2009年09月08日

兵庫県の豊岡病院、医師不足で耳鼻科救急を停止する。

豊岡病院:耳鼻科救急を停止へ 常勤医2人退職で /兵庫

 豊岡市戸牧の公立豊岡病院(竹内秀雄院長)は2日、耳鼻科の救急患者受け入れを12日以降停止すると発表した。耳鼻科の常勤医2人が今月末で退職するためで、常勤医不在の事態となる。

 これまで常勤医3人体制で診療してきたが、今年3月末、大学院に進むため1人が退職。今回辞める医師は、1人が開業、もう1人は県外の病院に移るという。豊岡病院は、医師派遣を受けている京都大医学部に補充を求めたが、今年中は無理と回答があった。

 入院や手術が必要な患者受け入れはすでに7月末に停止しており、10月以降は非常勤医師が外来診療を火〜木曜の週3回(火、水曜は午後のみ)行う。

 耳鼻科では1日平均2件の救急患者を受け入れ、昨年の手術件数は170件。但馬地区で耳鼻科の救急や手術の受け入れられるのは、公立八鹿病院(養父市八鹿町)だけになる。

 竹内院長は「京大に依頼して4月には後任を確保したい。豊岡病院組合の奨学金制度で但馬出身の医師が育っているので、将来的には医師不足は解消できる」と話している。



 耳鼻科というジャンルはかなり特殊で、内科的治療だけでなく手術も自身で行います。ですが当然、大きな病院で勤務している耳鼻科医でなければ手術は出来ません。開業に流れると、救急疾患に対応できなくなってしまうというのはありますね。勤務医が優遇されるような医療体制を整えることも、今後の日本の医療を守る上で必要なことでしょう。
posted by さじ at 02:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻

2009年07月05日

人に頼みごとをするときは、右耳付近で声を出すと効果あり

頼み事は右耳から:「左耳と比べて2倍の効果」の理由

 ここはイタリア。テクノミュージックに声をかき消されないように、女性はぴったりと身を寄せて、あなたの耳元で声を張りあげる。「ねえ、煙草を1本いただけない?」

 話しかけられたのが右耳だったら、あなたが煙草を差し出す可能性は、左耳に声をかけられた場合の2倍になる。これが、イタリア[アブルッツォ州]の都市ペスカラのクラブで行なわれた実験で得られた結論だ。

 調査員の女性がクラブ客に話しかけたこの実験で、煙草を差し出したのは、右側から話しかけられた場合は88人中34人だったのに対して、左側からの場合は88人中17人にとどまったという

 これは、人間の両耳から入る音が脳内で別々に処理されていることを明らかにする、一連の研究における最新の成果だ。人は音声入力を右耳で聞きとることを好む傾向があり、両耳に刺激が与えられると、右耳に入ってきた音節のほうを優先する傾向があることは、かねてから指摘されている。脳科学者は、脳の左半球において右耳の聴覚の流れのほうが優先されるという仮説を立てている。脳の左半球は、言語の大部分が処理されている領域だ。

 言語野は大脳皮質の左半球にあることが多いが、右利きの人で数%、左利きの人で30〜50%程度が、右半球に言語野をもつことが知られている。電話での効き耳について研究している群馬大学の椎原康史教授によると、右は約20%、左は30%、両方は50%。8割の人は、メモを取る関係で左耳で通話を聞く習慣だという

 今回の研究で驚くべきことは、どちらの耳を選ぶかによって、自然な環境(すなわちこの研究を行なった研究者たちが「生態学的な環境」と呼ぶ場)にいる被験者たちの行動に、これほどまでにはっきりとした影響が出るという事実だ。右耳から話しかけられるほうが鷹揚な気分になれるのはなぜなのだろうか?

 この実験を実施した、イタリアのG・ダヌンツィオ大学のDaniele Marzoli氏とLuca Tommasi氏によると、脳は左半球が積極的感情に、右半球が否定的感情にそれぞれ同調しているらしいという。右耳に話しかけられると、その言葉は、頼みを受け入れやすいほうの脳の部分に送られていく。

 ストレートに煙草を求める実験のほかに、人々のやりとりを単に観察する実験、および、どちらかの耳に限定せずに煙草をくれと頼む実験も行なった。両氏がナイトクラブという場所を選んだのは、大音響の音楽のおかげで、煙草をもらう役の女性が相手に近づいて、片方の耳にじかに声をかけても、「奇妙に」思われずにすむからだ。

 酔っぱらいがいっぱいの場所での実験は型破りに思えるかもしれないが、両氏は、実生活の環境で行なう研究は、きわめて人工的な実験室内で行なわれる心理学研究の偏りを是正する、価値あるものだととらえている。



 人に言葉で伝えるときは、右耳で。これを知ってるだけで今後の人生、ちょっとだけうまくもっていけるかも。

 告白するときも内緒で重大なこと伝えるときも、右側で。

関連:医学処:外国語の文法習得には左脳の下前頭回が関係している。
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2009年05月31日

虚弱体質の人のほうが聴覚は鋭敏化している。

虚弱体質の人ほど危険な音を早く察知

 新しい研究により、虚弱体質の人ほど聴覚が鋭敏化しており、迫りくる危険をいち早く察知できることが判明した。体力のない人ほど、徐々に迫ってくる音が実際よりも近くで鳴っているように聞こえるという

 研究チームがまず、徐々に迫ってくる音が人間の耳にどのように聞こえるのかを調べた。その結果、ほとんどの被験者は個人の体力とは関係なく、近づいてくる音源が実際に自分のところまで到達する前に“到達した”と感じていた。人間が危険を察知して回避できるのは、このような順応性が役立っている可能性がある。

「用心深い人は、その種の遺伝的特徴を親から受け継いでいる」と、アメリカのオハイオ州にあるウースター大学の進化心理学者であり、今回の研究リーダーを務めたジョン・ノイホフ氏は指摘する。

 しかし、降りかかってくる脅威を力でねじ伏せるだけの体力がない人や、心臓が弱くて走って逃げることのできない人などは、聴覚に基づく危険察知能力が極度に発達していることがさらに示されたのである。

 一般的に男性より体力が劣っているとされる女性も、徐々に迫ってくる音には男性より早く反応することが以前の研究で確認されている。

 ノイホフ氏の研究チームは今後、多くの身体特性の中で、どのような特性が備わっていれば脅威にうまく対処できるのかを調べる予定だ。同氏はまた、体力以外に精神も大きな役割を果たしていると考えている。

「不測の事態に対する対応力は多くの要素で決まる。今回、体力がその1つであることが証明されたが、リスクを負う勇気など性格も要素として考えられる」と、ノイホフ氏は解説した。

 今回の研究成果は、アメリカのオレゴン州ポートランドで今週開催されるアメリカ音響学会の会合で発表される予定だ。



 へぇー。面白いですね。別に虚弱体質ではないけれどビビリ気質な私とかも音が鋭敏に聞こえているんでしょうか。どうかなぁ。結構すぐ気付きますけども(救急車の音とか)

 まあでも最終的には危険察知能力の高い人が生き残るんでしょうね。人間に備わっている危険察知能力を超えたことを軽々出来る人は勇気があると賞賛されますが、万が一にも何かある可能性もありますし。

 聴覚が鋭敏になるというと内耳のリンパ流あたりに変化がでるのでしょうか。そうなるように脳が調節しているとか?まだまだ未知ですが面白いので取り上げてみました。
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2009年05月12日

カイコが桑の葉に近づくのはジャスミン成分を感知するため

ジャスミン成分がカイコ誘引=桑の葉に微量−東大と京都工繊大

 カイコが餌の桑の葉に寄って行くのは、ジャスミンの花にある物質「シスジャスモン」が桑の葉にも微量含まれ、強く誘引されるためと分かった。東京大と京都工芸繊維大の研究チームが8日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。

 東大大学院新領域創成科学研究科の東原和成准教授によると、養蚕で人工飼料にシスジャスモンを微量加えれば、生産性の向上が期待できる。また、同様に単一の物質に誘引される害虫がいた場合、センサーの機能を妨げるにおいを放出し、寄り付かないようにできるかもしれないという



 自然に近づけた作用。カイコも微量の物質を検知しているんですねぇ。生きるための嗅覚。

関連
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2009年03月30日

耳で聞く麻薬「i-doser」を韓国で取り締まる。

韓国にも上陸、「耳で聞く麻薬」騒動

 アメリカやヨーロッパで問題になった「i-doser」と呼ばれるMP3ファイルが韓国の青少年の間で流行し、政府機関がファイルの削除や検索禁止など、取り締まりを始めた。どこまで本当か知らないが、このi-doserは脳波を調節するという周波数を繰り返し、麻薬を服用したのと同じ効果があるとネット上では喧伝されている。

 あまりの噂の広がりに、テレビ番組ではi-doserは本当に覚醒効果があるのかという実験まで行った。1時間ほどi-doserファイルを聴かせた後の感想は、何の効果もないという人もいれば、熟睡できた、気持ちよかったという人もいた。一方で、翌日になっても頭痛と吐き気がしたという人もいたため、有害性があるのではないかと一部では問題になっている。リアルの麻薬を取り締まる食品医薬安全庁をはじめ、放送通信審議委員会、保健福祉家族部が集まり、i-doserの有害性を研究し、安全性が判明するまでインターネットで流通できないようにした。

 i-doserはコミュニティサイトを中心に2009年2月ごろからファイルが掲載されるようになり、ポータルサイトの人気検索キーワードとして登場したのをきっかけに一気に広まった。「i-doser」、「耳で聞く麻薬」、「サイバー麻薬」など、関連性のあるキーワードでは検索できないようにし、MP3ファイルは削除している。政府機関はi-doserに有害性があると判明された場合、医薬品管理法と青少年保護法、電気通信法を改定してでも、取り締まりを強化するとしている。

 好奇心旺盛な青少年だけに、脳波を調節して麻薬を服用したのと同じ効果があるファイルがあると聞けば試してみたくなるのだろう。ネットのブログやコミュニティの掲示板には数千件のi-doser体験談が投稿され、どこどこのサイトにいけばまだファイルをダウンロードできるといった情報までやりとりされている。アメリカの動画投稿サイトにはi-doserを聴きながら発作を起こす人の動画が投稿され、これがまた韓国のポータルサイトなどにコピーされて出回り、さらに好奇心を刺激することになった。



 何でしょうか、これ。効くんでしょうか。好奇心旺盛な私も試してみました。

 至ってフツー。別に規制されているわけではなく、Youtube等でも聞くことはできます。ヘッドフォン推奨らしいです。

 I-Doser MarijuanaQH

 最初はテレビの砂嵐みたいな雑音がずっと聞こえて、5分22秒ぐらいから凄くうるさい音がします。もうただうるさいだけ。我慢して10分聞きましたが別に何ともないですね。プラセボ的な効果じゃないですかね。

 で、これの最初の砂嵐を聞いていて思ったんですけど、赤ん坊を泣き止ませるにはテレビの砂嵐を見せればいいっていうトリビアだか何だかが昔からありましたよね。あれはもしかすると赤ちゃんに一定の周波数を与えることで感情が安定して泣き止むとかそういうアレでしょうか。このi-doserを肯定するわけではないですけど(実際に効果なかったし)、もしかすると何か関係あるのかなぁと。

 1つだけで判断するのもアレなんで、別のやつをもう10分我慢して聞いてみましたが、特に何もありませんでした。

 なおi-doserはここのサイトでmp3をダウンロードできるようです。気分を害する可能性もあるみたいなんで自己責任でどうぞ。Youtubeにもたくさんありますし。効果はない、と思います。人によるんですかね。

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2008年12月10日

口呼吸する人は集中力がなく、肌荒れも起こしやすい。

そのイライラはストレスではなく口呼吸が原因?

 発熱や頭痛、咳も辛いが、中でも意外とやっかいなのが鼻づまりだ。鼻で呼吸ができず、口で呼吸するためなぜか息苦しくて熟睡できず、夜中に何度も目を覚まし、その結果、風邪が長引く、なんてこともある。

 英国系製薬企業グラクソ・スミスクライン社の「鼻呼吸に関する意識調査」によると、口呼吸をしている人の2人に1人が「1週間に1回以上」鼻づまりを経験し、口呼吸者の6割以上がアレルギー性鼻炎で、過半数が花粉症ということがわかった。ということは鼻づまりを悪化させている原因は呼吸方法にもあるのだろうか?

 同社の調査によると鼻呼吸する人に比べて口呼吸をしている人は集中力の持続時間が短く、精神的にイライラしがちで、しかも肌荒れしやすいという結果がでている。呼吸の仕方でこんなにも差がでるものなのだろうか。

 ブリーズライトのホームページを見ると、鼻呼吸の大切さが書かれている。

 それによると、実は、生き物にとって自然な呼吸とは、口呼吸ではなく鼻呼吸なのだという。口で呼吸をすると、ウイルスや細菌を含んだままの空気をそのまま肺に送り込むことになってしまうのだ。また、喉に負担をかけたり、口の中が乾燥して唾液の分泌が追いつかず、唾液で流されるはずの細菌が口腔内に残り、口臭や歯の病気を引き起こすことも。

 一方、鼻呼吸の場合、鼻毛や鼻の粘液に含まれるさまざまな成分が抗菌作用を発揮し、空気を吸い込んだ際、細菌やウイルスが身体の中に入るのを防いでくれるのだ。

 どこで呼吸するかが身体に大きな影響を与えるからには、やはり鼻呼吸を心がけたいところ。その手助けとして鼻孔を拡げるテープの活用があげられる。よく駅伝選手やアスリートが試合などで鼻に貼っている、あの肌色のテープだ。これには「アスリートがつけるもの」というイメージが強かったが、鼻で呼吸できない人が多い昨今、日常的に使っている人もいるようだ。



 鼻呼吸は慣れですね。慣れるまでが大変ですけれど・・・。胸式呼吸、腹式呼吸と同じように、呼吸の仕方の違いを慣れるようにするのは至難の業です。ちなみに武道家は通常でも腹式呼吸だとか。丹田(へその下)に力を入れるからですかね。

 やはり鼻に問題があると、鼻呼吸はしにくいです。そういう方は一度耳鼻科で見てもらうといいと思います。鼻の疾患、例えば慢性副鼻腔炎とか蓄膿症とかは、治してもらったほうが快適な一日を過ごせると思いますよ。

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医学処:睡眠時無呼吸症候群向けに最新の治療装置
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2008年12月09日

キスが口内圧力を低下させ、鼓膜が引っ張られて聴覚障害に

世界の雑記帳:中国の男性、情熱キスで恋人の聴力失わせる

 中国で20代の女性が、恋人からの過剰に情熱的なキスで鼓膜が破れ、片耳の聴力を失うという事故が起きた。チャイナ・デーリーが地元紙の報道として8日伝えた。

 同紙によると、広東省珠海市の20代の女性は病院に行ったが左耳の聴力を完全に失った状態。

 同病院のLi医師は、同紙に「キスが口内圧力を低下させ、鼓膜が引っ張られて聴覚障害を引き起こした」と説明。この女性の聴力は、2─3カ月後には正常に戻る見込みだと話した。

 同紙は、キスは通常、非常に安全なものであるが、医師らはキスをする際は注意して行うよう勧めていると報じた。



 こういうニュースはもっと情熱的なイメージの国で起こってほしかった。笑

 いや、イタリアとかブラジルとかでも起こっているのかもしれませんが。

 しかしどれだけ吸ったら鼓膜に障害が出るんでしょうね。鼻が詰まっていて、鼓膜が慢性的に弱い状態にあることが条件でしょうけれど。相手を気遣った甘いキスが何よりですね。

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医学処:長時間キスすると花粉症が緩和されるらしい
医学処:チンパンジーはハグとキスでストレスを軽減させている
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2008年12月08日

元モー娘。加護亜依はメニエール病ではなかった。

加護ちゃんのメニエール病、実は“ただの疲労”だった!

 加護亜依 「よかったぁ〜!」−。内耳の病気である「メニエール病」を患っていることを告白した元モーニング娘。の加護亜依(20)が5日、病院で精密検査を受けた結果、病気ではなく“ただの疲労”だったことを自身のブログで明らかにした

 先月15日付の書き込みでは「悪くならないことを祈ります」と不安をのぞかせていた加護だったが、メニエール病でないことがわかるやいなや「ホッとしてテンションあがってますからぁぁぁ」とヒートアップ。「睡眠をたくさん取れば大丈夫」と持ち前の明るさを取り戻した。またファンに向けて「みんなにも心配かけてしまったこと謝ります。ゴメンナサイ」と謝罪した。

 メニエール病は女性に多くみられる内耳の病気で、めまいや耳鳴り、難聴といった症状が現れる。精神的・肉体的疲労、ストレス、睡眠不足などの状態にある人に起きやすい傾向があるとされる。加護は最近まで耳の調子が悪く、体調を崩していたという。先月に病院で診察を受けた時点では、メニエール病と診断されていた。



 これの続報です。

元モー娘。加護亜依がメニエール病であることを告白

 良かったですね。でも女性で似たような症状がある人は、上記の記事を参考にして耳鼻科へ。
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2008年11月29日

嗅覚の受容体を大量に作り出すことに成功する。

「人工鼻」の実現に手がかり

 嗅覚受容体を実験室で大量に作り出すことが可能となり、「人工鼻(artificial noses)」の実現にも可能性が出てきたという。

 米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に10月7日掲載の論文によると、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、市販の小麦胚芽抽出物をもとに、無細胞合成によって特殊な受容体を作成。その後、いくつかの精製段階を経て、においを検知する蛋白を単離することに成功した。この技術によって、嗅覚受容体を短時間で大量に産生できるようになり、嗅覚がどう働き、なぜ多くの異なるにおいを感知できるのかという嗅覚の謎の解明につながる可能性がある。

 「嗅覚の研究で大きな障壁となっていたのは、十分な量の受容体を作れず、またそれを均質に精製できなかったことである。今回ようやく受容体が原料としていつでも利用できるようになったことで、嗅覚に関する多くの新しい研究が可能になるだろう」と、この研究に基づいてMITの博士論文審査を受けたばかりのBrian Cook氏は述べている。研究チームによると、人工鼻を作ることによって、最終的には麻薬・爆発物探知犬に代わるものができるほか、医学的にも利用できる可能性があるという。

 ヒトは400個に近い機能遺伝子を含めた広大な嗅覚系をもっており、多様な受容体によって何万種類ものにおいを嗅ぎ分けることができる。論文の著者であるLiselotte Kaiser氏によると、嗅覚研究の鍵となる蛋白を単離することは困難とされていたが、数年かかってMITのチームは、疎水性洗剤溶液の利用により蛋白の構造および機能を維持したまま単離、精製することに成功した。今後は、多数のにおいを特定できる携帯型のマイクロ流体装置の開発に取り組む予定だという。



 おおお。凄い。

 医療的な応用といっても嗅覚を失った場合に復活させるぐらいしか思いつきませんが、それ以外の分野でかなり活用できそうです。

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2008年11月25日

元モー娘。加護亜依がメニエール病であることを告白

加護亜依、ブログでメニエール病を告白

 タレントの加護亜依(20)が15日、自身のブログで、めまいや耳鳴りなどの症状を伴う難病「メニエール病」と診断されたと報告。



 わーお。

 浜崎あゆみが突発性難聴になった、というニュースもありましたけれど、このメニエール病は相当キツいもんです。

 何よりこのメニエール病は、耳鳴りだけでなく、めまいを伴います。メニエール病のめまいは「回転性めまい」といって、グールグルまわる感じがするのです。相当酷くて、吐き気に苛まれたりします。しかもメニエール病は原因不明の疾患です。内リンパ水腫という病態が大きく絡んでいることまでは分かっているのですが。

 治療としては、水ぶくれを軽くする目的で、利尿剤を使います。中でも、「イソソルビド」が広く使われています。

 うまく治療が行われないと症状が出てキツい疾患だと思いますが、表で芸能活動していく加護ちゃんがどこまで頑張れるのか、心配ですね。

 一説によればメニエール病は煙草を吸うと悪化するとのことですので、今後は控えたほうがよろしいでしょう。
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2008年11月17日

減感作療法を鼡径リンパ節に直接行って花粉症克服へ

「花粉症」3か月で改善、スイスの研究チームが新治療法

 花粉症などのアレルギー患者に原因物質を繰り返し注射する「減感作療法」を、3か月で済ませることに、チューリヒ大学病院(スイス)などの研究チームが成功した。

 皮下でなく、そけい部のリンパ節に注射する方法で、副作用も従来の方法より少ないという。米科学アカデミー紀要電子版に10日、発表された。

 減感作療法は通常、原因物質のエキスを少量ずつ、約3年かけて注射する。研究チームは、皮下注射したエキスが体内の免疫システムをつかさどるリンパ節へは一部しか達しないことに注目。58人の花粉症患者に対し、リンパ節へ直接、1か月おきに計3回だけ注射する新手法を試してみた

 開始から4か月後に検査したところ、アレルギー症状が劇的に緩和され、治療前に比べ平均10倍の花粉量がないと鼻炎が起きなくなっていた。効果は開始から3年後も持続していた。

 従来の減感作療法を行った別の54人では、じんましんなどの軽い副作用が18件、入院の必要なぜんそくの副作用が2件起きた。新手法では、軽い副作用が6件起きただけだった。



 鼡径リンパへ直接・・・

 これ、痛くないんですかね?結構痛そうな感じもしますけれど、まぁでも花粉症ってつらい人にはホント辛い疾患だと思うんで。減感作療法は素人が手を出すべきではないですし、時間もかかるものですけれど、どうにもつらいと思う人はやってみるのも1つの手だと思います。

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医学処:花粉症の新治療「舌下法」は子供に抜群の効果を発揮する
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2008年11月16日

片方の鼻が詰まってても、脳がそれをカバーしている。

<鼻詰まり>片方が脳の働きでカバー 東大チームが証明

 右の鼻が詰まっても、左の鼻だけでにおいをとらえられるように脳の感度が高まることを、東京大の研究チームがラット実験で突き止めた。鼻詰まりを起こしても、危険なにおいをキャッチするなど、身の回りの環境変化を絶えず察知するのに役立っていると考えられる。12日付の米専門誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載された。

 ヒトもラットも、においの情報は鼻腔にある嗅細胞から、大脳の嗅皮質と呼ばれる場所に伝わって認識される。通常は、右の鼻から入ったにおいは右側の嗅皮質、左の鼻からのにおいは左側の嗅皮質で処理される。

 研究チームは、ラットの右の鼻の穴に膜を張り付けて空気の出入りをなくし、鼻詰まりと同じ状態にした。続いて嗅皮質に電極をつけ、神経細胞の反応を調べた。においの情報が入らない右の嗅皮質はほとんど反応を示さなかったが、2〜3分たつと、右の嗅皮質にある神経細胞の約30%がにおいの刺激に反応し始めた

 森憲作教授(神経科学)は「鼻の通気状態に対応して、どちらから信号を受け取るかが素早く切り替わるようだ。切り替わらないと脳の嗅皮質の半分が休んでしまう。においを十分に認識するには、両方働くことが重要と考えられる」と話している。



 嗅覚ってのは本来生き物にとって大事な部分ですからね。原始的な部分であっても、ちゃんと人間にも残されているんだなぁと思わせます。

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2008年10月22日

花粉症の新治療「舌下法」は子供に抜群の効果を発揮する

子どもの花粉症に「舌下法」が効果 三重大病院が研究

 患者の負担が少ないスギ花粉症の新たな免疫療法「舌下法」を三重大医学部付属病院が行っている。受診できるのは、同病院を含め全国で4カ所しかない。近年増えている子どもの花粉症治療に特に効果を上げているという

 舌下法は、スギ花粉から抽出したエキスを食パンのかけらにたらして舌の下に含む。エキスを注射する方法と違い、健康保険の適用外だが痛みがなく、通院回数も月1度程度ですむ。

 同病院の耳鼻咽喉・頭頸部外科では、3年前から舌下法の臨床研究を開始。全国で唯一、子どもの治療も行う。2、3年治療を続けることで、これまでに6−15歳の15人のうち、3人が完治残りの子どもたちも、症状の軽減が見られる

 治療費は、成人が自費で年間7万円ほど。6−12歳までの子どもは、検査や基本的な診療料は必要だが、国の研究費の助成で治療薬は無償で提供される。来春の効果を期待するには、11月末までの診療が望ましい。

 来春の飛散予想は12月にまとまるが、昨夏の猛暑で花粉の生育条件が良かったことから、「ことしの2−3倍以上」と見積もる。

 担当する湯田厚司講師は「花粉症の治療は、予防が第一。早めに情報を集め、診療を受けるなど対策をとってほしい」と話している。



 ほー。今までの民間療法的なものは、スギ花粉を経口摂取することで体内に取り込んで減感作療法で免疫がどうたらというシステムでしたが、これは舌下による吸収を見込んでいるとのこと。

 舌下投与というと、狭心症治療のニトログリセリンが有名ですね。ニトログリセリンを舌の裏に入れることで、口腔粘膜で吸収され、直接静脈に入る。これのメリットは、肝臓で薬物が処理されずに効果を果たすという点と、急速に効果が現れるという点です。

 それと同じようなものなんでしょうかね。エキスを体内に取り入れることで、直接減感作を行う?確かに普通に食べるだけだと、胃で分解されてしまう可能性もありますから、体内に吸収されたとは言いがたいか。

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2008年07月10日

醤油に含まれる醤油多糖類が花粉症を抑える。

しょうゆ 花粉症抑える成分判明

 醤油に含まれる「醤油多糖類(SPS)」に、ハウスダストなどに反応する通年性のアレルギー体質を改善、花粉症などの症状も抑える効果があることが、ヒガシマル醤油研究所(兵庫県たつの市)の最近の研究で分かった。

 SPSは、大豆と小麦に麹菌や乳酸菌を加えて発酵させる「本醸造しょうゆ」に特有の成分で、しょうゆ100ミリリットルあたり約1グラム含まれる。通年性アレルギーの人がSPSを1日600ミリグラムずつ4週間摂取したところ、摂取しない対照食に比べ、症状全般が有意に改善。スギ花粉症の人が8週間摂取した場合(摂取開始3週間後に花粉飛散)も、症状が抑えられた。

 人の免疫細胞には、細菌などに対処する「Th1細胞」と、花粉などアレルゲンに対処する「Th2細胞」がある。両者の分泌物は互いに働きを制御し合っているが、アレルギー体質の人はTh2細胞が過剰に働く。古林万木夫・同研究所上席研究員によれば、SPSはTh1細胞を活性化してTh1/Th2バランスを保つほか、かゆみなどアレルギー症状の原因となるヒスタミンの放出も抑制するという。



 さすが伝統の発酵食品。その健康効果はまだまだ未知で、人間のほうが追いついていません。

 高血圧には醤油のような塩分の多いものは倦厭されるでしょうけれど、まぁ適度に使う分には問題ないので。ってか日本食食べてたらアレルギーも起こりにくくなるのでは?

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2008年04月11日

抗ヒスタミン薬を服用すると、蛇行運転が増加する。

抗ヒスタミン薬服用で蛇行運転増加・東北大が実験

 東北大サイクロトロン・RIセンターの田代学准教授らのグループは9日までに、「抗ヒスタミン薬を服用すると、偽薬の場合と眠気の強さはほぼ変わらないが、自動車を蛇行運転する頻度が増加する」との実験結果をまとめた。

 花粉症治療や風邪薬などに多用される抗ヒスタミン薬。副作用で運転能力低下などの影響が指摘されてきたが、実験で裏付けられた格好だ。

 実験では、成人男性14人が抗ヒスタミン薬「d―クロルフェニラミン」か偽薬を飲んで運転シミュレーターを操作。被験者によって飲む順番を変えたり、服用の間隔も1週間ほど空けた。

 その結果、各人の主観による眠気の強さはほとんど差がないが、約3分間の走行で車線をはみ出す平均回数は偽薬の「2.6」に対し、抗ヒスタミン薬は「6.4」だった。脳の働きも分析し、抗ヒスタミン薬を服用すると「視覚野」や「頭頂葉」といった情報処理をつかさどる部位の機能が抑制され、運転動作低下を招いたとみられる。



 よく花粉症の薬は眠くなる、といわれてきました。

 しかし抗ヒスタミン薬を飲んでも、眠気に関しては有意差は出なかったものの、運動能力に低下を認めたということです。ボンヤリするというよりも、情報処理が遅くなるという感じなんでしょうかね。

 なんにせよ、運転するときは注意して下さい。

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2008年03月23日

花粉症の不快感をアロマテラピーで和らげる

花粉症 気分から治療アロママスク、お茶でスッキリ

 春の陽気とともに東京ではスギ花粉の飛散量がピークを迎え、ヒノキの花粉も飛び始めている。アレルギー症状の人につらいこの時期、「不快感を和らげる」とうたった商品が注目を集めている。効き目があるとされるものを試すこと自体、気分を前向きにする効果があるようだ

 ストレス対策にもなるという香りの活用は、依然人気が高い。アロマセラピーに使うユーカリ、ティートリーなどの精油(エッセンシャルオイル)を医師の監修でブレンドしたロート製薬の「ヴィダローム・オーガニックブレンドエッセンシャルオイル鼻スッキリレシピ」(5ミリ・リットル、1800円=税込み)は、「2〜4月の花粉シーズンには、ほかの時期の10倍近く売れます」(同社)という。

 東京の東急ハンズ渋谷店では、アロマをつけたシート入りの使い捨てマスクや、精油と水を併用する加湿器が好評。精油は、家庭なら浴槽に数滴入れ、香りのついた蒸気を吸い込むと鼻粘膜の潤いにも効果的だそうだ。ティッシュペーパーやガーゼに垂らしてマスクの中に入れたり、ハンカチに垂らして鼻に当てたりしてもいい。

 今年、特に注目を集めているのがお茶の「べにふうき」。元々、国産の紅茶用に栽培され、茶葉に多く含まれる「メチル化カテキン」という成分にアレルギー症状を抑える効果があるとされる。

 お茶の専門店やドラッグストアなどでは、お湯で溶く粉末タイプも売られている。アサヒ飲料はペットボトルの「べにふうき緑茶」(350ミリ・リットル、160円=税抜き)の全国販売を今年から始めた。「昨年も販売した関東地区では約3割増」と好調だ。

 東急ハンズ渋谷店の吉城和宏さんは「薬の服用やマスクなど花粉症対策の基本をマスターした上で、少しでも気分を変えてみたいと考える方が増えているのでは」と話す。



 花粉症の場合、症状が始まる前から治療を開始すると効果的といわれていますが、実際症状がでないとなかなか病院に行かないもの。そもそも花粉症で病院に行く人も結構少なかったりするのではないでしょうか?

 しかし、たかが鼻水と倦怠感と目のかゆみといえど、かなり生活の質を下げてしまう花粉症。

 そんな中画期的なアロマテラピーが登場したようです。

 花粉症に対しての効果は分かりませんが、少しでも和らげることができるなら、皆使ってみたいと思うものでしょうね。

アロマ関連
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2008年03月09日

2004年度ノーベル賞受賞者、論文を撤回する。

米国のノーベル賞学者、問題ありと01年の論文を撤回

 2004年に「においの受容体ならびに嗅覚システム」の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した米科学者リンダ・バック氏が、6日付の英科学誌「ネイチャー」で、2001年に発表した研究内容に問題を発見し、同様の結果を再現できなかったとして、この論文を撤回すると明らかにした。

 撤回された論文が、ノーベル賞を受賞した研究にどの程度、関わりがあるかは不明。バック氏は04年に、リチャード・アクセル氏と、嗅覚システムに関する研究で、ノーベル生理学・医学賞を共同受賞した。

 バック氏によると、2001年にネイチャーに発表した、マウスを使って鼻にある臭いの受容体に関して、嗅覚皮質への神経経路を追跡した研究内容で、論文に記載した結果を再現できなかったという。

 調査した結果、ハーバード大学でこの研究を主に進めたファースト・オーサー(筆頭著者)のデータに矛盾があったことが判明。バックス氏はこの研究においての責任者(ラスト・オーサー)で、「この研究の結果において、信用を失った」と述べている。

 ファースト・オーサーの学者は現在、テキサス大学ガルベストン校の医学部で研究中。同大学のウェブサイトによると、大阪大学医学部で博士号を取得した中国系の研究者となっている。

 論文の撤回について、この研究者はまだ、問題点などについて明らかにしていない。しかし、テキサス大学によると、本人は論文の撤回に同意しているが、非常に落胆しているという。

 また、ハーバード大学時代に行った研究内容やスライド1000枚以上を見直しているとして、データのねつ造などは一切行っておらず、現在も発表した研究内容に自信を持っているとしている。



 自分の論文を撤回する。ノーベル賞受賞者では、非常に勇気がいる行為だと思います。

 まぁ、ノーベル賞をとったからといって正しいわけではありませんからね。ロボトミー手術も今となってはとんでもないことですし。

関連
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2008年02月27日

オリーブの葉に花粉症の症状を緩和する効果がある。

オリーブの葉が花粉症に効果…メナード化粧品

 日本メナード化粧品は26日、オリーブの葉に、花粉症の症状を予防・緩和する効果があることを発見したと発表した。3月の日本薬学会で発表する。

 花粉症のくしゃみや鼻水などの症状は、アレルギー物質に反応して放出される「ヒスタミン」が神経や血管を刺激するのが原因。オリーブ葉エキスは、ヒスタミン放出量を約3割抑制するほか、アレルギー物質を感知する抗体の量を減少させるという。

 健康食品の開発過程で発見した。同社は昨年12月、オリーブ葉エキスを配合した健康食品を発売しており、売れ行きは「花粉の飛散量次第」。



 西洋医学の薬も進歩しているといえばしているのですが、やはり自己免疫が関与するものとか、体質を改善すれば症状が緩和する疾患というのは、漢方系統が効くんですかね。

関連
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2008年02月13日

レンコンと乳酸菌の配合物が花粉症に効果アリ

花粉症に効果! レンコンと乳酸菌の配合物を開発

 医薬品メーカーの日本アレルギー応用研究所(埼玉県狭山市)と埼玉医科大の和合治久教授が、花粉症の緩和につながるという新配合物を開発した。レンコンの成分と乳酸菌との配合物で、27日から東京ビッグサイトで開催される「健康博覧会2008」で発表する。全国で1500万人ともいわれる“患者”には朗報となりそうだ。

 レンコンは漢方医学の分野でも止血作用や抗炎症作用などの効用があることが知られていた。レンコンに含まれるムチン、タンニン、ポリフェノールなどが大きな役割を果すという。

 そこで、和合教授らは全国一の出荷額を誇る茨城県産のレンコンに着目、5年以上にわたって研究を進めてきた。動物実験などから、レンコンの成分に抗アレルギー性効果と免疫活性化効果があることを突き止めた。

 レンコンの成分が、体内のアレルギー反応を増幅させるリンパ球の発生を抑え、結果として花粉症の原因となる抗体の発生を抑えるという。さらに、アレルギーを抑えることで知られる乳酸菌を加えることで、原因となる抗体を約1・2倍減らすことができ、相乗効果も期待できる。

 約620人を対象に臨床試験を実施し、開発した配合物を粉末にして、みそ汁やお茶などに入れて摂取してもらったところ、3カ月で81%の人に花粉症の症状の改善がみられた。日常的に摂取することで食生活の中で体質改善を行い、アレルギーの一種である花粉症を抑えることができるという。

 和合教授らは「これまでの治療法は一時的に特定の症状を緩和させる『対症療法』だったが、今回は体質改善治療で、副作用も全くない」と説明している。



 レンコン、かぁ。和食メインの時代でしたらいつでも摂取していたものですが、今はなかなかレンコンを食べる機会がないですよね。夜煮物で出るか出ないかぐらいなのでは…。

 レンコンを用いた、手軽な料理ってどんなのがあるんでしょう。疎いものでよく知らないのですが、もっとメジャーに活用できれば、アレルギーも減るのかもしれませんね。昔の日本人のほうがアレルギーが少ないといわれてきた一因なのかもしれません。
posted by さじ at 03:31 | Comment(1) | TrackBack(0) | 耳鼻

2008年02月10日

世界初!突発性難聴に対する治療法を確立か

突発性難聴に細胞再生治療…京大、世界初

 突然耳が聞こえにくくなる突発性難聴に対し、聴覚細胞を再生する世界初の治療を、京都大病院耳鼻咽喉科の伊藤壽一教授らのグループが始めた。従来のステロイドの大量投与に代わる、安全で効果が高い治療法として期待される。

 突発性難聴のはっきりとした原因はわかっていない。歌手の浜崎あゆみさんが今年1月、突発性難聴で左耳が聞こえなくなったことを告白した。

 治療は、聴覚細胞が集まる内耳の蝸牛の膜に、細胞の成長にかかわるたんぱく質「IGF―1」を含ませたゼリー状のゲルを塗る。約2週間かけて吸収され、傷ついた聴覚細胞の死滅を防ぎ、再生させる。発症後1か月未満で、ステロイド治療で効果が出ていない20人程度に実施する予定。

 厚生労働省の2001年の調査では、突発性難聴の推定患者は約3万5000人。国の特定疾患(難病)に指定され、完治は全体の3分の1程度とされる。従来、ステロイドの大量投与による治療が行われているが、副作用に苦しむケースが多い。



 これは2年前のこのニュースです。

 医学処:突発性難聴にメカセルミンを加えたゼラチン療法が効く

 いよいよ「治療」として確立すべく、臨床で治験として行うようです。

 難病指定されている疾患の治療法が「確立」されれば、人類における医療の貢献はそれはもう凄まじいものです。京大の伊藤壽一教授、Good Jobです。

 耳が聴こえないって、なかなか不自由極まりないことですからね。もう10年以上前になると思いますけれど、視力と聴力、残すならどちらかという問いで、聴力と答える人が多いアンケートを見たことがあります。視力は失っても聴力があれば生活していけるという理由だった気が…。それほど大量の情報を、耳から得ているわけですね。

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posted by さじ at 03:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 耳鼻