[生理]の記事一覧

2009年01月27日

中学女子の運動量は週60分未満。

中学女子 運動足りない!

 文部科学省は21日、全国の国公私立に通う小学5年生と中学2年生の計155万人を対象とした初の「全国体力・運動能力、運動習慣調査(全国体力テスト)」の結果を公表した。

 全体の2割にあたる28万人の運動量が1週間で60分未満であることや、都道府県で運動能力に大きな差が出ていることがわかった。

 調査は昨年4月〜7月末に実施。これまでは年に一度の抽出調査はあったが、全員参加が前提の体力テストは初めて。50メートル走、ハンドボール投げなど8種目をテストすると同時に、生活習慣などに関するアンケートを行った。

 それによると、体育の授業以外の運動量が1週間に60分未満だった児童生徒は、小5男子が全体の11%の4万3726人、中2男子は9%の3万6745人に対し、小5女子は23%の8万7173人、中2女子は31%の11万4163人に上った。文科省は「男子は体育系の部活をし、女子はしないという傾向が鮮明に出た。将来の健康にもかかわる問題で何らかの対策が必要」と危機感を示している。

 テストは各種目10点で80点満点。中2男子は千葉、福井、秋田の順で上位を占め、中2女子は千葉、福井、茨城がトップ3。下位は低い方から男子が奈良、和歌山、高知。女子は北海道、高知、奈良の順だった。一方、小5は男女とも福井、秋田、新潟の順でトップ3。下位は男子が高知、徳島、北海道の順で、女子は高知、神奈川、滋賀の順で低かった。

 例えば、中学男子の50メートル走では、トップの千葉が7秒87。最下位の高知が8秒30で、0・43秒の開きがあった。他の種目でも同様の開きが見られた。

 小中とも上位の福井、秋田は全国学力テストでも毎年トップクラスの成績を収めている。「朝食を毎日とるか」など生活習慣を尋ねる調査でも両県は高い数値を示しており、文科省は規則正しい生活が文武両道に結びついているとみている。

 女子の運動不足が浮き彫りになった全国体力テスト。跳び箱に向かって走り出したものの、踏み切り板で減速して箱の上にちょこんと座り込む――東京都心の区立中学校の体育の授業では、そんな光景が当たり前になっている。男性体育教師(52)は「20年前は大部分の子が6段の跳び箱を跳べたが、今では3割くらい」と話す。

 今回の調査で、週の運動が60分未満の中学女子が3割に上ったことについて、山梨大学の中村和彦准教授(発育発達学)は「運動で体を動かすことは、子供たちが社会性を身に着ける上でも重要なのに、この数字は危機的」と指摘する。

 今回の調査では、運動時間が多いほど能力も高いという傾向が出ているが、女子の場合、小学校時代の過ごし方が尾を引くようだ。都会の女子児童は、校庭や地域の運動場が狭いことからスポーツの機会が少なくなる。あらゆる競技のクラブがあるものの、たくさんの児童が運動するまでのスペースはない。「小学生時代に体を動かす楽しさを覚える機会がないため、中学に行ってもスポーツをしない」(中村准教授)といった悪循環があるようだ。

 一方、地方ではテニスやバドミントンなど女子児童向けのクラブが少ないのが悩みだ。テストで下位になった高知県中学体育連盟の中内康幸・土佐市立高岡中学校教諭(39)は「男子は野球やサッカーで運動しているが、女子は受け皿自体が不足している」と話した。

 読売新聞が21日、全国体力テストについて市町村別データを公表するかどうかを都道府県教委に尋ねたところ、大阪府だけが積極的な姿勢を示した。ほとんどの教委が「文部科学省が示した実施要領に従い、公表しない」と回答した。

 大阪府の橋下徹知事は20日、記者会見で「市町村が本気で改善に取り組むには公表が必要」と学力テストと同様の見解を述べた。また、学力テストは全市町村別の成績が公表された秋田県では、県教委幹部が公表する考えのないことを示した。次期学力テストを前に、学校別成績を条件付きで公表できるよう情報公開条例を改正した鳥取県教委も「体力テストは条例の対象外」とした。



 むしろ小中学生なんてスポーツしてナンボってところないですかね。バカみたいに勉強してるだけでも賢い人物にはなれませんし。

 運動オンチの私が言うのもなんですけど、確かに校庭の狭い学校はかわいそうかも。さすがにそこはちゃんとしてほしいという気が。

 でも校庭狭いなら、卓球やればいいじゃない。テニスやバドミントンやらなくても。

 いやテニスやバドミントンが華やかなのは分かりますよ。でもここはあえてスポーツ性そのものを追求した卓球を。最初から全員ラバーやラケットの種類変えてトレーニングしたら、すぐに卓球の本当の面白さに気づくのに。もったいない。

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2009年01月23日

カイコなどの昆虫は宇宙食として最適な栄養を誇る。

カイコは宇宙食として最適な食料、中国人研究者

 NASAの計画によるとあと数年で人類は月に有人基地を建設することになるという。そうした宇宙時代では果たしてどのような宇宙食が用いられることになるのだろうか?

 国際宇宙ステーションではコーヒーからいなり寿司まで極めて豊富な料理を味わうことができるが、そうした宇宙食は100%、地上から運んできたもので、宇宙で生産可能なものは含まれていない。

 月面基地を作ったとしてもロケットで高額な費用をかけて地球から宇宙食を運び続ける必要があるがあるのだろうか?

 そのような疑問に対して北京航空航天大学のHong Liu博士は学術専門誌「Advances in Space Research」に「豊富なタンパク質、飼育の容易性などから蚕こそ、宇宙食としてうってつけの食料だ」と述べて食料としてのカイコ(蚕)の有効性を強調している。

 奇しくも同じ学術専門誌には2007年に日本人研究者によって、カイコ、スズメガ、シバンムシ、シロアリなどの昆虫が栄養素の観点から宇宙食として最適とする論文も掲載されていた

 その日本人研究者によると「昆虫は生物学上、エビ、ロブスターなど一般的に食用にされているカニと非常に類似しており、昆虫の味もエビ、ロブスターなどと非常に類似している」と述べていた。

 日中の研究者から宇宙食としてお墨付きをもらった格好となるカイコとなるが、本当においしいのだろうか?



 昆虫って羽化したりしますよね。そのために自分の身体の成分を使って、サナギになったり、身体の構造を変えたりするのって、そうとうエネルギーを必要としそうですから、栄養の面でみたらかなり豊富そうだってのは分かります。

 しかし見た目がどうもね。

 よくジャングルみたいなところに日本人が行ってゲデモノを食べるような番組がありますけれど、あれで「生きた幼虫」を食べた人は往々にしてジューシーだといいますよね。やはり見た目とは裏腹においしいんでしょうね。

 でも見た目が。損。

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2009年01月15日

人差し指より薬指が長い人は金融トレーダー向き。

薬指が人差し指よりも長い人は金融トレーダー向き、英大学研究

 薬指が人差し指よりも長い人には、トレーダーとしての資質があるとの研究結果が、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表された。

 これまでの研究で、薬指と人差し指の長さの割合(2D:4D比率)は、胎児期に、脳の発育に作用して自信と反射作用を高めるアンドロゲン(男性ホルモンの一種)にどれくらいさらされたかを測る指針となることがわかっていた。

 今回の研究を主導した英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のジョン・コーティーズ(John Coates)氏によると、アンドロゲンは巨額の金融取引に必要な集中力と反射作用を改善するという。

 研究チームは、ロンドン(London)の金融街シティの素早い決断力と迅速な反射行動を必要とする取引に従事している44人の男性トレーダーを対象に、指の長さを計測し、これらのトレーダーの過去20か月間の取引の利益と損失を比べた。

 その結果、薬指の長い人の方が長期にわたり高い利益を上げ、金融業界におけるキャリアも長い傾向にあることがわかった。



 こういう、胎児期の脳の発達の差も、「才能」の1つなんでしょうね。

 そういえば以前とりあげた薬指の長さはスポーツ能力との関連性があるによれば、女性の場合は一般的に薬指のほうが短く、男性の場合は薬指のほうが長い人が多いとか。

 アンドロゲンの量の問題なので、これは納得できますね、男性のほうが薬指が長いというのは。私自身今みてみると両指とも薬指のほうが4,5mmほど長いです。

 決断力と迅速な行動力の関係を指でみる、なかなか面白い指標ではあります。

医学処:人差し指より薬指が長い子どもは、数学能力が高い。
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2009年01月12日

低体温は、免疫力が低下し病気になりやすい

体冷やさぬ生活で改善 女性に多い『低体温』

 手足が冷えたり、むくみやすい。慢性的な体の不調を感じたら、平熱が低い「低体温」が原因かもしれない。女性に多いといわれる低体温は、免疫力が低下し病気になりやすい。改善には体を冷やさないことが大切だ。

 東京都内の二十代の女性は毎回、生理痛に悩まされていた。鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらず病院を訪れた。検査した結果、貧血でもなく、特に悪いところは見つからなかった。ただ女性の平熱は三四度台と一般の人より低かった。顔色が悪く、肌も乾燥して荒れていた。目黒西口クリニック(東京都品川区)院長で漢方医の南雲久美子医師は「低体温が原因」とみる。

 低体温は平熱が三六度以下の人をいう。人は体内で作られる熱が血液循環によって体中に運ばれ、体温が維持される。筋肉は熱を作る働きがあるが、それが弱かったり、ストレスで血管が収縮すると血液の循環が滞りがちの状態になって起こる。

 冷え症も同様の状態でなるが、体の末端に血液が巡りにくくなるだけで、手足の先が冷えるため自覚しやすい。一方、低体温は体の内部や全体が冷えきるため、自覚しにくいのが特徴。「自分では冷えていないと思っていても、低体温になっているかもしれない」と南雲医師。「低体温は女性に多い。中高年だけでなく二十代も『疲れやすい』と症状を訴えてくる」と言う。日ごろ自分の平熱を知っておくことも大切だ。

 食べ物を消化したり、栄養として体中に行き渡らせる酵素が活性化するのは体温が三六・五−三六・七度ぐらいといわれている。体温が下がるとこうした働きが弱まり、基礎代謝や免疫力も弱くなる

 そうなると疲れやすくなったり、胃腸が弱まって下痢をしやすくなったりする。生理痛、肌荒れ吹き出物などの皮膚トラブルも起きやすい。

 またがん細胞は体温が三五度以下になると、活性化し増殖するといわれており低体温には注意が必要だ。

 最近は夏でもエアコンの効いた室内にいる時間が長く、仕事などのストレスで血管が収縮するなど体を冷やす環境になりやすい。

 「低体温は生まれついての人が多いが、現代生活で体を冷やしやすいため、ダメージが大きくなる」と南雲医師は指摘する。

 対策は体を冷やさないことだ。身体の外から冷やさないために、冬は肌を露出する服装を避ける。冷えやすい首や腹、足首はマフラーを巻くなどして温める。

 体を温める食材も有効だ。例えば、野菜や肉・魚類に加え、茶や酒類にも温める効果のある食品がある。逆にコーヒー、ビールは体を冷やす

 身体が冷えたら温めることも大切。南雲医師は、週に一−二度ほどは風呂で三八−四〇度のお湯に二十分ぐらい、ゆっくりつかることを勧める。風呂から上がると湯冷めしないように、靴下をはいて足を冷やさない。「低体温は体質なので、食事や生活を見直し、上手につきあっていくのが大切」と話す。



 コーヒーだめなんですねぇ。逆に日本酒などは、温まっていることを実感できるでしょう。熱燗は体にもよさそうです(もちろん飲みすぎはいけませんよ)

 低体温は体質の問題もあるでしょうけれど、できるだけ外界から熱を確保してやることで、少しでも負担を軽減してやれればいいんですけどね。疲れやすいといった症状を感じ続けるのはつらい。

医学処:朝食を食べないと、低体温や疲労感など体調低下の原因になる。
医学処:慢性疲労症候群の特徴について
医学処:4歳児が親に置き去りにされ、一ヶ月間生ゴミや生の米で生き延びる
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2009年01月09日

日本人の全遺伝情報を解明するプロジェクトを立ち上げる

日本人の遺伝情報、3年がかりで解読へ…産総研が計画

 日本人の全遺伝情報(ゲノム)を解読するプロジェクトが、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)を中心に2009年から本格的にスタートする。

 今後3年間をかけ、日本人特有の病気やルーツなどの解明に役立てる

 プロジェクトは、日本人で最も標準的な白血球の型を持つ男性1人を選び、生命の設計図を構成する4種類の物質(塩基)の配列を解読し、外国人と比較する。外国人とのゲノムの差のデータを蓄積すれば、日本人に多い病気の解明、体質にあった薬の開発や投与法を突き止めることが可能になる。プロジェクト代表者の平野隆・同研究所主幹研究員は「人種間のゲノムの違いは約0・1%と考えられていたが、実際はその10倍以上の差がある。日本人がどのように形成されたかもわかる」と話す。



 例えば同じ病気であっても、日本人と欧米人では症状が異なったり、治療法に差が出たりします。

 アメリカで開発された薬であっても日本人にはあまり効かなかったり、副作用が出たりするといった不確定要素の解明のためにも、この遺伝子情報を解明するプロジェクトには大きな意義があります。

医学処:人工DNAの合成に成功する。
医学処:日本人を遺伝子で分けると本土型と琉球型に大別できる。
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2008年12月31日

昆布のグルタミン酸と鰹のイノシン酸で相乗効果が生まれる

うまみ:昆布、かつおだしの相乗効果…仕組み解明

 昆布だしに含まれるうまみ成分のグルタミン酸とかつおだしに含まれるイノシン酸を合わせると、うまみが増す「相乗効果」が起きる仕組みを、米国の研究グループが分子レベルで解明した。「米科学アカデミー紀要」に掲載された。

 人の舌の細胞表面には、味を感じる「味覚受容体」と呼ばれるたんぱく質があり、これまで、うまみ、苦み、甘みを感じる受容体が見つかっている。

 研究グループは、グルタミン酸とイノシン酸が「T1R1」という受容体に作用すると推測。この受容体は二枚貝のような葉を閉じて虫を補える食虫植物の「ハエトリグサ」に形が似ており、受容体のどの部分に結合するかを、人やラットで調べた。

 グループは、グルタミン酸は「ハエトリグサ」が開く際のちょうつがいの部分に、イノシン酸は先端の開閉部にそれぞれ結合することを突き止めた。イノシン酸が結合すると、閉じた構造になり、グルタミン酸が安定して中にとどまるため、うまみを増強させると結論づけた。

 味覚を研究している三浦裕仁・鹿児島大准教授は「受容体に働くうまみ増強物質を探せば、おいしさを増す調味料が開発できるだろう。また、甘みや塩味をより強く感じさせる物質を見つければ、食事の塩分や糖分を減らすことも可能だ」と話している。



 あー。おなかの空くニュース。

 食のおいしさってのを追求していくと、科学的なところにたどり着くのですけれど、それってやっぱり素材そのもののおいしさだとか昔ながらの料理の工夫に隠されているものだったりするんですよねぇ。

 甘みや塩味を強く感じさせる物質の発見にも期待です。

医学処:八丁みそを食べると学習能力が向上する。
医学処:6個目の味覚を新たに発見。その名も「カルシウム味」
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2008年12月30日

5人に1人が、眠るために酒や薬を使っている。

5人に1人眠るため酒や薬 ストレスと関連か

 成人のほぼ5人に1人が眠るために薬や酒を使うことがある-。厚生労働省が25日に公表した2007年国民健康・栄養調査の結果から、酒や薬の力を借りて眠る人が増えている傾向がうかがえた。

 厚労省は「ストレスが多いこととの関連が推測され、研究事業に力を入れる」としている。

 眠るために睡眠薬などの薬や酒を使うことがあるかどうかを聞いたところ、「ある」と答えたのは男性が22・2%、女性が17・4%。03年の初調査に比べ、男性が2・3ポイント、女性が1・7ポイントそれぞれ上昇。厚労省が策定した国民的な健康づくりの計画「健康日本21」で設定した目標「13%以下」を大幅に上回った。

 年代別では、男性が50代、女性が20-30代を除いて全世代で増加。男女とも70歳以上が最も割合が高く、40代も高い伸びだった。頻度の内訳では、男性が「常に」10・5%、「しばしば」3・3%、「時々」8・4%。女性が「常に」7・5%、「しばしば」2・4%、「時々」7・5%だった。

 ストレスについても聞いたところ、男性の57・9%、女性の63・9%が「ある」と答えた。



 ストレスって言葉を作った人はもはや天才だと思うんですけど、まさしくストレスの多い社会になってしまいました。そしてその弊害は数多く、中でも睡眠の質においては格段に低下していますね。

 生きているものとして、睡眠を満足に行えないというのはすごいことだと思います。まあでも、眠らせてくれない社会だからってのもあるでしょうね。無理やり合わせた結果、薬や酒に頼るようになってしまった、といったところでしょうか。

 酒はよくないと思いますけれど、薬で眠れるようになったのなら、それはそれでいいことだと思います。不眠をかかえたまま社会生活を送ることは並大抵のことではないですからね。いい波が来たときに、薬をやめられるのが一番なのでは。

医学処:不眠症に悩まされている人の割合が最も高いのは専業主婦
医学処:酒を飲んで眠り込むのは「睡眠」ではなく「意識消失」
医学処:学者の5人に1人が、リタリンなどを服用していた。
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2008年12月29日

有酸素運動をすると食欲抑制ホルモン「ペプチドYY」が分泌される

有酸素運動で食欲抑制ホルモン増=効率的ダイエットに期待−英大学

 ジョギングや水泳などの有酸素運動は、短距離走や重量挙げなどの無酸素運動に比べ、胃から分泌される食欲刺激ホルモン「グレリン」を減らすのは同じだが、腸管から分泌される食欲抑制ホルモン「ペプチドYY」をより増やすことが分かった。英ラフバラ大の研究チームが28日までに実験結果を米生理学会の専門誌電子版に発表した。

 有酸素運動は空腹感を一時的に抑える効果が高いことが知られるが、そのメカニズムの解明につながる成果。無酸素運動には筋肉を増やしてエネルギー消費を高める効果があり、研究が進めば、体重をコントロールするのにより効率的な運動法の開発が期待される



 へー。グレリンは有名ですが、食欲抑制ホルモン、ペプチドYY。これは流行しそうな予感です。

 確かに有酸素運動をした後は食欲どころじゃないですからねぇ。ペプチドYYの効果だったんですね。

 ペプチドYYを刺激する物質をみつけられれば、ダイエットに役立つかも。過食の治療にもつながる可能性もありますしね。
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2008年12月18日

寿命を延ばす遺伝子「Rheb」を京大が発見する。

寿命延長の鍵となる遺伝子確認 京大チーム

 老化を抑え、長寿にかかわると考えられる遺伝子を、京都大学生命科学研究科の西田栄介教授(細胞生物学)らの研究チームが、地中生物「線虫」を使った実験で確認、研究成果が15日発行の英科学誌「ネーチャー」に掲載される。同じ遺伝子はヒトにもあり、老化による病気の研究などにもつながる成果という。

 この遺伝子は「Rheb(レブ)」と呼ばれ、これまではエネルギーの伝達などにかかわると考えられてきた。

 研究チームは、レブの働きを失わせた線虫を作り、2日おきに餌を与えたり、与えなかったりする「断続的飢餓の状態」を作り出す実験を実施。その結果、通常の線虫は、約20日の寿命が10日伸びて約30日になるのに対し、レブの働きを失った線虫は、寿命が伸びないことがわかった。

 哺乳類でも、食事をとったりとらなかったりする状態にすれば、老化を防ぐ作用があるとされ、動物を使った実験でも確認されているという。

 今回の実験結果から、研究チームは、レブが、がんや糖尿病などのうち老化による疾患にかかわっている可能性があると推察。こうした病気の研究につながる成果としている。



 へぇー。断続的飢餓状態。凄い言葉ですね。一生のうちで一度使ってみたい言葉。

 断食といったものは宗教上の理由で行われることがほとんどだと思いますが、実際飢餓状態になることでプラスに働く効果もあるんでしょうか。毎日しっかり食事をとることのほうが体には良さそうですけどねぇ。

 健康的に寿命延びるなら断続的飢餓状態になってもいい・・・かな、どうだろうか。いやでも食べたいし。ラーメン食べたいし。

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医学処:100歳以上の高齢者が3万人を突破する。
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2008年12月16日

砂糖に依存性があることを実験により証明する

砂糖に依存性あり、ラットで証明=米研究

 ラットを使った研究で、一般的には既に広く認知されている「砂糖に依存性がある」ということが科学的に証明された。

 米プリンストン大のバート・ヘーベル氏は10日、アリゾナ州で行われた米神経精神薬理学会議で「砂糖の大量摂取は、薬物乱用と非常に似た作用を脳に与える可能性がある」と発表した。

 砂糖水を大量に与えたラットでは、薬物乱用時に人や動物に見られるのと似た行動や神経系統への変化が確認され、「禁断症状や、砂糖を非常に欲しがるような長期的な後遺症の兆候さえ示した」という。



 へぇ。まあ糖分って生物にとって必要なものですからね。もしかすると塩分も似たようなアレがあるんでしょうか。動物などは塩分が不足すると岩塩を舐めるといいますが、あれも似たようなものなんでしょうか。生きるための。

 ダイエットができないのは意思の問題だ、とよく言われますが、もしかすると薬物依存の対処法と同じような形でやれば、甘いものを食べなくすることは可能かもしれません。誰か実験してくれないですかね。

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2008年12月13日

「男の生きがい」をもっていれば、脳卒中の死亡率は減少する

「男の生きがい」ストレスに勝つ? 脳卒中の死亡率減

 生きがいを感じて暮らしている男性は、精神的ストレスがあっても脳卒中で亡くなるリスクが大幅に低い――。秋田大が県民を対象にした調査でこんな傾向が出た。ストレスは脳卒中などで亡くなるリスクを高めるといわれるが、「生きがい効果」はそのリスクを上回るのかも知れない。

 文部科学省がかかわる研究班調査の一環。88年に秋田県大森町(現横手市)の40〜74歳の住民を対象に健康状態をチェック。同時に「生きがいをもって生活しているか」「ストレスが多いと思うか」などと質問し、約1600人を03年まで追跡した。男女249人が亡くなった。

 生きがいが「非常にある」「ある」と答えた男性355人では58人が死亡。うち4人が脳卒中だった。これに対し「普通」「はっきり言えない」と答えた男性477人では114人が死亡。19人が脳卒中だった。

 小泉恵医師(循環器内科)らが、年齢や血圧、喫煙歴などの影響を除いて解析したところ、生きがいがある男性の死亡リスクはそれ以外の男性より38%低かった。脳卒中で亡くなるリスクは72%も低かった。心臓病やがんによる死亡では差がなかった。

 生きがいの有無とは別に、ストレスが多いと答えた人が2割ほどいたが、ストレスの影響を考慮しても、死亡リスクを減らす効果があった。

 生きがいの有無がなぜ死亡率の差に影響するのか、理由はわかっていない。女性では差がはっきりしなかった。

 研究の中心だった本橋豊教授(公衆衛生学)は、自殺率が全国でも高い秋田県で予防事業に携わっている。「『生きがい』を通して自殺を防ごうという取り組みは、結果的に住民の健康水準全体を高めることにつながるかも知れない。都市部でも同じような傾向が出るか確かめたい」という。



 生きがいのある男性って、年をとっても生き生きとしてますもんね。特に眼が印象的です。

 でも生きがいをもって人生を送る人ってなかなか少ないと思います。大人になるということは、妥協することでもありますしね。難しいものですよ、現実は。

 ただ、何か自分が夢中になれるものを1つでも持つというのは、幼い頃からの人間の宿命です。見つけられるか、られないかで、10代、20代の過ごし方、中高年と呼ばれてからの生きていく楽しさが変わることですから。

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2008年12月10日

筋ジストロフィーの原因となるかもしれない蛋白「MG53」

細胞膜直すタンパク質を解明

 穴が開いた細胞膜を修復するときに働くタンパク質を、京都大薬学研究科の竹島浩教授ら日米の研究グループが突き止めた。タンパク質の異常が筋ジストロフィーの原因の一つである可能性があるという。英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」で1日に発表する。

 竹島教授らが見つけた細胞膜近傍のタンパク質MG53の機能を調べた。MG53は、心臓や筋肉の絶えず動いて傷つきやすい細胞で作られている

 MG53を作れないマウスは、成長とともに細胞が壊れ筋細胞が貧弱になり、筋ジストロフィーと同じ症状を示した。MG53が作れない細胞は細胞膜に穴を開けても穴はふさがれないが、外からMG53を入れると修復できるようになった。

 MG53は、細胞膜と同じ成分のリン脂質でできた小胞と結びついており、細胞膜に開いた穴に集まり、リン脂質が穴をふさぐように働いていた。

 筋ジストロフィーはさまざまな遺伝子の異常によって引き起こされるが、症例の半数近くは原因遺伝子が分かっていない。MG53の異常も原因である可能性があり、日米で確認を進める

 竹島教授は「MG53が働くようにする筋ジストロフィー治療も期待できる。潰瘍や炎症も細胞の損傷が関係しており、MG53やMG53に似た他のタンパク質の役割を調べたい」と話している。



 あの代表的難病である筋ジスに治療法が出来るかもしれない、と。この研究が大成したら遺伝疾患で苦しむ人の希望となるのでは。

 たんぱく質、遺伝子、この2つが解明されるようになってきて、疾患に関してのより深いレベルでの認識が進んだ2008年でした。来年はどれだけ進歩するのか、期待ですね、と12月っぽい忙しさに追われながら考える。

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2008年12月05日

ガラガラヘビの毒はモルヒネの数百倍の鎮痛作用がある。

ガラガラヘビ毒から「強力」鎮痛物質 富山大

 南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質を抽出して合成することに、富山大和漢医薬学総合研究所の紺野勝弘准教授らが成功した。ラットの実験では効果が3日以上持続し、飲み薬の麻酔に使える可能性があるという。共同研究する製薬会社を探し、新薬の開発をめざす。

 ブラジルに生息するガラガラヘビは、運動神経をまひさせる猛毒で知られるが、かまれても激しい痛みを感じないという。ブラジルでは30年代に、毒を薄めて痛み止め薬として市販されていたという。

 紺野さんは、世界的な毒蛇の研究機関として知られるブラジルのブタンタン研究所や富山大で、ガラガラヘビの毒を分析。チームで、アミノ酸が14個つながった化合物が鎮痛物質と突き止めた。

 さらに、鎮痛効果を確かめるため、ラットの脚に重さをかけ、どれぐらい我慢できるか調べた。この物質を飲んだ群は飲まない群に比べ、ほぼ倍の重さの痛みに耐えることができた。その効果は、1回、飲ませただけで3〜5日続いた。モルヒネで同じ効果を出すには、その数百倍の量が必要なことも分かった。

 モルヒネは、使う量を増やさないと効き目が悪くなることがある。一方、このヘビの毒は量を増やさなくても同じ効果が続いたという。

 紺野さんは「飲み薬として使えれば、普及する可能性がある。痛みを抑える仕組みを解明して、薬作りにつなげたい」と話している。



 自然界の神秘。

 でも痛みに対する治療って、かなり必要なジャンルですからね。今では麻酔薬の使い方が発達してきて、痛みがかなり軽減できるようにはなったものの。

 痛いのは嫌ですもんね。医療において痛みなどの不快感を軽減できれば、より医療の質そのものが向上すると思います。そのヒントを毒ヘビからもらうとはねぇ。

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医学処:身体を切断され、頭部だけとなったヘビに指を噛まれる事故。
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2008年11月29日

夜間に人工透析を行ったほうが、死亡率は大幅に低下する。

夜間の人工透析で死亡率が大幅に低下

 腎疾患患者の死亡リスクが、従来の1回4時間、週3回の透析治療に比べて、夜間に1回8時間の透析を週3回行うほうが大幅に減少することが示され、米フィラデルフィアで開催された米国腎臓病学会(ANS)年次集会で発表された。

 報告を行ったトルコ、エーゲEge大学腎臓病学科のErcan Ok博士によると、透析技術や医療は向上しているものの、従来の4時間、週3回の透析治療を受ける患者の死亡率は依然として受け入れ難いほど高いという。透析は腎不全患者の水分除去措置としては最も一般的な方法で、入院、外来のいずれでも実施されるが、通常は何らかの医療機関で行われる。患者の多くは、週3回、1回3〜5時間の処置を受けている。

 今回の研究では、従来の方法から、週3回、夜間8時間の透析に切り替えたトルコ人患者224人(平均45歳)を追跡した。研究グループによると、患者が処置を受けながら眠れるようになるまでには、通常1カ月の「適応期間」を要したという。

 1年後、夜間治療群と、従来の週3回4時間の治療を継続した同様の患者群とを比較したところ、夜間治療群は死亡率が78%低かったほか、血圧管理に顕著な改善がみられ、降圧薬の使用が3分の2減少した。また、リン酸塩濃度が正常値まで低下し、リン酸塩吸収を抑える薬剤の使用が72%減少。

 さらに、食欲向上、望ましい体重増加および血中蛋白濃度の増大がみられたほか、患者の多くが仕事に復帰し、業績や精神状態も改善されたと報告している。「このデータによって、医師、患者、保健当局、社会保障機関をなど社会全体が長時間の透析の必要性について納得してくれると期待している」とOk氏は述べている。

 米セント・ジョンSt.John病院のRobert Provenzano博士は今回の研究について、称賛できるものだが、腎臓は1日24時間働いており、透析時間が長ければ長いほうがよいのは明白と述べている。より頻繁な透析が健康状態全般を向上させることは、欧米の研究ですでに示されているという。今回の研究では患者が自己選択されており、無作為化対照試験となっていない点が問題と指摘。トルコ、中国、インドなどの発展途上国では、透析などの治療を受けることのできる患者は比較的裕福で健康状態もよい傾向があり、このことが研究結果にどのような影響を及ぼしているのかわからないことからも、無作為化研究が必要であると同氏は述べている。



 うーむ。夜間8時間の透析。これは血液透析なんでしょうけれど、実際にはどうやるんですかね。病院で寝てやるんでしょうか?

 日本でもし夜間8時間行う場合には、病院でやるしかないんでしょうけれど、社会生活をしながら行うには無理がありますし。しかも記事中で言われているように、そりゃ1日8時間も透析したら、結果がよくなるのは当然といえば当然です。社会生活があるから4時間ほどにしているだけで。

 夜間に行うのが良い、ということは、夜間に自宅で行える腹膜透析は死亡率が下がっているんですかね?確かに人には概日リズムというものが備わっていて、夜、早朝、昼、夕によって分泌されているホルモン量が異なります。その影響で血圧が上がってしまったりするので、夜に透析を行うというのは理にかなったものだろうとは思います。

 腹膜透析についてはこちらをご覧下さい。

関連
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医学処:腎臓移植と血液透析と腹膜透析について
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2008年11月27日

腎機能障害を引き起こす蛋白質Rac1を発見する

腎機能障害招くたんぱく質発見=新薬開発へ応用期待−東大

 腎機能障害を引き起こす新たなたんぱく質をマウスの実験で発見したと、東京大大学院医学系研究科の柴田茂特任研究員や長瀬美樹特任助教らが24日、米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。このたんぱく質「Rac1」の働きを抑える薬を開発できれば、慢性腎臓病の治療に使えるという。

 長瀬さんらは、塩分によって腎臓細胞でRac1が活性化すると、ナトリウムの排出を抑えるホルモン「アルドステロン」と結び付いたたんぱく質「ミネラルコルチコイド受容体」が細胞核内に入りやすくなり、腎機能障害につながることを突き止めた。



 臓器って色々ありますよね。心臓とか肝臓とか。一般の方にとっては、おそらく腎臓っていうのは中でもランクの低いものだと思いがちなのではないでしょうか。劇的な病態を来たすものといえば心臓だったり、肝臓だったり、消化管だったり。いえ事実私も若い頃は、脾臓の次ぐらいにどうでもいいもんなのかなぁと思っていたものですよ。

 でも実際には全身を司る、大事な大事な臓器なのです。当たり前ですが、おしっこが出るということは生きていく上で大事なことなんですよね。身体に貯蔵される水分量も、腎臓が管理しているわけで。塩分や何やらの因子をコントロールしているのも、ココです。

 腎機能障害、といっても、なんかピンときませんよね。心筋障害だと一発でヤバイもんだと思うのに。ですが腎機能障害は何年か先に大きく影響してくるものなのです。腎臓のこと、大切にしてあげて下さい。

関連
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2008年11月06日

断食デトックスに健康面での効果はない。

欧米で流行の断食デトックス、健康面での効果のほどは?

 米国西海岸からタイまで、世界各地の豪華リゾート地では、体内から有毒物質を排出する「デトックス」効果をうたった断食コースが健康志向の観光客の間で大人気だ。一方で、断食による健康面でのデトックス効果を疑問視する声もあがっている。
 
 イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」、ユダヤ教の「ヨム・キプール(大贖罪日、Yom Kippur)」など、宗教による断食は古くから行われてきた。こうした宗教探求的な修行の一環としての断食行為には一理あるというのが、栄養学専門家のジャンクロード・メルシオール(Jean-Claude Melchior)さんの意見だ。だが、営利目的で絶食を強いる現代の「断食デトックス」ブームには、倫理面から疑問を投げかけている。

 欧州で流行している低下価格の断食コースは、水以外は何も口にしない完全絶食ではなく、フルーツジュースや野菜スープのみを摂取するものが多い。こうした断食には医師の管理が不要なため、営業的に提供が容易という事情もある。だが、1日の食事が野菜スープ一杯や水で薄めたフルーツジュースだけでは、必要な栄養摂取量をとうてい満たすことはできない。こんな方法が、果たして本当に健康的と言えるのだろうか?

 メルシオールさんは、こうした主張には懐疑的だ。断食のデトックス効果は証明されていないうえ、栄養摂取の調節機能のバランスを乱しかねないなど、むしろ有害である可能性が高いと指摘する。

 現在、欧州では断食と並行してトレッキング(山歩き)を行うプログラムが流行中だが、これについてもメルシオールさんは低血糖を発症する恐れが高いと警鐘を鳴らす。12時間近く絶食した場合、肝臓内のグリコーゲン(体内に蓄えられた糖質)を消費し尽くし、血液中の糖分濃度が著しく低下する。これにより、低血糖の危険を察知した筋肉や脳などの臓器は必死に糖分を取り入れようとするため急激に血糖値が上昇してしまう。

 しかし、「トレッキングにはデトックス効果があるし、危険もない。軍隊での訓練とは違う」と、フランスで「断食とトレッキング・プログラム」を提供する自然療法士のダニエル・カザール(Daniele Cazal)さんは反論する。「トレッキングでは、例えば、美しい郊外の景色を楽しむことなどで、食べ物に頼らずに空腹を満たすことができる」

 一方、フランスでの「断食ブーム」仕掛け人の一人、デジレ・メリアン(Desire Merien)さんは、「どこにも過激な自然健康法に走る人間はいるものだ」と述べ、こうしたプログラムの提供者は、断食が行き過ぎないよう配慮する必要があるとの意見だ
 
 いずれにしても、断食コースは日常生活における不摂生の改善にはならないという点では、栄養学者も自然療法士も一致している。



 適切な栄養をとって、過剰な糖分や脂肪をとらないようにする、いわゆるヘルシーな食生活なら分かるんですけども

 断食って。

 本気で効くと思ってるんですかね。そもそもデトックスって何なんでしょうね。メシを食わなかったからといって、一体どういうメカニズムで身体の毒素が出て行くんでしょうか。そこらへんの医学生理学的なことを無視して「断食したら健康」とか根拠もなく主張するのは、怖いですね。

 健康食品でもそうですけど。一種の宗教みたいな感覚なんじゃないかと思います。

 脳への栄養は、糖がメインなんですけど、断食デトックスとやらで、糖をあまりとらずにボーっとする状態を作り出すことで、何か達観した感じにでもなるんでしょうかね。まあアホですわな。
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2008年11月04日

赤肉に含まれる糖分子が腸内細菌の毒素を血液内に誘導する

赤肉で悪性腸内細菌への感染可能性が高まる、米豪の研究者が発表

 牛肉や羊肉などの赤肉を食べ続けると、出血性下痢などを引き起こし最悪の場合は死に至る悪性の腸内細菌へ感染しやすくなる――。このような研究結果が30日、英科学雑誌ネイチャー(Nature)で発表された。

 豪メルボルンにあるモナッシュ大学のトラビス・べドー氏を始めとした米豪の研究者らによると、赤肉を食べ続けると悪性の大腸菌に感染しやすくなるという。

 赤肉にはもともと、腸内や血管内に蓄積していく「Neu5Gc」という糖分子が含まれているという。この糖分子は、大腸菌からしみ出す毒素にとって一種の磁石の役割を果たし、毒素が血液の中に入りやすくなるという。Neu5Gcは、魚肉や家禽の肉、野菜、果物などにはほとんど含まれていないという。



 赤肉に悪いものがあるわけではなく、毒素を体内に誘導しやすくなる、ということですか。

 日本って、例えばしゃぶしゃぶにおいては、豚はしっかり熱を通さなければいけないけれど牛はOK!みたいなところ、ありません?まぁ私はあまり気にせず食べてしまうタイプですけれど。これをみると牛もしっかりしゃぶしゃぶしたほうがいいみたいですねぇ。。

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カフェインは、ずきずきする痛みを和らげる効果がある。

カフェイン:痛み緩和の効果見つかる 自然科学研究機構

 コーヒーの成分のカフェインにヒトの痛みを和らげる効果のあることが、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の久保義弘教授らの研究で分かった。カフェインを使った新しい鎮痛薬の開発につながる可能性がある。米国科学アカデミー紀要(電子版)で今週発表する。

 痛みを感じる代表的なヒトのタンパク質TRPA1に、カフェインを投与すると、通常よりも反応が鈍くなった。さらに、TRPA1に痛みを感じさせるマスタードを投与して刺激させた後、カフェインを投与すると反応が抑えられた。実験で使ったカフェイン濃度は水1リットル当たり2グラム。

 カフェインには覚せいや利尿などの作用があるが、久保教授によると「ずきずきする痛みなどを抑える新しい作用が分かった」という。ただ「実験では投与する濃度が高く、ほかの作用も効きすぎてしまうため、薬を開発するには課題も多い」とも説明している。

 一方、マウスのTRPA1に同様にカフェインを投与すると、活性化して痛みが増え、ヒトとは正反対の反応を示した。ヒトのTRPA1と構造の一部が違うためで、久保教授は「マウスを使った実験でも、カフェインが痛みに影響を与える新しい作用が分かった」と注目する。



 不思議なカフェイン。

 コーヒーも、嗜好品として世界中の人に愛されてますからね。人の体に色々フィットして効果を及ぼすものなのでしょう。臨床応用できるかは分かりませんが、痛みを和らげるだけの作用はあるようです。

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アントシアニンを含んだ紫色のトマトで健康を促進する

紫色のトマトで健康促進、英研究

 遺伝子操作によって、抗がん作用があるとされる紫色のトマトの栽培に成功した英国の研究グループの研究結果が、英科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」(電子版)に26日、掲載された。

 研究チームは、キンギョソウに含まれるアントシアニン色素の2つの遺伝子を用いて、紫色のトマトを開発した。アントシアニンはブラックベリーやクランベリーなどの果物に多く含まれる紫の色素。これまでの研究で、がんや心疾患、糖尿病などに一定の効果があり、肥満や糖尿病を防ぐ可能性があることが分かっている
 
 研究チームが紫色のトマトを実験用マウスに与えて抗がん作用を調査したところ、このトマトを与えたマウスは、普通のトマトを与えたマウスよりも大幅に寿命が伸びたという。

 また、同研究は食生活による習慣病リスクの軽減と健康促進を示したメタボリックエンジニアリング(代謝工学)分野での初めての実例であるうえ、遺伝子工学を用いた食物が全消費者にとって有益となる
可能性を示唆した初めての例だという。

 マーティン氏らの研究チームは、次の研究段階として、アントシアニンを豊富に含む紫色のトマトを食すことによる人体への有効性を確認するため、被験者ボランティアを集めた前臨床データの収集を行う予定だ。

 米国では、20年以上も前から1日当り5種類の野菜や果物を摂取するよう米国立がん研究所(National Cancer Institute)が奨励してきた。だが、これを達成している米国人は4人に1人以下というのが現状だ

 マーティン氏の説明では、こうした現実を考慮した結果、現在は野菜や果物が含む生物活性(バイオアクティブ)化合物の量を増やす研究に重点が置かれている。



 現代人の生活では、バランス良く野菜を食べる、という当たり前のことがなかなか達成できないものです。そしてサプリメントなどの味気ないものに頼りがちとなってしまい、更にはサプリメント過剰摂取によるバランス崩壊まで起こっています。

 色んなSFモノにあると思うんですけど、1個食べればおなかいっぱいになる上に、栄養満点の果物とかできれば、凄いですよね。画期的というか。でもこの研究も、それに近いもののような気がします。

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ホットコーヒーかアイスコーヒーかで持たれるイメージが異なる

性格の判断材料は1杯のコーヒー?米研究

 手に持っている飲み物は温かいか冷たいか――。このような何気ないものが、人の性格を判断するのに影響を与えているとの研究結果が、23日発行の米科学誌「サイエンス(Science)」最新号で発表された。

 米エール大学(Yale University)のチームが行った実験では、ホットコーヒーのカップを手に持っている人は、他人をより寛容で思いやりがあると認識し、冷たい飲み物を持っている人は、他人をより冷たい人と認識することが判明した。

 その次の実験では、温かいものを持っている人は他人に何かをあげる傾向があり、冷たいものを持っている人は自分のために何かを得ようとする傾向が見られた。

 実験の結果は、人が感じる物の温度や相手との距離感は、単なる比喩ではないことを示している。温度と距離は文字通り、母親と幼少期の子どもの間で最初に経験される信頼感を示すものだという。

 物理的温度は、人に対する判断だけでなく、人の行動にも影響を与えているが、人の性格を評価する際に温度が影響するのは、脳画像の研究によっても証明されている。

 物理的な温かさは、相手を温かい人物とみなすだけでなく、自身を温かく寛容で信用に値するようにみせてもいるという。



 えぇぇぇぇ

 いやまぁ確かに人が視覚的にみて判断するときのイメージって案外そんなもんなのかもしれませんね。コーヒーを飲んでいるかジュースを飲んでいるかでもイメージって変わりますし。

 要するに「人は話してみなきゃ分からない」ってことですね。

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posted by さじ at 01:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | 生理