[介護]の記事一覧

2008年11月12日

知的障害者がパニックに陥っているときの対処法4箇条。

知的障害者パニック時 これが対処法

 町田市の障害者の親たちで組織する団体「町田サファイア・クラブ」(田中洋子代表)は、知的障害者がパニックになったりした時の対処の仕方をまとめたチラシ1000枚を作った。佐賀県で昨年9月、自転車で蛇行走行していた知的障害を持つ25歳の男性が、警察官に取り押さえられた後、急死した事件がきっかけ。田中代表は「佐賀の悲劇を繰り返さないために、障害者への理解を深めてもらおうと思った」と語り、同市内の商店などに掲示を呼びかけている。

 同クラブによると、知的障害者が挙動不審者として、警察官から職務質問を受けたり、電車の中でカギ束が女性の洋服に引っかかり外そうとして痴漢に間違われたりするケースがある。

 商店からは、「商品をいじって困る」「店頭に座り込んで動かない」「激高した時、どうしていいかわからない」などの苦情が聞こえてくる。こうした時を想定して作成したのが今回のチラシ「SOSボード」。

 チラシはA4判で、ポイントを四つに絞った。

 まず、言葉をかける時は、「走ってはだめ」といった抑えつける言葉は避け、「歩きましょう」と肯定的な態度で接する

 2番目は、穏やかな口調、短い言葉で話す

 3番目は、パニックを起こしている時は、静かな場所に移動させ、落ち着かせる

 最後は、触れられることが苦手な人もいるので注意するという内容だ。

 支援の輪は広がりつつある。町田署では、チラシをもとに、知的・精神障害者対応要領を作り、署員に徹底した。

 また、町田市商店会連合会(35団体、計1255事業者加盟)の太田忠事務局長も「住みよい町をつくる地域貢献の一環として、チラシの店内掲示を会員にお願いしている」と話す。

 町田サファイア・クラブは、町田市内の障害者作業所に通う親たちの横のつながりを目的に、昨年11月に結成された。会員は17人。チラシの問い合わせは田中代表((電)080・5527・6331)へ。



 なるほど。

 これは良いですね。確かに知的障害者がパニックになった場合って、どうするのが適切か、分からないですもんね。この4箇条は、日本人全員に身につけてもらいたいです。

 もし街中で何か起こった場合、この知識を身につけている貴方なら、助けることが出来るかもしれません。

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2008年11月02日

介護報酬を3%上げ、介護分野の人手不足を解消する

介護報酬3%上げ、来年度から実施

 政府・与党は30日、深刻な介護分野の人手不足を解消するため、来年度から介護報酬を3・0%引き上げることを決めた。プラス改定は2000年度の制度発足後初めて。

 これにより賃金を月2万円上げ、全国120万人の介護職の人数を約10万人増員させることを目指すとしている。

 また、改定による介護保険料の急増を抑えるため、1200億円の国費を投入し負担増の一部を肩代わりする。同日発表された追加景気対策に盛り込まれた。

 介護報酬は、03、06年度と連続して下げられたため、介護事業者の収入が増えず、給与が抑えられ、人手不足が深刻化していた。

 引き上げによって市町村の介護保険料(65歳以上)は全国平均で月120円上がる見通し。このため国費を投入し、各市町村に基金を設置する。報酬改定による保険料増額分について、09年度は全額、10年度は半額を基金で肩代わりする。



 ようやく少しは介護現場もよくなるのでしょうか。国費投入という決断をした政府は誉れであると思います。

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2008年10月25日

認知症疾患医療センターの整備が大幅に遅れている。

認知症拠点まだ11カ所 目標150だが自治体財政難

 増え続ける認知症の対策として、国が中核施設と位置づける「認知症疾患医療センター」の整備が大幅に遅れている。初年度の08年度中に150カ所設置するのが目標だが、現在11カ所。実施主体となる自治体側の財政難が背景にあり、国の計画実現が危ぶまれている。

 同センターは、専門医配置や検査機器設置などの要件を満たす医療機関を、都道府県が指定する。認知症治療で課題となっている早期の確定診断や、医師向け研修開催など、地域医療の中心的存在となることが期待されている。

 だが、これまでにセンター指定が決まったのは、大阪府や新潟県、北九州市など5府県市の11施設。厚生労働省によると、08年度末時点でも計13施設にとどまる見込み。厚労省が自治体にアンケートしたところ、来年度の整備予定は10施設の見通し。国がセンター移行を期待する施設約150のうち111施設は「時期未定」、16施設は「予定なし」との回答だった。

 整備が進まない背景には、病院側にとって補助金だけではセンター運営が難しい事情があるようだ。国と実施主体の都道府県・指定市から半分ずつ出る補助金だけで、指定要件の「専従の精神保健福祉士」の人件費や研修費を賄うのは難しい。

 その補助金も心もとない。厚労省のアンケートに対し、28自治体が「財政が厳しく、予算措置するのが困難」、13自治体が精神保健福祉士などの「人員確保が困難」と回答した。神奈川県は「今の国の補助額では難しい」、大阪府は「人件費が足りず、医療機関の負担がある」と漏らす。

 国は来年度から、介護との連携を図るためセンターに対応する形で全国150カ所の介護施設に専門家を配置する計画だが、センター設置の段階でつまずきそうだ。厚労省精神・障害保健課は、「自治体に制度の趣旨を呼びかけていくしかない」としている。



 結局お金の不足かー。

 でも社会を形成する以上、必要なことだと思うんですけどね。確かに今の社会を担っている以上、経済などにお金を費やしたり、街の外観の整備も必要でしょう。

 しかしそれは社会の表、明るみに出る部分だけだと思います。社会で活躍する人が、総じて認知症ではないという前提の下で動いているにすぎない。認知症を患った人、及びその家族の生活の苦しみは、表面化しない。暗部は暗部として処理されるような社会を、日本は選択してしまうのでしょうか?
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2008年10月19日

公明党「障害者は差別的だから障がい者で。法改正もするよ」

障害者は差別用語か

 公明党は、「障害者」ということばの「害」の漢字にはマイナスのイメージが強いとして、ひらがなで「がい」と書く表記に変えるよう、政府や地方自治体に働きかけていくことになりました

 公明党は16日、政調全体会議などの会合を開き、「障害者」ということばの「害」の漢字について、障害者の関係団体から「マイナスのイメージが強く、漢字で表記する必然性はない」などという意見が寄せられていることを受けて、ひらがなで「がい」と書く表記に変えるべきだという認識で一致しました。

 これを受けて公明党は、党内で使用する印刷物では、今後ひらがなの表記に変えることになりました。

 また、政府や地方自治体にもこうした変更を働きかけていくことにしており、将来的には「障害者」ということばの出てくる法律の表記を改めるための法改正も求めていきたいとしています。



 前も似たようなのを取り上げたので、別の視点からアレしたいと思うんですけれど。(今でも「障がい」という言い方のほうにこそ差別的意図が感じられますし、以前取り上げた時にコメントして下さった障害者の方も、私と同様でしたので)

 その、こんな下らないことにご多忙であろう政治家の労力を費やしていることの無意味さについて、ふと不思議に思ってしまったんですよね。

 障害だろうが障がいだろうが、はっきりいってどうでもいい。健常者だけでなく障害者も「どうでもいい」と思っていることでしょう。健常者だろうと障害者だろうと政治家に対して思っていることは「ちゃんと働け」ってことだけだと思います。

 「障害」か「障がい」か表記について、法改正までしようとしていますけれど、そんなことを議論する時間があるなら臓器移植法改正についてさっさと審議しろと。臓器移植法改正案は、有志議員によって作られて以来、何年も審議されず、廃案の繰り返しです。解散するたびに廃案、廃案で何も進んでいません。

 まぁ議論が進むであろう臓器移植法改正案ですが、それに比べると「障害or障がい」法案など楽ですよね。議論もクソもないです。政治家達ですら「どうでもいい」と思うでしょう。それを通した公明党は「私たちは障害者に理解がある政党だ」と主張できるだけで、実質何もかわりゃしません。通しやすいところからクリーンなイメージを売る作戦ですかね。

 なーんてことを思ったりしました。いや医療関係のことばかり政治家に求めているわけではないのですが、そろそろ臓器移植法改正案も議論に議論を重ねてもらいたいところですからね。いつまでも無視したままでいられる問題ではないですよ。

関連
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posted by さじ at 23:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | 介護

これからの日本は、介護福祉士の労働条件改善が必要。

介護現場 もう限界

 社団法人日本介護福祉士会は二十九日、東京都内で「介護福祉士は訴える、これでいいのか日本の介護―介護現場から介護保険は崩壊する」と全国集会を開き、約千人が参加しました。

 全国四十七都道府県の代表が鉢巻き姿で登壇、石橋真二会長が人材確保への抜本策が必要だと訴えました。また、介護をよくする署名が十七万七千人分を超えていることが紹介されました。

 大阪から特別養護老人ホームを増設したが職員がそろわず施設を閉めている例が紹介されました。福祉専門学校の学生は「介護をめざす若者の夢を摘まないで」と訴えました。

 各政党の代表が参加し、日本共産党からは小池晃参院議員があいさつしました。小池氏は「低賃金と厳しい労働条件で退職者が続く事態は一刻も放置できない」と訴え、(1)緊急に国の責任で月三万円の賃上げをはかる(2)介護報酬を引き上げ、サービス提供責任者を報酬に位置づける(3)介護保険への国庫負担を引き上げ、減免を拡大する(4)自治体の補助打ち切りをやめさせる―といった共産党の提案を説明しました。そして、小池氏が「軍事費を削れば介護を支える財源はできる」と訴えると会場から大きな拍手が起こりました。



 お金持ちの政治家たちは、介護に莫大なお金を費やせるのかもしれませんけれども。

 一般家庭での介護というのは想像を絶するほど大変なものです。介護が必要な高齢者に常に付き添う家族の負担を少しでも軽減させるためにも、介護職の拡大は急務なのですが・・・。

 お金がないという。

 共産党は軍事費を減らせばと、「いつものような論調」ですが、まぁ軍事費も医療費と同じくらい大切なのでそこを減らせとは言いません。いらないところから削るべきなので、公共事業費をガンガン減らして下さい。介護福祉士の地位向上と人員増加を今すぐにでも行うべきです。

関連:医学処介護カテゴリ
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2008年10月17日

激増する高齢者虐待。4割が息子による虐待。

高齢者虐待、家庭内6%増…施設内は15%増

 2007年度の高齢者への虐待件数は、家庭内で1万3273件(前年度比6%増)、介護施設内で62件(同15%増)あったことが、6日公表された厚生労働省の調査でわかった。

 いずれの場合も被害者の8割が女性。家庭内虐待では、4割が息子による虐待だった

 調査は、高齢者虐待を見つけた人に通報を義務付けた高齢者虐待防止法(06年度施行)に基づくもの。全区市町村、都道府県に、虐待件数や対応状況を聞いた。

 それによると、家庭内虐待の被害者は77%が女性で、40%が80歳代。認知症の症状が認められた人が少なくとも4割いた。加害者は息子(41%)が最も多く、次いで夫(16%)、娘(15%)の順だった。

 虐待の種類では、暴力を加えるなどの「身体的虐待」(64%)、暴言を吐くなどの「心理的虐待」(38%)、「介護放棄」(28%)、財産を奪うなどの「経済的虐待」(26%)の順で多かった。

 一方、施設での虐待は、グループホーム、特別養護老人ホームで発生した事例がそれぞれ3割を占め、虐待者の84%が介護職員だった

 区市町村が把握した虐待による死亡例は、前年度より4件減って27件に。13件が介護者による殺人で、7件が介護放棄による死亡、4件が心中によるものだった。



 難しい問題です。高齢者虐待の一因は、家族の介護疲れではないかとも思うのですが。

 この高齢者虐待の中で、何割の高齢者が認知症を呈しているのか、少し気になるところです。頭がしっかりしていて、ただ寝たきりというだけなら虐待は起こらないような気がするんですよね。認知症で勝手な行動を抑制し続ける日々に、介護者のストレスが溜まって、危害を加えてしまうのではないか、と。

 気持ちは分かるんですがね・・・。

 でも病気でそういう風になっているわけですから、じゃあどうすればいいかというと、社会が家族をサポートして、介護疲れを軽減してやるしか解決策はないんじゃないですかね。

関連:医学処:高齢者虐待の加害者は息子が37%。
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手足を動かしやすくなるロボットスーツ、量産体制に。

自立支援用ロボットスーツの量産工場が完成

 体が不自由な人や高齢者が装着すると、手足が動きやすくなるロボットスーツ「HAL」の量産工場が茨城県つくば市に完成し、7日の落成式でデモンストレーションが行われた。

 筋肉が発生する電気信号を皮膚から読み取り、体の動きに合わせて動く。山海嘉之・筑波大教授が開発し、自立支援用に世界で初めて実用化した。

 当面は、介護・福祉施設向けに、下半身タイプが月額22万円でリースされる。山海教授は「社会に貢献する技術の実用化がいよいよ始まった」と、力強く語った。



 需要は確実にあるでしょうけれど・・・。リースで月22万かぁ。まぁどんなものでも出た当初は高いものですけどね。月5万でリースになれば、利用したいという人はワンサカいるのでは。

 富裕層なら月22万でも問題なく借りるでしょう。やはり自分の力でどこかに行くというのは衰えてからでも想うものです。

 量産工場が出来たということで、普及してほしいですねぇ、コレ。「男の子回路」を刺激されますね、パワードスーツって。

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2008年09月24日

トランプのブリッジで遊ぶと記憶力が向上する。

ブリッジで記憶力アップ=日本心理学会で発表−札幌

 年を取るとともに思い出せなくなる人の名前。トランプのブリッジで遊べば、こんな記憶力の衰えを防止できるとの研究成果が19日、札幌市内で開かれた日本心理学会で報告された。

 報告したのは、乙部貴幸仁愛女子短大講師ら。4人が2組に分かれカードを取り合うコントラクトブリッジの経験者と未経験者(いずれも70歳前後)、若年層(20歳前後)の計3グループに対し、2秒間隔で「たろう」など3音節の名前が1秒間表示されるのを見た後、表示された名前を口頭で唱えるなど2つの実験を行った。

 その結果、両実験ともブリッジ経験者の成績は、若年層には及ばなかったが、未経験者を上回った。24の人名を表示し、名前を唱える実験の正答数は、未経験者が平均4.93だったのに対し、経験者は6.69と明確な差が表れた。若年層は9.50だった。

 乙部講師は「被験者の学歴なども調べたが、関係なかった。メカニズムは分からないがブリッジの効果だ」としている。



 ブリッジ。申し訳ありませんが、ルール知りません。有名所ではあると思いますが。

 ブリッジ特有の効果なのか、それとも頭を使うカードゲームなら何でもいいのか。記憶力ということでは、「神経衰弱」でも良いような気がするのですが。ブリッジを1ヶ月やり続けた人と、神経衰弱を一ヶ月やり続けた人との違い、研究したら面白そうではあります。

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医学処:認知症予防のために、日ごろから脳を刺激しよう
医学処:適度な運動を行うことで高齢者の記憶力を向上できる。
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2008年09月18日

鉄を混ぜた幹細胞と磁石の力で、骨を再生する。

磁石の力で骨を再生 広島大病院が技術開発

 鉄粉を混ぜて培養した細胞を、強力な磁石で骨の欠損部分に集めて骨や軟骨を再生する治療法を広島大学病院の越智光夫病院長(整形外科)の研究グループが開発した。体外に取り出した人の軟骨での再生実験に成功しており、臨床試験を経て、数年後の実用化を目指している。

 越智氏らが開発した手法は、体内から取り出した骨髄細胞をもとに、骨や軟骨、筋肉などに変化する間葉系幹細胞を使う。MRI(核磁気共鳴画像装置)で造影剤として使われている鉄粉(直径10ナノメートル、ナノは10億分の1)と、特殊な薬剤を幹細胞の培養液に入れると、一晩で鉄粉を内側に取り込んだ幹細胞ができあがる。

 この幹細胞を注入する際に、体外から強力な磁石を使って骨や軟骨の欠損部分に集める。定着した幹細胞は、3週間程度で軟骨や骨へと変化し、欠損部分を補ったという。磁石を当てる時間は欠損部分の大きさによるが、1〜6時間程度。

 これまでにブタを使った動物実験のほか、人間から取り出した軟骨を使った実験でも、約1平方センチメートルの欠損部分を再生できた。鉄粉はやがて細胞から排出され、赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンに吸収されるという。

 鉄粉や薬剤は、いずれもすでに医療現場で使われているもので、副作用の心配などは低いといい、広島大病院では、早期の臨床試験を目指している。

 研究グループの1人、小林孝明医師は「注射と磁石を使うだけなので、手術に比べて患者の負担が小さく、何度でも繰り返し行うことができ、大きな効果が見込まれる」としている。

 幹細胞を使った再生医療は国内外で研究が進んでいるが、再生させたい場所に幹細胞を定着させる技術や、幹細胞の変化を正しく導く手法に課題が残っている。



 凄すぎ。確実に幹細胞を望むところに定着させることが出来るわけか。
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2008年09月11日

障害者卓球、岡紀彦プロが北京パラリンピックで敗退する

結果出す、プロとして 卓球男子・岡紀彦

 名刺の肩書は「卓球プレーヤー」。日本で初めて障害者卓球のプロ選手になったのが、岡紀彦(44)だ。

 生まれつき骨が弱く、身長125センチ。8歳で車いす生活になったが、中学校で卓球に出会った。「幼いころからスポーツ選手にあこがれていた」。手先の器用さには自信があり、頭角を現した。

 ジャパンカップ21連覇。しかし、ベスト16で敗れたシドニーで、世界の壁の厚さを痛感した。「外国選手とは練習環境の違いが大きい」と、02年、プロ宣言。だが06年末、スポンサー企業の卓球部の廃止に伴い、契約が切れた。

 新たなスポンサーを探す一方、貯金を切り崩しつつ、講演やイベント出演などの臨時収入で活動を続けている。

 昨年、大きなルール変更があった。座面から尻を上げることが禁止に。これまでは尻を浮かし、腕を伸ばすことで体の小ささを補ってきた。

 ラケットのグリップの先端を瞬間的に持ち替えることで遠い球にも届くようにと、練習を重ねる。これまでと違う動きに、右の肩やひじが悲鳴を上げる。「でもプロである以上、結果を出すのが仕事。最低でもベスト8。そのうえでメダル争いに絡みたい」

 練習場にしていた岡山市内の体育館の指導員だった妻博子さん(42)と結婚し14年。博子さんもチーム監督として北京に同行する。

 「彼の夢に私も一緒に乗せてもらい、楽しませてもらっている」と博子さん。

 「障害を持った子どもたちに、人生の選択肢を増やしてあげたい」と、岡はプロの誇りをもって北京に乗り込む。

男子卓球・岡、緩急自在の頭脳プレーで好発進

 最終の3ゲーム目、勝負を決める11点目をとった瞬間、男子(車いす)の岡は力強くガッツポーズした。1次リーグ初戦。ベスト16に終わったアテネで敗れたコウ(香港)に3―0の完勝。後ろで静かに見守っていた監督で妻の博子さん(42)に近づき手と手をタッチ、表情が和らいだ。

 「あえて強く打たず、意識的に遅いボールを織り交ぜた」。相手のペースを乱す緩急自在のプレーで、好スタートを切った。

 先天的に骨が弱く、身長125センチ。「頭を使わなければ勝てない」と高い技術に加え、北京に参加予定の選手のビデオをすべて取り寄せ、分析。体格面の不利を補った。

 小さいころは骨折の連続。パワー系のスポーツは無理だった。中学のころに出会った卓球にのめり込んだ。21年連続日本チャンピオン。44歳のベテランは02年、日本初の障害者卓球のプロになった。障害者スポーツの世界では草分け的存在で、ニックネームは「小さな大巨人」。

 しかし、北京までは苦難の道のりだった。

 スポンサー企業の卓球部の廃止で契約が切れ、この1年は貯金を取り崩しての生活。尻を上げて打つことを禁じたルール変更も小柄な岡にはこたえた。「北京は無理かも」。そんな思いが頭をかすめた。

 博子さんは「やりたいことがあり、やれるチャンスがある。だったら徹底的にやってみれば」と励ました。「私と違って単純に物事を考えるんです」と笑う岡に、博子さんは「こんな人生、なかなか送れない」。

 9日には決勝トーナメント進出をかけた試合がある。二人三脚が続く。



北京パラリンピック 岡と別所はグループリーグ敗退

 北京パラリンピックの卓球競技が9月7日に開始された。日本から出場した岡紀彦と別所キミヱはいずれもグループリーグ2位となり、決勝トーナメント進出はならなかった。

 岡は、初戦でクォン(香港)に完封勝ちしたが、続く第2戦でマルタン(フランス)にストレートで敗れた。この結果、1勝1敗の2位となり、グループリーグ突破ならず。

 別所は、第1戦で逆転勝利を飾ると、第2戦でアブアワド(ヨルダン)と大接戦を展開。第3ゲームからジュースの連続となるが、わずかに及ばずゲームオールジュースで競り負けた。最終戦は快勝したが、2勝1敗の2位で惜しくも決勝トーナメント進出を逃した。



 残念…!

 4年前負けた相手に3-0で勝利し、これはもしやと思いましたが、決勝リーグ進出ならず…。いや、お疲れ様でした!

 先天性骨形成不全症で、他の外国人選手より圧倒的に体格に恵まれず、しかもルール改正によって更に不利な展開になってのパラリンピックでした。

 でもそんなことより、やはり練習設備やメニューの充実など、プロ選手をサポートする体制が整っていないのが一番大きな敗因ではないかと思います。

 日本って国は、なんか介護に関して、力を注いだり介護に理解を示しているフリをしつつ、実際は黙認してるような気がします。障害者スポーツに国や企業が、力を注いでいますか。先進国にあるまじき「力の入れよう」ではないですか。

 前のスポンサーだったところというのはおそらく健勝苑でしょうか。健勝苑は卓球に異常なまでに資金を提供していましたからね。今でもスポンサーはいないのでしょうか?

 「勿体ない」、そう感じます。逸材を、障害があるという理由だけでほったらかしにする日本に憤りを覚えます。

 障害ある子供に夢を持たせようと努力する岡選手。対して障害者に「無関心」を決め込む日本の国と企業。いや、国と企業を構成する「人」も。

 岡紀彦選手のモットーは「正しい努力の継続」だそうです。

 我々も、正しい努力を、してみませんか。



 岡紀彦選手の今後の活躍を期待しています!パラリンピックお疲れ様でした!

参考youtube
卓球 岡紀彦 車イス卓球 プロ選手への夢 1
卓球 岡紀彦 車イス卓球 プロ選手への夢 2

超オススメサイト
カンパラプレス〜感じるパラリンピック〜
アテネ超人列伝

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2008年09月10日

適度な運動を行うことで高齢者の記憶力を向上できる。

高齢者の適度な運動は記憶力向上に効果=研究

 高齢者にとって定期的に適度な運動をすることは、記憶力の向上や認知症の発症を遅らせるのに効果あることが分かった。オーストラリアでの研究結果が医学誌「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAA)」で発表された。

 同研究では、認知症ではないものの、記憶力に問題を抱える50歳以上の170人を対象に調査を実施。対象者の半分は週3回50分程度のウォーキングなど適度な運動を行っている人で、残りの半分は全く運動をしていない人だった。

 語彙のリストを思い出すなどのテストを行った結果、運動を行っている人は、行っていない人に比べ、明らかに認知機能を向上させることが示された。運動の効果は6カ月後から顕著に表れ、少なくとも運動を止めた後12カ月は効果が持続した。

 世界保健機関(WHO)によると、認知症の高齢者の数は現在、世界中で推定3700万人。その大半がアルツハイマー病だという。

 今後20年でその数は急速に増えると予想されており、研究者らは認知症の発症を遅らせる方法を模索している。



 人間は活動しないと衰えていくものです。運動することによって全身から刺激が脳に伝わり、活性化した(退化しなくなった)のかもしれません。

 そういえば10年ぐらい前のテレビ番組か何かで、「きんさんぎんさん」の「きんさん」が一度ボケたことがある話をやっていました。足を骨折だか何だかしてあまり動かなくなったときに、認知症のような症状が出始めた、と。そこでリハビリを懸命に行ったところ、認知症症状は改善し、100歳の双子としてテレビにも出演できるようになったとか。

 どうしても足腰の機能が衰えると動くのもためらわれるようになってきますが、無理しない程度に運動することも大事なようです。動きすぎて骨折なんかしては元も子もないのでそこらへんは「さじ加減」で。

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DHA、EPAはサプリより食事から摂るほうが効果的。

川本で認知症予防でDHA、EPA臨床研究へ

 物忘れ、認知症の予防で、青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)の効果を実証しようと、島根大医学部生理学講座(出雲市)の橋本道男准教授(環境生理学)らの研究グループが十月、二年間の臨床研究に乗り出す。疫学調査を進めている島根県川本町の六十五歳以上百人が対象で、国内ではかつてない規模。DHA、EPAを多く含むソーセージを食べ続けてもらい、認知機能の維持、改善との関連を確かめる。

 研究メンバーは、DHAによる脳の神経細胞の再生効果を動物実験で確認し、国際特許を出願している橋本准教授のほか、県立大学短期大学部(出雲市)の山下一也教授、仁寿会加藤病院(川本町)の加藤節司院長ら。

 川本町を含む県内三カ所で、継続中の食事と認知機能の関連を調べる疫学調査で「魚介類の摂取は認知機能低下の進行を遅らせる可能性がある」との中間結果を得たのを踏まえ、DHA、EPAの効果実証に絞った介入研究に入る。

 認知症予防をめぐっては、国内外の研究で、サプリメントによるDHA、EPA摂取と比べ、食事介入による治療、食事療法がより効果的との報告がある

 このため、DHA、EPAを食事から取るのが有効と仮定。被験者には、厚生労働省許可の特定保健用食品で、焼きイワシ一・五尾相当のDHAを含むソーセージを支給。二年間、毎日一、二本食べてもらい、半年ごとに問診と血液検査を実施。記憶や計算などを点数化して調べる認知機能の変化と、血中のDHA、EPA濃度の相関関係から効果を実証する。

 代表研究者の橋本准教授は「認知症の予防により、究極的には、超高齢化社会を乗り切る手段として医療費抑制、介護負担軽減につなげたい」と、成果に期待している。



 ニッスイ ドラえもんソーセージ。

 DHAのサプリってのもあるんですね。サプリメントの存在意義って、普段の食生活で摂取不足に陥りやすいものを摂るためにあるようなもんなんですけれど、DHAを普段どのくらい摂ってるかなんて分かってるんですかね?普通に食事から、食べましょう。

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2008年08月23日

認知症に効果のあるドールセラピーについて知ろう。

人形と接する「ドールセラピー」、認知症に効果 

 赤ちゃんの人形を抱くことで豊かな感情をよみがえらせる療法「ドールセラピー」を認知症高齢者に実施したところ、落ち着いたり、会話が増えたりする効果が表れることが兵庫医療大(神戸市)講師の平木尚美さん(41)らの調査で分かった。育児体験を想起するなどし、感情が刺激されるとみられる。二十一日午後二-三時、同市中央区の神戸国際会議場で開かれる「日本看護研究学会学術集会」内で発表する。

 平木さんのほか、太成学院大(大阪府堺市)の助手、板東正己さん(51)ら五人が昨年七-九月、グループホームなど三カ所で認知症高齢者十一人に調査した。人形を渡したときの様子をビデオカメラで撮影。「人形に話しかける」など六百五十八件の反応を分析した。

 最も多かったのは「人形を見つめる」(九十五件)行動。ほかに「服や靴下を着せる、脱がせる」(五十九件)という人形を擬人化した行動のほか「スタッフに話しかける」(五十五件)など他者との交流が促された例も目立った。「人形から視線をそらす」「抱こうとしない」などもあったが、割合は少なかった。

 三年前からドールセラピーを取り入れている大阪府守口市のグループホーム「はるか」では、徘徊していた人が落ち着いたり、寝付きが悪かった人が寝やすくなったりしたという。おむつを替えようとするなど人形を擬人化している場合は「世話をする役割ができ、生き生きする」という。

 「人形を本物の赤ちゃんだと思いこんでいる人、人形だと分かって接している人、その中間などさまざまだが、過去の記憶や『かわいい』『いとおしい』という感情が刺激されることは間違いない」と平木さんは話す。

 さらに「高齢化がますます進む中、職員とお年寄りのコミュニケーションを増やすツールとしても有効」と指摘し、普及を呼び掛ける。



 へぇぇ。育児の記憶でしょうか。育児ってそれほど大きいウエイトを占めているんですねぇ。

 高性能な人形与えたらどうなるんでしょう?それともこういう単純なほうが効果的?

関連
医学処:働き盛りの若年性認知症患者を、地域で支える。
医学処:寝たきりの高齢者に効果的な、うつぶせ療法について。
医学処:水素水を飲むと記憶力の低下を抑制でき認知症予防に。
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2008年08月20日

カレーに含まれるターメリックは記憶力を高める。

カレーを食べて記憶力アップ…アルツハイマー予防に期待

 武蔵野大は18日、米ソーク研究所との共同研究で、カレーのスパイスの一種ターメリック(ウコン)から作った化合物に記憶力を高める効果があることが動物実験でわかった、と発表した。

 アルツハイマー病など脳疾患の予防などに役立つ成果として注目される。

 同大薬学部の阿部和穂教授らは、インドでアルツハイマー病の患者が少ないことに着目。その秘密は食生活にあるとして、同国の代表的料理カレーに含まれる様々なスパイスの効果を調べたが、ターメリックに、加齢などによる脳の神経細胞の損傷を防ぐ働きがあることを確認したにとどまった。そこで研究チームは、米ソーク研究所がターメリックの成分(クルクミン)から作った新化合物「CNB―001」の効果をラットを使って調べた。

 その結果、ターメリック由来の化合物を飲むと、飲まないラットに比べて、記憶力が高まっていることが観察できた。阿部教授は「新化合物は、脳の記憶にかかわる海馬部分を直接活性化している可能性が高い。今後は、安全性を確認し新薬の開発を目指したい」と話している。



 この続きのようなもの。
 カレーに含まれるターメリックはアルツハイマーを防止する

 あの香辛料は海馬を直接刺激していたんですかね。

 しかしカレーって何であんなに旨味なんでしょうかね。ラーメン食べ歩きもいいですけど、私はカレーの食べ歩きというのもしてみたいですね。

 昨日もグリーンカレー食べたんですけど、まぁ辛い辛い。スパイシーで、かつフレッシュ。おいしかったです。
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2008年08月11日

高齢者は室内でも熱中症になる危険性が高い。

熱中症 室内でも発症の危険 特集、健康を考える 武田温裕院長に聞く

 高温下で体温の調節が破綻し、体内の水分や塩分のバランスが崩れるために起きる障害が熱中症。戸外だけでなく、室内でも襲われかねず、油断できない。大阪府医師会理事で医療法人・武田クリニックの武田温裕院長に熱中症の見分け方と手当て、予防法などについて聞いた。

 --まず、熱中症の症状について。

 体温の調整機能がうまく働かず、いわば体に熱がこもるために発症するのが熱中症です。症状は3段階に分かれます。1度はめまい、立ちくらみ・失神、筋肉痛や筋肉の硬直、そして大量の汗。症状がさらに重い2度は頭痛、不快感、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感をもたらします。最も重く、命にもかかわる3度は意識障害、けいれん、手足の運動障害、そして高体温を招きます。

 --炎天下での運動や仕事が主因?

 高温下でのスポーツや労働で大汗をかき、水分や塩分が極度に不足した折に起きがちなことは確かです。年齢、性別に関係なく、日ごろ屋外で体を動かさない人が、強い日差しを浴びて激しく運動した時などは要注意。ただ、熱中症は室内にいる高齢者らを襲うこともあります

 --室内で、とは。

 部屋にこもっている高齢者が、室温の上昇に気づかずに発症するケースです。普段から水分をあまりとらず、慢性的な脱水状態にあるため、発汗による体温調節が弱くなっている。血液の循環もゆっくりなので、皮膚からの放熱作用が弱い。しかも、高齢者は若者に比べ、暑さに対する感受性が低下しています。そんな高齢者が扇風機もエアコンも動かさず、室温が体温ほどまで上がった中で熱中症になる例は少なくありません。

 --気温上昇に合わせた対応が大事ということですね。

 扇風機を回すだけでも違います。高齢になるとのどの渇きを感じにくく、水分補給が少なくなるため、高温下でも発汗が遅く、量も多くない。だから、ご本人も自覚のないままいつの間にか熱中症に陥ってしまう。

 --周囲が気づけばいいのですね。

 温度計を置いて温度上昇に気をつける、とか。人は1日当たり1・5〜2リットルの水分が必要とされます。食事でも水分は補給しますので、私は来院される患者さんには「1日の午前と午後に500ミリリットルずつの水分を」と助言しています。

 --スポーツドリンクも効果的だとか。

 回復には塩分が不可欠。塩分、糖分を含むスポーツドリンクはよく工夫されています。医療現場でも熱中症の治療はナトリウム、カリウムなどを含む点滴が中心。熱中症1、2度で、塩分を含まない大量の水分だけを与えると血液中の塩分が急激に薄まり、「水中毒」と呼ばれる危険な状態になります。

 --熱中症の手当てはどのように?

 症状1度の人に必要なのは涼しい場所に移し、体を冷やすことです。水でぬらしたタオルを顔や胸、手足などの、ほてっている所にあてがうのも効果的。水は本人が飲める範囲にしてください。無理に口に流し込むと気道に入るなど、危険な場合があります

 --首筋を冷やすのが良いと聞きますが。

 首筋、脇の下、脚の付け根などですね。太い動脈・静脈が走っている場所を重点的に冷やすと、血液の温度を下げ、ひいては体温を下げる効果がありますから。

 --より危険な2度、3度の場合は?

 意識障害がみられる場合は躊躇せず、直ちに救急車を呼んでください。熱中症の治療は時間との闘いです。救急車が来るまで、涼しい環境下で患者さんに風をあてるなど、体温を下げることに全力を挙げてください。

 --暑い時のビールはどうですか。

 ビールなどのアルコール類は見かけに反し、水分補給にはなりません。利尿作用で脱水状態に陥りかねないからです。二日酔いで脱水状態にあるのも知らず、炎天下で激しい運動をする、などというのは無謀です。



 暑い日に周りをみていて思うのは、スポーツで大量に発汗しても、水分補給にミネラルウォーターのみを飲む人、ありゃやめたほうがいいと思うんですけどね。やはり塩分のはいったものでないと。

 あと高齢者は、自分の体が脱水状態なのかどうか、気付きにくい状態になっています。ですので、こまめに補給するようにして下さい。毎日飲む量を決めて、時間も決めちゃうと楽っちゃ楽かもしれませんね。

関連
医学処:夏本番。特に高齢者は熱中症に警戒しましょう。
医学処:東京都内で熱中症による救急搬送が多発している。
医学処:部活の練習中に熱中症で倒れて死亡した「熱中症死訴訟」
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2008年08月07日

インドネシア人看護師がいよいよ来日する。

インドネシア人看護師候補、7日来日 200人が研修へ

 日本・インドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、初めて来日するインドネシア人看護師・介護福祉士候補の壮行会が6日、ジャカルタの日本大使公邸で開かれた。約200人は同夜ジャカルタをたち、7日朝、日本に到着する。

 神奈川県の病院に看護師候補として赴任する女性のルーシーさん(29)は「日本語を早くマスターして、看護の技術をしっかり現場で学びたい」と声を弾ませる。候補の人たちは来日後、日本語を半年学んだ後、各地の病院や施設に赴任し、働きながら国家試験の合格を目指す。

 EPAでは2年間で計1千人を受け入れる計画。今年は500人を予定していたが、来日するのは看護師、介護福祉士ともに104人ずつにとどまった。募集期間が短かったうえ、日本の受け入れ施設が、男性より女性を希望したことなどから選考に手間取った。またインドネシアには介護福祉士の職種がないため、理解が得られにくかったことも課題として残る。

インドネシアから看護師の卵来日 海外から初の受け入れ

 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の看護師・介護福祉士の候補者計205人が7日朝、来日した。海外から看護・介護分野の労働者を本格的に受け入れるのは初めて。

 来日したのは看護師候補104人、介護福祉士候補101人(ほか3人が今月末に来日予定)。東京・大阪・名古屋など5カ所の宿泊研修施設で6カ月間の日本語研修を受けた後、病院や介護施設などで補助的な仕事をしながら、国家試験を目指す。

 看護師は3年、介護福祉士は4年の期限内に合格すれば、国内で無期限に働き続けることができる



 ようこそ世界一医療が整っている国へ!

 最初に来られた方々が、医療に熱いことを期待します。謙虚さや人を想う心は万国共通だと思いますので、問題が生じることなく看護・介護分野で活躍されることを願ってます。

 そしてこの流れが途絶えることのないことも。

 言葉の壁、医療の差など、勉強することは多いでしょうけれど、頑張って乗り越えて下さい!

関連
医学処:外国人看護師、どの程度病院は受け入れますか。
医学処:インドネシア人の看護師と介護士を受け入れ準備開始。
医学処:インドネシアの看護師174人が試験に合格し、来日する。
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2008年07月19日

水素水を飲むと記憶力の低下を抑制でき認知症予防に。

認知症予防に道、水素水が記憶力低下を抑制

 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、一定時間、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、その記憶力が、「水素水」と「水素を含まない水」を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった

 さらに記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞による脳障害を半減させることを確認。

 認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。



 水モノって怪しい商品が多いですよね。そんな水ごときで何が変わるんだよという感じです。中には「がんに効く水」とかもあるそうで、バカなことを言うんじゃないよと。そんなものを売るほうにも買うほうにも、やるせない感情を抱いてしまいます。

 昨年は「酸素入りの水」がブレイクしました。酸素の入った水。それが健康に良いという。んなこた〜ない。ちょっと考えればすぐわかる。何故考えないでキャッチコピーだけで購入してしまうのか。

 「水素水」は、日医の教授の研究による根拠を得ています。まだ動物実験の段階ですが、効果はあるということです。「効果のある水モノ」として期待は高まるところですが、果たして。
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2008年07月12日

骨粗鬆症の新しい治療に欠かせない「ヘッジホッグ」。

ヘッジホッグ:成人骨量も調節 骨粗鬆症治療に期待

 胎児の神経や骨の発達に重要な役目を果たすたんぱく質「ヘッジホッグ」が、成人の骨量を調節する機能も持つことを、東京大の鄭雄一教授(骨・軟骨再生医学)らが突き止めた。ヘッジホッグの活性を変えれば骨量も増減できるため、骨粗鬆症の治療などへの応用が期待できるという。

 鄭教授らは01年、胎児の骨形成にヘッジホッグがかかわっていることを発見。その後、成体での機能を調べてきた。マウス実験でヘッジホッグが活性化するよう遺伝子を操作すると、骨の中のミネラル量(骨量)が通常の約2倍に増加した。逆に働きを抑える化合物を1カ月投与すると、骨量は約3割減少した。

 千葉大などとの共同研究で、遺伝子操作マウスと同じ部位の遺伝子に変異が生じる病気の患者を調べると、同性同年代の平均に比べ、骨量が多いことを確認した

 鄭教授は「今後、体内でヘッジホッグと同様の働きをする化合物を作り、新たな骨粗鬆症治療法の開発を進めたい」としている。



 骨と加齢と女性って、どうしても密接に関連してしまうものですからね。気をつけていればある程度はマシとはいえ、やはり骨粗鬆症の非常に大きなリスクを背負っていることは間違いないです。

 今はビスホスホネートという、破骨細胞の働きを抑えることで骨の形成速度と分解速度のバランスを保ってやる薬が結構使われていますが、また別の機序で骨粗鬆症が治療できるようになると、高齢女性などにかなり有用になるでしょう。高齢になって骨粗鬆症になり、ちょっとした転倒で骨折、動けなくなりそのまま筋肉もやせ衰えて全身の機能が低下する、となるルートは避けたいですからね。

関連
医学処:カルシウムサプリメントは骨粗鬆症の予防にはならない
医学処:骨粗鬆症と女性ホルモンの因果関係を初めて解明する。
医学処:骨量と脂肪のバランスを調節する、Wnt5a
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2008年06月25日

【静岡】蜜柑の果汁が脳の老化を防止する。

ミカン果汁で脳の老化防止? 静岡県立大などマウス実験

 ミカン果汁が脳の老化防止に役立つ可能性があることが、静岡県立大や農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所によるマウス実験でわかった。日本基礎老化学会で発表した。県立大の海野けい子准教授(老化生化学)は「果汁の成分のどこに効果があるのかはこれからの研究課題になる。人で効果があるかも試したい」としている。

 老化が早い系統のマウス80匹を使った。20匹ずつ4グループに分け、3.8〜38%の3段階の濃度のミカン果汁で水分補給したものと、水で水分補給したものを1年間飼育。マウスが明るい箱から暗い箱に移動すると電気ショックを与える装置で実験し、移動を避けるようになるまでにかかる時間を計って学習能力を調べた。

 その結果、水で育てたマウスは、平均約千秒かかったが、ミカン果汁で育てたマウスは600〜700秒で、果汁濃度が高いほど学習時間が短かった。また、老化につながる大脳の酸化を示す値も3割ほど低かった



 果物シリーズにしてご当地名産シリーズ。

 前も書いたかもしれませんが、こういうのって、やはりご当地名産を活性化しようとどこかから依頼されるんですかね。静岡は緑茶とミカンで寿命も高いですから、実際効果はありそうですが。

関連
医学処:ミカンを食べると骨粗鬆症の予防になる
医学処:ハゲのための蜜柑ヘアトニック、厚生労働省にも認められる
医学処: 果物をたくさん食べれば脳卒中や心筋梗塞になりにくい
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2008年06月10日

てんかんやパーキンソン病の頭部保護具をオシャレに。

我が子に考案 愛の頭部保護帽

 軽くて快適、母心のアイデア――。知的障害を持ち、自傷行為が激しかった息子のため、金沢市の主婦甚田ノブ子さん(68)が考案した頭部保護帽「としちゃんCAP」が好評だ。パーキンソン病など歩行困難で転びやすい患者に広まり、甚田さんは私財を投じて製造販売を始めた。まだ知名度は低いが「息子への愛情を形にした帽子。役に立てるよう息長く続けたい」と意気込む。

 甚田さんの長男、俊夫さん(45)の名にちなんだ保護帽「としちゃんCAP」はパイル織りの綿を使い、丈夫で通気性が良く、何度も洗えるのが特長。刺繍やアップリケで飾ったり、上からバンダナなどを巻いて、既製のヘッドギアやヘルメットよりおしゃれも楽しめる

 俊夫さんが柱に頭をぶつけるなど自傷行為を繰り返していた10歳の頃、革の保護帽が汗で蒸れているのが切なく、「何とかしたい」と思い立った。手ぬぐいなどを試した末に、軽さと耐久性を併せ持つ素材にたどり着いた。

 俊夫さんの自傷行為は帽子を変えて半年ほどで収まり、それから約30年、帽子のことは忘れていた。4年前、交通事故で入院した甚田さんは、足が思うように動かず何度も転ぶパーキンソン病患者の男性を見かけて、再び胸がうずいた。

 「何とかしてあげたい」。帽子を思い出し、同じものを作ってプレゼントすると「安心して歩ける」と感謝された。その後「パーキンソン病の妹が転んで救急車で運ばれた」という知人にも贈ったところ、「同じ悩みの人が入手しやすいようにして」と励まされ、市販化を決意した。

 約180個を用意して、昨年8月に販売を始めた。実用新案登録の費用と合わせ、経費約150万円は蓄えから持ち出した。昨秋、県バリアフリー社会推進賞と県発明くふう展で奨励賞を得たが、売れ行きは「月に1〜2個」。採算ラインには遠いが、俊夫さんと歩んだ人生が詰まった帽子への思いは深い。

 「としちゃんを授かって人の悩みや痛みが分かるようになり、優しくなれた。お金より人助け。世話を焼くのが好きなんです」

 冷え性や腰痛持ちの人のためにと、帽子の素材を応用したベルトは半年で約90個売れた。「愛情があればアイデアがわいてくる」。甚田さんの意欲はつきない。

 帽子は1個5775円と、保護機能などを強化した7120円の2種。問い合わせは甚田さん(076・298・2603)まで。



 確かに、疾患で転びやすい人には今まではヘッドギアなんかをつけていましたけれど、あからさまに無骨で。たとえマイノリティとはいえど、着けていても他人に奇異の目でみられないような頭部保護具は、その人の生活の質を向上させると思います。

 補聴器や車イスなども、今ではおしゃれなものを使える時代です。頭部を保護しなければいけないような人って、パーキンソン病だけでなく、例えば「てんかん」などもそうですよね。彼らのためにも「としちゃんCAP」、メジャーに認知されるようになってほしいです。ネーミングさえもう少しシンプルにヒネればもっと売れてもいい商品だと思います。

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医学処:パーキンソン病の遺伝子治療、1年たっても効果が持続していることが判明
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posted by さじ at 21:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護