[感染]の記事一覧

2013年09月22日

川崎病の罹患者、年々増加の怪

川崎病、最高の発生率を更新中 12年は年間1万3917人、「静かな大流行

 日本に多発する、原因不明の乳幼児の病気「川崎病」の患者数が2011年は1万2774人、2012年は1万3917人で、り患率は2010年から3年連続で毎年、史上最高を記録し続けていることがわかった。特定非営利活動法人日本川崎病研究センター(川崎富作理事長)の協力で調査した自治医大公衆衛生学教室(中村好一教授)は、2013年9月27日、富山市で開かれる日本川崎病学会でくわしい報告をする。

 同大は1970年から2年に1度、患者の全国調査をしている。今回の第22回調査は小児科のある100床以上の病院と小児科専門病院が対象で、7割の1420病院が回答した。川崎病は1982年に1万5519人、1986年に1万2847人の突出した大流行をはさんで年々増えつづける「静かな大流行」傾向にある。

 5歳児未満人口に対するり患率をみると、出生率が低下していることから、2007年以降は1982年を上回っている。2012年は同人口10万人に対し264.8人と最高記録を更新、患者の数でも1986年を上回り、史上2番目を記録した。これまでの患者総数は29万9440人になった。

 従来通り、男児が女児の1.37倍と多かった。両年とも1月の患者数が多く、春から夏の発病が増えている。生まれたばかりの乳児は少ないが、その後増え、9か月から11か月をピークのカーブで減少する。

 2009年に徳島、長野、京都、熊本などのり患率が高かったが、翌年は隣接県、翌々年はさらに回りへと広がる傾向があった。今回のデータからも、何らかの感染症が関係している可能性が示唆された。

 川崎病は心筋梗塞が一番怖いが、急性期に心臓異常があった子どもは 9.3%、治療後に後遺症が残ったのは 2.8%だった。1997年98年の20.1%、7.0%以降、年々、異常の率が下がってきている。

 軽症化の一方、年々の患者数急増は放置できない。グループは学会で「原点に戻り、原因究明に全力を」と訴える。



 ここまで有名な疾患であるにもかかわらず原因がなかなか究明できないというのも凄いですね。やはりありふれた細菌感染症説が有効か??見落とすと心臓を取り囲む冠動脈に影響甚大なので、早期治療が期待されます。
posted by さじ at 10:03 | Comment(0) | 感染

2013年04月14日

乳児へのロタウイルス予防接種は成人の感染症も減らす

乳児へのロタ予防接種は大人の感染も減らす―米国

 ノロウイルスの脅威が去った時期に流行するのがロタウイルス。ともに嘔吐と下痢が主な症状で、ロタウイルスはより重症度が高いといわれている。日本でもワクチン(商品名ロタリックス、ロタテック)が承認されているものの、自費で受けなければならない。一方、世界では政府の援助による定期接種を行っている国もある。その一つである米国では、定期接種化(乳児対象)から2年で成人のロタウイルス感染率が半減したとの研究結果が、1月23日発行の米医学誌「Clinical Infectious Diseases」(電子版)に発表された。報告した米エモリー大学のEvan J. Anderson氏らは「乳児への予防接種が地域でのロタウイルスの広がりを減らし、成人の感染率も減少させたのではないか」との見解を示している。

 ロタウイルスによる胃腸炎は、ノロウイルスとともに病院などで「感染性胃腸炎」と診断される病気。高熱と2〜3日続く嘔吐、10日程度続く下痢が特徴で、特効薬がないため脱水症状を防ぐ以外に治療法がない。そのため、重要になるのが予防だ。予防法としては、手洗いや食べ物への十分な加熱などとともに、ワクチンが挙げられる。

 米国ではロタウイルスワクチンが定期接種化される以前、ロタウイルス感染症に関連した病院受診は年間2,400万件、入院は240万件と推計されている。乳児への定期接種が導入されて以降、接種した子供だけでなく接種していない子供でもロタウイルス感染症の減少が確認されているという。

 Anderson氏らは今回、米シカゴの2病院を下痢で受診した成人患者のうち、定期接種導入前(2006〜07年)から導入後2年間(2008〜10年)の流行期(2〜5月)に集められた3,530人分の便を分析した。

 その結果、ロタウイルスの検出率は導入前の4.35%から導入後には2.24%と減少。外来患者と入院患者で減少の程度は変わらなかったという。

 今回の結果について、Anderson氏らは「乳児への定期接種で地域でのウイルスの広がりが減り、成人の感染が減少していることを示唆するもの」と評価。一方、ロタウイルスの流行株(ウイルスの型)はインフルエンザのように年ごとに変わるため、流行株が変わってもワクチンの間接予防効果が続くのか、調査の継続が必要と述べている。



 日本も定期的な接種が必要になってくるんでしょうなぁ。
posted by さじ at 12:01 | Comment(0) | 感染

2013年02月02日

Clostridium difficile菌の治療には抗生剤より他者の便が効く

下痢治療の切り札は「他人の便」? 標準治療上回る効果

 粘膜を破壊する毒素を持つディフィシル菌(Clostridium difficile)に感染すると、より症状が重い下痢に悩まされる。特に再発を繰り返すケースでは抗生物質を飲んでも効かない場合多く、治りにくいことで知られている。こうした中で報告されたのが、健康な人の便を十二指腸に注入する方法だ。オランダ・アムステルダム大学学術医療センターのEls van Nood氏(内科)らは、再発を繰り返すディフィシル菌感染症患者を対象に、これまでの報告よりも精度の高い研究手法でこの方法を検討。その結果、抗生物質(バンコマイシン)による標準療法よりも有効な可能性が示されたと、1月16日発行の米医学誌「New England Journal of Medicine」(電子版)に報告した。

 ディフィシル菌感染症を初めて再発した場合、バンコマイシンによる治療が効く確率は6割程度。再発を繰り返すたびにこの確率は下がっていくという。再発する原因は、毒素に対する抗体の反応が鈍くなることのほか、腸内細菌の種類が偏ることなどが考えられている。

 そこで提案されたのが、ディフィシル菌感染症患者の腸内を洗浄した上で、健康な人の便を移すことにより、腸内細菌叢が正常な状態に戻るのではないかという考え方。これまでも、フィンランド・ヘルシンキ大学中央病院のEero Mattila氏ら(米医学誌「Gastroenterology」2012; 142: 490-496)など複数の試みが報告され、その有効性が主張されていた。

 van Nood氏らは、これらの報告を裏付けるため、より精度の高いランダム化比較試験※という手法で検討。再発性ディフィシル菌感染症患者43人を、下記の3グループにランダムに割り付けた。

 有害事象(副作用)については、便注入群で注入当日に軽度の下痢と腹部の痙攣痛が認められたことを除けば、3群間で差はなかった。

 さまざまな分析方法で腸内細菌叢を見てみたところ、便注入後には提供者と同じレベルにまで改善していた。つまり、健康な人の便を注入することで腸内細菌のバランスが改善し、下痢が治癒したということだ。

 以上の結果からvan Nood氏らは、便注入療法は再発性ディフィシル菌感染症に対する有効な治療法であるとランダム化比較試験によって示されたと指摘。「とりわけ、再発を繰り返し、バンコマイシンが効かない患者には朗報かもしれない」と締めくくっている。



 これは、前々から言われていましたよね。実際にバンコマイシンより効果があるっていうことで、証明されたということですかね。

 抗生剤を使うと他のところに影響出たりするんで、こういう治療法が可能なら日本でも広まってほしいですね。
posted by さじ at 09:00 | Comment(0) | 感染

2012年07月21日

恐ろしく痛くなる病気、尿路結石について知っておこう

サンド富澤、尿路結石でショック

 お笑いコンビ、サンドウィッチマンの富澤たけし(38)が20日付のブログで、尿路結石を患っていることを明かした。ブログによれば、最近血尿などもあり、疑いは持っていたとか。15日の朝、腹部の激痛で目覚めた。痛みで立てないほどだったが、痛み止めでやり過ごしながら、仕事のため香川へ。鈍痛を痛み止めで抑えながらも、「トイレ」というショートコントで思い出してしまったり、「ネタ中に激痛がやってきたら…」と考えて集中できなかったり、ファンから声をかけられても笑顔がひきつってしまったという。2回の舞台を終え、帰京して病院へ。尿検査や血液検査、CT、エコーなどで調べた結果、予想通り尿路結石と診断された。「オッサンの病気だと思っていた病が自分に降りかかった」とショックを受け、「激痛がいつ来るかもわからない」「結石が無事に体外に出てくれるのを今は祈るしかない…」と不安を抱えながら、仕事を続けているようだ。



仙台市長が尿管結石で入院 1週間程度

 仙台市は1日、奥山恵美子市長(61)が尿管結石のため市内の病院に入院したと発表した。1週間程度入院する予定で、職務代理者は置かない。市によると、奥山市長は6月30日夕、自宅で突然、背中に痛みを感じたという。



晩年も創作意欲を失わず、長寿を保ったミケランジェロ

 米国ジョージタウン大学の循環器科医Espinelはヘラクレイトスとされる人物の右膝の皮下に黄白色の結節があること、ミケランジェロが尿路結石に苦しんだ記録があることから、これが痛風結節であるという仮説を提唱した。

 痛風はエジプトのパピルスやヒポクラテスの書物にも記載される病である。古代マケドニアのアレキサンダー大王や太陽王ルイ14世、精力絶倫の英国王ヘンリー8世、プロシアのフリードリッヒ大王、東洋では元のフビライ帝や清の皇帝たちが罹患したため、帝王病と言われている。

 1848年にギャロットが痛風と尿酸の関係を指摘し、20世紀になって血中尿酸値が測定できるようになると、その病態が明らかになった。37度の体温で尿酸が6.8mg/dLを超えると過飽和になり、関節や腎臓でpHが下がると結晶を生じて炎症の原因になる。

 核酸が代謝されるとヒポキサンチン、キサンチンを経て尿酸になる。多くの哺乳類では尿酸酸化酵素によって無害な尿素になるが、霊長類では3カ所の突然変異があって活性を消失している。不利な高尿酸血症をもたらす変異遺伝子が広まったのは、尿酸に強い抗酸化作用があり、ビタミンCを生体内で合成できなくなった霊長類が、果物が採れた森林から狩猟採集のために草原に出ていった時、尿酸値の高い個体群のほうが有利であったからという。

 尿酸値が高いと攻撃的な性格になりやすいという説もある。先天的に尿酸値が異常に高いLesch Nyhan症候群では自傷行為を伴う攻撃性が問題となるが、痛風発症の重要な要因は肉食やストレスの多い生活とともに、攻撃的な性格とされる。ミケランジェロは同郷の先輩レオナルドやパトロンであったメディチ家の人々、教皇と度々衝突し、友人の少ない狷介な人物だったというが、それを裏付けるかもしれない。



 尿路結石というのは、要するになんかの理由で尿の通り道に石が出来てしまい、めっちゃくちゃ痛くなる病気です。

 夏になるとなんか尿路結石が多くなるような気がするのはやっぱり脱水が影響あるんでしょうかね。尿路結石はとんでもなく痛いといいますが・・・。

 っちゅーことで、夏に向けて、ちょっと尿路結石についてまとめます。

-----

★下部尿管の結石は、頻尿や残尿感を伴うことが多い。

☆診断の流れ:
まず超音波検査で、水腎症(要するに尿路が詰まって腎臓から尿管が尿でパンパンになる)の有無を確認し、KUBという泌尿器科特有の腹部レントゲン画像と尿潜血で診断を確定する。

Point:小さい結石やレントゲン透過性の結石があるため、レントゲンでうつらないことも多い。診断の確定が困難ならば迷わず単純CTをとる。

☆治療の流れ:
痛みの原因が結石ならば、排石促進薬と鎮痛薬がファーストチョイス!

鎮痛薬について:
1 ボルタレン座薬25〜50mgを6時間ごとに投与。超痛いから。
2 ペンタジン15mgを筋注または静注。超痛いからこういう薬も辞さない。
(痛みが強いならペンタジンを先に使ってもいい)

 でも基本はボルタレンを使う。NSAIDSは尿管を開くから!

鎮痙薬、排石促進薬について:
1 チアトン(10mg)3T3x 毎食後
2 ウロカルン(225mg)6T3x 毎食後

☆両側尿路結石による水腎症や嵌頓による尿閉のときは超ヤバいので緊急ドレナージが必要。泌尿器科コンサルトへ。

大きさの違い
・結石が5mm以下で感染徴候なしならば飲水・運動などの保存的治療で自然排石を期待できる。
・結石が5mm以上ならば砕石が必要となることが多いので泌尿器科へ

☆アスピリン喘息がある人ならばボルタレン禁忌。
☆妊娠末期の患者にも禁忌。陣痛減弱作用があるため。ブスコパンを使う。

★結石に合併する尿路感染に対して漫然と抗菌薬を投与しない。
posted by さじ at 02:54 | Comment(0) | 感染

2012年05月19日

日本医大病院のICUで多剤耐性アシネトバクターが検出される。

集中治療室で11人院内感染 日本医科大病院

 日本医科大病院(東京都文京区)の集中治療室に入院中の患者11人から多剤耐性細菌のアシネトバクターが検出された。うち6人が死亡したが、病院は「もとの病気が原因で院内感染との関係はない」と説明している。

 同病院によると、2月16日に集中治療室に入院していた60代男性患者の血管カテーテルから菌が検出された。5月7日までに他の入院患者10人のたんや血液からも菌を検出。うち6人が亡くなり、現在も男性患者1人が入院している。感染経路は不明という。

 病院は、職員の衛生管理や機材の消毒などを徹底したが、感染者数が10人を超えたため、今月2日に都や文京保健所などに報告。8日にホームページで公表した。同病院では2010年にも、高度救命救急センターで入院患者14人からアシネトバクター菌が検出された。



 対策してもしても出てしまうのが院内感染。病院側が悪いわけじゃないんですけどもね、もともと病気で免疫力ガクっと落ちてるわけですし。多剤耐性菌とはいえそこらへんにいるわけで。まぁこれ以上増えないように徹底した管理が必要なんでしょうけれども。大病院である以上院内感染とは常に闘いなんでしょうねぇ。
posted by さじ at 03:36 | Comment(0) | 感染

感染症で発熱する原子レベルの仕組みを大阪大が解明する。

発熱してばい菌退治=原子レベルで仕組み解明―大阪大

 ヒトが発熱することで、血液中の白血球がばい菌を退治する原子レベルでの仕組みを、大阪大医学系研究科の藤原祐一郎助教(生理学)らの研究グループが解明し、8日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。

 同助教は「将来的に、抗生物質を使わずに免疫力を高め、ばい菌を殺す薬ができるのではないか」と話している。 



 熱が出るってのはある意味正常なことですからね。身体の防衛反応ですので。

 私は基本的に38度出ようが自分には解熱剤使いませんね。必要なんだもの。勿論「こりゃ必要な熱だわな」と思うから使わないわけですけど。
posted by さじ at 03:26 | Comment(0) | 感染

2012年04月28日

ベロ毒素を無毒化する化合物を同志社大が開発する。

「ベロ毒素」無害化する化合物、同志社大が開発

 オー157などの腸管出血性大腸菌から放出され、重い食中毒の原因となる「ベロ毒素」を無害化する化合物を、同志社大生命医科学部の西川喜代孝教授らの研究グループが開発した。

 投与が早いほど有効で、重症化を防ぐ薬剤開発への応用が期待される。

 ベロ毒素は、血管の細胞に侵入して死滅させるため、毛細血管の多い腎臓や脳にダメージを与える。溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などに進行すると、死亡する場合もある。

 グループは20種類のアミノ酸を様々に組み合わせ、毒性の強い2型のベロ毒素と最も強く結合するものを選別。この化合物と結合した毒素は、不要なたんぱく質を処理する細胞内器官「リソソーム」によって分解されることを確認した。



 一時期の食中毒騒ぎで認知されることになったベロ毒素ですが、ようやく治療薬のようなものの兆しがみえてきたようです。あと数年すれば特効薬として全国的に配備されるんでしょうなあ。
posted by さじ at 20:35 | Comment(0) | 感染

2012年03月02日

タミフルは合併症や入院を防ぐわけではないらしい。

タミフルの効果の如何は

 医学研究の信頼性を検証する国際研究グループ「コクラン共同計画」(本部・英国)は17日、インフルエンザ治療薬タミフルが重症化を防ぐ効果を疑問視する報告書を発表した。

 タミフルは世界で広く使われ、特に日本は世界の約7割を消費している。各国が将来の新型インフルエンザの大流行を防ぐため備蓄を進めており、その有効性を巡り議論を呼びそうだ。

 報告書は、製薬会社に有利な結果に偏る傾向がある学術論文ではなく、日米欧の規制当局が公開した臨床試験結果など1万6000ページの資料を分析。タミフルの使用で、インフルエンザの症状が21時間ほど早く収まる効果は確認されたものの、合併症や入院を防ぐというデータは見つからなかった。報告書は「当初の症状を軽減する以外、タミフルの効果は依然として不明確」と結論、「副作用も過小報告されている可能性がある」と指摘した。



 まぁでも、インフルエンザ症状がおさまるなら、大多数には有用でしょうねぇ。

 ただ重症リスクのある人に投与しても、重症化は防げないと。

 タミフル神話も崩壊か?日本はホイホイ使ってますしねぇ。
posted by さじ at 23:55 | Comment(0) | 感染

2012年01月30日

今年も猛威をふるうノロウイルス。山口大学病院を急襲。

ノロウイルスに入院患者ら感染 山口大病院

 山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)で、入院患者と職員の計30人以上が吐き気や下痢の症状を訴え、このうち2人からノロウイルスが検出されていたことが27日、分かった。同ウイルスの集団感染による急性胃腸炎とみられる。重症者はおらず、感染は終息に向かっているという。

 病院の説明によると、16日と17日にそれぞれ入院患者1人が発症、ノロウイルスの陽性反応があった。21日には職員11人を含む計28人が同様の症状を訴えたため、病棟の一部を閉鎖するなどして感染防止措置をとった。同病院での集団感染は初めてと言い、感染経路を調べているという。岡正朗院長は「保健所と連絡をとりながら対応しており、幸い重症の患者さんがなく、終息に向かっている」と話した。



 ノロは強力すぎて、病院が頑張ってもなかなか防げるものではないですね。面会を完全にシャットアウトするわけにもいきませんし。

 それでも立ち向かってゆく、あくまで予防に徹底するのが医療従事者のあるべき姿勢なのです。
posted by さじ at 01:34 | Comment(0) | 感染

2011年12月05日

多剤耐性菌の耐性の謎を大阪大学が解明する

多剤耐性菌の「耐性」ナゾ解明 阪大、治療薬開発へ一歩

 多くの抗生物質が効かない「多剤耐性菌」は、何種類もの薬をどのように認識してはねつけるのか。そのしくみを大阪大産業科学研究所の山口明人教授らのグループが解明した。細菌の耐性化を防ぐ治療薬の開発につながると期待される。28日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。

 グループは、細菌の表面にある細胞膜に、薬を異物と認めて外にはき出す働きをするたんぱく質があるのを見つけ、その構造を研究してきた。今回、このたんぱく質には、薬がくっつく部位が2種類あることを新たに確かめた。それぞれに複数の「鍵穴」があり、その組み合わせによって、多様な薬を異物として見極めているという。



 この鍵穴のマスターキーのようなものができれば、多剤耐性菌に効く抗生剤もより多く開発できるのでしょう。まぁ、どんなに進歩しても、ピンポイントであてられるような、感染症内科的なスーパースキルが患者のためになるのは間違いありませんが。
posted by さじ at 03:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年09月30日

サメの肝臓のスクワラミンが肝炎ウイルスの抑制に効果あり

サメの肝臓の「スクワラミン」、肝炎などのウイルス抑制に効果

 サメの原始的な体は、肝炎から黄熱病まで、人類をさまざまなウイルスから守ってくれる可能性のある高度な化合物を生産しているとする論文が、19日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。

 化合物の名前はスクアラミン。現在はジョージタウン大学メディカルセンター教授(外科・小児科)のマイケル・ザスロフ(Michael Zasloff)氏が1993年に発見した。今回のプロジェクトでは、ヒトのウイルスに対するスクアラミンの効果が初めて検証された。

 プロジェクトは、ザスロフ氏自身が小型サメの肝臓から抽出したスクアラミンのサンプルを米国中の研究所に送り、テストを依頼したことがきっかけで始まった。

 シャーレで培養、もしくは動物に投与されたスクアラミンは、黄熱病ウイルスのほか、東部ウマ脳炎ウイルスやマウスサイトメガロウイルスを抑制した。病気が完治したと見られるケースもいくつかあった。

 人間においても、デング熱ウイルスの血管細胞への感染や、肝臓細胞を侵すB型およびD型肝炎ウイルスへの感染を抑制する可能性が明らかになった。

 スクアラミンは人体に害はなく、がんや眼病の治療薬として有望視されており、臨床試験も行われている。ザスロフ氏によると、いくつかの初期臨床試験で、スクアラミンは一定のがんと糖尿病性網膜症の両方に対し、有意で期待できる振る舞いを見せているという。



 これは期待。

 わけのわからん健康食品がはびこる前に、研究結果でB肝に効くことを証明していただきたいところ。
posted by さじ at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年09月18日

猫免疫不全ウイルスに耐性のある細胞を持った、緑色に光る猫。

世界の雑記帳:遺伝子操作で「緑色に光る猫」、エイズ治療に道=米研究

 米国の研究チームがこのほど、遺伝子操作により、猫のエイズを引き起こす猫免疫不全ウイルス(FIV)に耐性のある細胞を持った「緑色に光る」猫を生み出した。猫エイズの感染防止のほか、人間の後天性免疫不全症候群(エイズ)研究にも役立てたいとしている。

 科学誌「ネイチャー・メソッズ」に11日掲載された今回の研究では、FIVを抑える働きを持つサルの遺伝子を猫の卵母細胞に注入し、その後受精させた。加えて、遺伝子操作を行った部分を容易に判別できるよう、クラゲの遺伝子も組み入れた。これにより遺伝子操作された細胞は緑色を発色する。

 その結果、遺伝子操作された卵母細胞から生まれた猫の細胞を採取したところ、FIVへの耐性を示したという。また、これらの「耐性」を持つたんぱく質は、猫の体内で自力で作られていた。

 また、遺伝子操作した猫同士を交配させたところ、生まれた8匹の子猫にも操作された遺伝子が引き継がれていた。

 研究を率いたメイヨー・クリニック(米ミネソタ州ロチェスター)のエリック・ポエシュラ博士は、今後は遺伝子操作した猫を実際にFIVに接触させ、ウイルスへの耐性があるかを確かめたいとしている。



 緑に光るのはただクラゲがいただけで、凄いのはウイルスに耐性を持っていることですね。

 人間にも応用できれば、各種ウイルスに対抗することもできるかも。緑色に光らせたいわけではなく。
posted by さじ at 04:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年09月11日

豚由来の新型インフルエンザ、アメリカで発生。

豚由来の新種ウイルス、インフル患者から検出

 米疾病対策センター(CDC)は2日、インフルエンザ患者2人から、豚由来の新種のウイルスが検出されたと発表した。

 2人はすでに回復しており、感染の広がりはない。ただ、今後も人間や動物の体内で遺伝子の組み換えが起き、感染力の強い新ウイルスが生まれる危険があるため、医療機関に監視の強化を呼びかけた。

 CDCが、インディアナ州の2歳の男児とペンシルベニア州の2歳の女児のウイルスを分析した。豚由来のH3N2型だったが、遺伝子の一部が2009年に爆発的に流行した新型インフルエンザ(H1N1)のものだった。

 女児は「農業祭り」で豚と接触していた。男児は保護者が豚と接触した。米国では豚から人への感染は05年以降、21件の報告があるが、新型インフルの遺伝子が見つかったのは初めて。



 どれだけ進歩しようともインフルエンザというものは人類の敵なのだなぁ

 色々あって新型インフルエンザの恐怖というものを忘れがちですけど、生涯の敵ということを忘れてはいけませんね。
posted by さじ at 09:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年08月11日

精子のない蚊の利用法

精子のない蚊の利用

アフリカを中心に年間80万人近くが犠牲になっているマラリアは、媒介するハマダラ蚊(カ)に 精子の無いオスを導入することにより、感染拡大を防げるとする研究成果が、8日の米科学アカデミー紀要 (Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームは、ハマダラ蚊の卵に精巣の 発達を妨げるたんぱく質を注入し、精子を持たないオスの蚊を100匹作製。実験室の中で交尾活動を観察した。
 
 するとオスは精液を生産し、メスもこれらのオスと交尾した。メスは通常通り、交尾のあと、生まれてくる 幼虫の栄養分として血を吸い、卵を産んだ。卵は無精卵で、幼虫が生まれてこなかったにもかかわらず、 メスは再び交尾しようとはしなかった。

 ハマダラ蚊のメスは生涯に1度しか交尾しないため、以上の発見はマラリアに対して大きな意味合いを 持っている可能性を示唆しているという

ーーー

何度か取り上げていますが

実際にできるとなるとかなり現実的なココロミになってきましたね

あとは…倫理的な問題があるか

人命には変えられない
posted by さじ at 18:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年07月29日

手足口病、大流行。りんご病や麻疹は減少傾向。

手足口病、過去最多を更新−感染研

 手足口病の小児科定点医療機関当たりの患者報告数が、7月11-17日の週は10.97で、1982年の感染症発生動向調査の開始以来最多となった前週の9.72をさらに上回った。26日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめ(速報値)で分かった。

 手足口病の定点当たり報告数は、5月9-15日の週から10週連続で増加していて、前週からは1.25ポイント増えた。

 手足口病は、乳幼児を中心に夏季に流行する疾患で、同センターは「例年7月中旬から下旬に掛けてピークになることが多い」と、引き続き注意を呼び掛けている。

 一方、この週の伝染性紅斑(リンゴ病)の小児科定点当たりの患者報告数は0.84で、前週(0.94)から0.1ポイント減少した。過去10年の同時期と比べると最も多いが、6月20-26日の週の1.47をピークに3週連続で減少している。都道府県別に見ると、福島の2.08が最も多く、以下は宮崎(1.86)、長野(1.76)、群馬(1.69)、静岡(1.45)などと続いた。

 この週のはしかの全医療機関からの患者報告数は7人で、前週(14人)から半減した。都道府県別では、埼玉、愛知が各2人、大阪、広島、愛媛が各1人だった。はしかの患者報告数は、4月中旬から急増。4月25日-5月1日の週には38人となり、同センターでは「2009年の週平均報告数13.8人、10年の8.8人と比べて、大幅な増加」と注意を呼び掛けていた。



 ちらほら話題に上り始めましたが、過去最高を記録している手足口病。

 麻疹が減っているのは喜ばしいことではありますけれども。予防接種が効いて来たのかな

医学処:中国で手足口病が大流行し、死者も出る。
医学処:プール熱、手足口病、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎などの夏の感染症
posted by さじ at 01:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 感染

2011年05月18日

死亡した宮崎の生徒は、劇症型髄膜炎菌性髄膜炎だった。

髄膜炎菌性髄膜炎

 宮崎県は17日、同県小林市の私立小林西高校で、男子寮で生活していた野球部の1年生4人が体調不良を訴えて入院し、1人が死亡、この生徒の血液から髄膜炎菌の抗原を検出したと発表した。

 入院中の1人からは髄膜炎菌が検出され、県は集団感染の疑いがあるとみて、同じ寮の野球部、柔道部員の検査を始めた。

 県感染症対策室によると、死亡した生徒(15)は12日に体調不良を訴え、部活動を休んだ。13日午前7時頃、食堂で倒れているのが見つかり、同市立病院に搬送されたが、同日夕、転院先の宮崎市内の病院で死亡した。

 髄膜炎は、脳や脊髄を包む髄膜に細菌が入るなどして起き、頭痛、発熱、嘔吐などの症状が出る。せきやくしゃみから感染し、国内の年間患者数は10人程度。症状が急変していることから、県は劇症型の髄膜炎菌性髄膜炎とみている。早ければ19日にも髄膜炎菌かどうか判明するという。

 死亡した生徒と相部屋の生徒、隣室の2人も入院し、1人から髄膜炎菌が検出されたが、いずれも回復し、1人はすでに退院した。



宮崎・高校生死亡 原因が疑われる髄膜炎菌性髄膜炎について専門家の解説です。

 宮崎県の私立小林西高校で、男子寮に入寮している野球部の4人が体調不良を訴え入院し、このうち1人が死亡しました。宮崎県は、感染症の1つである、「髄膜炎菌性髄膜炎」の疑いがあるとみて調べています。この髄膜炎菌性髄膜炎について、細菌学の専門家、新渡戸文化短期大学学長の中原英臣医学博士に聞きました。

 髄膜というのは、脳や脊髄を覆っている膜なんです。そこに髄膜炎菌という細菌が感染して、病気が発症したと。髄膜炎菌に感染したからといって、全員が髄膜炎になるわけではない。高熱、激しい頭痛、それからおう吐、こういう症状が最初に出ます。日本の国は、1から5までランクをつけて、1類から5類という分類をしてるんですけれども、1類が一番怖い病気と思ってください。その中で5類ですから、そういうところにランクされている病気だと思っていただいていいと思います。予防法は基本的に手を洗ったり、うがいをするというのが基本じゃないかと思います。



 髄膜炎菌性髄膜炎。珍しいですねぇ…。

 髄膜炎っていうのは、数多くある感染症の中でも、とりわけ命に関わる、急性のものです。見落としてはいけないですし、すぐに治療する必要があります。 

 発熱、項部硬直、神経学的症状がある患者はすべて髄膜炎を考慮しなければなりません。

 鑑別のためには、腰椎穿刺を行い、髄液圧、髄液蛋白、グルコース、細胞数を検査し、髄液の培養、グラム染色を行う必要があります。同時に、血液培養は常に行います。

 腰椎穿刺前に頭部CTをとるべきか?という議論がよくあります。腰椎穿刺のリスクとして、脳圧が高い場合にはやってはいけないからです。高齢でない免疫正常の患者で、神経学所見、けいれん、意識レベルの低下がなければ一般には必要とされないというデータもあります(NEJM2001)

 髄膜炎を起こすのは今回のように髄膜炎菌とは限りません。他の菌の場合もありますし、無菌性髄膜炎、要するにウイルスによるものや自己免疫性のものなど様々です。しかし髄膜炎はすぐに治療しなければならないので、経験的予測的治療が必要な場合があります。何の菌もみられず培養を待つ間は高用量の第三世代セファロスポリンとバンコマイシンを使います。(第一世代のセファメジン、第二世代のパンスポリン、セフメタゾンは髄液移行性が悪く使用してはならない)

 ちなみに、頭部、脊椎外傷や脳外科手術後はバンコマイシンとセフタジジム1回2g静注8hごとで広域スペクトルをカバーします。

 そして、培養結果や感受性のデータがわかれば抗生剤を変更します。

第三世代セファロスポリン(の中でもセフォタキシムとセフトリアキソン)

・セフォタキシム(セフォタックス)
グラム陽性菌:Streptcoccus sp.に優れている。
とくにグラム陰性菌、肺炎球菌、レンサ球菌に対して抗菌力が優れている。
Staph.aureusに対してはセファゾリン(セファメジン)に劣る
Pseudomonas aeruginosaに対する抗菌力はない。起因菌判明まではアミノグリコシドなどの薬を併用。
・起因菌不明の市中感染性敗血症に適応
・重症グラム陰性桿菌感染症に有効(急性腎盂腎炎、腹腔内感染、胆道系感染)
・重症市中肺炎に適応
・細菌性髄膜炎に適応

★髄膜炎の場合は2g静注を4〜6hごと(1日8〜12g)

副作用:発疹、重感染、C.difficile感染

・セフトリアキソン(ロセフィン)
ほとんどセフォタックスと同じ。
嫌気性菌(Bacteroides sp)に対してはセフォタキシム(セフォタックス)に劣る。
セフォタキシム(セフォタックス)の半減期が1hであるのに対して血中濃度半減期が7時間と長い。
1日1回投与で多くの感染症の治療が可能。
ロセフィン1g静注1日1回はセフォタックス3g3xに相当する。
★腎機能障害や透析患者にも、腎機能正常者と同等量で治療する

細菌性髄膜炎、敗血症性ショックではロセフィン2gを12時間ごとに静注

副作用:発疹、過敏症、下痢、胆石、C.difficile感染
★胆石症の徴候が出たら投与中止
★新生児黄疸には投与しない

・バンコマイシン

優れたグラム陽性菌に対する抗菌作用をもつ(全てにおいて)
嫌気性菌(C.difficile)にもううこう。
グラム陰性菌に対する抗菌作用はない。
血中濃度半減期6〜9hと長い

ペニシリン、セフェム系との交叉反応がないため、重症グラム陽性菌感染症においてのペニシリン、セフェムに対するアレルギーのある場合に適応となる(菌血症、心内膜炎のとき)

髄膜炎の場合:500mg〜750mgを6hごとに静注

★腎機能障害患者には血中濃度モニターを行う(最適血中濃度 trough 10〜20μg/ml。peak 25〜40μg/ml)

副作用:Red-man syndrome(上半身に発疹。ときに血圧低下。→急速静注でヒスタミン放出が起こるために生じる。1時間かけてゆっくり点滴投与で防止可能)
その他、静脈炎、聴力障害、腎障害、過敏症、白血球減少

医学処:細菌性髄膜炎で両足と右腕を切断した女性がUCLA医学部を卒業
posted by さじ at 07:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年05月10日

食中毒を引き起こすウェルシュ菌のタンパク質構造を解明する。

食中毒原因菌、タンパク質の構造解明 京都工繊大准教授ら

 京都工芸繊維大の北所健悟准教授(構造生物学)の研究グループがこのほど、食中毒の原因菌の一つ「ウエルシュ菌」が生み出すタンパク質の立体構造を解明した。食中毒を引き起こすメカニズムも明らかにしており、将来的に予防薬の開発につながるという。

 ウエルシュ菌はほかの食中毒原因菌に比べて熱に強く、給食など大鍋で料理をつくり置いた際の再加熱不足などで、国内でも毎年30例ほどの食中毒を引き起こしている。体内で毒性のあるタンパク質「エンテロトキシン」(CPE)を生み出し、腸の細胞を傷つけて下痢を引き起こすが、CPEの構造や働きはよく分からなかった

 北所准教授らによると、CPEのエックス線結晶構造解析をしたところ、CPEは細長い形状をしており頭部、胴体、しっぽに相当する機能に分かれていた。またCPEの頭部が腸管上皮細胞膜の受容体「クローディン」と結合し、胴部としっぽの部分が構造変化して腸の膜に穴を開ける作用があることが分かったという



 ウェルシュ菌。意外とマイナーながらも下痢のインパクトから記憶に新しい・・・。

 そう、私ことさじも、昔サイパンに行ったときにおそらくこいつと思われるものに感染しました。

 そうか、ウェルシュ菌の胴体と尻尾が私の腸に穴を・・・。

 もうあれから5年か。みなさまも海外に行ったときはご注意。

医学処:【8/21】御礼と日記と旅報告
posted by さじ at 03:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年05月06日

ユッケで死亡者が出たのは国の管理問題なのではないだろうか。

生肉食中毒、死亡4人目 70歳女性、重症は21人

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒で、富山県砺波市の店舗で食事し、重症だった女性(70)が5日午前、死亡した。

 女性は4日に死亡した40代の女性の家族で、同チェーンの食中毒による死者は4人目。これまでに砺波店や福井渕店(福井市)でユッケなどを食べた男児ら3人が亡くなったほか、神奈川、富山両県で34人が入院、うち21人が重症となっている。チェーンを運営する「フーズ・フォーラス」の勘坂康弘社長は5日午後、金沢市の本社前の路上でひざまずき「本当に申し訳ございませんでした」と声を震わせた。



O111で死亡の報告は初

 今回、食中毒の原因となった「O111」は、およそ180種類あるとされる病原性大腸菌の1つで、仲間には「O157」や「O26」などがあり、感染すると、下痢やおう吐など、どれも似たような症状を引き起こします。

 しかし、国立感染症研究所によりますと、O157に感染した人が死亡した例はありますが、O111で死亡が報告されたのは、先月の6歳の男の子が初めてだということです。

 病原性大腸菌は牛などの家畜の腸内やヒトの便などに含まれる毒性の強い細菌で、この菌に汚染された食品や水を口にしたり、菌が付着した物に触れたりすることで感染します。国立感染症研究所によりますと、国内では病原性大腸菌に年間およそ3000人から4000人が感染しています。

 このうち0歳から4歳までの乳幼児がもっとも多く、その原因のほとんどは、病原性大腸菌O157で、O111については、平成19年に宮崎県の保育園で集団感染が報告されるなど、毎年、感染例はあるものの、死亡したという報告はありませんでした。

 国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「これまで死亡した例がなくても、生肉を食べれば、もともと大きなリスクがあるということを十分認識する必要がある。特に子どもや高齢者は症状が重くなることもあるため、レバーやユッケなどの生肉は口にしないでほしい。今後、感染が広がる可能性もあり、どの時点で大腸菌が付着したのかなど感染経路を早急に調べる必要がある」と話しています。



生肉の食中毒問題 厚労省の食肉流通基準が形骸化

 生肉のユッケによる集団食中毒問題で、厚生労働省の基準を通った生食用の牛肉が一切、出荷されていないはずなのに実際には流通するなど、基準が形骸化していたことが分かりました。

 生食用の食肉について、厚生労働省は1998年、食肉の処理施設に消毒に必要な設備を設けることなどの基準を定めています。厚労省が調査を始めた2008年度と2009年度について、この基準を通った生食用の牛肉は一切、出荷されていなかったということです

 一方、富山県警は、生肉のユッケを食べた男の子2人が死亡するなどした問題で、3日に焼肉店の運営会社社長を任意で事情聴取しました。



焼肉チェーン最大手「牛角」もユッケ販売中止

 ユッケが原因とみられる集団食中毒を受けて、焼肉チェーン最大手の牛角は、ユッケを使用したメニューを一時休止すると発表しました。

 牛角を運営するレインズインターナショナルによると、「国産牛ユッケ」と「石焼ユッケビビンバ」の販売を5日からいったん休止したということです。牛角では、ユッケの表面を280度で1分間加熱して調理するなど厳格な衛生管理を行っているため、継続して提供することを検討してきました。しかし、業界全体に対する客の不安や不信感に最大限配慮するため、休止に踏み切ったと説明しています。安楽亭や焼肉屋さかいなど、ほかのチェーンではすでにユッケを使用したメニューを休止しています。



「子供や高齢者は生肉控えて」蓮舫消費者担当大臣

 生肉のユッケなどによる食中毒で男の子が死亡した問題で、蓮舫消費者担当大臣は、不安がある場合には生肉を食べることは控えるよう呼びかけました。

 蓮舫消費者担当大臣:「不安がある場合は、生肉の料理を子供、ご高齢者、健康状態が優れない大人の方が食べることは控えて頂きたい」

 蓮舫大臣は、ユッケや生レバーなど生肉を食べる場合には、飲食店などに加熱用で販売されたものではないことを確認するよう求めました。さらに、不安がある場合には、子供や高齢者、健康が優れない人は食べること自体を控えるよう呼びかけました。



 んー・・・

 この事件、焼き肉屋だけが悪いわけではなさそうです、よね。

 社長が謝罪しながらも「ぶちまけていた」ことも、一理あると思います。すなわち、「日本には、生食用として流通している牛肉が存在しない」ということ。

 それでもユッケが出され続けていたわけです。

 各焼き肉屋は、加熱するなどの対処を行っていたのでしょうけれども、食品衛生法的にそれを「生肉」として提供していたわけで。

 生食用の牛肉を使用しなければならなかったにもかかわらず、それが流通していないという矛盾。

 最終的に「国」の責任な気はしますけれども。。

 犠牲者が出てしまったのは・・・。
posted by さじ at 04:11 | Comment(3) | TrackBack(0) | 感染

2011年05月02日

結核菌と肺内の酵素との関連を見いだし、MMP-1を同定する。

結核治療薬の実現に大きな一歩、「悪玉」酵素を特定

 結核菌(TB)に肺組織の破壊を働きかける酵素を特定したとする論文が、25日の米医学誌「Journal of Clinical Investigation(臨床試験ジャーナル)」に発表された。結核治療薬の早期実現を導く発見だという。

 結核は感染力が強く、死者は年間約200万人にのぼる。結核の出現から数千年が経ったいま、ようやく仕組みが解明されようとしているところだ。唯一の治療法は抗生物質を長期間にわたり服用するというものだが、薬剤耐性株には効果がないことが明らかになりつつある。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)など米英の研究チームは、結核菌と肺内の酵素MMP-1の増加との関連性を見いだし、肺組織の破壊をもたらしているのがこのMMP-1であると特定した。

 研究チームが、結核菌に感染させたヒト細胞に既存のMMP-1阻害剤「Ro32-3555」を適用させてみると、結核菌におけるMMP-1の活動を抑制できることが分かった。 MMP阻害剤は関節炎の治療薬として1990年代に活発に開発され、一部はがんの治療薬としても期待された。人体への安全性は臨床試験で実証済みだ。



 これだけ医療が進歩しても、古典的感染症との闘いには未だに終止符が打たれていませんからね。

 そろそろ決定打がほしいところ。
posted by さじ at 03:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

2011年04月26日

ヒブワクチンとBCGワクチンを同時接種した乳児5人が死亡。

ヒブワクチン接種後に乳児死亡 5例目、因果関係は不明

 厚生労働省は7日、宮崎県都城市の6カ月未満の男児が、2月にヒブワクチンとBCGワクチンの同時接種を受け2日後に死亡したとの報告があったと発表した。同様の死亡例は5例目。報告した医師は、ワクチンと死亡の因果関係は「分からない」としている。男児には右心室肥大などの持病があったという。

 子どもの細菌性髄膜炎などを予防するヒブ、肺炎球菌の両ワクチンの接種を受けた乳幼児の死亡が今月2〜4日に4例相次いで報告されたため、厚労省は4日にこれらの接種をいったん見合わせた。8日に専門家の会議で安全性を検討する予定で、今回の死亡例も対象となる見通し。



 副作用だろうか…。死亡との因果関係を明確に示してもらいたいですね。恐ろしい細菌性髄膜炎を予防できる画期的なワクチンなので、全ての乳児に使用したいところではありますが。

小児の細菌性髄膜炎のワクチンの導入が延期される
posted by さじ at 22:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。