「腎臓くれたら300万」再三依頼 提供女性「約束の金くれない」 国内でも臓器が売買されているのではないか――。以前から懸念されていた事態が、
現実の事件として明るみに出た。生体腎移植手術のための臓器を買ったとして、患者ら2人が1日、愛媛県警に逮捕された。患者の男はドナー(臓器提供者)の女性を「妻の妹」と説明し、病院側は事実関係を確認しないまま手術していたという。脳死移植に厳格な条件を定めた臓器移植法のもと、脳死下での臓器提供がなかなか増えない中で起きた事件に、関係者は大きなショックを受けている。
臓器移植法違反容疑で逮捕された水産会社役員、山下鈴夫容疑者(59)と同社社長松下知子容疑者(59)は、約20年前から内縁関係にあったという。現在住んでいる愛媛県宇和島市内のオートロック式の7階建てマンションには、2000年6月に入居した。6、7階に1部屋ずつ借り、1室を水産会社の事務所にしている。
山下容疑者は手術前、「人工透析をしなければならないので大変だ」と知人に漏らしていたが、手術後の経過は良好で、人工透析の必要はなくなったという。
一方、漁協関係者によると、松下容疑者の水産会社は、中国や韓国からメバルやマハタの稚魚を購入し、市内の養殖業者に販売していたという。松下容疑者は1980年ごろ、ドナーの貸しビル業の女性(59)(松山市在住)が宇和島市内に住んでいた時に、子どもを介して知り合ったという。
県警によると、女性は96年ごろから松下容疑者に金を貸し始め、
額は200万円に上っていたという。松下容疑者は女性に対し、「
ドナーになってくれたら、借りた金に300万円を上乗せして返す」などと言い、ドナーになることを再三頼み込んだ。しかし、女性は「貸していたお金や約束のお金をもらっていない」と県警に相談していた。
女性は現在入院しているが、移植との関係について県警は、「複合的な要因が重なったとしかいえない」としている。
承諾書にサイン病院「本人確認せず」 移植手術が行われた宇和島徳洲会病院で1日午後、記者会見した貞島博通院長(53)は、「
病院としては全く関与しておらず、コメントできない。今回の件は臓器提供者と患者の問題」と切り出した。
貞島院長の説明では、山下容疑者が入院したのは昨年9月20日。重い糖尿病で、生体腎移植を行うことになった。当初は、山下容疑者が病院側に「妻」と説明した松下容疑者が臓器提供者となる予定だったが、血液検査の結果、不適合と判明。その後、「妻の妹」として連れてこられたのが貸しビル業の女性で、女性はドナーとなることへの承諾書にサインした。
貞島院長は「臓器は(山下容疑者の)義理の妹から提供されたと聞いていたが、本人確認はしていなかった」と述べた。
こうした病院側の対応について、貞島院長は「
ドナーは一般的に患者が見つけてくる。手術の説明をして本人の承諾が得られれば、手術をする」と説明。「手術は成功した。全く問題ないと思っていた」と、病院側には落ち度がなかったという認識を示した。
一方、執刀した同病院の泌尿器科部長(65)は読売新聞の取材に、「女性の保険証は見た。松下容疑者と女性は体形が似ていた」と話し、義妹かどうかの確認が不十分だったことについては、「この女性の場合、わざわざ松山市まで行って戸籍謄本を取る必要がある。どの医療機関も、そこまで求めないのではないか」と語った。
海外での臓器移植仲介ビジネス横行 臓器移植をめぐっては、1980年代から、仲介業者が患者に海外での移植をあっせんし、売買された臓器が移植されるケースが問題化した。
「腎臓売って金を作れ」。99年に摘発された商工ローンの社員は、取り立ての際にこう言って顧客を脅していた。当時、海外で貧しい人々が臓器を売り、それを日本人の患者らにあっせんする「臓器ビジネス」が横行していたことが、背景にあったとされる。
これに先立つ88年には、フィリピンで、
現地の受刑者が提供した腎臓を大阪市内の男性患者に移植する手術をあっせんした東京の業者を、フィリピン入国管理局が身柄拘束。97年には、インドとバングラデシュで、金銭の提供を伴う生体腎移植を日本人が受けた際、日本人医師が紹介状作成に関与し、業者から報酬を受け取っていたことが発覚している。
厚生労働省の研究班が今年実施した調査によると、海外で腎臓移植を受けた人は少なくとも198人。売買された臓器が使われたかどうかは不明だが、渡航先は、中国やフィリピンなどアジアの国が多いという。
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色んなところで生体移植の問題については取り上げているであろうから、私は根底を探ってみたいと思います。まず最初に、医者は確認を怠ったということで悪いとは思うけど、それ以外は別に悪くないよなぁというのが正直なトコロ。はっきりいって臓器売買した当事者も悪くない。勿論病院も悪くない。
だってこれ、「違反」したのは
国のせいですよ。臓器移植問題という、10年以上前から審議を引き伸ばしまくって「まぁ現状維持で」的結論のままのろのろとその場に立ち止まり続けた、日本のシステムが悪いだけです。根底にあるのは、必要数の臓器はあるのに、臓器移植を円滑にするシステムについて議論しようとしなかった政治家と、臓器移植に関心がなく我関せずの態度をとり続ける国民の問題で、「生きたい」と思う患者の気持ちを止めようとするのはおかしな話。金で解決するんだからその道をとった、それがそこまで非難されることですかねぇ。
つーか国内だと問題視されて、
海外に臓器を買いに行くのを政治家たちは止めようとしてないよね。暗黙の了解つー感じ。何なのコレ。
小沢一郎が「
国民のレベル以上の政治は現れない」ということを言っていた。なるほどなあと思った。当ブログで散々厚生労働省の役人や政治家を無能呼ばわりしてきたけど、国民が無能だから仕方がないことなのか。
逆転してるのかどうか分からないけど逆転の発想でアプローチをしてみた。すなわち、
日本での臓器移植を諦めようというもの。
そもそも欧米では病院ボランティアが主婦の間で盛んなほど、ボランティア精神に溢れている。自身の人体を提供するという、ある意味で究極のボランティアが社会に浸透しているのも頷ける。
しかし日本はどうだろう。病院ボランティアなど真にボランティア精神を持った人しかやっていない。移植はどうだ。
臓器移植に対する意思表明すらも行わない人が大多数じゃないか。そんな日本で移植システムが成功するはずがない。自分が生きるか、死ぬかにしか興味のない人種なのだから。(それは選挙でも現れてますよね。投票率51%とか、正気の沙汰とは思えません)
生体移植など行わないほうが良いに決まっている。ドナーの侵襲が大きいのだから。だが、
死者からの臓器すらない日本でそれは、唯一の助けなのだ。理想的な死者からの臓器移植など滅多にないのが現状だ。
死者の臓器が供給不足で、指をくわえて死ぬのを待つほど「死を受容している人間」が一体どれほどいるのだろう。私だったら「諦めない」選択を選ぶ。末期がんと異なり、現代医学で十分対処できる病気だからだ。完治の可能性を捨てて、政治家の犠牲になるなどという従順な真似はできない。そして起こった、今回の事件だ。起こるべくして起こったといっても過言ではない。
で、だ。いっそ移植を浸透させるのを諦めて、
金で解決してはどうかと。つまり
臓器の輸入。アメリカやヨーロッパは高いから、少々うさんくさくても中国産やベトナム産、タイ産が市場を占めるだろう。1臓器ン百万で取引されるようになり、日本人は腎不全や肝硬変で死ぬことがなくなり、平均寿命も格段にアップ。いちいち透析なんてしなくていいわ、と国民全体の生活の質も向上してワーイ薔薇色人生。ありがとう中国人の皆さん、ありがとうベトナム人の皆さん。皆さんも僕らの
あげたお金で楽しい生活送ってくださいね!!
今の日本の
異常な価値観って
こんなん(↑)ですよ。国レベルで臓器売買を促進してるのなんて日本ぐらいなもんだ。こんな国、こんな政治家、こんな役人、こんな国民性で本当にイイんですかい?
参考:
腎移植の現状 なぜ臓器売買までして移植を行うのか。背景には深刻な臓器不足がある。
脳死移植・心停止後移植の仲介を行う日本臓器移植ネットワークのまとめでは、8月31日現在、腎臓の移植を希望する登録患者は1万1564人。一方、移植は、日本移植学会によると、1983年以降、毎年500件以上行われている。最新統計の05年は834件だった。
しかし、その内訳は、
生体移植が大半。94年から生体移植は増加傾向にあり、04年は約8割にあたる727件だった。生体移植のほとんどが親子間で、最近は夫婦間も増えている。
一方で、89年には年間261件もあった心停止後移植は97年の臓器移植法施行以降、減少傾向にあり、02年には112件に落ち込んだ。移植専門医の間では「脳死でなければ提供できないと誤解する病院関係者や家族がいた」との見方があった。
脳死移植も年間4〜16件とごくわずかだ。
糖尿病患者の増加で合併症の腎症を患い、慢性腎不全に陥って人工透析を行う患者は04年末で約24万人。これらの患者は
腎臓移植を受けないと完治しない。
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