[感染]の記事一覧

2010年03月03日

結核治療中の俳優が病院を脱走し池袋のラーメン屋に

結核治療中の俳優「有名ラーメン店に行った」大騒動に

 アクションドラマなどに出演歴のある俳優(30)が先月27日午後、結核治療で入院している都内の病院を無断で抜けだして東京・池袋の有名ラーメン店に行った、と自身のブログに告白して大騒動になっている。

 問題のブログでは、俳優が私鉄を使って池袋を訪れ、「ラーメン やっと食えた… うまいよ〜」などと店の写真付きで書き込んでいた。

 「完全隔離となり病院の売店にも行けない」とも明かしていたが、ネット上で騒ぎが広がったためか1日未明、池袋を訪れたとする部分を突然削除。「実際にお店には行ってはいません」と訂正を掲載した。

 実際に店を訪れたのか、それとも悪ふざけで書き込んだのかは不明だが、当のラーメン店は1日昼の営業を自粛。担当の保健所と連絡を取り合うなど、対応に追われている

 保健所では事実関係について、「個人情報のため言えない」としている。

 ラーメン店はテレビや雑誌の特集にも頻繁に登場し、行列ができる人気店として知られている。

 俳優がブログで紹介している所属先は、「昨年10月ごろに契約が終わった。それ以降全く連絡が取れない。この件ではこちらも迷惑している」と話すばかりだが、ラーメン店が一番の被害者だろう。



 1日にこの事実を発見したんですが、店側の対応が極めて迅速でしたね…。

364 :可愛い奥様:2010/03/01(月) 18:14:25 ID:psDJXPSVP
池袋西口の光麺見てきた。
ホントに閉まってた。


   お客様へお知らせ

本日、店内定期衛生検査の為
営業を18時前後より再開させて頂きます。
ご理解の程宜しくお願い致します
またのご来店を心よりお待ちしております。

       光麺池袋西口店 店主



 一番の被害者ですね。。しかしこの対応の早さは素晴らしい。

 病院にずっと入院していて、食事等で不満があるのは分かりますが、結核菌を排菌している段階で、電車に乗ってラーメン屋に行くなどというのは言語道断です。

 もしかすると同じ電車にいた人やラーメン屋にいた人が結核に感染したかもしれません。しかも低い可能性ではなく…。


 本人のブログによると

 先日、私の掲載したブログのあまりにも身勝手で軽率な行為に関係者様、ブログをご覧の皆様に不快な思いをさせてしまい真に申し訳ございませんでした。

 自分のブログを読んでいる人などほとんどいないだろうと考えており深く考えずに書き込んでしまいました。

 自身に対する認識の甘さ、モラルの欠如に後悔しております。

 そして訂正させていただきたいのは、私は実際にお店には行ってはいません

 つまらない自尊心により偽りを書き込みをしました。

 外観の写真を載せていかにも食事をしたようなコメントを載せました。



 しかし本人がブログで、写真入りでアップしているわけでして(WEB魚拓参照)、実際にお店に行っていないという言い訳は通じないといいますか、電車に乗ったり人ごみにまぎれている時点で、そんな嘘をつく必要があるのかと…。

 結核は昔の病気ではありません。未だに感染力の強い病気ですし、結核を軽視するあまり、薬剤耐性の結核菌が出現してきたりしています。怖い病気だという認識をもって、しっかりと最後まで治療する必要があります。

 何よりも、他者に感染させる危険性の高い病気という認識をもって、「自分以外にうつさない」ことを心掛けなければなりません。それが最低限のモラルです。


posted by さじ at 06:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月27日

宿主を性転換させ爆発的に繁殖するボルバキアについて

宿主を性転換させる寄生バクテリア

 急速にその数を増やしている寄生バクテリアがいる。このバクテリアは、宿主を性転換させて単為生殖化を引き起こすだけでなく、宿主を“気味の悪い怪物”に変身させてしまう。このような大惨事ともいえる生殖異常を引き起こす仕組みが最新の研究で解明された。その方法とは、免疫系を停止させることだという

 キョウソヤドリコバチをはじめとする寄生ハチ3種のゲノムを初めて解読した研究者チームによると、バクテリアの一種であるボルバキアはハチの遺伝子を操作し、バクテリアの侵入に対して警報を発するタンパク質を抑え込んでしまうという。その結果、バクテリアに対する防御機構が機能せず、ボルバキアは悪事を働くことができる

 この仕組みは、ボルバキアが宿主とするダニやクモ、線虫などの昆虫への感染でも使われている可能性がある。これらの生物すべてにおいて、宿主の生殖システムが改造される現象が起きているのだ。その結果は実に奇妙で、明らかにオスを不要とする生殖戦略が取られている。

 ボルバキアに感染したオスは、生殖能力のあるメスに性転換するか命を奪われる。メスの場合はオスを必要とせず、単独で子を作らせる。また感染したオスの精子は、非感染のメスと交配しても正常に受精できず子孫を残せない。

 オスがこれほどひどい仕打ちを受けるのは、ボルバキアは最小限の細胞質しかない精子に潜り込めないためだ。卵子に感染したメスのみがボルバキアを子孫に伝えることができる。

「人間の世界ではSFかもしれないが、昆虫の世界では正真正銘の現実だ」と、アメリカ、テネシー州のヴァンダービルト大学で生物学の教授を務めるセス・ボーデンスタイン氏は話す。同氏は今回の研究を行った国際コンソーシアムの一員である。

 ボーデンスタイン氏が“性の操り人形師”と呼ぶボルバキアは、フランケンシュタイン張りの改造を宿主に行うことで、ほかの寄生生物より優位に立っている。宿主を殺すことなく繁殖できるため、宿主の繁殖とともに宿主の子孫へと広がっていくチャンスが大きいのだ

 ただし、ボルバキアの仕事は常に正確なわけではない。時には中途半端に終わり、半分オスで半分メスという“気味の悪い怪物”を作り出すことがあるという。

 ボルバキアが遺伝子に破壊行為を仕掛ける正確な方法はわかっていない。ただし、ボルバキアが単に感染するだけではなく、宿主のゲノムに自身の遺伝子の一部を移しているのは確かだ。

 例えば、蚊に遺伝子を挿入し、マラリアの原因となるバクテリアへの耐性を持たせる方法は既にわかっている。ただし、この遺伝子をすべての蚊に広げる効果的な方法は見つかっていない。

 このような遺伝子をボルバキアのゲノムに組み込むことができれば、ボルバキアが“自動機械”の役割を果たし、蚊から蚊へと遺伝子が伝わるかもしれない。ボーデンスタイン氏は将来的な用途に期待しつつ、「基礎科学の見地からも非常に興味深い。バクテリアのように単純な生物が複雑な宿主の性や生殖を操作できるなんて」と今回の研究成果を喜んでいる。



 ボルバキア、頭良すぎですね。

 人の場合は、免疫機能をもつT細胞に感染するHIVも頭がいいと思いましたが、このボルバキアは生存・繁殖という意味では最高峰に頭がいいです。

 激しい症状を出して宿主を殺すわけではなく、しかも一緒に繁殖することで徐々に拡大していくという・・・もし人間がこういったものに感染したらと思うとゾッとします。まさにSFというか漫画(レベルE)の世界ですね。

 逆に応用が効けば、マラリアなどの、蚊を媒介とする感染症に有効でしょう。媒介動物の駆除、という意味では繁殖して殺すことのできるボルバキアが最適ですし。もしかすると応用されるのかもしれませんね、これ。確かに以前、当医学処でも蚊の遺伝子を変異させて殲滅するニュースを取り上げたことがありますが、それ以上に安全・確実です。
posted by さじ at 23:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月13日

新型インフルエンザ、未成年の感染者が半数を下回る。

未成年の患者が半数下回る―新型インフルで感染研推計

 インフルエンザの推計患者に未成年が占める割合が、昨年12月28日−1月3日の週は5割を下回ったことが1月12日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。ピーク時には4分の3を占めていた。多くが既に感染したことに加え、学校が休みで感染の機会が少なかったことが影響したとみられる

 推計患者数は、全体では11月23−29日の週をピークに5週連続で減少しているが、年代別にみると、19歳以下はいずれも5週連続で減少した=グラフ=。19歳以下の合計は、11月23−29日の週のピーク時には142万人で、全体の75.1%を占めていたが、12月28日−1月3日の週には27万人となり、全体に占める割合は42.9%にまで減った。
 一方、20歳代は5週のうち、最初の3週は減少が続いたが、直近の2週は微増。30歳代と40歳代は微減で、50歳代以上は横ばいだった。

 推計患者数は、全体では11月23−29日の週の189万人をピークに5週連続で減少しており、12月28日−1月3日の週には63万人にまで減った。

 同センターはまた、定点当たり患者報告数が増え始めた7月6−12日の週以降に検出されたインフルエンザウイルスのうち、99.26%が新型と明らかにした。1月3日までに検出が報告された2万1078件のうち、2万922件が新型だった。このほか、A香港型132件(0.63%)、Aソ連型18件(0.09%)、B型6件(0.03%)で、同センターでは「現在国内で発生しているインフルエンザのほとんどは新型と推定される」としている。



 夏からの流行ですもんねぇ。かかる人は既にかかっちゃったってところでしょうか。

 しかしこれから季節性インフルエンザの猛威もあるわけです。むしろここからが正念場か。手洗いうがい、そして感染拡大を防ぐためにもマスクの着用を。
posted by さじ at 19:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月10日

新種のリンパ球「ナチュラルヘルパー細胞」を発見する。

アレルギー治療のカギ?新種リンパ球発見

 慶応大学の茂呂和世研究員らは、免疫を活性化させるたんぱく質を大量に作り出す新種のリンパ球を見つけた。研究グループは「ナチュラルヘルパー(NH)細胞」と名付けた。将来、花粉症やアレルギー疾患を治療する手がかりになりそうだ。英科学誌ネイチャーに論文が掲載された。

 リンパ球はB細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞などに大まかに分けられる。グループはマウスの腸の近くの脂肪組織から新種の細胞を発見した。マウスにこの細胞があると、免疫を活性化させるたんぱく質Th2サイトカインが大量に作られることがわかり、NH細胞と名付けた。ヒトにもNH細胞と思われる細胞を確認した。

 体内にTh2サイトカインが増えすぎると花粉症や食物アレルギー、ぜんそくなどを起こすと考えられている。小安重夫・慶応大教授は「NH細胞を制御できればアレルギー疾患の治療に役立つかもしれない」と話している。



 細胞性免疫、液性免疫などのくくりではなく、免疫を活性化させる細胞のようです。

 こういう大元の細胞をコントロールすれば、免疫機能全体も掌握できるかもしれません。
posted by さじ at 03:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月07日

ニホンザルが再生不良性貧血で相次いで死ぬ現象が起こる

ニホンザル謎の死、京大霊長研で相次ぎ15頭

 京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)人類進化モデル研究センターで昨年3月から今月までに、飼育中のニホンザル15頭が急死していたことが28日、分かった。死因は不明で、感染症の疑いもあるという

 同センターによると、死んだニホンザルは昨年6頭、今年9頭。いずれも血液中の血小板や赤血球、白血球の数が減少する「再生不良性貧血」を発症していた。ただ、病気と急死の因果関係がはっきりせず、死因は特定できていないという。

 また、一つの飼育室で複数のサルが発症していることなどから、感染症の疑いもあるという。2001〜02年にも再生不良性貧血の症状があった6頭が急死したが、死因は分かっていない。

 同センターでは約1000頭を飼育しているが、ニホンザル以外での発症例はなく、平井啓久センター長は「今夏以降、死因を本格的に調べている。分かり次第、公表したい」と話している。



 怖っ

 サル、謎の感染症、死、というと映画「アウトブレイク」を思い出しますね。

 未知の感染症の可能性もなきにしもあらず…。未曾有のパンデミックが起こらないとも限りません。医の世界は映画のようなスペクタクルとは隣り合わせなのです。
posted by さじ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月06日

ボルバキアを蚊に感染させて、デング熱などの伝染病を抑制する

蚊に細菌を感染させて伝染病の拡大を抑制、豪研究

 人間にとって致命的な病気を媒介する蚊にある細菌を感染させると、病気の感染拡大を抑制できる可能性があるという研究結果が、24日発行の米国科学雑誌「セル(Cell)」に掲載された。

 ミバエから抽出した細菌の一種「ボルバキア(Wolbachia)」を、病気を媒介するある種の蚊に感染させると寿命が半減することは過去の研究で知られていた。今回の研究では、ボルバキアに感染した蚊は寿命が短くなるだけでなく、デング熱やチクングンヤ熱、鳥マラリアなどの病原体に感染しにくくなることが分かったという。
 
 研究チームは人工的にボルバキアに感染させた蚊を自然界に放てば野生の蚊に感染を広められるとみている。現在は屋内実験を行っており、1〜2年以内に屋外で実験を行いたい考えだ。

 ボルバキアは自然界に広く存在する細菌で全昆虫の約60%に感染していると見積もられている



 WIN&WINな感じですね。

 何らかの感染症に陥ると、免疫能力が低下して別の感染症も、というのはありますけれど、ボルバキアに感染すると他の病原体には感染しにくくなる、というちょっと不思議な感じ。

 これ成功すればアレですもんね、マラリア死者数も減りますし、デング熱などの心配も大幅に減るでしょう。
posted by さじ at 04:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2010年01月02日

マラリアを媒介する蚊の繁殖を大幅に抑える。

蚊の繁殖妨げマラリア抑制する方法、英研究者が発表

 英研究グループは22日、アフリカでのマラリア感染の主要な媒介生物とされるガンビアハマダラカという種類の蚊について、一生に一度しか交尾をしないため、それを妨げることによって大幅に繁殖を抑えることができるという研究結果を発表した。 

 インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らによると、蚊の受精には「交尾栓」という器官が重要な役割を果たしており、これを取り除いたりすることで効果的な交尾ができなくなるため、蚊の数を減らすことができるようになるという。

 研究グループは、トランスグルタミナーゼという酵素が蚊の精液に含まれるたんぱく質に働きかけることでゼラチン状の塊となり交尾栓が形成されることも突き止め、実験ではこの酵素を取り除くことで繁殖を止めることができた。この方法をスプレーなどを使い野外でも応用できれば、「マラリアに対する戦いの新たな武器の1つ」になる可能性があるという。 

 世界保健機関(WHO)は先週、資金の増加により、マラリア対策に効果が現れ始めていると発表していた。



 このマラリアという感染症も、なかなか防ぎきれませんからねぇ。どうしても熱帯で爆発的に繁殖するため、媒介する蚊が増えるのが問題となります。

 このまま温暖化が進むと日本もマラリアを媒介する蚊が生息するのではと危惧されています。蚊を駆逐することで根絶することができるとは思うのですが、実際それを実行しきれるかという問題も。
posted by さじ at 00:25 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

2009年12月31日

南京虫は共生している細菌からビタミンBを貰っていた。

南京虫、共生の細菌からビタミンもらってた

 人の血を吸う昆虫のトコジラミ(別名、南京虫)が、共生している細菌から栄養素として必要なビタミンB類の供給を受けていることを、産業技術総合研究所が確かめた。トコジラミ対策に応用できる可能性もある。近く米科学アカデミー紀要で発表される。

 トコジラミは殺虫剤の普及で一時激減したが、近年、被害が再び増えている。体内に細菌のボルバキアがいることは知られていたが、なぜかは不明だった。

 産総研の深津武馬・生物共生進化機構研究グループ長らは、日本と豪州のトコジラミ105匹からDNAを抽出、すべてでボルバキアの遺伝子を検出した。トコジラミに抗生物質入りの血液を与えてボルバキアを除くと、卵の孵化率が激減し、幼虫はほとんど成虫に育たなかった。ボルバキアがトコジラミの成長や繁殖に重要とわかった。

 トコジラミのえさである血液にはビタミンB類が少ない。血液にビタミンB類を補充すると、ボルバキアを除いたトコジラミも普通に成長したため、ボルバキアがその供給役だと考えられた。

 ボルバキアは昆虫の6〜7割に寄生しているとされるが、「トコジラミでは必要な栄養素を供給する相利共生関係にあることを初めて実証できた」と深津さん。共生するボルバキアを標的とすれば、他の昆虫や哺乳類に影響の少ない薬剤を開発できる可能性があるという。



 共生する生き物は結構面白いですね。人間も細菌から恩恵を受けているところもありまっしね。

 南京虫退治のために、本体そのものを攻撃するのではなく、本体の細菌を攻撃してやれば根絶できるという殺虫剤も出来るかもしれませんね。
posted by さじ at 01:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

イヌも新型インフルエンザに感染していた。

イヌが新型インフル感染 米で初、飼い主も罹患歴

 米獣医学協会のスポークスマンは22日、米ニューヨーク州で病気にかかった飼い犬から、H1N1型の新型インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。AP通信が伝えた。

 同通信によると、米国内でイヌから同ウイルスが検出されたのは初めてで、飼い主も以前、新型インフルエンザにかかったことがあるという。飼い主から感染したかどうかは不明。

 11月末には中国農業省が、病気のイヌから同ウイルスの陽性反応が出たと発表している。

 同通信によると、同州東南部ウエストチェスター郡の飼い犬は13歳の雄で雑種。呼吸障害があったが、現在は快方に向かっているという。

 新型ウイルスはこれまで人以外にブタや鳥、フェレット、ネコから検出されている。

 米疾病対策センター(CDC)によると、米国内における新型インフルエンザの人への感染は下火の傾向にある。



 何でもありなウイルスになってきましたね…。これで毒性の強い株が生まれてしまったら、過去何度か起こったパンデミックと同様、防げない大量の死者が出てしまうのではないでしょうか。
posted by さじ at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年12月30日

季節性ワクチンを打つと新型インフルワクチンの効果も高まる

従来ワクチンが効果増強=新型インフル、小児も1回でOK−海外研究

 新型インフルエンザのワクチンの効果が、従来の季節性のワクチンによって高められることを、オランダ研究機関などのチームが動物実験で示し、23日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。新型のワクチンは、健康な成人なら1回で十分な免疫がつくとされ、その根拠の一つともいえる

 研究チームは、ワクチンへの反応が人に近いフェレットを用いて、新型ワクチンの4週間前に季節性ワクチンを接種した場合と、新型のみ1回接種、季節性のみ2回接種の効果を比較。新型ウイルスに感染させたところ、新型のみよりも、季節性を先に打った群で予防効果が高かった

 免疫を示す「抗体価」は季節性のみでは全く上がらなかったが、季節性の後に新型を接種した群では十分に上昇した。



 違う型のウイルスであっても、免疫能力は向上する、らしいですね。ブースター効果とは違いますけれど、イメージとしては似たような感じか。それとも広範囲に効くようになったというだけですかね。

 まあいずれにせよ、季節性ワクチンは打っといたほうがいいということですね。今はもう遅い気もしますが、みなさん、打ちました?
posted by さじ at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年12月26日

新型インフルは、抗体価が高くても発症する。

抗体価高くてもインフル発症の可能性―研究で裏付け

 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は12月21日、新型インフルエンザが集団発生した関西の中高一貫校で実施された血清疫学研究で、高い抗体価を保有していた人の一部が、後にインフルエンザを発症していたことが確認されたことを紹介。「ワクチン接種などで十分な抗体価が得られても必ずしも発病を防げるわけではないことが、この研究で裏付けられているのではないか」と話した。メディア関係者向けの勉強会で述べた。

 この研究は、大阪府立公衆衛生研究所が感染症情報センターの協力を得て実施。中高一貫校の生徒と教職員から8月下旬に採血し、中和抗体価の測定などを行った。

 その結果、新型インフルエンザウイルスに感染した可能性が非常に高いと考えられる中和抗体価160倍以上の人のうち3人が、採血後にインフルエンザを発症していることを確認。「160倍以上の中和抗体価を保有していても、新型インフルエンザウイルスに感染・発症する可能性がある」と結論付けていた。

 これについて岡部センター長は、注目すべき結果だとし、「ワクチンを接種して十分に抗体価が上がっても発病は十分に阻止できないが、重症化は防げるだろうということが、裏付けられているのではないか」と語った。

 同センター長によると一般的には、抗体価が40倍以上あれば発症しても重症化を防ぐ効果が期待できるとされている。



 予防接種だけで、過信してはいけないということですね。

 まあ最善策は、マスクなどによる予防を徹底すること。それでかかってしまったら仕方ないでしょう。あとは、受けられる予防接種は出来るだけ受けて、感染の拡大を防ぐこと。

 新型インフルエンザに感染する人が増えて、「新型インフルにかかるのは当たり前」と錯覚しないように、危機意識をもったままでいきましょうー。
posted by さじ at 02:20 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

2009年12月22日

カタツムリを食べた女性が髄膜炎で死亡する。

カタツムリ食べた女性、髄膜炎発症して死亡

 ホーチミン市熱帯病病院は17日、メコンデルタ地方アンザン省チャウドック市在住の女性Nさん(47歳)がカタツムリを食べた後、髄膜炎を発症して死亡したと明らかにした。

 Nさんの家族によると、この2年ほど胃痛に悩まされていたNさんは、今月5日に近所の人からカタツムリが胃炎に効くと教えられ、言われるままにカタツムリを食べたという。しかしその後、頭痛が激しくなって意識を失ったため、病院に救急搬送された。熱帯病病院のチャン・ティン・ヒエン副院長によると、Nさんの脳にカタツムリの寄生虫が入り込み髄膜炎を起こしていたという

 同病院では今月7日にもカタツムリを食べた5人が緊急入院し、うち2人の脳に重度のまひが残っている。



 まさかの民間療法。

 カタツムリから寄生虫がうつるというのは中国や日本でもみられます。日本では広東住血線虫による髄膜炎が知られていますが、ホーチミン市ということはこれと同じものでしょうかね。

 みなさまもご注意を。
posted by さじ at 09:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月22日

ウクライナで謎のスーパーインフルエンザが大流行中。

死者の肺は真黒 ウクライナで謎のインフルエンザが流行、既に315人死亡

 現在ウクライナでは謎のスーパーインフルエンザが大流行している。死亡した患者の肺は炭のように黒く、内出血と肺水腫の症状があり、第1次世界大戦後のスペイン風邪に状況がよく似ている。ウクライナ政府の発表によると、現地では16日の時点ですでに140万人が感染、315人が死亡しており、近隣諸国のパニックを引き起こしている。WHOの先週の論評では、現地のウィルスは突然変異していないとのことだが、世界的流行病の第二波であると考えられているようだ。

 今回のインフル発生後、当初はH1N1インフルと考えられていたが、間もなく、3種のインフルが変種したウィルス性肺炎であることが伝えられ、新型インフルと別のインフルが結合し、スーパーインフルに変種したのではないかと指摘されている

 ウクライナの救急医師Myron Borysevych氏は、このインフルエンザウィルスはH1N1型でも肺炎でもないと見ていると述べた。医師らは、このインフルは内出血と肺水腫の症状があり、スペイン風邪に類似していると考えている。また、西部地区の医師がこのウィルスによって死亡した患者を解剖したところ、肺が炭のように黒く、まるで焼け焦げたようになっていたという。

 ウクライナのビクトルユシチェンコ大統領は、WHO専門家9人を首都キエフ及びリヴィヴに緊急召集してウィルス検査を行い、英ロンドンへ送って分析を行っている。大統領はさらに、現在多くの人が死に直面し、インフル大流行により医師まで死亡していると伝えた。

 「他の国で流行しているインフルとは異なり、ウクライナでは新型インフルのほかにも季節性インフルとカリフォルニアインフルが同時に流行している。ウィルス学者は、この3種のウィルスが変異して一つに結合してしまえば、攻撃力を持つ合成ウィルスになるだろうと推測している」と大統領が伝えている。

 17日、WHOはサイト上で、ウクライナの新型インフルは、今年4月に始まった新型インフルの遺伝子と同じであり、突然変異ではないことを伝えた。

 ウクライナ「キエフポスト」紙は、15日の時点で、インフル感染と呼吸道ウィルスによる死亡者は299人に増え、134・7万人が感染しており、当日24時間以内に1万7千人余りが感染していると報道。この数字は1時間ごとに更新されている。現在さらに多くの人の感染が伝えられ、特に西ウクライナ9地区に集中しているようだ。

 現在ロシア、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアはすでに、入国するウクライナ人に対して健康診断の実施を開始している。ポーランドのトゥスク首相は、欧州委員会とEU議長国のスウェーデンのラインフェルト首相に書簡を出し、「EUレベルでの迅速な行動が必要である」と促した。



 SFのような話ですが、実際現実に起こるようなものなんですね。3種類のウイルスによる突然変異が引き起こした脅威。

 新型以上に強力な新型スーパーインフルエンザと人類の闘いを、拡大するまえに防ぎとめられるか。
posted by さじ at 04:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月19日

過大な表現で販売されているインフル用マスクにご注意。

「ウイルスカット99%」は過大 インフル用マスク

 新型インフルエンザの流行で売り上げを伸ばしているマスクで、15商品のうち少なくとも11商品が「ウイルスカット99%」「N95規格クリア」などと過大な表現で販売されていることが18日、国民生活センターの調査で分かった。

 マスクを販売する際の公的な表示基準はないが、消費者庁は同日、科学的根拠が薄く消費者が誤解する恐れがあるとして、業界団体「日本衛生材料工業連合会」を所管する厚生労働省に対応を取るよう通知、景品表示法に基づき業者に行政指導することを決めた。

 調査は8〜10月、東京都町田市内と神奈川県相模原市内の量販店やコンビニ、通信販売で売られている15商品を対象に実施した。

 国民生活センターによると、15商品のうち、ウイルスの捕集効率95%以上は3商品だけだった。6商品は80〜95%、2商品が60〜80%で、50%以下も4商品あった。

 13商品が、捕集効率が「99%」や95%以上の医療用「N95規格」を満たすなどと、パッケージやインターネット上で数値を示して販売。表示を満たしているのは2商品だった。

 中には数値を挙げず「ウイルス対策をフルサポート」とだけ記載し、95%以上の商品もあった。



 偽商法か…。

 本物のN95マスクは、かなり画期的なマスクなんですが、まあその他市販のマスクを売るためには、こういう風に宣伝するのが一番効果的ですよねぇ。

 でも嘘は嘘。消費者を騙しているだけです。

 マスクは飛沫感染を防ぐ意味では大事です。市販のマスクでもつけたほうがいいでしょう。
posted by さじ at 06:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月18日

新型インフルエンザワクチン、4300万人は国産のものを接種可能

4300万人は国産接種可能―新型ワクチンで長妻厚労相

 長妻昭厚生労働相は11月17日の衆院本会議で、新型インフルエンザワクチンについて、国産ワクチンの年度内の供給量を「約5400万回分」とした上で、「優先接種対象者5400万人のうち、4300万人は国産ワクチンで接種可能」との見通しを示した。

 今国会に提出した「新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案」の趣旨説明の中で、藤田一枝氏(民主)の「接種回数の見直しも図られたことから、国産ワクチンの充足状況についての見通しを」との質問に答えた。

 厚労省は10月20日に示した標準的な接種スケジュールで、「医療従事者」以外の2回接種を前提に、接種対象者の中でも優先度の高い「妊婦」「基礎疾患を有する人」「1歳―中学生に相当する年齢の人」など計2950万人は国産ワクチンを、「高校生に相当する年齢の人」「65歳以上」の計2450万人は輸入ワクチンを接種できるとしていた。しかし、11月11日に「妊婦」「基礎疾患を有する人」「65歳以上」などについても原則1回接種にすることを決定。これにより、国産ワクチンを接種できる人数が増えることになっていた。

 厚労省は、「中高生に相当する年齢の人」についても、12月中に判明する臨床試験の結果を踏まえ、接種回数を検討するとしている。



 なんか、あまりすぎて捨てる可能性もでてきた、といわれている新型インフルエンザワクチンですが、できるだけ多くの人に接種できるよう、厚生労働省と医療機関の連携・アナウンスを迅速にお願いしたいですね。
posted by さじ at 02:33 | Comment(3) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月10日

ロタウイルス向けのワクチン、ロタリックスを日本でも。

ロタウイルス向けワクチン、英グラクソが年内にも日本で申請

 英製薬大手グラクソスミスクラインは幼児の胃腸炎を引き起こすロタウイルスの感染を予防するワクチンを年内にも日本で承認申請する。実用化すれば同ウイルス向けでは日本初のワクチン。日本では感染症の対策に治療薬の普及が先行しているが、新型インフルエンザの流行でワクチンの重要性が見直されている。主力のワクチンを相次いで日本に投入し、今後の市場拡大に備える。

 年内にも承認申請を目指すのは「ロタリックス」。幼児が感染すると激しい下痢や脱水症状を起こすロタウイルスへの感染を予防する。世界100カ国以上で承認を受けている。日本では年内に投入する子宮頸がん向けとともに同社の主力ワクチン。



 ロタウイルスワクチン!

 乳児に多い下痢を引き起こすロタウイルスですが、ワクチンで対策できるんですねぇ。

 もし承認されたら、多くの乳児に適用されるんですかね。命に関わるような大きな病気ではないとはいえ、感染症はできるだけ予防したいですから。
posted by さじ at 04:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月09日

新型インフルエンザの死者、国内で52人に。

埼玉、新型で3歳児死亡 国内死者52人に

 埼玉県は8日、同県深谷市の男児(3)が7日に死亡し、新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。男児に基礎疾患はなかった。死因はインフルエンザ脳症とみられる。国内の死者は疑いも含めて52人目。

 県によると、男児は6日夜に40度近い熱を出し、7日午前に近くの診療所で受診。簡易検査で新型インフルエンザ感染が陽性だったためタミフルを服用。7日夕に容体が急変して意識不明となり、救急搬送先の病院で死亡が確認された。

 県の詳細検査で8日、男児の新型インフルエンザ感染が確定した。



埼玉の3歳男児死亡

 埼玉県は8日、新型インフルエンザに感染した同県深谷市の保育園児の男児(3)が死亡したと発表した。症状などから死因はインフルエンザ脳症とみられる。男児に基礎疾患はなかったという。県によると、疑い例も含め新型インフルエンザによる県内の死者は3人目で最年少。国内では52人目。

 県によると、男児は6日午後9時ごろ、39・9度の熱を出し、翌7日午前、市内の診療所での簡易検査でインフルエンザA型陽性と診断された。タミフルの治療を受けていったん帰宅したが、同日午後4時半ごろ、容体が急変して意識がなくなり、病院に搬送されたが間もなく死亡した。遺伝子検査で、8日に新型インフルエンザと確認された。



医療関係者、新インフル感染死亡 茨城

 茨城県は7日、脳幹出血で6日に死亡した同県ひたちなか市の40代男性が、新型インフルエンザに感染していたと発表した。男性は日立製作所水戸総合病院の臨床検査技師。

 名古屋市も7日、市内の女児(5)が同日死亡し、新型インフルエンザ感染が確認されたと発表。国内の死者は疑い例も含め51人になった。

 茨城県によると、感染死亡者の職業はほとんど公開されていないが、病院の医療関係者の感染死亡例は全国的にも聞いたことがないとしている。男性は肥満で、高血圧症や脳出血などの基礎疾患があった。

 名古屋市によると、女児は6日に発熱などで受診した。7日午前、けいれんの発作を起こし再び受診したところ、A型陽性とされ、タミフルの処方を受けて帰宅。同日正午ごろ、自宅で心肺停止状態となり病院で死亡、新型の感染が確認された。基礎疾患はなく、直接の死因は不明という。



 治療法のある感染症で、国内で死者が52人も出るというのはかなり深刻だと思います。

 巷では新型インフルエンザに慣れてしまったのか、「普通のインフルエンザと変わらない」という認識もちらほら聞こえるほどです。

 しかし油断大敵。未だに完璧な対策といえば「予防」しかないのです。

 正念場を、皆で乗り切っていきましょう。
posted by さじ at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

未処理の雨水を飲んでも衛生面では問題がないとする研究

未処理の雨水、飲んでも衛生面で問題なし=豪調査

 豪モナシュ大学の研究チームが行なった調査によると、未処理の雨水を飲むことに衛生面で大きな問題がないことが分かった。

 研究チームは、タンクに貯めた雨水を主要な飲料水として使っている300世帯を対象に調査を実施。すべての家庭に卓上型の浄水機を設置し、雨水から胃腸炎の原因となる微生物を除去すると説明したが、実際には半分の浄水機にフィルターを入れず、フィルターの有無による体への影響を比較した

 調査参加世帯が1年にわたって残した健康に関する記録を調べたところ、腹痛の件数に関しては、フィルターの有無で差はなく、水道水を飲んでいる場合と比べても同程度だったという。

 モナシュ大疫学部のカリン・レダー氏は「今回の調査で(雨水を飲むことによる)病気のリスクが低いことが確認できた」とし、多くの家庭に雨水の利用を広げていきたいと語った。 

 ただ、調査に参加した家庭は雨水を飲むことに慣れており、潜在的な感染に対する生体防御機能をすでに持っている可能性はあるとしている。



 確かに雨水の中に病原菌が入るとは考えにくいですが、雨水のほうが大気中の酸化物や硫化物を含みやすいので、健康的にはどうなのか、といったところ。

 ブラックジャックでも、雨水をためて乾きを凌ぐシーンがありました。水の豊富な日本だとこういう研究は生かされないかもしれませんけれど、水の少ない地域においては大切なことだと思います。
posted by さじ at 03:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

世界で初めて、猫の新型インフルエンザ感染を確認する。

ネコが新型インフルに感染、世界初 米アイオワ州

 米アイオワ州立大学の獣医学部は4日、州内の家庭で飼われているネコが新型インフルエンザに感染したと発表した。ネコの新型インフルエンザ感染例が確認されたのは世界で初めて。

 感染したのは、去勢手術を受けている13歳の雄のショートヘアー。症状を見たアイオワ州立大学とアイオワ州の獣医師のチームは、呼吸器系疾患の最も一般的な原因は当てはまらないと考え、このネコを飼っている家族3人の病歴を調べた。

 家族のうち2人が新型インフルエンザの感染歴があったことがわかり、ネコへの感染が疑われたため、5日間にわたる検査を行ったところ、新型インフルエンザと確定された。飼い主の希望でペットの名前は明らかにされていない。

 アイオワ州立大学のブレット・スポンセラー助教授(獣医微生物学)は、飼い主は既に完治しておりネコも水分と抗生物質を与えられ、順調に回復していると説明した。

 スポンセラー氏によると、ネコからネコやネコからヒトへの新型インフルエンザの感染についてはわかっていないが、危険性は高くはないとみられるという。

 新型インフルエンザのネコへの感染はこれまで知られていなかったが、同氏によれば今後多くのネコが検査を受け感染が確認されるだろうという。

 アイオワ州の保健当局も、新型インフルエンザに感染した人は、人間だけでなく他の動物にもウイルスを感染させるおそれがあると注意を呼びかけている。



 猫、人を共通の媒介とする新型インフルエンザの株ができなければ良いのですが、もし出来てしまうと未曾有のパニックに陥る可能性も。
posted by さじ at 03:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2009年11月04日

飼い犬の25%が日本脳炎に感染している。

飼い犬25%が日本脳炎に感染 媒介の蚊、人にも危険

 全国の飼い犬の4匹に1匹が日本脳炎に感染しているとの調査結果を、山口大の前田健教授らがまとめた。豚から人や犬にウイルスを広げる蚊が、養豚場周辺から市街地まで飛んでいるためのようだ。犬から人には感染しないが、媒介する蚊が身の回りにいて、人への感染拡大の危険性を示すものとして、専門家は注意を呼びかけている。

 西日本に多い日本脳炎は体内でウイルスが増える豚の血を吸った蚊を介して、人などに感染する。犬や人からは蚊を介しても人に感染しない。感染者の発病率は1%以下だが、重症化すると高熱、意識障害を起こす。脳症になると2〜4割が死亡する。感染した犬が発症した例は報告されていない。

 前田教授(獣医微生物学)らは06〜07年に47都道府県の動物病院にかかった犬652匹の血液をとり、日本脳炎ウイルスの抗体ができているか調べた。その結果、25%に抗体があり、感染していた。

 地域別では、四国が61%で最も多く、次いで九州が47%だった。ほかは中国26%、近畿23%、関東17%。市街地で24%、住宅地で21%の犬が感染、室外犬は45%、室内犬も8%が感染していた。

 ウイルスを運ぶコガタアカイエカは30キロ移動するため、豚の血を吸った蚊が都市部まで飛んでいるようだ。

 ワクチンの集団接種により60年代に感染者は激減し、最近の感染者は年間数人しかいない。ワクチンの副反応による重症者が出たことで、05年に厚労省は接種を積極的に勧めることをやめ、現在は大半の子が受けていない

 感染で重症化すれば、効く抗ウイルス薬がないため、解熱剤で熱を抑え、炎症を抑える薬を使う。ワクチンは今年から、副反応が出にくいとされる新しいタイプも使えるようになった。

 前田教授は「今後、ワクチンを打っていない子どもを中心に感染が広まる可能性もあり、警戒が必要だ」と話す。



 結構驚きですね。飼い犬の4匹に1匹が感染しているというのは。

 今の大人はワクチンを打っているのでダイジョウブだと思いますけれど、予防接種していない子供は、どうなることか。

 というか予防接種は、全部打ったほうがいいです。これはもう絶対。確かに副反応が起こることはありますけれど、そのごくわずかな確率を考慮しても、接種したほうがいい。

 たまに、子供に予防接種を受けさせないという哲学をもった自然派の親御さんもいらっしゃるんですけれど、はっきりいって馬鹿の所業だと思います。

 それで自分の子供が重症化するのはまぁ自己責任だとしても、例えば近くに免疫能力の低下した人や、妊婦さんがいたら、その子供からそういう人たちにうつしてしまうこともあるのです。

 社会全体で感染症に立ち向かわなければいけないときに、ヒッピーのようなよくわからない哲学を持っておられる。厄介極まりないです。
posted by さじ at 12:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染