[大学]の記事一覧

2006年10月10日

自衛隊中央病院の医師が論文のデータを改ざんしていた

自衛隊病院の医師、論文データ改ざん

 自衛隊中央病院(東京都世田谷区)に勤務する外科医の3等陸佐(38)が、米国の外科論文誌に投稿した乳がん治療に関する研究論文で、治療方法や症例数を改ざんしていたことが5日、防衛医大(埼玉県所沢市)の調査で明らかになった。防衛庁は今後、この医師の処分を検討する。

 防衛医大によると、3等陸佐は、同大研究科に在籍中の2005年5月に米国「Surgery」誌に投稿、論文は06年5月号に掲載された。本人を筆頭に7人で共著の形をとっていたが、他の6人にはほとんど無断で投稿していた

 また、論文の内容も、実際には放射線照射を行っていたにもかかわらず、他の治療だけで改善したかのように記述したり、紹介した12症例のうち、五つの症例データをねつ造したりするなどの不正があった。同大は、「論文通りなら画期的な内容と受け取られる可能性があり、危険だった」としている。

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 実績を出そうと焦ったんでしょうか?自身の名誉とは離れた距離に「研究」をおいておかないと、このように軽率な手段を選ぶこともありますからねぇ。医者とはそういう職なんです。実績が出ないのなら出ないでいいではないですか、というスタンスでいないと。医の倫理にも反する行いですからね。

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2006年10月08日

横浜市立大学医学部の学生がアタック25の予選でカンニング

ああ大学生、またミクシィで悪事告白「カンニングで優勝」

 朝日放送(大阪)の長寿番組「パネルクイズ アタック25」で優勝した公立大医学部の少年(19)が、同番組の予選で「カンニングした」とネット上の日記に書き込んでいたことが3日、分かった。少年は賞金15万円と豪華景品を獲得。だが、自ら不正を暴露したことでネット上や予選敗退したクイズファンからは「詐欺だ」などと怒りの声があがっている。

 少年は最近放送された番組に出演。15枚のパネルを獲得し、優勝した。番組終了直後、匿名掲示板に大手SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「mixi(ミクシィ)」のアドレスが書き込まれ、少年が6月19日午後に記載した日記の内容がリンクされていた。

 「アッタクチャンス2」と題された日記の中で少年は「筆記試験受けてきましたよー」と予選の模様を振り返る。会場にいたクイズマニアを「気持ち悪かった」とバカにした上で、「自分は半分も解けませんでした」「勝つときは少々汚いことをしてもいい」と勝手な言い訳をし、「カンニングしました(笑)」「フツーに勝ちたいし、勝てばネタになるし。その結果 筆記通りました(爆)」(原文通り)とインチキの一部始終を自ら暴露した。

 少年はすぐに日記を削除したとみられるが、ネット上の掲示板では現在も、「詐欺だ」などとカンニングを非難する議論が巻き起こっている。

 実際、少年は番組で優勝はしたものの14問目で初めて正解し、好位置の「角」のパネルを獲得。運良く、他の学生のパネルを手中にしていった。6問の正答に対し、誤答は7問。誤答では「北極圏内で1年の大半が凍結した大地を何というか」に「フィヨルド」(正答・ツンドラ)、「衆院は解散の日から何日以内に総選挙となるか」に「15日」(正答・40日以内)。そして「金産出量日本一の菱刈鉱山は何県にあるでしょう」(正答・鹿児島県)に「北海道」と答え、最近人気者になっている司会の児玉清さんに「またお立ちだ」と突っ込まれるほどだった。

 優勝者のみが挑戦できる「充実のオーストリア・パリ9日間」獲得クイズは「国東半島」を「地元だから三浦半島」と答えてはずれたものの、パネル獲得分の賞金15万円と全国共通お食事券10万円分、ダイヤモンドネックレス、小型DVDプレーヤーを獲得した。

 降って沸いたようなインチキ疑惑にかつて同番組の予選で敗退した男性会社員(29)は「誤答が非常に多かった。実力のない人が出てはいけない。予選はカンニングをしようと思えばできるが、そこまでして出場したくない。クイズが好きな人間にとって意味がない」と表情を曇らせる。

 番組を制作した朝日放送広報部は「mixiの日記は本人のもの」としたが、カンニングに関しては「本人(少年)に確認を取ったが、2度否定した。予選を受けて通っただけでは面白くないので仲間内のウケでああいう表現をしたと話している」と疑惑を全面否定。同社は少年の弁を信じてこれ以上、追及しない方針を固めている。また、少年が通う大学は「本人から事情聴取をする予定」(広報担当)と話している。

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 世間の目としては、たとえ医学生といえどもモラルを持ってほしいと思っているし、医学生はその期待に応えるべく日々の行いを是正すべきです。当たり前の話ですけどね。

 その当たり前のことすら出来ていない、少々お馬鹿ちゃんな横浜市立大学医学部医学科ラクビー部の北原慧(北原さとし)君。少々汚いことしても勝ちをとる医学生ってのもどうかなぁと思います。

 彼の顔が見たい方は下記リンクをどうぞ。mixiの保存、アタック25出場時の画像、更には横浜市立大学医学部のラグビー部の写真もあります。このラグビー部の写真を見るだけで人間のレベルが知れてしまいます。いやはや、悪いことはできないものですなぁ。反省して医者になるか、医学部辞めるか、どちらか2択にしてほしいですね。

参考:アタック25詐欺事件

関連:医学処 東邦大学医学部6年、李光摂を覚せい剤取締法違反で逮捕!
posted by さじ at 04:53 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学

2006年10月05日

死体洗いのバイトについての真実と遺体保存の現状

死体洗いバイト経験者が語る 死体を洗って20000円

 飲み会の席等の「変わったバイト」という話題で登場する頻度の高いものといえば「死体洗いバイト」。アメーバニュースのライターは「オレは大学時代にやっていました」と語る会社員に遭遇した..........≪続きを読む≫


 飲み会の席等の「変わったバイト」という話題で登場する頻度の高いものがある。それは「死体洗いバイト」だ。大抵は「オレの友人の友人がやっているらしい」という前置きがあった上で、以下のような展開になる。誰も「オレがやっている」「オレの友人が」と言わないところがミソだ。

・口外しないよう誓約書を書かされるらしい
・作業をするのは、重いシャッターのある地下室らしい
・そこにはホルマリンの大量に入った小さなプールのようなものがあるらしい
・バイトは長い棒を持ち、死体が浮かび上がってきたら棒でつついて沈めるらしい
・給料はかなり良いらしい。1体2万円で月100万円はもらえるらしい

 この件についてはテレビ番組等で「都市伝説である」という点で一応の決着は見せている。だが、アメーバニュースのライターが先日とある取材(死体洗いとは関係ない)をしていたところ、「オレは大学時代にやっていました」と語る会社員に遭遇した。「本当ですか? あれは都市伝説でしょ?」と聞くと「絶対にやっていた!」と主張する。彼が話した内容は下記の通り。

・彼が大学生だったのは1993〜1996年。場所は東京都内
・彼の所属していた大学の応援部で代々このバイトは受け継がれている
・病院からは、バイトの内容について応援部外へ口外しないように伝えられている
・ホルマリンのプールで死体を棒でつつくことはしない。事故等で血まみれになったり、泥が付着した死体を布とアルコールで洗い、きれいにする
・これは葬式に向けた洗浄であり、解剖用ではない
・応援部員の内3人で曜日ごとに担当。担当の人間はポケベルを持たされ、その日は家から外に出ることはできない。今は携帯への連絡ではないか
・ポケベルが鳴ったらすぐに自転車で駆けつける。迅速性が求められるため、病院から遠くに住んでいる学生はこのバイトはできない
・必ずしも毎日死体が出るわけではない。むしろ、出ないことの方が多い
・バイト代は死体が出なかった場合(自宅待機)は8000円。死体を洗った場合は20000円になる。

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 この会社員のバイトというのは死体洗いではなく、遺体に化粧などを施す処置ではないでしょうか。それなら病院の看護師や葬儀屋などがやっていますので都市伝説などではありません。

 解剖用の遺体をホルマリンのプールに入れて棒でつついて沈めるバイトという都市伝説がありますが、まぁ普通に考えれば揮発性の高いホルマリンのプールなんてありえない話です。でも何故か蔓延ってしまうのが医学都市伝説。「解剖実習中に献体から耳を切り取って壁に張り付け、壁に耳ありとやった」などは全国どの医学部にも存在する都市伝説です(でも本当にやったのは東大だけとか)。

 そもそも今の解剖用の献体はホルマリンなんて使ってないでしょう。エンバーミングの技術が向上したおかげで、腐りにくくする工夫が施されるようになりました。以下wikipediaより。

 現代のエンバーミングは、具体的には以下の方法で行われている。

1.全身の消毒処理、及び洗浄を行う。
2.遺体の表情を整え、必要に応じて髭を剃るなどの処理を行う。
3.遺体に少切開(主に頸部など)を施し、動脈より体内に防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出する。
4.腹部に約1cmの穴を開け、そこから鋼管を刺し胸腔・腹腔部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器官内の残存物を吸引し除去する。また同時にそれらの部分にも防腐剤を注入する。
5.切開を施した部位を縫合し、事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復も行う。この時、切開を行った部分にはテープ等を貼り目立たなくする。
6.再度全身・毛髪を洗浄し、遺族より依頼のあった衣装を着せ、表情を整え直した上で納棺する。

 上記の処理を行われた遺体は注入される薬剤の濃度や量により2週間程度は常温での保存が可能になる。もちろんこれ以上に徹底した処理を行えば保存可能期間を更に延ばすことが可能となるだけでなく、防腐剤の交換など、定期的なメンテナンスを行えば、半永久的な保存も可能になる(実際、ロシア革命の指導者として知られるウラジーミル・レーニンの遺体は、現在でもモスクワのレーニン廟で生前の姿のまま保存展示されている)。

関連:医学処 献体という行い
posted by さじ at 00:08 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学

2006年10月04日

防衛医大病院で心嚢穿刺のミス。でも不起訴に

防衛医大病院・医療事故:主治医と指導医、不起訴処分に−−さいたま地検

 所沢市の防衛医大病院で01年、心臓付近に針を刺してたまった水を抜く心嚢穿刺の処置を受けた男性(当時48歳)が急死した医療事故で、さいたま地検は29日、業務上過失致死容疑で送検された当時の主治医(37)と指導医(41)を嫌疑不十分として不起訴処分にした。地検はさいたま検察審査会の不起訴不当の議決を受けて再捜査していた。

 審査会の議決書などによると、同病院血液内科にいた主治医と指導医は01年10月23日、白血病だった男性に心のう穿刺を施した。その際に男性がけいれんを起こし、主治医は誤って心臓に約1センチの傷をつけ、男性は循環不全で死亡した。審査会は心嚢穿刺は「専門の循環器科医に依頼すべきだった」などと指摘したが、地検は「基本的な手技で高度な技術や経験は必要ない」としていた。

 事故を巡っては、県警が04年2月、主治医と指導医を業務上過失致死容疑などで書類送検。同地検は05年3月「刑事責任を問うほどの過失ではない」と不起訴処分にしたが、遺族の申し立てを受け、審査会は06年3月、不起訴不当を議決していた。

 不起訴処分について遺族は「残念です。言葉がみつかりません……」と震える声で話した。

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 さすがにこれは不起訴だろう。むしろ、他科へ転送している途中に亡くなったら、それこそ「自分で簡単な手技を行わなかったせいで死んだ」と賠償問題に発展していたのでは?
posted by さじ at 02:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

医療ミスすると自身を追い込むため更にミスの確率が上がる

研修医の3分の1が医療ミス

 米国の研修医の約3分の1が、少なくとも1回は大きな医療ミス(過誤)を犯したと報告していることが、米メイヨークリニック医学部助教授Tait Shanafelt博士らの研究によって判明した。医療ミスは個人的な苦悩の原因になることが多く、そのためさらにミスの確率が上がるという悪循環があるという。この研究は米国医師会誌「JAMA」9月6日号に掲載された。

 1999年、米国で年間10万人以上の患者が防ぐことのできた医療ミスにより死亡しているとの報告が発表されたが、ミスを犯したことで罪悪感や恥辱感に悩む医師は「第二の被害者」であるといわれている。今回の研究では、メイヨークリニックの研修医184人を研修開始から3年間追跡し、自覚されたミスの頻度を調べ、さらに生活の質(QOL)、極度の疲労(燃え尽き感)、うつ症状および感情移入などの情報とのクロスリファレンスを行った。

 この結果、研修医の20%が1回、6%が2回、8%が3回、計34%が調査期間中にミスをしたとしており、四半期ごとでは平均14.7%が過去3カ月以内にミスをしたと報告した。このようなミスは、その後のQOL低下や、うつ症状の原因となることもわかった。また、極度の疲労を強く感じている研修医は、後の3カ月でミスを犯す確率が大幅に高かった。Shanafelt博士によると、医療ミスは個人的な因子と職業的な因子が絡んだ複雑な問題で、現在、解決索を探る研究を開始しようとしているところだという。

 同誌に掲載された別の研究では、研修医の80%以上が定められた時間を超えて勤務していることや、研修医では長時間勤務のために針刺しや切り傷などの負傷のリスクが高いことも報告されている。

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 うむむ、確かに今の社会の風潮では、「一度ミスした医者はもういらない」というところありますよね。メディア、世論からの大バッシングゆえに。一般の人は「ミスしてもそれを糧に前向きに取り組めばいい」という民主主義の長所ゆえに社会生活を営めていると思いますが、医療従事者はそうはいかない。そういう風潮であるがゆえに、ミスした後のプレッシャーが尋常ではないのでしょう。

 医者がミスをしてはいけないのは当たり前ですが、それはタテマエ的な話で、何万人かいる研修医が1回もミスをしないなんて、統計的にありえない。その現実と向き合わなきゃ始まらないです。世論が「医者はミスを0%にすべきだ」といっても、ミスしないよう努力するのは既に誰もがやっていることであり、それでも間違えてしまった場合にどうするかという対応プランを、この先練っていかなきゃならんだろうなという気がします。専門医を交えたカウンセリングとかどうでしょうかね。

 若手を守る工夫というものを施さない限り、小児科不足、産科不足が「医者不足」に拡大するかもしれません。有能な人材を早期に立ち直らせるためにも、早急な対策を。

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posted by さじ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2006年09月25日

長崎大学病院でパソコン内の患者データが盗難に

患者9000人の情報盗難…長崎大病院

 長崎大は22日、同大医学部・歯学部付属病院の患者約9000人分の個人情報が入ったノート型パソコン6台などが盗まれた、と発表した。

 15日に大学から盗難届を出された長崎県警浦上署が窃盗事件として捜査している。盗まれたデータには、患者の氏名、性別、生年月日、病名なども含まれ、大規模なプライバシー漏えい事件に発展する恐れも出ている。

 大学によると、パソコンなどが紛失したのは、14日午後11時ごろから、15日午前8時ごろの間。同大大学院医歯薬学総合研究科の原爆後障害医療研究施設(4階建て)の1階研究室で、15日朝に訪れた大学院生が、机の上にあったノート型パソコン6台や、USBメモリー8個、ハードディスク2台、引き出しの中の現金約6万円が盗まれているのに気づいた。

 パソコンなどには、付属病院の血液内科に1990年代前半以降に入通院した患者9000人分の個人情報が入っていた。このほか、氏名を記号化した診断名などのデータ約3000人分も含まれていた。

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 情報漏えいといえばWinnyという図式が成り立ちがちな現代において、この紛失方法は懐かしい感じがします。

 医学系の施設は誰でも立ち入り可能なところが多いので、盗難もしやすいですね。盗難にあってしまっては情報漏洩も仕方ない気もします(悪いのは犯人だし)。未然に防ぐのも難しそうですけどねぇ。警備を徹底するしかないですね。

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posted by さじ at 22:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2006年09月24日

元近畿大教授をキノコ免疫詐欺容疑で逮捕

「キノコ成分がんに効く」詐欺容疑で書類送検

 キノコから抽出した成分を使う「新免疫療法」をうたって、効果のはっきりしないがん治療を行い、治療費などをだまし取ったとして、警視庁武蔵野署は20日、東京都武蔵野市の「オリエント三鷹クリニック」院長で、近畿大元教授容疑者(62)を詐欺容疑で東京地検八王子支部に書類送検した。

 容疑者は1999年11月〜2002年12月、乳がんを患っていた都内の女性(当時49歳)に、治療の効果がない可能性を説明しないまま、キノコの抽出成分などの投薬による治療行為を施し、診療費や医薬品代などとして計約80万円をだまし取った疑い。女性は04年に死亡した。

 容疑者は、著書やホームページなどで独自の治療法の効果をPRしていた。死亡した女性の遺族が損害賠償を求めていた裁判では、東京地裁が昨年6月、正確な情報提供の義務を怠ったとして容疑者側に約5000万円の支払いを命じ、控訴審で和解協議中。同クリニックは20日、「詐欺罪に該当する余地は一切なく、極めて遺憾」とコメントした。

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 アガリクスといい…。しかし患者側としては藁をも縋る気持ちで頼っているわけです。元大学教授という権威を振りかざして医療を行い、死亡させるとは。許されてはない行為です。

 いつまでキノコブーム続くんでしょうねぇ。

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慶應大学の医学生、中南米を歩く。

慶大医学生 中南米3か国巡回

 慶応大学の医学生3人が、中南米の辺地医療の現場を49日間にわたって巡回し、今月帰国した。日本とかけ離れた環境に身を置くという貴重な体験をした医者の卵3人は、世界の医療の多様性に目を開かれ、「医の原点」を学んだ。

 この派遣団は、慶応大の国際医学研究会が1978年の創立以来、毎年、医学部6年生を中南米などに送り出しているもの。国際社会に通用する医師の育成が目的だ。

 第29次となった今年の団員は、石田隆さん(24)、原口水葉さん(24)、菅間剛さん(24)の3人。自分たちで交渉し、まとめた計画に従って、7月17日〜9月3日の49日間、ホンジュラス、キューバ、ブラジルの3か国8か所を訪れた。

 ホンジュラスでは、都市部で高校生のエイズに対する意識調査などを行った。この結果は帰国後まとめる報告書で発表する予定だ。

 その後、山岳部の貧しい村を訪れた。6畳ほどの居室で家族12人が暮らす生活ぶりに、3人は大きな衝撃を受けた。かやぶき屋根や土壁には、シャーガス病という感染症を媒介するサシガメが潜んでおり、国際協力機構(JICA)が3年前から対策プロジェクトを実施している。

 3人はプロジェクトに参加し、住民意識や家屋の調査を行った。菅間さんは「識字率は低く、医学知識を持った人もいない。医療以前に、教育が大事ではないかと感じた」と話す。

 キューバでは、社会主義国の医療を見るのが目的。中国との関係を生かし、はり・きゅうや太極拳を取り入れたり、電気療法やオゾン療法といった西洋医学にはない医療を試みていた。「豊かではないが、医学には力を入れている」(石田さん)印象だった。

 派遣団が必ず訪れるのがブラジル。例年同様、アマゾン川の巡回診療船に同乗して、経口ポリオワクチンの投与や身体測定を手伝った。医療チームを組んで定期的に辺地を訪れ、住民の健康管理にあたるという手法は、ほかの途上国にも参考になると感じた。

 「視野が狭い医者になるのが怖かった」と参加した動機を語る原口さん。「知らない世界を見たことは、今後、ほかの国とかかわる時、自分に何ができるかを考える基盤となると思う」と今回の体験を振り返った。

 石田さんは「電気も水道もない先住民の村を訪れた時、自分たちが『何かを与えてくれる』存在として見られているのを感じた」という。「価値観の違いを尊重し合い、地域に根ざした活動を目指すことが大事だと気づかされました」

 貴重な経験を積んだ3人は来春にも、医師として医療の最前線に立つ。

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 いくら本を読んでも、こればかりは行ってみないと始まらないという「経験」が存在します。特に海外などまさにその典型例でしょう。インドなどの、同じ地球上でも文化圏の異なる場所に行くのは有益なことです(本人の吸収しようという姿勢に左右されますが)

 医療の場だけでなく、人生に於いても応用してほしいですね。生かすも殺すも本人次第です。

関連:医学処 何故あなたは医学部を受験するのですか
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2006年09月18日

自治医科大学のセレウス菌感染は洗濯機の汚染が原因だった

自治医科大病院・セレウス菌感染:洗濯物の汚染主因か 他病院でも菌検出

 自治医科大付属病院(下野市薬師寺)でセレウス菌の院内感染が発生した問題で、クリーニング工場の洗濯機で菌が増殖した原因として、15日、洗濯槽の内部汚染が主因との見方が強まった。この洗濯機は、すすぎで使った洗濯水の一部を予洗いでも再利用する節水タイプ。再利用が繁殖を招いた疑いも一部で指摘されているが、県の緊急調査で、再利用そのものに問題はないことが判明した。

 問題の洗濯機は「連続洗濯機」と呼ばれ、予洗い、本洗い、すすぎなどを七つの洗濯槽による流れ作業で行う。県によると、同タイプの洗濯機を使う11工場で緊急調査を実施したが、セレウス菌の検出量は最高で1平方センチあたり610個にとどまった。問題の工場では、1万個以上に達しており、水の再利用そのものが増殖を招くことは考えにくいという。

 また、汚染源となったクリーニング工場によると、水の再利用をやめるため今月9日に配管工事を行ったが、工事の前後で、菌の検出量は大きく変わらなかった。それ以前の8月29日と9月2日に薬液による洗浄を行っており、菌が消毒されたとみられる。このため、県関係者は、水あかなど洗濯機の内部が汚染されていた可能性を指摘している。指摘に対し、同病院は「再利用と菌増殖との関係ははっきり分からない。他の病院のタオルからも大量の菌が検出された」と説明している。

 一方、県は15日、県内の全病院に対し、カテーテル取り扱いについて注意喚起を促す通知を県医師会などを通じ出した。

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 続報です。
 医学処 自治医科大学付属病院でセレウス菌の院内感染

 食べ物ではなく洗濯機の汚染だったようです。口の中に入るようなモノではなくてよかったと思いますが…タオルは危険。洗ったものだからといって清潔かどうかわからないものですね。

自治医関連
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2006年09月15日

尾鷲市産婦人科問題での、浜口文生委員の答弁内容を公開

市長に更新交渉一任

 尾鷲市議会生活文教常任委員会(与谷公孝委員長)が25日午前開かれ、尾鷲総合病院の産婦人科医師との契約更新について「率直な意見を聞いて最終的な判断をしたい」と意見を求めた。委員から「産婦人科の存続は必要。交渉を見守りたい」と市長に一任の意見が出た一方で、「市長は議会には事前に基本的な考えも示さなかった。4800万円でも他の医師には納得してもらえないむちゃくちゃな高額だ」と強い反対意見も出た。

 市長は21日に開かれた全員協議会で、今月末で1年契約の期限が切れる産婦人科医師(55)との更新交渉について、「医師側は現報酬額の5520万円に月2日の休みを求めており、市が提示した4800万円と休日分の上乗せ分との溝が埋まらないため交渉は難航している」と報告。「議会の意見を踏まえて最終的な判断をしたい」と議会に意見を求めていた。

むちゃな高額やめろ 他の医師不満当然だ

浜口文生委員 市長が提示した4800万円には反対だ。議会でこんな議論をしなければいけないことは不愉快だ。1年前の交渉で議会に相談もなく5520万円を決めたことがボタンの掛け違いだ。他の医師も理解しているとの説明だった。産婦人科医師を除く現在18人の医師の平均給与はどの程度なのか。

湯浅事務長 平均で年収約1500万円。

浜口委員 提示の4800万円は3倍以上だ。他の医師がむくれるのも当たり前であり、市長のやることは後手後手だ。こんなことでは他の医師が三重大に帰ってしまう。もっと早く議会に基本的な考えを示すべきだった。6万3千人の署名は三重大や県に出したもので、市長への要望ではない。4800万円を出すこと自体が話にならない。

 医師がいなければ総力を挙げて探せばよいのに、1年前にそれもしなかった。仮に3千万円で医師を公募すれば大学の助教授クラスが飛んでくるという話もある。風聞として産婦人科医師の開業時の話がいろいろ入ってくる。第一に他の医師が納得できる額が求められるのに話にならない高額だ。

市長 6万3千人の署名は三重大や知事に出したものだが、病院開設者の市長の責任も当然のこと。1年前に私も医師確保に努力してきたし、病院のホームページでも募集したが、自治体病院で給与額は出せない。医師が見つからない状況で、手取額から計算して5520万円で来てくれることになった。産婦人科を残すために判断した。今回は手取額の条件も踏まえた中で4800万円の提示は市として最大限の額。

浜口委員 それは市長の詭弁であり、1億円でも出すはずだ。だから事前に議会に市長の基本的な考えを示すべきだった。自治体病院は給与額を公表できないというが、医師個人の給与は個人情報保護法に抵触するものの、個人情報でない公募額には問題はないはずだ。1年前に医師との間で報酬額を公表しない約束をして話を進めていた。4800万円はむちゃくちゃな額だ。

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 浜口文生委員の答弁を聞いていると、なんかこう。結果論で市長をバッシングするだけで、何の進展もない。じゃあこれからどうするか、ということに動いていかない。

 他の医師からすればそりゃ給料高いのは面白くないでしょう。当たり前です。でもそれだけに見合った仕事をしてるのだから構わないでしょう。おそらくその医師たちも、自分たちが同じことをやれと言われたら断ると思いますが。

 一番現実的なプランを考えなければいけない市民の代表者が、非現実な答弁を繰り返している以上、尾鷲市の産婦人科問題は解決しそうにありません。

 答弁の全文はリンク先をご覧下さい。

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2006年09月14日

大分大学医学部、学士偏入学者に地域枠を設ける

大分大:医学部の学士編入学、地域枠「3」設定へ−−来年度 /大分

 大分大医学部が来年度、学士編入学(定員10人)で県内高校や大学出身者を入れる地域枠(3人)を設ける。広瀬勝貞知事が13日の9月定例県議会本会議で明らかにした。県は対象者への奨学金制度を創設する方針で、県と大分大が医師不足解消に向けて連携する。

 大分大医学部の学士編入学は、他学部を卒業した人が2年生後期に入る制度。地域枠は県内の高校や大学の卒業者が対象。将来、県内に定着する医師を増やすのが狙い。県によると、全国16県の大学で医学部の入試に地域枠を設けている(大分大はなし)が、学士編入学で設けるのは珍しいという。学士編入学は01年度に始めたが、これまで県内出身者の合格は2人のみで、ほとんどが県外出身者という。

 県は学士編入学者に入学金や授業料、生活費を貸与する奨学金制度を創設する方針。返還を免除する条件などについて今後詰める。

 県によると、医師は大分、別府両市に多く、日田・玖珠、臼津地区(臼杵市、津久見市)で少ないという。県は今年度、県立三重病院(豊後大野市)に地域医療部を設け、医師がへき地診療に当たる予定だったが、医師を確保できないままとなっている。

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 学士入学者のほうがモチベーションが高いというところを狙っての試みでしょうか。普通に医学部に進学する人より、医者になるということについて考えられなければ、他学部に変更することなんてできやしませんからね。微妙なところですが。地元に根付く医者育成には向いているかもしれません。受験生にとってみれば地域枠が増えるわけですから、ありがたい話ではありませんね。

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2006年09月12日

県立新潟高校で医歯薬コースを導入。地元医師を増やす狙い

県教委:県立新潟高、長岡高に医歯薬コース導入−−来年度から /新潟

 県出身者の医学部進学を促そうと、県教委は7日、県立新潟高校(新潟市関屋下川原町2)と県立長岡高校(長岡市学校町3)の理数科に、来年度入学生から「医歯薬コース」(仮称)を導入する考えを明らかにした。県教委によると、医学部進学を主眼に置いたコースの設置は「公立高校では例がないのでは」としている。

 医歯薬コースは理科や数学を中心に学力向上を目指すとともに、現役医師による講演会や病院見学、医療倫理に関する総合学習などの体験学習をカリキュラムに盛り込む。県教委によると、両校の理数科は現在1クラスずつの編成(定員各40人)だが、来年度の募集学級計画からそれぞれ2クラス(同70人)に拡大。2年進級時に希望に応じて医歯薬コースに振り分ける。

 県医薬国保課によると、県内の高校から医学部に進学する高校生は例年80人程度。そのうち約4割を占める新潟大進学者は大半が地元に定着するが、残りは必ずしも地元に戻るとは限らない。同課の担当者は「年間の進学者を倍程度に増やせば、医師不足が軽減されるのではないか」と指摘する。

 県内の医師数が全国平均を大幅に下回る現状に対し、新潟大医学部は08年度入験から、県内出身者を優先的に入学させる「地域枠」5人を導入。国も同大医学部の定員を暫定的に増やすことを認める方向で検討しており、県教委高等学校教育課は「教育現場でもできることから始めたい」と話している。

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 なにやら安直な…。まあいい試みだと思いますけどね。地元に定着する医師を増やしたいと思うのは当然のことでしょうし。

 ですが、「高校に医歯薬コースがあったから」医学部に進学するというのは果たしてどうなのか。それは自分がなりたいからなったというより、「そこにあったから」って感じですよね。とやかくは言いませんが、親が子供を医者にしたいと思ったから入れるような高校、なんてふうにはなってほしくありません。

 そんな高校、そこらじゅうにありますしね。平凡ですわ。この記事で「オッ」と思ったところはまさにそこで、病院研修や体験学習なども盛り込んでいるようです。これは他の高校とは違う、非凡な点。うまく作用して、モチベーションの高い医者に成ってくれることを望みます。

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北里大学病院で、530g未熟児の内視鏡手術に成功

530g未熟児の内視鏡手術に成功、北里大で国内初

 北里大学病院(神奈川県相模原市)は11日、体重530グラムの未熟児の内視鏡手術に国内で初めて成功したと発表した。10月2日に都内で開かれる日本胸部外科学会で発表する。

 執刀したのは小児心臓外科担当の宮地鑑助教授。女児は昨年12月、同病院で出生したが、大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が閉じず、肺出血を起こしたため、1月24日、内視鏡でクリップする手術を行った。その後の経過は良好という。

 動脈管は、胎児の肺に血液を供給する役割を持ち、出産後に自然に閉じるが、未熟児の場合、閉じにくくなる症状が出やすいという。同病院では昨年から1000グラム未満の未熟児に対し、より負担の小さい内視鏡手術を施しており、今回を含め13例成功している。

 宮地助教授は「内視鏡手術の有効性が証明できた」と話している。

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 ただでさえ小さな未熟児の心臓の、小さな小さな場所を内視鏡で治療してしまうとは。宮地鑑先生に拍手。これからも頑張っていただきたい人です。

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2006年09月11日

岡山大学病院、手術に使用していたガーゼを滅菌していなかった

未滅菌ガーゼを手術に使用、265人に 岡山大病院

 岡山大付属病院(岡山市、森田潔院長)は7日、04年8月から今年4月まで、婦人科や消化管外科で下腹部の手術を受けた患者265人に、滅菌していないガーゼを使用していたと発表した。納入業者のミスと病院の確認不足が原因という。このガーゼの使用による感染症などの被害は起きていないとしている。

 同病院によると、ガーゼは下腹部の手術の際、腸の保護などのために使っている。納入業者の担当者が交代した04年8月以降、誤って未滅菌のガーゼが納入され、納入書やガーゼを包む袋に未滅菌であることを示す印がついていたにもかかわらず、病院側も確認を怠ったという。今年4月、手術の準備をしていた看護師が気付いた。

 同病院は該当の患者全員におわびの文書を送り、専用電話を設けて問い合わせに応じている。

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 これは酷い。

 納入業者側も悪いけど、ちゃんと「未滅菌」って書いてあるしなぁ、って未滅菌ガーゼなんてあるんだ。そりゃあるか。それで何も問題なかったということは元々、業者の納入していたガーゼは相当綺麗だったということで評価がうなぎのぼりになるわけないか
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1230万円の歳暮や中元を受け取っていた弘前大学医学部

<弘前大医学部>5年間で1230万円分の歳暮や中元

 青森県弘前市の弘前大学医学部は11日、医師を派遣した県内の自治体病院から、05年度までの5年間で総額1230万円分の歳暮や中元などを受け取っていたと発表した。

 今後、病院からの贈答品の受け取りはやめ、金券は返却する。医学部長は「社会通念上の儀礼の範囲内。医師を派遣した見返りではない」と話している。

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 金券が一番えげつないですね。まあ、儀礼の意味もあるのでしょうが、それ以上に「派遣していただいたお上に献上」という意味が強いのでしょう。弘前では産婦人科医が不足していたり、都会派嗜好の研修医が増えてますから、近隣病院全てに配属するというわけにもいかないでしょうし。

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2006年09月09日

患者の一番欲しい情報は「医師の経歴」

受療行動調査:ほしい情報のトップは医師の経歴 開示不足

 厚生労働省は31日、05年10月に全国500カ所の医療機関で受診した患者約17万人分の「受療行動調査」の結果を公表した。病院を選ぶ際に「ほしいと思った情報」(複数選択)は(1)医師の専門分野・経歴(54.4%)(2)夜間・休日診療、往診・在宅医療の実施の有無(48.4%)−−の順。ところが、(1)と(2)を知ることができたのはそれぞれ28.1%、39.4%にとどまっており、医療機関の情報開示不足をうかがわせた

 大学病院など高度医療を提供する特定機能病院に限ると、「医師の専門分野・経歴」をほしい情報に挙げた人は61.1%に達した。それでも情報を得ることができた人は26.6%で、大病院の敷居の高さを印象づけた。

 また「安全(医療事故防止など)のための取り組み」は、ほしい情報の3番目(46.6%)だったが、入手できたのは22.6%。全体でも「(何らかの)ほしい情報を入手できた」人は45.7%と半数以下だった。

 外来での待ち時間を聞くと、「15分以上30分未満」が23.3%で最も多かったが、特定機能病院は「30分以上1時間未満」が23.7%でトップ。予約を取っていたのに「2時間以上3時間未満」という人も4%いた。一方、外来の診察時間は「3分以上10分未満」(50.3%)が最多。ベッド数20〜99床の小病院では「3分未満」が18.9%に達した。

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 医者の経歴なんておそらく大学卒後2年間ぐらいしか意味をなさないものだと思います(意味という観点から言ってしまえば)。医学博士の資格も「足の裏についた米粒」と称されるように、「とらなくてもいいけど、とらないと気になるもの」という存在です。大学院に数年身を捧げるだけで、誰でもとれますからね。

 別段意味をなさない資格なんですけど、今回の記事をみてもらうとわかるように、患者が医者を選ぶときに大事なのは資格、経歴。それは現実です。本当ならスキルを高めたいであろう人も、ハクがつくという理由で博士号取ったりね。所詮世の中ハッタリです

 私が患者なら一番ほしいのは「できるだけ多くの口コミ情報(治療実績)」ですかね。ウソホントは自分で判断するとして。
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2006年09月06日

大学病院に不満あり。研修医は市中病院のほうが満足度が高い

研修医、大学病院に不満「雑用多い」・厚労省調査

 2004年度から義務化された医師臨床研修の新制度では、大学病院よりも市中の民間病院などで研修した医師の方が満足度が高く、病院側の受け止め方も大学病院より市中病院の方が「新制度で病院がよくなった」と感じていることが31日、厚労省の調査で明らかになった。

 新制度導入後、研修医が集中していた大学病院での研修は減少。今回の調査でも、小さい病院ほど満足度が高く、大学病院の不人気が浮き彫りになった。

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 まあ、今まで大学病院には研修医がいて「当たり前」な状態だったわけですからね。逆に市中病院にはそれほどいなかった。で、少しシフトして、市中病院でもようやく「猫の手」が借りられるようになったわけです(役に立っているかは置いといて)

 それに市中病院のほうが無茶はさせないと思います。16時間労働だとか。仮にさせたとしてもそれ相応の給与が出るのではないでしょうか。研修先を選ぶときに「自身のQuality of Life(生活の質)」を選ぶのならば、市中病院のほうが良いのでしょう。勿論病院によって異なりますし、市中病院に研修にいったからといってQOLを求めていたというわけではありません、あしからず。雰囲気が合うところでやれば、学べるものは多いと思います。2年間で詰め込みまくるのが要でしょうね。

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医師限定サイト「ケアネット」で、女性向けブログを開設

ケアネット、女性医師向けブログと掲示板を開設

 医療情報サービスのケアネット(東京・文京、詫摩直也社長)は4日、運営する会員制の医療専門サイトに女性医師向けのブログ(日記風の簡易型ホームページ)と掲示板を開設したと発表した。出産後の職場復帰や仕事を続けながらの家事や育児といった悩みの相談や情報交換をできる場を提供し、女性会員の増加につなげる。

 ブログは現役の女性医師が自身の体験などを書き込む。女性の研修医や女子医学生に対する助言や励ましとなる内容のエッセーにする。掲示板は臨床、結婚、家庭、子育てなど8つのテーマに分類して設置した。このほか、女性医師を募集している医療機関を紹介するコーナーも設けた。

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 ケアネットは医療従事者のポータルサイト的存在で、「大切なものは、“医師のナレッジ(knowledge, 知識)”である」という基本理念に基づいて運営されています。

 ケアネットと当医学処の異なる点は、ケアネットは医師、医学生向け(というか限定)であるのに対して、医学処は医学生と一般の方向けです。医師の方には物足りない内容であることは重々承知しておりますがこれからもどうぞ宜しくお願いします。足りない点などありましたら、ご教授していただけると助かります。

 双方で情報提供できるのが理想なんでしょうが、ケアネット側が嫌がりますよね。笑
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2006年09月04日

東大病院に、血管専門の血管ドックが開設。

血管ドック:東大病院が開設へ 生活習慣病を早期発見

 東京大病院は1日、国立大病院初の「血管ドック」を今年度中に開設すると発表した。患者が急増しているメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が引き起こす生活習慣病では、血管が傷む動脈硬化が進行しやすい。血管の機能や状態を調べる検査を広く実施する血管ドックを設置。脳卒中や心筋梗塞などの前兆の早期発見だけではなく、検査の有効性の検証に役立てる方針だ。

 血管ドックでは、超音波や磁気共鳴画像化装置(MRI)を使い血管内部の状態を観察。血管内皮機能検査で血管の伸縮率などを調べる。所要時間は1日で済むとみられ、費用や詳しい検査内容は今後決める。

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 これは便利かもしれません。超音波やMRIだけで調べるということで、侵襲性も高くなく血管の状態を調べられるようです。高性能なのでしょうか、おそらく血管のプラーク蓄積部位や動脈瘤の出来やすい場所などもわかってしまうと思われます。進行してからでは命に関わる処ばかりですからねぇ。もし時間がありましたら是非やってみて下さい。特に生活習慣が酷いと自覚している方ほど。

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2006年08月30日

岩手医科大学が入学定員数を20人増加。でも県内出身者限定

岩手医大に定員増要望 県市長会など

 県市長会(会長・谷藤裕明盛岡市長)と県町村会(会長・稲葉暉一戸町長)は25日、県と岩手医大に対し、同大医学部の定員増を求める要望書を提出した。厚生労働、文部科学、総務の3省は医師不足が深刻な都道府県
の大学医学部の定員を暫定的に増やす「新医師確保総合対策」の原案をまとめており、地方から現状を訴えることで定員増の実現につなげる考えだ。

 谷藤市長、熊坂義裕宮古市長、稲葉町長が増田知事、同大の大堀勉理事長を訪問。要望書では「医師の不足や診療科による偏在が顕著であり、医療環境の後退を余儀なくされている」とした上で▽同大医学部の入学定員20人程度増員増員は県内の出身者に配慮する−と求めている。

 要望書を受け増田知事は「地元枠をきちんと設けることと、国への要望をしっかりしていきたい」、大堀理事長は「面積の広い岩手は人口が少なくても医師は必要だ。東北、北海道の地域で声を上げていかなければならない」と答えた。

 県市長会、県町村会は今後、文部科学、厚生労働の両省にも要望書を提出する予定。

 2004年末現在、本県の人口10万人当たり医師数は179・1人(02年調査比4・5人減)で、全国平均を32・6人も下回っている。医師の派遣先である大学病院が引き揚げたことなどによる県立病院などの診療科の休診も深刻化している。

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 岩手医科大です。岩手医大は私立医学部なんですけども、地元枠を設けているのが特色として挙げられます。

 入学定員が20人増ということで、受験生にとっては涙モノのお話でしょう。地元民限定ですが。本気で医療をやりたい人(それもかぶれた都会派志向ではなく、純粋に医者という職を全うしたい人)は是非どうぞ。

 1901年に私立岩手医学校として創設され、1947年に岩手医科大学と改名した。岩手県内唯一の医師・歯科医師養成機関、東北地方で唯一の私立医学部である。(wikipediaより)
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