平均身長については様々なデータがあるが、そのほとんどで日本人成人の平均身長は、男性が172cm前後、女性が158〜159cmとなっている。
ところで人間は時代変化といって、身長など人間の特徴が長期間にわたって変化するといわれている。この場合の長期間は、“人間の寿命に比べて”長期間という意味で、数十年、百年間という期間を指す。
明治時代以前のこの長期間の変化を見ると、日本人の平均身長が最も高かったのは古墳時代で、それ以降平均身長は低下して、江戸時代の終わりから明治時代の初頭にかけて最も低くなっている。
国立博物館の馬場悠男先生の、日本人の身長について解説されたものなどを読むと、この時代の人々の身長が高かったのは、彼らが大陸から渡来したいわゆる北方アジア系、ということが関係しているようだ。ちなみにこの頃の成人男性の平均身長は約163cm、女性は約152cmほどあったとされている。
身長が低くなっていった理由は食糧の問題で、一定の資源を分かつために、人間一人ひとりのサイズが小さくなったということのようだ。そして江戸末期、明治初頭の日本人の平均身長は最も低く約155cmに。縄文時代の158cmよりも小さくなっている。そしてそれ以後、急激に日本人の身長は伸び、なんと男女ともに20歳時平均身長は、過去100年の間に10cm以上高くなっている。
では、これからますます日本人は身長を伸ばしていくのだろうか。
独立行政法人・産業技術総合研究所で、人間機能の基本構造に関する研究を行っているデジタルヒューマン研究センターのウェブページを見ると、どうやらそれはないらしい。
そこには、「平均身長は、1940年代生まれの世代で急激に伸び、1970年代以後に生まれた日本人では止まりつつあります」と記されていた。これはちょっと意外だった。「止まった」ではなく、「止まりつつあります」ということなので、そろそろ限界が見えてきたということなのだろう。
身長の時代変化は、日本だけでなくもちろんヨーロッパ、アメリカなど世界各国であるわけだけれど、世界一高い平均身長の国であるオランダでは、現在すでに身長の時代変化が止まっているのだそうです。
ストレスと、食生活の変化ぐらいですもんね、身長に関わる因子としては。他は生物としての遺伝学上、上げ止まらなければおかしいわけですから。
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