歩行者に車、8人死亡=暴走の男にてんかん症状―11人けが、祇園の交差点・京都 12日午後1時すぎ、京都市東山区の大和大路通四条交差点付近で、信号無視の軽乗用車が横断歩道を渡っていた歩行者を次々とはねた。車は衝突を繰り返しながら、北約200メートル先の電柱に衝突して停止。府警によると、歩行者の男性2人、女性5人の計7人が死亡した。軽乗用車を運転していた男は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
府警などによると、男にはてんかんの通院歴があった。男の親族も同日午後取材に応じ、最近発作を起こしていたため、運転を控えるよう家族会議で話していたと明らかにしており、府警はてんかんと事故との関連を含め、自動車運転過失致死傷容疑などで事故当時の状況を調べる。男は10年ほど前、バイク事故を起こし頭を強打、生死の境をさまよったことがあったという。
死亡した歩行者は、40、77歳の男性と58、62、62、68、69歳の女性。他にも妊婦を含む20〜80代の歩行者11人が事故に巻き込まれてけがをした。詳しい程度は不明だが、重傷者もいるという。
軽乗用車を運転していたのは、京都市西京区桂朝日町、会社員(30)。同容疑者は今年3月に運転免許を更新したが、その際てんかんの申告はなかった。申告があっても、医者の診断書を取り、公安委員会が許可すれば免許は更新できる。
府警は13日以降司法解剖して、藤崎容疑者の詳しい死因を調べる。また、同容疑者の自宅や会社を家宅捜索する方針。
容疑者は東山区の藍染め製品販売会社の従業員で、同社が府警東山署に説明したところによると、12日午後、同社から会社の車で中京区へ配達に出たという。
祇園の事故 てんかんの症状で通院 12日午後、京都市祇園の繁華街で、軽自動車が歩行者などをつぎつぎにはねながら走り続け、19人が病院で手当てを受けてこのうち歩行者7人が死亡したほか軽自動車を運転していた30歳の男も死亡しました。
男は、てんかんの症状で通院し病院からは運転を止められていたということで、警察は事故との関係を調べることにしています。
12日午後1時すぎ、京都市東山区の祇園の繁華街で、軽自動車が赤信号の交差点に猛スピードで突っ込み、横断歩道を渡っていた歩行者などを次々とはねながらおよそ200メートル走り続け、電柱に衝突して止まりました。
これまでに男性6人・女性13人の19人が病院で手当てを受け、このうち7人の歩行者が死亡したほか、軽自動車を運転していた男も死亡しました。
京都府警察本部によりますと、容疑者はてんかんの症状で通院して治療を受けていたということです。
容疑者が通院していた京都・南区の京都九条病院は、12日夜に会見し、適切な治療をしてきたとしたうえで、本人と家族に対しては自動車の運転は禁止だと何度も伝えていたと話しました。
病院の山木垂水院長は、「事件を聞いて驚いている。病院としては適切な治療をしてきた」と話しました。
そして、守秘義務のため病名や治療の詳細については明らかにできないとしたうえで、自動車を運転するには危険な状態だったとして、本人と家族に対して運転は禁止だと、再三、伝えていたと説明しました。
警察によりますと、容疑者は、
先月5日に車の運転免許を更新しましたが、その際、病気については申告していなかったということです。
てんかん患者の免許取得「自己申告」なら誰だって隠したい… 桜が満開を迎えた京都・祇園で起きた暴走車による事故は死者7人にのぼる大惨事となった。運転していた30歳の男性も電柱に激突し死亡、てんかんの持病があり発作を起こした可能性もある。
事故は12日午後1時過ぎ(2012年4月)、観光客で賑わう四条通と大和大路通の交差点で起きた。暴走してきた軽乗用車が横断歩道を通行中の歩行者の中に突っ込み、男女18人をはね、女性5人、男性2人が死亡した。
車を運転していたのは近くの呉服雑貨店に勤める会社員で、家族の話によると、容疑者は大学生だった10年前にバイクの自損事故で頭の骨を折る大ケガを負った。このケガが原因でてんかんの発作が起きるようになり、最近も月に1回程度の割で発作が出て通院していた。3日前には家族が「車に乗る仕事ならもう退職した方がいい」と忠告していたという。
通院先の京都九条病院の山本垂水院長は「この患者さんに関しては適切な治療を行ってきた。自動車の運転に関しては本人、家族に再三にわたり禁止を申し上げてきた」という。
会社はてんかんの発作通院していることを知らされておらず、容疑者はこの日、社有車で配達先へ商品を届ける途中だった。家族は「本人は『(てんかんであることを)言った』と言っていたが、それを言うと会社に居づらくなると思っていたようだ」と話している。
てんかん申告への仕組み検討へ 京都市で起きた事故を受けて、松原国家公安委員長は13日の記者会見で、死亡した運転手の男にてんかんの症状があったことに関連して、運転免許の申請などの際に病状を正確に申告するための仕組みを検討する必要があるという考えを示しました。
この事故を巡っては、軽自動車を運転して死亡した容疑者(30)が、てんかんの症状で通院していたにもかかわらず、先月、運転免許を更新した際に、てんかんの症状があることを申告していなかったことが警察の調べで分かっています。
これについて、松原国家公安委員長は記者会見で事故原因は調査中だとしたうえで、「障害者などの社会参加といった問題もあり、慎重な検討が必要だが、交通の安全との両立を図る観点から、どのような運転免許制度の見直しが必要か、早期に議論を進めていきたい」と述べました。
そのうえで、具体的には運転免許の申請や更新の際に病状を正確に申告するための仕組みを検討する必要があるという考えを示しました。
てんかんの症状のある運転手の事故を巡っては、去年4月、栃木県鹿沼市で、小学生の列にクレーン車が突っ込み6人が死亡した事故の遺族から、病状を申告せずに免許を取得できないようチェックの強化を求める署名が国家公安委員会に提出されています。
てんかん協会が声明 京都の祇園で起きた事故の容疑者がてんかんの治療を受けていたことについて、てんかんの患者や家族を支援している日本てんかん協会は「容疑者はてんかんの治療を受けていたにもかかわらず、免許の更新時に申告していなかったということで、社会的責任が果たされなかったことは極めて遺憾だ」としたうえで、「法律を守って生活している多くのてんかんのある人に対する社会の偏見が助長されることのないよう、心から願っています」というコメントを出しました。
抗てんかん薬など押収 薬の服用本格捜査 京都市東山区の祇園で軽ワゴン車が暴走し、歩行者18人が死傷した事故で、てんかんの持病があったとされる容疑者(30)=京都市西京区、死亡=の自宅から、抗てんかん薬とみられる薬など十数種類の薬剤が押収されていたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。司法解剖の結果、体内から薬の成分が検出されていたことも判明。京都府警は薬の服用状況が事故当時の体調を知る手がかりになるとみて、家族らへの事情聴取を通じて持病と事故の因果関係を本格的に調べる。
てんかん発作を抑えるには、薬を正しく服用し続けることが必要。栃木県鹿沼市で昨年4月、クレーン車が小学生の列に突っ込んで6人が死亡した事故では、てんかんの持病を持つ元運転手(27)=自動車運転過失致死罪で服役中=が事故前夜に薬を飲み忘れたことが一因とされる。
府警は、容疑者が正しく薬を服用していれば、持病による発作は起こりにくく、直前に起こしたタクシーへの追突事故から逃げるため故意に車を暴走させた疑いが生じると判断。これに対し、服用が中断されていた場合は、発作による過失だった可能性が高まるとみて、事故前の服用状況を重視している。
独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターの久保田英幹診療部長は「てんかんは医師の指示通りに規則的に薬を服用していれば発作をほぼ抑えられる」とする一方、「薬を1回飲み忘れただけで発作を起こす人もいる」と話している。
捜査関係者によると、容疑者は電柱に激突した車内から救出された際、口から泡をはき、目が血走っていた−などの目撃証言があったことが分かっている。
何とも傷ましい事件です。
事故後にてんかん発作を起こすようになったということは器質性のてんかん発作でしょう。確かに抗てんかん薬で発作を抑えることは出来ますが、月1で発作を起こしていたということは、まだ薬でうまく抑えることが出来ていない状態だったと思われます。
てんかんは、記事中にあるように、抗てんかん薬を内服し続けることで発作は極力抑えられます。自分にうまく合う薬をみつけられれば、発作は数十年起こらなくなります。普通と全く変わりません。そういった状態ならば運転していても全く問題はないでしょう。
しかしこういった事件が起こってしまうと、てんかん発作が起こっている人は自動車を運転しないほうが良いですし、そういう意味で法整備が必要、と個人的には思います。これは差別でも何でもないです。自動車を運転する以上必要なことでしょう。
ですが、これが差別になってしまうというのは、まぁわかります。就職にあたって「てんかん患者だから雇えない」となってしまう懸念があります。例えば今回のことでいえば、会社に申告していたかどうかが焦点になるでしょう。もし申告していたとして、会社側は別のポストを一時的にでも用意してくれるのか。「車が運転できないならクビ」となってしまうならば、言い出そうにも言い出せないという不安があるでしょう。抗てんかん薬を定期的に内服している人で、発作がないのならば、自動車に乗っていてもいいのです。しかしそれがまかりとおるか通らんのか、というところでしょうか。
色々と議論の余地はあるのですけれど、まずてんかん患者は自動車免許取得の際に申告を義務づけ、その上で社会側も、発作が数年起きていないのならば問題ないとして受け入れるべきで、もし事故や体調不良で発作が出るようなら、仕事面でのサポートをすべきです。