文部科学省は21日、全国の国公私立に通う小学5年生と中学2年生の計155万人を対象とした初の「全国体力・運動能力、運動習慣調査(全国体力テスト)」の結果を公表した。
全体の2割にあたる28万人の運動量が1週間で60分未満であることや、都道府県で運動能力に大きな差が出ていることがわかった。
調査は昨年4月〜7月末に実施。これまでは年に一度の抽出調査はあったが、全員参加が前提の体力テストは初めて。50メートル走、ハンドボール投げなど8種目をテストすると同時に、生活習慣などに関するアンケートを行った。
それによると、体育の授業以外の運動量が1週間に60分未満だった児童生徒は、小5男子が全体の11%の4万3726人、中2男子は9%の3万6745人に対し、小5女子は23%の8万7173人、中2女子は31%の11万4163人に上った。文科省は「男子は体育系の部活をし、女子はしないという傾向が鮮明に出た。将来の健康にもかかわる問題で何らかの対策が必要」と危機感を示している。
テストは各種目10点で80点満点。中2男子は千葉、福井、秋田の順で上位を占め、中2女子は千葉、福井、茨城がトップ3。下位は低い方から男子が奈良、和歌山、高知。女子は北海道、高知、奈良の順だった。一方、小5は男女とも福井、秋田、新潟の順でトップ3。下位は男子が高知、徳島、北海道の順で、女子は高知、神奈川、滋賀の順で低かった。
例えば、中学男子の50メートル走では、トップの千葉が7秒87。最下位の高知が8秒30で、0・43秒の開きがあった。他の種目でも同様の開きが見られた。
小中とも上位の福井、秋田は全国学力テストでも毎年トップクラスの成績を収めている。「朝食を毎日とるか」など生活習慣を尋ねる調査でも両県は高い数値を示しており、文科省は規則正しい生活が文武両道に結びついているとみている。
女子の運動不足が浮き彫りになった全国体力テスト。跳び箱に向かって走り出したものの、踏み切り板で減速して箱の上にちょこんと座り込む――東京都心の区立中学校の体育の授業では、そんな光景が当たり前になっている。男性体育教師(52)は「20年前は大部分の子が6段の跳び箱を跳べたが、今では3割くらい」と話す。
今回の調査で、週の運動が60分未満の中学女子が3割に上ったことについて、山梨大学の中村和彦准教授(発育発達学)は「運動で体を動かすことは、子供たちが社会性を身に着ける上でも重要なのに、この数字は危機的」と指摘する。
今回の調査では、運動時間が多いほど能力も高いという傾向が出ているが、女子の場合、小学校時代の過ごし方が尾を引くようだ。都会の女子児童は、校庭や地域の運動場が狭いことからスポーツの機会が少なくなる。あらゆる競技のクラブがあるものの、たくさんの児童が運動するまでのスペースはない。「小学生時代に体を動かす楽しさを覚える機会がないため、中学に行ってもスポーツをしない」(中村准教授)といった悪循環があるようだ。
一方、地方ではテニスやバドミントンなど女子児童向けのクラブが少ないのが悩みだ。テストで下位になった高知県中学体育連盟の中内康幸・土佐市立高岡中学校教諭(39)は「男子は野球やサッカーで運動しているが、女子は受け皿自体が不足している」と話した。
読売新聞が21日、全国体力テストについて市町村別データを公表するかどうかを都道府県教委に尋ねたところ、大阪府だけが積極的な姿勢を示した。ほとんどの教委が「文部科学省が示した実施要領に従い、公表しない」と回答した。
大阪府の橋下徹知事は20日、記者会見で「市町村が本気で改善に取り組むには公表が必要」と学力テストと同様の見解を述べた。また、学力テストは全市町村別の成績が公表された秋田県では、県教委幹部が公表する考えのないことを示した。次期学力テストを前に、学校別成績を条件付きで公表できるよう情報公開条例を改正した鳥取県教委も「体力テストは条例の対象外」とした。
むしろ小中学生なんてスポーツしてナンボってところないですかね。バカみたいに勉強してるだけでも賢い人物にはなれませんし。
運動オンチの私が言うのもなんですけど、確かに校庭の狭い学校はかわいそうかも。さすがにそこはちゃんとしてほしいという気が。
でも校庭狭いなら、卓球やればいいじゃない。テニスやバドミントンやらなくても。
いやテニスやバドミントンが華やかなのは分かりますよ。でもここはあえてスポーツ性そのものを追求した卓球を。最初から全員ラバーやラケットの種類変えてトレーニングしたら、すぐに卓球の本当の面白さに気づくのに。もったいない。
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