「ブルセラ」犬119匹を処分 大阪府、混乱避け早朝に 大阪府和泉市内の犬の繁殖販売業者の飼育犬が、
流産などを繰り返す「ブルセラ症」に集団感染した問題で、府は28日未明、蔓延防止のため感染反応が出た陽性犬119匹の安楽死処分を行った。処分は当初、2月に実施する予定だったが、現場で動物愛護団体らが抗議したため延期され、2カ月にわたり両者のにらみ合いが続いていた。府は処分について「感染拡大防止のため苦渋の判断」と説明している。
処分は府の獣医師14人が午前4時45分から8時40分まで、注射で睡眠薬を過剰投与して行った。府では同日中に死骸を岐阜県内の施設に運搬し、焼却処分する方針。一方、感染しなかった陰性犬113匹については6月以降、飼育希望者に譲渡する。
集団感染は昨年12月に発覚。府は、まれに人間に感染する恐れがある上、問題の繁殖業者が経営破綻して飼育できない状態だったため、約260匹の犬を引き取る形で管理していた。
処分は今年2月、日本動物福祉協会(東京)など外部専門家らでつくる「ブルセラ病感染犬等救援本部」が「
治療しても再発の可能性が高く、感染拡大の恐れがある」として安楽死の方針を決定。2月27日に処分しようとしたが、動物愛護団体らによる抗議活動で中止。さらに団体側は殺処分禁止を求める仮処分を大阪地裁に申請したが、4月12日に却下され、即時抗告の最中だった。
今回の処分について、府動物愛護畜産課は「救援本部会議の方針に従い、苦渋の判断で処分した。早朝に実施したのは混乱を避けるため」と説明している。一方、抗議活動を続けてきた動物愛護団体「アーク・エンジェルス」(大阪市都島区)の林俊彦代表(60)は「殺処分差し止めについて高裁、最高裁の判断を仰ぐつもりだったのに、処分を強行する府は許せない」と話している。
でも人にうつる可能性もあるわけですから、処分は仕方ないのでは。勿論、無計画な繁殖を行った人間が一番悪いのですが。動物愛護団体としては、犬を隔離すればいいと思っているのかもしれません。でもその犬にエサを与えたり、隔離場所を掃除するのは一体誰がやるのでしょう。
ブルセラ症は、接触だけでなく、
飛沫感染もします。要するに体を保護すればいいっていう話ではありません。加えて、ブルセラ症の治療法は100%ではないので、殺傷はやむをえないとした府側の判断は正しかったと思いますが。
ブルセラ症の症状などについては下記リンクを参照してください。
【用語解説】ブルセラ症 人畜共通感染症のひとつで、ブルセラ菌に感染して起こる。名称は病原菌を発見したイギリスの学者の名前にちなんで付けられた。感染した動物との接触や非加工乳製品を食べて人に感染するケースがごくまれにあり、人への感染は国内では平成11年以降、5例が報告されている。症状は
発熱、発汗、頭痛、体力消耗などで重症の場合は脳炎や髄膜炎を引き起こす。犬同士の感染は、交尾や経口が感染源となり、一般症状はないがオスは精巣炎、メスは死流産や子宮内膜炎を起こす。
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