[大学]の記事一覧

2008年09月05日

慶應大学医学部の準教授に健康食品会社が1200万円を渡す

慶大元准教授にL&G資金 1200万円は受領認める

 慶応大学医学部の元准教授(53)=免疫学=が在任中の04年4月から1年間、出資法違反容疑で警視庁などの家宅捜索を受けた健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」から、自分の会社を受け皿に毎月100万円の振り込みを受け、計1200万円を受け取っていたことがわかった。04年から05年にかけて元准教授が理事を務める法人にもL&Gから計1億6千万円余が振り込まれていた。この期間に、少なくとも6500万円が同法人から元准教授名義や会社名義の銀行口座に移されていた。

 元准教授は、1200万円については「不徳だった」と受領を認める一方で、法人を経由した資金移動については「(自分の関与は)絶対にあり得ない」と否定している。

 元准教授が毎月100万円の資金の受け取りを始めた04年は、L&Gが高配当をうたった投資商品の扱いを本格化させ、会員からの苦情などが増え始めた時期と重なる。L&Gが家宅捜索を受けた昨年10月、元准教授は朝日新聞の取材に対し、L&Gが元准教授の名前や免疫について話す場面を勝手に使って健康関連商品の宣伝に利用していたと主張。「自分の研究が悪用されたとしたら許し難い」と関与を否定していた。

 元准教授は大手化学メーカーで医薬品の企画・開発などに携わった後、01年11月、慶応大が学内外の専門家を年度ごとに任用する特別研究教員に採用され、04年4月に助教授に就任。その後、准教授と名称が変わったが、08年3月末に大学との契約は打ち切られた。

 元准教授によると、L&Gとかかわりを持ったのは03年冬。研究テーマだった「自然免疫」にL&G側が関心を持ったことで付き合いが始まり、L&Gからの申し入れを受ける形で、04年4月から「研究費」として毎月100万円を受け取るようになったという。この金は自ら代表を務める医療コンサルタント会社に毎月振り込まれた。

 関係者によると、こうした資金の受領が始まって以降、元准教授はL&G主催の講演会で自分の研究内容を話したり、会報誌に顔写真と「慶応大教授」の肩書とともに論文を寄せたりしていた。

 1200万円とは別に、L&Gからは04年8月から05年10月にかけて、元准教授が理事だった法人に計4回総額1億3500万円、その他にも毎月210万円(計15回)の振り込みがあったことも判明。総額は1億6650万円に上る。

 この法人は、営利目的でも公益目的でもない法人の設立について定める中間法人法に基づき、04年3月、医療系ベンチャーの支援を目的に設立された中間法人。元准教授や公認会計士らが参加していたが、徐々にL&Gからの資金提供が増え、関係者によると、この期間中の法人の収入の約96%をL&Gからの資金が占めていた。L&G側は健康商品の研究開発費や業務委託費として支払っていたという。

 この法人に入った資金のうち計約6540万円は、04年8月から05年11月にかけて、元准教授の個人名義の口座と医療コンサル会社名義の口座に移されていた。関係者によると、いずれも元准教授に対する役員報酬や健康商品の研究開発費の名目だったという。

 1200万円を除く一連の資金の流れについて元准教授は「自分は絶対に受け取っていない。(医療コンサル会社の)資金管理は法人の代表理事に任せていた。L&Gからいくらが支払われ、そこから私名義の口座にいくらが支払われたのか、私は把握していない」と話している。

 これに対し、法人の代表理事は「元准教授がいたからこそ、L&Gは法人に資金提供した。L&Gも元准教授がいないと戦略的に困る部分があった。資金の管理や移動は元准教授の指示に従っていただけだ」と主張している。




L&G資金、医学部教授ら16人に計3477万

 慶応大学医学部の元准教授(53)=免疫学=が健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」=警視庁などが出資法違反容疑で家宅捜索=から多額の資金を受け取っていた問題で、この元准教授が理事だった法人から04〜05年、11の大学や研究機関の教授ら16人の個人名義の口座に1人あたり最高500万円、総額3400万円超が振り込まれていたことがわかった。法人には同時期の収入の約96%を占める計1億6650万円がL&Gから振り込まれており、同社の資金が法人を経由して医学界に広く流れていたことになる

 教授らの多くは感染症研究や内科学が専門で、資金受領の「対価」などとしてそれぞれの分野の原稿を執筆。元准教授の説明では、原稿をまとめた書籍(2冊)の販売数の約3分の2はL&Gが買い占め、その売り上げは600万円だったという。題名は「自然免疫 Vol・1」「自然免疫 Vol・2」。いずれもL&Gの会報誌で元准教授の顔写真とともに紹介され、L&Gが製作したDVDにも取り上げられた。さらに、L&Gは当時、円天という疑似通貨で物品が購入できるとした「円天市場」で、書籍のタイトルと同じ「自然免疫」という名前を付けた複数の健康商品をPRしていた。

 資金提供が明らかになったのは、慶応大医学部、京都大ウイルス研究所、大阪大医学部、旭川医科大などの教授や助教授ら(大学名・肩書のいずれも提供当時)。所属学会の理事を務める著名な教授も含めて、多くが慶応大の元准教授が事務局を務める自然免疫に関する研究会のメンバーで、元准教授が大手化学メーカーに在籍していた時からの付き合いだという。いずれも研究会の「企画運営」や「原稿料」として元准教授が理事だった医療系ベンチャーを支援する法人から振り込みを受けていた。

 取材に対し、12人は資金受領をおおむね認めたが、全員が資金とL&Gの関係を「知らなかった」と答えた。4人は「分からない」「学問以外のことをお話しすることはない」などと話している。

 朝日新聞の取材で判明したこうした資金の流れについて、L&G被害対策弁護団は「L&Gとの関係を仮に知らなかったとしても、道義的責任は免れない。金額の大きさに加え、書籍の大半がL&Gに買い取られている事実は、教授らがL&Gに利用されていた証しだ」と指摘している。



 教授らが利用されていただけなのか、それとも利用されるフリをして金銭を得ようとしていたのか…。
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2008年08月17日

筑波大学付属病院で抗がん剤を4倍投与してしまうミス。

筑波大病院で抗がん剤4倍投与ミス

 筑波大は11日、同大付属病院(茨城県つくば市)で、抗がん剤の過剰投与から、茨城県内の40歳代女性患者が急性腎不全になるなどの医療ミスがあったと発表した。

 抗がん剤の副作用が重く、女性は入院治療中という。同病院によると、女性患者は7月、内臓のがん切除手術を受けた。その後の治療で、1日だけ投与すべき抗がん剤を4日間連続で同量投与された。担当の医師が誤って、投薬回数などをコンピューターに入力した可能性があるという。

 女性は抗がん剤投与後に退院、8月上旬に体調不良を訴えて再入院し、ミスがわかった。投薬については、医師と看護師がダブルチェックすることになっており、同病院は調査委員会を設置し、原因などを調べる。

 山田信博院長は記者会見で、「患者や家族の皆様の信頼を裏切り、おわび申し上げる」と謝罪した。



 電子カルテだと逆に見つけやすいと思うんですけどもね。容量オーバーとか出なかったんでしょうか。強力な薬ほど、投薬する場合は厳重に。

関連
医学処:多治見病院で、抗がん剤の投薬ミスによる死亡事故
医学処:抗がん剤の副作用で腎不全に。8900万円の賠償命令
医学処:抗がん剤の原料となる猛毒の植物。
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2008年08月12日

広島県立病院が研修医への残業代を払っていなかった。

残業代約1億3000万を不払い 広島県立病院が研修医に

 県立広島病院(広島市南区)が研修医の残業代を払っていなかったとして、広島中央労働基準監督署から2月に是正勧告を受けていたことが30日、分かった。

 不払い分は1年10カ月で約1億3000万円に上るといい、県は同日、退職者を含む79人に全額支給すると発表した。

 県によると、広島病院は週30時間勤務の非常勤職員として研修医を受け入れているが、時間外や休日の診療は残業として扱っていなかった

 勧告後、2006年4月から08年1月の勤務実態を調査。100人のうち申告のあった79人について、手術記録などから計約4万2600時間分の不払いを確認した。県は9月議会に補正予算案を提出する方針。

 県立病院課は「是正勧告を重く受け止め、現在は時間外労働時間の適正な管理に努めている」としている。



 ただでさえ少ないんだから払ってやってよ・・・

 と思いましたけど、時間外や休日の診療も残業として取ってくれるってことですか?今までは完全に度外視では?

 もし時給850円、とあらかじめ決めて、研修医を雇ったら、どうなるんでしょうかね。何百時間残業してるか分からない研修医のことですから、かなりのプラスになるのでは?まぁ時給850円も貰えるようなトコロは存在しないか…。
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2008年08月06日

医学部全体の定員を500人増やすことに決定する。

来年度医学部定員 8280人程度に増員へ

 文部科学省は5日、深刻化する医師不足に対応するため、来年度の国公私立大学医学部の総定員を、2008年度の7793人から約500人増やして、ピークだった1982年の8280人程度にすると発表した。すでに、179人の増員は決まっているため、残りの約320人の増員を目指す。

 具体策として、文科省は、毎年6月末が期限の定員変更申請を10月末に延期する。今後、増員を希望する大学に、9月22日までに定員増計画の提出を求める。計画を検討し、年末までに増員を認めるかどうかを決定することにしている。



 少子化、プラス、医学部定員増ということで、受験生にとっては朗報か。

 少々受験勉強できなくても、医学部に入ればそういう人は「確実に」大化けしますからね。逆に受験勉強できるだけの人のほうが最終的に留年やら何やらしてろくな知識を持たない医者になったりする。

 医学に対する熱い情熱をもった人たちが合格することを、願っております。

関連
医学処:医学部定員の削減案を見直すべきとする、民主公明共産社民国民新党。
医学処:医学部の定員を増加させる方針へ転換するのが遅すぎる。
posted by さじ at 23:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年07月19日

産婦人科や小児科に特化した臨床研修プログラムを大学病院で

臨床研修で産科、小児科特化も 研修医制度で厚労省方針

 若手医師の臨床研修制度の見直しを検討していた厚生労働省は18日、大学病院に限り医師不足が顕著な産婦人科や小児科などに特化した研修プログラムを認める方針を決めた。来春からモデル事業として始める。

 地方の大学病院で研修希望の若手医師が減っていることから、プログラムを柔軟にすることで人を集め、特定の診療科や地方の医師不足を解消するのが狙い。同日開かれた医道審議会部会に提案し、了承された。

 厚労省によると通常、研修医は医師免許取得後の2年で各診療科を経験するが。しかしモデル事業では例えば、一部の大学病院では産婦人科を1年間集中的に研修した後、残り1年で他の診療科を経験する「集中プログラム」実施が可能になるという。

 著しい医師不足で地域医療への影響が指摘されている救急、外科なども対象とする方針。



 成功するのかな?最初から産婦人科に行くと決めている人ならば、魅力ある気もします。例えば島根大学で、全国で唯一、小児科に特化したプログラムを行うとすれば、小児科にやり甲斐を感じる優秀な人は島根大学へ行けばいい。そういう地方ならではのメリットを作れば、都市部に偏在することもなさそうです。

 でも初期臨床研修なんて、どこでやっても同じ、ならばより学びやすい環境でやったほうがいいと思うんですけれどね。渋谷や新宿に近いから、というだけで病院を選んでしまうような人の気が知れない。その大学がどれだけ本気で研修医に教えたがっているのかを知るべきです。人気のある病院であっても、単なる安い労働力としてしか扱っていないようなところは、明確に達成目標を提示していないところが多いのも問題だと思います。
posted by さじ at 13:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年07月13日

臨床研修後に大学病院へ戻ってくる新人医師はわずか56%。

臨床研修後、新人医の大学Uターンが56%

 大学卒業後、民間病院などで2年間の臨床研修を終え、大学病院に戻った新人医師は56%にとどまることが、「全国医学部長病院長会議」(会長=小川彰・岩手医科大学長)の調査で分かった。

 地域格差も顕著で、同会議は「地域医療は崩壊の危機にあり、国は早急に臨床研修制度を見直してほしい」としている。

 調査は、医学部を持つ全国80大学を対象に調査を実施。今春、大学病院に戻ったのは55・9%。新臨床研修制度(2004年導入)が初めて適用された06年の50・6%に比べ5ポイント増加したが、制度導入前の02年(71・4%)には遠く及ばず、研究もこなす大学病院を敬遠し、民間病院を選ぶ傾向が続いていることが分かった。

 大学に戻る率が高いのは関東地方の82・3%で、逆に低いのは、四国28・7%、東北32・7%、中部39・1%、中国39・7%で、地域格差も目立った。診療科別では、夜間の呼び出しなどがあり、激務で訴訟リスクも高い外科や脳外科、小児科などを避ける傾向が見られた。



 まぁねぇ。難しい問題ですけどね。医療のレベル的にも環境的にも魅力がないようなところに、研修医終わったばかりの人を均等に配置しろといわれても。不均等が生じてしまっているのは、病院における医者数と全医師数のバランスを、国がしっかり見定めることが出来なかったから、だと思います。そのくせ医者を無茶な労働力としてこき使ってたら、そりゃみんな大学に残りませんわ。

 「出来るやつは希望のところへ、出来ないやつはそれなりのところ」というルールを定めれば全体のモチベーションも上がりますし少しは解決するかもしれませんが、それでも「どこの病院も空前の人手不足」なことを考えると、成り立ちませんよね。はっきりいってどうしようもない状況です。

関連
医学処:研修医と病院を橋渡しする機関を構築。
医学処:医学部の定員を増加させる方針へ転換するのが遅すぎる。
posted by さじ at 22:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年07月07日

地方の医学部に通う大学生は車がステータスとなっている。

大学生がモテるためにやってることは? 

 先週発売された「女性セブン」では「モテなければ生きていけない」という特集が組まれ、モテない男性の悲痛な叫びが書かれている。

 実に後ろ向きな発言をする人物続出の特集だが、「モテないけどモテるよう努力している」21歳大学生に、実際の努力について聞いてみた。「ファッションには気を遣いますね。今風の格好をするようにしている。不潔に見えないよう、髪や髭を整えたり、体臭に気を配っている。あと、女の子には優しく接する」という。それでも彼はモテないが「いつか彼女ができる!」と前向きに生きている。

 彼女のいる大学生に聞いてみると「体型を気にする」「サークルなどに入って出会いを増やす」「料理が出来ることをアピール」「ノリを良くする」などと答えてくれた。

 「どんな男子大学生がモテている?」と女子学生に聞いてみると「ファッションは最低限気にしていれば問題ない。気軽に笑わせてくれるトークが出来て、笑顔が可愛くてスマートでさり気なく優しい人がモテている」と分析をしてくれた。一緒にいて楽しいと思える人がモテるようだ。

 また、地方の医学部に通う大学生は車(中古車)を買うためにバイトをしているそうだその医学部では半数以上が車を持っており、中にはベンツやフォルクスワーゲンを持っている人もいる。車を持っている人の多くは彼女がいて「車を持つと魅力が2倍になる。ベンツがいい」そうだ。大学生と言えども医学部は別格のようである。



 そうでしょうかね。実際。魅力ある人なら車もってなくても彼女ぐらい出来そうなものですが。

 地方の医学部の場合、本当に辺境の地みたいなところに医学部が建っていることも少なくありません。東京医大みたいに都心のド真ん中にあるような大学ってほとんどないですしね。そうすると車はどうしても必要か。某みかん大学医学部に行った時は、あまりの辺境っぷりに驚いたものです。今はどうなっているのか知りませんが。

 あと、親が子供に買い与える場合、完全に安全のみを重視してベンツを買うことが多いとか何とか。そこまで子離れできないもんかとも思いますが、まぁ中高と受験勉強等をさせてきたような親なら仕方ないかなという気もしますね。
posted by さじ at 21:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年07月06日

医学部への裏口入学を持ちかける詐欺。

医学部裏口入学持ちかけ、元指揮者ら詐欺容疑で逮捕

 私立大医学部の裏口入学詐欺事件で、大阪地検特捜部は2日、受験生の親から計1600万円をだまし取ったとして、元「ニューフィルハーモニー管弦楽団」常任指揮者・武田博之(本名・章夫)容疑者(54)(堺市堺区)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。武田容疑者は自らを「有名な音楽家」と名乗っていたといい、特捜部は指揮者としての交友の広さを利用し、被害者を信用させたとみている。

 他に逮捕されたのは▽大阪府茨木市、会社役員・長尾俊行(61)▽大阪市北区、同伊藤教博(58)▽埼玉県春日部市、同鈴木忠一(59)――の3容疑者。

 容疑事実によると、武田容疑者らは2005年10月と11月、大阪市内のホテルで、東京都内の私立大医学部に進学を志望していた受験生の親に「私はいろんな人にコネがある」と持ちかけ、「教授に1000万円預ければ合格できる」「あと600万円渡せば確実に合格できます」などと偽り、1600万円を詐取した疑い。4人は大筋で容疑を認め金は分配したという。

 同年12月になっても合格通知が届かず、受験生の親が武田容疑者を問いただしたところ、「もっと金がいる」と言われたといい、翌年告訴していた。当時、同管弦楽団はすでに活動を停止していたという。

 武田容疑者は1989年度、大阪市の「咲くやこの花賞」を受賞。95年には阪神間在住の音楽家らと阪神大震災の犠牲者追悼コンサートに参加するなどしていたが、ここ数年は指揮者として活動していなかった。



 親もバカだなぁ〜。

 今のご時世、教授クラスの人間がこんなリスクのある行為をするとは思えませんね。たかだか1000万で今の地位を捨てるようなバカな人はいないでしょう。

 裏口入学なんぞ、持ちかけられても断るべきです。そんな恥ずかしい姿を子供に見せて、子供が「医者」になれるとでも本気で思っているのでしょうか。

関連:裏口入学失敗で、大阪の予備校と母親が裁判
posted by さじ at 16:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2008年07月03日

名古屋大学医学部付属病院で19年前に放置したガーゼを取り出す。

体内に19年ガーゼ放置 名古屋大付病院

 名古屋大医学部付属病院は1日、19年前に手術した40代の女性の腹部にガーゼを置き忘れるミスがあったと発表した。ガーゼは先月摘出され、術後の経過も良好で、女性はすでに退院したという。

 名大病院によると、女性は5月に腹痛のため自宅近くの病院で診察を受け、CT検査の結果、体内に異物があることが判明した。

 その後、女性に対して過去に手術をした名大病院があらためて診察。再手術で腹部に残っていたワイヤ入りガーゼを摘出した。平成元年5月に同病院の手術で、体内に放置されたガーゼとみられている。

 名大病院は「現在は手術後にエックス線撮影などの防止策を定めている。今回のような事態を招き申し訳ない」とコメントしている。



 名古屋大学医学部付属病院もこんなミスを。

 案外10〜20年前あたりで、ガーゼが残ったままになっている人って結構まだまだいるかもしれませんね。レントゲン撮らないと分かりませんもんね…。

 でも毎日痛みとか苦痛を感じることもあるので、責任は重大ですよ。

関連
医学処:筑波メディカルセンター病院で心臓の裏にガーゼを忘れる事故
医学処:京都民医連中央病院で体内にガーゼを置き忘れる事故
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2008年06月19日

医学部の定員を増加させる方針へ転換するのが遅すぎる。

医学部の定員増へ、医師不足解消目指す…厚労省方針

 深刻化する医師不足の解消に向け、厚生労働省は、これまで四半世紀にわたり抑制してきた医師養成数を増加に転じさせる方針を固めた。

 今後10年程度の医師不足対策を示す「安心と希望の医療確保ビジョン」に盛り込み、近く発表する。

 大学医学部の総定員は現在、ピーク時(約8300人)の9割強の約7600人(暫定措置を含めると約7800人)。同省は、関係省庁との調整で、ピーク時まで戻すことについてはおおむね同意を得ており、今後、さらに上積みする可能性を模索する。

 ビジョンでは当初、増員の数値目標を掲げる方針だったが、80年代のピーク時の8300人でも不十分との見方もあるほか、財源問題の調整も残るため、今回は数値の明記は見送った。

 ビジョンには、2004年度に導入された新臨床研修制度の見直しも盛り込む。新制度は、新人医師が原則として自由に研修先を選べるため、都市部に医師が集中するなどの混乱が生じたとされる。



医師養成数、増加へ転換 医療危機受け厚労省方針

 医師不足問題を受けて将来の医療のあり方を検討していた厚生労働省は18日、「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめた。82年以降初めて、医師総数が不足しているとの見解をとり、医師養成数の抑制方針を転換。中長期的に医師を増やす方針を打ち出した。看護師など他職種との連携強化、救急医療の充実なども盛り込んだ。

 1月に検討会を設置した舛添厚労相はこの日、「これからの新しい医療体制の構築に向け、一つの方向付けができると確信している」と述べた。

 医学部定員は、84年の8280人をピークに89年に8千人を割り、07年は7625人(文部科学省調べ)。減少は、養成数抑制の方針を打ち出した82年の閣議決定のため。97年の閣議決定でも維持された。国は06年以降、「地元枠」などとして一部で定員を増やす緊急対策をとったが、「地域、診療科ごとの偏在や不足」との立場。将来は医師が過剰になるという推計を根拠に、恒久的な医師総数の増加には消極的だった。

 ビジョンでは「総数が不足しているとの認識の下で、対策を行う必要がある」とこれまでの姿勢を修正。抑制策をやめ、「医師養成数を増加させる」とした。具体的な人数は今後議論する。

 ただ、医師が一人前になるには入学から約10年は必要。当面の策として、看護師や助産師、薬剤師ら関係職種との役割分担を進める▽過重勤務せずに、子育てをしながら働ける労働環境を整備する▽診療科別の医師数を適正にする方策を検討する――などとした。

 また、地域内の医師数には限りがあるため、病院ごとに得意分野に集中して治療分担する必要があるとした。例えば重症患者の搬送先探しが問題となっている救急分野では、受け入れ調整役となる「管制塔病院」を整備。症状に応じて地域内の病院に振り分ける役割をもたせる。

 さらに、患者側の意識転換の必要性にも触れ、軽い症状で夜間休日に受診することが病院の負担を増している、と指摘。時間外受診の減少には、急な症状について診療必要度を相談できる電話相談窓口などの拡充が必要とした。



 普通こういうことって、あらかじめ予測して動くものじゃないんですかね?そのための国家公務員なんだと思いますけれど。医師不足だと昔から言われ続けてきたにもかかわらず「医者は飽和状態」とか訳のわからないことを言われ続けてきました。

 で、コレだ。正直今更感があります。今増やしても、この効果が出てくるのは何十年後のことなんでしょうか。

 あと、科ごとに確実に入れたいのならば、選択性ではなくて、「定員制度」を設ければ良いのではないでしょうか。

 1医局に新規で入れる人数を2人ぐらいにすれば、医学部の定員を増加したときに懸念される「眼科や皮膚科が増えるだけ」という状況を確実に抑えることができます。

 そして、希望の医局にいけるかどうかは、在学時の成績または国家試験の成績や研修後に何らかの形で評価して、優秀順でどうでしょう。

 全体のレベルアップと共に、確実な入局が可能になる、と。要するに昔に戻すわけですが。医師たるもの社会の状況も考慮して、社会に還元していかなければいけない職ですので、それくらいの規制は構わないと思いますけどね。

 興味のある科に行くのはいいんですけど、「楽したい」とかそういう理由で科を選んでしまうと、どうしても偏りが生じてしまいますからね。研修医の「やる気」を信じるのか、それとも現実を重視するのか、といった問題です。
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2008年06月14日

宮崎大学病院が順調に黒字経営を続けているらしい。

サービス向上し増益 宮崎大医学部付属病院

 全国各地の大学病院の3分の2が赤字にあえぐ中、宮崎大医学部付属病院(清武町、高崎眞弓病院長)が堅調に黒字経営を続けている。同大学が法人化され4年目を迎え、電話対応や入院患者案内などを担当する病棟クラーク(医療秘書)を新設したり宮崎市中心部へ診療所を開設したりと、さまざまな改革で効果を上げている。

 13人の病棟クラークは、医師や看護師の負担を軽くするため、2005年からベッド搬送係とともに配置した。カルテの準備や電話応対、入院患者の案内など、それまで医師や看護師が業務の合間にこなしていた仕事を引き受けている。医療秘書の資格を生かし、患者からの保険相談にも応じている。

 敷地外にも広げた患者サービスは歯科口腔外科。同病院の交通の便の悪さをカバーしようと、昨年12月下旬、同市橘通西3丁目のボンベルタ橘8階にクリニックを開設した。

 かかりつけ医の紹介状が必要だが、午後7時までと診療時間が長く、最新医療設備で口腔手術も受けることができ評判は上々。同大学の迫田隅男教授(歯科口腔外科)は「長年頭打ちだった外来患者の数が約2倍に増えた」と手応えを語る。



 ほう。

 宮崎大学っていうと、確かちょっと不思議な入試方法だったような気が。

 しかし大学病院で黒字経営は凄いですね。まぁ赤字の大学病院が「頑張ってない」かというと、そういうわけでもなくて、患者のこと中心で医療を行っていたらどうしても赤字になってしまうシステムで日本の医療は運営されとるのですから、仕方ないことです。

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2008年06月13日

金沢大学が医学部の定員を増やすことに決定。

金沢大:医学類、09年度から定員5人増 学長が知事に報告

 深刻な医師不足を解消しようと、県が金沢大に要請した医学類(医学部)の定員増加について、同大学は5人増を決め、中村信一学長ら4人が9日、谷本正憲知事に報告した。

 国が各都道府県で医学生を増やすことを決めたことなどから、県は今年2月、同大学に上限の5人の定員増を要請。09年度の入学からの定員枠増が決まった。県内では能登北部が深刻で、02〜06年の厚生労働省の医師数調査では121〜111人で推移している。谷本知事は「地域医療のリーダーを育てる気概で。県も協力する」と述べた。



 金沢とか結構深刻そうですもんね、医師不足。金沢大学は順調ですが、私立の金沢医科大学などは毎年医師国家試験合格率も悪いですし、ここはひとつ金沢大学で優秀な医師を育て上げる方向で頑張ってもらえれば・・・!

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「医師不足と深刻化する地域医療崩壊」を話し合う。

医師不足の現状知って!甲府で集い400人が参加

 医師不足の現状を認識してもらうことを目的とした「医師を増やし、地域医療を守ろう!6・7県民のつどい」が7日、甲府市内で開かれ、医師や医学部生、県職員ら約400人が参加した。

 県内の医療関係者や自治体首長らで作る準備会が主催。つどいでは、済生会栗橋病院(埼玉県)の本田宏副院長が「医師不足と深刻化する地域医療崩壊」と題した講演を行った。本田氏は、「日本の医療費は先進国で最も安いレベルで、質の高い医療が提供できていない」と国の医療政策を批判するとともに、医療に係る予算拡大を要求。さらに「勤務医は32時間連続で勤務するなど過重労働を余儀なくされている」として、医学部の定員増などで、医師不足を解消する必要性を訴えた

 また、山梨大医学部の学生は、学内で行った進路希望のアンケート結果を公表した。産婦人科と外科では「希望しない」が「希望する」を上回り、「厳しい労働環境を実習で目の当たりにするからだろう」と分析している。参加した医師らは県医務課の担当者に対して、「勤務医の過酷な労働環境を把握し、勤務医の減少を食い止めて欲しい」「県内の医師について年齢層別に、数や平均労働時間について調査して欲しい」などと要望した。



 山梨Good Job。医学生もやる気があっていいですねぇ。

 確かに産婦人科や外科は底抜けに忙しい。正直お金を稼ぎたいだけならもっといい職など腐るほどあります。

 しかし職場には、とてつもないほどの「やり甲斐」があります。もうここだけですね。この1点のみ、ですが、人が生きて死んでいく過程で、やり甲斐のある仕事をして人生を真っ当できたら、これほど幸せなことはないとも思います。

 確かに実習であまりの過酷さに「駄目だ」と思ってしまう学生も多いかと思いますが、その反面、「非常に面白い科だ」「自分もできることならやってみたい」と思った学生も多いんじゃないでしょうか。

 興味をもった若い芽を育てるためにも、労働環境の整備をお願いしたいところですね。

 医学生を1.5倍にするという案が一番「現実的」ですけれど、医学生1人あたりに何千万という補助金が国から出るわけですからね。国としてもお金使いたくない一心なのではないでしょうか。変な保養施設とか道路とか作るぐらいなら、医学生に『投資』したほうが国の将来のためだと私は思いますけどね。
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2008年06月12日

防衛医科大医学部五年生を強盗教唆容疑で逮捕する。

防衛医大生を逮捕=裏サイトで募集、教唆

 東京都台東区上野の貴金属店でネックレスなどが奪われた事件で、警視庁捜査1課は4日、強盗教唆容疑で、埼玉県所沢市並木、防衛医科大医学科5年容疑者(23)を逮捕し、強盗容疑で、首謀格の住所不詳、無職O容疑者(44)を指名手配した。

 同日までに、質店などに強奪品を売ったとして、盗品等処分あっせん容疑で、千葉県野田市山崎、介護助手O容疑者(41)も逮捕した。

 調べによると、S容疑者は3月27日午後、中央区の喫茶店で、携帯電話の裏サイトを見て応募した実行役として逮捕された男に「仲間を探している。報酬は300万円」と持ち掛け、強盗を教唆した疑い。容疑を否認しているという。

 O容疑者らは同月28日午後3時50分ごろ、貴金属店で、刃物で店員を脅迫し、計1300万円相当のネックレスなどを奪った疑い。



 国試合格率は高く、更に体力・頭脳ともに優秀な防衛医大の5年生ですよ。あと2年もすれば晴れて医者になれるというのに。たかだか1300万円ごときで逮捕。退学でしょうねぇ。

 アホですな〜。自分がそういう身分だということを自覚していないのでしょうか。確か防衛医大って、学生ではなく「国家公務員」扱いなんですよね。だから勉強しながらでも給料(給料とは言わないけど)が出る。しかも衣食住完備。まぁ防衛大っぽく訓練もやるみたいですけれど、それでも6年間学んで医者になれるのですから、ありがたい限りですよね。

 しかしそのエリートコースを蹴り、わざわざ1300万円ごときで自分の人生を破滅へと導くあたり、鈴木裕三容疑者は何を考えてるんだからホントわかりませんね。

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2008年06月10日

和歌山県立医大の「観光医学講座」。

県立医大、全国初の「観光医学講座」

 県立医大(和歌山市紀三井寺)が全国初の「観光医学講座」を開講して7月で2年。和歌山の観光資源を生かし、現代人の健康増進と癒やしを目指した取り組みが注目されている。現状と課題を取材した。

 熊野古道ウオークで汗を流し、高野山で精進料理を食べ、医師による健康セミナーで悩みや疑問を解消する。講座の疾病別ツアーの一例だ。第1弾は06年11月、糖尿病患者ら21人が高野山を訪れた。その後、パーキンソン病患者向けのストレッチ講習、乳がんや人工肛門の人は敬遠しがちな温泉入浴など、07年度までで計5回開いた。医師や看護師らが同行し、ある程度の重症患者も1人で参加できる。

 医学的にも一定の効果を確認できるという。糖尿病患者は食事の前後に血糖値を測定し、パーキンソン病患者と家族のストレス度を計測したところ、いずれもツアー後半、数値が改善した。参加者から「同じ病と闘う人の体験を聞けてよかった」「医師への信頼感が高まった」などの声が寄せられている。

 一方、課題もある。07年度は糖尿病、脳梗塞、義足、乳がん、人工肛門、美容の6ツアーを企画したが実現したのは糖尿病のみ。各疾病の専門誌に広告を掲載したり、医療機関にチラシを配布したりして募集したが、糖尿病以外は最低人数を確保できず中止された。

 国土交通省が旅行の新商品開発を促そうと07年度から始めた「ニューツーリズム創出・流通促進事業」の実証事業の一つにも選ばれた。だが同省は「対象者が限定されるため、従来のようなチラシやパンフレットだけの販売促進では商品化は厳しい」とみる。

 価格も、1泊2日で1人2万9200円〜4万5800円、4泊5日で9万9800円と高めだ。少人数のためバスの運賃単価が抑えられないことや、食事の特別メニューなどが影響しているという。参加者からは「知人を誘ったが『年金生活者には(高額すぎて)手が出ない』と言われた」という声もあったという。

 県難病の子ども家族会の武内優子会長は「患者や家族が不安から解放される貴重な機会になる。ただ、治療費という経済的負担を抱える患者を対象にする以上、もっとハードルを下げてほしい」と話した。



 医学的効果ねー。そりゃ運動してるんですから、当然あるでしょうし・・・。

 もっとこう、そういう「健康」とかじゃなくて、割り切ってしまえばいいんじゃないでしょうか。病人でも医者が付き添っているから旅行にいける!しかもその医者は○○大学○○科の○○先生だから、他の先生も確実に外泊許可をくれる!というのをウリにすれば、入院中であっても参加者は出るのでは?

 でもこれは和歌山にとって旨みのある話かというとそういうわけではないですからねぇ。

 病院から和歌山の現地まで、看護師が付き添って面倒をみてくれるオプション付きだったら、利用者は増えるんじゃないでしょうか。プラス2万くらいで。

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2008年06月03日

秋田県内の研修医の定着率は67%。この数値をどう読むか。

県内研修医の定着率は67% 前年比6人増、秋田大出身は32人

 県内の病院で3月に2年間の卒後(初期)臨床研修を終えた研修医70人のうち、47人が県内の医療機関を進路先に選んでいたことが県の調査で分かった。定着率は67%で前年とほぼ同じだったが、人数は6人増えた

 進路の選択は、進路先での研修の内容や指導医の資質のほか、研修医の出身地や出身大学の所在地などに左右されることが多いとされる。卒後臨床研修を県内病院で終えた3期生70人の出身大学別内訳は秋田大が42人。研修後の進路に県内医療機関を選択した47人のうち、秋田大出身者は32人だった。

 一方、医大生と卒後臨床研修の受け入れ病院双方の希望を基に研修先を決める「マッチング」の状況をみると、充足率は1期生51・5%、2期生46・6%、3期生51・9%で推移。病院の希望が満たされている状況からはまだまだ程遠い。

 県医務薬事課医師確保対策推進チームは「研修を終えた医師の県内定着率向上とともに、まだまだ改善の余地はある」としている。



 ん?これはちょっとよくわからない。

 もし地元で医療を行いたいと思っているならば、普通は研修先から地元の病院にすると思います。研修を地元で行うメリットは、地元で開業とかするときにコネクションが作りやすいというのはありますからね。

 逆に研修を自分の大学付近でやって、研修を終えてから別の病院に行くというのはどういうわけなんでしょう。例えば入局して、関連病院へ修行として行った病院が「たまたま県外だった」のなら分かりますけれど。

 一番怖い、「研修先として選んだけれど『残念な病院』だったので別のところに行った」のでなければいいですが…真相は果たして。

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2008年06月02日

東海大学東京病院でカテーテル挿入口に空気を流し込むミス

男性医師を書類送検

 東海大東京病院(東京都渋谷区)で03年、男性医師がカテーテル検査で空気を誤って注入、患者が脳障害になった医療事故で、警視庁原宿署は29日、業務上過失傷害容疑で医師を書類送検した。

 医師は03年10月、心筋梗塞のため入院していた男性患者=当時(60)=の動脈にカテーテルを挿入し造影剤を流し込んで血管を調べる検査をした際、止血具に入れる空気を誤ってカテーテルの挿入口につながる穴に入れたという。



 動脈から空気を注入してしまったのか…。これは書類送検されても仕方のないレベルのミス…。

 ここまで単純なミスになってくると、対策すら難しくなってくるでしょう。ルーチンワークとして医療を行うのではなく、緊張感を持ち続けて行わなければなりません。

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佐賀大学病院が、検査データとは別人の前立腺を摘出する。

がんでない前立腺摘出

 佐賀大病院は29日、前立腺がんではない60代男性から前立腺を全摘出する手術ミスがあったと発表した。

 男性が受診した民間医院で同じ日に組織検査を受けて前立腺がんが疑われた別人の検査結果とデータが入れ替わっていたことが原因。ただ、間違って摘出された前立腺から、偶然、がんになる恐れがある病変が見つかったという。病院の釘宮隆患者サービス課長は「再発防止策を考えたい」と話した。



 佐賀大学やっちゃったなぁ。

 検査して、前立腺がんかと思ったら似たような違う病変だった、というのではなくて、「データが他人のものと入れ替わっていた」というのは痛すぎる。こういったことが二度と起きないように、どの病院も対策を練って実行しているだけに残念。今後二度と起こらないよう、再発防止に全力を注いでもらいたいです。

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2008年05月20日

京都大学がiPS細胞の関連特許を管理する会社を設立。

iPS知財を一括管理、京大などが会社設立

 さまざまな臓器や組織に変化する新型万能細胞(iPS細胞)の研究成果を、再生医療や創薬などに生かすため、京都大は16日、大和証券グループ本社や三井住友銀行など金融機関3社から最大約12億円の出資を受けて、関連特許などの知的財産の管理・活用を行う会社を来月設立すると発表した。

 今後、iPS細胞研究を行う国内の大学や研究機関にも参加を呼びかけ、関連の知財を一括管理し、オールジャパン体制を目指す。大学が中心になって、特定の研究分野の成果を基にした知財を束ねて管理・運営する会社を設立するのは、国内では初めて

 大学での研究で確保した、特許などの知財は、大学ごとに学内で管理し、企業への使用の許諾を判断するのが一般的だ。しかし、京大では「民間組織の方が、研究成果を迅速に産業界に技術移転できる」(松本紘副学長)として、金融機関3社からの申し出を受けて、学外にiPS細胞研究の知財を一括管理する管理会社を設立することにした。

 具体的には、新会社は当面、創薬や再生医療への応用を計画している企業から申し出があった場合に、京大に代わって、知財の使用許諾の判断や使用料の受け取りなどの業務を行う。

 今後、他の企業にも出資を募るほか、製薬業界などから知財に詳しい人材の派遣なども求めていく。

 また、国内で各大学・機関がバラバラにiPS細胞の知財を管理していると、産業界への技術移転が進まないため、京大では、共同研究している慶応大や東京大などと、新会社での知財の一括管理について協議する方針という。

 京大は今月2日、新会社の運営方針を決める上部組織「iPSホールディングス」を発足させている。



 ん、これは必要ですね。

 何しろ、iPS細胞の発見というのは、医学界のほぼ全ての科の難病疾患が治るかもしれないほどのインパクトを兼ねていますから。精神科ぐらいでは。(精神科も、セロトニン分泌細胞をiPS細胞で作るとかそういう具合に、治療法に繋がるかもしれないけれど)

 それを大学1つで管理しろといっても無茶な話です。大学は研究するところ、それ以外は別の会社にやってもらったほうが手っ取り早い。ならば会社作ってしまおう、とそういう話ですね。今後こういった形の会社は増えると思いますよ。

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2008年05月18日

横浜市立大学の嶋田紘教授が、がん患者から100万円を受け取る

がん患者の家族から100万円…横浜市大教授受け取る

 横浜市立大医学部の学位取得を巡り謝礼を受け取っていた同大の嶋田紘教授(64)(3月末で医学部長退任)に、現金100万円を渡したと、同大付属病院(横浜市金沢区)で手術を受けた患者の家族が読売新聞の取材に対し、明らかにした。同大は、患者側から謝礼などで金品を受け取ることを禁じている。

 患者の家族によると、患者は2003年2月、同大付属病院にがん治療のため入院。同月中旬、家族が嶋田教授の自宅を訪ね、100万円入りの封筒を渡したところ、嶋田教授は「ご期待に沿えるかどうか、難しいが、有効に使わせていただく」と応じ、受け取ったという。

 嶋田教授の代理人の弁護士は「一切ノーコメント」としている。



 有効にって、どういった内容で使うつもりだったんでしょう。ストレス発散とかですか?

 実際こういう金銭の授与は、今ではほとんど行われていないと思いたいです。もし渡されていたとしても、行う手術の集中力や技術力、成功率などは全く変わらないので、意味はないんですけども。

 逆に持ってこられると、断るときに気まずくなるので、そういう行為をしないでほしい、というのが本音なところもあるでしょうね。まぁ嶋田紘教授のような人がいるからこそ、患者さん側も、金銭を渡そうとしちゃうんですけど。

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