大人のニキビ 体調映すバロメーター
大人の顔にも赤いニキビはできる。思春期のころとは違い、生活習慣やストレスなど、様々な原因が重なって起こる。新年度を迎える今の季節、職場環境などが変わり、ニキビが増えてしまう人も多いという。
通販化粧品大手のオルビス(東京・品川)が20〜30代の女性1656人を対象に実施した調査では、20歳以降にニキビができた経験がある人は93%にのぼる。「働く女性を中心に、大人になってからニキビができ始めたという人も少なくない」(オルビス)という。
ニキビができる仕組みは思春期でも大人でも共通する。毛穴が詰まって皮脂や老廃物がたまり、毛穴の中でニキビの原因になるアクネ菌が増える。菌が炎症を起こす物質を出し、腫れて赤く盛り上がる。
だが、その原因は年代によって違う。思春期ではほとんどの場合、男性ホルモンの働きが一時的に活発になって起こる皮脂の過剰分泌だ。ホルモンのバランスが落ちつくと、ニキビも自然に治まる場合が多い。
一方、大人の場合は、原因が多岐にわたる。慶応義塾大学医学部皮膚科の海老原全准教授は「
ストレスや睡眠不足、それに不規則な生活習慣が、重大な悪化因子だ」と指摘する。年を重ねていくと肌の新陳代謝や保湿機能は徐々に衰え、こうした要因が拍車をかけ、古い角質が厚く硬くなって毛穴の詰まりを引き起こす。ホルモンのバランスも乱れてしまい皮脂の分泌に影響する。
女性の場合は、一定周期でホルモンのバランスが変わるため、男性よりもニキビができやすい。特に生理前が要注意だ。
思春期のニキビが額や鼻など皮脂の分泌が多いところにできやすいのに対し、大人ではほおや口の回り、あごなどに多い。年齢とともにできる場所が下がってくるといわれるが、その理由はよくわからない。
大人のニキビは前髪やもみあげなどの生え際にもできやすく、髪が皮膚に当たって刺激していることが悪影響を与えているようだ。
目立つ場所にできたニキビは早く治したいもの。オルビスの調査では、ニキビの対処法として48%もの人が「潰す」をあげた。悪いと知りつつも見た目が小さくなるので、ついやってしまうようだが、
皮膚の深い場所まで傷つけてしまい、痕が残りやすくなる。
基本はやはり洗顔。毛穴の詰まりや皮脂を取り除くことは対処法にも予防法にもなる。ただ、ゴシゴシと洗うと過剰な刺激を与えるうえ、皮脂を取り除きすぎて肌が乾燥してしまいよくない。1日2回、力を加えすぎずに洗顔剤を使って洗う。
皮膚や粘膜の状態を改善するため、ビタミンB2やB6を含んだ食材やサプリメントを取るとよいという。海老原准教授は「軽いニキビなら自宅でも十分に対処できる。もしそれでも新しいニキビが次々とできてしまうようなら、一度皮膚科を受診してほしい」と勧める。
2008年に「アダパレン」という塗り薬が国内で承認され、ニキビ治療に使えるようになった。毛穴の詰まりを取り除いてくれる。海外では数十年前から使われた実績もあり、虎の門病院皮膚科の林伸和部長は「(アダパレンの登場で)ようやく国内でも医師がニキビを扱えるようになった」と話す。
炎症を抑える抗生物質などとの併用が、標準的な治療になっている。重症になると、薬剤を使って角質を除去するケミカルピーリングなどを施すこともあるが、保険適用外になっている。
ニキビを防ぐためには、規則的な生活をし、睡眠をしっかりとる。ストレスや疲れもためないように心がける。
いつまでたっても現代病なんでしょうね、にきびも。
精力的に仕事をする人にとっては生活習慣を正しくすることこそなかなか難渋してしまうでしょうけれども。
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