[介護]の記事一覧

2009年07月25日

アルツハイマー病に、神経幹細胞の注射で効果があった。

神経幹細胞の注射でアルツハイマー病が改善

 米カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の研究チームが7月22日(米国時間)、神経幹細胞を移植することで、アルツハイマー病のマウスの認識力を回復させることに成功したと発表した

 人工的にアルツハイマー病の症状を作り出したマウスの脳に神経幹細胞を注射した。神経幹細胞は、新しいニューロンになったり、アルツハイマー病特有の「斑」(プラーク)や「神経繊維のもつれ」を減らすのではなく、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)と呼ばれるタンパク質を分泌し、既存の神経組織から新しい突起を伸長。ニューロン間の接続を強化し、増やすように働いていたという

 研究チームがBDNFを選択的に抑制すると、こうした効果は失われた。記憶と神経機能に対する神経幹細胞の効果にBDNFが重要な役割を果たしていることを示唆するとしている。

 また、直接BDNFを注射したマウスも改善はしたが、神経幹細胞を注射したときほどの効果はみられなかったという。BDNFは、神経疾患治療に応用可能なタンパク質として近年、注目を集めている。

 研究チームのFrank LaFerla氏(同校記憶・神経障害研究所ディレクター)は「神経幹細胞あるいは、それから作られたBDNFがアルツハイマーの治療に有益だと期待できる」とコメント。全米で530万人いるといわれる認知症患者の治療に役立つとしている。



 直接。イメージはできるんですけれど、実際に他に副作用が出ないかどうか、懸念されますね。

 もし特別副作用がないのでしたら、かなり有効な治療法として期待できそうです。

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2009年07月20日

年を取ると記憶力が悪くなる、と考えると本当に低下する。

「年とると記憶力が低下する」と考えると本当に低下

 高齢者の記憶力に関する調査結果が発表された。専門誌である「Experimental Aging Research」誌に報告された調査論文によると、「年をとると記憶力が悪くなる」と考えている高齢者ほど、記憶テストの成績が悪いというのだ

 ノースカロライナ州立大学心理学部のヘス博士らは、60-82歳の男女約100人に集まってもらい、記憶学習テストを行った。この際、被験者をランダムに2つのグループに分け、一方のグループには、「年をとると記憶力が悪くなる」という情報を与え、もう一つのグループには、「今回の記憶テストの成績に年齢は関係ない」という情報を与えた。

 テストの結果、驚くべきことに、全く同じテストを行ったにもかかわらず、「年をとると記憶力が悪くなる」という情報を聞いたグループのほうが、テストの成績が悪かったというのだ。このことから、「年をとると記憶力が悪くなる」と考えると、実際の記憶力も悪くなる可能性があるということが考えられる。

 さらに興味深いことに、このネガティブな影響は、高学歴な人ほど大きかったという。つまり、学歴が高い人のほうが、「年をとると記憶力が低下する」と考えることによって実際の記憶力も悪くなりやすいということだ。

 最後にヘス博士は、年をとると記憶力が悪くなるのは、人間に本来備わっている性質に加えて、社会的な影響によるものが大きいのではないかとしている。



 暗示みたいなものなんですかね。実際何かを記憶するときでも「これは絶対覚える!」と思ってからやったほうが、覚えは良い、気がします。

 年老いても諦めない姿勢が大事なのかも。

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ラパマイシンに長寿の作用があることを突き止める。

ラパマイシンに老化防止の効果あり?マウスが超長生き

 イースター島の土壌で発見された化合物をネズミに服用させたところ、寿命が飛躍的に延び、人間なら100歳以上に相当する長生きとなったとする研究結果が、8日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 1970年代にイースター島の土壌から発見された「ラパマイシン(同島のポリネシアン名「ラパ・ヌイ」に由来)」は、現在は臓器移植時の免疫抑制剤などに使用され、がん治療薬としての臨床試験も行われている。さらに、無脊椎動物における実験で、老化に関係する酵素を抑制することが示されており、不老長寿薬としての可能性も模索されている。

 今回、米テキサス大などの研究チームは、人間ならおよそ60歳に相当する生後1年8か月のマウスにラパマイシンを混ぜた餌を継続的に与えるという実験を行った。その結果、通常に比べてメスは平均で13%、オスは9%長生きした。

 研究チームは、ラパマイシンには老化やがんの発症を遅らせる効能があるとみられ、投与しても死亡要因にはならないだろうとしている。
 
 一方で、米ワシントン大学のバイオ科学者らは、ラパマイシンを服用すると免疫機能が抑制されて感染症にかかる危険があるとして、中高年の安易な服用に警告を発している。



 自然の恩恵。

 確かに免疫抑制効果があるのに、長寿のために常用するのはおかしな話ですからねぇ。

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2009年07月12日

二本足で直立姿勢を保てるのは体をわずかに揺らしているため

直立姿勢は微妙な揺れのおかげ 阪大など研究チームが解明

 人が2本足で安定した直立姿勢を保っていられるのは、体をわずかに揺らしながら適切なタイミングで重心を調整しているため−とする研究結果を、大阪大などのチームがまとめ、9日付の米科学誌に発表した。

 ロボットのような固い姿勢ではなく、頑張り過ぎずに関節を柔軟にするように、脳が控えめな運動指令を出しているらしい。チームは、立っている人の重心移動を精密に分析し、常に体が微妙に揺れているのを確認。重心がある程度ずれた時点で、足首のアキレスけんにつながる「ひ腹筋」という筋肉に脳が運動指令を送り、平衡を保っているのを突き止めた。

 阪大の野村泰伸教授は「健康な人の姿勢制御の仕組みが分かれば、運動障害のリハビリや神経疾患の診断に応用できそうだ」としている。



 ほう。ロボットの二足歩行も革新的でしたが、やはり人間のような流暢な二足歩行はなかなか出来ないようです。細かいバランスで神経と筋肉のネットワークを変化させてるからこそ成せる業なのでしょう。ただ立っているだけでも微妙な揺れで安定させているようです。
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2009年06月30日

脳卒中で手足が麻痺した男性がボトックス療法で歩けるようになる

脳卒中で手足が麻痺した豪男性、ボトックス注射で歩けるように

 20年以上前に脳卒中に見舞われ四肢が麻痺し歩けなくなっていたオーストラリア人男性が、しわ取り効果で知られるボトックス注射を受けたところ再び自分の足で歩けるようになった。

 この男性はラッセル・マカフィー(Russell McPhee)さん(49)。23年前に脳卒中になった際、2度と退院できないだろうと医師から言われ、車いす生活を強いられていた。

 ところがビクトリア州のセントジョン・オブ・ゴッド病院(St. John of God Hospital)の医療チームがボトックスを注射する治療を始めたところ、マカフィーさんは18か月後には杖をつきながら自力で100メートルほど移動できるようになり、自宅の周囲も歩き回れるようになったという

 ボトックスはボツリヌス菌毒素から抽出された成分で、しわ取りなどに効果があるとされ、ハリウッドのセレブリティーたちの間でも人気が高い。ボトックスの注入により筋肉に収縮させる信号を送っている神経伝達物質の放出が止まるため、顔に注射した場合はしわを作るのを防ぐ。

 ボトックスは、脳損傷や多発性硬化症、脊髄損傷、脳卒中などで手足が麻痺した患者の治療にも役立つとされている。

 同病院の理学療法士、バレンティナ・マリク(Valentina Maric)氏は、マカフィーさんが歩けなかったのは、脳が出す信号によって筋肉が絶えず痙攣していたためだと説明する。ボトックスによりこの痙攣を止めたところ、足の筋肉の収縮が23年ぶりに止まり、歩行に必要なその他の筋肉が強化されたという
 
 一般的に、ボトックス注射の治療効果が現れるのは発症のすぐ後に処方された場合だが、発症から長年経った人にこれほど高い効果が得られたケースは今回が初めてだという。

 マカフィーさんがめざましい回復を遂げたのは、筋肉の強さと強い意思が決めてとなったと、担当医の1人、ネイサン・ジョンズ(Nathan Johns)氏は強調する。通常、筋肉は長い間使わないでいると劣化してしまうが、マカフィーさんは脳卒中で倒れる前、サッカー、クリケット、バスケットボール、テニスなど、あらゆるスポーツを愛するスポーツマンだった。そのため筋肉が衰えておらず、治療を受けると急速に回復したという。
 
 精神的に何度も追い込まれたマカフィーさんを励ましリハビリを受けるよう説得したのは、2年半前に再会した幼なじみの女性、ケリー(Kerry)さんだった。  

 マカフィーさんは激しい痛みと戦い続け、ようやく歩けるようになったのだと話す。「ボトックス注射を受けて、ベッドで寝ていて、ある朝突然歩けるようになったというわけではありません。懸命に努力しました」。ケリーさんの励ましと病院の医療チームの協力があれば、現在月3回受けているボトックス注射がなくても手足が動くようになる日が訪れると、マカフィーさんは信じている。

 現在は病気に冒されなかった筋肉を鍛えていると言う。長年動かない筋肉の働きを補うためだ。「それが今の目標だ」とマカフィーさんは話す。さらにケリーさんとの結婚も計画しているという。



 へえー。不思議。脳卒中で上位運動ニューロンが障害されていた状態では痙攣しているために、筋肉にボトックス療法を行って麻痺をとると歩けるようになるのか。

 よほどの努力がないとできなそうですね。愛の力か。愛の力は偉大だなぁ。チーム医療に幼馴染の女性を入れた点も大きいかと。

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2009年06月16日

何故サルなどの霊長類ではアルツハイマー病は存在しないのか?

サルがアルツハイマー病にならない理由

 ヒトはアルツハイマー病になるが、進化的にヒトに最も近いチンパンジーや他の霊長類はアルツハイマー病にならないという奇妙な現象が以前から知られている。さらに不可解なのは、チンパンジーをはじめとするヒト以外の霊長類の脳にも、ヒトのアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイド蛋白が蓄積したアミロイド斑(プラーク)がみられることである。この謎を解く1つの手がかりが得られたとの報告が、医学誌「Neurobiology of Aging(加齢神経生物学)」最新号に掲載された。

 研究グループは、プラークの蓄積を追跡する「標識」分子がヒトの脳のプラークには容易に付着するが、類人猿やサルの脳のプラークには付着しにくいことを明らかにした。このことから、それぞれのプラークには基本的な構造の違いがあることが示される。この違いを明らかにできれば、他の霊長類と同じようにヒトの脳でもプラークを無害にする方法につながる可能性があるという。

 研究著者である米エモリーEmory大学(アトランタ)ヤーキスYerkes国立霊長類研究センタのRebecca Rosen氏は「ヒトとそれ以外の霊長類とでなぜプラークの構造が異なるのかは大きな疑問であるが、その構造を識別する有用なツールである標識分子PIB(ピッツバーグ化合物B)を用いれば、ヒトの脳プラークの毒性をさらに詳しく理解することができるはずだ」と述べている。しかし別の専門家は、治療や予防の点で意義のあるものかどうかはわからないと指摘している。

 ヒトのアミロイド蛋白のアミノ酸配列がサルの脳のものとは異なることから、その構造が異なるのではないかとの仮説が立てられていた。Rosen氏らは今回、この仮説を検証するため、アルツハイマー病の診断に広く利用されるPIBを用いた。死亡したアカゲザル9例、リスザル6例、チンパンジー3例および末期アルツハイマー病のヒト9例、高齢だが健康なヒト3例から採取した脳組織にPIBを用いたところ、PIBがサルや類人猿の脳のプラークに対して強い付着性をもたないことが示されたという。これはマウスの脳と同様の結果だという

 このほか、同センターの別の研究グループによる最近の報告では、赤外線による視標追跡検査がヒトの軽度認知障害を検知するのに有用であることが明らかにされた。軽度認知障害は、時にアルツハイマー病の前駆症状となる。



 へぇー。不思議ですね。ヒト特有の病気なんでしょうか。プラークが出来るところまでは同じなのに、それが病原性を発揮するかどうかは別ということでしょうかね。

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医学処:園芸療法がアルツハイマー型認知症に有効。
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2009年06月14日

園芸療法がアルツハイマー型認知症に有効。

園芸療法、認知症に有効/学会発表へ

 植物とふれあう作業を高齢者や障害者のリハビリに生かす「園芸療法」の研究を続ける県立淡路景観園芸学校(淡路市)准教授の豊田正博さん(47)が、アルツハイマー型認知症患者の脳の働きを活性化させるのに園芸作業が有効であることを確認。20日に横浜市で開かれる日本老年精神医学会で、研究成果を発表する。

 これまでも植物を育てることが患者の気持ちを安らげ、自信回復にもつながると考えられてきた。今回、豊田さんは県内の病院などの協力を得て、注意や判断力など認知機能をつかさどる脳の前頭連合野に園芸作業がどんな刺激を与えるかを、血流測定装置を使って調査した

 認知症患者25人、健常者20人の脳の血流を調べたところ、認知症患者は健常者と同様、(1)手を使って土を混ぜる(2)土を鉢に入れる(3)鉢に花を植える――のすべての行為で血流が上がった。特に、(1)の行為で脳が活発に活動することが分かった。豊田さんは「土を混ぜる作業は視覚と触覚を同時に働かすので大きな刺激になる」とみる。

 一方、花の位置を決めたり、適度な土を盛ったりと、より複雑な判断力が求められる(3)の行為では、(1)ほどの脳の血流が認められなかった。認知症の人が込み入った作業をする際には、過去の作業記憶を呼び起こすなど情報処理に時間がかかるため、比較的緩やかな血流になるのではないか、と分析する。

 また、道具などを持たずにただ、手を動かすだけでは血流反応はほとんどなかった。これらの結果から豊田さんは「脳の働きが活性化するには、園芸作業のように行動自体に意味を持たせ、反復作業をすることが重要。園芸療法を指導する側も、作業の難易に合わせて時間や内容を工夫する必要がある」と話す。



 なるほど。ただ園芸という手を使った作業を行うことが効果がある、というわけではなさそうですね。

 そう単純なことではなく、色々と医学的な点が考慮された上での「園芸療法」です。

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2009年06月03日

我らが日本、長寿世界一をキープする。

日本、長寿世界一を維持 WHOの世界保健統計

 世界保健機関(WHO)は21日、2009年版の「世界保健統計」を発表、07年の平均寿命が世界で1番長いのは日本の83歳で、前年までに続いて首位の座を維持した。

 男女別では、日本の女性の平均寿命が86歳で世界一。男性ではイタリア中部にある内陸国サンマリノの81歳が世界一で、日本はスウェーデンなどとともに、80歳のアイスランドに続き3位の79歳だった。

 世界全体の平均寿命は71歳で、最も平均寿命が短かったのは西アフリカ・シエラレオネの41歳。長寿国としてはスイスやイタリア、オーストラリアなどが82歳とされ、日本に続いた。

 同統計によると、世界全体で05年の妊産婦の死亡率は10万人当たり約400人で、年間約53万6000人が妊娠や出産に絡んで死亡。国連のミレニアム開発目標では、妊産婦の死亡率を15年までに1990年の水準の4分の1まで削減するとしているが、90年からあまり改善が見られなかった。



 女性の、平均寿命が86歳というのも、まードエライ数字ですね。

 誰にでも最高の医療を提供し続けた結果の最高寿命。誇っても良いと思います。今後どうなっていくか、ですね。公共事業費を減らして医療費に回せば、より寿命は延びると思いますけれど、医療費削減の方向で進んでいくならば世界一は維持できないでしょう。

 日本が世界に誇れるもの
 ・イチロー
 ・医療
 ・職人
 ・礼儀

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2009年05月12日

夜間に2回以上トイレに起きる高齢者は死亡率が高い

夜間頻尿が高齢者の死亡率の高さに関連−北日本都市部での研究

 夜間に2回以上トイレに起きる高齢者は死亡率が高いことが日本の研究で示され、米シカゴで開催された米国泌尿器科学会(AUA)年次集会で発表された。夜間の排尿そのものではなく、睡眠の中断などの因子が死亡に関与している可能性もあるが、いずれにせよ「夜間頻尿とその原因について評価、治療することの必要性が改めて示された」と、米イースタンバージニア医科大学(バージニア州)助教授のRobert Vorona博士は述べている。

 高齢になると、睡眠中の尿意がよくみられるようになる。報告を行った東北大学病院(医科診療部門)泌尿器科の中川晴夫博士らによると、この症状には心疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸、腎疾患、下部尿路障害および睡眠障害など、さまざまな健康問題が絡んでいる可能性があるという。

 今回の研究では、北日本の都市部に住む70歳以上の788人(女性429人、男性359人)を対象に2003年に面接を実施し、その後3年間の被験者の医療記録を調べた。その結果、夜間に平均2回以上排尿のある人は、1回以下の人に比べて3年間の死亡率が2.7倍であることが判明。この数値は、糖尿病、高血圧およびアルコール摂取などのいくつかの因子の影響を考慮して統計学的に調整した後のもの。

 「夜間頻尿は加齢だけの問題とは限らない。重篤な疾患が関与していることもあるので、患者はその原因を医師と話し合うべきだ」と、AUAのAnthony Y.Smith博士は述べている。しかし、夜間頻尿と死亡率の高さとの正確な関係は明らかにされていない。2006年に実施されたある研究では、心疾患と夜間頻尿のある人は心疾患だけの人よりも死亡率が高いことが示されているという。別の研究では、夜間頻尿と転倒、股関節骨折との関連が示されている。「夜間頻尿のある患者はよく眠ることができず、日中の注意力が低下するため、事故のリスクも高い」と同氏は説明している。



 普通ですと夜間は排尿に行かずとも寝ていられる人が多いと思うんですけれど、高齢者となると色々な問題が原因で、夜間頻尿となってしまうこともあります。

 やはり熟睡できないと日中に弊害が起こることもありますが、それ以上に何かの疾患によって夜間頻尿になっているのだとしたら、死亡率はそれだけで上昇してしまいます。

 気になる方はお近くの泌尿器科へ。

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posted by さじ at 07:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

コラーゲンから人工靭帯を開発することに成功する

コラーゲンから人工靱帯開発

 交通事故や激しい運動の際のショックなどで、傷ついたり切れたりした靱帯を再生するコラーゲン組織の開発に、立命館大理工学部(草津市)の山本憲隆教授(生体工学)が取り組んでいる。ラットやマウスの腱から取り出したコラーゲンから、実際の人の靱帯に近い人工靱帯を作り出す方法を模索しており、10年以内の実用化を目指している。

 山本教授によると、人の靱帯は60%が水分で、残りの大半はコラーゲンでできている。関節の周囲にある側副靱帯は縫い合わせれば自然に再生するが、関節の内側で骨をつなぐ十字靱帯は、いったん切れると縫い合わせても再生しない。このため、人工靱帯を移植して治療するのが一般的だ

 従来の人工靱帯は、傷ついていない他の部分の靱帯を切り取り、フッ素樹脂などの繊維やポリエステルと合わせてつくる。しかし、繊維やポリエステルは骨とこすれて摩耗し強度が徐々に落ちていくという。

 こうした弊害を解消しようと、山本教授は繊維などを使わずに、動物から抽出したコラーゲンを使って靱帯を作ることを考案した

 動物から抽出したコラーゲンを、ゼリー状に固める技術は既に確立されている。ただ、人の十字靱帯は200キロ前後の張力に耐える強度が必要で、そうした強いコラーゲンを人工的に作り出す技術はこれまで開発されていなかった。

 人の靱帯は、直径1.5ナノメートル(1ナノ=100万分の1ミリ)の細かいコラーゲンの分子が規則的に絡み合い、直径2〜3センチの靱帯になる。山本教授の研究では、動物のコラーゲンを溶かし適切な酸度と温度を加えることで、高い強度を実現。分子がつくった直径1マイクロメートル(1千分の1ミリ)の「線維」と呼ばれる段階まで、人の靱帯と同程度の強度を保てるようになった。

 ただ、線維がどのような配列で直径2〜3センチの靱帯を構成しているかまでは、現時点では解明されていない。山本教授は「線維の配列のメカニズムを正確に調べ、その通りに再生できるかどうかが、今後の課題」という。

 これまでの研究成果は、今年9月に盛岡市である日本機械学会で発表される予定。山本教授は「残された課題を少しずつクリアして、人体に負荷がかからない再生技術につながる理論を導きたい」と話している。



 交通事故による損傷だけでなく、激しい足の動きをするスポーツ選手、特にバスケット選手などに有用だと思われます。バスケット選手と靭帯損傷とは切っても切り離せないぐらいの関係にありますし。

 タイムリーなことに、先週の週刊少年チャンピオンで新連載された「ブラックジャック」では、バスケット選手に靭帯を移植する手法が取られていました。

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2009年04月30日

原因不明の難病「特発性大腿骨頭壊死」をラットで再現する

大腿骨頭壊死のモデル確立 ラットで再現、札幌医大

 股関節からひざにかけて激しい痛みを伴う原因不明の難病「特発性大腿骨頭壊死症」の疾患状態をラットで再現することに、札幌医大の松本博志教授(法医学)らのグループが成功、24日までに英国の学会誌に発表した。メカニズムの解明や新たな治療法開発につながると期待される。

 大腿骨頭壊死症は、血流障害で足の付け根にある大腿骨頭部の細胞が死んで関節面が変形。激痛に襲われたり股関節の動きが制限され、歩行などが困難になる。外傷ややけどなどの治療でステロイドを投与された患者が多く発病するという。

 グループは、ラットにステロイド系の薬剤とリポ多糖類の物質を定期的に投与。一定期間が経過した後に血液や大腿骨、肝臓の組織を採取し、骨壊死の程度や総コレステロール値などを測定したところ、人間の病態と類似した大腿骨頭壊死のモデルが確認できた。



 モデルが出来たということは、原因が不明、治療法もままならない「難病」の疾患の、根本を探ることができるということです。
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カフェインがアルツハイマーを予防する。

コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

 コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、アルツハイマー病の予防効果があるとする研究結果を、森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが動物実験からまとめた。

 米国で近く患者らにカフェインを投与する臨床試験に入る。米専門誌に論文が掲載される。

 物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳にたんぱく質のアミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積して、神経細胞が死んでしまう。研究チームは、生まれつきAβが蓄積しやすいマウスに、1日あたり約1・5ミリ・グラムのカフェインを水に溶かして4〜5週間与えた。人間がコーヒーを毎日5杯ずつ飲むのに相当する。

 その結果、カフェインを与えないマウスに比べ、記憶力の低下が改善した。記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4〜5割減少した。カフェインがAβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めた。

 森准教授は「カフェイン入り飲料は広く飲まれており、病気の予防や進行抑制の効果を注目していきたい」と話している。



 自然物で、ここまで人類と共に歩んできた物質はなかろうというぐらいカフェインは広く我々の生活に密着しています。

 飲みすぎてもカフェイン中毒になりはしますけれど、まあ適量飲むのは健康に良いとされています。アルツハイマー病を抑制できるとなると非常にうれしい効果ですね。
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2009年04月26日

高齢者がアスピリンを服用すると脳内に微小出血が生じる

高齢者のアスピリン服用、脳内に「微小出血」生じる可能性も

 高齢者がアスピリンなどの抗凝血薬を服用すると、脳内に微小な出血を引き起こす可能性があるという研究結果が13日、米医学誌アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)に発表された。

 研究を行ったのは、オランダのエラスムスMC大学医学センター(Erasmus MC University Medical Center)。高齢の患者1062人(平均年齢70歳)を対象にMRI検査を行い、アスピリンやカルバサラートカルシウムといった抗抗凝血薬の服用者と非服用者を比較した。

 するとまず、凝血薬服用者のほうが、脳内でほとんど分からないほどの微小出血による発作を起こしている傾向が高かった。また、アスピリンを多用する人では、脳内の微小出血と服用との関連性が特に顕著なことも明らかになった

 アスピリンは、高齢者の心臓病の治療または予防のためによく使用される。一方、脳内の微小出血は、高齢者に多い小血管性疾患の兆候でもあり、脳内の血管壁が弱くなったときに起こる。

 研究チームは、脳内に微小出血があって抗凝血薬も服用している場合に、さらに危険な脳内出血のリスクが高まるかどうかについては、さらなる調査の必要があるとしている。

 抗凝血薬による心臓病や脳卒中の治療・予防効果は、同薬による脳内出血のリスクをはるかに上回るものだが、研究チームでは、患者によっては「薬によってリスク対効果比は異なることがあり、そのため治療方法を変えざるをえない場合もある」と指摘している。



 日本だとどうなんでしょう、まぁ諸外国に比べればそんなにアスピリンを使っているという感じはしませんけど。

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2009年04月20日

アルツハイマー治療薬アリセプトで海馬の神経細胞を再生する。

アルツハイマーの治療薬、「海馬」神経細胞を再生

 認知症の一種、アルツハイマー病の代表的な治療薬「アリセプト」が、認知機能をつかさどる脳の「海馬」の神経細胞を再生させることを、名古屋市立大のグループがマウスを使った実験で突き止めた。認知機能の低下を防ぐメカニズムを持つことが分かったことで、発症予防や新薬の開発につながる可能性がある。

 同大大学院医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明准教授らのグループで、研究成果は米薬理学会誌(電子版)に掲載された。

 正常なマウスに4週間、アリセプトを餌に混ぜて与え、海馬を調べると、細胞増殖を促進するタンパク質「IGF−1」が増え、海馬の神経細胞も約1・7倍に増加。さらに胃や腸の知覚神経を培養し、アリセプトを加えたところ伝達物質が放出された。このことから、アリセプトが消化管の知覚神経に作用して信号が脳に伝わり「IGF−1」が作られたことが分かった

 他のアルツハイマー病治療薬ではこのような効果がなかった。

 アリセプトは、アルツハイマー病の進行を抑制する効果があるとされる。脳の信号の伝達に必要な神経刺激物質「アセチルコリン」を分解する酵素を阻害することで、アセチルコリンが刺激する神経の数が増えると説明されてきた。

 岡嶋教授らは以前、マウスの実験で、トウガラシなどに含まれる「カプサイシン」による消化管の知覚神経への刺激が海馬に伝わり、神経細胞の再生を起こすことを解明した。

 ■アルツハイマー病治療に詳しい浴風会病院(東京都)須貝佑一・精神科診療部長の話…海馬の神経細胞を再生するという研究結果は新しい知見で評価できる。ただ人にも当てはまるかどうかは、さらに研究が必要だ。また、アリセプトは既に軽度の認知症患者にも投薬されているが、効果が出たり出なかったりしている。予防薬としての利用は今後も検討が必要だ。



 脳と消化管というのは、離れていても密接に関与しているものです。例えば脳に外傷などのストレスがかかると、消化管に潰瘍が出来たりします(Cushing潰瘍といいます)

 アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼという酵素を抑制することで、アセチルコリンの脳内濃度を高めるのがアリセプトの効能なのですが、消化管の知覚神経を経由して神経細胞を再生する働きもあるという点は大いに期待できますね。

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2009年04月17日

インドネシア人看護師の受け入れ人数は予定に2割程度。

インドネシア人看護師・介護士、受け入れ人数が予定の2割

 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、日本の病院や施設が希望している今年度のインドネシア人看護師・介護士の受け入れ人数が、受け入れ予定(計約800人)の約5分の1にとどまっていることが分かった。

 日本語教育にコストがかかることなどが敬遠の理由と見られる。あっせん機関の国際厚生事業団は、今月3日までだった募集期間を延期し、病院や施設に個別に打診するなど、受け入れ先の確保に躍起になっている。

 インドネシア人看護師・介護士は2年で計1000人を上限に受け入れることになっている。第1弾の昨夏の来日は準備不足もあって計約200人にとどまったため、2年目の今年度は看護師約300人、介護士約500人を受け入れる予定。インドネシア側の希望者は数千人に上り、同国政府の書類審査を通過した約960人が今月下旬、ジャカルタ市内などで合同説明会に臨むことになっていた。

 しかし、日本側の受け入れ希望は今月1日現在、看護師が29病院・65人、介護士が45施設・104人の計169人。このため、同事業団では募集締め切りを今月3日から同20日に、合同説明会も来月に延期した。

 受け入れ希望が少ない背景には、EPAで来日する外国人看護師は3年、介護士は4年以内に日本語で国家試験に合格しなければ帰国を余儀なくされるという高いハードルがある。日本人と同等の給与を保証する一方で、日本語教育や試験勉強の時間を確保する必要があり、「コストに見合うだけの受け入れメリットがない」との声がある。

 東京都内の特別養護老人ホームの施設長は「日本語も仕事も専門の指導担当が必要で、人手不足の中では余裕がない」と昨年度に続いて受け入れを見送った理由を語る。一方、昨年度、インドネシア人看護師2人を受け入れ、今年度も希望している永生病院(東京)の宮沢美代子相談役は「今は病院の負担ばかり大きいが、介護、看護専門学校への入学者が減る中、長い目で見て優秀な人材を確保する必要があり、そのための先行投資だ」と話す。

 厚生労働省は、受け入れ負担が大きいとの指摘について「人材育成という制度の趣旨をまじめに考えて頂いた結果」(担当者)とするが、日本側の事情で「2年で上限1000人」の枠を大きく下回る事態は避けたいのも事実。「出来る限り受け入れ枠に近づけたい」(経済連携協定受入対策室)と、同事業団と協力して病院や施設に働きかけている。

 5月には、フィリピンからも来日する予定だが、看護師200人、介護士250人の受け入れ予定に対し、日本側の受け入れ希望はそれぞれ145人と301人。こちらも看護師では、受け入れ病院が不足している。



 すぐ辞めてしまうような日本の看護師より、高い倍率を勝ち抜いて、しかも日本で看護をやりたいという強い志をもった優秀な人材のほうが多少お金がかかっても雇いたいと思うのですが、そう思う病院は少ないんですかね。

 確かに安直に考えれば、育てる費用が高いというのはありますが。日本語専門の学校をむしろインドネシアで予備校みたいにやればいいんじゃないでしょうか。インドネシア政府のお金で。確かに人手もお金も足りない病院が日本語までも教えるというのは厳しいのが現状か。

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2009年04月02日

「ハートフルホスピタル」セカンドシングル「永い2人だから」

医師バンドが病院ライブ 思い託し作曲、CD発売へ

 医師や医療機器メーカー社員ら5人でつくるバンド「ハートフルホスピタル」が、名古屋市を中心に病院や老人ホームでライブ演奏を続け、人気を得ている。生死が隣り合わせの医療現場。そこで感じた人のきずなの大切さを歌に託す。夏にはCDアルバムを発売する予定だ。

 「こんなにもこんなにも君が愛しくて」「2人重ねた時の流れは想いあふれ出す」。3月上旬、名古屋市の病院ロビー。ボーカル大咲舞さん(23)の力強い歌声が響く。闘病生活を送る老夫婦を歌ったセカンドシングル「永い2人だから」。演奏が終わると、車いすの高齢の女性がそっと目頭を押さえた。

 バンド結成は2007年1月。名城病院(名古屋市)の内科医赤沢貴洋さん(34)が、担当していた患者の娘で歌手の大咲さんと出会ったのがきっかけだった。以前から趣味でギター演奏をしていた赤沢さんが曲を作り、月数回、病院などでライブ演奏する。



 お!久々のハートフルホスピタルニュース。セカンドシングル発売されたみたいですね。

 「永い2人だから」、切ないです。YoutubeにPVがありましたが…画像も歌詞も、自然に引き込まれ切なくなります。闘病生活を見事に歌いきったなぁという感じです。これは自分、もしくは配偶者が入院していたら泣いてしまいそう。





 CDも発売中で、収益は骨髄バンク等に全部寄付されるそうです。

 ライブなども精力的に行っているそうです。ハートフルホスピタルのオフィシャルサイトはこちらをご覧下さい。

 Heartfull Hospital

 医学処は、ハートフルホスピタルを応援しています。

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2009年03月29日

看護師のたまごたちが医療用ウィッグに髪を提供する

看護師のたまご“断髪式”医療用ウイッグにと髪を提供

 がん患者の医療用ウイッグ(かつら)として役立ててもらおうと、髪を伸ばしてきた看護師のたまごたちが25日、東京・渋谷区の美容院で“断髪式”に臨んだ。

 がん患者の生活を支援するNPO法人「キャンサーリボンズ」などが企画したもので、看護大学や看護専門学校の学生ら55人が参加。この日は、うち20人が美容院に集まり、昨年11月から伸ばしてきた髪を15〜40センチ分提供した

 友人が白血病で闘病中という聖路加看護大2年の黒臼夏妃さん(20)は、「ウイッグを使うことで患者さんに前向きな気持ちになってもらえれば」と話していた。



 看護師のたまごたちの社会奉仕。素晴らしいですね。

 こういう試みが思いつく人も凄いですけれど、実践にうつすというのも献身的な心がないとなかなかできることではありません。

 良き看護師になってください!

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2009年03月27日

人間の知能は平均すると22歳でピークを迎える。

科学者らによると、老齢は知能が衰え出す27歳から始まるとのことである。

 研究者らは、人々の知能が22歳、衰え始める5年前にピークに達することを突き止めた。

 Timothy Salthouse教授によると、この結果は、老化の抑制や若返りを目的としたセラピーをもっと早く-年金を受給するよりも前に始める必要があるということを示唆しているようだ。「本研究は、老化に伴う認知能力の減衰の一部が、健康で教育を受けてきた人々が20代、30代の時点で始まってしまうという結論に集約されます。」

 2000人の男女を集めたこの研究は、7年間続けられた。18-60歳の被験者は、視覚パズルを解いたり、単語や物語の詳細を思い出したり、文字や記号のパターンを見付けたりするように指示された。これらの課題は、精神障害や認知症などの精神症状の診断によく使われるテストに似ている。

 このヴァージニア大の研究によって、12種類の課題のうち9種類で、最高のパフォーマンスを示すのが平均で22歳の時だということが分かった。

 パフォーマンスが最高時より有意に低下する最も初期の年齢は27歳だった。これは推理、思考速度、空間的視覚化という3種類の課題についての結果で、記憶力は37歳から低下が見られた。他の課題でも、42歳までに低下が見られるようになった。

 一方、Neurobiology Of Ageing誌に掲載された論文によると、蓄積された知識をベースにした能力、例えば語彙や一般常識の成績は、60歳まで上昇するとのことである

 余談だが、「27」という数字には、昔から否定的な意味合いがある。Jimi Hendrix、Jim Morrison、Brian Jones、Janis Joplin、Kurt Cobainといった多くの人気ミュージシャンが死んだ年齢だからだ。



 なんだかショボーンとする結果の研究です。

 一般常識や語彙などは上昇するかもしれませんけれど、知能の低下という面ではずいぶんと速い段階から起こるものですね。

 かくいう私も物の覚えが悪いとかそういう症状は既に出現しているわけですが…。これらを改善する研究は大成しないものですかねえ。

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posted by さじ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2009年03月22日

50歳から運動を始めても、死亡率は改善する。

50歳からの運動でも死亡率改善=スウェーデン研究

 50歳まで定期的な運動をしてこなかった人が、それ以降に運動を始めても健康に効果があることが、スウェーデンの研究で明らかになった。しかし、実際に効果が出るまでに10年かかるとみられるという。

 この研究は、スウェーデンの男性2205人を対象に、50歳の時点から20年以上追跡調査をしたもの。

 ウプサラ大学の研究員リーサ・ビューベル氏は、「若い人たちが運動をする効果はこれまでの研究でもわかっていたが、年配者にも運動増加の効果があるという結果が出たのは今回が初めて。いつ運動を始めても、遅すぎることはない」と電話インタビューで話した。

 被験者らは50歳までの運動量によって3つのグループに分けられた。50歳以降の初めの5年間については、あまり運動をしてこなかったグループの死亡率が最も高く、よく運動をしてきたグループの死亡率が最も低かった。しかし10年が経過すると、50歳から運動を始めたグループの死亡率は最も運動をしてきたグループの死亡率と変わらなくなったという



 運動運動か。見た目の問題とかではなく、運動しましょう。年を取ると運動するのも億劫になってきてしまいますけれど、そこをあえて週何回か運動することで調子のよい体が出来てくると思います。
posted by さじ at 18:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2009年03月15日

九州大学、アルツハイマー病の早期発見の人間ドッグを創設

アルツハイマー病早期発見の人間ドック、九大病院が開設へ

 九州大病院先進予防医療センター(福岡市東区)は、アルツハイマー病の早期発見を目的とした人間ドック「アルツハイマードック」を設置、16日から受診者の受け付けを開始する。

 同センターなどによると、アルツハイマー病は物忘れなどの症状が出る数十年前に進行が始まるとされている。記憶をつかさどる海馬が萎縮する特徴があり、ドックでは記憶力の検査とともに、磁気共鳴画像(MRI)で脳の萎縮を確かめるという。

 アルツハイマー病の患者は国内に推定約170万人。病の進行を遅らせる薬の開発が進み、早期発見の重要性が高まっている。自覚症状のある患者を対象にした検診は「もの忘れ外来」として普及しているが、自覚症状のない人まで対象にした人間ドックは全国的に珍しいという。



 やるねー九州大学。

 これは需要ありまくりでしょう。自分の認知力が衰える病気ということで怖いという気持ちもありますからね。

 アルツハイマーも早期発見することによって、できるだけ進行を遅らせることができれば、怖い病気ではなくなるかもしれません。

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posted by さじ at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護