[精神]の記事一覧

2006年08月25日

精神障害者の退院支援施設、患者団体から撤回を要求される

精神障害者:「退院支援施設」計画撤回を 患者団体ら訴え

 精神障害で入院している患者の地域移行策として、厚生労働省が病院敷地内の病棟を「退院支援施設」として利用する計画を立てている問題で、患者団体らは23日、同省を訪れ、計画撤回を求めて交渉を行った。同省は24日の関係課長会議で事実上、計画推進を決める予定で、決まれば予定通り10月1日から施設利用が始まる。

 交渉には11団体が参加。精神障害者らでつくる「こらーるたいとう」の加藤真規子代表が「敷地内の施設は社会で誇りをもって生きる地域移行の考えに反する。地域での生活の場づくりに力を入れるべきだ」と撤回を求めたのに対し、宮本真司・障害施策推進官は「いきなりすべての市町村が地域に受け皿を作ることは難しい。施設の利用は希望者に限っている」として理解を求めた。

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 続報です。

精神科入院患者を減らすために、退院支援施設を設置

 患者側の主張は「社会に出る前の隔離政策だ。さっさと社会に返せ」というもので、役人側は「いきなりじゃ偏見があるから、少しずつね」というものかな。

 日本という風土の中で、どちらが成功するのか。個人的には、病院と社会の中間のポジションとして施設を利用すべきではないかなぁと。要するにいきなり病院から社会へ出るのではショック(ストレス)が大きすぎるから、少しずつ順応しようではないかというもの。で、
posted by さじ at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年08月23日

精神科入院患者を減らすために、退院支援施設を設置

精神科に「退院支援施設」 入院患者減へ厚労省計画

 精神科病院の入院患者を減らすため、一部の病棟を「退院支援施設」に変える計画を厚生労働省が打ち出した。2〜3年入所して生活訓練を行う施設との位置づけで、同省は「地域生活への段階的な移行が目的」としている。しかし、居室は病棟並みの4人部屋で、地域生活へ移れる保証はなく、精神障害者団体は「名目だけ入院患者が減っても、本当の退院にならない。スタッフの手薄な施設に変えて医療費を減らすだけだ」と反発している。

 日本の精神病床の入院患者は約32万人。人口比でも絶対数でも世界一多く、病院のベッドの約4分の1を占める。うち7万2000人は、行き場がないため退院できない「社会的入院」とされる。その解消手段の一つとして、厚労省が審議会にも諮らずに4月末に突然、自治体に示したのが「退院支援施設」。入院ベッドを転換して20〜60床の入所施設にし、昼間は生活訓練を行う。病院と同じ医療法人などが経営するが、障害者自立支援法による施設で、医療スタッフは置かず、病院には通院する形になる。

 標準利用期間は2〜3年だが、市町村の審査会が認めれば更新できるという。同省障害福祉課は「施設から出られず固定化することのないよう歯止めはかけたい」と説明している。

 これに対し、NPO大阪精神医療人権センターの山本深雪事務局長は「病棟を模様替えしただけの施設では、病院に囲い込みが続くだけ。地域に行き場がなければ、有名無実になる」と見直しを求めている。

 退院支援施設 精神科の病棟を改装する方式(4人部屋で可)と、病院敷地外に建てる方式(個室のみ)の2通りがある。いずれも入院ベッドの削減を条件に、国・自治体が1件1億円前後の整備費を補助する。

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 んー、他の先進国ではボランティアが日常に存在するから、精神障害者といえども社会に受け入れられやすいのでしょう。ですが日本では病院ボランティアをやる主婦なども少ない上に、偏見に満ちているため、とてもじゃありませんが無理やり社会に戻す方式は成功しないような気がします。
posted by さじ at 00:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

2006年08月17日

統合失調症の男に刺された男性が、病院と主治医に2億の損害賠償

損賠訴訟:統合失調症の男に刺され障害、「病院が監督を怠る」 会社員が提訴 /埼玉

 東京都内の路上で04年、統合失調症の男(当時30歳)に胸などを刺されて障害が残ったのは、入院先の病院が男の監督責任を怠ったためとして、本庄市の会社員男性(40)が、財団法人井之頭病院(東京都三鷹市)と主治医を相手に、慰謝料など約2億円の損害賠償を求める訴訟を、さいたま地裁に起こしていたことが14日分かった。

 訴状によると、男性は04年5月30日午後、東京都調布市仙川町の国道20号交差点で信号待ちしていたところ、原付きバイクで近づいた男に、いきなり牛刀(刃渡り約20センチ)で胸などを刺された。男性は重傷を負い、歩行障害などが残った。男は統合失調症と診断され、03年12月から同院に入院。事件前の05年5月28〜29日、外泊許可を受けて外出したまま戻らず、同月31日、自宅の風呂場で自殺しているのを家族に発見された。

 原告側は、男は入院中も暴力行為を起こしていたのに外泊を許可した▽男が許可期限を過ぎても戻らなかったのに適切な措置をとらなかった――などとして、同院が監督責任を怠ったと主張している。同院は「担当者がおらずコメントできない」と話した。

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愛読:( ^ω^)ブーンが精神病になったようです(ヽ゚ω゚)
posted by さじ at 20:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年08月15日

スーパーウーマン症候群って何ぞや?

スーパーウーマン症候群

スーパーウーマン症候群

 キャリアウーマンにみられるストレス症候群の一つ。職業人としてだけでなく良き妻、良き母になろうとするが、実際にはうまく自己統制が取れず、食欲不振やどうき、めまい、立ちくらみなどの症状や生理不順などを訴える。

 女性が家事や育児を担当すべきだという、性別役割分業の価値観を持っているのが特徴

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 家事を旦那と一緒に行えばいい、という割り切り方ができるキャリアウーマンでないとストレスが溜まって症状となって現れてしまうそうです。全てを自分がこなさねばならぬと思い込み、実際に全てやろうとする、まさにスーパーウーマン。

 心療内科の分野ですので、異常だと思ったらすぐ病院へ。より悪化して全てダメになっても困るでしょう?旦那と話し合って、最善の道を選んでいくのも1つの解決策だと思います。良識ある旦那なら、支えてくれるはずですよ、きっと。
posted by さじ at 02:35 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神

鬱症状の改善には、「結婚」が効果的である。

憂うつには結婚が効果的=米研究

 結婚が精神衛生を促進させ、特に憂うつな気持ちの人には結婚がより効果的であることが、米国の研究で明らかになった。

 研究を行ったのは、オハイオ州立大学のクリスティ・ウィリアムズ助教授(社会学)と同大学で社会学を専攻する大学院生のエイドリアン・フレッチさん。

 研究では、不眠や常に悲しんでいる人など、憂うつな気持ちに陥りがちな3066人を対象に、結婚前と結婚後で調査を行った結果、結婚後にこうした症状が大きく軽減されていることがわかった。

 結婚が憂うつな人には特に効果があるとわかり、フレッチさんは「予想と反する結果となった」と驚く。ウィリアムズ助教授は「憂うつな人は、特に、結婚によってもたらされる親密な関係や社会的支援への必要性が強いのかもしれない」と分析している。

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 責任を共有できるから楽なんでしょうかね。人生の墓場だ、なんていいますが、まんざらでもないのが内情なのでしょう。「末永く、お幸せに」
posted by さじ at 01:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神

2006年08月13日

サヴァン症候群の新しい能力は「動物と会話することができる」

ペットの気持ち、分かる?ペットとお話、できる?

 最初に言っておきたいことは、本書の主著者テンプル・グランディンは自閉症である。自閉症にもいろいろ症状はあるが、その中でもサヴァン自閉症と診断されている。

 サヴァンとは、フランス語で「学者」、とか「良く知る人」というような意味。自閉症患者に好くありがちな、ある分野に突出した、天才に近い才能を発揮する症状のことを言う。テンプルは動物の言葉が分かるのだ。子どもの時からウマやイヌとつきあい、独自の方法と感受性で動物たちとつき合ってきた。

 その感受性は健常者が見るとびっくりするほど深く、密接である。そうしたテンプルが、それまでの動物たちとのつき合ってきた人生を、ほとんど動物たちの目線で書き綴ったのが本書だ。

 テンプルはアメリカの食肉処理場に新しい装置を、牛の気持ちになって発明導入し、大成功を納めた。ほとんどの牛は屠殺される前に、最終進入路に入るのを嫌がる。それはアメリカの大規模精肉業界の悩みの種だった。テンプルは牛の視点からその導入路を見て、ウシが喜んで最後の道に入っていけるようなシステムを考案した。テンプルがサヴァン症自閉児だったからこその、成功だと言っていい。

 テンプルが確かに動物と話が交わせたことは、この本の原題「アニマルズ・イン・トランスレーション(翻訳)」によく表されている。ちょっとオオカミと親しくなったピアニストであるグリモーの「野生のしらべ」のことを思い出した。彼女のショパンの演奏はちょっとサヴァン自閉症的だったかな、とも思う。

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 サヴァン症候群というのは、自閉症の一種で、日常の単純な計算などはできない代わりに、とてつもない記憶力を持っていたりする人のことです。世界で150人ほどいるとされています。

 サヴァン症候群の人の能力で有名なものは、「何年の何月何日は何曜日である」と、カレンダーを全て覚えていたり、「一度読んだ本の文章を全て覚えていて、逆から読むことができる」といった驚異的記憶力です。

 一説によると「忘れる能力」をもっていないためにこのような記憶力が備わっているといわれています。

 「1度ピアノで聞いた音を全て完璧に奏でることができる」能力や「1度見たものを細部にわたって完璧に描ける」など、サヴァン症候群は芸術の分野で力を発揮することが多いようです。
posted by さじ at 21:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 精神

2006年08月02日

性同一性障害の小2男児、性同一性障害の小4男児と対面

小4男児、「女児」で通学 性同一性障害

 兵庫県播磨地域の小学二年の男児(7つ)が、心と身体の性が一致しない「性同一性障害」と診断され、学校側が「女児」として受け入れを認めているケースと同様に、県外の小学四年の男児(9つ)も、女児として通学していることが三十日までに、分かった。思春期の「第二次性徴」を控える年代としては異例だが、関係機関や専門家もこのような事例を把握できていないのが実情だ。成長するに従っての悩みなども増えることが予想されるため、両男児はこのほど、保護者も交えて対面。経験を話し合うなど情報交換した。

播磨の小2と対面

 小四男児の保護者や主治医によると、男児は四歳のころから女の子の言葉遣いをし、ままごとやぬいぐるみ遊びをした。保護者は「一過性のもの」と考えていたが、小学校入学を迎えても変わらなかった。

 母親は入学直後の保護者会で事情を説明し、その後、専門医を受診。小児性同一性障害と診断され、学校で女児としての扱いが認められた

 男児は、トイレや水着も女児用を使用。名簿は男子側に並べられているが、一人だけ「さん」付けで呼ばれている。「オカマ」といじめられ、登校拒否をしたことも数回あったが、友達の女児らに支えられ、通学を続けているという。

 神戸新聞社が性同一性障害の子どもたちを取材する過程で、小二男児、小四男児の双方が対面を望んだ。今後も電話や手紙を通じて交流を続け、互いの住居地を訪問することも計画しているという。

 全国の精神科医らでつくる「日本精神神経学会」の前理事長、山内俊雄・埼玉医科大学長は、「性同一性障害の当事者は、自分だけが特殊だと思っているケースが多い。親も、自分の育て方が悪かったのではないかと自分を責める。同じ悩みを持っている人がいると分かることは重要だ」と話している。

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 その人その人の「精神」なんですから、他人に危害を加えない限り、悩む必要なんてないんですよ。

 社会的マイノリティーの人は、過度に悩み、自分を責める傾向にあります。その心的負担は相当なものです。理解力のある人がまわりにいることと、自分と同じような境遇の人がいることが、必須条件ですね。

 頑張って成長してほしいものです。いじめられても、強く強く。

関連:医学処 性同一性障害の小2男児を、女子生徒として受け入れる
   医学処 高校教諭をモデルに、放送部が性同一性障害のドキュメンタリーを作成
posted by さじ at 13:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

イタコの口寄せを利用して、病の不安を解消する

イタコの「口寄せ」に癒やし効果…青森県立保健大調べ

 日本三大霊場の一つ「恐山」(青森県むつ市)などで死者の霊魂を呼び寄せるとされるイタコの「口寄せ」に、癒やし効果があるとする研究結果を、青森県立保健大の藤井博英教授(精神保健学)のグループがまとめた。

 現代医療に欠けているものを補い、看護学に応用できるとしている。

 イタコの口寄せは、救いを求める庶民の心のよりどころとして江戸時代には定着していたとされ、青森県に伝わる「津軽のイタコの習俗」は、国の無形民俗文化財に選択されている。

 近年、中高年ばかりでなく、若者の利用者も増えているといい、イタコの一人、むつ市の鳴海秀雲さん(73)は「不登校の学生も多くなっている」と話す。

 藤井教授はその効果に関心を持ち、約2年間にわたり、県内の病院に通う慢性疾患患者670人に聞き取り調査した。その結果、35%に当たる232人が口寄せを利用したことがあり、うち30%(69人)が「とても心が癒やされた」と回答。「話を聞いてもらい、落ち着いた」とする人も27%(63人)にのぼるなど、80%近くの人が何らかのプラス効果を得ていた。

 藤井教授は、多くのイタコが死亡した親族や友人らの“言づて”として、悩みを抱えた患者らに、問題の解決時期を示し、「そこまで我慢すれば良くなる」などと述べる点に注目。「現代医療は患者にリスクを説明し、自己決定を促す傾向にあるが、患者は医師や看護師に『見通しをつけてほしい』と願っている。イタコの口寄せには安心感や前向きに生きる力を与える効果があり、学ぶべき点がある」と話している。

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 確かに今の医学界は患者にリスクばかりを提示し、選択権を患者に与えています。何故そうなるのかというと、訴訟社会になっているからです。事実、意味のわからない訴訟が増加しています。医師はそんなリスクを背負いたくないという面もあり、患者が治療を選ぶ権利があるという面もあり、最近では全てを説明してから同意を得て行います。

 でもそれは、ある程度「強さ」を持った人でないと、厳しいですよね。自身が病気であると聞かされても平静を保てるのかどうか。不安を誰かに聞いてもらいたい。でも医者は全てを自分に任せるという。どうしたらいいんだろうか…。

 そこで出てくるのが全く関係ない第三者で、ある程度の「信憑性」というか、非科学的ではありながらもどことなく安らぐような助言を与えられたいんです。そこにつけこんだ、悪質な商法が出てこない限り、安心感を与えることは有用だと思います。まあはっきりいってしまえば「良い嘘」になるんでしょうか。看護学に応用するというより、第三者機関を創設するというほうがより現実的だと思います。
posted by さじ at 02:19 | Comment(2) | TrackBack(0) | 精神

2006年07月27日

PTSDは恐怖の記憶を塗り替えられないことによって起こる。

恐怖記憶、塗り替えできぬ…広島大がPTSD解明

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)と同様の症状を示すラットが、恐怖の記憶を別の記憶で上書きできないために症状を起こすことが、広島大医歯薬学総合研究科グループの研究でわかった。薬物で上書き機能を回復させて症状を改善させることにも成功。同グループでは、この薬の臨床試験を行い、治療薬の開発に結びつけたいとしている。

 森信繁・助教授らは、恐怖におびえる行動や体内物質の分泌異常、痛覚異常などPTSDと同様の症状を示すラットで実験した。ラットは部屋に3分間入れて電気ショックを与えると、数日間は部屋に入れるだけで、ほとんど動かなくなるという恐怖症状が表れる。

 ショックを与えた直後から、場所や状況などの記憶にかかわる脳の海馬という領域の遺伝子の働きを調べたところ、恐怖体験後は記憶をつくるスイッチになるたんぱく質の機能が低下していた。一方、このスイッチに結びついてその働きを活性化する薬物を飲ませてやると、部屋で動き回るようになった。

 研究グループは、場所や状況にかかわる恐怖の記憶が、新たな記憶の形成が弱くなることで塗り替えられないことがPTSDの原因としている。記憶形成を改善する薬物は統合失調症の治療薬として米国などで臨床試験を行っている。

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 とうとう記憶までも薬でどうにかなってしまうのか。PTSDで苦しんでいる人はかなりおられると思うので、臨床試験の成功を願います。が、なんとなく悪用されそうな薬でもありますね。
posted by さじ at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年07月26日

精神疾患患者の個人データがWinnyで流出

富山で精神疾患データ、1千人分がウィニー経由で流出

 富山県高岡市内に住所がある統合失調症などの精神疾患を持つ患者1000人以上の個人データが、インターネット上に流出していることが25日、分かった。

 ファイル交換ソフト「Winny」を介して流出したとみられる。

 流出したのは、県の相談機関「心の健康センター」(富山市)と高岡市が管理している患者の病名、氏名、住所、生年月日、男女別、障害の等級、医療機関名などの個人情報。県によると、流出した情報の記載内容などから、データは2002年に登録されたものとみられる。富山県や高岡市は、データの悪用は確認していないとしている。

 これらのデータは、患者が国や県から医療費の助成を受けるために登録した個人情報。市町村の窓口で書類申請し、各保健所などを通じて、県の「心の健康センター」に集約される。

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 何故そんな大事な情報の入っているパソコンでWinnyを行ってしまうのか、理解しかねます。

 そういえば2006年7月から、著作権団体が「Winnyを使用している人のパソコンを特定する」とか何とか。悪いことはできないものです。
posted by さじ at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

北海道で初の性転換手術が成功。性同一性障害者2人に対し。

性同一性障害:2人の性別適合手術に成功 札幌医科大

 札幌医科大は25日、自分の性に強い違和感を持つ性同一性障害の患者2人の性別適合(性転換)手術に成功したと発表した。性転換手術の実施は北海道内で初めて

 手術は6月28日と今月11日にそれぞれ行われた。患者は2人とも札幌市在住の42歳で、身体的性別は男性。幼いころから男性の体であることに違和感を覚えていた。03年から同大で診察を開始。従来の治療では十分改善せず、性転換後の家族らの支援体制も整っているなどとして、同大倫理委員会が5月30日、性転換手術の実施を承認した。

 同大によると、2人とも約2週間の入院後、無事退院した。

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 周囲の家族が理解ある人でよかったと思います。こういうことはメンタル面のサポートができるかどうかで人生が決まるといっても過言ではありません。

関連:医学処 性同一性障害の小2男児を、女子生徒として受け入れる
   医学処 札幌医大が性同一性障害の性転換手術を実施する方針に
   医学処 高校教諭をモデルに、放送部が性同一性障害のドキュメンタリーを作成
posted by さじ at 03:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年07月25日

期待の新星ジェイゾロフト、説明書が意味不明

抗うつ薬、説明に「矛盾」 医師団体が質問状

 世界最大手の製薬会社、米ファイザーの日本法人が7月に国内販売を始めた抗うつ薬の説明文書について、精神科医の団体が「矛盾した記載がある」と公開質問状を送り、臨床試験データの開示を求める異例の事態が起きている。同種の薬には、使い方を誤ると自殺の危険性が高まるとの指摘があり、医療現場では「患者からの訴訟リスクもある。このままでは処方できない」との声があがっている。

 公開質問状を出したのは、精神科の開業医でつくる「日本精神神経科診療所協会」(日精診、会員約1400人)。SSRIと呼ばれるタイプの抗うつ薬「ジェイゾロフト」についてたずねた。同薬は年間売上高が世界で3700億円に達し、日本ではうつ病・うつ状態とパニック障害の治療薬として厚生労働省が4月に承認した。

 問題の文書は、ファイザーが国内販売開始を控え事前説明用に配布した冊子。うつ病・うつ状態とパニック障害に関する国内臨床試験の結果について、「優れた効果を示した」とする記述と「いずれの効果も保証するには不十分」との記述が同時に掲載され、薬剤の効果について説明が矛盾する形となっている。

 国内臨床試験では当初、ほかの薬と効果を比べる一部の試験で有意なデータを得られなかった。このため、途中から別方式の試験を採用。投与で効果が出た被験者を途中で2グループに分け、投与を続けた例と、薬の成分の入っていない試験用の偽薬に切り替えた例とを比べて有意なデータが得られたとし、承認申請した。

 日精診は「このままではリスクを効果が上回ると患者に説明できなくなり、処方するのは困難になる」としている。

 質問状に対し、ファイザーの日本法人は7月5日に文書で回答。効果の保証は不十分とした記載について、専門家からの指摘で記載を指導されたといい、「修正を検討する」としている。

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 確かによくわからん記述ですね。精神科領域の投薬は慎重に行わねばならないため、医師たちが混乱するのも分かります。

 また、同種の「自殺の危険の高まる薬」とはパキシルのことでしょう。

関連:医学処 期待の抗うつ薬ジェイゾロフトが日本を席巻する日
   医学処 30歳未満がパキシルを飲むと自殺したくなる
posted by さじ at 01:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年07月23日

所得の格差が大きいほど、うつ病傾向になる

健康調査:所得格差が悪影響 高齢者、幸福感も減少

 所得格差の大きい地域ほど、高齢者の健康感や幸福感が低く、うつの傾向が強いことが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)と京都大大学院生の市田行信さん(地域計画学)の調査で分かった。所得格差が健康に悪影響を及ぼすことをうかがわせる貴重なデータで、注目を集めそうだ。

 調査は03年、愛知県内6市町に住む65歳以上の2万9374人を対象に実施した。▽自分の健康状態を「とてもよい」から「よくない」の4段階で選ぶ健康感▽「今の生活に満足しているか」などで判定する幸福感▽15項目の質問への回答を得点化し、うつの程度を判断するうつ尺度−−の三つの指標と所得を尋ね、9248人から有効回答を得た。

 近藤教授らは、小中学校区を基に、調査地域の6市町をほぼ人口の等しい28地域に区分。各地域ごとに所得の回答から、格差の大きさを示す「ジニ係数」を算出し、健康感などの3指標と比較することで、格差と健康の関係を分析した。

 その結果、所得格差が大きな地域ほど、健康感は低いことが判明。ジニ係数が0.05増えると、健康状態を「よくない」「あまりよくない」と答えた人が2.5ポイント増えていた。こうした所得と健康感の関係は、所得額の多少にかかわらず、格差が大きい地域に住むと、健康感が下がっていた。

 また、所得格差が大きい地域ほど、住民の幸福感も低かった。うつ尺度からは、所得格差が大きい地域ほどうつの傾向が強いことが分かった。

 専門家の間では、健康感が低い人ほど死亡率が高まることが知られている。近藤教授は「所得格差が広がると、住民の心理的ストレスが大きくなるなどして健康感や幸福感に影響すると考えられる」と話している。

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 ううむ。注目すべき点は所得の高い、低いではなく、相手との所得の格差、というところ。やはり比べてしまうんでしょうか。○○さんとこの旦那さんのボーナスは○○円でウチの甲斐性なしの亭主は○○円だった・・・なんて思わず、楽しくいきましょう。
posted by さじ at 03:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

頭の悪い保護者が増え、精神疾患を抱える教師も増加傾向に

「今すぐクラス移して」…教師に無理難題、理不尽な親急増

 「あの子の親と仲が悪いから、今すぐうちの子を別のクラスに移して」「うちの子がけがをして学校を休む間、けがをさせた子も休ませろ」…。保護者が教師に無理難題を言うケースが各地で急増している。教師が頭を悩ますこうした「理不尽な親たち」について、大阪大の小野田正利教授(人間科学、教育制度学)は、文部科学省の科学研究補助金を受けて教育関係者や弁護士、精神科医らによる「学校保護者関係研究会」を発足させ、原因究明と対策に乗り出した。

 「基本料金を日割りで払え」。持ち込み禁止の携帯電話を生徒から取り上げた中学教師は、保護者にこう言われ、言葉が見つからなかった。

 ある幼稚園では、おもちゃを取り合う園児を見た親が「取り合うようなおもちゃを置かないでほしい」と申し入れた。小学校の1学年全クラスの担任配置表を独自に作成し、「この通りでなければ子供を学校に行かせない」と要求した保護者もいる。

 小野田教授のもとには、信じがたい親たちの実態が全国の教育現場から続々と集まっている。

 ≪病む先生…≫

 先生たちはお手上げだ。文科省調査では、全国の公立小中学校で精神性疾患による教職員の休職者は一昨年度、病気休職者の56%を占める3559人に達した。10年前のほぼ3倍だ。研究会メンバーの嶋崎政男・東京都福生市教委参事は「現場感覚でいうと、精神性疾患による休職の多くに保護者対応による疲弊が関係している」と見る。

 小野田教授の調査に、小中学校・園の8割が「無理難題要求が増えた」と回答。背景として嶋崎参事は「教師の能力に問題があるケースもあるが」と前置きした上で、「行政による『開かれた学校』がうたわれた結果、些細なことにもクレームが寄せられるようになった」と指摘する。

 保護者の理不尽な要求への関心は高まっており、小野田教授の講演依頼は学校やPTA、民生委員から殺到している。

 ≪家庭に原因≫

 「過保護型」「放任型」「過干渉型」。嶋崎参事は、無理難題を言う保護者の養育態度を3種類に大別する。いずれも家庭内の人間関係に原因がある場合が多く、過干渉型の場合、親にとって「良い子」を演じる子供が教師の言動を大げさに報告し、事態を悪くすることもある。

 また、要求態度については、子供の言い分をうのみにする溺愛型教師の困った様子を見て満足する欲求不満解消型利得追求型−などに分類している。

 ≪学校の限界≫

 このような保護者への対応として、嶋崎参事は(1)複数の教師で対応に当たる(2)専門家のアドバイスを受ける(3)マニュアルを作る(4)事前研修の実施−などを提案する。

 その一方で「学校に無理な要求をする保護者は皆何らかの問題を抱えている。その解決のために学校と話したいという意思表示と考えるべきだ」とし、要求を機に保護者を“味方”に変える努力を呼びかける。

 小野田教授は「たてつかない弱者をいじめる“言った者勝ち”の傾向が社会に蔓延している」と指摘。社会問題としてとらえ、第三者機関の設置や学校の“守備範囲”の限定を訴えている。

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 保護者が何らかの問題を抱えているというのは、正しい見方です。無理難題を主張しに学校へ来る親は往々にして人格障害的器質を持っていると思います。ですが味方にするのは難しいでしょう。そこはやはり専門家でないと。教師の仕事ではありませんね。

 教師に出来ることといえば、受け流すことを覚えるというところでしょうか。そもそも人格障害というのものは治らないものです。治らないが、傾向を掴んでしまえば相手を満足させたまま消化することも可能です。できない場合は距離を置くのが一番ですが。

 大阪大の小野田正利教授の主張する「第三者機関の設置」には私もかねてより夢想しています。もし現実的に成功すれば、似たような機関で「こういった無理難題を主張する親の子供を救う第三者機関」などを作れると、人格の障害というものはなくなるのではないでしょうか。
posted by さじ at 02:57 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

精神科を退院した患者が、翌日に凶器を持って現れる

物男が医師刺し逃走 神戸

 二十日午前八時半ごろ、神戸市北区山田町の兵庫県立光風病院で、同病院の男性医師(44)が院内を見回り中、北一病棟一階玄関近くで叫び声を上げ、女性職員ともめていた男(37)に突然、鉄パイプのような棒で刺された。男は現在、棒と包丁のような刃物を持ったまま逃走している。医師は左ふとももを切る軽傷

 神戸北署によると、男は灰色のTシャツ、黒っぽいズボン姿。ミニバイクで逃走しているとの情報もある。兵庫県警は警官約二百八十人を動員し、通学路を中心に警戒に当たるとともに、傷害容疑で男の行方を追っている。

 男は六月下旬から同病院に入院。今月十九日午後九時に退院していた。家族によると、二十日午前六時半に車で外出。午前九時前には同区内の自宅に戻り、車を置いて再び外出したという。車内には棒と刃物は残っていなかった。

 神戸市教委は周辺の小中学校計十九校に不審者に注意するよう指示。各校で教職員や同署員が校門に立つなどして警戒している。

 光風病院に隣接する市立谷上小学校では、三カ所の門と校舎入り口すべてを閉鎖。この日は終業式で午前十一時の下校を予定していたが、安全が確保できるまで全児童を教室に待機させることにした。同十一時ごろには車で子どもを迎えにくる保護者の姿も見られた。

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 退院して新たな環境になった途端、ストレスが増えて症状が悪化したのでしょうか。事件内容と精神科病院というところから、おそらく統合失調症ではないかと思われますが、確定はできません。この容疑者はまだ捕まっていないようです。
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2006年07月17日

森林浴は医学的に効果があることをプロフェッショナルが論じる。

森林療法の医学効果を紹介 26人の共同執筆で出版

 森林浴でストレス解消や健康増進を図る森林セラピー(療法)の医学的効果について、国内外の最新の研究成果をまとめた「森林医学」(朝倉書店刊)がこのほど出版された。医学、薬学、森林学、環境学などの専門家26人が共同執筆した。

 森林療法は自然環境の中で病気を回復する自然療法の一つとしてドイツなど欧州で人気が高い。森林浴は樹木が発散する物質を通じ生理機能を活性化する効果があるとの説もあるが、効能については科学的に実証するデータが乏しいとされてきた。

 このため、専門家らが執筆にあたって森林セラピーに関連する国内外の1100本に上る最新の研究論文を収集、分析した。

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 ストレスは解消されますし、何より「ストレスを受けない環境」でしょうね。人間の免疫力を高める上では効果があると思います。

 どちらかというと医療より酸素BARに近いイメージですかね。
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2006年07月16日

高校教諭をモデルに、放送部が性同一性障害のドキュメンタリーを作成

性同一性障害:「正しく理解を」ラジオドキュメンタリーに 告白した高校教諭がモデル

 体の性と、心の性が一致しない「性同一性障害」であることを妻や職場にカミングアウト(告白)した京都府立城陽高校教諭の土肥いつきさん(44)=京都市=を同校放送部員がラジオ用ドキュメンタリー作品として制作した。「私は私」と素顔のままの自分で生きる土肥さんに共感し、「性同一性障害を正しく理解してもらおう」と取り組んだ。今月25日から東京で開かれる全国高校放送コンテストで発表する。

 作品は淡々としたナレーションから始まる。

 「放課後、ランニングをするため放送部室に着替えにくる先生がいます。放送部の顧問、ドッヒーこと土肥いつき先生です」「なぜ女性用ロッカーを使わないの?」と疑問をぶつける生徒。土肥さんはさらりと話す。「私ね、10年くらい前まで、ひげ生やした男やってん」「えー」「小さいころの話を教えてくれますか」

 土肥さんは男に生まれたが、小さいころからずっと女の服を着たいと思っていた。「けれど、他の子とそんな話はできない。自分だけの胸にしまっていた」と振り返る。大学を出て、高校の数学の教師になり、結婚した。2人の子をもうけたが、その思いはずっとあったという。

 転機は97年に訪れた。友だちから「自分はゲイ」と告白されたのだ。性について勉強し、体の性にとらわれない生き方をする「トランスジェンダー」という言葉を初めて知った。「これは私のことや」と気付き、「こんな自分も『あり』なんや」と思ったという。

 悩んだ末に妻に告白した。家族の理解を得て、01年にひげをそって髪も伸ばしはじめ、「女性」として生きるようになった。名前も変えた。今はホルモン剤の投与も受けている

 周りの反応は?「最初はみんなびっくりしてたけど、だんだん慣れていったみたい。みんなあっさりしてた」と笑う。

 昨年夏、放送部のメンバーで「来年のコンテストで何をしよう」と相談した時に、顧問の土肥さんは「自分を題材にしていいよ」と生徒に話しかけた。「自分のことを素直に受け止めてくれたこの子たちなら、という信頼関係かな。題材も社会的で、『コンテストに勝たせたい』という気持ちもあったし」と土肥さん。

 生徒たちは意欲的にインタビュー内容や構成を考えた。土肥さんも自然体で、これまで悩んだり、思い切ってカミングアウトしたときの思いを素直に話した。インタビューを担当した放送部長の村田香菜さん(2年)は「どんな質問をするかで苦労した。でも、先生は今も昔も変わってないなあ、ということを改めて知った」と話す。生徒たちの合言葉は「ドッヒーはドッヒーや」だ。

 作品は最後のナレーションでこう触れる。

 「トランスジェンダーは、真剣に悩み、生きています。社会は大変厳しいけれど、身近な人間で理解してくれる人は、限りなくその人の支えになることができます

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 身体と心の性が違うというのは、想像以上に負担なものです。負担というのはおかしいか。社会からの攻撃ですよね。それをダイレクトに受けているようなものです。そんな人たちにも救いとなる、性転換。非常に優れた技術です。

 その技術を身勝手な理由で使用してしまうことは許されません。性同一性障害でもないのに、身体つきを変えたいから、などの短絡的な理由でホルモン剤を使用するべきではありませんし、ましてや母親に嘘をついてもらってまで性同一性障害の診断を得ようなど言語道断。フィクションにしても浅ましい話です。

参考:はるかりんBlog

関連:札幌医大が性同一性障害の性転換手術を実施する方針に
   性同一性障害の小2男児を、女子生徒として受け入れる
posted by さじ at 02:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2006年07月11日

セロトニンを分解する遺伝子が欠損すると心配性で疲れやすくなる

特定遺伝子欠損で心配性に/弘大

 弘前大学医学部の神経精神医学講座(兼子直教授)の古郡規雄講師らの研究グループが、特定の遺伝子が欠損すると「心配性で悲観的であり、疲れやすい」傾向にあることを、医学生や弘大病院の職員ら三百五十二人を対象にした調査から、統計的に明らかにした。九日から十三日にかけて、米国のシカゴで開かれる国際神経精神薬理学会で発表する。

 脳の神経は、電気化学信号で情報をやりとりしており、さまざまな種類の「神経伝達物質」と呼ばれる生体分子で、情報が伝えられていることが分かっている。

 弘大グループはこのうちの神経伝達物質「セロトニンを分解する遺伝子に着目。医学生や弘大病院職員などに質問票(二百四十項目)を配り、回答結果を分類して数値化する一方、採血でこの遺伝子を分析した。

 この結果、この遺伝子がない人が、統計的に「心配性で悲観的であり、疲れやすい」傾向にあることが分かった。ただ、「ギャンブル好き」などに影響があるという神経伝達物質「ドーパミン」にかかわる遺伝子についても同様の研究を行ったが、これについては相関データは得られなかった

 古郡講師は「詳細な実験により、将来的には事前に遺伝子を調べることで、怒りやすさや落ち込みやすさを、客観的に把握することができる」と指摘している。

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 性格は、育った環境ではなく生まれ持ったものという説にまた一票。まあ遺伝子によって「気分」の変動は差が出てくるのかもしれません。そう遠くない将来、遺伝子検査で子供の扱い方が変わったりするかも。落ち込みやすい子には優しく教えるとか。
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2006年07月09日

期待の抗うつ薬ジェイゾロフトが日本を席巻する日

抗うつ剤「ジェイゾロフト」、ファイザーが日本で発売

 米系ファイザー(東京・渋谷、岩崎博充社長)は5日、世界で最も売れている抗うつ剤「ジェイゾロフト(米国名はゾロフト)」を国内で7日に発売すると発表した。国内の抗うつ剤市場は拡大傾向にあり、6年後に見込むピーク時の年間売上高は約482億2000万円と予想している。

 ジェイゾロフトは脳内の神経伝達物質、セロトニンの量を増やす「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)」と呼ぶ薬剤。1990年に英国で最初に承認され、現在、承認国は日本を含む世界110カ国に広がっている。2005年の世界の売上高は32億5600万ドル(約3744億円)。

 薬価は錠剤の25ミリグラムが137.2円、50ミリグラムが241.1円。効能・効果はうつ病・うつ状態のほか、パニック障害がある。

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 キました。SSRIの新薬です。日本では、抗うつ薬および強迫性障害に用いられる「デプロメール」「ルボックス」、うつ病やパニック障害に用いられる「パキシル」に次ぐ、三番目のSSRIです。

 うつ病やうつ状態、パニック障害に適応がある、ということで、これらの疾患で苦しんでいた人に対しては新たな希望の光となるのではないでしょうか。薬の効果には個人差があります、が、SSRIは今まで選択肢が少なすぎました。1991年にアメリカで承認された薬が2006年になってようやく使えるという現状には毎度のこと驚かされますが、それだけ未知の分野ということなのでしょう。

 日本国内No1の「パキシル」を追い越すぐらいの勢いで登場した「ジェイゾロフト」ですが、お手並み拝見といったところです。

参考:うつ病ドリル

注:上記サイト様にて非常によくまとまっている「抗うつ剤比較表」がありますので参照して下さい。
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2006年07月06日

徳島県いのちの電話、ボランティア数が足りず相談員募集

徳島いのちの電話、相談員不足が深刻 養成講座、定員割れ

 社会福祉法人・徳島県自殺予防協会(近藤治郎理事長)は、運営する「徳島いのちの電話」の相談員不足に頭を痛めている。5日から徳島市昭和町7の県央本部で相談員養成講座が始まったが、定員20人に対して新規受講生はわずか3人。昨年の県内の自殺者数は181人に上っており、協会は「相談員が増えればもっと救える命がある」と受講を呼び掛けている。

 養成講座は、来年六月までの全四十回。修了後、一年間の研修を積めば相談員に登録できる。県央本部のほか、県西支部(美馬市脇町)、県南支部(阿南市富岡町)でも実施するが、新規の受講生は県央本部三人、県西支部五人、県南支部二十人の計二十八人で、計九十人の定員を大きく下回っている。

 同協会によると現在、県央本部では約六十人がボランティア相談員として活動。二台の電話で相談(午前九時半−午前零時)に応じているが、相談員の負担を考慮して一人月八時間を原則に相談に当たっているため人数が足りず、中には月六十時間以上受け持っている相談員もいる。一台の電話機しか稼働できない時間帯もあり、回線がふさがっていることも多いという。協会では「こうした状況を解消するには、百二十人以上の相談員が必要」と話す。

 昨年、自殺した県内の女性が相談電話をかけたにもかかわらず、通話中だったため電話に出られなかったことが、後に女性の携帯電話の発信履歴で分かり、相談員不足の深刻さが浮き彫りになった。

 協会では相談員のすそ野を広げるため、今年から講座を二期に分け、前期の「人間成長カウンセリング講座」は、相談員登録を目指す人以外にも受講できるようにした。近藤理事長は「相談に必要なのは立派な助言でなく共感。悩みの解決をともに考えてあげるよき隣人になってほしい」と話している。

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 彼らにとってのいのちの電話とは、まさに最後のライフラインなのだと思います。助けてほしいという気持ちがどうのというより、話を聞いてもらいたいんだ、と。

 ボランティアとして支援してくれる人が増えてくれれば良いんだけども…。自殺者の電話応対は、おそらく講座を受講するだけで身につくと思います。自分から何かを言うわけではなく、「話を聞く」のがメインなので。難しいものではありません。でも、善意がないと出来ないことです。

 実際、徳島県では早い段階から自殺者へのサポートを行っているので、全校でも自殺率は低い。それはボランティアの方によるところが大きいと思います。

 一緒にやってみたいという方はこちら。

 受講料は前期、後期各三万円。一回のみの受講(二千円)も可能。
 問い合わせは、同会事務局〈電088(652)6171〉。
posted by さじ at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神