2008年07月01日

おなかの脂肪から幹細胞を取り出して移植する。

じゃまな脂肪で再生医療 幹細胞実験、動物で成功

 おなかの脂肪から、様々な細胞になりうる幹細胞を取り出して心筋梗塞や肝臓病を治療することに、大阪大や国立がんセンター研究所のグループが動物実験で成功した。脂肪は採取しやすく移植時の拒絶反応も避けられる。厄介者扱いされがちな脂肪だが、再生医療に利用しようと研究が広がっている。

 大阪大未来医療センターの松山晃文・准教授らは、脂肪の中から心筋や肝臓、膵臓の細胞に効率よく成長する幹細胞を見つけた。この細胞を、特殊な薬剤で心筋のもとになる心筋芽細胞に変化させ、心筋梗塞のラットに移植した。治療しないと心臓の収縮率は30%に落ちたが、移植すると60%まで回復して4カ月維持した。

 この幹細胞から肝細胞の塊をつくり、慢性肝炎のマウスに移植すると、肝機能が改善した。膵臓のようにインスリンを出す細胞もつくり、糖尿病のマウスに移植すると、3週間にわたり血糖値が下がった。

 同センターの澤芳樹教授は「動物実験を重ね、あらかじめ脂肪から幹細胞をとって将来に備える細胞バンクをつくりたい。テーラーメード型の再生医療が目標」という。

 国立がんセンター研究所の落谷孝広・がん転移研究室長らも、皮下脂肪から肝細胞をつくった。肝臓でしか合成されないたんぱく質を14種類以上検出。肝臓を傷めたマウスに注射すると、上昇した血中のアンモニア濃度が24時間後にほぼ正常に戻った。

 ただ、肝臓は500ほどの機能があり、すべて回復しているかどうかは分からない。メカニズムの解明もこれからだ。落谷さんは「胚性幹細胞(ES細胞)から肝細胞をつくる効率が低いのに対し、必要な量を採取できる脂肪の利用に期待が集まっている。肝臓切除時に少量移植して機能回復を促す補助的な使い方が考えられ、数年内の臨床試験をめざしたい」と話している。



 機能不全に陥った部分に、同じ細胞群にした幹細胞を注入してやって、機能を回復してやろうとする試み。

 これはまぁES細胞やiPS細胞を用いた手法と同じですが、大きく違うのが、脂肪を材料にしているというところ。脂肪細胞からつくれれば、臨床的にも応用しやすいでしょうね。今後に注目したいところです。

関連:子宮筋肉に、幹細胞が存在する。
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2008年06月23日

国際幹細胞研究学会でiPS細胞研究が白熱する。

iPS細胞関連、注目すべき発表が相次ぐ…国際幹細胞研究学会

 国際幹細胞研究学会が11〜14日、米フィラデルフィアで開かれた。

 京都大の山中伸弥教授らが人の新型万能細胞(iPS細胞)の作製を報告してから半年、iPS細胞関連を中心に注目すべき研究発表が相次いだ。

 「今年は、シンヤマニア(伸弥に熱狂)の大会だ」。山中教授らiPS細胞作製に成功した5グループの代表が出席した公開パネル討論。進行役を務めた学会長のジョージ・デイリー米ハーバード大准教授はこうおどけてみせた。

 実際、学会では、iPS細胞の効率的な作製法、病気の仕組み解明の研究が目立った。独ボン大のグループは、山中教授らのiPS細胞の弱点とされるがん化を防ぐため、染色体の損傷をなくす方法に迫り、発表者を研究者が何重にも取り囲んだ。

 米カリフォルニア大サンディエゴ校やボストン小児病院のグループなどは、医療応用を目指し、パーキンソン病などの患者の細胞からiPS細胞を作製したと発表した。

 山中教授とともにiPS細胞を研究する高橋和利・京都大助教は「日本では患者の細胞でこれから研究を始める段階なのに、こんなに新しい研究が出ているとは」と、激化する競争に厳しい表情を浮かべた。

 iPS細胞が幹細胞の主役に躍り出たのは、iPS細胞作製法が、遺伝子治療など他分野へも大きな衝撃を与えたからだ。

 成熟し分化しきった細胞を受精卵に近い状態に戻す「リプログラミング」(初期化)は、かつては卵細胞へ核移植するクローン技術しかないと考えられていた。この説を覆したのが、iPS細胞の成功。わずか3〜4遺伝子を入れるだけで可能なことを証明した。

 遺伝子の組み合わせを変えて初期化を導く研究も進むが、今回、最も話題を集めたのは、米ハーバード大の研究だ。3種類の遺伝子で膵臓の外分泌細胞を、インスリンを分泌するベータ細胞に変えることに成功。胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞も使わず、体細胞を初期化した成果は、直接神経や肝臓などの細胞を作れる可能性を示した

 スタンフォード大のアービン・ワイスマン教授は「細胞そのものを狙い通りに作り変える『ダイレクト・リプログラミング』」と評価した上で「このアイデアをもたらしたiPS細胞は我々が長い間探し求めていた最も大切な発見」と山中教授も絶賛した。

 研究の進歩を上回る期待が世界中に広まる反面、治療を目指す臨床研究が進まないことに戸惑いの声も上がった。学会の作業部会では、研究方法や動物実験の評価法などを定めたガイドラインを年内にも策定して公表する方針だ。

 「あまりに研究の進歩が速くてまとめが追いつかない。考えてみて下さい。2年前にはiPS細胞もなかったのだから」。作業部会のジュリオ・コッス伊サンラファエレ科学研究所ディレクターがこう漏らすように、まさに世界中の研究は加速している。



 iPS細胞の研究をしている全世界の研究者は、今まさに時間すらも惜しいほどの絶頂期でしょうね。ホント、エキサイトしながら仕事してそうです。年齢的にも世間では中年と呼ばれているような年代でしょうけれど、それでも人生を最高に楽しく生きている。羨ましい限りです。

 全世界で白熱した研究合戦が繰り広げられているのですから、それをまとめるのも至難の業ですね。しかし確実に一歩一歩進んでいますので、あと2,3年もすれば医療もガラリと変わる、かもしれません。

 我々は彼らを暖かく見守りつつ、期待して待つとしましょう。

関連
医学処:京都大学がiPS細胞の関連特許を管理する会社を設立。
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2008年05月25日

京都大学病院の生体肺移植、再開。

生体肺移植、6月にも再開へ 京大病院

 京都大学医学部付属病院は20日、記者会見を開き、死亡事故を受けて自粛していた肺移植手術を再開すると発表した。「医の倫理委員会」の承認が得られれば、中部地区の6歳の女児に母親の肺を移す生体肺移植手術を6月にも実施する。脳死肺移植の再開は未定という

 同病院は、手術について詳細なマニュアルを作成。呼吸器外科や心臓血管外科、麻酔科などそれぞれの責任を明確にした上、手術前に詳細な打ち合わせをしていく方針を確認している。

 06年に起きた脳死肺移植のミスによる死亡事故を巡っては、第三者委員会などが心臓血管外科について「チーム医療ができていなかった。病院の体質も問われるべきだ」とする報告書をまとめている。



 現在の大学病院のメリットといえば、どの科に入院していても、他の科の医師と共に協力して医療を行えるという点が大きいでしょう。例えば胃の腫瘍があったとして、その人が糖尿病をもっており、更に手術に対するストレスで不安定な状態にあったとします。そういうときには代謝内分泌内科や精神科の医師に依頼することで、その患者さんを多角的に診ることが出来ます。

 それだけでなくても、同じ科の中で、多くの医師によって診断や治療法の適正などを確認するのも、大きなメリットです。医師一人で全てをやってしまうのではなく、患者さんのために安全性、確実性を重視して、最良の医療を行おうとしています。

 しかし残念なことに、以前の京大では「連携不足」で何人かの患者さんの命が失われていました。あってはならないことだと思います。その轍を踏まえた上で、生体肺移植を行ってもらいたい。

関連
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2008年05月13日

生体細胞を用いた人工腎臓が実用化するかもしれない。

急性腎不全患者の生命を救うバイオ人工腎

 急性腎不全患者の生命を救うバイオ人工腎が数年以内に実用化される可能性が、新たな臨床試験によって示された。生体細胞を利用した尿細管補助装置(RAD)によって腎細胞の機能を短時間補助することにより、腎損傷による急性腎不全患者の死亡リスクが有意に減少し、腎機能の回復が加速されるという。

 研究を行った米ミシガン大学医学部(アナーバー)内科教授のH. David Humes博士らは、10年以上前にこのバイオ人工腎の開発を始めた。この装置には、従来の腎透析のように血液を濾過するカートリッジが含まれ、これがRADにつながれている。RADは腎近位尿細管細胞と呼ばれる腎細胞の一種で裏打ちされた中空糸でできており、この腎細胞は生命維持に必須の電解質や塩、グルコース、水を再吸収し、感染症と闘うサイトカインと呼ばれる免疫システム分子の産生をコントロールする

 今回の研究では、18〜80歳の極めて重篤な状態にある患者58人を対象とした。持続的静脈-静脈血液濾過(CVVHF)とRADを併用した患者では28日後の死亡率が33%であったのに対し、従来型の持続的腎補助療法(腎透析)を受けた患者では66%であった。28日目の時点でRAD群の53%に腎機能の回復が認められた。180日間の治療後、RAD群での死亡リスクは従来療法群の半分(50%)であった。この研究は医学誌「Journal of the American Society of Nephrology」5月号に掲載された。

 Humes氏は、今回の結果は非常に有望だと述べている。急性腎不全の死亡率の高さ(50〜70%)には長い間変化がみられなかったが、この方法によって優れた治療法の開発が期待できるという。さらに、生体細胞を利用するこの新しい取り組みは、あらゆる分野の新しい細胞ベースの治療法や組織工学を用いた治療法の開発の可能性をもたらす。慢性腎不全患者の治療用として、装着型人工腎のような装置の開発が促進される可能性もあるという。

 「細胞の生命維持プロセスを利用して、疾患によって障害された部分を回復させるこの能力は、医学の将来に大きな影響をもたらすものである。このような生体細胞の利用が成功したことで、われわれの取り組みの正当性が裏付けられ、幅広い疾患において細胞治療の研究が促進されると思われる」とHumes氏は述べている。



 生体の細胞を装置内に組み込むことで、その細胞の機能を利用してやろうというところがナイスです。透析では老廃物の除去は出来ますが、あれは腎臓と同じ機能を持っているわけではありませんからね。

 腎臓の機能は様々ですが、解明されているそれら1つ1つの機能を機械だけで実現しようとするのは、かなり困難です。それほどまでに、細胞の働きというのはシンプルかつ奥深い。

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2008年04月21日

生理の血から心筋細胞を取り出し心臓病治療に使う。

女性の経血から心筋細胞…骨髄細胞より100倍効率良く

 心臓病治療などに使える可能性がある心筋細胞を、女性の経血から効率良く作ることに、慶応大と国立成育医療センターなどのグループが成功した。

 骨髄細胞より約100倍も効率が高く、採取に痛みと危険を伴わない利点がある

 慶大の三好俊一郎講師らは、女性9人から経血の提供を受け、約1か月培養して、再生能力を持つ幹細胞だけを分離。これらを心筋梗塞にしたラットの心臓に移植すると、移植した細胞が心筋に変化し症状が改善した。

 また、シャーレの中でラットの心筋細胞と一緒に2週間培養すると、20%の細胞がシート状の心筋細胞に変化して拍動を始めた。人の骨髄細胞だと、0・2〜0・3%にとどまった。

 経血には子宮内膜の組織が混ざっていて、この中に幹細胞が多数含まれているらしい。三好講師は「特に心臓の組織になりやすい性質があるようだ。心臓病の治療や、心臓の治療薬の副作用を調べるのに使える可能性がある」と話している。



 ブログ開設の最初のほうで取り上げたことで記憶していますが、

生理の血から、心筋っぽい細胞を発見

 これの続編のようなものですね。しかし実用化の可能性まで出てくるとは・・・素晴らしいです。

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医学処:月経血から、筋肉細胞を取り出して筋ジストロフィーの治療に
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2008年04月16日

山中教授とイアン・ウィルムット教授が提携するかも

再生医療 日英スター提携も

 クローン羊ドリーを作製したことで知られる英エディンバラ大学のイアン・ウィルムット教授は15日、神戸市内で読売新聞の単独インタビューに応じ、さまざまな細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)研究に着手したことを明らかにしたうえで、生みの親である山中伸弥・京都大学教授と共同研究を行いたいという意向を示した。実現すれば再生医学界の2人のスターが手を結ぶ形になる。

 同日午後、山中教授も参加するシンポジウムが都内で予定されており、共同研究について話し合うつもりだという。ウィルムット教授は「2006年6月、カナダでの国際学会で山中教授からiPS細胞の成果を初めて聞き、興奮した」と話し、iPS細胞の成功は「DNAの2重らせん構造の発見に匹敵する成果で、ノーベル賞は確実だろう」と称賛した。また、すでにiPS細胞の研究にとりかかっており、「将来、ヒトクローン胚(はい)からES細胞(胚性幹細胞)を作る研究は必要なくなるだろう」と指摘したが、クローン動物の研究は今後も続けるべきだと主張した。

 ウィルムット教授は英ロスリン研究所に所属していた1996年7月、クローン技術を使ってドリーを誕生させることに成功。人の卵子に体細胞の核を移植して作るクローン胚からES細胞を作る研究を計画していた。



 なんか、まぁ、ドリーも激震が走ったような気がしますけど、ああいう倫理的な面から実現できなかったことより、山中教授の「発見」のほうが、もう地盤が崩れるほどの大激震でしたからね。

 共同研究。どうなるのかわかりませんけど、山中教授にメリットがあるのなら是非とも。

 クローン羊ドリー

 羊の乳腺細胞の核を卵子に移植する「体細胞クローン技術」で作製。世界初のほ乳類のクローン動物として、世界に衝撃を与えた。複数の子供を産んだが、その後、肺疾患を発症し、回復が見込めないため、2003年2月に安楽死させられた。

関連:山中伸弥教授の快進撃は、世界の研究者に衝撃を与えた。
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2008年04月07日

67例目の脳死移植。7人に臓器を移植する。

67例目の脳死移植終了、7人に臓器を移植

 名古屋市の名古屋第二赤十字病院で脳死と判定された50歳代の男性から提供された臓器を移植する手術は、東京大学病院など4病院で実施され、6日までにすべて終了した。

 脳死移植は67例目。計7人に移植された。



 67例目。今年はどれだけ増えるんでしょうか。

 脳死についてただ漫然とやりすごされている現状を維持するのではなく、議論に議論を重ねた上で、結論を出してほしいですね。今の日本のアンチ脳死移植みたいな風土は、単に考えることを拒否した怠慢だとしか思えないので。政治家の皆さん頼みますよ、今年は。

関連
医学処:臓器移植法改正案、ようやく衆議院で審議入り。
医学処:60例目の脳死臓器移植へ。
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牛の卵子と人の細胞核を融合したハイブリット胚作成に成功

融合胚作成に成功=英大学で3日間生存−BBC

 英BBC放送(電子版)は1日、イングランド北部のニューカッスル大学の研究者が、ヒトの細胞核を動物の卵子に注入する「ハイブリッド胚(融合胚)」の作成に同国で初めて成功したと報じた。

 BBCによると、ヒトの皮膚から採取した細胞核を、核を除去したウシの卵子に注入して作成した融合胚が、3日間生存したという。

 同胚作成をめぐっては、パーキンソン病やアルツハイマー病といった難病治療の研究に役立つことが期待される一方、人の種を脅かす危険性が高いとして、日本などでは法律で禁止されている。



 ちょっと怖い話ですけど、その可能性には期待せざるをえません。

 日本では禁止、その禁止理由も分かります。倫理さえなければ医療はまだまだ発展していくのでしょうけれど、倫理を守ることも1つの医学のかたちだと思います。若干矛盾してますけど…他の国で成功して、日本でも法整備が出来て、難病指定されているものの治療が出来れば…それでも良いかなぁ、なんて

 妥協ですかね。

関連:iPS細胞の生殖細胞製造は禁止の方向で
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2008年03月27日

世界初の6臓器を取り出して癌を切除する手術に成功する。

世界初の6臓器取り出しがん切除 米・ジャクソン記念病院の日本人医師

 米フロリダ州のマイアミ大ジャクソン記念病院は21日、患者の胃や肝臓、小腸など6つの臓器を体外に取り出して腹部のがんを切除、その後体内に戻すという世界初の難手術に移植外科の加藤友朗医師らのチームが成功したと発表した。

 同病院によると、患者は63歳の女性で、内臓の筋肉にがんの一種の平滑筋肉腫を発症。薬や放射線による治療で改善せず、太い動脈を巻き込んでいるため通常の手術では切除できなかった。

 加藤医師らは、がんとともに胃と肝臓、膵臓、脾臓、小腸のすべてと大腸の3分の2を体外に取り出し、保存液で冷却してがんを除去。この後、必要な部分に人工血管をつなぐなどの措置をして臓器を体内に戻した。手術は15時間だった。加藤医師は6臓器を同時に移植したこともある移植専門医



 んー、スペシャリスト。

 腹腔内のほとんどの臓器を取り出して、癌を切除。理論的には出来そうですが、実際にやるとなるとなかなか難しいです。1つの臓器を切り離してつけるだけでも相当なリスクですからね。それをやってのけてしまった加藤友朗医師の集中力に敬服するばかりです。
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2008年03月23日

ヒルシュスプルング病の8歳男児、渡米して移植成功。

難病の宗太郎君、米で移植終了

 腸などの消化器官が正常に機能しない難病「ヒルシュスプルング病類縁疾患」を患い、臓器移植のために渡米している名古屋市東区の小学2年生、各務宗太郎君(8)が、21日正午(日本時間)から、米フロリダ州のマイアミ大ジャクソン記念病院で、胃と小腸、大腸、肝臓、膵臓の移植手術を受けた

 支援グループ「そうたろうを救う会」によると、手術開始から約11時間後の同日午後11時20分(同)ごろ、主治医から母親に、成功したとの連絡が入った。

 宗太郎君は手術中に一度は心肺停止状態に陥ったが、すぐに措置を受けて回復したという。



 1人の命とは重いもの。助かって本当に良かったと思います。

 日本も技術的には臓器移植を出来るのですけれどもねぇ…もし法整備されれば、日本中の小児外科医が懸命になり、臓器移植、つまりは1人の子供の命を助けるために動けるんですけれども

 残念ながら日本では法律という壁が。法律は誰のためにあるんですかね。臓器移植法、日本もはやく世界に追いついてほしいものです。

関連
医学処:ヒルシュスプルング病で臓器移植のための募金を呼びかける。
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2008年03月21日

臓器移植法の早期改正を訴える。

臓器移植法の早期改正を、待機患者の遺族訴え

 心臓病で移植を待ちながら、手術前に亡くなった患者の家族が19日、臓器移植法の早期改正を求めて、国会議員有志と面会し、厚生労働省内で記者会見した。

 会見したのは、福岡県久留米市の石川祥行さん(35)、優子さん(36)夫妻ら3家族の4人。石川さんの長男丈一郎くんは拡張型心筋症で、ドイツでの渡航移植準備中の先月24日、9歳で亡くなった。優子さんは「法律の壁で無念の死を迎えなくてはならなかった」と、国内で15歳未満の子供から臓器提供が受けられない問題を訴えた。



 実際のところ臓器移植法についてはようやく国会で審議入りしたようでして、今までは毎年毎年審議見送りとか。

 この前国会中継見てて思ったんですけれど、お互いに揚げ足取りを繰り広げてるだけですよね。しょーもない叩きあいばかりで、お前ら小学生かよと思いました。

 まぁ彼らにしてみれば如何にして相手の政党を落としていくか、いかにして今の内閣をバッシングするかが大事なのであって、そのためにはネタとならない臓器移植法などどうでもいいのではないですかね。

 心底くだらないと思いましたが、まぁ国民も政治に関心がないようですし。所詮国民の平均レベル以上の政治家が選出されることなどないのです。そういう意味では我々一般人にも責任はあるかなという気がします。

 今こうしている間にも移植が必要な子供は生まれてきています。しかし日本では受けられない。非常に哀しいことです。日本の医療レベルは世界有数であるにもかかわらず、議論が行われていない法律によって、移植が行われないなんて。

 政治家の皆さんには是非早急な臓器移植法改正をお願いしたい、いや、少なくとも議論してほしいです。

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2008年03月16日

腎臓を作れない受精卵にES細胞を注入したら丸ごと再生される

ES細胞使って腎臓・膵臓再生 東大教授グループが実験

 東京大の中内啓光教授のグループが万能細胞の一種である胚性幹細胞(ES細胞)を使い、腎臓や膵臓をつくる遺伝子を欠いたマウスの受精卵から、こうした臓器をもつマウスをつくることに成功した。受精卵にES細胞を注入したら臓器がまるごと再生された。将来の人間の臓器づくりの手法開発の足がかりになりそうだ。13日からの日本再生医療学会で発表する。

 中内教授らは遺伝子操作で腎臓がないマウスをつくった。このマウスの受精卵が細胞分裂を始めた初期の段階で、正常なマウスのES細胞を注入し、子宮に戻した

 すると、生まれたマウスにはちゃんと腎臓ができていた。調べたら、注入したES細胞から腎臓ができたことがわかった。この腎臓が機能して、尿がつくられ、ぼうこうにたまっていくことも確かめた。

 同様の手法で膵臓も再生できた。血糖値の変化から、膵臓もほぼ正常に働いているとみられた。

 この成果を受けて、グループは新年度、サルの膵臓をブタの体内で再生させる研究を始める

 中内教授は「狙った臓器を、体の中で発生の過程をたどって再生できたことが大きい。臨床応用につながるよう研究を進めていきたい」と話す。



 腎臓をつくる遺伝子がないにもかかわらず、ES細胞を入れると腎臓が丸ごと出来てしまうという…ふしぎ!!

 足りないものを補うような機構がはたらいたんですかねぇ。

 サルの腎臓を豚で作ることができれば・・・人間の腎臓を丸ごと豚で作ることもできるようになる、かも?そうなったら倫理的なことを抜かせばだいぶ移植で助かる人も増えると思うのです。

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2008年02月22日

タカラバイオが、民間初のiPS細胞の研究部門を設立する

民間にもiPS細胞研究部門 タカラバイオ、4月から

 タカラバイオ(本社・大津市、加藤郁之進社長)は、さまざまな臓器や組織の細胞に変化する新型万能細胞(iPS細胞)の研究部門を4月1日付で新設する。国内企業でiPS研究部門の創設が明らかになったのは初めて

 約5人の研究員で構成。米インディアナ大と共同で作った特殊なたんぱく質を使い、iPS細胞を安全に培養する技術の開発を目指す。同社は、がん細胞を攻撃するリンパ球を増やす技術など、細胞培養の技術には定評があるという。



 民間のほうが、研究費を使えますからね。良い技術は利益に還元されますから。技術の活性化のためにも良いと思います。

 今のレベルですと、臨床応用されるのは10年後ぐらいでしょうか。可能性は無限大ですから、各疾患の治療としてiPS細胞を用いることになるかもしれません。病気知らずの夢の時代もすぐそこまできているかも。

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医学処:iPS細胞を用いて、脊髄損傷の症状が改善する。
医学処:癌化しにくいiPS細胞を肝臓や胃から作ることに成功する。
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2008年02月17日

癌化しにくいiPS細胞を肝臓や胃から作ることに成功する。

京大、新型万能細胞がん化しにくく――マウスの胃・肝臓から作製

 京都大学の山中伸弥教授らは、あらゆる細胞や組織に成長できる新型万能細胞(iPS細胞)をマウスの肝臓や胃の細胞から作ることに成功した。皮膚の細胞をもとに作ったiPS細胞よりもがん化しにくいことが分かった。研究成果をヒトのiPS細胞作りに応用して、より安全なタイプを作製できれば、損傷した臓器や神経などを回復させる再生医療の臨床応用に近づく。

 iPS細胞を皮膚以外の細胞から作れることを示したのは初めて。米科学誌サイエンス(電子版)に15日掲載される。



 どこからでもiPS細胞が作り出せるようになった上に、皮膚から作る従来のiPS細胞よりも癌化の可能性が低い。

 発見されてからまだ1年も経っていないというのに加速度的に進歩をみせるiPS細胞と山中教授。半年後、1年後にはどのような医学的進歩がみえるのか、楽しみで仕方ありません。

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医学処:iPS細胞を、がん遺伝子やウイルスなしで作成する
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2008年02月12日

インドの貧困層を騙して腎臓を摘出する。

インドで貧困層らをだまし腎臓摘出、首謀の医師を逮捕

 インド・ニューデリー近郊で「いい仕事がある」などと言って貧しい労働者らをだましては監禁、腎臓を摘出していた組織の首謀者とされる医師が潜伏先のネパールで逮捕され、9日、インド側に引き渡された。

 逮捕された医師はアミット・クマール容疑者(40)。インド紙などによると、同容疑者はこれまでの調べで、インド国内の富裕層や欧米人の患者に過去10年あまりで約300件の腎移植手術をしたと認めており、警察当局は、国際的な臓器不法供給ルートの解明を進めている。

 事件は1月下旬、「腎臓を切り取られた」という被害者の通報をもとに、警察が看護師ら6人を逮捕して発覚。クマール容疑者は逃走したが、2月7日にネパール南部で逮捕された。逮捕時、米ドルやユーロの現金計20万ドル(約2140万円)相当を所持し、別宅のあるカナダへの「高飛び」を企てていたとみられている。

 クマール容疑者らは、腎臓摘出の見返りに被害者1人につき2000ドル前後を渡していたが、移植を求める外国人らにその10倍の値で手術を行っていた。



 2000ドルは安いですね…。移植を求める人からしたら、20000ドルでも破格でしょう。

 なんというか、まさに「搾取」。

 貧富の差がありつつ、こういうgive and takeを行ってしまうと、結局損をするのは「貧しい」ほうです。人類皆兄弟などといっていますけれど、暗黙の了解的に利用する人、される人が決まってしまってる、世知辛い世の中だと思います。ああ、兄弟っぽいといえば兄弟っぽいか。

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医学処:法輪功学習者から臓器を摘出している中国政府に抗議デモ
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病気腎移植を行った病院の、不正な保険請求を取り締まり。

病気腎移植2病院、「保険」取り消しへ

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(67)らによる病気腎移植問題で、厚生労働省は、病気腎移植などに絡んで不正な保険請求を行ったとして、万波医師の保険医登録のほか、同病院と万波医師の前任地の市立宇和島病院の保険医療機関指定をいずれも取り消す方針を固めた。

 徳洲会病院については今月下旬、宇和島病院は3月にも聴聞会を開き、処分方針を通告する。両病院はともに地域の中核病院で、影響を軽減するため、同省は原則5年の保険医療機関の取り消し処分期間をそれぞれ1か月程度に短縮し、処分時期をずらす方針。



 まぁ…仕方ないのか。患者のためを思って実行した病気腎移植でも、患者は高額の手術代を払えないので、何か偽って保険適用したんでしょうねぇ。つくづく、どちらが「正しい」のか分かりかねます。

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医学処:病気腎移植は過去に90例以上行われていた
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2008年02月05日

iPS細胞の生殖細胞製造は禁止の方向で

iPSからの生殖細胞製造禁止 文科省部会が決定

 文部科学省の生命倫理・安全部会(部会長・笹月健彦国立国際医療センター総長)は1日、多様な組織に成長できる万能性がある、京都大が開発した「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)から、精子や卵子など生殖細胞をつくる研究を、当面禁止することで合意した

 近く、大学などの関係機関に通知する。生殖細胞ができる可能性がある、他の体性幹細胞からの作製も禁止対象とした。

 受精卵を材料にする胚性幹細胞(ES細胞)から生殖細胞をつくる研究は、同省の指針で既に禁止されているため、同様に取り扱うのが妥当と判断した。

 ただし、こうした万能細胞からの生殖細胞づくりは「不妊症の研究に役立つ」との意見もあり、同部会の専門委員会が、指針を見直すべきかどうかを検討しているため、禁止期間は専門委の結論が出るまでの間とした。

 同部会はまた、再生医療研究のため、生殖補助医療で不要になったり、病気で摘出した卵巣から採取したりした卵子を基に、クローン胚をつくることを認めるなどとした作業部会報告書を承認した。



 まぁ、妥当なところでしょうね。医学の進歩のためには、そりゃ許可したほうがいいんでしょうし、許可されればそれだけ大勢の人が助かる可能性も秘めているわけですが、倫理的な問題が先行するのはいたしかたないことです。

 こういったことをきっかけに、人間の倫理性が進歩してくれれば、とも思うのですが。
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2008年01月27日

拒絶反応なしの腎臓移植に成功する

米チーム、拒絶反応なしの腎移植に成功

 白血球の型が完全には一致しない家族から生体腎移植を受ける患者に、臓器提供者の骨髄も一緒に移植して拒絶反応を抑えることに、米マサチューセッツ総合病院などのチームが成功した。

 患者が副作用のある免疫抑制剤から解放される画期的な成果で、24日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに論文が掲載された。

 拒絶反応は、患者の免疫が移植された臓器を異物と判断して攻撃する現象。同総合病院のD・サックス医師らの研究チームは、まず患者の免疫の一部を薬剤で抑え、腎臓移植の際、提供者から採取した骨髄も患者に注入した。患者5人のうち4人で治療が成功し、9〜14か月後に、飲み続けなければならない免疫抑制剤が不要になった。腎臓は移植から2〜5年たった今も正常に機能している

 骨髄は、免疫の主役となる白血球などを作り出す造血幹細胞が多く含まれる。移植後しばらく患者と臓器提供者の造血幹細胞が共存することで、移植臓器に対する攻撃の抑制につながるらしい。

 研究チームの河合達郎医師は「今年から、白血球の型が合わない移植を対象に、多施設で試験をする計画」と話している。

 造血幹細胞移植が専門の加藤俊一・東海大医学部教授の話「腎臓の生着を助けるため、骨髄をボディーガードに連れて行く手法だ。骨髄が拒絶反応を弱めたと考えられる。免疫抑制剤がいらなくなることのメリットは大きい」



 腎臓移植は腎機能を正常化する画期的な手法ですが、その臓器は他人のものなので、異物と認識して拒絶反応が起こる点が大きなデメリットでした。

 骨髄移植をすることで、免疫システムも臓器の持ち主のものとした手法です。これによって白血球も臓器を異物を認識しなくなるため、拒絶反応は起こりません。一生のみ続けなければならない免疫抑制剤を飲まずに済むという、何とも大きなメリットです。免疫抑制剤には、サイトメガロウイルスなど、普通の免疫能力を持っている人ならばかからないような感染症にかかりやすくなるという欠点がありましたが、これも同時に防げるわけです。

 しかし通常の移植よりも、骨髄を移植しなければならないという点でリスクがあるような気もしますが、実際にかなりの割合で成功しているみたいですし、今後の治療にはこの選択肢も増えるようになるかもしれません。

関連
医学処:ネフローゼの病気腎を移植すると、半数が数値改善した。
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2008年01月23日

iPS細胞の京大と細胞シートの阪大が共同研究を行う!

「iPS細胞で心筋再生」 京大と阪大が共同研究へ

 人間の皮膚から様々な細胞に変化できる万能細胞(iPS細胞)を作製した京都大の山中伸弥教授と、筋肉から作った細胞シートで重い心臓病の治療に成功した大阪大の澤芳樹教授が、iPS細胞を使った共同研究を始めることになった。

 世界初の二つの成果を組み合わせ、心筋の再生医療を目指す

 一方、京都大は22日、山中教授をトップとする「iPS細胞研究センター」の設置を正式に発表、再生医療の実現に向け、万能細胞研究が大きく動き出した。

 澤教授らは昨年、患者の足の筋肉の細胞をもとにシートを作製。心臓移植が必要だった患者の心臓の周囲に張り付け、心機能の回復に成功した。シートは心筋にはなっていないため、iPS細胞から変化させた心筋でシートを作り、治療に生かしたい考えだ。

 京大の研究センターは、昨年10月に開設された「物質―細胞統合システム拠点」の一部門。教授や研究員、技術職員ら10〜20人でつくる「専任チーム」と、京大再生医科学研究所などから参画する「兼任チーム」数チームで構成される。

 山中教授はこの日の記者会見で「iPS研究は10年、20年と息の長い取り組みが必要なので、若い研究者を積極的に育てたい」と語った。



 日本の誇る世界最先端の研究がタッグを組んだ!と半ば興奮しながらのニュースでした。

 元々、心筋の細胞シートをうまく利用して再生医療を行おうとする研究には期待は大きかったのですが、更にその細胞シートをiPS細胞で作ってみようというこの研究。臓器をまるごと培養して生み出すのはまだ時間がかかりそうですが、シートを巻きつけることで機能を回復させてやろうというこの研究は、最も実現が早そうで、かつ効果のありそうな「再生医療」です。

関連
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2008年01月17日

骨髄バンクのドナー登録数、30万人を超える。

骨髄バンクドナーが30万人に=昨年の移植、最多の999例

 骨髄移植推進財団(正岡徹理事長)は15日、骨髄バンクのドナー(骨髄提供者)の登録が目標の30万人に達したと発表した。ただし、ドナーから実際に移植を受けられる人は、希望者の6割程度にとどまり、「今後とも1人でも多くの方に登録をお願いしていく」としている。

 ドナー登録は1992年1月にスタート。移植には白血球型などの一致が必要で、登録者が30万人いれば希望者の9割に少なくとも1人の適合者が見つけられるとして目標を掲げ、16年間で達成した。
 移植数は累計8965例で、昨年1年間では過去最多の999例に上った。



 16年目かー。

 30万人が多いのか少ないのか分かりませんが、臓器移植カードを持つだけとは違い、採血して、ドナーになろうとする人が30万人もいるというのは、大きな進歩だと思います。

 しかし一致しない人も当然いますので、これからも登録者増に向けて頑張ってほしいと思います。医学処は骨髄バンクを応援しております!

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