[介護]の記事一覧

2009年03月10日

各自治体でケースワーカーが圧倒的に不足している。

生活保護支援 ケースワーカー悲鳴

 「自立支援まで手が回らない」「疲労困憊で、もう限界」。生活保護の申請急増で、自治体の現場から悲鳴が上がっている。読売新聞のアンケート調査でも、財政難などを背景に、職員(ケースワーカー)の補充が追い付かないという自治体が多い。家庭訪問など自立を後押しする取り組みが十分にできないという声も目立った。

 関東地方の自治体でケースワーカーをしている女性は昨秋、忘れられない体験をした。

 「最近、あの人見ないけど大丈夫?」。担当する60歳代の男性の住むアパートの大家から電話があった。

 1か月前に会った時、確かに顔色が悪く、「病院に行こうか」と尋ねたら、「自分で行くから大丈夫」と気丈に答えていた。

 アパートに行くと、男性は亡くなっていた。死後約3週間。身内はいない。警察が遺体を運んだ後、大家から「後片づけお願いね」と当然のように言われた。3時間かけて部屋を整理したが、警察官にも言われた。「なぜ病院に連れていかなかったの。ダメじゃない」

 自分がいけなかったのか、でも何ができたのか、と苦しんだ。

 それでも落ち込んでばかりいられない。担当になってまだ2年目なのに受け持ちは100世帯以上で、国の標準の80世帯を大きく超える。保護費の計算など事務量も膨大で、家庭訪問が手薄になる。精神障害者、独り暮らしの高齢者、元ホームレス……。対応が難しい受給者が増え、休日に「ATMの使い方がわからない」と連絡を受けて駆けつけることも。

 「相談に乗ってあげれば、自立できる人もいるのに手が回らない」。女性はこう話すと、「疲れた。1人で抱えるには限界を超えている」と訴えた。

 読売新聞が全国の政令17市と東京23区の計40自治体に、生活保護のケースワーカーが足りているかどうか尋ねたところ、「足りない」は7割の28市区に上った。「足りている」は8市区で、無回答は4市区。

 国が示すケースワーカー1人当たりの標準受け持ち世帯数は80世帯だが、昨年12月時点の受け持ち数を聞いたところ、90世帯以上という自治体が25市区。このうち6市区は100世帯以上で、最も多いのは台東区の111世帯。80世帯以下は2市区だけだった。

 この1年で受給世帯が1500以上増え、約2万3300世帯になった名古屋市。16か所の福祉事務所にケースワーカーが計216人(昨年12月時点)おり、1人平均で105世帯を受け持つ。市の担当者は「毎年10人程度増員しているが、全く足りない。現状では70人程度不足しており、各家庭を訪問する時間がない」と嘆く。

 1人109世帯を担当する東京都墨田区も「業務が追いつかず、ストレスから健康を害する職員もいる」。

 対応が難しい保護世帯の増加も負担を重くしている。東京都足立区は「多重債務や家庭内暴力、精神疾患などの問題を抱えるケースが増えており、ストレスから体調を崩す職員もいる」としている。



 難しい問題ですね。こういうところに労力を割けるほどお金もないんでしょうけれど…。ケースワーカーや介護福祉士といった「福祉」に関してまだまだ発展途上なところが日本の悪いところか。

 いや必要と分かっていてもお金をかけないという日本特有の風習がそうさせるんでしょうかね。社会のために、とはいいつつも結局は自分ひとりのお金さえ増えればいい、という感じで。それなのに麻生さんを叩きまくってるのもおかしい気はしますけどね。結局国民の意識の問題なのに。

 ケースワーカー

 主に自治体の福祉事務所に勤務し、生活保護や福祉などの分野で援護や育成を担う職員の通称。生活保護の場合、資産の有無や環境などを調べ、どのような保護が必要かを判断するほか、生活指導や自立支援も担う。民間施設などで入所者らの相談に乗る人を指すこともある。

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2009年03月08日

抑肝散でアルツハイマー病の神経細胞死を抑える

アルツハイマーには漢方!…阪大の研究で効果分かる

 幻覚や妄想などアルツハイマー病の周辺症状にも処方される漢方薬「抑肝散(よくかんさん)」に、症状の原因と考えられる脳の神経細胞死を抑える効果があることが、大阪大の遠山正彌教授、松崎伸介助教らの研究でわかった。

 漢方薬の効能の仕組みに迫る成果として注目される。

 松崎助教らが着目したのは、細胞内のたんぱく質の形を整える小胞体にある遺伝子で、遺伝性のアルツハイマー病患者に変異が多いプレセニリン1(PS1)。PS1が変異した小胞体は、神経伝達に重要なカルシウムの濃度変化に対応できず機能が低下、不完全なたんぱく質が蓄積して細胞死が起きる。

 実験では、PS1を変異させた実験用の神経細胞を使い、小胞体内のカルシウム濃度を変化させる薬剤を投与。約60%が死滅したが、抑肝散を加えると死滅率は約25%に減った

 抑肝散は子供の夜泣きや疳の虫などを抑えるために使われてきた漢方薬。遠山教授は「患者の多くを占める老年性アルツハイマー病も小胞体の機能低下が関係しており、今回の結果と同様の仕組みで周辺症状を抑えている可能性が高い」と話している。



 漢方、効くんですねぇ。病院でも処方されることは多々ありますが、実際に神経細胞の死滅を減少させるとなると、より臨床的な研究が求められるかもしれません。

 全然関係ないんですが、疳の虫、あれを抑えるために、なんていうんですかね、何か儀式的なことをすると子供の腕とかに白い糸みたいなものが出てきて、それを取れば治る、みたいのがあるらしいんですけど。あれは静電気で立った糸くずらしいです。その糸くずそのものに意味はなく、おそらくなんですけど、糸くずを出させるために身体を擦るといった行為が、疳の虫を抑えているんじゃないですかね。断定は出来ませんが。

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2009年02月28日

義手の性能が大幅に向上。日常的なことは出来るように。

新しい技術で義手の性能が向上
 
 現在使用されている義手(artificial arm)は、二頭筋や三頭筋など上肢の筋肉を緊張させることで動作を制御するが、制御が難しく、しかも不格好で重いことから、あえて義手を使用しない切断患者も多い。

 しかし、筋神経を再支配させることで脳が義手に直接情報を伝達し、バナナの皮をむいたり、洗濯物を畳めるようになることが、新しい研究によって示唆された。

 今回の研究で、米シカゴリハビリテーション研究所人工四肢神経工学センター長のTodd A. Kuiken博士らは、義手内に残存させていた神経を外科的に胸部と上腕の筋肉に移転させる新しい方法を検討。この神経によって、電気信号がコンピュータの助けを借りて義手に到達しやすくなるという。

 2007年1月〜2008年1月に、この手術を受けた腕切断患者5人と腕を切断していない対照群5人とを比較した結果、切断群では対照群と同程度の速度で肘や手首を動かすことができた。

 Kuiken氏は「この方法では基本的に、筋肉が送られた信号を解読することで腕の制御が向上する。"手首を曲げよう"と思えば手首が曲がるし、"手首を回そう"と思えば手首が回る」と説明している。

 同氏はまた、「これによって患者が料理や掃除、庭仕事などより多くの日常的なことをできるようになって欲しい。この技術はまだ開発途上で、一般的に使用できるまでには何年も要する。

 義手は6〜10万ドル(約564〜940万円)と非常に高価だが、それでも神経を用いることにより、脳と腕のつながりの向上が確認できたことは大きな進歩である」と述べている。

 米南カリフォルニア大学(USC)医療機器開発部門長のGerald E. Loeb博士は、同誌の論説でこの研究結果を称賛する一方で、「SFのルーク・スカイウォーカーの世界で登場したような義手を実現するには、数多くの技術を統合する必要がある。いくつかの技術は大きく進歩し始めたが、患者向けの製品に完成させるまでの道のりは非常に長い」と述べている。



 あと数年もすればこの技術が一般に普及するかもしれませんね。。技術的にはほとんどできているわけですから。電脳世界もすぐそこなのかも。iPS細胞で神経を再生させる研究とともに発展すれば、失った腕や脚を取り戻すことも夢ではない?

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2009年02月20日

アルツハイマー病研究、東大の岩坪威教授に医学賞。

米の医学賞に東京大の岩坪教授

 アルツハイマー病研究に貢献した研究者に贈られる米国の「メトライフ医学研究賞」の受賞者に、東京大の岩坪威教授(49)が選ばれ、18日、ワシントンで贈呈式が行われた。

 教授は、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβをつくる酵素「γセクレターゼ」の働きを解明。治療法の研究に道を開いた。同賞は、米生命保険大手メトライフ社系列の財団が1986年に創設。日本人受賞者は2人目。



 岩坪威教授の研究成果については以下。

東京大学大学院薬学系研究科 臨床薬学教室 岩坪 威

 アルツハイマー病(AD)脳で老人斑を形成するβアミロイドは40あるいは42個アミノ酸からなるAβペプチドから構成される。42個型のAβは40個型よりも凝集しやすく、AD脳でも先行して蓄積し発症に重要な役割を果たす(1)。Aβは1回膜貫通型蛋白であるアミロイド前駆体(APP)から、2種類の蛋白分解酵素(セクレターゼ)により切り出される。この時細胞外側で最初に働くのがβセクレターゼ、次に膜内で切断するのがγセクレターゼである

 Aβのカルボキシ末端を切り出すγセクレターゼの実体は長らく不明だった。その解明の契機となったのはまれな家族性ADの病因遺伝子プレセニリン(PS)の発見であった。その後の研究から、8回膜貫通構造をもつPS蛋白はγセクレターゼの触媒サブユニットに一致することがわかった。これに変異が生じると切断位置の相対比率にシフトが生じ、蓄積性の高いAβ42の産生が増大し、ADが発症すると考えられる。家族性ADに関わるだけでなく、孤発性AD患者脳でβアミロイドが溜まる過程でも、PSはAβ産生を担うプロテアーゼとして関与することになる。ところが、PS単独では切断活性を持たず、PSに結合する複数の蛋白質(コファクター)が必要と判明した。2002年までにPS以外に3種類のコファクター蛋白質が同定されたが、個別の機能は不明であった。

 我々はPSと3種類のコファクター蛋白(ニカストリン:NCT、APH-1, PEN-2)がγセクレターゼを形成する過程について調べた(2)。まずRNA干渉法によりNCTあるいはAPH-1をノックダウンすると、γセクレターゼ作用をもつPSも同時に消失した。ところがPEN-2をノックダウンした場合にはPS、NCT、APH-1の3者が結合した不完全なγセクレターゼ複合体が蓄積した。逆にPSの存在下でNCTとAPH-1を過剰発現すると、同様に不完全な3者の複合体ができた。ここにPEN-2を加えると、はじめてγセクレターゼ活性が生じた。これらの結果から次のように結論された。(1)γセクレターゼの形成過程で、最初にAPH-1とNCTがPSに結合して中間体を形成し、最後にPEN-2が働いて活性型γセクレターゼが完成する。(2)γセクレターゼの基本骨格はPS、NCT、APH-1、PEN-2という4つの蛋白からなる。

 γセクレターゼは、ADの発症に関わるだけではなく、細胞分化に重要な役割を担うNotch受容体の膜内切断による活性化にも必須の機能を果たす。今後APP特異的阻害剤の開発によりADの予防・治療が可能となることが期待されるとともに、本来疎水性環境である脂質二重膜内部で加水分解が生じる分子メカニズムの解明に興味がもたれる。

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2009年02月03日

やきとりじいさん体操、高齢者向けの座って踊れる版を開発

お年寄りもOK 座ってできる「やきとりじいさん体操」

 「やきとり やきとり やきとりじいさん♪」の歌に合わせ、ダイエットを目指す「やきとりじいさん体操」。動画投稿サイト「ユーチューブ」で人気に火がついたが、「動きが激しい」との声が上がったため、座ってできる新版を発案者がつくった

 体操は、福島市のやきとりPRソングに、市内にある桜の聖母短大講師の岡田麻紀さん(32)が振りを付けた。自ら体を動かす映像をユーチューブに投稿したところ、08年の「ハウツー/科学と技術」部門で入賞。県内外の病院や小学校からも「体操してます」と連絡が相次ぐ。

 ただ、何度もダイエットに失敗した岡田さんが「楽しくやせるには」をテーマに考案しただけに腕や腰を激しく振る必要がある。昨年末、県外の老人ホームや障害者の施設からメールが届いたのをきっかけに、座ってできるよう改変した。

 リズムはゆっくり。腰をひねらなくてもでき、腕を振る回数を抑えるなど負荷を減らした。この正月、祖母(92)と一緒に取り組むと、みるみる笑顔になったという。

 岡田さんは新版の映像も近く投稿するほか、2月には健康雑誌「壮快」(マキノ出版)にDVD付きで紹介される。



 元の「やきとりじいさん」しか見つけられませんでしたが、これは激しい。笑

 もともとメタボ対策ということですので、高齢者向けではないかもしれません。

 でも中高年ならこれぐらいの激しさでいい。1.3倍速ぐらいにしたら若者でもいい運動になるのでは。座って踊れる版も楽しみです。

 やきとりじいさん、大ブレイクなるか。

元祖やきとりじいさん(youtube)

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2009年02月02日

クラゲから抽出したムチンで変形性関節症を治療する。

エチゼンクラゲが関節炎に効果/ウサギ実験で判明

 大量発生し漁業被害をもたらすエチゼンクラゲなどから抽出した糖タンパク質「ムチン」の新物質を、肌の潤い成分として知られるヒアルロン酸とともにウサギの関節に注入したところ、変形性関節症の治療に効果があったと、理化学研究所と東海大の研究グループが30日、発表した。

 変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って痛みや変形を引き起こす病気。加齢やけがが原因で、国内には約700万人の患者がいるとされる。ヒアルロン酸を関節に注入する治療は普及し始めているが、ムチンは人工的につくることが難しく、研究が進んでいなかった。

 今後、実用化に向けさらに実験を進めるほか、“厄介者”のクラゲを有効活用するための会社を立ち上げる予定という。

 研究グループは、人や家畜のムチンより構造が単純で高い純度を維持できる「クニウムチン」をエチゼンクラゲやミズクラゲから抽出

 変形性関節症にしたウサギの関節に、ヒアルロン酸と一緒に注入したところ、ヒアルロン酸だけを使うより軟骨部分の厚みが増すなど、1・6−2・6倍の改善効果があり病気の進行が抑えられた。



 クラゲをどうにかして商用化できないか、というのは各地で行われているみたいですね。クラゲアイスとか。

 でもこのクラゲ抽出ムチンは、もし実用化できればWIN&WINなのでは。クラゲの大量発生で困っているところは、商品化できる価値のあるものになるわけですし、医療者としても変形性関節症で苦しんでいる患者さんに治療として使うことが出来、患者さんは日常生活が楽になる、という。

関連:ナノテク素材「フラーレン」には関節の変形を抑える効果がある
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2009年02月01日

脊髄損傷でもリハビリにより別の神経回路を働かせることができる

脊髄損傷でも機能回復の望み膨らむ

 脊髄を損傷してもリハビリにより、別の神経回路が働いて機能回復につながることを示す研究を続けている自然科学研究機構・生理学研究所の研究チームがまた新たな証拠を見つけた。

 同研究所の伊佐正教授と西村幸男研究員(現ワシントン大学)は、脊髄損傷で指を動かせなくなったサルが、リハビリテーションによって指が動かせるようになることをこれまでの研究で明らかにしている。今回、機能回復の仕組みをさらに調べた結果、運動の指令を出していた大脳皮質運動野からの信号が途切れてしまっているにもかかわらず、障害によって弱くなった筋肉が互いに協働して活動するようになり、器用な動きを取り戻すことが確かめられた。筋肉の動きは1秒間に30-46 回という小刻みなもので、正常ではみられない動きだった。

 機能回復が実現した理由について伊佐教授らは、本来、指の動きの指令を出していた大脳皮質運動野とは別の部位(反対側の運動野あるいは運動前野など)から、損傷で切れてしまった脊髄の回路とは別のバイパス回路を経由して、指の筋肉を協働して働かせる指令が出ているため、と説明している

 今回の成果は、交通事故などによる脊髄損傷で機能障害を負った患者にとって新たな朗報になると見られる。伊佐教授らは、「今後、いかにしてこの回復に重要な神経活動を外部から刺激し、効率のよいリハビリに結びつけるかが課題だ」と言っている。

この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の一環として得られた。



 損傷した神経は元に戻らない。

 でも身体ってのは不思議なもので、別の箇所がそれを補うかのように発展することもあります。

 要するにリハビリですよねぇ。神経はだめになっても筋肉は健常なわけですから、それをうまく生かしたリハビリを行い続ければ動きを取り戻すことはできるかもしれません。
 
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2009年01月26日

社会的に活発な人は認知症になるリスクは50%低い。

社交的な生活が認知症のリスクを減らす可能性=研究

 付き合いの予定でカレンダーを埋めておくと、認知症にならないかもしれないという研究結果が19日、明らかになった。

 社会的に活発な人はストレスにさらされにくく、孤独で悩みがちな人に比べて、認知症になるリスクは50%低いと、専門誌「Neurology」が発表した。

 スウェーデンのカロリンスカ・インスティテュートのHui-Xin Wang氏は「穏やかで外交的な性格と社会的に活発な生活の組み合わせで、認知症になるリスクを一段と減らせることが分かった」と述べた。

 アルツハイマー病やそのほかの認知症の前兆となる物忘れや方向感覚障害などの症状がある人は、全世界で推定2400万人いるとされる。研究者らは2040年までに認知症の患者数は4倍になる可能性があるとみており、症状のより深い理解が重要であると強調する。

 今回発表された研究では、最初に診察した際に認知症の症状がなかった506人の高齢者を対象とした。個性や生活様式などに関するアンケートの内容を受け取ったボランティアの担当者が6年にわたって調査した。

 その間に144人が認知症を発症したが、社交的でストレスの少ない人は、発症の確率が50%低いことが分かったという。



 やはり高齢者になると単調な生活になってしまう、それこそが認知症の原因かも。

 ボケ防止のための塗り絵とか、ゲートボールだとか、いろいろ言われていますけれど、要するに脳と手足を使わないと衰えるよってことですからね。

 こちらも併せてご覧ください。

 計画力を鍛える知的な趣味と運動で認知症を改善する。

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2009年01月21日

高齢者は若い人よりも嫌な記憶を消すのが上手い。

お年寄りの脳、過去はバラ色? 米大が記憶消す働き分析

 お年寄りは若い人に比べ、嫌な記憶を消すのが上手らしいことが、米デューク大の研究でわかった。お年寄りはつらい記憶を処理するとき、若い人とは別の脳の部分を使っていて、過去がバラ色に見えやすいらしい。米専門誌サイコロジカル・サイエンス電子版に発表した。

 研究チームは、平均年齢70歳と24歳の15人ずつの協力者グループに、30枚の写真を見てもらった。写真には、普通の図柄に加え、ヘビがかみつこうとしているところや暴力シーンなど、見るのが嫌な図柄も含まれていた。

 その後、写真の図柄を覚えているかどうかを尋ねるテストを実施。普通の図柄ではお年寄りと若い人で成績に差はなかったが、嫌な図柄の写真では、若い人は52%が覚えていたのに対し、お年寄りが覚えていたのは44%だった

 また協力者が写真を見ている間、機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で脳を観察したところ、お年寄りは若い人に比べ、記憶に関連し、感情をつかさどる部分より高度な思考をつかさどる部分が活発に働いていた。

 人間は年齢によって脳の使い方の戦略を変えているらしい。チームのロベルト・キャベザ教授は「若い人は、いい記憶もつらい記憶も正確に記憶する必要がある。年配の人はつらいことの多い世界に生きているので、つらい記憶の衝撃を減らし、記憶するようになったのだろう」とみている。



 ただ記憶力が低下している、というわけではなさそうですね。

 若い人なんか、特に「つらい記憶をすぐに消せたらいいのに」と思うものでしょう。でも大丈夫、時間が解決してくれます。解決するまでは他の人としゃべるとか、何か夢中になれることをして、目を向けないようにすればいいんです。そうやって人は大人になる(妥協するすべを覚える)のだと思います。

医学処:適度な運動を行うことで高齢者の記憶力を向上できる。
医学処:ワサビを1日に12.5g食べると脳細胞の再生促進に。
医学処:テトリスをプレイするとPTSDの治療として効果がある。
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2009年01月19日

テトラスパニンが関節リウマチの発症に起因していた。

関節リウマチ治療に朗報 メカニズム解明に手がかりの物質特定

 関節が炎症を起こして痛む関節リウマチの研究を進めている就実大学薬学部(岡山市)の中西徹教授ら研究チームは、細胞膜上に存在するタンパク質「テトラスパニン」の一種が発症の一因となっていることを突き止めた。このタンパク質は発症メカニズムの全容を解明する上で、重要な手がかりになるとみられる。

 関節リウマチの発症メカニズムについては最近の研究で、関節などを覆っている滑膜内のタンパク質「シノビオリン」(酵素)が過剰に働いて症状が悪化することが分かったが、なぜ併せて滑膜細胞が増大するのか、など因果関係はまだ解明されていない。

 中西教授ら研究チームは、特殊な分析装置(DNAチップ)で関節リウマチ患者と正常な人の滑膜を比較。その結果、患者の滑膜細胞にシノビリオンとは別に、細胞膜表面で絡みつくように存在している正常値の倍以上もあるタンパク質を発見した

 これがテトラスパニンの一種で、データ分析により、シノビオリン増加を引き起こす原因物質の1つと特定された。そこで、このテトラスパニンの機能を低下させる物質を、関節に炎症のもつ実験ラットに注射したところ、腫れが解消し、同時にシノビオリンが大幅に減少したという

 これについて中西教授らは、テトラスパニンとシノビオリンとの間で、何らかの情報伝達があって、互いに関係しあっていると結論づけた。

 現在、薬学界ではシノビオリンを抑える治療薬の開発が精力的に進められているが、中西教授らは「特定したテトラスパニンについても、その機能を抑制する抗体など新薬を開発し、関節リウマチの根本治療につなげたい」としている。



 膠原病はなかなか難しいところがありますからねぇ。しかしそれも原因究明が進み、このように治療法の兆しまで見えてくるようになってきました。

医学処:膠原病に悩む患者同士のネットワーク
医学処:関節リウマチの原因遺伝子CD244を発見する。
医学処:肺癌、膵臓癌、リウマチを早期発見できる糖鎖について
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2009年01月13日

重度の心身障害者の通院費に自己負担を求める方針へ

「通院自粛の恐れ」自己負担に親反発 乳幼児・重度心身障害者医療費7月から県方針 市町村は困惑

 現在は無料の重度心身障害者と二歳までの乳幼児の通院費の一部について、県が今年七月から自己負担を求める方針を決めたことで、福祉関係者から反発の声が上がっている。助成の実施主体で、県と医療費を折半する各市町村の担当者らは「負担は求めたくないが、県の補助が減ると財政的に厳しい」と戸惑っている。

 県は「県単医療費助成制度」を改正し、通院費について、一医療機関ごとに月千円の自己負担を求める。県健康増進課は、医療費の増加に対応し、制度を継続させるため適正な受益者負担を求める、としている。

 実際に負担金を課すかどうかは各市町村の判断にゆだねられる。那覇市や名護市、北谷町などは検討中。浦添市は「まだ確定はしていないが、(県が減額する補助金を)市だけで負担するのは厳しい」という。

 通院費の助成範囲を独自に三歳児まで拡大、自治体の予算で補っている沖縄市は「市の負担がさらに増えるのは大変困る」。同じく恩納村は「少子化対策が叫ばれている中、村が子育て支援をしましょう、とやってきた中でのさらなる負担増は厳しい」と語った。

 「全国重症心身障害児(者)を守る会」県支部在宅部会の親富祖久子さん(58)は、「月千円といっても専門外来が分かれていたり、リハビリに入ったりと、三カ所に通っていれば月三千円。生活が苦しければ、リハビリをやめてしまうこともありうる」と指摘する。

 障害がある息子(31)を在宅で介護しており、「思っていることを言えない親も多い。所得が低い沖縄で、さらに母子家庭の場合、どうやって生活しているのかを考えると、身が震える思い」と懸念。「一律ではなく、せめて各家庭の生活レベルを見ながら運用してほしい」と求めた。

 NPO「沖縄子育て情報うぃず」の田仲由紀子代表は「乳幼児は病気になりやすい。負担が増えることで、病院に行く前に『ちょっと様子を見よう』という人も出てくるかもしれない。子育て支援に逆行するのではないか」と困惑する。



 うーむ。確かにって感じはしますけどね。役所としては公平さを重視したら、一律の負担、になってしまうのかもしれませんけれども、月千円の差が厳しい家庭も存在しますから、、、

 最近いろいろある医師不足だとかたらいまわしだとかいった問題も、こういった障害も問題も、要するにお金ですよね。国民皆保険制度が国民にとって「当たり前」のものとなってしまった結果、医療費は増えに増え、更にそれを補うための努力も本気なのかどうか分からないような状況です。

 何度も申し上げているように、医療費なんてものは増えて当たり前なんですよね。これだけ医療が発達して、更には高齢化社会にもなって、増えないわけがない。世界最高峰の医療を安価で提供し続けてきた日本ですが、この先の選択を迫られる事態になっています。

 自分の利益だけを考えて行動していけば、いつかは破綻してしまうでしょう。そうならず、今から生まれてくる新しい世代のために医療を保ち続けるには、結局のところ公共事業費を減らすとか、そういった努力が政治家、役人に求められるのではないでしょうかね。

 障害者を支えられないような国がこの先長く持つとは到底思えません。

医学処:精神障害者向けサロン、運営メンバー募集中
医学処:障害者卓球、岡紀彦プロが北京パラリンピックで敗退する
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2009年01月11日

計画力を鍛える知的な趣味と運動で認知症を改善する。

楽しい趣味、長く続けると認知症予防に効果

 自宅で日常生活を送れるものの、軽い認知機能の衰えがある「認知症予備群」の高齢者でも、計画力を鍛える知的な趣味と運動を定期的に長く続けると、記憶力や注意力などが改善することが、東京都老人総合研究所(都老研)と世田谷区の研究でわかった。

 都老研と同区は02〜08年、同区内の高齢者388人(平均年齢72歳)を対象に研究を実施。事前テストで、23%にあたる91人に軽い認知機能の低下があった。

 この91人のうち38人に、趣味の活動と運動を組み合わせた3年間のプログラムに参加してもらった。旅行、パソコン、園芸など、計画を立てたり、考えたりすることが必要な趣味の活動に独自の手順書を用意し、サークル単位で続けてもらった。

 3年後に再テストをしたところ、38人は、プログラムに参加しなかった53人に比べて記憶、注意、思考、言語のいずれの認知機能でも成績が明らかに良かった。特に、30分前の話を思い出す記憶力、ランダムに散らばった文字を目で順に追う注意力などの項目が良くなっていた。

 都老研の矢冨直美・主任研究員は「計画力を刺激する知的な活動を長く楽しく続けたことが、脳を活性化し、認知機能の低下を遅らせた可能性がある」とみている。

 地域ぐるみの認知症予防を研究している国立長寿医療センター(愛知県大府市)の遠藤英俊・包括診療部長は「予防効果の評価は精査が必要だが、これだけの規模で元気な高齢者を3年という長期間見守った認知症の予防研究は国内外でも珍しい」と話す。



 脳というのは使わないとどうしても衰えていくものです。それは肉体と同じですね。

 老化によって衰えてしまうのは仕方のないこと。しかしそれを出来るだけ使ってやることで、衰えるスピードは遅くなります。

 脳も同じですね。日常的に頭を使って何かをすることを心がければ、認知機能は低下しにくくなる。趣味といっても何でもいいんじゃないですかね。パソコンでもスポーツでも。できるだけ一人で何かをする趣味よりも、外でいろいろな人と交流することも重要かもしれません。刺激にもなりますし、予定も増えますし。

医学処:認知症の予防に、30分以内の昼寝や緑黄色野菜中心の食事が有効
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2009年01月09日

チタン製の人工骨で腰椎すべり症を治療する。

腰椎手術にチタンの人工骨 京大チームが開発

 腰椎がずれて激しい痛みを伴う腰椎すべり症などの治療に使うチタン製人工骨を、京都大病院整形外科と中部大生命健康科学部の研究チームが開発し、臨床試験を始めたと5日、発表した。生体と親和性が高く、患者の負担を大幅に軽減できるという。

 人工骨はチタンの粉末を溶かして作製。ミクロン単位の小さな穴がいくつもあいている。チタンはもともと生体との親和性が高く、人工関節の材料としても使われるが、特殊な表面処理を施すことで、さらに親和性を高めた。

 京大では昨年11月、この人工骨を腰椎すべり症の患者に使う手術を実施。椎間板(軟骨)を取り除いて人工骨を埋め込んだところ、患者は術後2週間で退院し、経過も良好という。

 椎間板の除去手術では、患者自身の腰の骨を切り取って、取り除いた椎間板の代わりに使うのが一般的だが、患者の負担が大きいことが課題となっていた。

 京大では、人工骨を使った腰椎手術をさらに4例計画している。それぞれについて約1年間経過を観察し、結果がよければ、一般の治療に使えるよう国に申請したいとしている。



 高齢者になってくるとどうしても腰や大腿部の骨の具合が悪くなってくるものです。かなりハードな手術をしなければならないときもありますが、優れた人工骨で代用してやれば、負担は軽減することができるようで。

 命にかかわる病気ではないかもしれませんが、歩くときに負担がかからない、というのは高齢者にとって大事なことです。できるだけ生活の質を上げるためにも、整形外科領域の技術亢進には期待したいところ。

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2008年12月08日

介護職員の半数が仕事を辞めたいと思っている。

介護職員半数「辞めたい」 医労連アンケ 低賃金、激務理由に

 県内で介護職に就く人の約半分が「仕事を辞めたい」と思っていることが、県医療労働組合連合会(富山市)のアンケート調査で分かった。低賃金や激務などが背景にあるとみられ、同連合会は労働環境の改善を訴えている。

 調査によると、「仕事を辞めたい」と思ったのは、「いつも」「しばしば」「時々」を合わせ、全体の51・1%。理由としては「賃金が安い」(42・3%)が最多で、「仕事が忙しすぎる」(38・7%)、「家族に負担をかける」(26・3%)と続いた。

 また、健康状態に不安を持つ人は56・9%に上り、「腰痛」を訴える人は53・8%、「倦怠感」が29・3%と、多くの職員が日常的に体調不良や疲労を感じていることをうかがわせた。

 同連合会の嵯峨猛書記長は「対策として介護報酬が引き上げられる予定だが、今後、高齢化は進展する一方。継続的に介護現場を支える取り組みが必要だ」と話した。

 調査は今年1〜3月にかけて実施。同連合会加盟の労働組合や県内の介護事業所275施設にアンケート用紙約2200枚を配布し、介護福祉士や介護ヘルパーら290人から回答を得た。



 んー、やはり現状は厳しい。

 日本は欧米のようにベビーシッターのようなシステムも満足に機能していません。介護も同様に、今までないがしろにされていました。親の面倒は子供が見るもの、それはそうなのですが、今の社会で無理にでも実行しようとすると、本人負担が計り知れないものになります。税を上げて福祉にまわす、欧米型のスタイルになってくるのかもしれません。

 まあ今の日本の政治じゃあ、税を上げてもわけのわからないところで使われそうですが。立ち上がらない国民のいる国で、理想論は通用しそうにありません。

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2008年12月04日

ダブルネットワークゲルを用いて関節軟骨を再生させる。

関節軟骨の自然修復に成功 北大、再生促す物質を開発

 1度損傷すると自然には再生しないと考えられてきた関節の軟骨について、新開発の物質をウサギの関節損傷部に埋め込んで自然修復させることに成功したと27日、北海道大大学院医学研究科の安田和則教授らのグループが発表した。

 今後はヒトへの応用可能性や安全性を検証し、スポーツなどによる軟骨の損傷に対する新しい治療法に結び付けたいとしている

 安田教授らは「ダブルネットワークゲル」と呼ばれる軟骨と似た新しい化学物質を開発。これを損傷させたウサギのひざ関節に埋め込むと、軟骨の再生が確認できたという。ゲルが何らかの刺激を与え再生を促すと考えられるが、仕組みの解明は今後の課題になる。

 これまで軟骨損傷の治療で使われてきた人工軟骨は、摩耗すると手術で取り換える必要が生じる難点があった。また、取り出した細胞を培養して生体に戻す方法も研究されているが、成功率が低いなどクリアすべき課題はまだ多いという。



 関節ってスポーツで痛めたりしますけれど、他にリウマチなどの疾患によるものだったり、あと何といっても加齢によって損傷してしまうケースが多いです。

 高齢者の場合、「自分の力で歩けるかどうか」という概念が非常に大切になってきていまして。この軟骨修復物質の登場で、自分の力で日常作業が出来る程度に回復する人が増えるかもしれません。

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2008年12月01日

刑務所の職業訓練が多様化。介護職や医療事務も創設。

介護、医療事務、エステ…変わる刑務所訓練 

 刑務所で行う受刑者への職業訓練が多様化している。これまで主流だった肉体労働から、エステやコンピューター関連技術など、需要の高い職種の資格取得へ法務省が方針転換したからだ。民間会社が運営に加わるPFI方式の刑務所では定員オーバーになる人気職種も。安定した就職先による再犯防止と、受刑者の更生意欲の底上げを目指す取り組みが注目されそうだ。

 「胸骨をしっかり押さえて。心肺蘇生は一分間に二百回がノルマです」

 初犯の受刑者を収容する「播磨社会復帰促進センター」(加古川市)で、今月開講した「ホームヘルパー二級」の授業。講師の指導に熱がこもる。週四日、一日六時間。定員四十人に、受講希望者は六十人を超えた。三十代の男性受刑者は「ずっと介護の仕事に興味があった。年老いた両親を支えてあげたい」と真剣な表情だ。

 同センターは昨年四月、業務の一部を民間が担うPFI方式の刑務所として全国で二番目にオープン。現在、国内に四カ所あり、医療事務やスポーツ指導員など従来なかった訓練種目を導入している

 多様化の背景は、受刑者の再犯率の高さ。法務省の犯罪白書によると、出所後五年以内に刑務所に戻る再入所率は近年50%台で推移。有職者の方が再犯率は低いため、雇用状況や求人情報を調査し、需要の高い人気職種を取り入れた。

 二〇〇六年度は二十五種目だったが、本年度は三十種目。女性受刑者を収容する栃木刑務所(栃木県)では、エステティシャン養成科目を新設した。佐賀少年刑務所(佐賀市)と川越少年刑務所(埼玉県)でも、コンピューターで建築図面などを作製するCAD技術科を始めた。

 ただ、受刑者の実習先確保の難しさなど課題は多い。服役経験があり、社会復帰につながる刑務所処遇の必要性を訴える元衆院議員の山本譲司さん(46)は「職業訓練の多様化は受刑者のモチベーションを高める。『塀の中』の成功体験を実社会に生かせるよう、関係省庁で就労支援を一体化したプログラムを構築することが必要だ」と話している。



 これはいいですね。なんていうか、性善説っていうんですかね、人間ですから過ちをおかすことはあっても、安定した職、安定した生活があれば悪いことはしない人も多いんだってことを、信じたい気持ちです。

 最初は社会のアタリは厳しいかもしれません。でも罪をおかしてしまったのですから、それは受け入れて、仕事で信頼を勝ち取るという社会として当たり前のことを、成功させてほしいと思いますね。介護職、いいじゃないですか。頑張って下さい。

 刑務所の職業訓練

 受刑者に対し、社会復帰後の就労支援として、必要な知識や技能を習得させる。生活態度がよく、将来働く意欲の強い受刑者が対象で、電気工事や情報処理、ホームヘルパー、溶接など、刑務作業の代わりに職業訓練として行う。期間は3カ月-2年。2008年度は全国42施設で30種目が実施されている。

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2008年11月29日

医療崩壊を食い止めるために医学生が話し合う。

医療崩壊を食い止めるのは医学生

 医学生らが自身のキャリアについて学び、意見を発していくことを目的につくられた「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は11月27日、「日本版総合医」「医師不足」をテーマにした第2回勉強会を慶大信濃町キャンパスで開催した。講師として招かれた渡辺賢治・慶大漢方医学センター准教授は、「医療崩壊は始まったばかり。崩壊が10年続くか、50年続くかは君たちに懸かっている」と、学生たちにエールを送った。

 渡辺氏は初めに、「医療崩壊がなぜ起こったと思うか」と学生らに質問。学生の間からは、「医療費の無計画な削減」「医学が進歩したため、医学が万能と患者が考え、訴訟などに発展しやすくなった」「総合医が不足しているため、大学病院などに軽傷でかかる患者が増え、負担が増大した」などの意見が上がった。こうした意見に対して渡辺氏は、「日本人のメンタリティーが不老不死を目指して、究極のところに来ている。医療崩壊をつくった原因の一つは、社会で医師を支えようとする姿勢が足りない、ということもあるのかもしれない」などと述べた。また、「医師と患者のコミュニケーションが崩れている。同列で医療を良くしようと考えなくてはいけない」と訴えた。

 続いて、渡辺氏は「総合医」について言及した。日本の今後について、「超高齢社会を迎える人類史上初めてのケース」と指摘し、特に老人医療費が伸びている現状などを紹介。その上で、以前は生産者人口を支え、高度成長を支えてきた臓器別専門医を中心に、病気を治すことが最優先とされていたのに対し、今後の高齢社会では病気と共存させ、QOLを保つことを目指した「全人医療」の医師が必要だとして、総合医の必要性を強調した。

 渡辺氏は最後に、「一つの治せる疾患を相手にすることも重要だが、複数の治らない疾患を有する高齢者と向き合えるコミュニケーション能力も必要」とした上で、「人類史上初の超高齢化社会の中で、全人医療を担う医師が社会を支える」と締めくくった。



 うーむ、難しい。

 渡辺氏の言っていることはご尤もなのですが、結局それってお金の問題なのでは。

 モチベーションの高い大学病院や大手総合病院の医師は、専門医でありながらも総合医であると思うんですよね。1つの疾患を治しつつも、慢性の病気も考慮してコントロールするという。

 いやそれはそうなんだけれども、この話は、いわゆる開業医がもっと全身をしっかり診れるようにならなければいけない、という話なのでしょう。そうなるためには、医師ひとりひとりのモチベーションの問題か。

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2008年11月25日

おむつの尿漏れを検知してパソコンに知らせるシステム開発

おむつの尿漏れ検知します 新布とシステム開発

 愛知県産業技術研究所の尾張繊維技術センター(一宮市)が地元繊維業界などと連携し、放尿を検知するセンサー機能を持つ布と小型無線装置などを組み合わせた通信システムを開発した。放尿があると、無線で近くのパソコンなどに知らせる。おむつを使う人の精神的なストレスを減らし、おむつ交換のタイミングや効率性を考えた。福祉分野での活用が期待されている。

 センサー機能を持つ布は、銀とアルミニウムの2種類の糸を一般の糸に織り込んだもので、おむつの吸水シートと外側のカバーシートの間に取り付ける。銀とアルミニウムの間には液体に浸すと電圧が生じる。この原理を利用し、放尿があると電圧から信号を発生させ、小型無線装置を経由して近くのパソコンに知らせることができる。放尿2回ほどで信号が発生するという。

 センサー機能を持つ布はこれまでも開発されているが、金属線や金属シートを利用していた。今回は糸状の金属を使っているため、通常の布地とほとんど変わらず柔らかくて通気性もあり、長時間着用しても違和感がないという

 同センター開発技術室によると、洗濯物を干している時に雨が降ってきたことを知らせるシステムにも応用が可能という。すでに福祉や繊維関係の企業などから引き合いがあり、実用化に向け共同研究する企業の参加を呼びかけている。

 問い合わせは、同センター技術開発室(0586・45・7871)。



 こりゃいいですね。

 尿漏れの不快感をそのままにしておくのも嫌ですし、言い出せないような人もいるでしょうから。高齢者の自己を尊重する形で介護が出来れば、よりスムーズに行えるでしょう。

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2008年11月22日

介護福祉士や社会福祉士を目指す学生に資金の貸付を行う

介護職を目指す学生に支援 介護福祉士・社会福祉士、40万円貸し付け

 介護人材の確保を目指し、厚生労働省は19日、介護福祉士や社会福祉士を養成する大学や専門学校で学ぶ学生に対し、入学時に20万円、卒業時に20万円の計40万円を無利子で貸し付ける財政支援策を実施する方針を決めた。

 介護職の国家資格である介護福祉士を養成する専門学校などの入学者が定員の半数を割るなど人材不足が深刻化しているのを受け、学費を援助することで入学者増を目指す。

 支援策の対象となるのは、2009年度から11年度までの入学者で、3年間で約300億円の事業費を見込んでいる。

 現在、介護福祉士などを養成する学校の学生に対しては、月3万6000円を上限に無利子で貸し付ける都道府県の「介護福祉士等修学資金貸付事業」があり、これを拡充する形で導入する。この毎月の貸付額についても、月5万円を上限に引き上げる。これらの融資については、卒業後5年間、貸し付けを受けた都道府県内の介護施設などで働いた場合、返済を全額免除する方針だ。



 うーむ。安いんだかオイシイんだか。

 介護職に就く若者を増やすためには、もっとこう、日本全体の介護に対する考え方を変えるしかないような気がします。具体的に言えば介護職についてもちゃんと収入が安定するようなシステムを構築するとか。

 やはり今から労働条件を良く整えないと、将来の介護領域が不安ですね。需要はかなりあるのでうまくやれば人気職になれると思うんですが。

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介護職であっても一部の医療行為を認める。

介護職に一部の医療行為認める…厚労省

 厚生労働省は20日、介護や高齢社会の将来像を示す「安心と希望の介護ビジョン」をまとめた。研修を受けた介護職に一部の医療行為を認めることや、高齢者の地域活動を支援することなどを盛り込んでいる。

 7月に発足した舛添厚生労働相直属の検討会が、2025年を視野に、介護や高齢社会のあるべき姿を議論してきたもの。今後、取り組むべき課題として、〈1〉高齢者の地域参加の推進〈2〉介護の質の向上〈3〉介護従事者にとっての安心と希望の実現――をビジョンとして打ち出した。

 このうち、介護の質の向上では、研修を受けた介護従事者が、施設で医師、看護師と連携しながら、経管栄養の処置やたんの吸引などができる仕組みが必要だとした。たたき台で示された「療養介護士(仮称)」の資格創設は、「唐突すぎる」などの意見があり、将来の検討課題とした。



 寝たきりの高齢者に必要な医療技術であっても、研修を受けた人なら行っても良いことになる、と。といってもちょっと訓練すれば誰でも出来ることだと思うので、こういう医療の提供は必要でしょうね。

 看護師や救急救命士でも医療技術を行えるような仕組みは今のところかなりうまく行ってると思います。問題が起こることはまぁないと考えても宜しいかと。むしろ介護の質の向上には不可欠ですからね。

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