人間の皮膚の上で、10センチほど離れた2点を連続的に刺激すると、2点間を小さなウサギが跳ねていくような錯覚が生じる「皮膚兎」と呼ばれる現象が、手にした道具上でも起こることを、高知工科大と東京大の研究チームが発見した。この仕組みを解明すれば、体になじみやすい義手など福祉装具の開発やロボットの遠隔操作技術の発展に貢献できると期待される。
宮崎真・高知工科大准教授(神経科学)らは、男女8人(18〜23歳)に協力を依頼。人さし指の上に、幅5ミリ、長さ10センチのアルミ製の板(重さ約13グラム)を置いた。刺激装置を使って、皮膚兎を起こすのと同じような刺激を、板の上から左の人さし指に0・8秒間隔で2回、その直後に右の人さし指に1回の計3回の刺激を与えた。
その結果、全員が2回目、3回目の刺激を両指の間(約8センチ)の板上に受けたように錯覚した。平均すると、2回目は刺激を実際に受けた位置から約3センチ進んだ位置、3回目は、さらに約3・5センチ進んだ位置に感じ、全体として板上を何かが駆け抜けたようにとらえていた。人さし指それぞれに正方形の板を置いて同様の刺激をした場合は、錯覚は起きなかった。
皮膚兎が起きるときの脳内の神経活動はすでに解明され、身体だけの現象と考えられていた。宮崎准教授は「ヒトの脳は道具を体の延長のように認識するという従来の学説の直接的な証拠となる。今後は、道具上の皮膚兎では、脳内のどこでどのような神経活動が起こっているかを解明したい」と話している。3日付の北米神経科学学会誌で発表した。
へー。面白いですねこれ。
確かにこれを使えば義肢などにも有用かもしれません。
全然関係ないんですけど、手のひらの、中指と薬指の付け根のちょっと下側の皮膚を逆の手の爪で軽く触ってると、なんかジンジンきません?この異常なまでの刺激は一体何なのか、これを何かの診断に使えないのか、と、昔からの疑問なんですが。笑