[感染]の記事一覧

2006年09月01日

採血時に切れた皮膚が血液に混じるのを防ぐ方法

献血時の細菌汚染を防止…日赤が採血法変更

 日本赤十字社は、細菌汚染による事故を防ぐため、献血時の採血し始めの血液を輸血に使用しないことを決めた。血液を部分除去できる新しい採血方法の導入を今秋開始し、来年度中に全面的に切り替える。

 献血では、採血用の針を刺した時に切れた皮膚が血液に混じり、細菌に汚染される可能性がある。皮膚を消毒しても、毛穴などに潜んだ細菌を完全に殺すことは難しく、2000〜02年の集計では、献血血液から作った赤血球製剤の0・04%から細菌が検出された。

 特に問題なのは、20〜24度で保存される「血小板製剤」で、まれに混入した細菌が増殖することがある。米国では98年から3年間の調査で、血小板製剤の輸血で29例の汚染事故が起き、6人が死亡した。日本で今年5月に死亡した男性も、細菌が混入した血小板製剤の輸血を受けていた。

 日赤は、採血に使うチューブを改良。最初に流れてくる血液(初流血)25ミリ・リットルを除去する。除去した血液は、捨てずに血液型や感染症の検査に利用する。

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 採血時に混入する菌といっても表皮ブドウ球菌のような常在細菌ですから、健康な人には問題ありません。ですが輸血をする人ってのは健康な人ではありませんからね。免疫機能が低下してる人もいるわけです。そういう人たちにとっては危険なので、今回のような改善がされました。除去した血液も利用するみたいなので、一石二鳥でしょう。

関連:医学処 採血時に混入した黄色ブドウ球菌で敗血症を来たし死亡
医学処 あせもを引き起こしていたのは表皮ブドウ球菌


posted by さじ at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月29日

日本脳炎の感染危険性が高いのは、広島、高知、長崎、香川

日本脳炎に注意−感染危険性基準超え

 香川県は二十五日、豚の血液検査の結果から、香川県内が日本脳炎の感染危険性の判定基準を超えたと発表した。

 香川県環境保健研究センターが七月十八日から一週間ごとに生後六カ月の豚十頭の血液検査を実施。八月二十一日の第五回検査で、十頭すべてが日本脳炎ウイルスに感染していることが判明し、感染豚が50%以上などとする判定基準を超えた。

 香川県薬務感染症対策課は、ウイルス媒介蚊に刺されないよう、外出時に長袖や長ズボンを着用するなどの注意を呼び掛けている。二十一日現在、判定基準を超えているのは広島、高知、長崎の三県

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 日本脳炎

 典型的な症例では、数日間の高い発熱(38 〜40 ℃あるいはそれ以上)、頭痛、悪心、嘔吐、眩暈などで発病する。小児では腹痛、下痢を伴うことも多い。これらに引き続き急激に、項部硬直、光線過敏、種々の段階の意識障害とともに、神経系障害を示唆する症状、すなわち筋強直、脳神経症状、不随意運動、振戦、麻痺、病的反射などが現れる。感覚障害は稀であり、麻痺は上肢で起こることが多い。脊髄障害や球麻痺症状も報告されている。痙攣は小児では多いが、成人では10%以下である。

 死亡率は20〜40%で、幼少児や老人では死亡の危険は大きい。精神神経学的後遺症は生存者の45〜70%に残り、小児では特に重度の障害を残すことが多い。パーキンソン病様症状や痙攣、麻痺、精神発達遅滞、精神障害などである。

引用:感染症の話 日本脳炎

 日本脳炎ワクチンは受けられましたか?日本脳炎ワクチンには賛否両論あるようですが、危険な地域の方は受けたほうが良いと思われます。どちらのリスクを取るのか、という話ですが。その他、少しでも蚊に刺されないように心がけましょう。

 医学処 蚊に刺されないための総合知識
posted by さじ at 02:02 | Comment(4) | TrackBack(0) | 感染

飲みかけペットボトルを放置していくと雑菌が繁殖する

「飲みかけ放置」3〜4割=ペットボトル、開栓後は雑菌繁殖−業界団体調査

 ペットボトル入りの清涼飲料水を飲みかけのまま常温で放置している人が3〜4割もいることが、全国清涼飲料工業会(東京都中央区)が実施した調査で26日、分かった。同会は「栓を外したら清涼飲料水は生ものと同じ。いつまでも品質が変わらないわけではない」としている。

 調査は7月、全国の300人の男女を対象に、清涼飲料水の保存方法やペットボトルの使用方法などを聞いた。

 それによると、飲みかけのペットボトルをかばんや常温の室内に1日以上放置したことがある人は、それぞれ45.3%、37.3%いた。また、飲みかけのペットボトルを冷蔵庫で保存することについて、10%以上の人が「1週間を超えても大丈夫」と回答した。

 同会は「直接口をつけたペットボトルは放置すると雑菌が繁殖するので、冷蔵庫で保存してもなるべく早く飲みきる」ことを推奨している。また、炭酸入りは「高温になると容器が膨らみ、栓が飛ぶ恐れもある」として、注意するよう呼び掛けている。

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 さすがに1日も常温放置したものは飲めませんが、冷蔵庫にいれてあれば1,2日は安心なイメージが私にもありましたね。今度からは飲みきるようにしましょう。

 まだまだ暑いので、沢山飲んで下さいね。熱中症は怖いですから。
posted by さじ at 01:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月28日

「紙幣や硬貨は汚い」という教え、迷信であることが発覚。

紙幣や硬貨「意外なことにきれい」 豪・NZチーム調査

 「意外なことに、紙幣や硬貨はさほど汚くない」―。オーストラリアとニュージーランドの研究チームが、両国のカフェやパン屋、精肉店、スーパーなどで使われていたお金を調査し、こんな結論を出した。

 豪南東部にあるバララット大学とニュージーランドの研究機関が食料品店のお金を1年にわたりサンプル抽出し、紙幣と硬貨の表面に付着している細菌を調べた。その結果、大半のお金は細菌がわずかで、硬貨の方が紙幣より細菌は少なかった。中には食中毒や下痢を引き起こす細菌も見つかったが、低レベルだったという。

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 「お金を触った手を口にいれちゃいけない」と言われた人はかなり多いのではないでしょうか。私自身、幼い頃、親に言われたことがあります。色んな人が触ったのだから、汚い、と。

 しかしよく考えてみると、人の表在菌が硬貨についても、自分の手にも勿論表在菌がいるわけですから、病気を起こすはずがない。仮に大腸菌などがついていても、硬貨では生息できないために付着し続けるはずがない。

 という研究だと思われます。銅などの、金属による殺菌効果もあるんでしょうかね。

関連:10円玉を水槽に入れておけば蚊の発生を抑制できる
posted by さじ at 00:13 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月25日

HIVの新規感染者、三ヶ月で248人で過去最多

HIV新規感染者が最多/4月から3カ月で248人

 厚生労働省エイズ動向委員会は22日、4月から約3カ月間に報告されたエイズウイルス(HIV)の新規感染者は男性226人、女性22人の計248人で、報告制度が始まった1984年以降で最多となったと発表した。

 これまでの最多は2004年7−9月の209人。動向委は「今年から始めた6月の検査普及週間や、休日、夜間の検査体制が整備された結果、検査件数が増え、感染者の報告数も増加したと考えられる」としている。

 また新たに発症した患者は106人で、04年7−9月の126人に次ぐ多さだった。

 新規感染者の感染経路は、同性間性的接触が160人と最も多く、うち152人が日本国籍の男性だった。異性間性的接触は53人、その他や不明は35人だった。

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 わーお…。着実に増えてますね。発症者(つまりHIV感染者でAIDSを発症した人)が105人ということで。一生発症させないレベルの薬も開発されてますし、大事なのは発症する前にしっかりHIVと向き合い、それに対処することです。

 コンドームつければ防げます。同性愛でも絶対にコンドームを着用しましょう。ただでさえ、大腸菌まみれになるのを防ぐためにコンドームをつけたほうが良いというのに。意識の問題は人のレベルの問題です。今、気をつければ感染しないというのに、性行為で感染する人はアホですよ。

関連:耐性をもつHIVにも効く新エイズ治療薬を満屋教授らが開発
   10代のアメリカ人はしっかり避妊するようになってきたらしい。
posted by さじ at 02:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月24日

生焼けのカタツムリを食べた70人が広東住血線虫に感染し髄膜炎に。

生焼けカタツムリで髄膜炎、16人が重症 中国

 中国・北京の飲食店で、生焼けのカタツムリを食べたことが原因と見られる髄膜炎の患者が70人に達し、うち16人が重症で、入院していることが明らかになった。中国国営・新華社通信などが22日、伝えた。

 北京の保健当局は、北京市内の飲食店から採取したアマゾン原産のカタツムリから、寄生虫「広東住血線虫(カントンジュウケツセンチュウ)」を検出。髄膜炎の原因は、この寄生虫と見られている。

 保健当局は北京市内の飲食店2000店を調査。寄生虫に感染したカタツムリの仕入れルートや、感染経路などを調べている。

 症状は激しい頭痛や吐き気など。潜伏期間は1カ月以上あるため、すぐには症状が現れないことから、当局では今後も感染者が増える恐れがあるとしている。

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 広東住血線虫だァー!

 相当昔に、「特命リサーチ200X」という番組で特集されていたのを思い出しました。日本では馴染みの薄い広東住血線虫ですが、日本でもおなじみのかたつむりに寄生しているんです。勿論、日本にも生息しています。感染は稀ですけどね。

 広東住血線虫はドブネズミやクマネズミなどの肺動脈内に寄生する、体長22〜23mmの線虫です。そこで生まれた卵から幼虫になり、糞によって外に出されます。その糞をカタツムリが食べることで、カタツムリに感染するわけです。カタツムリの体内で成長した後で、ネズミがそれを食べることで、成虫となった広東住血線虫はネズミからネズミへ渡ることができるのです。

 ところが。中間宿主であるカタツムリを人間が食べてしまう場合があります。いや、食べずとも、カタツムリに触った手を口に入れるなどして、感染する可能性もあるのです(カタツムリの這った野菜を食べただけで感染するケースもあります)

 不運にも幼虫が口から入った場合、胃壁を破り脊髄へ侵入、髄液を通って脳へ向かいます。そして脳組織内に潜り込むため、激しい頭痛や手足の痺れを引き起こし、昏睡に陥ったりします。今回のように、髄膜に異物が侵入したことによって免疫システムが働いた結果、好酸球性髄膜脳炎となって死亡することもあります。

 触ったら、手を洗おう。

参考:広東住血線虫について
posted by さじ at 02:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月23日

マラリアワクチンの安全性を確認。ウガンダで臨床試験を実施

「マラリアワクチン安全」 ウガンダで臨床試験へ

 マラリアのワクチンの安全性を確かめるため、日本で健康な人を対象に臨床試験をし、安全性を確認したと、大阪大微生物病研究所の堀井俊宏教授(分子原虫学)が22日、発表した。

 来年にもアフリカのウガンダで感染経験のある人を対象に試験をし、2008年に子どもを対象にした次の段階の試験で有効性を確認する。

 日本での臨床試験は、茨城県つくば市の医療機関で成人男性40人が参加。3週間ごとに計3回ワクチンを投与し、投与された全員の体内でマラリアを発症しなくする抗体というタンパク質ができ、健康被害はなかったという。

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 蚊が媒介するマラリア原虫によって発症する、マラリア。全世界で1年間に3億〜5億人の患者、150万人〜270万人の死者が出ているといわれています。ワクチンの効き目次第では、アフリカなどの熱帯地域に大きな貢献をもたらすことでしょう。

参考:マラリア
   マラリア

関連:蚊に刺されにくい人の身体から出ているにおいで虫除け剤を作る
posted by さじ at 11:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

食中毒の原因菌を殺すウイルスを、食品添加物として承認

ウイルスでソーセージの病原菌退治 米FDAが承認へ

 ハム、ソーセージなどから人間に感染し、重い食中毒を起こすこともある細菌をウイルスで殺す――米のバイオ企業が開発したそんな手法を米食品医薬品局(FDA)が認可する見通しになった。AP通信が報じた。FDAがウイルスを「食品添加物」として認可するのは初めてという。

 ウイルスは人間に感染して病気を起こすものもあるが、細菌にしか感染しない種類もいる。これらは「バクテリオファージ」と呼ばれており、抗生物質に代わる殺菌手段に使えるかどうかが研究されてきた。

 米メリーランド州に本拠を置くイントラリティクス社は、重い食中毒を起こすリステリア菌にこのアイデアを応用。特にこの菌に汚染されやすい加工食肉にスプレーすると殺菌効果があるウイルス混合物の製品を開発し、食品添加物としてFDAに認可申請した。

 この申請を近く認める見通しのFDAは「バクテリオファージは人間の消化管からも見つかり、危険はない。この製品も人や植物に無害」としている。

 リステリア菌感染による食中毒は、免疫機能が弱った妊婦や新生児には特に危険で、AP通信によると、米国で年間約2500人が重症になり、うち500人が死亡している。日本の国立感染症研究所によると、国内での集団感染の報告例はまだない。

 イントラリティクス社は、大腸菌を殺すウイルス製品も開発中という。

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 菌を殺す、人には無害なウイルス。これは凄い。変異しないのであれば画期的ですね。新しい保存方法になるかもしれません。

 ちなみに

 リステリア症では、発熱・筋肉痛、ときには吐き気や下痢といった胃腸炎症状を引き起こすこともあります。これらの症状だけのこともありますが,さらに,神経系統まで感染が広がると、頭痛、首が硬くなる、昏迷、ふらつき、痙攣等が起こることがあります。リステリア症では、髄膜炎・敗血症を起こすことがあります。

参考:リステリア菌
posted by さじ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月16日

新しい傷の治し方、ラップ療法について学び実践しよう

「消毒して乾かす」手当てはもう古い!傷は潤い保って治す

 海や山などで遊ぶ機会の多いこの時期、すり傷や切り傷、ちょっとしたやけどといった小さな傷もできやすい。これまで小さな傷の手当は「消毒して乾かす」ことが常識だった。だが最近、提唱されているのが「モイストヒーリング(湿潤療法)」という方法だ。水洗いだけで消毒せず、傷口を乾かさないようにする手当法で、こちらの方が傷跡も少なく、治りも早いという。今までの常識を覆すこの「モイストヒーリング」で、小さな傷は、早く、きれいに治そう。

 NPO法人創傷治療センター理事長で、北里大学名誉教授の塩谷信幸さんは、「傷を治すのは患者自身が持つ自然治癒力。その力を利用するのが『モイストヒーリング(湿潤療法)』。消毒はせず、水洗いだけ、傷口は乾かさないようにする。この方が治りも早く、痛みも和らぎ、傷跡も残りにくい」と話す。

 「モイストヒーリング」で活用するのは、傷口からにじみ出てくる滲出液(体液)だ。滲出液とは、これまでは乾かした方がよいと考えられていたジュクジュクとした液のこと。この液には、細胞の成長や再生を促すサイトカインや細胞成長因子などの成分が含まれ、これが傷を治す働きをしてくれるのだ。

 この場合、注意しなければいけないのは、なるべくかさぶたを作らないこと。一般的にすり傷や切り傷では血小板の作用で出血が止まり、その後、傷口から出る滲出液が乾き、かさぶたになる。実は、滲出液が力を発揮するのは、傷が湿潤状態にあるとき。滲出液が固まり、かさぶたになると働かなくなる。

 しかも、「かさぶたの下に残された滲出液だけしか傷の治療に使えないため、十分に働けない。人間が持つ自然治癒力がきちんと発揮されないんです」(同教授)。

 滲出液を生かすには、「傷口は水で洗い流す。消毒薬は不要です」(同教授)。消毒薬によっては、細菌だけでなく、新しく生まれた細胞を殺すこともあるからだ。

 あとは、清潔なタオルやガーゼで傷口を押さえて止血した後、傷口が乾かないように救急ばんそうこうなどで保護する。この場合、ガーゼで長時間傷を覆うのは避けること。ガーゼは空気をよく通すため、「傷口が乾きやすく、ガーゼの繊維が傷の中に入り、はがすときに再生した表皮をはぎとってしまうこともあります」(同教授)。

 最近は、外科手術などでも使用する、傷口の潤いが保てる医療用の被覆材が使われた救急ばんそうこう(別項)なども市販され、こうしたものを使えば、傷の回復はこれまでの約3分の1まで短縮するという。さらに、「『モイストヒーリング』は、傷の修復のための最適な環境が作れるので、神経末端からの危険信号である痛みも和らぎます」と同教授。

 これからは、小さな傷は潤いを保つ治療法で、早く、きれいに治そう。

★最適の救急ばんそうこう

 モイストヒーリングに最適なのが、医療の現場などで使用されているハイドロコロイド素材を使った創傷被覆材。ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京都千代田区)から、「『バンドエイド』キズパワーパッド」として市販されている。傷口を密閉するとともに、浸出液を傷口に保って湿潤環境を整備。炎症の原因となる異物の進入を防ぎ、乾燥による神経への刺激を抑えるため、傷の痛みもやわらぐ。傷が治るための最適な環境を長く保つためには、できるだけ貼ったままにしておくことが大切で、最大5日間まで貼りっぱなしでいいという。

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 モイストヒーリングは別名「ラップ療法」「うるおい療法」などと呼ばれています。昔はキズドライなどの、乾燥させてナンボであるという考え方が主流でした。しかし最近の研究で、傷はできるだけ湿潤させたほうがよく、更に消毒もしてはいけないという考え方に変わりつつあります。

 細かい説明は記事中で語られているので省きますが、ジョンソンエンドジョンソン社製の『バンドエイド』キズパワーパッド、私も愛用しております。普通のバンドエイドよりも高いんですが、しっかり傷を覆ってくれるため痛みもなく、更に治りも早いです。貼っておくだけで自然に治るイメージです。

 ご家庭でラップ療法を行う場合は下記サイトを参照して下さい。非常にわかりやすく、医学的に書かれているので初心者でも安心です。

参考:新しい創傷治療
   正しいケガ(傷)の治し方 〜消毒をしない閉鎖湿潤ラップ療法〜
posted by さじ at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

鳥インフルエンザの恐怖。10代の致死率は73%

鳥インフルエンザ致死率、10代で73%…WHO分析

 高病原性の鳥インフルエンザウイルスH5N1に人が感染した場合、致死率は56%に達し、特に10〜19歳では73%と高率になるとの分析結果を世界保健機関(WHO)が発表した。

 乳幼児や高齢者の死亡が多い通常のインフルエンザとの違いが明確になった。

 WHOは、2003年12月〜06年4月末に、H5N1に感染したと確定診断された9か国203人の患者を対象に致死率を調べた。その結果、10〜19歳は49人中36人が死亡し、致死率は73%と最も高かった。次に高いのは20〜29歳で62%。逆に最も低いのは50歳以上で18%だった。9歳以下は40%程度で中程度だった。

 若者の致死率が高い理由について、一部の研究者は、若い世代ほど未知のウイルスに対する免疫反応が過剰に働き、自分の体を攻撃してしまうためと推測している。

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 10代のほうが生き残るイメージがありましたが、免疫機能が働きすぎて自己免疫疾患に陥ってしまうという結果に。

 免疫って、デリケートなものです。もし免疫をコントロールできれば精神病以外の病気はカバーできる、かも。

関連:医学処 鳥インフルエンザの恐怖。インドネシアの死亡者数が世界最多の44人に
   医学処 医学処 鳥インフルエンザが人から人へ感染りにくいワケ
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2006年08月15日

耐性をもつHIVにも効く新エイズ治療薬を満屋教授らが開発

「耐性」に効く新エイズ薬 満屋教授ら日米チーム開発

 既存の薬が効かない多剤耐性エイズウイルス(HIV)にも高い効果を示す抗HIV薬を、熊本大の満屋裕明教授や米パデュー大(インディアナ州)のアラン・ゴーシュ教授ら日米共同チームが開発し、十四日までに米食品医薬品局(FDA)が治療薬として承認した。

 先進国、発展途上国ともに深刻な脅威となっている耐性HIVへの幅広い効果が確認された薬は、世界で初めて。

 別の薬の三倍以上の効果があるなど患者には大きな朗報で、専門家らはこの薬が今後、エイズ治療の主役になる可能性があるとみている。臨床試験の成績などは、カナダで十三日から始まった国際エイズ会議で発表される。

 ダルナビルと呼ばれるこの薬は、エイズ治療に広く使われているプロテアーゼ阻害剤(PI)の一種。ゴーシュ教授が合成し、満屋教授が生体内での効果を確認、臨床試験へと進めた。

 プロテアーゼはHIVに含まれる酵素で、HIVの増殖に必要なタンパク質を正しく切断する「はさみ」の役割を果たす。PIは酵素に付着してはさみを切れなくし、HIVの増殖を止める

 既存のPIは、酵素の成分であるアミノ酸の端に結合する性質があり、HIVの遺伝子が変異してアミノ酸が変わると効かなくなってしまう弱点があった。これに対しダルナビルは、アミノ酸が変わっても影響ない場所に結合するため耐性ができにくい。PIなどに耐性が検出された患者への臨床試験では約70%に治療効果がみられ、別の薬の三倍以上高かった。

 FDAは患者への恩恵が大きいとして、約半年でスピード承認した。薬はベルギーのティボテック社が製品化した。

 満屋教授は世界初の抗HIV薬「AZT」の開発者。その後二剤を世に送り出しており、これが四剤目となる。

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 満屋裕明教授、AZTを開発した人だったとは。凄いですなぁ。今回の薬もかなり期待できそうです。

 研究者がこのように、HIVを抑える薬を全力で開発しているのですから、一般市民側も最善の努力、つまり感染しない努力をすべきだと思います。

 そして感染したら「感染を広げない努力」や「生き続ける努力」も必要です。そのための検査、そのための病院です。何をためらうことがあるのか。今すぐにでも保健所で無料匿名検査を

関連:医学処 副作用の少ない新しいタイプの抗HIV剤を開発
   医学処 遺伝子を組み替えたヒトのT細胞内のHIVを完全に消滅させることに成功
   医学処 エイズを他人事だと思っている馬鹿に寄せる手記
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「かもしてころすぞ」ユッケから腸管出血性大腸菌O-157

O-157感染 金沢の焼肉店で食中毒

 7月28日金沢市内の焼肉店で食事をした男女7人が、下痢や腹痛などの食中毒の症状を訴えました。また、患者からはO-157も検出されています。

 食中毒があったのは金沢市吉原町の焼肉店コリアンハウス森本店です。

 金沢市保健所によりますと7月28日、コリアンハウス森本店で食事をした会社の仲間25人の内10代から50代までの男女7人が7月31日から8月6日にかけて下痢や腹痛などの症状を起こしました。

 いずれも軽症ということですが症状を訴えた人の内20代の女性一人が今月7日に医療機関で受診し検査したところ腸管出血性大腸菌O-157が検出されました。

 このため保健所が直ちに他の24人を検査したところ合わせて8人がO-157に感染していることが分かりました。

 金沢市保健所ではレバーやユッケなどの生食用の食材が原因と見て14日と15日の2日間コリアンハウス森本店を営業停止処分にし施設の清掃、消毒の実施を指示しました。

 金沢市の飲食店でのO-157による食中毒は今回が初めてです。

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 夏まっさかり。先日も児童が腸管出血性大腸菌O-157に感染したりしています。飲食店側も客側も、徹底しましょう。死に繋がりかねない菌です。できるだけ生食は避けるように。
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2006年08月13日

鳥インフルエンザの恐怖。インドネシアの死亡者数が世界最多の44人に

鳥インフルエンザ死者、世界最多の44人に インドネシア

 世界保健機関(WHO)は10日、インドネシアで今月に入ってから死亡した2人の、鳥インフルエンザH5N1型ウイルス感染を確認した、と発表した。インドネシアにおける高病原性鳥インフルエンザ死者はこれで、世界最多の44人になった

 WHOによると、今月7日に死亡した西ジャワ州の少年は、鳥インフルエンザで死んだと見られる鶏と接触していた。 少年の母親は、「テレビで見て、鳥インフルエンザのことは知っていた。でも、自分の息子の体調が悪くなったとき、鳥インフルエンザだとは思いもしなかった」と話している。

 ジャカルタ州の16歳少女は、今月8日に死亡。調査の結果、少女の自宅では屋内でハトを飼っていたほか、近所では屋外で鶏を飼っていたという。

 昨年末まで、死者42人と最も被害の大きかったベトナムでは、感染拡大を防ぐための対策が徹底され、今年に入ってから感染者が発生していない。一方、インドネシアでは逆に、今年に入ってから感染者、死者ともに急増。資金不足などを理由にしたインドネシア政府の対応の遅さに、各方面から非難が高まっている。

 WHOによると、高病原性鳥インフルエンザの感染者は10日現在、世界10カ国で236人に達し、このうち138人が死亡している

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医学処 鳥インフルエンザの恐怖。インドネシアの死亡者が40人に

 236人中138人が死亡。驚異的ウイルスです。ベトナムのように徹底した対策が強く求められます。インドネシアでこの勢いで増えてしまうと、アジア全域には一気に広がってしまいます。なんとしてもそれだけは避けたいところです。

関連:医学処 鳥インフルエンザが人から人へ感染りにくいワケ
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アフガニスタンでポリオが急増。

アフガンでポリオ急増 情勢悪化の南部に集中

 アフガニスタンの保健当局者らによると、同国内で今年、ポリオ(脊髄性小児まひ)の症例が急増している。特に、イスラム原理主義勢力タリバーンによる攻撃が激化している南部での発生が目立っているという。

 今年に入って報告されたポリオの症例は24件と、すでに昨年1年間の9件を大幅に上回った。1件を除き、すべて南部の州に集中している。

 当局者らは背景となっている要因として、(1)激化する暴力(2)公共保健サービスの整備の遅れ(3)地方指導者との連絡不十分――などを挙げる。同様にポリオの問題を抱える隣国パキスタンとの間で、人の移動を管理する体制が確立されていないことも、懸念材料のひとつだという。

 アフガン南部では今春以来、タリバーン勢力が攻勢を強め、これまでに900人以上が死亡。7月末に南部の治安維持権限を米軍から引き継いだ北大西洋条約機構(NATO)主導軍でも、すでに11人の死者が出ている。

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 日本ではポリオワクチンが徹底しているのでまず大丈夫ですが、発展途上国の問題から目をそむけるわけにはいきません。
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2006年08月07日

C型肝炎インターフェロン治療は専門医の有無で方針が異なる

C型肝炎インターフェロン治療、医療機関で大きな違い

 C型肝炎患者のインターフェロン治療に関する考え方が、医療機関によって大きく違うことが久留米大などの調査で分かった。肝臓専門医がいる病院では70歳以上の高齢者にも勧めていたが、専門医がいない診療所では「高齢」を理由に勧めていなかった。インターフェロン治療に対し、患者の側には「副作用が心配」との見方が強いことも分かった。

 久留米大の佐田通夫教授(消化器内科)らと日本製薬工業協会医薬産業政策研究所が、九州のある地区の1病院と7診療所に通う患者254人の治療法などについて患者・医師双方に尋ねた。

 肝臓専門医がいる病院では90%の患者にインターフェロン治療を勧めていたが、専門医がいない診療所では39%だった。その差は高齢の患者で特に大きく、診療所で勧めない理由も「高齢のため適さない」が47%で最も多かった。

 一方、この治療を勧められながら同意しなかった患者では、「副作用が心配」(75%)が最大の理由だった。

 結果について、佐田教授は「高齢者ほど肝がんのリスクがあるので、専門医は高齢者にもインターフェロンを使っている。病院と診療所の連携が必要だ」と言う。

 C型肝炎の患者・感染者は国内に約200万人いるとみられ、慢性肝炎から肝硬変や肝がんに至るリスクがある。肝がんの約8割はC型肝炎ウイルスが原因とされる。

 だが近年、C型肝炎ウイルスを抑える注射薬インターフェロンの改良が進み、抗ウイルス薬との併用治療法が効果を上げている。肝がん発生を抑えることもできる。最近普及してきた方法では、週1回の注射を半年〜1年続ける。最初の2週間は入院が勧められ、その後は通院で治療できる。

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 ううむ。技術の差か。連携が進まないとますます診療所と病院との格差が進んでしまいますね。本当は均一が一番なのに。情報交換が必要です。そのためには医者の、勉強する姿勢が大事。

関連:医学処 C型肝炎訴訟、原告側が勝訴!
posted by さじ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月06日

国立感染症研究所がエイズワクチン論文で捏造?

エイズワクチン論文を訂正 国立感染研

 厚生労働省直轄の国立感染症研究所が10億円以上の国費をかけて開発している国産エイズワクチンで、同研究所チームがサルで有効性を証明したと昨年発表した論文に誤りがあり、訂正されることが分かった。感染研は「結論に影響はない」とタイでの臨床試験を目指す構えだが、チームは03年に発表した関連論文では、誤りの指摘で論文を撤回もしている。撤回と訂正が続き、日本のエイズワクチン研究は、信用が揺らぎかねない情勢だ。

 訂正されるのは、感染研エイズ研究センターの本多三男・第一研究グループ長らのチームが、米国微生物学会の専門誌の昨年10月号に発表した論文。結核予防のBCGと、天然痘ワクチンで遺伝子の一部をそれぞれエイズ用に組み換えた2種類のワクチンをサルに連続して使う実験で、ウイルス感染を抑える効果があったという内容だ。

 ところが今年3月、所内の研究者が「本多氏から事前に示された実験結果と、掲載された論文に食い違いがある」と感染研幹部に告発。エイズ研究センターが「論文不正疑惑」に関する内部審議委員会を設けて調べたところ、(1)ワクチン接種スケジュール表の数値に誤りがあり、(2)サルの免疫反応の値のばらつきを実際の5分の1に表示していた、ことが分かった。

 委員会報告書では誤りの原因を、「実験データの管理の不備」などとした。データの訂正後も掲載論文の結論に相反するものではなく、「悪意のあるデータ改ざんやデータ捏造には当たらない」と結論づけ、論文の訂正を求めた。また、これを教訓にして、独自の研究記録ノートの整備や、実験記録の原則5年間保管などの対策を示した。

 本多氏らは求めに応じて図表などの訂正を雑誌編集部に伝え、近く掲載される見込みという。

 一方、チームが同じ雑誌の03年12月号に発表した関連論文では、今回内部告発した研究者が「26日観察した後に処分したサルが、12週間観察されたことになっている」と疑問を指摘。本多氏らは昨年3月、この論文を撤回していた。

 本多氏は「撤回した論文は、2カ所で行っていた似た実験の混同があった。多くの人が関与して膨大な実験をしており管理にも問題があった。みなさんにご迷惑をかけて申し訳ない。今まで間違いにはきちんと対応してきた」と釈明している。

 感染研の宮村達男所長は「研究データの処理には不十分さがあったが、捏造や改ざんといった悪意に基づくものではないと受け止めている。研究所としては論文の結論は正しいと考えており、ワクチンの実現に向け、さらに努力したい。研究データの管理をきちんとし、こうした問題が二度と起きないようにする」と話している。

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 成果がでないと資金がもらえないのでしょうか。でも成果が出たように誤魔化すのは「研究者のプライド」の問題だと思います。

 それに医療系の研究は、人間に用いられるものです。そこにごまかしがあってはいけませんね。
posted by さじ at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月05日

蚊にさされないための総合知識

蚊に好かれないための心掛け…清潔と生活環境

 蚊に悩まされる季節。専門家によると、蚊は誰彼かまわず刺しているようにみえても、実は“好みのタイプ”があるという。それは、ビール好きで、太り気味、さらに汗っかきで色黒の人。まさにお父さん世代は蚊の格好の標的なのだ。そのうえ、家の周囲に蚊の発生源となる水たまりがあれば、もうアウト。だが、こうした蚊の習性や好む条件を逆手にとれば、蚊に刺されにくい生活ができるはず。夏本番、万全の対策を立てて、快適に過ごそう。

 「蚊が嫌い」だからこそ蚊の専門家になったという害虫防除技術研究所(千葉県八千代市)の白井良和代表(37)によると「蚊が人を感知するのは、二酸化炭素、熱、水分、においなどです」。

 これらの分泌量が多いほど蚊が近づきやすくなるわけだ。また、蚊は色を識別できないため濃い色に近寄る傾向がある。これを身体的条件にあてはめると、「ビール好き、体温が高い、汗っかき」で、「体脂肪や皮脂分泌が多く、色黒」といった像が浮かび上がる。まさに、おじさんそのものではないか。

 「ビールを飲んだ後は、吐く息に二酸化炭素が増え、酒中の有機物のにおいが蚊を引き寄せてしまう」と同代表。体温の高さや肌のみずみずしさは「熱」「水分」にあたり、「汗っかきは、蚊が汗に含まれる乳酸などの化学物質を感じているのは確かです」(同代表)という。

 そのうえ、黒っぽい服を好み、ゴルフ焼けして色黒とくれば、蚊の標的にならないわけがない。ならば、この逆を心掛ければ蚊にさされにくくなるはず。同代表がすすめる対策は「顔を洗う、服をまめに着替えるなど、常に清潔にすること」。服装は肌の露出を避け、襟のあるシャツを着る。ズボンは厚めの生地で、ゆとりのあるデザインを選ぼう。

 「ダブっとした服装は生地と肌との間に空間があき、蚊が生地の上から刺そうとしても口針が届かない。色は黒や赤、青などの濃い色を避け、白や黄色にするのがいいでしょう」(同代表)

 一方、生活環境を整えるのも蚊対策には重要。肝心なのは、蚊の発生源である屋外の水たまりをなくすことだ。

 「車止めの廃タイヤにたまった水は捨て、バケツ、花立てはひっくり返す。植木鉢は受け皿に水たまりができるため、家の中に置きましょう」これを近隣と協力して実行すればさらに効果的で、「人の間に垣根はあっても、蚊に垣根はないからです」と白井代表。

 また、室内に蚊を入れない注意も大切だ。ドアは開けっぱなしにせず、出入りは素早く、入るときはドア付近をたたいて周囲の蚊を追い払う。網戸の破損箇所は修理し、すき間を作らないこと。

 万全の対策で、蚊が近寄らない暮らしを実現、快適な夏を過ごそう。

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 蚊の話をするだけで何だか痒くなってきました。蚊のさされやすい体質、さされにくい体質っていいますよね。あれは皮膚からの分泌物の違いなのでしょうか。自身も外も、清潔が基本ということで。

関連:医学処 蚊に刺されにくい人の身体から出ているにおいで虫除け剤を作る
   医学処 10円玉を水槽に入れておけば蚊の発生を抑制できる

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posted by さじ at 21:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | 感染

ウイルス量で疲労度を測定。方法は「なめるだけ」でOK

なめるだけで疲労測定 慈恵医大教授が開発へ

 ぺろりとなめるだけで疲れの程度がわかる。そんな簡単な疲労検査が数年で実現しそうだ。残業時間に比例して、体内にすみ着いているウイルスが唾液中に増えることを慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らが突き止め、22日、大阪市であった日本疲労学会で発表した。ウイルス量が疲労度の目安になるので、なめるだけでだれでも簡単に疲労を測れる方法の開発につながり、過労死を防ぐ有力な手がかりになるという。

 このウイルスはヘルペスウイルスの一種のHHV6とHHV7という。乳幼児の病気である突発性発疹の原因ウイルス。ほとんどすべての日本人が幼い頃から体内に持っていて、成人なら病気を起こすことはない。

 近藤教授らは、残業がない定時の仕事をしている事務職の20人と、1日5時間以上残業している研究職や営業職の40人の唾液で、これらのウイルス量を測った。

 その結果、残業のない人では、唾液1ミリリットル中のHHV6が平均500個、HHV7は平均5千個だった。これに対し、残業が多い人では、どちらも10倍以上検出され、残業時間が多い人ほど多かった。当直を繰り返している外科医ら、不規則な生活リズムで厳しい長時間労働をしている人は、1週間休んでもウイルスは減らなかった

 04年の文部科学省研究班の調査で、疲れが半年以上続いている勤労者は約3千万人に上り、うち240万人は疲れのため休・退職に追い込まれている。近藤教授は「リトマス試験紙のような、なめるだけで疲労のたまり具合が分かる簡易キットを2、3年のうちに開発できると思う」と話す。

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 残業しただけで免疫システムは衰えるんですねぇ。特に医師などのハードワーカーにとっては深刻でしょう。免疫システムが常に低下している状態で、患者さんと接するようなものですからね。
posted by さじ at 00:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

2006年08月04日

ジフテリア&破傷風予防接種で、通常の5倍の量を投与し続ける

予防接種ミス:2種混合、小学校6年11人に量5倍−−大垣 /岐阜

 大垣市は31日、小学校6年生を対象とした2種混合(ジフテリアと破傷風)予防接種で、医師が誤って11人に本来の5倍の量の0・5ミリリットルを接種したと発表した。接種後に接種部位が赤く腫れた児童もいたが、その後の副反応などはなかったという。

 接種対象は市内の1625人。乳幼児時期の3種混合(ジフテリア、破傷風、百日ぜき)の免疫を確実にするため、市が市内57医療機関に委託して実施しているもので、ミスがあったのはこのうち1医院。

 予防接種の接種量は3種混合を含めほとんどが0・5ミリリットルのため、医師が7月6〜25日に勘違いして接種。同日になって誤りに気づき、翌日、市に報告した。

 市は各医療機関に接種量を周知徹底するとともに、依頼文に予防接種の種類や接種量を分かりやすく記載するなどして再発防止に取り組むという。

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 些細なミスなんでしょうけれど、予防接種には反対している親もおられるようですし、このあたりの信頼度を失ってはいけないと思うところです。

 何故予防接種に反対するのかというと、副作用で脳症になったとか、そういう危険性を回避したいからなんですよね。でもまあほとんど起こりませんし、神経質になることはないのですが、それでも「親」は子に受けさせないことがあります。実際にはその子供を感染源にして媒介してるようなものですがね。

関連:BCG生ワクチンとポリオ生ワクチンの間には4週間以上あけなければいけない
posted by さじ at 09:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

埼玉医大の多剤耐性緑膿菌集団感染は、院内感染の可能性が高い

埼玉医大の多剤耐性菌…院内感染の可能性

 埼玉医大病院(埼玉県毛呂山町)で、2年間に入院患者約100人から抗生物質の効かない多剤耐性緑膿菌が検出され、うち6人が死亡していた問題で2日、同病院の調査委員会(委員長=木村哲・東京逓信病院長)の初会合が開かれ、木村委員長は、院内感染の可能性が高いとの見方を示した。

 木村委員長は「病棟と感染者の分布を見ると、集合的に発生しているケースがいくつかある」と説明。死亡した6人のうち2人については、「死因に緑膿菌感染が関係していることが、否定できない」と話した。今後、菌の遺伝子を判別する検査の結果を待ち、感染源についての結論を出す。

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 まあ、そりゃ、院内感染が一番考えられますわな。菌の遺伝子を解明すればどこが出所なのかもわかってしまう時代なんですねぇ。

関連:医学処 埼玉医大で多剤耐性緑膿菌の集団感染。100人中6人が死亡
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posted by さじ at 09:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染