めている。

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 この子は…。

医学処 修正大血管転位症の女性がドイツで心臓移植を望んでいる

 海外で移植するためには、億単位の金がかかります。結局命を金で買ってるようなものです。しかし命を金で買えるなら誰でも買います。問題は、金で買わずとも手に入る命を、「怠慢」で実施しない国の政治家と、現状を認めようとしない、思考回路の停止した国民なのです。

 今日の臓器移植法ははっきりいって「当たり障りの無い法律」です。議論を活性化させる前段階の、人名が助かることを目的としているよりは臓器移植に関して国民に浸透させることが目的のように思います。

 脳死の時も、脳死が人の死かどうかで議論が沸き起こりましたが、魂がどうとか、死後の世界がどうとかいう道徳観念を持っている日本人にはあまり受け入れられませんでした。ですが脳死は肉体の死亡であることは事実です。

 私としては、精神は遺族の心に残るのですから、腐りゆく肉体を他者の役に立てようという意識が国民の間に浸透してもらいたいと思います。そのわずかな細胞の塊で、他者の「命」が救えるのですから。

 これは私の意見であり、私だけが実施すれば良い観念です。ここで私が言いたいのは、そういった考えにたどり着くまでに「どれだけ考えたのか」ということ。考えずに無視をするのだけはやめてもらいたい。思考停止というのは何も生まない。少なくとも、移植がどういうものであるのか、自分が脳死になったときに、自分の肉体をどうしたいのか、そのことについて生きているうちに考えてるべきなんだ、日本人は。「何故今生きているのか」、そのことを考えられる高度な知的生命体なのだから、臓器移植に関して我関せずみたいな態度を取り続けるのは、もうそろそろおしまいにしませんか?

link:医学生だった頃

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2006年08月13日

下半身が結合している双子の女児、分離手術に成功する

腎臓共有の4歳結合双子、分離手術に成功 米国

 ユタ州ソルトレークシティー──下半身が結合し、腎臓などの内臓を共有した状態で生まれて4歳まで育ったユタ州の双子が8日、当地の小児病院で約26時間に及ぶ分離手術を受け、無事に成功した。今後1週間は集中治療室で様子を見るが、その後1カ月ほどで退院できる見込み。

 ケンドラ・ヘリンちゃんとマリヤちゃんは、薄茶色の髪に青い目の活発な女の子たち。肝臓と腎臓、大腸を共有しているほか、一方の腎臓は機能していない。

 分離手術を受けた2人は、片脚ずつ分け合い、機能している腎臓はケンドラちゃんが引き受けた。マリヤちゃんは透析を受けながら体力の回復を待ち、3─6カ月後に母親のエリンさんから、腎臓移植を受ける予定。

 結合双生児の分離手術は通常、生後6カ月から1年の間に行われるが、腎移植は4歳以上でないと難しいため、これまで見送られてきた。

 執刀を担当したマイケル・マトラック医師は、「手術を終えてケンドラちゃんを集中治療室に連れて行くとき、涙が頬を伝った。彼女らはとても元気そうで、本当によかった」と、手術の成功を喜んでいる。

 両親のジェイクさんとエリンさんには、6歳になる娘と1歳2カ月の双子の男の子がいる。分離手術は失敗に終わる可能性もあったが、両親は倫理学者らに相談し、反対意見にも耳を傾けた上で、手術を決断。別々のベッドで眠る2人との再会を、喜んでいるという。

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 分離手術成功で、まずは一安心。あとは腎臓移植次第かな。うまく移植成功して、いい人生を営んでほしい。
posted by さじ at 23:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

群馬大学付属病院の生体肝移植成功率が極端に低い件

群大病院の生体肝移植、高リスク患者9人中7人が死亡

 生体肝移植手術の際、投薬ミスで肝臓提供者に重い後遺症が残ったことが先月明らかになった群馬大病院で、重度の肝臓病などを抱えて生体肝移植を受けた「高リスク患者」9人のうち7人が術後間もなく死亡していたことがわかった。

 全国の生体肝移植患者の死亡率24%(5年以内)に比べ極めて高い数字で、背景には「危険を承知で患者や家族が希望すれば、断るのは難しい」(同病院)という実情があり、高リスク患者に対する手術の是非を巡って論議が起きそうだ。

 同病院によると、2004年1月から今年6月までに15例の生体肝移植を実施。患者9人が術前に高リスクと判断され、うち7人が術後に感染症などに見舞われ、退院できずに死亡した。

 高リスクの患者は、手術の切迫度が高いが、そのリスクを判定する統一基準は国内にはない。同大第一外科の場合は、米国の臓器あっせん機関の点数加算方式を採用しているが、がんの転移などを除いて、点数がどんなに高くても手術をしているのが現状だ。

 生体肝移植を1000例以上行ってきた京都大病院では、群大と同レベルの高リスク患者でも死亡率(90日以内)は45例中12例と低い。江川裕人・京大助教授は「高リスク患者の手術が社会に認められるには、5割以上の生存率を目指す努力が必要だ。なぜ死亡率が高かったのか、原因究明が大事だ」と話している。

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医学処 生体肝移植にて、ヘパリン投与量を誤りドナー側が下半身不随に。

 群馬大学病院は、どうも逃げ腰というか、さも「リスクがあることを承知の上で手術するから死んだんだ」と言わんばかりの論調ですね。命を追う医者としてどうなのか。

 実際、京大病院では普通なのですから、これはもはや患者のリスクの問題ではなくて手技、その他の管理に問題があると言わざるを得ません。

 リスクが高くても可能性があるなら、患者とその家族は「命の助かる道」をとるでしょう。そこは誤りではない。断る必要もない、そこにはない。ですが腕に自信がないのならはっきりとそう言わねばならない。京大病院に送れば助かったかもしれない命なのだから。
posted by さじ at 22:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年08月09日

厚生労働省が健康保険証に臓器提供の意思表示欄を設ける

政管健保の保険証に臓器提供欄新設へ、ドナー増加期待

 厚生労働省は、臓器移植のドナー(提供者)を増やすため、来年1月以降に交付する政府管掌健康保険(政管健保)の保険証に、臓器提供の意思表示欄を設けることを決めた

 保険証の裏側に、心臓や肺、肝臓などの臓器名を印刷し、脳死や心臓停止となった場合に提供してもよい臓器に印をつけてもらう。提供はあくまでも任意である旨を明記し、印をつけた後に考えが変わった場合は新たな保険証を再交付する

 臓器提供の意思表示カードは、日本臓器移植ネットワークが行政機関の窓口などで配布しているが、普及率は10%程度に低迷している。政管健保は中小企業のサラリーマンとその家族ら約3600万人の加入者がおり、自営業者らの国民健康保険(約4700万人)、大企業のサラリーマンらが対象の組合管掌健康保険(約3000万人)と並んで加入者が多い。

 厚労省は政管健保の保険証に意思表示欄を設けることで、臓器移植に対する理解と協力が増えることを期待している。

 政管健保の保険証は2003年度以降、プラスチック製のクレジットカードサイズに順次切り替わり、加入者1人に1枚ずつ配布されるようになった。発行枚数は年数百万枚にのぼる。

 日本臓器移植ネットワークによると、健康保険証に臓器提供の意思表示欄を設ける取り組みは、すでに滋賀県内の国民健康保険や、キリンビール健康保険組合など一部企業組合が行っている

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 キリンビールGJ!

 厚生労働省も頑張ったと思う。脳死に関しては議論する能力がないからスルーしてるのかと思ったよ。

 一番良いのは免許証につけること。するかしないかの意思表示の欄を設けるだけなんだから、今すぐにつけてもよくない?議論する必要すらないよね。誰も反対しないだろうし。(脳死移植に反対の人は、提供しないという意思を表明する義務があると思います)

 この精度で少しでもドナーが増えるといいなぁ。救える命が救えない国はやめよう。海外に出て臓器を買うのもやめよう。やめられる国にしよう。

医学処 脳死による臓器移植47例目。心臓膵臓腎臓を移植
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2006年07月29日

海外で脳死と判定された日本人3人が、帰国後意識を取り戻す

脳死:米国・カナダで判定の3人、日本帰国後に意識回復

 米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、家族らが現地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、帰国後に意識を回復した人が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で明らかになった。東京都内で開かれた日本渡航医学会で、損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳格でなく、治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、報告した担当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。

 報告によると、02〜05年度に、旅行や仕事で米国、カナダに滞在中の旅行保険契約者9人が脳血管障害で入院。主治医は家族や損保の現地スタッフに「脳死」と説明した。うち3人の家族は「治療中止は納得できない」などと訴え、チャーター機で帰国。日本で治療を受け、意識が回復した。搬送費用の約2000万円は保険で支払われた。残り6人は、チャーター機手配に必要な額の保険に加入していなかったことなどから帰国を断念。現地で死亡したという。

 意識が戻った60代男性の場合、カナダで脳梗塞となり、入院した。人工呼吸器をつけなくても呼吸できる自発呼吸はあったが、医師は家族に「脳死」と説明したという。しかし、男性は帰国後1カ月で意識が戻り、記憶も回復した。

 日本、米国、カナダとも自発呼吸があれば脳死とは判定されない。回復した3例は病院の診断書に「脳死」との記述はなかった。病院側は損保に「保険会社で死の解釈が違う。治療費を保険で確実に出してもらうため、(病院としては)脳死かどうかは書かない」などと返答したという。

 日本医科大の横田裕行助教授(救命救急医学)は「海外の基準でも脳死なら意識は回復しない。米やカナダなどの一般医療現場では、回復は難しいなどの意味で脳死を使うことがある」と言う。

 ◇病院間で脳死判定基準に相違…米国

 米国は脳死者からの臓器移植先進国で、年間6000例前後が実施される。脳死は人の死という考え方が広く受け入れられているためだ。松本歯科大の倉持武教授(哲学)は「日本よりも臓器移植を強く推進するというムードが強く、医療現場に影響しているのかもしれない」と指摘する。

 実際、米麻酔学会誌(1999年7月号)によると、頭部外傷で脳死と判定された男性が、臓器摘出直前に自発呼吸をしていることが分かったが、そのまま摘出された例などが紹介されている。

 日本とは医療制度、保険制度が異なり、医療も「営利産業」とされる。患者死亡の場合、保険会社が死亡直前の治療を「無駄」と判断するケースもある。病院側は保険会社からの支払いを受けるため、早めに治療を打ち切る傾向もあるようだ。

 日本では臓器移植法が施行された97年以降、脳死移植は47例。杏林大学病院の島崎修次救命救急センター長は「米国、カナダの脳死判定では脳波は取らず、日本ほど厳格ではない。カナダでは病院ごとに判定基準を定めている」と説明する。

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 あぶないなー、アメリカとカナダは。自発呼吸があるのに臓器摘出って。脳死が広く受け入れられているというより拡大解釈されてしまっている感が否めません。

 その点基準は厳格な日本。日本はちゃんとしてるんですから、もっと脳死移植を行うべきです。アメリカのほうが曖昧なのに脳死移植を大量に行っているでしょう、それはおかしな話です。厳格なシステムを構築している国が行うべきことなのです。

 ◆脳死判定 

 日本では、臓器移植法に基づき、臓器提供の場合に限って、脳死が法律上の死とみなされる。脳死と判定するためには、(1)深いこん睡(2)瞳孔の散大と固定(3)脳幹反射の消失(4)平たん脳波(5)自発呼吸の消失−−のすべてを満たし、6時間たっても状態が変わらないことを確認する必要がある。米国では、州法などで「脳死」を「脳幹を含む全脳の不可逆的停止」などと定義している。どちらの国でも、自発呼吸があれば、脳死とは判定されない。

関連:医学処 和田心臓移植事件の和田氏、倫理面の重要性を指摘
   医学処 救える命が救えない。臓器移植改正法案がまたも審議延長
posted by さじ at 03:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月27日

ドミノ移植後のFAP、国内で初めて発症。

移植肝原因の難病を発症 国内初の確認

 生体肝移植を受けた患者から摘出した肝臓を別の患者に移植する「生体ドミノ肝移植」を1999年に受けた患者が、移植した肝臓が原因とされる進行性の難病「アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)」を発症したことを、熊本大大学院医学薬学研究部の安東由喜雄教授らが26日までに国内で初めて確認した。

 先天性のFAP患者の多くが2、30代で発症することから、これまでは患者の肝臓を移植に使用しても発症には20年ほどかかると考えられ、ドミノ移植は臓器の不足を補う緊急避難的な治療として行われた。

 今回のケースは移植から約6年半で発症したことになり、日本移植学会の田中紘一理事長は学会として調査する考えを示した。

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 以前から危惧されていたことではありました。

参考:FAPの肝臓を移植した重症患者が予想よりも早くFAPを発症

 ですが予想以上に早い発症に驚きを隠せません。生体肝移植で6年半しか持たないのでしたら技術的にどうなのか、というところ。まあそれでも移植数が足りないのが一番の問題なのですが。。。
posted by さじ at 04:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月24日

生体肝移植にて、ヘパリン投与量を誤りドナー側が下半身不随に。

生体肝ドナー下半身不随 群馬大、薬過剰投与で
 
 群馬大病院で昨年11月に行われた生体肝移植手術で、夫に肝臓を提供した50代女性が手術後、血液凝固阻止剤「ヘパリン」の過剰投与が原因で脊髄を損傷し下半身不随になっていたことが24日、分かった。

 同病院は医療ミスを認め、女性や家族に謝罪。夫は手術後の今年3月に感染症のため死亡した

 日本肝移植研究会によると、生体肝移植は国内で4000例弱実施。京都大病院で提供者となった40代女性が多臓器不全で死亡した例はあるが、ドナーが医療ミスで重い後遺症になったのは初めて。また、移植を受けた患者の生存率も1年後は約82%、3年後は約78%と高い。

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 む。生体肝移植でのドナー側の医療ミスが起こってしまいましたか。これのせいで生体肝移植数が減ることがないと良いのですが。

 どうやら通常の2〜5倍のヘパリンを投与していたようで。そのため副作用で出血がおき、脊髄損傷という流れか。慎重な投与を望みます。

関連:生体肝移植には当然「途中で辞める権利」がある。
posted by さじ at 23:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月23日

生体肝移植には当然「途中で辞める権利」がある。

<生体肝移植>「途中辞退」の権利、4割が説明文に記載せず

 健康な人が肝臓の一部を提供する生体肝移植で、実施医療機関の約4割が、提供者(ドナー)への説明文書で、提供を途中でやめる権利があることを記載していないことが、厚生労働省の研究班(班長=里見進・東北大教授)の調査で分かった。事態を重視した日本肝移植研究会は、同研究班が試作した「自己点検シート」を各医療機関へ配布し、ドナーの意思確認の徹底を求めていく。

 生体肝移植は、家族や親族間で行われるケースが多い。特に法令などによる基準はないが、ドナーの判断で断念することも当然の権利とされている。調査は、全国の生体肝移植を実施している56医療機関を対象に実施し、提供者に説明する際に使っている資料の送付を求めた。回答は、41施設からあった。

 資料を分析した結果、提供を途中で辞退する権利があることについて、資料に記載されていたのは59%(24施設)にとどまり、不徹底さが浮き彫りになった。

 このほか資料への記載率が低かったのは、「移植のおおまかな流れ」(17%)、「傷や痛み」(12%)など。逆に記載率が高かったのは、「術後の合併症と治療」(93%)、「入院期間」(76%)などだった。

 日本肝移植研究会が04年にまとめた調査では、提供者の半数近くが術後に傷口のまひなどの自覚症状を訴えている

 研究班が試作した点検シートは、肝移植に関する理解や移植の意思を再確認することを目指すもので、手術に要する期間や体調への影響、提供者の精神状態、周囲の理解、相談相手の有無などをチェックする内容になっている。

 里見班長は「辞退の権利や術後の体調について、口頭ではどの施設でも伝えていると思う。しかし、提供者は家族や親族を救う立場にあるため、精神的に高ぶっている可能性がある。疑問やわだかまりを解消し、冷静に判断するため、点検シートを活用してもらいたい」と話している。

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 うーん、恐らく病院側は配慮を重ねたと思うんですが、生体肝移植に関しては配慮に配慮を重ねてもらいたいです。移植の権利を徹底的に提示することで、不透明な部分をなくすことができると思います。それは移植数の増加にも繋がるでしょう。
posted by さじ at 05:23 | Comment(3) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月10日

中国の闇相場にて、腎臓一個713万円、肝臓は1127万円

闇相場 腎臓713万、肝臓1127万 カナダ議員提出、生きた囚人からの臓器抜取りの報告書で明らかに 

 カナダ最大手テレビ局CTVは7月3日夜11時の番組で、前国会議員デイビッド・チューガ氏および人権弁護士デイビッド・マトス氏が、7月6日に、中国国内で生きた法輪功学習者から臓器摘出する事件について、証拠付き調査報告書を公開することを明らかにした。

 カナダ前アジア太平洋局局長、自由党の国会議員デイビッド・チューガ氏は、CTVのインタビューに対して、入手した証拠から、中国国内で生きた人体から臓器を摘出している指摘は真実であることを明らかにした。チューガ氏は、彼ら(中国の医師)は2つの腎臓を摘出してから、心臓、皮膚、眼角膜および肝臓も摘出し、終了後、遺体は焼却炉へ投げ出されるのだ」と語った。

 CTVは、法輪功は中国では禁止されている準宗教運動であると紹介し、日増しになっている臓器移植の需要に、幾千人もの学習者が生きたままに、臓器を摘出されてから殺害されると報じた。

 2006年5月8日、チューガ氏およびマトス弁護士は、カナダ国会政党すべての議員の支持を獲得し、同臓器狩り事件の調査に同意した。調査結果について、チューガ氏は、「誰もが、同信じがたい犯罪行為が継続していることを疑うもしないのだ」と語った。

 一方、中共外交官・張偉東(音訳)氏は、インタビューに対して、すべての証拠が偽物であるとし、チューガ氏は法輪功学習者に騙されたと主張した。

 チューガ氏はCTVで公表した証拠書類の中に、腎臓1つの価格ついて、中国の闇市場の場合は6万2000米ドル(約713万円)で、肝臓は9万8000米ドルから13万米ドル(約1127万円から1495万円)であることを示した。

 現在、国連およびアムネスティ・インターナショナルも同事件の調査を行っているが、双方共にまだ十分な証拠を入手していないという。

 マトス氏は、今年の5月末に調査を開始した際、北米にいるすべての証人を逐一に訪問すると同時に、中共当局に対して、中国国内の調査を行うために、チューガ氏を含む両氏の中国ビザを要求した。しかし、中共当局からの返事はなかったという。

 両氏は7月6日に、今回の調査報告を連邦政府へ提出すると同時にカナダ政府に対して、中共当局へ圧力をかけ、制裁するよう呼びかけるつもりでいるという。

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 日本では非現実的なことでも実際に起こっていることがある。その1つが臓器密売。真偽の程は定かではない、とは言っても、可能性としては大いにありうることだと思います。中国の臓器移植件数はかなり急増していますが、こういった数字に出ないところでも臓器移植が行われているのではないでしょうか。

 もちろん、日本人も中国へ移植ツアーに出ているので、他人事ではありません。自国の臓器ぐらい自国でカバーできるような法整備を敷きたいところです。日本がそうなってこそ、臓器密売が減るのではないでしょうか。

関連:胆のう除去手術を行っていた医師が患者の腎臓を盗み取る
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posted by さじ at 08:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

運転手が雇い主から貰ったものは「腎臓」

米リムジンドライバーが受け取った「プライスレス」な贈り物

 米国のリムジンドライバー、アブドゥル・ファラジ氏は今週、顧客の1人からかけがえのないプレゼントを受け取った。腎臓だ。

 ファラジ氏に腎臓を提供したのは、ミネソタ州在住の実業家、デイブ・ベイカー氏。2人はシカゴの病院で移植手術を行った。

 ファラジ氏は糖尿病を患っており、週に3回人工透析しているにもかかわらず、腎臓が正常に戻らず苦しんでいた。ベイカー氏について彼は、「体の一部を私にくれたのです。命を救っていただきました」と感謝の気持ちを語った。

 数年前からベイカー氏はシカゴに出張すると、ファラジ氏をドライバーとして雇っていた。数ヶ月前、ファラジ氏が健康上の問題を抱えており、腎臓提供者を必死で探していることを知ったという。

 「その時、ベイカー氏が私の血液型を聞いたのです。私はO型だと答えました。するとベイカー氏が言ったのです……『僕もO型だよ。僕の腎臓をあげるよ』と」

 ベイカー氏はすでに退院し、数週間以内には完全に回復するという。

 ベイカー氏は地元テレビ局の取材に対し、「立ち止まり、ゆっくり辺りを見回して、誰かを助けなければならない時期だったのですね」と語った。

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 向こうではこのように、腎臓移植をポーンとやってしまう・・・わけではないですよね。おなか開くわけですからね。でも、それでも他者に与えたいという何かが、自分だけ良くてもいけないんだ、という想いが根底に流れているのでしょう。

関連:腎臓病早期発見のためのプログラム始動。無料です。
posted by さじ at 08:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

胆のう除去手術を行っていた医師が患者の腎臓を盗み取る

胆のう除去手術をしていた医師、患者の腎臓を盗み取る

 パキスタンの警察当局が、胆のう除去手術中に患者から腎臓を盗み取った医師を逮捕したと発表した。

 容疑に問われているのはモハマド・カシフ医師。彼は5月7日に胆のう除去手術を行ったが、その最中に患者から腎臓を1つ盗み取ったとされている。カシフ医師は金曜日、パキスタン南部のカラチで逮捕された。

 警察関係者は、「なぜ彼は腎臓を盗んだのか、そしてその腎臓はどこにあるのか、について現在捜査しています。腎臓が誰かに売却されているのなら、買い取った人物がいるはずです。今後捜査が進むにつれ、大きな事件に発展する可能性があります」と話している。

 パキスタンではこれまでに、貧困にあえぐ人々が不法に自分の腎臓を売る事件が数百件発生している。しかし今回のように、自分が知らない内に腎臓が取られてしまうというのはレアケースだ。

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 臓器売買が犯罪へ駆り立てた形、ですかね。恐ろしい話です。ですが他人事ではありません。彼らが犯罪を犯したのは、臓器が高額で売れるからで、何故高額で売れるのかといえば、外国人向けの臓器だからです。

関連:ドナーになったから金を寄越せとパキスタン人in京都大学
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posted by さじ at 07:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月09日

骨髄ドナー登録者が25万人を突破。あと5万人必要

骨髄ドナー登録者25万人突破

 白血病などの難病患者へ骨髄を提供する意思を表明した「ドナー登録者」が6月末、25万人を超えたことが分かった。

 日本骨髄バンクを運営する骨髄移植推進財団(正岡徹理事長)は、「待機患者の全員が適合するドナーを見つけるためには30万人の登録者が必要」として、新たなドナー登録を呼びかけている。

 移植を望んで骨髄バンクに登録する患者は現在、全国に約1590人。骨髄移植は、患者とドナーの白血球の型(HLA)が一致することが前提だが、非血縁者間で一致する確率は数百から数万分の1しかない。

 HLAが一致した場合でも、ドナー側の事情で移植に至らないケースもあるため、昨年登録した患者2253人のうち移植を受けられたのは半数程度で、残りは今年になっても待機したままだという。

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 X-JAPANのhideも、骨髄バンクに登録していましたね。誰かを想う気持ちがあれば、30万人も夢ではないはず。

続きを読む
posted by さじ at 15:15 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植

2006年07月08日

【世界初】血液型が異なる脾臓膵臓同時移植が行われる

血液型が異なる患者の膵臓・腎臓、世界初の同時移植

 国立病院機構千葉東病院(千葉市中央区)は6日、血液型がO型の患者にA型の母親の膵臓と腎臓を移植する生体部分同時移植を行ったと発表した。

 臓器提供者と移植を受ける患者の血液型が異なるケースでの生体移植は、腎臓ではあったが、膵臓移植は世界初という。

 同病院によると、患者は、重症の糖尿病に腎不全を併発した30歳代の女性。50歳代の母親から腎臓と膵臓の一部を移植した。手術は5日午前から約9時間半かけて行われ、2人とも容体は安定しているという。

 膵腎の生体部分同時移植は国内では5例目。

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 おお、思い切ったことを。母親の強い願いだったのでしょう。ぜひとも成功してもらいたいものです。
posted by さじ at 01:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植
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