[精神]の記事一覧

2013年11月19日

玉ねぎに、精神安定化作用があった。

【シリーズ・食は医力】第56回 タマネギ信奉、古代から

 ○○健康法というのが次々に登場しては消えていきますが、最近ではタマネギ氷健康法というのもあり、健康雑誌などで特集されたりして人気が持続しているようです。

 タマネギを電子レンジで加熱したものに水を足してミキサーにかけ、ピューレ状になったのを製氷皿に入れて冷凍する--作り方は比較的簡単です。凍った塊は料理やレトルトなどいかようにも加えて食すればよいという手軽さ、保存性、健康法あれこれ、割安さ、などが人気の理由のようです。

 確かに1日1人4分の1個で十分で、1ヵ月300円か400円というのであれば、健康法としては安いものかもしれません。

 古代エジプトではピラミッド建設に従事した労働者にタマネギが現物給与として与えられたという記録があります。疲れをとる、強壮効果が信じられていたのでしょう。精力剤として知られるニンニクにも硫化アリルの仲間が豊富に含まれていることからも、タマネギ信奉が古代からあったとして不思議はありません。

 昔からお寺の山門脇には「不許葷酒入山門」の文字が掲げられてきました。葷酒つまり「ニラとニンニクの類と酒はこの先ご法度」ということで、ニンニク類は修行の妨げになると考えられていたのです。栄養的にはビタミンB群、C、ミネラルが豊富にあります。煮ると独特の甘みを楽しめますが、ポン酢とカツオ節で食べる生の千切り(オニオンスライス)はベストでしょう。

◆精神の安定にも

 硫化アリルは血液をさらさらにし、血栓予防に優れた効果を発揮しますけれど、その薬効は生のほうが高いとされています。ただし水にさらしすぎると効果が損なわれます。糖尿病にもお勧めです。 ヨーロッパでは馬が血栓で脚に障害が起きたときなど、タマネギをたくさん食べさせたと言います。タマネギで面白いのは鎮静効果です。元気が出る割に精神を安定させるというのはちょっと矛盾しますが、特に生食だと不眠やイライラに効果があるようなのでお試しください



玉ねぎに精神安定作用が。

玉ねぎ食わせたPtと食わせなかったPtで評価してみたいぐらいですね。

個人的には玉ねぎっていうのは素晴らしい食材だと思いますが、どうしても炒めてしまいますよねぇ。なまで、あまり水にさらしすぎないと、となると、うまい具合にやらんと、どうも。
posted by さじ at 19:40 | Comment(0) | 精神

2013年09月22日

うつ病が増えているのは嘘。薬の使い方が違うだけ。

うつ病の怪 「悩める健康人」が薬漬けになった理由

 厚生労働省の患者調査によると、1996年には約43万人だったうつ病などの気分障害の患者が2008年には約104万人と2倍以上に増え、メディアでも「うつ病」の文字を目にする機会が多くなった。また、国立精神・神経医療研究センターの調査では、精神科で処方される向精神薬の服用により薬物依存症になった患者の割合が2000年から2012年の間で約2倍になったとも報道されている。

 かねてより、マスメディアでは精神科医による薬の多剤併用が指摘され、多くの患者が薬から離れられず悩んできた。どうしてこれほどまでにうつ病患者が増えたのか。また薬の多剤併用が繰り返される裏には何があるのか。今回『生活習慣病としてのうつ病』を上梓された、著者で、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授の井原裕氏に話を聞いた。

――本書の冒頭で「精神科医は患者を薬漬けにしている」と認めざるをえないと書かれていて、現役の大学病院の先生が書いたとは思えませんでした。

井原裕氏(以下井原氏):私は、大学病院に所属する現役医師です。だから「精神医学」の立場に立っているのであって、「反精神医学」の立場に立っているわけではありません。同僚を裏切るつもりもありません。ただ、向精神薬の多剤併用や大量投与については、批判するマスコミに一理あると思います。批判に対して、精神医学側はこれ以上知らぬ存ぜぬを決め込むこともできないし、センセーショナリズムだとして逆にマスコミ批判をして返すなどできないと思います。

 マスコミは怒っています。国民だって怒っています。私は少数の同僚を敵にまわすことよりも、1億の国民を敵にまわすことを恐れます。逆に言えば、1億の国民の批判を少しも恐れない精神科医同僚たちを見ていると、「なんて度胸があるんだろう」とも思ってしまいます。

――厚生労働省が発表している気分障害の患者数は96年と08年の12年間の間に2倍以上増えていますし、都内にも真新しく、外観もきれいで受診しやすそうな心療内科をよく目にするようになりました。どうしてこんなにうつ病患者が増えたのでしょうか?

井原氏:99年に最初のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が日本で発売されました。同時期に、製薬会社はうつ病を啓発する一大キャンペーンを開始しました。「うつ病はこころの風邪」というフレーズをご記憶でしょう。

 しかし、厚労省の気分障害の患者数を見ると99年を境に突然伸び始めています(99年の患者数は44.1万人、02年では71.1万人)。これと同じ傾向を示すのが、抗うつ薬の市場規模の推移です。グラクソ・スミスクライン社がサイト上で公開しています。患者数の増加と薬の市場規模の推移が正確に一致しています。うつ病キャンペーンによって「私もうつ病ではないのか」と思った人が病院に殺到した。その人たちに精神科医は処方箋を書いた。SSRIは飛ぶように売れた。すべては製薬会社の思惑通り。まあこういうことですね。



 つーか、毎回思うんですけど、単なる疲れとか、抑うつとかを、内因性の「うつ病」だとして、「うつ病が激増している」ってキャンペーン行ったのは、他ならぬマスコミじゃないですかね。

 「新型うつ」とか、現場の精神科医は死ぬ程アホらしいと思っていると思いますが。

 マスコミが製薬会社から金貰ってたんじゃないんですか?違うの??医者が薬使ったって、医者の儲けにはなりませんからね。

 この、獨協医科大学越谷病院の井原裕教授が言ってるように、不必要なケースに抗うつ剤が入っているケースってのはワンサカあります。それは、知識の無い無能な精神科医が悪いと思ってますし、分かりもしないで抗うつ剤を処方する開業医が悪いと思ってますし、ヤレうつ病が増えている・お前もうつ病だから病院に行けと囃し立てるマスコミが悪いと思っています。

 実際、今「うつ病」と診断されている人の9割が、実際にはうつ病じゃないんじゃないですか?統計とったら凄く面白いと思う。境界性人格障害だろうと神経症だろうと「うつ病」ってつけて、いらんのに抗うつ剤が入ってるのが現状なんじゃないですかね。そんな今の日本で、うつ病に効く薬はどれだとか、どれが本当に効果があるのかとかやるのは、チャンチャラおかしい話。診断が違ってるんだもの。
posted by さじ at 10:56 | Comment(0) | 精神

2013年04月15日

抗不安薬の排水で魚の反社会性が高まることが判明する

抗不安薬の排水混入で魚の性格が一変、大胆に 米学会発表

 排水に混入した抗不安薬によって、自然環境にすむ魚の性質が大胆になり反社会性が高まることが分かったと、スウェーデンの研究チームが14日に発表した。深刻な生態学的結果を招きかねないと警鐘を鳴らしている。

 スウェーデンのウメオ大学の研究チームは、抗不安薬のオキサゼパム製剤にさらされた淡水魚の一種パーチが、群れを離れて1匹だけで生きる傾向が高くなることを発見した。オキサゼパムは他のさまざまな薬剤と同様、人間の排泄物に含まれて自然環境に排出される。

 15日の米科学誌サイエンスに掲載される論文で、主著者である生態学者のトーマス・ブローディン氏は「通常、パーチは用心深く、群れで餌を追う。これは、よく知られている存続と繁栄をかけた戦略だ。しかし、オキサゼパム(が混入した水)の中を泳いでいるパーチは著しく大胆さを増す」と説明。群れを離れることによって、捕食者に食べられてしまう危険性が増すと指摘している。



 痛みっていうのは、生きる上で大事な機能です。痛みを感じるからこそ人体に負担のかからないように生活できるわけです。痛みを感じない子供が飛び降りたり歯を抜いたりとしてしまう症例をみると、痛みを感じる機能が備わっているからこそ動物は生存出来るんだなと実感します。

 不安も同様に、なくしていいものではありません。高度に発達した知能をもつからこそ、社会で生きる上でリスクを減らすために、不安は存在します。人間が生きて行く上で、不安を感じないなどありえない、誰しもが不安を抱きながら、それでも何とか生活しているんです。

 抗不安薬は日常生活に支障を出るほどの過度の不安がある場合に使用します。しかし日本では、やたらと処方されているのが実情です。うまく使えば良い薬なのですが、不安を無くしてしまうかの如く乱用することで、「依存」と「耐性」が生まれます。どうしても、という必要時以外は処方しないほうがいいですし、内服しないほうがいいですね。
posted by さじ at 02:32 | Comment(0) | 精神

夢の内容を脳波とMRIで特定することに成功する。

夢:見ている内容を解読 国際電気通信研が成功

 睡眠中のヒトの脳活動を計測し、見ている夢のおおよその内容を解読することに成功したと、国際電気通信基礎技術研究所などの研究グループが発表した。4日付の米科学誌サイエンス(電子版)に掲載される。

 神谷之康室長(神経科学)のチームは、27〜39歳の男性3人に協力してもらい、脳波計で睡眠状態を計測しながら、機能的磁気共鳴画像化装置(fMRI)を使って脳活動の変化を測定した。夢を見ている状態の脳波が出たらすぐに起こして夢の内容を報告してもらい、10日間で1人につき約200回分のデータをとった。

 夢の報告内容を「本」や「車」など計約60のカテゴリーに分類。起きている時にそれらの画像データを見たときの脳活動パターンと、睡眠中の脳活動パターンとを比較した結果、多くのカテゴリーでパターンが約7割の確率で一致した

 この方法は、夢だけでなく、想像や幻覚の解読や、精神疾患の診断などの分野で応用が期待されるという。神谷室長は「今回は視覚情報に関する分析だが、夢には行動や感情の要素もあり、これらも解読が可能か検討したい」と話した。



 ボクタチハ タイムマシンヲノットッテ ニッポンニカエル

 凄すぎですね。ドラえもんの世界か。脳波や画像だけでそんなことも分かる時代が来るんですかねぇ。夢分析というのはあまり有用ではなさそうですけれど、確かに幻覚に関しては有用かも。
posted by さじ at 02:23 | Comment(0) | 精神

睡眠障害が視交叉上核にある時計細胞によって生じる

時計細胞のリズムに乱れ 睡眠障害、マウスで確認

 北海道大学大学院医学研究科の本間研一教授(時間医学)らのグループは、遺伝的な睡眠障害の一つが、脳内にある「時計細胞」が刻むリズムの乱れによって生じることをマウスの実験で突き止めた。10日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。

 グループによると、体内時計をつかさどっている時計細胞は、視神経の交差する「視交叉上核」にあり、1日周期のリズムを生み出している。今回、遺伝子の異常により、睡眠と覚醒を不規則に繰り返す睡眠障害のマウスの脳を観察すると、個々の時計細胞の刻むリズムが、正常なマウスと違い、まちまちになっていた。



 眠りの質を改善しようとすると、まずは生活リズムを一定にすることや、運動をすること、それでもダメなら眠剤で調整という流れですが、それに加えて遺伝子異常によって起こる可能性も。時計細胞に働きかける薬というのも出来てくるのかもしれません。
posted by さじ at 02:11 | Comment(1) | 精神

2013年04月14日

どのくらい痛みを感じているのかをMRIで測定可能に

「どのくらい痛いか」が脳スキャンで計測可能に、「心の痛み」も調査 米研究

 人がどの程度の痛みを感じているのかを脳スキャンで測定することに成功したとする論文が、10日の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に発表された。痛みの度合いを検査で正確に計測することが将来、可能になるかもしれない。

 研究チームは被験者114人を対象に、左前腕に「温かい」から「熱い」までの熱を加え、磁気共鳴画像装置(MRI)による脳スキャンを行った。

 痛みの感じ方には個人差があるため、スキャン画像にはそれぞれ個別の痛みのシグナルが示され、鈍感な人もいれば敏感な人もいるだろうと研究チームでは予想していた。ところが驚いたことに、シグナルは共通しており、90〜100%の確度で個人の痛みの度合いを予測することができたという。

 一方、従来の研究では、失恋した人の脳は肉体的な痛みを受けた人の脳と似た活動をすると考えられていた。だが今回の研究で、最近失恋したばかりでまだ傷心状態にある被験者グループに失恋相手の写真を見せたところ、熱を加えられたときに脳が発するシグナルは観察されなかった

 また、実験前に痛み止めを処方されていた場合、脳のシグナルが弱まることも分かったという。

 今回の技術はまだ広く普及はしていないが、研究チームは今後数年以内に最初の客観検査の開発を行い、慢性的な痛みの緩和につなげたいとしている。



 痛みっていう自覚的な症状の客観的指標は必須ですね。

 実際、身体的に全く問題ないはずなのに痛みがあることがあります。

 それは果たして精神的なものなのか。それとも現代医学では表せないだけなのか。大きな指標になるでしょうね。
posted by さじ at 22:56 | Comment(0) | 精神

喫煙欲求を自己制御する脳の部位を特定する。

タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見

 理化学研究所(野依良治理事長)は、タバコを吸いたいという欲求(喫煙欲求)が大脳の前頭前野腹内側部(眼窩前頭皮質)の活動により形成されており、さらに前頭前野の背外側面(背外側前頭前野)が喫煙に関わる状況に応じて喫煙欲求を促進していることを、機能的MRI法(fMRI)および経頭蓋磁気刺激法(TMS) の2つの先端技術を組み合わせた手法で明らかにしました。

 喫煙欲求は、タバコを連想させる視覚刺激(他人の喫煙シーンなど)に誘発され、その欲求の強さは、その場でタバコが入手可能かどうかなど状況によって変化することが知られています。しかし、このような状況依存性の喫煙欲求の形成が脳のどこでどのように行われるのかは詳しく分かっていませんでした。

 共同研究グループは、10人の喫煙者を対象として実験的に喫煙可・不可という状況をつくり、それぞれの状況で視覚刺激により誘導されたときの喫煙欲求に関わる脳の活性化部位をfMRIを用いて観察しました。その結果、喫煙欲求の強さに関わる部位として前頭前野の腹内側部(眼窩前頭皮質)を、喫煙可能状況に応じて喫煙欲求を促進する部位として前頭前野の背外側面(背外側前頭前野)を見いだしました。さらに背外側前頭前野の活動をTMSにより人為的に抑制すると、状況に依存する喫煙欲求の変化が起こらなくなることが分かりました。

 これらの発見は、タバコなどの薬物に対する欲求が、前頭前野の腹側と背側の脳神経の連携により形成されていることを示します。この連携のバランスの乱れがタバコや薬物依存症の原因の1つと考えられ、今後、依存症の理解と有効な治療法の開発につながると期待できます。



 禁煙を医学的に実施することが出来れば、ねー。

 同時に他の依存症、例えば覚醒剤とか、あとはデパスなどの処方薬依存ですかね、ああいうのがうまく治せると最適なんですが。
posted by さじ at 12:10 | Comment(0) | 精神

2013年03月28日

日本人はアイコンタクトをとられると相手を警戒する。

日本人はアイコンタクトをとられると「近づきがたい」と感じる - 東大など

 東京大学(東大)は3月14日、日本人と欧米人(フィンランド人)を比較したところ、アイコンタクトをとられるとその相手に対し「近づきがたい」「怒っている」と感じやすいことを示し、アイコンタクト行動が文化的慣習に起因する可能性が示唆されることを発表した。

 ヒトが行うアイコンタクトは、生後2〜5日の赤ちゃんでも見られることから、生まれながらにして備わっているものとされている。しかし、そのとり方には文化差があり、日本人の場合、欧米人に比べ、その頻度が低いことがこれまでの研究から報告されている。こうした報告は、アイコンタクトへの敏感さはヒトが生まれながらにして有するものながら、その使用は環境の影響を受けることを示すものであるが、どのような生理・心理メカニズムにより、そうした文化差が生じているのかについてはこれまで検討されてこなかったという。

 そこで研究グループでは今回、日本人とフィンランド人を対象に実験を行ったという。具体的には、それぞれの国の人の顔を実験刺激として、電動液晶シャッターを通して実際にヒト(モデル)の顔を提示。モデルの視線方向として、正面向き、よそ向き、また、目を閉じている条件を用意し、そのモデルの顔を見ている間の心拍数変化の測定や、さまざまな心理評定を行ったという。

 この結果、文化(国)に関係なく、正面向きの顔はよそ向きの顔と比較し、心拍数の減少を引き起こし、心理評定の結果から覚醒度が高まる感じがすることが示されたという。これは、アイコンタクトをとられると、文化に関わらず注意が高まると解釈されると研究グループでは説明しているが、一方で日本人は、フィンランド人と比べて、正面向きの顔をより「怒っている」「近づきがたい」と感じることが示され、アイコンタクトに関する文化差が心理評定において見られたとする。



 人種差があるのは面白い。

 日本人の一般的な反応として、会話する時に視線をちょっとでも反らされないと、圧迫感を感じるとされています。皆さんもそうだと思うんですが、例え仲の良い人であっても、会話中ずっと相手の目をみて話したりはしませんよね。やってみると、ドッと疲れるはずです。
posted by さじ at 01:38 | Comment(0) | 精神

脳の慢性炎症で統合失調症が発症するかもしれない。

統合失調症は脳の慢性炎症が要因の1つの可能性がある - 生理研など

 統合失調症は、あらゆる人種や地域において、総人口の約1%で発症するが、未だに十分な予防・治療法が確立されていない精神疾患であり、近年、その原因遺伝子探索に向けた大規模な「ゲノムワイド関連解析」が実施されている。その結果、統合失調症は単独の遺伝子変異で引き起こされることはごくまれで、多くの場合は複数の小さい効果を持つ遺伝子多型による遺伝的要因とさまざまな環境要因の組み合わせによって発症するものであると考えられるようになった。

 今回の研究では、Shn-2 KOマウスは、野生型マウスに比べて作業記憶(状況の変化や作業の進行に応じて、必要な情報の処理と保持を行う一時的な記憶機能)が悪くなっていたほか、「プレパルス抑制(PPI)」の障害、社会的行動の低下、巣作り行動の障害、快楽消失など統合失調症とよく似た行動異常のパターンを示すことが網羅的行動テストバッテリーによる解析で明らかにされた。

 PPIは、強い刺激、例えば大きな音をヒトや動物に突然与えると驚愕反応が引き起こされるが、その刺激の直前に微弱な刺激(小さな音)を提示すると驚愕反応が抑制されること現象であるが、統合失調症の治療薬として使われている「ハロペリドール」の投与で改善することが確認されたとのことで、同マウスで見られた一連の行動異常が統合失調症患者で見られる認知障害や陰性症状などに相当するものと考えられたことから、行動レベルで統合失調症患者にそっくりなマウスを同定することに成功したことが示されたこととなった。

 そこで、このShn-2 KOマウスの前頭皮質の遺伝子発現変化を「ジーンチップ(ガラスや半導体の基板の上にDNAを貼り付けたもので遺伝子がどのように発現しているかを網羅的に調べることができるチップ)」で調査を行い、遺伝子の発現パターンをバイオインフォマティクス的手法で解析した結果、Shn-2 KOマウスの脳で発現量が変化している遺伝子の多くは、統合失調症患者の死後脳(前頭葉)でもほぼ同様に変化していることが確認された。これは、同マウスの脳と統合失調患者の死後脳の遺伝子発現パターンの間には類似性があることが示されたことを意味する。

 さらに同マウスの脳を調べたところ、「パルバルブミン陽性細胞(パルバルブミンは細胞内シグナル伝達に重要なカルシウムイオンに結合するタンパク質の1つ)」の減少、「GAD67(グルタミン酸脱炭酸酵素の1つで、この酵素の働きにより、グルタミン酸からγ-アミノ酪酸(GABA)が作られる)の発現低下」、「大脳皮質の薄化」、「脳波の内のガンマ波の低下」など、統合失調症患者の脳で報告されている特徴が多く見られ、特徴という点においても統合失調症患者と似ていることが確認された。

 加えて、同マウスの海馬歯状回の神経細胞が、発達期に一度、成熟細胞マーカー「カルビンジン」を発現しながらも、その後、成育するに従ってほとんど発現しなくなり、逆に未成熟細胞のマーカーであるカルレチニンの発現が増加し、電気生理学的な性質も未成熟な神経細胞に似ていることも明らかになったという。これは、同マウスでは、成育するに従って再び未成熟な細胞の特徴を持つようになり(脱成熟)、成体ながら歯状回全体がいわば未成熟な状態(未成熟歯状回)であることを示すもので、統合失調症の発症が青年期以降であることと一致するとする。ちなみに、統合失調症患者の死後脳で海馬の歯状回が未成熟な状態にあることはすでに研究グループの別の研究から明らかにされているという。

 このほか、同マウスの脳では、神経炎症の特徴の1つである「アストログリア細胞」の活性化が顕著であることが確認されたほか、発現が変化している遺伝子群と、炎症を引き起こす典型的な状態で発現が変化する遺伝子群に高い共通性が見られることが確認された

 研究グループでは、これらの遺伝子群の変化は、典型的な炎症で変化する場合と比較すると小さいことから、同マウスの脳では、慢性的で軽度な炎症が起こっていると考えられたことから、抗炎症作用を持つ薬物である「イブプロフェン」と「ロリプラム」を同マウスに3週間にわたって投与。その結果、海馬歯状回で増加していた未成熟細胞マーカーのカルレチニンの発現が低下し、正常な状態に近づいたことが示されたほか、作業記憶の障害と巣作り行動の異常も改善することが確認されたという

 これらの結果から、研究グループでは、同マウスでは遺伝的な要因によって脳内に慢性的な軽度の炎症が生じ、それが海馬歯状回の脱成熟を引き起こすことで、統合失調症に似た行動異常の内作業記憶の障害や巣作り行動の異常を引き起こしているのではないか、その考えを示しているほか、ヒトでも何らかの遺伝・環境要因により脳内に慢性的で軽度な炎症が起こることで、海馬歯状回の脱成熟などの現象が生じ、その結果として統合失調症が発症するというモデルが想定されることから、同モデルに基づく新たな予防・診断・治療法が開発される可能性が出てくることが期待できるとしている。



 統合失調症のみならず、幻覚妄想状態を引き起こす疾患の参考というか、治療になりうるかもしれない。

 覚醒剤や脱法ドラッグの使用歴があって、統合失調様の症状が残存している人が時折いますけれど、そういう人の脳の変化という点でも興味深い。

 いろんな角度からアプローチが進んでいますが、単純に「脳の疾患」と理解されることで、偏見やらもなくなるといいんですけどね。
posted by さじ at 01:35 | Comment(0) | 精神

2013年03月07日

吉祥寺事件、脱法ハーブが関連している可能性がある。

逮捕の18歳少年、脱法ハーブ所持か 

 東京・吉祥寺の路上でアルバイト(22)が刺殺され財布などが奪われた事件で、強盗殺人容疑で逮捕された日本人の少年(18)の所持品から、脱法ハーブとみられる植物片が見つかり、警視庁が押収していたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。

 少年は犯行の動機について「金が欲しかった」と供述しており、警視庁は植物片の鑑定を進め、事件との関連を調べている。

 一方、同容疑で逮捕されたルーマニア人の少年(17)が、山田さんを背後から刺したのは「確実に(現金などが)取れるから」と供述していることも判明。「死ぬとは思わなかった」としているが、山田さんの背中には肺に達する深い傷があり、強く刺したとみられることから、警視庁は犯行時の詳しい状況を捜査している。



 ただ金を奪うだけなのにいきなり思い切り刺すあたり、なんか変ですけれど、これが果たして脱法ハーブの作用なのかどうかは分かりません。

 なぜならいま売っている脱法ハーブには「何の合成カンナビノイドがどれだけ入っているか全く分からない」からです。

 ここが、覚せい剤や大麻などと違って、メチャクチャコワイところです。まず脳への障害がスゴイ。人によっては1発でわけがわからなくなります。急性症状が抜けた後も、何割かの人は後遺症として残ることがあります。使ってよい量が全く不明なので、容易に過量服薬してしまうのです。

 脱法ハーブだけは、やめておいたほうがいい。あなたは、合法・脱法だからといって、脳を壊す物質を自らの手で吸収しますか?
posted by さじ at 22:43 | Comment(0) | 精神

2013年01月15日

教師の体罰は本当に子供たちに利益をもたらすのだろうか?

減らぬ教師の体罰、部活絡みの処分は3割

 大阪市立桜宮高校で男子バスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた翌日に自殺した問題。体罰を理由に処分を受けた全国の教職員は最近10年間で年間400人前後で推移していることが9日、文部科学省への取材で分かった。

 文科省によると、平成23年度は404人で、中学校が最も多く180人、高校139人、小学校81人、特別支援学校4人。このうち、約3割に当たる110人が部活動に絡むものだった。

 教育現場の指導の中で、どこまでを体罰ととらえるのかは難しい問題だ。文科省は19年、いじめや校内暴力などの問題に対応するため、体罰基準の見直しを実施。殴る、蹴るなど身体への侵害や、長時間の起立など肉体的苦痛を与える行為を明示する一方、体罰に当たらない行為も具体的に例示した。

 それまでの国の基準は、居残り指導や騒いだ子供を教室の外に出すことなども体罰と定義しており、学校現場から「教師が萎縮して児童生徒を指導できない」との声が噴出。

 このため、居残り指導のほか、授業中に起立させたり、児童生徒を叱って席につかせたりすることなどは、肉体的苦痛を与えるものでない限り、体罰には当たらないとしている。



バスケ部顧問を懲戒処分へ 遺族側は免職を要求

 大阪市立桜宮高校でバスケットボール部主将だった2年の男子生徒=当時(17)=が自殺した問題で、市教委は12日、体罰を加えた男性顧問(47)を懲戒処分する方針を固めた。遺族側が処分ランクでは最も重い懲戒免職を要求していることも判明。市教委幹部は「生徒が亡くなるという最悪の事態になっており懲戒処分は当然」としており、市の外部監察チームによる調査結果がまとまり次第、速やかに処分する見通し。

 大阪市では「懲戒処分に関する指針」で、児童・生徒に体罰を行い負傷させた教職員は、免職、停職または減給とすると規定。負傷しなくても常習的な体罰を行った場合は、免職または停職−と定めている。

 市教委によると、顧問は昨年12月28日の聞き取り調査に、「(自殺前日の)22日の練習試合でも頬を平手で4、5回たたいた後、頭を4、5回殴った」などと詳述。暴行容疑などで捜査する府警が自殺当日の23日に事情聴取を行った際にも「発奮させるためだった」と体罰を認めている。

 学校関係者によると、遺族は懲戒処分の中では最も重い懲戒免職を市教委側に要求していることが判明。市教委の永井哲郎教育長らが11日、生徒の自宅で両親に謝罪した際も、両親は「体罰も許し難いが、精神的に追い込んだことが許せない。厳しい処分をお願いします」と話したという。

 一方、同校の卒業生の一部には「顧問は熱意ある指導をしていた」として、処分の軽減を求める嘆願書の提出や署名運動などを検討する動きもあるという。



大阪・高2自殺:義家文科政務官「体罰線引きを」 市教委と協議

 高校2年の男子生徒が自殺した問題で、文部科学省の義家弘介政務官が15日、大阪市役所を訪れ、永井哲郎教育長らに経緯や今後の対応を確認した。義家政務官は協議後、記者団に対し、市教委の対応の遅れを批判する一方「強くなるために(体罰は)一定ある」などと発言し、線引きが必要との認識を示した。

 協議は約1時間行われ、桜宮高の佐藤芳弘校長も同席。義家政務官は冒頭、今回の問題について「教育行政の責任であると同時に、教育の『無責任』だ。安易に体罰という言葉が流布されているが、継続的、日常的に行われた身体的、精神的暴力と思う」と話した。

 義家政務官は「気合を入れるための平手打ちは前時代的だ」と否定する一方、「(体罰は)一定ある。目的は何なのかだ。体罰と暴力、あり得る体罰とそうじゃない体罰の線引きが必要」とも話し、部活動での体罰を定義づける考えを示した。



高2自殺:橋下市長、発言転換後も体罰ルール化依然模索

 「試合中にビンタをすることはあり得る。僕が受けたビンタは愛情だった」。自殺発覚後の今月10日にそう発言するなど、体罰を一部認めるとも受け取れる見解を過去に示してきた橋下市長は、自殺した生徒の遺族と面会した後、スポーツ指導での体罰を一切認めないと方針を変えた。ただ、その他の生徒指導の現場での「手を上げる指導」については、「ルール化が必要」との姿勢を崩していない。文部科学省は、肉体的苦痛を与えない範囲で懲戒を加えることを認めているが、橋下市長は「ぬるい」と批判してきた。ルール化は可能なのか。

 学校教育法は「教育上必要がある」場合、生徒に懲戒を加えることを認める一方、体罰を禁止。文科省は、放課後などに教室に残す▽教室内に起立させる▽学習課題や掃除を課す▽当番を多く割り当てる−−などは、肉体的苦痛を与えない限り体罰に当たらないと、07年2月に各教育委員会に通知している。通知では、教師に対する子どもの暴力を防ぐための行動や、子ども同士の暴力行為を制止するためのやむを得ない行為も、体罰ではないと規定している。

 しかし、橋下氏は府知事時代の08年、「言っても聞かない子には手が出ても仕方ない」と発言。市長就任後の12年10月には文科省の通知を「ぬるい」と批判し、「もみあげをつまんで引き上げるくらいいい」として、独自基準を作るよう市教委に求めた。

 しかし、今月12日、生徒の両親と面会してから大きく方針転換する。「スポーツ指導で手を上げることは全く意味がないと分かった。猛反省している」。14日に市内で開かれた成人式では「部活動で手を上げることは一切禁止する」とスポーツでの体罰一掃を宣言した。ただ、「学校現場で他人に迷惑をかけるとかの時には、手を上げることも認めないといけないかもしれない」とも話している。

 市教委幹部は「体罰を容認するような発言は好ましくないと思っていた」と変化を歓迎する一方、「市長がどう変わろうと、教育行政の責任者は市教委だ」と話す。



 そもそも、体罰を加えると子供は言う事を聞くのか?というところなんですけど、医学的には、「そんなわけないじゃん」といったところでしょうか。

 これに関しては2つに分かれると思います。2つというのは、「頭の良い子供」と「頭の良くない子供」です。ここでいう頭の良し悪しというのは当然学力とかその程度のものでなく、人としての総合力を示します。頭の良くない子供には、もしかしたら体罰は有効かもしれない。バカだから、言っても分かんないからね。でも頭の良い子だったら、100%いらないでしょう。

 普通ね、高校生なら、頭が良くない子供以外は、言えば分かりますよ。今回の事例だって、別にこの被害者が、頭悪かったわけではなくて、完全に昭和のノリというか、暴力でコントロールしているだけじゃないですか。

 私は、全く聞かない子、要するに全生徒の中で、反発が強くて粋がってて、極めつけのバカ(学力という意味ではなく、不良やヤンキーみたいな存在)には体罰を「やってもいい」と思いますよ。でも全体の下位1%ぐらいですかね。反社会的な行為に憧れるようなタイプは、教師からの体罰で目覚めだと錯覚するのも容易いだろうから、それはまぁある意味美談なんだと思う。

 でもあくまで、下位1%のバカにだけしかやっちゃいけない。普通以上の頭の持ち主なら、むしろ話し合うことで分かってくれるから。

 今回のように、教師の体罰が何でうまくいかないかというと、下位1%の不良たち以外の人にも、体罰をふるってしまうからなんだなぁ。

 そもそも教師が頭良くない場合、体罰は失敗しますよ。だって頭の良くない自分の脳が、「体罰は正義」って勘違いしちゃってるんだから。加えて、そもそも指導において、言葉で説明出来ないほどバカだから、体罰に至るんでしょう、罰として。動物かよ。凄い教えだなぁ。痛みを与えて条件付けを行いたいんだろうけど、それを高校生にするか?

 もし私が高校生の頃に体罰食らってたら、何も得るものはなかったでしょうね。逆に恐怖とか、不安とか、そういういらない感情を植え付けられてたと思う。

 もしかして、頭の悪い人は、そういう感情よりも「体罰による美談」のみを前向きに受けとめるんだろうか。さすが、頭が悪いと楽でいいなぁ。

 医学の場面においては、相手を見極めて、褒められるところを褒めて、本人の自尊心も伸ばしたほうが、うまく治療関係に乗りやすい。どの科でも、それが原則です。毅然とした態度をとることはあっても、ひっぱたいたり怒鳴ったりしてうまくいく例はほとんどない。

 もし薬を飲み忘れたり、間食したりする患者がいたとして、医者がぶん殴っていいんですか?絶対そんなことしないでしょう。何故ならそんなことをしても意味がないと分かっているからです。

 でも体罰肯定派、特に今回の教諭を擁護して嘆願書なんか出しちゃってるような極めつけのバカは、医者が患者をぶん殴っていいというんでしょうか。それで、改心する患者がいるなら暴力を容認してもいいんですかね。

 バカな教師と、一部のバカな体罰容認派の生徒(「俺は○○先生にしごかれてきたから今の自分がある(キリっ)」)の茶番は滑稽ですね。お互いに殴り合って涙流してりゃいいじゃん。そこにその他大勢を巻き込まないでほしい。あとちゃんとこの教師は裁かれるべきだと思う、単純に、暴力事件として。
posted by さじ at 23:31 | Comment(1) | 精神

2012年12月19日

自閉症と化学物質との因果関係を東大が特定する。

自閉症などの発達障害は母体の化学物質摂取による可能性がある - 東大

 東京大学(東大)は12月13日、微量のダイオキシンを投与した母マウスから生まれたマウスを用い、独自開発の行動試験を行った結果、仔マウスが成長後に、脳の柔軟性の低下と集団行動の異常が生じること、そしてその背景に脳活動のアンバランスがあることを解明したと発表した。

 同成果は同大大学院医学系研究科の遠藤俊裕 博士課程3年、同大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 健康環境医工学部門の掛山正心 助教、同大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター 健康環境医工学部門の遠山千春 教授らによるもの。詳細はオープンアクセスの査読つきの科学雑誌「PLoS ONE」に掲載された。

 近年、自閉症患者の増加、学校生活や社会への不適応行動の増加など、子どもの「こころの健康」の問題が教育・医療現場などにおける問題となっているが、その原因の1つとして、発達期に環境化学物質を体内に取り込んだことに伴う影響が示唆されるようになってきた。

 ダイオキシンは、環境・食品中に広く存在しており、国際的に環境対策が合意されている残留性有機汚染物質(POPs)の一種。ダイオキシンの母胎への取り込みが、生まれてきた子どもの学習・記憶に影響を及ぼすことが疫学研究により示唆されているが、そのメカニズムは十分に解明されているとは言えない状況であった。

 そこで研究チームは、ヒトの高次脳機能に相当する認知機能と社会性機能を調べることができる独自の行動試験技術を開発し、同大の研究科神経生化学専攻分野および生物統計学専攻分野の研究室との共同研究により、ごく微量のダイオキシンを投与した母マウスから生まれたマウス(ダイオキシン曝露マウス)について、体内にダイオキシンがほとんど無い状態のときに、この行動試験技術を用いて高次脳機能の調査を行った。

 その結果、ダイオキシン曝露マウスは、行動習慣の習得はできるものの「逆転課題」の状況変化に対する適応性が低いこと、いわゆる状況の変化に対して、目的に即した適切な行動を素早く再構成する能力である「行動柔軟性」が低下していることが明らかとなった。また、これらのマウスは、報酬(飲水)獲得のための反応を繰り返す、不必要な「反復行動」も見られ、特に報酬(飲水)が得られた正解の場所において多く観察されたことから、欲求の抑制ができない時に生じるような行動パターンの異常だと考えられるという結論を得たという。
 
 こうした行動柔軟性の低下、不要な反復行動は、高次脳機能の中でも「実行機能」という、目的達成のための適切な手段を選び自己をコントロールして適切な行動をとる脳機能システムが破綻していることに起因すると考えられるという。ちなみに、この実行機能の異常は、さまざまな精神疾患においても観察されるとのことである。

 さらに、マウス社会性行動の指標も新たに開発。今回の行動試験では、試験装置1台あたり12匹のマウスを集団生活させ、行動パターン解析を実施した。1日のうち数分間だけ大勢で水飲み場を奪い合う社会的競争状況を作ったところ、ダイオキシン曝露マウスは、この社会的競争状況においてのみ活動レベルが低下することが確認された。このような症状は、報酬に対する欲求よりも、他者との接触に伴うストレスを避けているためと考えることができ、自閉症スペクトラム障害や不安障害を有する人における他者との接触を避ける傾向と似ている可能性があると研究チームでは指摘する。

 化学物質と子どもの「こころの健康」の問題との関連性について、実験的証拠が提示されたことは、学術的意義が高いと同時に、地道な研究活動の積み重ねが社会貢献に向かって大きく一歩を踏み出したという点で、大きな成果だと言えるとしており、今後、化学物質と自閉症症状など発達障害の発症などの関連性に関する科学的議論が活性化することが期待されるとしている。



 自閉症という脳の障害を化学物質の見地から解明したのは凄いことです。ダイオキシンとか、化学物質とか、環境ホルモンとか、言葉が一人歩きしていて何だかイメージつきにくいものですが、これがより具体的な根拠として提示できれば、妊娠前からの予防にも繋がるでしょう。
posted by さじ at 04:52 | Comment(0) | 精神

2012年12月03日

ブータン初の精神科医、日本人について語る。

「感謝すれば人は幸せ」 ブータンで初の精神科医 鹿児島で患者と交流

 国民の97%が幸福と感じ、「幸せの国」と呼ばれるブータン。国民総生産(GNP)ではなく、心の豊かさを示す国民総幸福量(GNH=グロス・ナショナル・ハピネス)を国の指針としている。そんなブータンで最初の精神科医となったチェンチョウ・ドルジ医師(53)が14、15日に鹿児島市を訪問。精神障害者の就労支援と自立訓練事業を展開する「ラグーナ出版」で、心の病を抱えた人たちと交流した。人間にとって真の幸せとは何なのか‐。ブータンの孤高の医師と、精神の自立を目指す人たちの対面に立ち会った。

 「ブータンで1999年から、たった1人で国中の精神障害の治療に当たってきたチェンチョウ医師を、ぜひラグーナのみんなに会わせ、いろんな話を聞かせたかった」。ラグーナ出版会長で精神科医の森越まやさん(52)はこう語る。ラグーナでは、統合失調症や不安障害、うつ病などの53人が、治療を受けながら製本や編集などの作業や自立訓練に取り組んでいる。

 チェンチョウ医師はスリランカやインドの大学で西欧の精神医学を学び、ブータンに西洋式の薬物療法などを導入した。一方で、仏教に根差した祈祷や薬草など、伝統の治療法も併用し、独自の治療システムを構築している。森越さんは2年前、チェンチョウ医師が勤務する国立病院を視察し、来日を働き掛けていた。

 チェンチョウ医師は14日夜に鹿児島国際大学で講演した後、15日に丸1日、ラグーナに滞在。自立訓練中の8人、利用者13人と約2時間ずつ意見交換した。

 チェンチョウ医師と森越さんによると、ブータンに西洋医学が入ったのは1960年代。今も祈祷や薬草による伝統療法が一般的という。精神医療が世界保健機関(WHO)の支援で導入されたのは97年のことで、まだ歴史が浅い。

 精神障害の人はシャーマンに相談に行き、どうしても治癒しない人だけがチェンチョウ医師の病院を訪れる。「西洋の薬は統合失調症などによく効く。一方で、薬草などの自然成分は長く摂取しても副作用がない利点がある。西洋医学と伝統医学とのバランスをうまく取ることが大切」と説く。「今年ようやくわが国2人目の精神科医が誕生した」と喜んだ。

 自殺についての質問も出た。チェンチョウ医師は「ブータンでも2010年、10〜15人の若者が自殺したとの報告があった。ただ、仏教徒が多いブータン人は輪廻を信じているので、基本的に自殺はしない。自殺は過ちだ」と強調した。

 やりとりは日本人論にも及んだ。「100年前の日本はブータンと似ていたが、古い文化を見失ってしまった。今は経済力で世界のトップにあるが、何でもコントロールできると、人は横柄になる。長く深呼吸して、自分たちが何をしているか考えるべきだ」。日本人が心豊かに暮らすには「みんながつながり合い、頼り合うことで宇宙ができていると自覚することが大切」と語った。

 「長年、心にもんもんとした問題を抱えていたけれど、少しヒントが見えた」「新鮮な気持ちになれた」‐。意見交換を終えたラグーナの利用者は、それぞれ心の中に何かを得た様子。チェンチョウ医師は「全てのことに感謝すれば、人は幸せになれる。いろんな心の問題を抱えつつも、ラグーナのような場所で人と関わっていくことが大切。あなたは独りではない」とメッセージを送った。



 へぇ…まぁ日本も、内因性の疾患(統合失調症、うつ病、双極性障害)だけで言えばそんなに精神障害は多くないかもしれませんね。変な連鎖やこの社会があるから、人格障害とか適応障害とか起こってしまうのかもしれないし。

 しかしブータンでも上で挙げた統合失調症などはしっかり治療する必要はあると思いますので、そういう点は国民全体に知識を普及する必要はあるでしょうね。

 後半の、日本人についての弁は、ホントその通りだなぁ。これで救われる日本人も大勢いるはずなんだけどもなぁ。
posted by さじ at 00:11 | Comment(0) | 精神

2012年12月01日

何故心療内科が急増しているのか。うつ病は精神科に行こう。

心療内科医に聞く。街に心療内科が急増しているのはなぜ?

 「心療内科」と掲げられた病院を見かける機会が増えた昨今。何か理由があるのでしょうか。心身医学専門医で心療内科医の野崎京子先生に詳しいお話を伺いました。

■「精神科は行きにくいから、心療内科へ」と考える現実

――街で「心療内科」が増えたように思います。実際のところはどうなのでしょうか。

 心療内科は、1996年(平成8年)8月に、当時の厚生省から、「標ぼう」を認められました。「標ぼう科」とは、病院や診療所が外部に向けて当院は「○○科」です、と看板を出す、広告をすることが認められている診療科のことです。内科、外科、小児科、皮膚科 精神科などの表記はそれに該当します。

 心療内科はまだ歴史が浅いため、日本の心療内科医の人数は精神科医に比べて圧倒的に少なく、2012年8月現在では、「日本心療内科学会」認定の専門医は全国で129名、「日本心身医学会」認定の専門医は全国で586名というのが実情です。

 ですが、この15年余りで都市部を中心に、心療内科のクリニックの数は急増を続けています。それには、「心療内科クリニック」を開業する医師の大半は心療内科医ではなく、実は精神科医であるという現実があります

 精神科医がクリニックを開業するとき、「精神科」という看板をあげると患者さんが通いにくいだろうと考え、「心療内科・精神科」と表現することが多いのです。

 標ぼうの方法については、現在の医療法では規制はなく、どの科を掲げてもよいことになっています。ですから、わざわざ患者さんが通いにくいだろう「精神科」という看板を表に出す医師は少ないのです。

 また、うつ病などの症状で病院を探す患者さんは、「精神科は行きにくいから、心療内科に行こう」と考える人が圧倒的に多い、というデータもあります。これらの理由が重なって、街に心療内科が増えているわけです。

――心療内科に通っているつもりが精神科だった、ということがあるのでしょうか。

 大いにあります。現在の確かな数字は出ていませんが、「心療内科の開業医の8〜9割が精神科医」だと言われています。それが患者さんにとって支障があるかどうかというと、心療内科は「内科」の領域であり、内科としての疾患を診察しますから、訪れた精神科医が内科の症状について研究・研さんを積んできたかどうか、適切な診断ができるかどうかがポイントとなるでしょう。

――心療内科の専門医を探すにはどうすればいいのでしょうか。

 専門医は「日本心療内科学会」、「日本心身医学会」が実施する試験制度の受験資格を満たし(関連研修施設において5年以上の心療内科学臨床研修を修了していることなど、多岐にわたる)、試験に合格した医師に与えられる資格です。

 心療内科の専門医を探すには、「日本心療内科学会」、もしくは「日本心身医学会」のホームページから、「専門医一覧」をご確認ください。後者は氏名の掲載のみですから、電話で問い合わせてください。



 まぁでも現実は、開業の心療内科にかかる患者の多くが、精神科にかかったほうがいい患者ですからねー。いや、違いますな。そのうちの何割かは、医療機関にかからなくてもいいぐらいの病状ですから。心療内科を受診して精神科医だったらまだ御の字でね、適切な治療を受けられます。以前も書きましたけれど、最悪なのが内科医がやっているケースですね。処方内容をみれば適切なものかそうでないものかすぐに分かります。

 逆に心療内科側は、心療内科が何を診るところなのか、ちゃんと大々的に伝えないといけないと思います。今の日本人、精神科と心療内科の違いを全然知らないですよ。「うつ病は精神科」とちゃんと明確に言わないといけないんじゃないですかね。そのアピールをしないで、心療内科で内因性うつ病を診つづけることこそ、患者にとって不利益と言わざるをえません。

 逆に言うと、心療内科にかかっているという人、もし「うつ病」と言われていたら、それはうつ病ではありません。間違いなく。うつ病は精神科の領域ですからね。

〜心療内科で診る疾患〜
心身症、心気症、摂食障害、パニック障害、社会不安障害、うつ状態(≠ うつ病)、仮面うつ病、睡眠障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群、機能性胃腸障害、消化管障害、心因性嘔吐症、身体化障害、慢性疼痛・慢性疲労症候群、起立性調節障害、頭痛・緊張性頭痛、心因性の発熱やめまい、書痙・斜頸、コントロールの難しい糖尿病・肥満症、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、精神腫瘍学に基づいた、癌患者のケア

関連
医学処:うつ病かなーと思ったときに、心療内科には絶対に行くな。
posted by さじ at 23:00 | Comment(0) | 精神

自閉症に関与するたんぱく質制御酵素を東大が特定する。

東大、自閉症関与たんぱく質の制御酵素2種を特定

 東京大学大学院薬学系研究科の富田泰輔准教授らのグループは、自閉症の発症に関与するたんぱく質「ニューロリジン」の分量を制御する2種類の酵素を特定した。ニューロリジンは脳内の神経細胞同士をつなぐシナプス形成に関与している。過剰に増えたニューロリジンを2酵素が抑制し、シナプスを適切にコントロールするという神経回路形成のメカニズムが分かった。自閉症の新たな治療法に応用できる可能性があるという。

 ニューロリジンは神経細胞の先端部分に発現するたんぱく質。発現量が過剰になったり減少しすぎたりすると自閉症が発症することがマウスでの実験で分かっていた。

 グループはマウスやラットの脳の切断断片を培養する実験を通じ、ニューロリジンを制御する要因を調べた。その結果、「γセクレターゼ」と「ADAM10」と呼ぶ2種類の酵素が関与していることを突き止めた。



 自閉症は明確に脳の神経学的な異常によって生じるというのは分かってきていますが、それが具体的にどこの異常なのか、どういうメカニズムなのか、徐々に解明されつつあるようです。こういうのは東大が強いですねぇ。今まで対症療法というか、脳の特性を理解してもらうほかなかったんですが、より重度の自閉症に対する治療法に繋がるといいですね。
posted by さじ at 01:00 | Comment(0) | 精神

ストレスで精神疾患を引き起こす「カルデスモン」を岩手医大が解明

ストレスに伴う分子メカニズム解明 岩手医大研究班

 岩手医大副学長で同大医歯薬総合研究所所長の祖父江憲治医師(神経科学)ら研究グループは17日、盛岡市の同大で記者会見し、ストレスによって精神疾患を引き起こす分子メカニズムを解明したと発表した。祖父江医師らが発見したタンパク質「カルデスモン」が、脳の情報伝達を担う「シナプス」の形成促進に深く関わっていることを世界で初めて突き止めた。うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患の発症メカニズムの解明につながり、将来的な治療法や新薬の開発も期待される。

 祖父江医師は「記憶や学習などの高次脳機能の解明にもつながる成果。カルデスモンの働きに注目した治療法を開発できる可能性はある」と実用も見据えた研究展開を目指す。

 今回の研究は、米国の学術雑誌「ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」の最新号で紹介される。



 ストレスって言葉はものすごく浸透している割に、何をもってストレスとするのか、それがどう影響してくるかは漠然としておりました。カルデスモンが影響を与えるのであればこれをうまく測定することができれば、ストレスによる心因性うつなどの診断などに至るかもしれません。今後の研究が楽しみです。
posted by さじ at 00:23 | Comment(0) | 精神

2012年11月25日

読売新聞の「精神医療ルネサンス-言葉を奪われた青年-」が凄い。

言葉を奪われた青年(1) 治療するたび状態悪化

 2012年10月30日、関東地方の大学病院。精神科病棟に入院中のタクヤさん(仮名)と対面した時、私はここ数年の精神科取材で何度も体験した憤りとやり切れなさに再び襲われた。

 タクヤさんは26歳。言葉を話せない。先天的な障害ではなく、深刻な頭部外傷を負ったわけでもない。以前は家族や友人ともふつうに話していた。精神科病院で「統合失調症」と診断され、多剤大量投薬と電気ショック(電気けいれん療法)23回を受けるまでは。

 2008年暮れ、私は朝刊連載・医療ルネサンスで統合失調症の深刻な誤診問題を取り上げた。以来、精神科で治療を受ければ受けるほど、状態が悪化した若者たちを数多く取材した。なぜこんなことになるのか。主治医たちの言い分は決まっている。「統合失調症が進み、重症化した」。すべて「患者の症状」のせいなのだ。こうした主治医が、自らの診断や治療を見直すことはない。患者や家族が疑問をぶつけると、意地になって自分の方針に固執したり、逆切れや開き直りを始めたりする。そして最後は、こうオチをつける。「嫌なら出て行け!」

 精神科の無責任でいいかげんな「治療」が、重度の障害者を次々と作り出しているのではないか。そうした疑念は強まるばかりだ。そしてまた、タクヤさんという新たなケースに出会ってしまった。

 タクヤさんは病棟スタッフに連れられ、面会室に歩いてやって来た。年齢よりも幼く見えるかわいらしい顔立ちで、やさしい目をしている。身長はすらりと高く、健康に暮らせば女性にもてるタイプだろう。だが今は、左の鼻の穴に挿入された管が痛々しい。もうずっと食事を摂れず、鼻から栄養を補給しているのだ。長期服薬の影響で、肩や首が前傾気味になっている。

言葉を奪われた青年(2) ヨダレ垂らし「死にたい」

 タクヤさん(仮名)は幼少期、体が弱く、よく熱を出していた。「上の2人の子と比べるとあまり笑わず、いつも不安そうな顔をしていた」と母親は振り返る。言葉の発育が遅れ気味で、カ行がうまく言えず、「ばか」が「ばた」になったり、「ぼく」が「ぼち」になったりした。1人遊びが多く、同世代の子どもの輪に加わろうとはしなかった。

 5歳の時、自分から「サッカーやりたい」と言い出し、チームに入った。「急に生き生きとし始めて、練習から帰って来ると顔が輝いていた。試合でも楽しそうに動き回っていました。やっと子どもらしくなったと感じて、私もうれしかった」。ところが8歳の時、コーチが替わって勝つことが優先されるようになると、状況が一変した。

 タクヤさんはコーチに期待され、厳しい指導を受けるようになった。ある試合中、コーチはタクヤさんに次々と指示を飛ばした。タクヤさんは急に動けなくなり、しばらくその場に立ちすくんだ。

 「もうやめたい」。度々漏らすようになったが、サッカーを通して成長することを期待した父親が引き留めた。だが、試合前になると体調不良を訴えることが増え、練習でも生き生きとした表情が消えた。10歳でサッカーをやめた。

 「クラスの人たちがこそこそ悪口を言っている気がする」。そう言い始めたのは14歳の時。親しい友人が家に来ても居留守をつかった。いじめられていたわけではなく、「僕、頭がおかしくなっちゃったのかな」と自分でも不思議がった。少しすると被害妄想的な言動は消えたが、今度は宿題を一切やらなくなった。

 高校受験を控えた三者面談。担任教諭は「入れる高校がない。宿題がずっと滞っているから内申点が足りない」と告げた。その晩、タクヤさんは自宅のイスに座ったまま長時間動かなくなった。翌日以降も中学は休まず通ったが、帰宅するとイスに座りっぱなしになったり、1点を見詰めたまま立ち続けたりするようになった。食事をほとんど摂らなくなり、1か月で体重が15キロ減った。小児科に3週間入院し、点滴で栄養を補いながら少しずつ食べる練習をした。

 手を何時間も洗い続ける、深夜に泣きながら家中を歩き回る、服を脱いだり着たりを繰り返す、布団に入ったり出たりを繰り返す、シャワーを何時間も浴び続ける……。決まった動作を繰り返す常同行動が顕著になった。

 常同行動は、精神科では統合失調症の一症状などとして扱われてきたが、自閉症の人にも現れやすく、知的障害のないアスペルガー障害(アスペルガー症候群)の人が、強いストレス下で同様の状態に陥ることも知られるようになった。だが、発達障害の知識を持つ精神科医は依然として少なく、子どもの常同行動をすぐに「(初期や前駆段階の)統合失調症」と決めつけ、対応を誤るケースが後を絶たない。

 タクヤさんの常同行動は、母親たちが体を押さえても止まらなかった。一晩中、体力が尽きるまで家の中を歩き続けたり、立ち続けたりした。心配した母親は、15歳のタクヤさんを精神科病院に連れて行った。即入院になった。

 被害妄想や幻聴は表れていなかったが、主治医は「幻聴は間違いなくある。幻聴から脅されていて言えないんだ」と、まさに精神科医らしい妄想的、ご都合主義的な決めつけをし、「統合失調症」と診断した。さらに主治医は「肉親に会うと帰りたがるので、しばらく面会に来ないでください」と母親に伝えた。1か月後、2分間だけ面会が許された。タクヤさんは保護室で全身を拘束され、導尿もされてベッドに横たわっていた。母親の顔を見るなり泣き叫んだ。

 「これは虐待ではないか」。母親がそう感じたのも無理はない。タクヤさんは自分や他人を傷つけたわけではなく、同じ行動を家で繰り返していただけなのだ。主治医は、常同行動が起こった背景には無関心で、ただ動きを強制的に止めるため、体の自由を奪って導尿まで行った。こころを扱う精神科でありながら、思春期の複雑なこころには目を向けず、ズタズタに切り裂いたのだ。

 「今すぐ退院させたい」。母親は焦ったが、自宅に連れ帰っても、また常同行動を繰り返す可能性が高い息子にきちんと対応できる自信はなかった。ほかに相談するあてもなく、結局は病院を信じるしかなかった。

言葉を奪われた青年(4) 身の毛よだつ投薬

 2012年夏、大学病院に再入院した。主治医と共にタクヤさんを診ることになった精神科教授は「統合失調症なのか発達障害なのか、判断がたいへん難しいケースだが、薬は可能な限り少なくしていきたい」と話す。同病院では、抗精神病薬のエビリファイとリスパダール、抗うつ薬のパキシルなどを使ってきたが、11月に入り、リスパダールの減薬を始めている。

 長年にわたり相当量の薬が投与され続けたため、減薬中に症状が強まる恐れもあるが、単純に「症状悪化」と決めつけず、薬をうまく使い分けながら慎重に判断する必要がある。減薬が順調に進み、状態が安定すれば「言葉が戻る可能性はある」と精神科教授はみる。

 タクヤさんは一体何病なのか。専門家でも意見が分かれるだろうが、重症に至った原因を「病気の進行」だけで片づけてはならない。ここまで悪くなったのは、不適切な治療が原因ではないか。そうした検証が欠かせない。

 1種類の使用が原則の抗精神病薬が5種類、依存性のあるベンゾ系薬剤が3種類、そして薬の副作用として現れるパーキンソン症状を抑える薬が3種類……。これは患者を治すためではなく、潰すための投薬ではないのか。日本の精神医療の異常さに、身の毛がよだつ。

 2週間後。二度目の面会時には拘束は解かれていた。だが代わりに、鎮静目的で多量の向精神薬が投与されていた。タクヤさんの首は激しく前傾し、顎が胸についていた。両腕が震え、何かを持とうとしてもつかめない。両脇を支えないと立てず、すり足で歩幅が小さい小刻み歩行になっていた。ヨダレがダラダラと流れ落ちる口を必死に動かし、同じ言葉を繰り返した。「死にたい」「死にたい」「死にたい」「死にたい」「死にたい」



 うーむ。壮絶なドキュメントです。

 個人的には、記事をみる限りはどうみても発達障害で、どのへんが統合失調症なのか疑問ですが、時折統合失調症に特徴的な症状が前景に出ず全体的にレベルダウンする場合もあるので何とも言えませんね。常同行為やカタトニアなどがあるところからは発達障害っぽいですが。

 しかし現実的には、統合失調症なのか発達障害なのか分からないケースがホントに多いので、注意は必要です。それほどまでに、発達障害への理解が進んできたとも言えますし、統合失調症を早期に発見できるようになったとも言えます。

 ただ大事なことは何かというと、前医の診断を鵜呑みにしないこと、これに尽きるでしょう。

 まぁ薬が入ってしまうと著明な症状は出ないので、悩ましいところではありますが、前医からもらうのは詳細な情報だけでいいんじゃないかと思いますね。確かに精神科医というのは往々にしてそれぞれに得意分野があって、それに応じた対応をしてしまいがちです。薬が必要なのに心理療法で何とかしようとしたり、逆に心理療法だけで何とかなるのに薬だけでどうにかしてしまおうとしたり。診断も同様で、能力のない精神科医が開業していて、適当な診察で診断を下してしまうと、何だか分からなくなってしまい、その診断名だけが一人歩きしてしまうと最悪です。

 この症例も普通に考えれば、まず疑うべきは発達障害であって、むしろ統合失調症が隠されている可能性を考えて、少しでも手がかりをみつけようと詳細を聞いてから、抗精神病薬の投与を検討するのが妥当でしょう。

 ただ、この記事と逆に、間違いなく統合失調症の診断が下り絶対に薬が必要な症例であっても、親が抗精神病薬の投与に同意せず、悲惨な進行を遂げる統合失調症の症例も多いので、その点は悩ましいところですね。親との話し合いをしっかりするべきなのでしょう。こういった事実を広く伝えていただくことで医師も慢心せずに向上できるのですね。
posted by さじ at 00:51 | Comment(0) | 精神

2012年10月13日

都立広尾病院の研修医、病院内で相次いだ窃盗の疑いで逮捕。

都立広尾病院の研修医逮捕 病院内で同僚の金盗んだ疑い

 同僚のバッグから現金を盗んだとして、警視庁が、東京都渋谷区にある都立広尾病院の研修医M容疑者(32)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕していたことが同庁への取材でわかった。容疑を認め、「病院内で他に10回ほど、他人の財布から金を抜き取った」と供述しているという。

 渋谷署によると、M容疑者は9月27日午前9時40分ごろ、病院内の研修医医局の鍵を開けて侵入。いすの上に置いていた女性研修医の手提げバッグから、財布の中の現金5千円を盗んだ疑いがある。

 M容疑者が勤務を始めた8月から研修医医局内で盗難が相次ぎ、病院が9月に署に相談していた。

 病院庶務課は「医療に携わる者として、このような事件を起こしてしまったことは遺憾」としている。



窃盗:広尾病院研修中、医師が現金盗む 容疑で逮捕 /東京

 同僚のバッグから現金を盗んだとして、都立広尾病院(渋谷区)で研修していた医師、M容疑者(32)が窃盗容疑などで逮捕されていたことが渋谷署への取材で分かった。容疑を認め、「8月下旬から広尾病院で10件ほどの盗みをした」と供述している。

 逮捕容疑は9月27日午前9時45分ごろ、同病院の地下1階の研修医医局に侵入し、机の上にあった女性医師(24)のバッグに入っていた財布から現金5000円を盗んだとしている。



都立広尾病院の研修医逮捕 病院内で同僚の金盗んだ疑い

 同僚のバッグから現金を盗んだとして、警視庁が、東京都渋谷区にある都立広尾病院の研修医M容疑者(32)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕していたことが同庁への取材でわかった。容疑を認め、「病院内で他に10回ほど、他人の財布から金を抜き取った」と供述しているという。

 渋谷署によると、M容疑者は9月27日午前9時40分ごろ、病院内の研修医医局の鍵を開けて侵入。いすの上に置いていた女性研修医の手提げバッグから、財布の中の現金5千円を盗んだ疑いがある。

 M容疑者が勤務を始めた8月から研修医医局内で盗難が相次ぎ、病院が9月に署に相談していた。



病院で24歳女性医師の現金盗む 32歳研修医逮捕

 病院で同僚の財布から現金を盗んだなどとして、警視庁渋谷署は窃盗などの疑いで、東京都世田谷区桜丘、研修医、M容疑者(32)を逮捕した。同署によると、「8月下旬ごろから、病院内で10件ぐらい盗みをした」と供述しているという。

 逮捕容疑は9月27日午前9時45分ごろ、渋谷区恵比寿の都立広尾病院地下1階の研修医医局内で、同僚の女性医師(24)のバッグ内の財布から現金5千円を盗んだとしている。

 同署によると、M容疑者は研修のため、都内の別の病院から広尾病院に来ていた。研修医医局内で盗難が続いたことから病院側が内部調査。M容疑者が関与を認めたため、同署に通報した。



 噂では、この研修医は都立松沢病院でも窃盗を繰り返していたそうですね。その時点で内々にしていたということは、どうなんだろうかという気もしますが。しかも都立松沢病院といえば精神科の大御所うーん。。。

 今後、医者やっていけるんでしょうかねー。やっていけたとしてもこんな精神科医はダメでしょうな。

 さてさて、精神科の中でも意外とマイナーな用語「クレプトマニア」についてご紹介。

 クレプトマニア(窃盗癖)は、抵抗困難な窃盗衝動を特徴とし、行為の不合理性(了解不能性)と反復性の2点をもって病的とされます。不合理であることの基準は、盗品自体には必要性や価値がないこと、あるいは購入可能な金銭を所持しているにもかかわらず窃盗行為がみられることです。

 以前も獨協医大のバカ女子医学生がブランドもののバッグを寮から盗んだとして逮捕されましたが、アレはクレプトマニアかどうか微妙なところです。本当に欲しいものでしたからね。しかしこの事件の研修医は、参考書だとか、小額のものだとか、明らかにリスクのほうが大きいものを何度も行っているあたり、ありえない。社会人として、医者として、ある程度の収入があるにもかかわらずやってしまうあたりが、衝動を抑えられなかったのかなぁと推察するに至ります。

 DSM-IVではどのような診断基準になっているのでしょうか。

A.個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗出来なくなることが繰り返される。
B.窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり。
C.窃盗をおかすときの快感、満足、または解放感。
D.盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻覚に反応したものでもない。
E.盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明できない。

 また、これ以外に、窃盗行為を生じる疾患を除外する必要があります。頭部外傷(前頭葉損傷)、左側頭葉てんかん、認知症、右側に進展した咽頭口蓋腫、インスリノーマに伴う低血糖症が報告されています。

 クレプトマニアは、男性よりも2、3倍ほど女性に多いとされており、女性性機能や月経サイクルとの関連性を指摘する報告もありますが、明確な理由には至っていません。

 治療に関して、ですが。支持的関わりが基本で、断罪的態度にならないことが重要です。その上で、気分障害や、強迫性障害、物質使用障害などの併存症があれば、その治療を優先します。もし解離性障害などの解離症状が存在していれば、家族関係を含めた環境調整を行う必要があります。

 行動療法として、窃盗行為と逮捕時の不快な場面を交互にイメージすることで、窃盗に対する嫌悪反応を形成するのが有効とされています。薬としてはSSRIが使われています。しかし有効性ははっきりせず、エスシタロプラムの場合などプラセボとの比較で再発率に差はなかったとされていることから、窃盗衝動そのものの改善ではなく、うつ病や強迫性障害に合併した窃盗癖だったのかもしれません。
posted by さじ at 18:46 | Comment(0) | 精神

2012年10月09日

統合失調症のMRIでは視床から前頭葉への神経線維が細くなっている。

統合失調症、脳神経の一部に異常 京大グループ特定印刷用画面を開く

 統合失調症の患者の脳に神経などの異常があることを京都大医学研究科の村井俊哉教授や宮田淳助教、大学院生の久保田学さんたちのグループがMRI(磁気共鳴画像装置)の画像解析で突きとめた。統合失調症の発症メカニズムの解明や治療法の開発につながる成果で、米精神医学専門誌で4日発表する。

 脳の奥にあり、脳内のさまざまな情報を統合する「視床」から、大脳で思考や意欲をつかさどる「前頭葉」に伸びている神経の束「神経線維」を見ると、患者の神経線維は細く、神経が結合する部分の大脳皮質が薄くなっていた

 視床から前頭葉への情報伝達がうまくいかず、その結果として、情報を受け取る皮質の厚みも薄くなった可能性がある。久保田さんは「これらの神経や皮質に作用する薬剤が見つかれば、統合失調症の新たな治療薬として期待できる」と話している。



 全てが解明されていないだけで、統合失調症は奇妙な病気でも何でもない、神経の病気なんですよねぇ。日本ではまだまだ偏見多いですけれど。

 こういうのが少しずつ分かってくると、治療法も確立されてくるんでしょうけれどね。頑張っていただきたい。
posted by さじ at 01:00 | Comment(0) | 精神

2012年10月08日

名古屋市の中学校に精神科医を試験的に配置する。

中学校に精神科医を試験配置 名古屋市、学校の要望受け

 名古屋市は10月から、児童精神科医を中学校1校に校医として試験的に配置する。学校側へのアンケートで要望が高かったことを受けて実施する。市教育委員会は「身近に相談できる校医がいれば、先生や生徒の安心感にもつながる」と効果を期待する。

 精神科の校医が常駐するのは、緑区の市立滝ノ水中。藤田保健衛生大の40代の男性医師が派遣される。同校では、生徒のうつ病や発達障害を早期発見するため、アンケートなどを年に数回実施する。試験配置の期間は未定だが、市は今後、他校への拡大も検討する。

 市は8月に市内全110の市立中学校にアンケートを実施。「過去3年間に精神科医に相談したい事案があった」と回答した学校は約6割の67校に上った。また、「保護者や生徒が精神科医に相談したいと話すのを聞いたことがある」と答えた学校も5割に上ったことから試験配置を決めた。



 生徒のうつ病って。中学生の、本物のうつ病なんて、いるのかなー。

 発達障害を発見するなら、小学校に常駐したほうがいいと思うし。

 多感な年頃だから、とりあえずメンタルの専門家を置きたいってところなんでしょうか。いじめや受験疲れで抑うつ状態になった生徒のケアをしてもらうというか。まぁそういう意味では大きな意味あると思いますけど、本当は偏見持たずに精神科を受診してもらうのが一番ですけどね。そういう理解のある聡明な親御さんもなかなかいないので早期発見が遅れてしまうんでしょうけれども。
posted by さじ at 16:12 | Comment(0) | 精神
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