2010年03月30日

第104回医師国家試験、合格発表速報

第104回医師国家試験の合格発表について

 平成22年2月13日(土)、14日(日)、15日(月)に実施した標記試験の合格者数等は下記のとおりである。



出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒者 7,912 7,701 7,147 92.8%
全体 8,705 8,447 7,538 89.2%

○合格基準

第104回医師国家試験の合格基準は、
一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
[1]〜[4]のすべての合格基準を満たした者を合格とする。

[1]一般問題     123点以上/196点
[2]臨床実地問題   378点以上/585点
[3]必修問題     160点以上/200点

 但し、必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について総点数の80%以上とする。

[4]禁忌肢問題選択数  3問以下



 104回の結果が出ました!

 今年は「厚生労働省の温情」に助けられたなぁという感じはあります。

 まず「必修問題の大量削除」。必修で10点落としたぐらいだったら救済されるくらい、大量削除されてました。

 あと削除でいえば、一般・臨床問題も、通常では考えられないくらい削除されていました。

 いや、まぁ、正直言って「問題が悪問すぎた」というのはあると思います…。

 はっきり言わせて貰えば、「厚生労働省よ、もうちょっと問題をちゃんと吟味しろ」と。

 国家試験始まって以来の、過去最高の削除だと思いますし。


 加えて温情という意味でいえば

 禁忌問題が3問まで踏んでもOKという異例の救済措置。

 今までは2問までセーフ、3問までアウトだったのに、3問も禁忌を踏んでも大丈夫なようになったということ。

 これは問題が悪いのではなく、禁忌を軽視しすぎている最近の医学生に問題があると思います。

 来年の国家試験も、今年同様、うまい具合に禁忌を絡めてくると思われるので、ちゃんと対策したほうがいいです。「禁忌キッズ」というしゃれた本も出版されていることですし。


 合格率89%と、去年に比べて大幅に減りました。ですが、結局温情措置があったことを含めれば、「厚生労働省は、人数で合格者をはかっている」ということが判明してしまったわけです。

 要するに、来年度の研修医育成予算が今年と同じならば、来年度の合格者も今年と同じになるはず。つまり来年の合格人数も予想できるわけです。

 医師国家試験は絶対評価ではなく相対評価。下から何人落ちるか、といった競争ということが判明してしまったので、来年受けるかたは肝に銘じて下さい。


 今年合格した皆様、本当におめでとうございます!!


posted by さじ at 00:16 | Comment(3) | TrackBack(0) | 大学

2010年03月29日

地域枠での医学部進学に市長がエールを送る

医学部進学生に市長がエール

 益田高から島根大医学部に進学する5人が24日、益田市役所を訪れ、福原慎太郎市長の激励を受けた。5人全員が大学卒業後の地元勤務を条件とする「地域枠」での進学。地域医療への熱意を市長に伝えた。

 市長室に招かれた5人は「人の役に立つ仕事をしたい」「早く一人前になって、益田圏域に貢献します」と決意を述べた。福原市長は「貪欲に知識を吸収し、必ず故郷に帰ってきてほしい」と強調した。

 医師不足が深刻さを増す中、医師を目指す地元出身者を激励しようと市が企画した。



 受験時の偏差値が高いというだけで医学部を志望する学生よりも、地元に貢献したい、人の役に立ちたい、という理由で志望する学生のほうが、モチベーションが高い分、伸び率も高いでしょうねぇ。

 まぁ医学部に入ってそういうモチベーションをあげられることに出会えればそれはそれでいいんですが。

 地域医療の崩壊を食い止める若い芽を、しっかり育てることも、国、そして国民の義務です。妥協することなく頑張ってもらいたい。
posted by さじ at 02:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2010年03月13日

医療系の大学院教育に関して検証する

医療系の大学院教育検証で骨子案提示

 文部科学省は3月5日、中央教育審議会大学分科会大学院部会の医療系ワーキンググループで、中教審が2005年に答申した「新時代の大学院教育」に掲げた取り組みを検証するため、医療系の大学院に実施した書面調査や訪問調査の結果の概要を骨子案として提示した。文科省はこの日に実施したヒアリングの内容などを踏まえ、骨子案の論点を各委員から募り、案を再提示する。ワーキンググループでは4月下旬に、大学院部会に答申の検証結果を報告する予定だ。次回は3月26日に開催する。

 ワーキンググループは、名古屋市立大薬学研究科の水上元・研究科長、兵庫県立大看護学研究科の片田範子教授、神戸大医学研究科の東健副研究科長、新潟大医歯学総合研究科の前田健康・研究科長の4人にヒアリングを実施。基礎系研究者の確保のための課題と対応策や、学生への支援など各大学院で実施している取り組みなどについて聞いた。

 水上氏によると、名古屋市立大では6年制教育の導入後に講義の数が増えた一方で、教員が減少したという。水上氏は「このままだと、基礎(研究)の分野と実務側の分野の両方が沈んでしまう」などと訴えた。

 文科省の骨子案では、▽医療系大学院の現状▽人材養成目的の明確化▽体系的な教育課程の編成・コースワークの充実等―など13項目について調査結果を提示。

 具体的には、人材養成目的の明確化について、「養成しようとする人材像が明確でないものが多く、特に臨床医等の高度専門職業人養成における臨床研究等の位置づけに課題」があることや、教育課程の編成・コースワークの充実等については、「日常業務を担う院生・教員とも教育研究時間の確保が難しく、負担感が増大する」と指摘している。



 確かに、教育に力が入っているかどうかということに関していえば、よくわからんといいますか、臨床や研究の傍らという感じはありますね。

 今までナァナァにきてしまったところもあると思うので、その点をどう改善できるか、といったところでしょうか。
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2010年03月03日

富山大学医学部・薬学部の一般入試で出題ミス

富山大入試で出題ミス=医、薬学部「化学」で

 富山大学は1日、先月25日に行われた2010年度一般入試前期日程の化学の問題で、出題ミスが1カ所あったと発表した。化学のほかの問題に配点を加点して採点するという。

 化学は、医学部医学科では選択科目として230人のうち227人が、薬学部では必須科目で281人が受験した。



 国公立医学部の前期試験も先日終わりましたね。

 物理・生物受験が3人いるということでしょうか。なんか、そこにちょっと驚き。時代の流れでしょうか。
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2010年03月02日

日本医師会が、医学部新設に反対の姿勢をみせる

日医、医学部新設には「反対」

 日本医師会の中川俊男常任理事は2月24日の定例記者会見で、医師数を中長期的に増やすことは妥当だが、医学部の新設には「反対」とする日医の見解を発表した。3私大が医学部新設の準備を進めているとの一部報道を受けたもの。

 見解では、中長期的に医師数を1.1−1.2倍にすることが妥当とし、その前提条件として、▽財源の確保▽医学部教育から臨床研修制度までの一貫した教育制度の確立▽医師養成数の継続的な見直し―の3点を挙げた。

 その上で、文部科学省が公表している来年度医学部入学定員の増員計画では、過去最多となった今年度(8486人)からさらに増加して8846人になるとして、「医学部を新設する必然性はない」と指摘した。

 さらに具体的な問題点として、▽医療現場の医師が教育確保のために引き揚げざるを得ず、地域医療崩壊が加速する▽教員が分散し医学教育の水準や医療の質の低下を招く▽人口減少など社会の変化に対応した医師養成数の柔軟な見直しを行いにくくなる―の3点を挙げた。

 また、2008年の1医育機関当たりの医師数は289人、医療施設(病院・診療所)医師数は27万1897人とする厚生労働省の「2008年医師・歯科医師・薬剤師調査」などのデータを挙げ、「仮に医学部が1つ新設され、医療現場から289人が失われると、医療施設医師数は0.1%減少する」と指摘した。加えて、二次医療圏の約4割で医療施設に従事する医師数が289人以下だとして、地域での医療崩壊の進行への懸念を示した。

 中川氏は会見で、「医師不足だから医学部を作ればいいというあまりにも短絡的な発想。日本の医療制度全体を見通さない発想には本当に驚かされる」と述べ、19日に全国医学部長病院長会議が関係省庁などに提出した医学部の新設と急激な定員増に慎重な対応を求める要望書について、「非常に的確な反論だった」と述べた。



 まあ言わんとすることは分かります。正直、現場の医療従事者で、医学部が増えることを強く望んでいる人はあまりいないのでは。

 というのも、今の歯学部の現状のように、飽和状態になってしまっても困るわけです。今は医師不足ですが、昨年から医学部の定員を10%増しました。このままいけば少しずつ増えていくはずです。

 そこへ医学部を更に新設すると、その医学部を支える大学病院の運営で何百人もの勤務医、そして医学教育に携わる人員が増え。更に人口減少で医師の必要性も減じていくのでは、という点を危惧しているのでしょう。

 個人的には、単純に、あと2,3個あっても面白い、と思いますけれどね。自治医大システムで地方に私大を作れば、地域医療の医師不足も賄えると思いますし(早稲田大などが医学部を新設する、のは論外というか必要性を全く感じませんが)
posted by さじ at 06:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2010年02月16日

全国の医学生の登竜門、第104回医師国家試験。

 というわけで、今年もこの季節がやってまいりました。

 第104回医師国家試験

 全国で頑張ってきて、6年間で卒業を勝ち取ったもののみが受けられる、医師国家試験です。

 去年版はこちら。

第103回医師国家試験を終えて、受験者の感想。


 医師国家試験、と聞くと物凄く難しいイメージがありませんか。

 まず医師国家試験の構成からご説明しましょう。


・問題数

 問題は全部で500問です。そしてセンター試験のようなマーク式。

 センター試験と異なる点は、回答が1個ではないというところでしょうか。

 「次のうちから2つ選べ」「次のうちから3つ選べ」のように、複数選択になっている問題もあります。昔は、2つの組み合わせ、3つの組み合わせを5つのうちから選ぶだけという簡単なものでしたが、最近はそういう形式ではなく、自分で5つの中から2つ、または3つ選ばなければならない、というハードなものになってきています。


・出題者

 出題者は大学病院の先生や、大きな病院の先生などです。厚生労働省から作成依頼を受け、作成します。それぞれの専門分野に則った問題が出題されます。

 ここで問題となるのが、「情報の漏洩」です。

 基本的には絶対漏らしてはいけないことです。厚生労働省が管轄する、れっきとした「国家試験」ですからね。

 ですが、毎年のように1部、漏れます。予備校側がその情報をかぎつけたり、独自に分析して予想するのは構わないと思いますが、酷いのになると自分の大学の生徒に少しリークする、といった類のものもあります。医師として、というより社会的にやってはいけないことですが、厚生労働省が厳重に取り締まらないのは、何か裏であるのかな、と思ったりもしますが。実際どうなんでしょうね。


・結果

 はっきり言ってしまえば、厚生労働省的に「何人を医者にするか」という大体の数は決まっています。厚生労働省の予算内で考えるなら8000人中1割ぐらい落とす、というのが近年の傾向でしょうか。

 ではその基準はどうやって決めるのでしょうか。


1.一般・臨床問題

 これは、500問中の大半を占める問題のことで、よくある医学的知識を聞く問題です。

 一般問題、というのは、問題文が1行で、一問一答形式のもの、臨床問題は、患者さんの情報などが書かれていて答えを出す、いわゆる長文問題です。

 医学的知識がないと解けないものですが、中には一般常識で解けるような問題もあります。逆に、参考書で勉強しているような人が選択できない問題というのもあったりするのです。例えば、この医学処を毎日見て下さっているような、医学に興味をお持ちの方ならば、医師国家試験といえど正解できるかもしれません。


 一般問題の例を、今回の試験で挙げてみます。


高病原性鳥インフルエンザについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a インフルエンザ菌が原因である。
b 20世紀にパンデミックを起こした。
c 入院患者での致死率は5%以下である。
d 病鳥との密接な接触でヒトに感染する。
e 治療にノイラミニダーゼ阻害薬を用いる。




 選べましたか?

 高病原性鳥インフルエンザに関しては、医学部でもあまり教えることがないため、正解率はそんなに高くないとは思いますが、鳥インフルエンザに関するニュースを見たことのある人ならば、解けたのではないでしょうか。

 答えはdeです。


 次に、臨床問題の例を挙げてみましょう。


72歳の男性。進行する呼吸困難を主訴に来院した。

現病歴 : 5年前から階段昇降時の息切れを自覚するようになった。この頃から少量白色調の喀痰を認めた。冬季に感冒に罹ると喀痰が増量し、息切れが悪化する。年々息切れが進行し、家族と並んで平地を歩行していても、息切れのために会話が途切れるようになった。

既往歴 : 特記すべきことはない。

生活歴 : 喫煙は40本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。

家族歴 : 特記すべきことはない。

現 症 : 意識は清明。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧126/64mmHg。呼吸数 20/分。

検査所見 : 尿所見:蛋白(−)、糖(−)。血液所見:赤血球420万、Hb14.7g/dl、白血球6,700、血小板25万、血液生化学所見に異常を認めない。呼吸機能検査:%VC 84%、%FVC 65%、%FEV1.0 40%、FEV1.0% 45%、%RV 140%、 RV/TLC 50% 、%DLCO 40%、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air): pH 7.36、PaO2 55 Torr、 PaCO2 48 Torr、 HCO3- 24mEq/l。

この患者に禁煙指導を行うこととした。説明として適切なのはどれか。3つ選べ。

a 「まず行うべき治療です」
b 「意志の弱い人が喫煙者となります」
c 「保険診療が適用できます」
d 「公費補助が受けられます」
e 「薬物治療も可能です」




 こういった形式の問題が、いわゆる臨床問題です。

 この問題も今年の試験からなのですが、文章は医学的専門用語ばかりでも、問われていることは要するに「禁煙指導にはどうしたらいいか」という医者の対応を問われています。最近の、禁煙に関する事柄をニュースなどで見たことのある方は、解けるのではないでしょうか?

 答えはaceです。保険適用されているかどうか知らなかった医学生もいるかもしれませんが、当医学処を読んでいる方なら、禁煙治療が保険適用されているというのは知ってますよね

医学処:厚生労働省「禁煙治療を保険適用にしたけど、効果がなかったら取り消します」
医学処:禁煙するのにオススメな病院をデータベース化。
医学処:新禁煙補助薬「バレニクリン」を保険適用にする。


 そして、一般問題、臨床問題、それぞれに「合格ライン」があって、まぁ大体毎年63%ぐらいなんですけれど、一般問題で63%以上、臨床問題で64%以上とれば合格、という風になります。

 今年はみたところ、一般問題は去年より点がとりやすく、臨床問題は難問奇問が多いかな、という印象です

 去年の合格ラインが、一般問題が63,1%、臨床問題が64.3%ですので、今年は一般問題が64%、臨床問題が63%ぐらいが妥当なラインではないかなと予想されます。


2.必修問題


 そして一般問題、臨床問題とは別に、「必修問題」というものがあります。

 必修、すなわち、「これ知らなかったらだめだよ」というレベルの、簡単な問題が何問かあります。

 そして必修問題の恐ろしいところは、「絶対に80%以上取らなければならない」ところにあります。

 一般問題、臨床問題の合格基準は、あくまで相対評価によるものですが、必修問題では80%の正解をしないと落とされてしまうのです。


 と、書くと、「じゃあ本当に簡単な問題ばかりなんだろう」と思われるかもしれませんが、今年の必修問題は奇問が目立ちました。

 はっきり言って作成者の能力を疑うレベルの、必修問題として出題する意味があるのか厚生労働省に問いたくなる問題のオンパレードでした。

 これはおそらく、6,7年目の臨床経験のある医師どころか、大学の教授クラスでも、8割とれないという人は結構いるのではないでしょうか。

 今年の問題をみる限り、問題として不適切なので大量に削除されると思いますので、安心して下さい。必修で落とすことはそんなにないと思います。


 そんな「必修問題」の第一問は、全国の医学生の半数以上が解けなかったであろう問題でした。正解率は20%ぐらいではないか?と思います。

 ですが、医学処をご覧の皆さんなら、解けるかもしれない、という問題でした。チャレンジしてみて下さい。


我が国の自殺について正しいのはどれか。

a 女性に多い。
b 独居者に多い。
c 手段として縊頸が最も多い。
d 自殺率は九州地方が最も高い。
e 自殺者数は年間5万人を超えている。



 自殺関連のニュースが近年増えてますからね。

 そういう時事関連の話を出すのも、この必修問題です。

 自殺は秋田、山梨に多く、中高年男性に多いんでしたね。これを知っているだけでadが消せます。答えはcの「首吊り自殺」です。まぁ普通に考えれば薬物による自殺より多いと思いますよね。ちなみに自殺者は3万人で、そのうちの2万人が首吊りによる自殺です。


3.禁忌


 500問の選択肢のどこかに、「絶対にやってはいけないこと」というのが存在します。

 この病気にこの薬を使ってはいけない!など、命に関わるものです。

 まぁ普通だったら選ばないようなものばかりなんですけれど、国家試験の本番ですからね、意外と頭も働かなくなるものです。ふとした気の迷いで選んでしまうことがたまにあります。

 この禁忌の怖いところは、3個選んだ場合、その時点でどんなに成績が良くとも不合格というところです。

 まぁ実際3個選ぶかどうかといえば、普通は選ばないんですけれど、今年は結構いやらしく設定されてましたね。ひょっとすると禁忌で落ちる可能性もありうるのではないか?という出題になってきています。


 禁忌問題の例がこちら。これも今年の問題からです。


 53歳の女性。事務職。眼の圧迫感を主訴に来院した。5年前から気管支喘息があり、副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。3年前から夕方になると、眼がかすむことがあった。最近は、書類が見づらくなり眼の痛みを感じることが多い。眼位と眼球運動とに異常を認めない。視力は右1.0 (1.2×-0.25D) 左1.2(矯正不能)。眼圧は右22mmHg 左22mmHg。細隙灯顕微鏡検査では前眼部、中間透光体および眼底に異常を認めない。静的量的視野検査で異常は検出されない。涙液分泌検査SchirmerテストI法で右10mm、左10mm。調節力は両眼ともに2.0Dである。対応として適切なのはどれか。

a 人工涙液点眼
b β遮断薬点眼
c トロピカミド点眼
d 遠用眼鏡処方
e 近用眼鏡処方



 どこがいけないんだか、分かりました?

 この患者さんの訴えていることは「眼」ですが、「5年前から気管支喘息があり〜」と書かれていますよね。

 そして選択肢には「β遮断薬点眼」とあります。

 気管支喘息にβ遮断薬は絶対に使ってはいけないものなので、もしこの問題でbを選んでしまうと、禁忌を踏んだことになるわけです。






 長くなりましたが、毎年このようにして国家試験は行われています。

 受験生の皆様、お疲れ様でした。

 結果発表は3月29日。不安のある人もおられるでしょうけれど、大丈夫です、今まで頑張ってきたことを信じて、一ヶ月間十分に休んでください。


 来年国家試験を受ける方。

 国家試験は参考書で得られる知識以上に、実習で学んだことや時事一般事項に絡んでいるものが多く出題されます。特に今回の104回では、実習でサボった人は絶対に解けない問題などが多く出題されていますので、できるだけ興味関心をもって、医療に接して下さい。


第100回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第100回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
posted by さじ at 15:42 | Comment(17) | TrackBack(0) | 大学

2010年01月27日

大学医学部の新設を文部科学省が検討している。

大学医学部の新設 検討開始へ

 文部科学省は、地方を中心に医師不足が依然として深刻であることなどから、医師を大幅に増やす必要があるとして、昭和54年を最後に新たに設けられていない大学の医学部の設置を認める方向で、新年度から具体的な検討を始めることになりました。

 大学の医学部は全国に79あり、昭和54年を最後に新たに設置されていません。また、医学部の定員も平成9年の閣議決定に基づいて減らされてきましたが、政府は医師不足を受けて、平成20年度から定員を増やしており、現在、全国の医学部の定員はあわせて8400人余りとなっています。

 こうしたなか、文部科学省は、地方を中心に医師不足が依然として深刻であることや、政府がまとめた新たな経済成長戦略の基本方針でも医療分野で成長を促すとしていることなどから、医師を大幅に増やす必要があるとして、新たな医学部の設置を認める方向で新年度から具体的な検討を始めることになりました。文部科学省では、民主党が去年の衆議院選挙の前にまとめた政策集で医学部の定員を現在の1.5倍にするとしていることを念頭に、医学部を新たに設置するために必要な条件などについて、新年度中には一定の方針をまとめたいとしています。



 いいんじゃないですかね。

 自治医科大学システムで、地方の医者を育ててそこに勤める制度にすれば、学生はお金の心配いりませんし、地方は医師が潤いますし。

 特に県によっては、医学部が1つまたは2つしかないところもあるので、そういったところに作れば。勿論、自治医科大学がいまぶちあたっている壁(バカ親が卒後に全学費を払って息子を自由にする)も考慮して政策を進めるべきだと思いますが。

 ただ医学部っていうのは軌道に乗るまでなかなか難しくて、10年から20年ぐらいしないと教育やら大学病院やらも安定してこないのでは、と言われています。ノウハウや経験の世界ですからね。それを考慮して、10年後に日本の医療が十分なプラスになるというメリットがあるのならば行うべきだと思います。

 医学部の定員を1.5倍にする、という民主党の掲げている案は、あまりにも非現実的すぎるので・・・。
posted by さじ at 01:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2010年01月05日

岡山大学病院が女性医師復職支援で成果を挙げる

岡山大病院、女性医師支援3年目 成果着々35人復職

 出産や育児で離職した女性医師の復帰を手伝う岡山大病院(岡山市北区鹿田町)の復職支援プログラムが3年目を迎え、成果を挙げている。医療技術の再教育や女性医師同士のネットワーク構築で、これまでに35人が職場復帰。深刻化する勤務医不足の解消につながると期待されている。

 「キャリアを深めるか、子育てに専念するか。二者択一しかないと考えたこともある」。約1年3カ月の出産・育児休暇を経て約1年前、同病院産婦人科に復帰した清水恵子医師(36)は振り返る。

 2008年から実施された女性医師を対象とした特別採用枠で復職。緊急時の呼び出し、当直などが原則免除され、勤務時間は週32時間以内で3パターンから選ぶことができる

 現在、週3日フルタイムで同病院の外来や手術をこなす。勤務時間の短縮で以前より収入は減ったが、「これなら育児をしながらでも働ける。選択肢が増えありがたい」。

 国の統計によると、全国の医師数(08年末現在)は約28万6000人で、うち女性は18・1%の約5万2000人。年々増加傾向にあり、29歳以下では36・1%を女性が占める。591人が勤める岡山大病院も28%が女性だ。

 ただ、20〜30代は出産・育児などで離職し、そのまま退職を余儀なくされるケースが多く、近年の医師不足の要因の1つとされる。支援プログラムはこうした人材を掘り起こし、“即戦力”確保を進めるとともに、激務に追われる同僚医師の負担軽減も狙う。

 同病院は07年、文部科学省の財政支援事業を活用し、取り組みを始めた。プログラムは現役時代の勘を取り戻すための医療技術講習会と、女性医師同士で仕事や将来の悩みを相談・助言し合う支援ネット作りが柱。

 講習会は数人単位で行い、患者の容体急変時を想定した訓練などを月1回ペースで開催。2カ月に1回程度の支援ネットのミーティングには毎回20人以上が集う。

 「いったん現場を離れると孤立しがち。知識や技術を維持できるか、不安もある」。夫の転勤で離職後、復帰した久田恭子医師(32)。「キャリアを積みたいと思う私たちの背中を押してくれる制度」と評価する。

 一定の成果を挙げつつある復職支援プログラムだが、今後は岡山大病院以外にどう波及させていくかが課題。医療関係者が「医療界全体の労働環境改善につながる」と口をそろえるように、こうした取り組みは大学病院以上に人材確保に頭を痛める地域の病院で必要とされている。

 ネックとなるのは資金確保。3年間で約5700万円あった国の財政支援は本年度で終わる。同病院の森田潔院長は「女性医師の離職は社会にとっての損失。病院独自に取り組みを続けるが、負担は軽くない。国などの継続的な支援も必要」と訴える。

 短時間勤務制度など、きめ細かい女性医師支援策で全国的に注目される大阪厚生年金病院(大阪市)の清野佳紀院長(岡山大名誉教授)は勤務環境改善へ向け、主治医制度からチーム医療への移行、地域の病院・開業医との連携強化の必要性も指摘。「地域が一体となった取り組みが重要」と提言する。



 良いモデルケース。

 そして現代の女性医師や医学部生は、出産などを考慮した場合、岡山大学病院で働きたい、と思うはずです。

 やはり最終的にネックとなるのはお金、ですかね。医師不足解消のためにも、国が補助してくれると大いに助かるんですが。医師の全人数を上げるよりも、今いて離職している医師をサポートするほうが即戦力になりますしね。
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2010年01月03日

解剖医が不足しており不審死が見過ごされている。

第2の埼玉・鳥取不審死が見過ごされる…解剖医、深刻な不足状態

 埼玉県や鳥取県で連続不審死事件が相次ぐなか、事件に巻き込まれた可能性のある「変死体」の解剖を警察から任される医師の不足が深刻だ。警察が取り扱う変死事案はこの10年で1.6倍に増加しているのに、解剖医は減り続けているのだ。解剖される変死体は全体の1割程度で、態勢が強化されなければ、事件が表面化しない可能性も指摘されている。

 警察庁によると、平成20年に警察が取り扱った変死体は約16万1800体。このうち司法解剖された遺体は約6300件で、犯罪性はないが死因がわからないために行う行政解剖が実施された遺体を含めても約1万5700件だった。

 司法解剖のデータを取り始めた平成13年は、変死体約11万9000体に対し、司法解剖したのは約4400件で、変死数増加に比例して司法解剖数も比例して増加している。

 この一方で、日本法医学会が平成21年秋、法医学教室を持つ80大学を対象に実施したアンケート調査では、大学1校あたりの解剖医は1.84人。昭和59年当時の2.57人と比較すると25年間で約3割減。現在は全国で百数十人しかいないとみられ、解剖医の負担は重くなってきてる。

 解剖が行われる手順は、変死体発見で警察官が犯罪性を判断。犯罪性が疑われれば10年以上の捜査経験を持つ検視官(刑事調査官)が遺体の外見を見て調べ、必要があれば解剖医が司法解剖し死因を特定する。

 埼玉、鳥取の連続不審死事件では、初動捜査で病死や自殺と判断されたために解剖されず、後で犯罪に巻き込まれた疑いが浮上した。判断を誤った要因は、警察側の問題もあるが、解剖医が足りないことや、遺体の外見だけで事件性を判断する現行制度に問題があると指摘する声もある。

 ある解剖医は「警察官の頭に、解剖医は人数が少なく多忙という事情が浮かび、解剖を頼みたいのに遠慮してしまうこともあるかもしれない」と推測する。

 大阪大学法医学教室の場合、20年前は2、3人で年間100体を解剖していたが、近年は2人で200体以上を解剖するなど負担が増している。加えて、これまでは検察官に鑑定書で説明すればよかったが、裁判員制度以降は一般も理解しやすいように出廷しての説明が必要になり、裁判所に通う回数も増えたという

 解剖医のほとんどは大学に所属するが、解剖に追われて研究論文に費やす時間が少ない。別の解剖医は「解剖しても大学からは評価されない。研究結果を出さなければ研究費も取れなくなる」と話す。

 また、解剖医の就職先は大学の法医学教室などに限定されているが、国立大は独立行政法人化で人員のスリム化が求められている。



 解剖医は全国的に不足していますが、地方となるとその問題も深刻です。下手すれば地方のほうが殺人がバレないのではないか、と皮肉られるぐらいです。

 具体的にどうしたらいいんでしょうかね。例えば警察官の中で、解剖医になりたい人を募集して、その学費を警察が出す代わりに監察医として勤め上げるとか。そういった解決しか出来ないんじゃないでしょうか。医学部生の中から法医学に進む人というのはなかなかいないんじゃないでしょうかね。知り合いに、法医学をやりたくて医学部に行ったという人がいますけれど、なかなかのレアケースではないかと。

 ですが、人の命を救うことと同じくらい、死因を究明することは大切ですからね。なくてはならない存在が消え入りそうなとき、どうすれば現実的に解決するのか、その策が求められています。
posted by さじ at 05:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年12月14日

東京医科大学ラグビー部が事故を起こし廃部か。

東京慈恵会医科大学ラグビー部

 11月29日の試合中に起きてしまった事故を受けまして、緊急OB総会を行います。

日時:12月12日(土曜)18時
場所:新橋大学一号館(U1)3階講堂

 慈恵医大ラグビー部発足以来最大の事故が発生してしまいました。先生方におかれましては大変ご多忙の折とは存じますが、是非ともご臨席賜りますようよろしくお願い申し上げます。



獨協医大掲示板

236 :学籍番号774:2009/12/11(金) 20:40:15
東医と乱闘して慈恵のラグビー部員脊損って本当かい?


241 :学籍番号774:2009/12/12(土) 06:53:33
だから廃部らしいよ。

かわいそう。試合中ならともかく乱闘とか。誰も得しないっていう。


243 :学籍番号774:2009/12/13(日) 05:35:37
慈恵のラグビー部のHP見ると何か様子おかしいしどうやら本当

廃部は知らん




 まあ、あくまで噂、ですので真偽のほどは不明ですが

 東京医科大学と東京慈恵会医科大学のラグビーの試合で、東京医大の1年生が、慈恵医大の6年生にラフプレーをしてしまい、大事故が起こったとのこと。

 試合中のプレイでの事故ならまだしも、間の時間に起こったため、東京医大のラグビー部は廃部になるのでは、といわれています。

 スポーツはお互いの大学の交流の場ですし、ただでさえ狭い医学部の繋がりですから、そんな、ラフプレーに走ったりとか、スポーツマンシップに反するようなことをしてはなりませんし、何より医学を学ぶ立場の人間として、相手に危害を加えるようなことはあってはなりません。

 今はただ、慈恵医大の6年の方が回復することを、願うばかりです。おそらく最後の引退試合で起こった悲劇。国家試験まであと数ヶ月という身ですからね。
posted by さじ at 22:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | 大学

2009年11月20日

「研修医ニーナの731日」出版。

『研修医ニーナの731日』を書いた石原新菜氏

 2004年4月から始まった新臨床研修医制度で、大学医学部を卒業した新人医師に2年間の研修が義務づけられるようになった。多くの大学病院では、それ以前に比べて研修医が担う仕事量が急増し、過重な負担が強いられるようになっている。

 書名にある「731日」とはまさにその2年を指しているが、「あの2年間の大変さを忘れてしまうのが惜しい、と思ったのが本を書いた動機です。研修から1年近くたった今年に入って書き始めました」という。

 内科に始まり、救命救急センターや外科、周産期医療が問題になっている産婦人科など、2年間に各所で見聞したことを素直な筆致でつづっている。病院・医療現場を取り巻く問題点だけでなく、改善すべき点についても、みずみずしい感性からの提言を訴えかけているのが本書の特徴だろう。

 今では笑顔を浮かべて、振り返ることもできるようになったが、ニーナにとっては平坦な道ではなかった。

 「書いているときは、いろいろな思い……特に怒り(笑)が浮かんできて、実際はこの倍くらいは書いたんですよ」というように、本書でも、当直続きのハードな日々に彼女の生理が一時なくなることも明かしているほどだ。

 研修医は、1年目に最も長い内科を6カ月、外科と救命救急センターを各3カ月担当し、2年目は精神科など4科を1カ月ずつ担当して、残りを自由選択する。その限られた期間でありながら、内科の患者にHIVを告知し、外科では末期がんの患者を担当する経験もした。

 「血液内科で、20歳の男性を受け持ったのですが、彼がHIVに感染していました。それだけでエイズを発症するものでなく、薬でそれを抑えれば死ぬこともない、と説明しました。彼は同性愛者でそのパートナーにも、感染を伝えることを約束してくれ、ほっとした経験があります……」

 余命残り少ないがん患者への告知も、同様に深刻だ。

 「外科で、余命半年から1年の患者さんを担当したのですが、その方は再婚の予定がある、という話を聞きました。これからの幸せに期待する人にそれを言うというのは……。結局、指導医が告知をしましたが、今後私が告知をすることもあると思います。がんと闘う患者さんと同じように、私たちもそれ相応の覚悟をもってしないといけないと思いますね」

 本書では、まじめな話だけでなく、病院内での看護師と医師の確執や、激務のあまりセックス依存症になる女医、医師になった途端にモテまくるという男性研修医の一方で、玉の輿に乗りたがる看護師など、赤裸々に描かれる病院内の人間模様も面白い。



 何とも、病院内のリアルすぎる点もしっかり書かれているようで…。どこの病院も似たようなもんなんですね。

 実際の研修医の大変さや生の声を知る上では面白い本になりそうです。

 医療モノ全般で言えることですが、患者さんのプライバシーだけは守ってね。
posted by さじ at 11:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

弘前大学と大館市立総合病院が専門医育成で協定

大館市立総合病院:専門医育成で協定 弘前大とネットワーク /秋田

 大館市立総合病院(舘岡博院長)は17日、弘前大大学院医学研究科(佐藤敬科長)や同大医学部付属病院(花田勝美院長)との間で、専門医養成病院ネットワークに関する協定を締結した。

 協定は、医師不足対策や高度医療に対応する専門医育成などが目的。卒後3年目の若手医師や中堅医師を専門医として育てるための研修について、同大を中心としたネットワークに参加する自治体病院などが協力して取り組む。青森県内では弘前市立病院と五所川原市立西北中央病院が同様の協定を結んでおり、秋田県内では初のケースとなる。

 大館市立総合病院はこれまで大学側と医師派遣や医学部学生の実習、臨床研修医の受け入れなどで相互に連携し、地域医療の発展と人材育成に努めてきた。

 同病院であった協定締結式で、佐藤科長は「学外の優良機関と連携して学生の卒後教育、専門医の育成に取り組むことで、地域医療の充実が期待できる」、舘岡院長は「協定が医師確保に結びつくと期待している」とあいさつ。3者が協定書にサイン後、病院を運営する小畑元・大館市長らを加えて握手を交わした。



 弘前大学も研修医集めになかなか苦労しているところではありますね。後期研修以降で獲得する狙いか。

 しかしこう、色々な病院でタッグを組む、病院群制度があると、若手医師にとっては大きなメリットになります。研修期間中に1つの病院だけでなく、色々な病院をみてまわれるという長所にもなりますし、専門分野で連携すれば様々なニーズに合わせた研修もできるようになります。

 初期研修後にその後にその病院群に残ればより良い後期研修もできるようになりますしね。人材確保という意味では病院群にとってもメリットは大きいでしょう。
posted by さじ at 02:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

初期臨床研修、大分県の充足率は58.5%。

新人医師臨床研修 充足率は58・5%

 新人医師の臨床研修制度で、来春の希望者と研修を受ける病院との組み合わせ(マッチング)が決まった。県内では13病院が計106人を募集し、前年度より1人多い計62人が研修を受ける。定員に対する決定者の割合である充足率は58・5%(前年度比3ポイント増)だった。大分岡、大分健生、県立の3病院は全国平均の75%を上回ったが、希望者ゼロの病院が六つあった。

 県内で希望者数が最も多かったのは大分大医学部付属病院の44人。募集定員に20人満たなかったものの昨年より5人増えた。2年目の研修プログラムを変更し、これまで8カ月間だけだった選択科での研修を11カ月間に延ばすなど、研修に自由度を増したことが希望者数の増加につながったという

 ただ、他県では広島大や岡山大付属病院の充足率が100%に達し、同じ大学病院でも格差が出ている。大分大の卒後臨床研修センターは「充足率を満たした病院の事例を研究し、来年度以降に役立てたい」としている。

 一方、天心堂へつぎ、厚生連鶴見、県済生会日田の3病院は4年連続でゼロだった。済生会日田病院総務課は「過疎地の病院はどこも研修医が集まらない。研修医を獲得しようにも決め手がない。給料を上げようにも原資もない」と話している。

 臨床研修は国家試験に合格した新人医師が2年間、複数の診療科を回り研修を受ける制度。学生は全国の指定病院から研修先を自由に選ぶことができるため、病床数や症例の多い都市部の病院に人気が集中する傾向にあり、国は都道府県別に定員枠を設けるなど見直しを始めている。



 過疎地域の研修医獲得は、厳しいです。

 よく過疎地域ほど給料が高い、と言われますが、実際のところ、給料目当てでそこを選ぶ研修医というのは意外といないような気はします。研修医は激務ゆえにどんなに貰っても使う暇すらないというのが実情ですし。

 根本的に、不安があるんでしょうね。

 どういう不安かというと、「そこへ行って2年間で得られるものは多いのだろうか」という。

 医療研究の最先端である大学病院ですら、ある程度楽に入れるぐらい、就職という面では簡単です。もちろん大学病院周辺の有名市中病院でもそれはさほど変わりません。

 そんな状況の中、病院を選ぶときに、過疎地域の病院のデメリットは、「指導してくれる医師がいるのかどうか」「ちゃんとした指導内容なのか」だと思います。



 どこの病院というわけではないのですが、研修医を募集しているとある病院では、科の専門医が1人もいない、というところもあります。まともに初期研修として勉強できるような環境の整っていないところに誰も来てはくれないでしょう。

 過疎地域ならば、熱心に指導してくれる医師もいなければ環境もない、という不安を払拭するような点をアピールすれば、やる気のある学生も見学に来ると思います。もともとネガティブな印象があるので、宣伝が難しいとは思いますが…。結構、今の環境とは別の環境でやってみたい、という人もいると思うので。
posted by さじ at 01:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年11月02日

2009年度マッチング最終結果 全国大学病院別ランキング

100%充足は13大学に増加、2009年度マッチング

 医師臨床研修マッチング協議会が10月28日に公表した、2009年度の最終結果を大学病院本院に見ると)、東京大学、東京医科歯科大学をはじめ、79大学中、計13大学が定員充足率100%となった。定員充足率別とは、各大学の募集定員に対するマッチ者数(その大学に研修先が決まった数)の割合で、昨年度の計10大学よりも増加。

 以下、90%台19大学(2008年度9大学)、80%台15大学(同13大学)、70%台5大学(8大学)、60%台11大学(11大学)、50%台5大学(14大学)、50%未満11大学(14大学)となっている。

 総じて昨年よりも、定員充足率が総じて高くなったのは、(1)大学病院への希望者数がわずかだが増加(大学病院で研修する人の割合は2008年度の49.1%から2009年度49.7%に増加)、(2)定員を減らした大学が多い、などの理由が挙げられる。例えば定員充足率100%の13大学のうち、定員の減少は7大学(最低1人から最大25人)、増加1大学、不変5大学。

 さらに、マッチ者数に占める自大学出身者の割合を見ると、0%(自治医科大学)から100%まで幅広い。定員充足率100%の13大学に限って見ても、22.9%(横浜市立大学)から東海大学(96.1%)と大きな開きがある


順位 前回順位
病院名 募集定員 マッチ者数 定員充足率


第1位(→) 1


東京大学医学部附属病院 130 130   100.0%


第2位(→) 2


東京医科歯科大学医学部附属病 115 115 100.0%


第3位(↑) 12

順天堂大学医学部附属順天堂医院 68 68 100.0%

第4位(↑) 14

杏林大学医学部付属病院 62 62 100.0%

第5位(↑) 6

福岡大学病院 55 55 100.0%

6(↑) 51
広島大学病院 52 52 100.0%

7(↑) 39
東海大学医学部付属病院 51 51 100.0%

8(↑) 29
大阪医科大学附属病院 49 49 100.0%

9(↓) 8
横浜市立大学附属病院 48 48 100.0%

10(↑) 62
帝京大学医学部附属病院 38 38 100.0%

10(↑) 18
愛知医科大学病院 38 38 100.0%

12(↑) 65
名古屋市立大学病院 31 31 100.0%

12(↑) 77 岡山大学病院 31 31 100.0%


---以上、充足率100%を達成した大学病院でした---


14(↓) 4
大阪市立大学医学部附属病院 60 59 98.3%

15(↓) 13
東京慈恵会医科大学附属病院 47 46 97.9%

16(↑) 25
九州大学病院 91 89 97.8%

17(↓) 10
日本医科大学付属病院 40 39 97.5%

18(↑) 23
神戸大学医学部附属病院 73 71 97.3%

19(↑) 36
大阪大学医学部附属病院 70 68 97.1%

20(↑) 59
昭和大学病院 35 34 97.1%

21(↓) 20
東邦大学医療センター大森病院 34 33 97.1%

22(↓) 3
日本大学医学部附属板橋病院 65 63 96.9%

23(↑) 47
札幌医科大学附属病院 57 55 96.5%

24(↓) 17
東京医科大学病院 51 49  96.1%

25(↓) 21
聖マリアンナ医科大学病院 69 66 95.7%

26(↑) 61
関西医科大学附属枚方病院 40 38 95.0%

27(↓) 24
香川大学医学部附属病院 50 47 94.0%

28(↑) 30
久留米大学病院 66 61 92.4%

29(↓) 28
京都大学医学部附属病院 88 80 90.9%

30(↑) 43
川崎医科大学附属病院 52 47 90.4%

31(↓) 18
徳島大学病院 41 37 90.2%

32(↑) 79
産業医科大学病院 10 9 90.0%

33(↓) 11
東京女子医科大学病院 79 71 89.9%

34(↑) 48
奈良県立医科大学附属病院 57 51 89.5%

35(↑) 38
北里大学病院 74 66 89.2%

36(↓) 4
兵庫医科大学病院 60 53 88.3%

37(↓) 16
和歌山県立医科大学附属病院 66 57 86.4%

38(↑) 45
旭川医科大学病院 41 35 85.4%

39(↑) 67
信州大学医学部附属病院 58 49 84.5%

40(↓) 6
慶應義塾大学病院 58 48 82.8%

41(↓) 27
筑波大学附属病院 84 69 82.1%

42(↑) 69
岐阜大学医学部附属病院 22 18 81.8%

43(↓) 26
金沢大学附属病院 76 62 81.6%

44(↓) 40
熊本大学医学部附属病院 65 53 81.5%

45(↓) 34
近畿大学医学部附属病院 41 33 80.5%

46(↑) 55
山形大学医学部附属病院 50 40 80.0%

47(↑) 52
山口大学医学部附属病院 45 36 80.0%

48(↓) 46
京都府立医科大学附属病院 63 50 79.4%

49(↑) 56
福井大学医学部附属病院 56 44 78.6%

49(↓) 33
佐賀大学医学部附属病院 56 44 78.6%

51(↓) 15
自治医科大学附属病院 56 43 76.8%

52(↑) 64
長崎大学医学部・歯学部附属病院 70 51 72.9%

53(↑) 57
三重大学医学部附属病院 29 20 69.0%

54(↓) 49
大分大学医学部附属病院 64 44 68.8%

55(↑) 73
富山大学附属病院 48 33 68.8%

56(↓) 32
名古屋大学医学部附属病院 19 13 68.4%

57(↓) 9
滋賀医科大学医学部附属病院 53 36 67.9%

58(↓) 31
藤田保健衛生大学病院 60 40 66.7%

59(↑) 66
群馬大学医学部附属病院 42 28 66.7%

60(↓) 54
高知大学医学部附属病院 49 32 65.3%

61(↓) 58
千葉大学医学部付属病院 78 50 64.1%

62(↓) 37
琉球大学医学部附属病院 28 17 60.7%

63(↑) 68
浜松医科大学医学部附属病院 65 39 60.0%

64(↑) 71
東北大学病院 31 18 58.1%

65(↑) 72
金沢医科大学病院 48 27 56.3%

66(↓) 53
獨協医科大学病院 78 43 55.1%

67(↓) 32
愛媛大学医学部附属病院 44 24 54.5%

68(↓) 34
宮崎大学医学部附属病院 54 27 50.0%

69(↓) 44
山梨大学医学部附属病院 70 34 48.6%

70(↓) 41
北海道大学病院 75 36 48.0%

71(↑) 75
福島県立医科大学附属病院 44 21 47.7%

72(↓) 62
鹿児島大学病院 64 30  46.9%

73(↓) 42
新潟大学医歯学総合病院 80 37 46.3%

74(→) 74
秋田大学医学部附属病院 37 15 40.5%

75(↓) 50
島根大学医学部附属病院 52 21 40.4%

76(↓) 70
埼玉医科大学病院 55 18 32.7%

77(↓) 76
弘前大学医学部附属病院 40 13 32.5%

78(↓) 60
鳥取大学医学部附属病院 40 12 30.0%

79(↓) 78
岩手医科大学附属病院 35 7 20.0%



 見事100%を達成された大学病院、おめでとうございます。

 100%は、医学生が選んだ信頼の証です。

 最近、医学生の間で人気な大学病院であります順天堂大学や杏林大学も急浮上。見事100%達成です。

 ランキング的に見て、急浮上している大学病院は申し分ないのですが、下位層から抜け出せない大学病院は改めて改善が必要なようです。実際、地方だから不人気、というわけでもなさそうです。地方でも頑張っている大学病院は充足率も高いですし。

 やはり一度病院単位で、学生対して魅力的にみえるような臨床研修を行うべきではないでしょうか?他の病院よりも圧倒的なサポート力や、尊敬できるようなオーベンを配置するとか。試してみることは山のようにあると思います。特にそこで働いている人に魅力を感じさせられないようだと、難しいでしょうねぇ。

 大学病院全体が不人気といわれている昨今ですが、頑張ってほしいと思います。市中病院よりイニシアチブはあるのですから。

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posted by さじ at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年11月01日

2009年度研修医マッチング終了。大学病院は5年連続で半数割れ

5年連続の半数割れ 大学病院で研修の医大生 地域格差も浮き彫り

 2010年度から医師になる医学部の大学生らが臨床研修病院を選ぶ「マッチング」結果が29日公表され、希望順位登録者8200人中、7875人の研修先が決まった。大学病院は3916人(49・7%)で、民間や自治体が運営する市中病院が3959人(50・3%)。大学病院の比率は08年実施の前回マッチング(49・1%)より上昇したものの5年連続で半数を割り込んだ。

 募集定員(全国で計1万500人)に対し、確保できた学生の割合(充足率)を都道府県別にみると、トップは東京の92・0%で、次いで神奈川の89・0%。都市部の病院が依然として高い人気を維持している一方、前回39・2%と全国最下位だった富山が59・2%に大幅アップ。しかし鳥取(36・7%)と島根(31・0%)が3割台にとどまるなど、地域格差があらためて浮き彫りになった。

 厚生労働省は「偏在解消には至っていないが、大学病院や都市部以外の病院で人員が増加に転じており、制度改正による一定の効果は見受けられる」としている。

 東京、神奈川に次いで充足率が高かったのは愛知(88・9%)、大阪(88・5%)、福岡(88・3%)。最下位は島根で、鳥取、山梨(45・7%)、埼玉(48・2%)、青森(48・8%)が続いた。

 一方、都市部を抱える東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県以外の病院に決まった学生の割合は、52・3%で前回(51・3%)より上昇。04年度の制度導入時の水準に戻った。

 マッチングは、04年度に義務化された臨床研修制度に伴い導入されたが、「医局特有の徒弟制度が色濃く残る」などの理由で大学病院を避ける学生が急増。勤務条件や研修プログラムが充実している市中病院や都市部の病院に人気が集まった。国が5月、(1)都道府県や病院ごとの募集定員を設定(2)地域への医師派遣機能を持つ大学病院などの定員枠を優遇-するなど制度を見直した。



医師研修先、都市部への集中やや緩和

 新卒医師に2年間の研修を義務付ける臨床研修制度で、厚生労働省などは29日、2010年度の研修先内定状況を公表した。

 同制度は都市部への医師の集中が加速した一因ともされるが、今回内定した7875人の研修先は、東京や大阪など人口比で医師数の多い都市部(6都府県)が前年度比1ポイント減の47・7%。その他の41道県は52・3%で、都市部偏在が2004年度の制度導入時程度にやや改善された。

 増員幅が前年度比で大きかったのは、石川の38人増のほか、福井24人、富山21人、兵庫18人、山形17人など。逆に東京が34人、北海道が18人、京都と沖縄が17人減った。

 一方、大学病院とその他医療機関の割合では、大学病院が前年比0・6ポイント増の49・7%となったが、依然、制度導入時の58・8%を大きく下回った。同制度では、新卒医師が研修先を自由に選べるため、都市部の総合病院に人が集まり、大学病院を含む地方の病院人手不足につながったとされる。このため、厚労省は今回から都道府県ごとの定員に上限を設けた。



臨床研修:地方を希望の新人医師微増

 厚生労働省は29日、来春に大学医学部を卒業する新人医師の臨床研修について、都道府県別の採用内定結果を発表した。地方都市と大学病院で研修を受ける割合が前年より小幅ながら増加し、厚労省は「地方の大学病院への医師定着を狙った制度見直しの効果が表れた」とみている。

 臨床研修制度が始まった04年度以降、出身大学を離れて大都市の一般病院での研修を希望する新人医師が増えた。このため地方の大学病院を中心に「臨床研修が地域医療の崩壊を助長している」との声が高まり、厚労省は、来春から人口規模に応じた都道府県別の募集定員を設けるなどした。

 この結果、各病院に採用が内定した7875人のうち、大都市を抱える6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)以外で研修を受ける新人医師は、前年の4030人(51・3%)から4115人(52・3%)に増加。石川、福井、山形などで研修医数が前年を上回る一方、東京や北海道、京都などで減少した。研修先を大学病院にした割合も49・1%から49・7%に上がり、過去5年で最高になった。

 一方、大都市では募集定員に近い内定があった半面、青森、福島、埼玉、山梨、鳥取、島根の6県は内定が募集定員の半数以下にとどまり、医師偏在の大きな改善には至っていない。

 ■来春の臨床研修医の都道府県別採用内定数(カッコ内は前年度比の増減、▼はマイナス)

北海道  276(▼18)
青森    62(  3)
岩手    74(  0)
宮城   109(▼13)
秋田    65(▼ 8)
山形    82( 17)
福島    72(▼ 1)
茨城   104(▼ 7)
栃木   117(  7)
群馬    77(▼ 7)
埼玉   183(  0)
千葉   289( 13)
東京  1351(▼34)
神奈川  596(▼ 5)
新潟    92(▼ 2)
富山    61( 21)
石川   112( 38)
福井    73( 24)
山梨    49(  1)
長野   125( 14)
岐阜   102(  9)
静岡   158(▼ 3)
愛知   515(  5)
三重    86(▼ 4)
滋賀    67(▼12)
京都   251(▼17)
大阪   601(▼ 3)
兵庫   323( 18)
奈良    80(  8)
和歌山   75(  0)
鳥取    25(▼ 4)
島根    31(▼16)
岡山   152(▼ 3)
広島   151( 12)
山口    82( 13)
徳島    55(▼ 2)
香川    60(  1)
愛媛    57(▼ 8)
高知    46(  6)
福岡   446(▼14)
佐賀    49(▼ 3)
長崎    85( 12)
熊本    96(▼11)
大分    62(  1)
宮崎    38(▼10)
鹿児島   83( 16)
沖縄   130(▼17)

全国  7875( 17)



 大学離れが進むというのはまぁしょうがないことだと思います。市民病院のほうが研修内容として魅力的といえば魅力的ですし、手技等で鍛えられますからね。

 大学病院のほうが最先端に触れられるという点や、疾患に対する考え方が深いという特徴もありますので、人によって好きなほうを選べばいいと思います。

 今年は都市圏の研修医定員を減らしたため、少しだけ都市部は減少し、地方が増えました。あとは、地方の病院郡による「魅力的な研修システムづくり」だと思います。

 研修医のことを考え、尊重する研修医システムを考えられれば、おのずと研修医は増えますし。何も考えなければ、努力不足で、研修医からみて魅力的な病院としてうつるはずがないです。
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2009年10月18日

鳥取大学病院の院生医師が交通事故死したのは過労が原因。

鳥取大の院生医師が交通事故死「過労が原因」賠償命令

 鳥取大病院(鳥取県米子市)の医師で同大学院生だった前田伴幸さん(当時33歳)が交通事故で死亡したのは過労が原因として、遺族が鳥取大に約1億1600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、鳥取地裁であった。

 朝日貴浩裁判長は「過労状態になるのを防ぐ安全配慮義務に違反があった」として、同大に約2000万円の支払いを命じた。

 判決によると前田さんは2003年3月、同病院での徹夜勤務の後、アルバイト先の病院に車で向かう途中、トラックと衝突し死亡。事故当日を含む1週間の業務従事時間は100時間を超え、アルバイト先も医局が割り当てていた。井上貴央・鳥取大医学部長は「判決をよく見ておらず、コメントできない」と話している。



 今までは、医者は体力があって当たり前、残業付100時間など余裕であるみたいな風潮でした。医者は過労で当たり前だと。

 しかし医者も人間です。徹夜をして、まともに頭が機能するはずがありません。そうすると医療ミスも増えます。そういう環境は、今でも根強く残っています。

 これからの医療は、医者が医者として最高のパフォーマンスで働ける環境を整えること。そのためにはマスコミや一般市民のほうから、むしろ医療従事者に協力する姿勢をもつこと、が必要になってくるんじゃないかな、と思います。
posted by さじ at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

薬学部の入学定員に多すぎという批判が出る。

6年制薬学部の入学定員に「多過ぎ」の批判も

 文部科学省は10月16日、「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」(座長=永井良三・東大大学院医学系研究科教授)の第5回会合を開いた。前回会合から約半年ぶりの開催で、同検討会が今年3月に同省に提出した「第一次報告」を振り返った後、大学(学部)教育の在り方について、事務局が提出した資料を基に委員らが意見交換した。意見交換では、6年制の薬学部の入学定員数について、複数の委員から「多過ぎる」と問題視する声が上がった。

 「学部教育に関する基礎資料」では、今年度の薬学部入学定員が、医療人として質の高い薬剤師を目指すことを目的とした6年制学部で1万2000人、薬学に関する多様な分野に進む上で必要な知識を身に付けるための4年制学部で1314人とのデータなどが示された。

 望月正隆委員(東京理科大薬学部教授)は、2006年度に入学した1万1220人のうち、既に1620人が留年か退学の状態にあるとの調査結果を報告し、「優秀な人とそうでもない人が、残念ながらいる」と指摘した。

 高柳元明委員(東北薬科大理事長・学長)は、生徒の留年などの問題は以前からあるとした上で、「6年の教育スパンは長い。学内では2年生、4年生の早い段階で厳しくして進路変更をさせたらよいのではとの先生の意見もある」と述べた。

 「多過ぎる」数の問題に教育の質を上げて対処するという意見に対し、竹中登一委員(アステラス製薬会長)は「1万2000人が多過ぎるとしたら、それをどう減らすかを考えなければいけないのではないか」と、入学定員自体の引き下げの必要性を指摘。

 井上圭三副座長(帝京大薬学部長)は、「各大学は自主的に下げて、適正なところに持っていかなければいけない」との考えを示しながらも、「経営サイドを考えると、そんなに簡単には下げることはできないのでは」との懸念を表明した。

 これらの意見を受けて事務局側は、「強い危機感があると認識した」と述べ、今回の議論を踏まえ、改めて資料作成や論点整理に当たるとした。



 難しいですけど、1万ちょいのうち1割以上が進級できないって、もうちょっとなんかこう・・・。そこまで薬学に対してモチベーションのない人が揃ってるっていうのもどうなのかと思いますね。

 薬学って深くまで突き詰めると凄く面白い学問だと思うんですけどもねー。まあ今の日本の受験システムで、そういうことに対して「面白い」と感じる学生を取れているかというと、そういうわけではないですし。

 まあでもそれは医学部だろうと何だろうと同じで、ただ受験勉強だけ出来て大学に対してはさほどやる気のない人というのは大学に入ってからドロップアウトしていくものです。
posted by さじ at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

難病指定に新たに11疾患を追加する。

厚労省、難病に11疾患を追加 既定方針変更せず

 厚生労働省の山井和則政務官は16日、医療費の助成対象の難病に11疾患を追加すると発表した。2009年度補正予算で追加に必要な29億円が盛り込まれていたが、政権交代で執行されるかが焦点だった。助成対象の難病は計56になる。

 追加するのは、間脳下垂体機能障害、家族性高コレステロール血症、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、肥大型心筋症、拘束型心筋症、ミトコンドリア病、リンパ脈管筋腫症、重症多形滲出性紅斑(急性期)、黄色靱帯骨化症。

 厚労省は月内に都道府県に通知。今月1日以降の医療費について助成の対象とする。

 国の難病対策では現在、治療法の開発や原因究明を進める「難治性疾患克服研究事業」の対象に130疾患を指定。このうち45疾患に医療費も助成している。今回の11疾患は克服研究事業の対象だが、患者団体の要望などを受け、助成対象に追加することにした。



 難病指定されるのとされないのでは大違いですからね。こうやって治療法の確立していない疾患が難病指定されるのは良いことです。しかし難病指定が増えると、国が払うお金も増えてくるので、潰瘍性大腸炎などの難病の中でもメジャーな疾患を難病指定から外そうという動きもあるようです。医療費が増えるのは当たり前ですし、人命がかかっているんですから、増えてしかるべきだと思いますけどね。
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2009年10月14日

研修医マッチング登録中間発表までの登録率は88.8%。

研修医マッチング、登録率は88.8%―中間結果公表

 医師臨床研修マッチング協議会はこのほど、医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と研修病院のそれぞれの希望をコンピューターで組み合わせる「研修医マッチング」の今年度の中間結果を公表した。今年度のマッチング参加者数8407人に対し、各研修プログラムを1位で登録している研修希望者は10月9日現在7464人、登録率88.8%で、昨年度の中間公表時に比べて4.4ポイント増加した。希望順位の登録は10月22日に締め切り、29日の午後2時に最終的なマッチング結果が決定する。

 今年度の研修プログラム数1424のうち、9日現在で登録があったのは1260プログラム(登録率88.5%)。参加者が希望するプログラム数は一人当たり平均3.27で、最大は58プログラム、最小は1プログラムだった。

 研修医マッチングは、2004年度の新医師臨床研修制度の創設に伴って導入されたシステム。研修希望者が行きたい研修先と研修を行う病院のプログラム、さらに双方の希望を踏まえ、それを基にコンピューターが組み合わせる(マッチング)。参加は任意で、決まったマッチングに従って研修希望者と病院が契約する。



 ま、中間公表なので、別に90%切っててもいいんですけど

 最終締め切りまでには忘れないようにしましょう。

 もしこのマッチングで決まらなかったら、自力で研修先を探さなければいけなくなります。まぁ研修医の数より募集しているところのほうが多いので、どこでもいいならば入れるんですけどね。

関連
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posted by さじ at 08:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2009年10月10日

弘前大学医学部のX線回転横断撮影装置が技術遺産に

弘大「CTの元祖」が技術遺産に

 国立科学博物館(東京・上野)は6日、次世代に引き継ぐべき重要な科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)として新たに22件を選び、所有者に登録証を授与した。本県からは弘前大学医学部の「エックス線回転横断撮影装置」が選ばれた。選定は昨年度に続き2回目で、本県からは初めて。

 エックス線回転横断撮影装置は1953年、弘大医学部の故高橋信次教授が試作し、世界で初めて人体の断面写真の撮影に成功した。現在のCT(コンピューター断層撮影)の先駆けであり、放射線診断に革新的変化をもたらしたとして高く評価された。回転撮影法を発見した高橋教授に対し、東奥日報社は49年、東奥賞を授与した。

 装置を現在所有している医学部同窓会「鵬桜会」の石戸谷忻一会長は「戦後の物資の乏しい時代に研究に取り組み、世界に向けて発信した高橋先生は、卒業生の誇り。この装置は弘大の宝だ」と登録を喜んでいる。今後、医学部内にスペースを設け、装置を展示する予定という。

 未来技術遺産はほかに、今や全盛のデジタルカメラの試作機や、家庭用ビデオの時代を切り開いたベータ方式のVTR1号機など、生活や文化、産業に大きな影響を与えた機器や物品が対象となった。

 登録資料の写真や情報は、同博物館のホームページで見られる。



 かなり、偉大な発明だと思います。

 最初は解像度とかも荒かったらしいんですけど、今ではもうこんなにもクッキリ細かく見れてしまうのかというほど。

 診断技術の向上のおかげで、CTも普及し、見事、疾患の早期発見に役立っております。
posted by さじ at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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