2008年02月18日

第102回医師国家試験の様相。

 はいどうも。さじです。医師国家試験も最後の1日となりました。ここで少し、現場の様相を紹介したいと思います


【ツイニ】第102回医師国家試験総合スレpart11【キタ】


1 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 20:39:23 ID:???
【ツイニ】第102回医師国家試験総合スレpart11【キタ】

当日です

書き込みましょう


6 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 20:56:24 ID:???
◎関連HP
厚生労働省:102回医師国家試験の施行

Road to Doctor >>医師国家試験のはじめの一歩

CoreMedu(医師国家試験の過去問のwiki)

TECOMNET−医師国家試験の情報etc

医師国家試験対策予備校 テコム

医師国家試験予備校 メック

医師国家試験予備校-MAC


8 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 20:58:08 ID:???
試験日    平成20年2月16日(土曜日)17日(日曜日)18日(月曜日)
合格発表日 平成20年3月28日(金曜日)


☆合格基準まとめ☆

      95回    96回   97回    98回   99回   100回   101回
必修  160/200 160/200 160/200 149/186 155/193 160/200 160/200
一般  130/200 130/200 127/200 129/200 127/200 137/198 122/200
臨床  373/600 409/600 395/600 376/600 393/600 389/597 396/600
合格率 90.4    90.4    90.3   88.4    89.1    90.0    87.9


*禁忌肢選択は、99回までが1問以下、100回、101回が2問以下で合格
*必修問題の除外については、98回、99回が採点に含めず 
  100回、101回では誤答者のみ除外


 つまりどんなに出来ても1割は落ちるわけです…。


42 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:20:41 ID:???
血糖・・・はみんな選んでるみたいだし除外にはならんだろうな・・・あークソックソッ
OHSSは除外になってくれないとほんとに死ぬ


46 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:27:17 ID:???
>>42
あれは除外ほぼ確定。
C28とかその辺は、残り二日の問題次第かな。
学生的に不適切でも厚労省が8つも9つも除外にしないのは去年で実証済みだし。
必修臨床で正答率の低いやつから3、4問ってところでしょ。


 医師国家試験は、国家試験ですが、その問題の答えが正しいかというと、そうでもありません。法医学的な問題では、弁護士でも法医学者でもそれはおかしいだろうと思うような問題が平気で出題されたりします。毎年そういった問題は「削除」されますが、どの問題が削除されるかで合格者が変動するのもまたつらい現実です。

ちなみにOHSSというのは、卵巣過剰刺激症候群のことで、排卵誘発剤などで卵巣が過剰に刺激されると起こります。



49 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:31:39 ID:???
冷静に考えりゃ血糖だよな・・・
でも救急で搬送されてきたらフツーECGとかつけるし・・・とか考えちゃった


51 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:34:02 ID:???
>>49
そんなふうに考え出すと泥沼だよな。
気がつくと深みに嵌まっている点や、嵌まると容易に抜け出せない点が酷似している。


52 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:36:41 ID:???
1.どう見ても血糖
2.だがちょっとまってほしい、救急はまずバイタルの確認ではないだろうか
3.俺マジ賢いwwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwwww

どう見ても死亡フラグです、本当にありがとうございました
問題文短すぎるんだよ禿


55 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:38:55 ID:???
あの問題はおかしい
真っ先に血糖?ECGもバイタルもしないで血糖はかるの?意味分からん
あんだけABCABCいっといて今度はコレかよ
出題者に道端であったら蹴り飛ばしてもいいか?


 ABCというのは、一次救命措置の順番で、A(airway)…気道の確保、B(breathing)…人工呼吸、 C(circulation)…循環となっています。


58 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:41:00 ID:d/TFJxk/
俺の大予想

VOICE:出題者は「血糖」を選ばせたいのだと思ってaを選びました。


60 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:42:25 ID:???
俺らは心理学者でもテレパスでもねーっつーの
出題者の意図とか・・・知るかボケ


 出題者の意図、つまりどういう答えを出せばいいのかを読み取ることが、国家試験合格のためには必要不可欠とされています。ここらへんは知識というより、問題に対するテクニックの話ですが。


67 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:45:13 ID:d/TFJxk/
正直俺も良く分からんかった。選択肢から逆に考えたら低血糖でそんな症状あった
気がして、結局aを選んだ。


68 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:45:27 ID:???
なんでみんな血糖なんだよ
あーあー罠にはまっちまった・・・
もうしにてー


72 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:47:27 ID:???
血圧高いし、冷汗もある。
めっちゃヒントありまくりじゃん。
低血糖へ誘導しているようなもの。
削除はない。


76 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:48:43 ID:???
>>72
更にわざわざ問題文に呼吸規則的・脈拍整って書いてるしな


82 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:49:47 ID:???
血糖の問題で
血ガス、心電図をえらぶ理由がない。

呼吸は「規則的」循環は保たれてる。

とくればあとは低血糖くらいしかないだろ。


106 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 21:58:49 ID:???
マジで問題文は隅から隅まで読んだ方がいい
10行くらいあるやつも面倒臭がらずにな。
どうせ時間は有り余るんだから。


237 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:45:47
ADHDってドパミン説なのかよ
しらんぞ
ってか教科書に書いてるの?
ドパミン関係あるならそれっぽい薬つかうはずだと思って切っちまった


受動喫煙によって注意欠陥多動性障害(ADHD)のリスクは上がる

>ADHDの一因としてドーパミンの不具合が指摘されている



161 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:16:12 ID:???
必修臨床C28-29

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。

72歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。
現病歴:2日前から発熱と前進倦怠感とを訴えていた。昨日の就寝時から息苦しさがひどくなり、よく眠れなかった。
既往歴:8年前から慢性閉塞性肺疾患(COPD)を指摘されているが、治療は受けていない。
現症:意識は清明。身長154cm、体重42kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍108/分、整。血圧186/104mmHg。口唇にチアノーゼを認める。頚静脈の怒張を認める。心音に異常を認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾は触知しない。腹部に圧痛や抵抗はない。


28 治療の緊急性の高さを示す症候はどれか。
a.発熱
b.頻脈
c.血圧上昇
d.チアノーゼ
e.頚動脈怒張

29 まず行う検査はどれか。
a.心電図
b.呼吸機能検査
c.心エコー検査
d.喀痰細胞培養
e.経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)


156 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:14:54 ID:???
チアノーゼって言っても「来院」だぜ?救急車で搬送されるくらい重症ではない。
故に緊急は循環動態の改善だよ。呼吸数も大したことない。


159 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:16:10 ID:???
>156
感染で急性増悪だから
見てる間に悪くなって死ぬかもでしょ。


169 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:19:51 ID:???
>159
考えすぎw
現場の先生曰く、動脈ガス測定ならそれが◎だがSPO2なら△。心エコは○くらい。そんな優先順位らしい。本当かどうかはしらんが参考までに。


172 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:20:38 ID:???
C28-29

28はdのチアノーゼでいいでしょう。

29の「まず」という意味で行くとeでしょう。指にはさむだけだし。

肝が腫れているってことはうっ血肝なんだろうな。肺性心でも起こしているんだろ。


190 名前:101回一般臨床9割必修ワンミス 投稿日:2008/02/16(土) 22:29:00 ID:COIPfwUQ
C28-29

まず病態生理はCOPDによる肺性心。
それによる右心系の負荷↑でヘパトジャグラー。

ってことで28はdのチアノーゼ
29はeでほぼ同時にガス。

UCGでTRPGはかるのはだいぶ後。

わかってるとおもうが、いきなり高濃度酸素は駄目よ。


222 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:37:43 ID:???
C28-29 は>>190でいいとおも。6年目呼吸器科医。
SpO2は一瞬で測定できる。呼吸苦訴える患者に即つけるのは常識。
どう考えても不適切にはならん。


229 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 22:41:49 ID:???
もうさ、厚生労働省も医者が少ないって認めてんだから今年はみんな合格ってことでよくね??
とか思っちゃうわけですよ。


273 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 23:01:35 ID:???
なんかもう萎えた。ビール飲んで寝る


274 名前:名無しさん@おだいじに 投稿日:2008/02/16(土) 23:02:00 ID:???
>>273
落ち着けwww


 今日(月曜日)が最後となります。出来なかった人は諦めず、出来た人は油断しないで、頑張って下さい。

関連:第102回医師国家試験が目前に迫る。
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2008年02月17日

うつ状態の研修医は6.2倍の投薬ミスをする。

若手研修医のうつ状態が投薬ミスにつながる

 うつ状態の研修医(medical resident)は投薬ミスをする比率が大幅に高いことが、英アバディーンAberdeen大学(スコットランド)の研究グループにより示され、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版に2月7日号掲載された。

 今回の研究は、米国の小児病院3カ所での小児科研修医123人を対象に実施されたもので、研修医の20%がうつ状態、74%が燃え尽き(burnout)状態であることが判明した。研究期間中、研修医全体で45件の投薬ミスが発生しており、うつ状態の研修医は、そうでない研修医よりも6.2倍の投薬ミスをしていた。投薬ミスの比率と燃え尽き状態との間には、関連はみられなかったという。

 この知見から、患者の安全のためには、これまで考えられていた以上に医師の精神面での健康(メンタルヘルス)が重要であることが示されると研究著者らは述べている。さらに、研修医に高い比率で燃え尽き状態が認められたことから、研修の方法がストレスを生み、研修医の健康を害していることも示された。ただし、今回のデータは、米国で研修医の勤務時間制限が施行される前に収集したものであるという。

 米国では年間9万8,000人もの患者が投薬ミスによって死亡しており、ミスが発生する理由として、睡眠や余暇の不足などによる研修医のストレスがよく挙げられている。投薬ミスと医師のうつ状態および燃え尽き状態を結びつけるのは、理にかなっていると思われるが、今回の結果は決定的なものではないと研究グループは述べており、投薬ミスを引き起こす要因を突き止めるには、大規模な前向き(プロスペクティブ)試験が必要としている。



 日本は、投薬に関する危機管理の概念は発達してきていると思いますが、欧米のように「ミスを次に繋げる」という考え方が実行されはじめたのはここ数年のことだと思います。

 日本では根性論が愛されており、しかもミスには強烈に糾弾するという姿勢も好まれてきました。JAXAがH2Aロケットの打ち上げに失敗しようものなら、何億も無駄にしたと強烈なバッシング。何故打ち上げに失敗したかを究明することこそ、打ち上げ失敗後に行うべきことで、国民に「すみませんでした」と謝ることではありません。そもそも国民に謝ること事態がわけのわからないことですからね。

 ここらへん難しいところですが。ミスを認めることがまず先決で、そのためにはミスを過度にバッシングしないことも必要です。人は改善することができる生物です。研修医がミスをしやすい環境をまず整備すること、そして、ミスをしてもその対策を講じ、次に繋げることが強く求められます。

関連
医学処:地方の病院が研修医を獲得するために改革を行う。
医学処:医療ドラマ「グレイズアナトミー」が3位にランクイン
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2008年02月14日

割り箸死亡事件、民事訴訟では過失も認めず。

「診察に過失ない」 刑事裁判と逆の判断 割りばしで園児死亡事故

 12日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ 東京都杉並区で平成11年、割りばしがのどに刺さった保育園児、杉野隼三ちゃん=当時(4)=が、杏林大付属病院(東京都三鷹市)で受診後に死亡した事故で、園児の両親が、病院を経営する杏林学園と診察した医師(当時)の根本英樹被告(39)=1審無罪、検察側が控訴=に計約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。加藤謙一裁判長は「診察に過失はなかった」として両親の訴えを退けた。両親は控訴する方針。

 事故では、東京地検が根本被告を業務上過失致死罪で起訴。1審東京地裁は18年3月、過失を認める一方、延命可能性を認めず無罪としていたが、民事では医師の過失についても認定しなかった。

 訴えていたのは、隼三ちゃんの父、正雄さん(56)と母、文栄さん(50)。訴訟では、(1)割りばしが脳内に刺さっていることを予見できたか(2)適切な治療として延命可能性があったか−の2点が主に争われた。

 加藤裁判長は、これまでに報告のない症例▽神経障害などの症状が見られなかった折れた割りばし片が口の中で確認困難だった−などの理由から、「当時の医療水準や受傷状況から、割りばしが脳を損傷させた可能性は診断できなかった」と指摘し、根本医師の過失を否定した。

 その上で、隼三ちゃんの死因について「割りばしが刺さったことが原因だが、具体的な仕組みは不明」と判断。「適切な診察や治療を行ったとしても、延命の可能性は認められない」と結論付けた。

 判決によると、隼三ちゃんは11年7月、杉並区で開かれた盆踊り大会で転び、綿菓子の割りばしがのどに刺さったため、杏林大に救急搬送されたが、根本被告は塗り薬を付けただけで帰宅させた。隼三ちゃんは翌朝、容体が急変し死亡した。



「息子にかける言葉ない」 割りばし死亡事故訴訟で両親

 「死んだ息子にかける言葉がない」。割りばし死亡事故で、杉野隼三ちゃん=当時(4つ)=を診察した医師、根本英樹被告の過失を認めなかった12日の東京地裁判決。過失を認めながら、死亡との因果関係を否定して無罪とした刑事事件の1審判決よりも遺族には厳しい判決となった。「どうして息子が死んだのか、ただ知りたいだけ」。事故から約9年。そんな遺族の願いはまたも閉ざされた。

 「過失さえ認められず非常に残念。これまでの積み重ねを無視する判決で納得できない」。判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した隼三ちゃんの父、正雄さん(56)は悔しさをにじませた。

 母親の文栄さん(50)は「被告側の主張をなぞったような判決。刑事事件の判決よりも悪くなった」と述べ、唇をかみしめた。

 ひたすら走ってきた9年間だった。数多くの専門書に目を通した。医療過誤を訴える遺族らとも交流を深めた。すべては真相を知るためだった。「9年間は真相を知るための大切な時間だった」と正雄さんは話す。

 昨年秋、保存されていないとされていた隼三ちゃんの臓器片が、司法解剖を行った大学病院で見つかった。「隼三が『本当のことを話したいから見つけて』と呼んだのだと思う」と文栄さん。この臓器片は現在、隼三ちゃんの死因を特定する大きなカギとして、根本被告の控訴審で鑑定が行われている。

 「今まで以上に大変な道で、何年かかるか分からないが、必ず真相を明らかにする」と正雄さんは会見で力を込めた。



 診察そのものに過失がない、という判決。

 私もそう思いますが、遺族からしてみれば納得のいかないところでしょう。

 割り箸が見えていたのかどうか、また親が「割り箸が刺さった」としているがその異物片の残りを持っていたのかどうか、など、色々なことが考えられると思います。

 一口に「割り箸が刺さった」と言っても、喉に当たって傷ができただけでしたら、画像診断などをする必要はないように思います。勿論可能性を考えれば、その先の部位が損傷していることなども考えなければなりませんが…。万が一を考えてこういった事例では全て検査を行ったほうが良いのでしょうか。風邪だろうけどもしかしたら風邪のような症状が出ているだけかもしれないから血液検査とX線はやっておきましょう、といった具合に。

 医療面接において重要となるのは、問診です。どういった経緯で割り箸が刺さったのか。折れたといわれる割り箸の残りはあったのか、など。「割り箸が刺さって折れた」のであれば、喉に刺さっている可能性を医師は予測しなければいけないと思いますが…そういう意味で刑事事件では「過失あり」としたのでしょうか。

 法医学的な見解が気になりますね、この事件は。医師が予見できる範疇にあったのかどうか、なども含めて。ご遺族のいう「本当のこと」も、法医学的にどうであったかによって分かる気がします。決して有罪にすることが「本当のこと」ではないはずです。

 事件の経緯はこちらをご覧下さい。平等的立場ではなく医師擁護側ですが、容易に理解できると思います。

関連
医学処:綿菓子の割り箸が脳に刺さった事件を覚えていますか
医学処:割り箸死亡事件で過失を認められたが無罪となった医師
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東京女子医大の心臓移植、6年ぶりに再開か。

東京女子医大、心臓移植を6年ぶり再開 女児死亡で自粛

 東京女子医大病院(東京都新宿区)は7日、緊急時を除いて02年3月から自粛してきた心臓移植手術を再開すると発表した。同病院は、心臓手術での事故などを理由に「特定機能病院」の承認を取り消され、心臓移植も自粛していた。同手術を実施できる施設は同病院を含め国内に6カ所で、関東では東京大病院1施設の状態が続いていた。

 移植手術の水準を審査、認定する「心臓移植関連学会協議会」が7日、再開を了承した。

 東京女子医大病院では01年に手術で女児が死亡後、カルテ改ざんも発覚。厚労省は02年、診療報酬上の優遇措置がある特定機能病院の承認を取り消したが、安全管理体制が強化されたとして昨年9月に再承認している。



 ようやく。

 大学病院がカルテ改ざんをしていたら、まるで示しがつきません。医師として絶対にやってはいけないことの1つだと思います。医療過誤やミスがあったら、届け出て、大学全体、そして医療界全体で防止策を講じ、普及させていかなければなりません。

 そういった意味で女子医大は認定取り消し、心臓移植自粛など当たり前のことでした。とはいってもずっと取り消していても何の意味もないので、今後の対策ができたのでしたら、どんどんやっていくべきだと思います。罪を認めて前に進んでいくことが、組織には大きなプラスになりますからね。

関連
医学処:東京女子医大病院で死亡事故を改ざんした医者の保険医登録抹消
医学処:東京女子医大の「特定機能病院」が5年ぶりに再承認される。
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第102回医師国家試験が目前に迫る。

 そういえばそろそろ医師国家試験の時期ですよねー、と調べてみたら今週の土日月だそうで。

 今日と明日、受験生はやることだらけでしょうけれど、実力を全力で発揮できるよう頑張ってほしいと思います。

 もう一度目を通して確認しておくといっても、範囲が膨大すぎて出きるものではないと思いますので、ここは自分を信じて、しっかり寝て、体調を万全にしてください。

 医者への階段を上れますように。健闘を祈っております!

医師国家試験の施行

 医師法(昭和23年法律第201号)第10条の規定により、第102回医師国家試験を次のとおり施行する。

 平成19年7月2日 厚生労働大臣 柳澤 伯夫

1  試験期日 平成20年2月16日(土曜日)、17日(日曜日)及び18日(月曜日)

2  試験地 北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県及び沖縄県

3  試験内容
 臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能

参考:厚生労働省医師国家試験

関連
医学処:第100回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
医学処:第101回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
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2008年02月10日

献体フォーラム、札幌市道新ホールで明日開催。

「献体で手術研修」議論を 03年解禁の札医大 11日にフォーラム

 札幌医大は、法解釈上「グレーゾーン」とされる、手術研修への献体利用について議論する市民フォーラム「献体について考えたことがありますか? これからの医療に果たす献体の役割」を十一日午後二時から、札幌市中央区大通西三の道新ホールで開く。

 同大の辰巳治之教授(解剖学)によると、献体の利用は献体法により医学生の教育と解剖研究に限定されているとの解釈が一般的。外科医はこうした制限がない海外で献体による手術研修を行うか、実際の手術を重ねることで腕を磨くしかないという。

 同大は二○○三年、本人と家族の同意書など条件を明示した上で手術研修への献体利用を解禁した

 国も「黙認」の状態だが、同大は「医療ミスを減らすためにも手術研修は必要。公の場で議論をすることで理解を深めたい」としている。

 フォーラムでは、辰巳教授らが同大の取り組みを紹介するほか、ノンフィクション作家の保阪正康氏や、厚生労働省医政局課長補佐らとのパネルディスカッションを行う。入場無料で、直接会場へ。



 これは面白そう。札幌なので行けませんが…。笑

 市民フォーラムということですので、献体への理解、そして献体を用いた新たな試みへの認知、またはそれに関するディスカッションがみられる貴重な機会です。たまにはこういったことで休日を過ごしてみるというのも、なかなか有意義なのではないでしょうか。

 献体というとどうしても嫌なイメージですとか、暗いイメージが付きまとうと思います。ですが献体は、医療の教育・発展に多大なる貢献をしています。もっとポジティブに、献体という存在を考えるべきなのかもしれませんね。

 生きている人を助ける医療と、それを支える死後の献体。

 札幌市お近くの方は、是非足を運んでみて下さい。相当面白い内容なのではないかと思われます。

 献体と手術訓練について詳しくは、以下の記事より。

関連
医学処:NPO法人MERI Japanが、献体を用いての技術訓練を日本に普及させる
医学処:献体を用いた手術トレーニングについて、厚生労働省は
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大阪大学、兵庫大学の臨床研修医98人が違法バイト

臨床研修医98人違法バイト、大阪・兵庫26病院

 大阪、兵庫両府県の大学病院など26病院の臨床研修医計98人が、医師法に反して別の病院でアルバイト診療をしていたことが、厚生労働省近畿厚生局が行った全国初の実態調査でわかった。国は昨年、研修医の受け入れ病院に対してアルバイト禁止の徹底を文書で指導したが、これほど多数の違法行為が明らかになったのは初めて。同厚生局は、研修医の管理が不十分だったとして、補助金の返還など各病院の処分を検討している。

 同厚生局によると、大阪大付属病院や大阪市立大付属病院など大阪府内の23病院で86人、神戸大付属病院など兵庫県内の3病院で12人。阪大病院は10人で、1人で50回アルバイトしていたケースもあった。昨年4月に違法アルバイトが明らかになった兵庫医大病院でも新たに1人見つかった。

 2004年度から医師法に基づいて導入された臨床研修制度では、医師免許取得後に病院などで2年間の研修を義務づけ、研修医は指導医の管理下でなければ診療できない。今回アルバイトが判明した研修医らは民間病院などで夜間の当直や休日の日直に就き、1人で診療していた者もいた。病院に対し、「先輩に頼まれた」「小遣い稼ぎだった」などと説明したという。

 昨春以降、保健所の立ち入り調査で、兵庫医大病院以外でもアルバイトが確認され、同厚生局が昨年12月、近畿を対象に調査を始めた。同厚生局は今後、各病院に自主公表を求めるとともに、悪質なケースは補助金返還も求める方針。

 読売新聞の取材に対し、阪大病院は「内部で調査中」とし、兵庫医大は「アルバイト禁止の周知徹底を図ったが、研修医の認識が低かった。さらに指導を強化する」としている。



 先輩後輩関係で「バレやしないから大丈夫」と思ったんでしょうけれど、何のためにアルバイト禁止にして研修医の給料を上げたんだか分かりませんね。

 まぁ、給料を上げたといっても、研修医の給料は薄給も薄給、そこらでバイトしている高校生の時給より安いんですけどね。使う暇すらないからトントンというところでしょうか。

 理想を言うなら、労働時間に見合った適切な給料を支払う、これに尽きます。病院全体が赤字だらけなので無理でしょうけどねぇ。

 でも法律って微妙ですよね。医師法違反だからバイトは禁止だと言っている反面、じゃあ労働基準法守ってるのかよと言うと守っていないわけです。しかも国全体で暗黙の了解のように法律違反を見過ごしているじゃないですか。オカシイですよね。勿論、医師が労働基準法を厳守していたら全ての病院が機能しなくなるほど、医師が不足しているわけですが。

参考:医師と労働基準法

関連
医学処:兵庫医大病院で、研修医に違法アルバイトをさせていた。
医学処:JFE健康保険組合川鉄千葉病院の研修医が違法バイト診療。
医学処:地方の病院が研修医を獲得するために改革を行う。
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札幌医大病院で多剤耐性緑膿菌による院内感染か

死亡7人から緑膿菌 札医大病院 06年から1年間 院内感染か

 札幌医大病院の高度救命救急センターで二○○六年から○七年にかけての一年間に、十三人の入院患者から抗生物質が効かない多剤耐性緑膿菌が検出され、うち七人が死亡していたことが八日、分かった。厚生労働省は感染者数が多いことから、院内感染の疑いもあるとみて、札医大から事情を聴き、事実関係を調べている。

 多剤耐性緑膿菌は、複数の抗生物質に耐性を持ち、抵抗力が弱まっている人などが感染すると肺炎などを起こして死に至ることがある。死亡した七人はけがなどで入院していたとされる。

 厚労省医政局指導課は、「年間の発生数としては多く、院内感染の可能性がある。発生の経過や、病院が必要な対策を取ったかどうかを調べたい」とし、北海道厚生局が事実関係を調査している。

 これに対して札医大側は「院内感染が原因で死亡したかどうかは分からない」とし、今後、病院の担当医などから報告を受け、事実関係などを調べるという。

 多剤耐性緑膿菌の院内感染とみられるケースは、これまで京都大、長崎大などの各病院でも発生しており、埼玉医大では○三年末から○五年末までの二年間に六人の死者が出ている。



 多剤耐性緑膿菌による感染症は、日和見感染といわれています。日和見感染というのは、健康な人ならば感染を起こさないような菌でも、免疫能力が低下した人であれば感染してしまうことを指します。

 菌なんてそこらじゅうにいるわけです。健康であれば菌を体内に取り入れても、免疫があるために感染症を起こすことはありませんが、病院で入院している人は免疫能力が落ちているため、感染力の弱い菌でも感染症を発症してしまうわけです。

 記事になるほど問題となっているのは、院内感染を早期に察知して、適切な対策をとっていたかどうか、ですね。緑膿菌のDNAを調べれば、同一の菌かどうかが分かり、多数の患者が同じ菌によって発症したのかどうかが分かります。

関連
医学処:東京医科大学でも多剤耐性緑膿菌の院内感染が発覚
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2008年02月09日

岐阜大学医学部が国公立大学受験の倍率1位を獲得。

意外な大学が倍率一位。ゆとり世代は敢えて東大行かぬ

 6日、文部科学省は、全国の国公立大学2次試験の出願状況を発表したが、少々意外な大学が2年連続で倍率全国1位となった。

 少々受験をかじった者であれば、倍率だけなら東大や京大は大したことはないのはご存知のはず。長らく倍率1位の指定席は東京芸大だったが、今回倍率1位となったのは岐阜大学医学部で、募集人員55人に対し2373人の志願者を集め(後期日程)、倍率は実に43.1倍となった(2月6日現在)。

 岐阜大学が、昨年度より医学部の後期日程の募集人数を増やしたこと、さらにセンター試験での足切りが無いことなどが人気の理由だというが、この驚きの高倍率も、ある高校教師に言わせれば「昨今の典型的な受験傾向」ということになるらしい。

 この教師は、都内屈指の進学校に勤めているが、「この年代の生徒は、長く続いた就職難のイメージから、大学受験の際にすでに就職のことを考えている」と語る。それゆえ優秀な生徒は就職に強い理系に集まり、中でも医学部は大人気で「東大に入る力のある生徒でも、地方の国立大の医学部を目指す者が何人もいる」(同)らしい。

 この教師は「最近の生徒は、たかだか10年前と比べても、良くも悪くもとにかく現実的」と語るが、今年度の受験生は、中高6年間を「ゆとり教育」の中で過ごした初めての学年。ことあるごとに「ゆとり世代」と揶揄される彼らだが、現実的な選択は、果たして吉と出るのだろうか?



 医学部受験のときには、センター試験の点数による足切り、一次試験での点数配分(得意分野不得意分野、センターとの比率など)、募集人数などを考慮して、受験生が殺到します。センターに失敗した人はセンターの比率がとても少ないところ、または一次試験で逆転可能なところを選んだりしますね。

 医学部人気ということですけれど、現実的な路線でいくなら法学部に行ったほうがカタいと思います。収入や休暇の面でも医学部より優遇されているのでは?

 医学部の最大の欠点は、「医学に興味がないと地獄のような勉強を強いられる」ということです。受験など比ではないほどの膨大な知識を獲得しなければなりません。旧帝大系の医学部に入るのは至難の技といわれていますが、実際バッタバッタと留年する人がいるわけです。有名私立高校に通っている人でも成績が悪く留年するなどザラですからね。

 頭がいい人ならば本当にこのまま進んでいいのだろうかと悩み、自分と葛藤し、それでも医学を志して人を助けたい、と思う人もいます。そういう人はいいんですけど、受験の段階で、現実的だからという理由で医学部を選ぶのはチョットという感じがします。六年間も興味のないことをやっても仕方ないでしょうし。実際どこの医学部に行っても得られる知識は変わりませんし、卒後のスキルにも差はありません。ただやる気があるかないかの違いだけです。たとえ東大に行ってもダメな人は本当にダメですね。

 しかし・・・芸大よりも倍率が高いとは、凄い話ですね。気象大学校と同じくらい入りにくいと言われているぐらいですが…。やはり募集人数増が効いたんでしょうねぇ。

 医学部受験者の中で、医学に興味がある人、医学を学びたいと思っている人に桜が咲くことを、祈っております。頑張って下さい。

関連
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2008年02月03日

5分未満の問診の場合、診療報酬を無料にします。

5分未満の問診無料に、診療報酬改定で中医協

 厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)は1日、問診や病状説明を対象にした診療報酬について、所要時間が5分未満なら無料とすることを決めた。今年4月から実施する。これで年200億円程度の診療報酬が削減できる見通しで、患者の自己負担もその分はなくなる。このほか一手術当たりの定額報酬を試行的に導入し、医療費の抑制を狙う。

 焦点となっていた2回目以降の診察にかかる再診料は開業医向けを据え置き、病院勤務医向けを小幅に引き上げることを決定済み。1日にそれ以外の論点もほぼ合意に達したことで、2008年度の診療報酬改定の大枠が固まった。中医協は2月中旬に舛添要一厚労相に答申する。



 わけが・・・わからない・・・。

 こんなん、1患者あたりの診療を無理やり5分以上にすればいいだけの話じゃないですか。いやそもそも問診で5分未満って結構厳しい気も。どういう層が無料になるんでしょう。地方の内科とかかな。

 そしてより待合室が混むことになるでしょうね。誰が得するのかよくわかりません。医療費が削減できると言ってますが、果たしてどうなることやら。


43 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2008/02/02(土) 19:27:20 ID:3IFHfyb60
医者不足で一日外来百人とかみてる医者カワイソスギだろ.
死ぬほど診察しても5分以内だから無料.


57 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2008/02/02(土) 19:31:41 ID:7Mkxx0ME0
>>43
日曜日の夜中12時に夜間救急で30人以上患者が待ってて
「いつまで待たせるんだ!」って怒鳴られた小児科医は私です。

休日深夜でも2-3時間待ちで子供ならタダで診てもらえるのに
文句言うやつ多すぎ。
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2008年01月26日

順天堂大学、遺伝子相談外来を開設へ

「遺伝相談外来」開設…順天堂大病院、来月から

 順天堂大病院(東京・御茶ノ水)は来月から「遺伝相談外来」を開設する。先天性の疾患の医学的情報を提供する専門診療科として、毎月第2、第4月曜の午後に開かれる。

 主な内容は▽カウンセリング▽腫瘍性疾患などの染色体異常の診断▽出生前の診療、診断特定の疾患の遺伝子診断――など。ただし訴訟目的の場合や親子鑑定はしない。

 同外来運営委員長の服部信孝教授(神経学)は「いまだ遺伝病の偏見が少なくない。専門の異なる複数の医師が時間をかけて正確な知識を身につける手助けとともに精神的ケアにも対応したい」としている。

 受診は予約制。相談内容を記載した申込書を提出する。2人の専門医が同席。保険は利かず、初診(90分)1万5000円、再診(60〜90分)1万円。予約は電話03・3813・3111内線5096医療連携室。



 遺伝子は同じ人間でもそれぞれ多型性があります。少し違うだけで、疾患の因子になったり、また、直接疾患の原因になったりもします。

 セカンドオピニオンが普及しはじめた今日、遺伝病のプロフェッショナルによる適切なケアや指針が求められるようになったのかもしれません。この試みは結構ニーズがあると思います。さすが私大のホープ、順天堂。

関連
医学処:胎盤がうまく機能するための遺伝子を発見
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2008年01月21日

焼津市が浜松医大の大学院学費を負担する。

焼津市が医師の大学院学費を負担 浜医大と協定

 焼津市と浜松医科大(浜松市東区)が18日、焼津市立総合病院の医師の大学院博士課程入学に関するユニークな協定を締結した。焼津市が学費を負担し、授業を勤務時間として認める、全国的にも珍しい協定。市側は勤務医への魅力をアップできて引き留めや誘致に役立ち、医療レベルも向上できる。大学側も研究促進に役立つため、一石二鳥といえそう。

 焼津市の職員である病院の医師が大学院の入学試験に合格した場合、同市が入学料や授業料を負担し、勤務の一環として同大学院の授業に派遣する。病院での診察も大学院での授業や研究も、そろって“仕事”となり、経済的にも身体的にも負担が少ない。同市は来年度予算として3人分を想定した250万円を計上する予定だ。

 現在、同大学院には勤務の傍ら学ぶ医師らが約20人いるが、勤務先が職務命令として授業へ派遣したり、入学金や授業料を負担したりするのは県内初。

 寺尾学長は「専門医制度と博士教育を並行して進めることもできる。研究心を持った臨床医を育てるいいシステムを作りたい」と歓迎した。



 バイトして生計をたてるしかない大学院生にとっては夢のようなシステム。

 まぁ・・・焼津市としては、大学院生になっても留まってもらいたいと思うからでしょうね。それでも全負担はなかなかできるもんじゃありません。今後こういったシステムで若手医師を保護する試みもいろいろ見られてくると思われます。
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2008年01月03日

島根大学・秋田大学と東京医科歯科大学の研修医相互派遣計画

研修医:島根大・秋田大と東京医科歯科大、相互派遣へ

 島根大と秋田大の両医学部付属病院は08年度から、東京医科歯科大医学部付属病院と研修医の相互派遣を始める。国立大同士が研修医を相互派遣するのは全国初。都市部の研修医に地域医療を体験してもらい医師確保につなげる狙い。

 島根大病院の1年目の研修医が東京医科歯科大病院で救急と麻酔の研修を受ける一方、医科歯科大病院の2年目の研修医が島根県内の中山間地の病院で地域医療を体験する。秋田大病院と医科歯科大病院は共に2年目の研修医を交換する。研修医は3カ月間、1人ずつ相互派遣する。



 一年目に市中病院、次に大学病院で研修というケースや、相互派遣でなくても1,2年目で大学が違うというのはあるようですが、相互交換は全国初、だそうです。

 いやいや、なかなかいいと思います。医科歯科のほうにメリットがあるのかは分かりませんけど、思うに地域医療をやりたいと思っている人って結構多いのではないでしょうか。ただ踏ん切りがつかないといいますか…。医科歯科大なんていったら都心も都心ですからね。この便利な地域を捨ててまで患者さんのために尽くせるのか、という不安は若者ならあってもふしぎではないと思います。

 ですが地域医療というのは、大学病院以上に患者さんに近づけると思います。そういったところに医療のやりがいを感じられることこそ、大きなメリットであるはずです。

 対する島根大・秋田大としては、都会でも研修が出来るということを売りにしているのか、もしくは都会の大学病院も島根でもやることは変わらないということを認識させたいのか。まあどちらにしてもメリットはあるでしょうね。経験積んでナンボですから。

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医学処:地方の病院が研修医を獲得するために改革を行う
医学処:旭川医大は研修医に月20万プラス
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2007年12月22日

いつでもどこでも病院を探せるネット検索を開発

どこでも病院ネット検索 名古屋大

 旅先や自宅で急に病気になった時、どこにいても半径1キロ圏内にある病院を検索し、インターネットや携帯電話の地図上で一覧できるデータベース「ホスピタル・ナビ」を開発したと名古屋大が20日、発表した。24日から公開する。

 名古屋大によると、データベースには全国に約15万施設ある病院や診療所を登録し、毎月、閉鎖した診療科情報などを更新する。サイトでは、場所や診療科の項目を選択すると、1キロ圏内で条件に合う病院が地図に一括表示されるため、自治体ごとに区切られやすい診療圏を超えて、近い病院を探すことができる。

 平成20年度中には、症状によって病名や病院を調べられる機能も搭載する予定。将来は救急患者のたらい回し防止のため、受け入れ先を紹介したり、カーナビでも利用できるよう整備するという。

 インターネットの患者用ホームページはこちら



 これは便利。

 ネットで「病院検索」しても、どこにいっていいんだか分からないものです。せいぜいGoogleなどの地図で「内科」と検索するぐらいだったのではないでしょうか。

 困ったときは使ってみて下さい。

医療検索関連
医学処:病気別に検索できる、闘病記ライブラリーが完成
医学処:パースジャパン、病院ベッドに電子新聞を配信
医学処:24時間往診可能な診療所を検索するシステムをネットで公開
医学処 医師の免許や行政処分に関してネットで検索できるようになりました
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東大でも、入学前に麻疹予防接種を促す。

東大、入学前にはしか予防を 来春の新入生に接種呼びかけ

  若者の間で今春はしかが流行し、休校が相次いだのを教訓に、東大は21日までに、来年春に入学する新入生全員について、はしかの予防接種歴を確認し、「未罹患で接種が2回未満の場合は入学までに接種完了が望ましい」としてワクチン接種を促すことを決めた。キャンパスでの流行予防が目的。東大ではこうした措置は初めてで、新しく入る大学院生や留学生も対象としている。他の大学に波及する可能性もある。

 厚生労働省などによると、はしかの予防にはワクチンが有効で、予防接種法に基づき小学校入学前までの計2回の定期接種が昨年から始まったが、それまで接種は1回だった。今年春の流行は、はしかにかかったことがない人や、ワクチンを受けていない人、1回受けても免疫が落ちた人の間で流行したという。

 このため厚労省では、来年度から5年間、高校3年生と中学1年生へのワクチンの追加接種を決めている。だが来春の大学新入生は、この追加接種の対象外だ。

 東大によると、新入生は、はしかのほか、風疹や日本脳炎、水痘など6種の予防接種歴を自己申告書に記入し、健康診断時に提出する。はしかと風疹については、接種歴に加え罹患した年の記入も求め、未罹患で接種回数が2回未満の新入生は入学までに接種を済ませるのが望ましいとしている。



 北里大学で先陣をきった試みが、東大でも。

 北里大学に入学する学生に麻疹ワクチンを打たせる方針

 予防できる病気を予防せず、周囲に撒き散らすというのは、もはやバイオテロのようなものです。

 自分ひとりだけの問題ではなく、周囲にいる人、または小さな子供にうつすかもしれないということを自覚しないといけません。「大学生」なのですから、これぐらいの自己管理、出来て当然。面倒くさがらず、どの大学生もワクチン接種を行って下さい。

関連:医学処 茨城、千葉で麻疹が集団感染。ワクチン未接種の人は早急な対応を
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2007年12月21日

日本医大病院の訴訟、2審も大学側の責任を認めず

日医大病院訴訟 大学側の責任2審も認めず

 日本医科大付属病院(東京都文京区)で手術を受けた後に急死した女性(当時20歳)の両親が、「脳に手術用のワイヤが刺さったのが死亡の原因」などとして同大学に1億600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。

 小林克已裁判長は大学側の責任を認めなかった1審・東京地裁判決を支持し、両親の控訴を棄却した。両親は上告する方針。

 判決によると、女性は1997年に川に転落し、同病院で、折れたあごの骨をつなぐ手術を受けた後に敗血症を発症し、多臓器不全で死亡した



 医療裁判ってこういうところが難しいんですよね。

 何故死んだのか、を考えて、病理学的、法医学的に色々な角度から分析して、「死因」を探る。

 更にもしそれが解明されたとしても、それを裁判官に納得させなければいけないわけです。

 医療従事者ならば「こりゃ無罪だろう」と誰もが思うような事例であっても、ポンと有罪になってしまったりしますからね。司法というのはよくわからんものです。

関連
医学処:顔面の形成手術で聖マリアンナ医科大学を相手に訴訟
医学処:肝炎から肝硬変になったのに癌検診を怠った医師。賠償は5100万円
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2007年12月10日

東京医大でも、認定医試験で不正、受験資格停止へ

認定医試験不正、東京医大でも6人 受験資格停止処分に

 昭和大学の内科医5人が受験資格を偽って処分された日本内科学会の認定内科医資格試験をめぐり、東京医科大医学部(東京都新宿区)の内科第4講座(東京医大病院消化器内科)の内科医6人も昨年、ほかの医師の実績を流用して受験資格に必要な診療経験を水増しし、学会の処分を受けていたことが7日、分かった。昭和大の不正と同様、学会は大学の管理責任を重視し、内科第4講座所属医師の次年度の受験資格を停止していた。

 両大の不正について学会は「一つの講座から大量の不正が出た重大なケース。講座の管理のあり方にも問題があるため、所属医師も資格停止の対象とした」としている。

 学会と東京医大によると、昨年7月中旬に認定医資格試験を実施した後、採点を担当する学会の医師が不正を発見。大学側で調査した結果、同講座の6人が、主治医として担当した入院患者の診療実績を示す「病歴要約」の症例を、別の診療科が担当した患者などの診療記録から流用していたという。うち2人は、要約に記した約20症例のうち10例以上を流用していたという。

 学会は昨年9月5日付で6医師の昨年の受験資格を取り消し、今年度から3年間の再受験も認めない処分とした。また、同大の関連病院への派遣医師も含めた同講座の医師に、今年度の受験資格を認めなかった。

 東京医大病院は昨年末、6人を厳重注意し、6人の不正な書類に署名、押印していた同講座の教授も、同大理事長が厳重注意した。また、医師ごとの診療記録を新たに作り、認定医資格試験を受験する際には、提出書類と記録を照らし合わせて不正を見抜けるよう改善したという

 岩本俊彦病院長は「受験資格を十分理解していなかった医師もいたが、明らかに不正と知りながら流用していた医師もいた。医師個人のモラルに問題があったうえ、我々の管理責任もあり、大変申し訳ない」と話している。



 バレないだろうと思わなきゃ、違う大学で6人もやらないですよね。組織的な怠慢が原因の1つでは?

 認定医の資格は医学博士と違って、実用性といいますか、自分の能力を示すものです。だからこそ不正があってはいけないし、より高いレベルの資格として存在しなければいけないと思います。

関連:昭和大学の医者5人が認定内科医資格試験で不正
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2007年12月07日

名古屋市立大学医学部の教授が学位論文審査で不正を働く

9年間も審査を担当 汚職の医学教授

 5日夜、名古屋市瑞穂区 名古屋市立大学大学院の医学博士号取得にからむ贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された元同大学院教授、伊藤誠容疑者(68)は教授になった平成8年から少なくとも9年にわたり、医学博士の学位論文の審査などを担当していたことが6日、関係者の話で分かった。

 また、伊藤容疑者は贈賄容疑が持たれている臨床医5人のほかに、逮捕容疑の対象となった16年度の審査では、13人の合否を判断していたことも判明。18人全員が合格したという

 愛知県警捜査2課などは同日、ほかにも同様の趣旨の現金授受があった疑いもあるとみて、同大学院医学研究科などを家宅捜索した。

 関係者によると、伊藤容疑者は同大卒で、専門は消化器内科。昭和45年に助手として同大に採用された後、講師、助教授を経て平成8年8月に教授となった。

 学位論文の審査は通常、担当教授が「主査」、教授会で選ばれた教官2人が「副査」として担当。論文提出後の口頭試問も行い、3人で合議の上合否を決定し、教授会の承認を得て学長に報告するという。

 伊藤容疑者は5日夜、16年度の博士号審査に絡み、17年3月下旬ごろ、有利な取り計らいをした謝礼として臨床医5人から計百数十万円を受領したとして逮捕された



 そこまでお金が欲しいのか…。教授という権力だけじゃ満足しなかったようです。ですが正直、9年の間に何百万コレで稼いだのかはわかりませんが、教授という地位を捨て、逮捕されてまでやるような金額ではないですよね。

 ショボいといいますか、程度の低い、割りに合わない犯罪でした。不正はいずれバレる。ならば医師は絶対にやってはいけないでしょう。
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昭和大学の医者5人が認定内科医資格試験で不正

昭和大の内科医5人、認定医試験で不正…臨床実績水増し

 日本内科学会が今年7月に実施した認定内科医資格試験で、昭和大学医学部(東京都品川区)の講師ら5人の内科医が受験に必要な臨床実績を偽って提出し、受験資格を取り消される処分を受けていたことがわかった。

 5人はいずれも「第1内科」の所属で、同学会では同一講座から複数の処分者が出たことを重視し、5人の受験を今後3年間認めず、第1内科と関連病院所属の医師の来年度の受験も認めないことを決めた。

 認定内科医は、臨床経験や専門知識が一定レベルに達していることを学会が認定する制度。今年11月末現在、6万1340人が認定されている。今年は3493人が受験、3285人が合格した。

 試験には、学会指定の病院で3年以上の研修を行うなどし、受け持ち入院患者18人分の病歴などを記した書類を提出する必要がある。処分を受けた5人は、18人分のうち数人分の患者の症例を、自分が担当していないのに診療したように偽っていた。書類には、教育責任者として第1内科の教授が署名押印しており、同大は、5人のうち同大の講師、この教授の2人を厳重注意処分にした。

 同大は「受験資格の理解が甘かったためのミスで、組織的な不正ではない」としている。



 組織的な不正・・・どうなんでしょうかね。

 曲がりなりにも医者が5人も、こんな不正しますかね?集団でこういうことをやるってことは、少なくとも過去数年は、今回のようなことを繰り返していたから、今回も「やってもバレんだろう」と思ったのではないのでしょうか。

 真実は同大の医局しか知らないのでしょうけどね。専門色の強い認定医資格だからこそ、公正にやってもらいたいものです。
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2007年12月02日

医学生の3割が産科医を志すものの、訴訟が多く考え直す現状

医学生の3割1度は産科医目指す 『勤務実態』や『訴訟』考え挫折

 医学部の学生で過去に産婦人科医を志したことのある人は全体の29%いるにもかかわらず、現在第一志望にしている学生は全体の4%、第三志望まで含めても14%にとどまり、多くは「勤務実態」や「訴訟リスク」を理由に挫折していることが十五日、横浜市立大の医学部学生が実施した調査で分かった。

 志望しない人が「産婦人科医になってもいい条件」として挙げたのは「適正な当直回数」や「刑事責任に問われない」が多く、医療を取り巻く厳しい環境が学生の進路希望にも影響し、産科医不足に拍車が掛かる状況が浮き彫りになった。

 産婦人科を目指したことがあるとしたのは一年20%、二年18%、三年25%、四年37%、五年32%、六年47%と学年が上がるほど高率。理由として「命の誕生という感動にかかわることができる」「時代や国を問わず必要とされる」などが挙がり、六年は「実習で楽しかった」も目立った。

 しかし、一度は産科医を志望した学生の約半数が進路を変更。その理由として勤務実態(当直回数、勤務時間、育児との両立困難)や訴訟リスクが高いことが挙がった。

 シンポジウムでは、結果を基に、学生が現場の医師らと意見交換。産科医不足を実感したことがあるかなどについて、妊産婦約百人に実施した調査結果も発表する。企画した医学科三年の武部貴則さん(20)は「問題の改善には、医師や行政だけでなく市民にも果たす責任がある。患者と医師の間に立つ学生の考えを伝え、医師不足などについて考え直すきっかけになれば」と話す。



 思うに、産婦人科医になる人を増やしたいのであれば、「労働基準として適正な当直回数」とか「実労働時間に準じた賃金の支払い」もしくは「労働基準をはるかに超えても、他の診療科の医師と同等の勤務時間」などを認めればいいんだと思います。

 挙げてみるとわかりますように、この主張は至極真っ当なものです。むしろ認められていない現状が、人権侵害に近いものだと思います。医師は奉仕しなければいけない、という理念を逆手にとって、国民が総出で産婦人科医を迫害しているにすぎません。

 親が医者だからとか、成績のいい高校だったからとかいう理由で医学部に入って医者になったような人は知りませんが、少なくとも医学に興味を持った人ならば、産婦人科のやりがいや臨床の面白さはわかると思います。ですが医学に興味があるのですから、他の診療科も同様に興味が沸くわけです。例えば癌診療とか。

 で、どこに行こうかなーと考えたときにですよ、現状の産婦人科がありえないような劣悪な労働条件で、しかも患者に恨まれて訴訟までされるというリスクがあるような科に、行こうと思いますか。強力な動機や、やり甲斐を見出さない限り、医学生を集めるのは厳しいと思います。

 動機ややり甲斐があって産婦人科に進んで、頑張ってやっていこうとしても、現実は厳しく、理想だけじゃ太刀打ちできないほど疲弊してしまい、産婦人科医が次々辞めてしまう事態に陥っています。もはや医者が頑張ってどうにかなるレベルではない、ということを国民に理解してもらわない限り、どうにもなりませんね、これは。

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医学処:過酷な労働条件を撤廃するため産婦人科医が1億円を要求
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