[循環]の記事一覧

2008年09月21日

スタチンの発見者、遠藤章名誉教授がラスカー賞受賞。

遠藤章氏にラスカー賞…「スタチン」発見

 米ラスカー財団は14日、コレステロール値を下げる物質「スタチン」を発見した遠藤章・東京農工大特別栄誉教授(74)にラスカー賞臨床医学賞を贈ると発表した。この発見をもとにコレステロール低下剤が開発され、心臓病などの予防や治療に画期的成果をもたらしたことが評価された。

 日本人では、過去にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進・マサチューセッツ工科大教授ら4人が基礎医学部門で受賞したが、臨床医学部門では初めて。遠藤特別栄誉教授は、製薬大手「三共」(当時)の研究員だった1973年、体内でのコレステロール合成に必要な酵素の働きを強力に抑えるスタチンを、コメの青カビから発見した。スタチンの製剤化は87年、米企業に先を越されたが、三共も89年に発売。その後も大手メーカーが参入し、現在は世界で3000万人以上の患者が使用する

 ラスカー賞は45年に創設され、受賞者の75人が後にノーベル賞に輝いている。



 スタチンの発見。革命的治療薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬です。

 まさに画期的な発見でした。ノーベル賞は当然・・・と思いきや、1985年、遠藤氏の協力を得てコルステロールの作用の解明をしたアメリカのブラウンとゴールドシュタインに与えられました。おそらくノーベル賞はとれませんが、スタチンの発見という功績は紛れもなく本物です。

 おめでとうございます!

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2008年08月31日

補助人工心臓を管理する「人工心臓管理技術士」の資格

人工心臓の管理に資格 学会が創設へ「埋め込み型」普及で

 日本人工臓器学会など3学会は、重い心臓病患者の体内に埋め込まれた補助人工心臓のメンテナンスなどを行う新たな資格「人工心臓管理技術士(仮称)」を創設することで合意した。

 早ければ来年、研修を受けた臨床工学技士や看護師らを資格認定する。

 日本では心臓移植が伸び悩み、補助人工心臓を装着する患者が増えている。従来の補助人工心臓は、冷蔵庫のような大型装置で入院が必要だったが、近年、血液を送り出すポンプの小型化で、埋め込み型の補助人工心臓が普及。自宅で過ごすことも可能になり、許俊鋭・東京大特任教授によると、将来は年間500人が新たに埋め込み型補助人工心臓を装着すると見られる。

 そのため、装置の管理を行う人材が必要となり、同学会と日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会で、人工心臓管理技術士を育成することにした。有資格者は、人工心肺装置などの経験を持つ臨床工学技士や看護師らを想定。在宅管理に移行する患者や家族に装置の取り扱いを指導したりする



 もはや日本で心臓移植を期待するのは難しいかもしれませんね。死生観の違いというのもあるでしょうけれど、脳死臓器移植もなかなか数が伸びませんし、臓器を提供するということに関して否定的(無関心?)な国民性もありますし。
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2008年08月17日

高血圧の治療薬で症状を完治させよう。

完治の可能性秘めた降圧薬、慶大が研究参加者募集

 これまでは一時的な降圧効果しかないと考えられていた高血圧の治療薬が、症状を完治させる可能性があるとして、慶応大の篠村裕之専任講師らのグループが服用を中断してみる研究を行っている。

 効果が確認されれば、薬を一生飲み続ける必要がなくなるという

 研究の対象は、60歳未満で、上の血圧が140〜159の軽症高血圧患者。標準的に使われる降圧薬を1日1回、1年間にわたって服用してもらい、1か月かけて量を減らしてから1年間様子を見る。その間は週3日、朝晩の血圧値を簡易型携帯電話(PHS)を通じて学内のセンターに送り、ぶり返してないか監視する。

 高血圧の症状を持つラットを使った動物実験では、20匹すべてが服用をやめてからも血圧が下がったままだったという。篠村専任講師は「服用をやめてから仮に症状が戻っても、量を最小限にできないか工夫したい。大幅な医療費の削減につながってくれれば」と話していた。

 グループは研究の参加者を募っている。問い合わせは事務局(0120・178797)。



 うおおおっ

 今までは高血圧症に対する薬といっても、毎日飲み続けなければ、すぐに血圧が戻ってしまうもの、という認識がありました。しかし、もしかすると飲み続けなくても効果は持続するのでは?と。

 高血圧の人って、かなりいますからね。毎日大勢の人が飲んでいる薬なだけに、その薬価は馬鹿になりません。もし効果が出て、正しい飲み方が出来れば、かなりの量の薬を減らせると思います。それに毎日薬を飲むというわずらわしさから開放されるのは願ってもないことですしね。

 興味のある方は是非。

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2008年08月02日

リンパ浮腫の治療に、医療用弾性ストッキングを。

リンパ浮腫 治療用ストッキング

 手足がむくむリンパ浮腫の治療に使う医療用の弾性ストッキングなどに今年4月から保険が適用されている。一度自分で購入してから払い戻しを受ける方式で、慣れないとわかりづらい。賢く制度を利用したい。

 リンパ浮腫は、リンパ液の流れが滞り、皮膚と筋肉の間にたまって起きる病気。がんの手術や放射線治療後に、リンパ管が傷ついて起きる場合と、生まれつきリンパ液の流れが悪い場合がある。全国で12万人もの患者がいると推定されている。

 根本的な治療法はなく、弾性包帯という特別な包帯を着用して運動したり、マッサージをしたりして、たまったリンパ液の流れを改善する。日常生活では、弾性ストッキング(腕の場合は弾性スリーブ)を着用して、たまるのを防ぐ。

 今回の保険適用の対象は、弾性ストッキング、スリーブなどだ。まず医師に指示書を書いてもらい、自費で購入。指示書と領収書を加入している健康保険組合(国民健康保険の場合は居住地の市区町村)に提出すると、自己負担分以外が現金で還付される

 ただし、保険適用になるのは、1年に2回、1回につき2着までで、例えばストッキングだと、片足用で1着2万5000円までと価格の上限が設定されている。対象はがんの治療後に起きたリンパ浮腫の患者に限られ、生まれつきのリンパ浮腫には適用されない。むくみの程度が重い場合は、定期的に専門家にマッサージを受けるなどの治療が必要だが、保険は適用されていない。

 また、がんの手術の時に受けるリンパ浮腫のケアの指導も4月から保険適用になった。リンパ浮腫になりやすい子宮、卵巣がん、前立腺がん、乳がんが対象だ。

 リンパ浮腫の治療や、治療の専門家の育成に当たっている後藤学園付属リンパ浮腫研究所の佐藤佳代子さんは「一部ではあるが、健康保険が適用になったことは朗報。自分に合ったストッキングなどを正しく装着しないとかえって悪化することもあるので、医師などの専門家と十分相談してほしい」と話している。



 弾性ストッキング、結構いいらしいですね。

 リンパ浮腫でお嘆きの方、是非試してみては?半年ぐらいもつらしいので。

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第50回国際脈管学会に学ぶ、最先端血管治療法。

血管治療法探る…国際脈管学会に250人

 第50回国際脈管学会がこのほど、東京・港区の東京慈恵医大で開かれ、米国やイタリア、カナダなど23か国から約250人の血管の専門家が参加した。

 胸部や腹部の大動脈りゅう、頸動脈狭さく症、足の閉塞性動脈硬化症など、老化に伴う動脈硬化に関係する血管の病気が対象だ。患者が多い欧米で先進的に研究が進み、現在は、従来からの胸や腹を開く手術にかわり、ポリエステル製の人工血管に金属の網を折り込んだステントグラフトを利用した治療が広がっている。患者の体への負担が少なく、入院も3〜4日で済む。

 日本では、食生活の欧米化や高齢化を背景に近年、患者が増えているが、血管の専門家は多くはないのが実情だ。学会長を務めた同大・血管外科教授の大木隆生さんは、「人は血管とともに老いる。最新の治療法を普及させたい」と話す。

 学会では、同大の医師が、今月から保険適用になった胸部大動脈瘤のステントグラフト治療について、過去2年間に行った60件の結果を報告。術後に心筋梗塞で1人死亡した(死亡率1・7%)が、アメリカの開胸手術の死亡率6%よりも低く、安全なことを明らかにした

 一方、米国の医師らは、ペースメーカーに似た装置を首に埋め込み、電気信号を送ることで高血圧を改善した例や、高脂血症の治療薬の一部が血管の老化を予防する効果があることなどを発表した。



 ステントグラフト、かなり広まりつつあります。血管系ならばもはや大きな手術をしなくても治ってしまうことがしばしばです。

 アメリカの、ペースメーカーを用いて高血圧を予防する、というのがちょっと魅力的ですねぇ。高血圧のせいで様々な疾患が起こり、死亡しているのが現状ですし、日本人は元々しょっぱいものを好んで食べるので、高血圧との関係性が高いといわれていますし。

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2008年07月19日

実はせっかちな人のほうが心筋梗塞になりにくい。

せっかちは心臓病少ない? 男性、欧米と逆の結果

 「せっかち」「怒りっぽい」などの特性がある男性は、比較的のんびりした人より、心筋梗塞などの虚血性心疾患になりにくい可能性がある−との疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が18日、発表した。

 欧米の研究では逆に、せっかちな方が日常のストレスが大きく、心疾患のリスクが高いとされている。今回の調査でも女性は、欧米と同様の傾向がみられた。

 研究班の磯博康大阪大教授(公衆衛生学)は「日本では、せっかちな男性の方がストレスを意外にうまく発散し、のんびり型の男性が内にストレスをため込む傾向があるのかも」と話している。

 調査は1990年以降、岩手など8県の40−69歳の男女約8万6000人を、平均で約11年半追跡。この間に約670人が心疾患を発症した。またアンケートでせっかちさや怒りっぽさ、競争心の強さなどを尋ねて結果を数値化。数値の高さで4つのグループに分け、心疾患との関連を分析した。



 へぇー。案外活動的にストレスを発散できているんですかね。せっかちな人って常にイライラしてる印象ですが。

 怒りっぽい人がストレス発散できるというのは、なんとなく分かりますね。彼らは理不尽に人に怒り散らしているので。笑

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2008年07月18日

20世紀最高の心臓外科医、マイケル・ドゥベーキ医師が死去。

マイケル・ドゥベーキ医師が死去、20世紀最大の天才的心臓外科医

 数々の手術法を考案し心臓外科をリードしてきた心臓外科の最高権威、マイケル・ドゥベーキ医師が11日、死去した。99歳だった。

 ドゥベーキ医師は1908年9月7日に米ルイジアナ州で誕生。チュレーン大学医学部在学中に23歳の若さで世界初となる人工心肺を発明。医学部を卒業し専門の心臓外科医となってからは人工心肺を使った手術法や、心臓血管のバイパス手術法を考案するなど、現在の心臓外科手術では無くてはならない数多くの手術法を考案。

 研究分野で並外れた業績を上げてきただけでなく、実際の外科手術においても天才的な能力を発揮。9000件以上にも渡る外科手術を行ってきた。

 MASHの名称で有名は米陸軍の移動野戦病院のコンセプトを考案したのもドゥベーキ医師の功績の一つとなる。



 20世紀前半の医師って、若い頃に凄いことをやってのけますよね。

 膵臓のランゲルハンス島を発見したパウル・ランゲルハンスも、医学生時代に表皮の樹状細胞(後にランゲルハンス細胞と呼ばれる)を発見していますし。

 その当時って学生であってもかなりのレベルの医療を行えていたんでしょうか。倫理観が伴っていなかったためにやりたい放題だった可能性も否定できませんが。。。

 マイケル・ドゥベーキ医師は、23歳という驚異的な若さで人工心肺を発明した、まさに天才外科医です。その他の業績も、圧倒的に凄いことばかり。心臓外科を引っ張り続けたマイケル・ドゥベーキ医師の、ご冥福を、お祈り申し上げます。
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2008年06月23日

北京ダックの皮の表面は心臓病の死亡率を減少させる。

北京ダックを食べると心臓病による死亡率が低下

 北京ダックは単なる御馳走ではなく、食べた人の身体にさらなる健康がもたらされるという。これには確かな科学的根拠がある。英国メディアが伝えた。

 研究者はこのほど、北京ダックの皮表面に塗る色付け用の紅曲米(紅麹の一種)が、心臓病による死亡率を3割減少させることを発見した。この研究報告は、「米国心臓病学雑誌(American Journal of Cardiology)に掲載された。研究者は紅曲米の効果が抗コレステロール薬として高く評価されている「スタチン」より高いと見ており、今回の発見が、心臓病の改善に一明の光をもたらすことが期待される。

 紅曲は中国で1千年以上にわたり食品防腐剤・色素・調味料として用いられてきた。薬としても1千年の歴史があり、血液循環の改善や消化促進などの効能を持つ。紅曲菌を米に混ぜて発酵させると紅曲米が出来上がる。心臓病は今や、世界各地で人々の健康を損なう重大な疾病となっている。治療方法としては、「スタチン」を処方して、患者の動脈への脂肪の蓄積を防ぐのが一般的な方法だ。しかし、医師は、紅曲米を食べすぎると肝臓を損なう恐れがあり、自分で薬として勝手に服用せず、心臓病患者は医者に相談してから服用するよう警告している。



 スタチンより高いとなると、かなりの効果が期待できるのではないでしょうか。

 しかし北京ダックでなくても、その表面の着色料みたいなものに効果があるわけですからね。何も北京ダックを犠牲にせんでも。

 なんだかよく分かりませんけれど、よくぞまあ北京ダックの皮なんか研究したなって感じです。
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血圧が正常な人が減塩食を食べるとかえって心臓に悪い。

減塩食はかえって心臓に悪い

 減塩食は、塩分を多く摂取するよりも心臓に悪いという驚くべき結果が新しい研究で示され、医学誌「Journal of General Internal Medicine」オンライン版に5月9日掲載された。この報告を行った米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)疫学准教授のHillel W. Cohen博士は、「減塩食は『無害である』と一概にはいえないことが示された」と述べている。

 Cohen氏らは、1988〜1994年に米国人8,700人を対象に実施された米国民健康栄養調査(NHANES)に着目。被験者はいずれも30歳以上で、特別な減塩食を実行している人はいなかった。2000年までに被験者に生じた事象について調べた結果、喫煙や糖尿病などの影響を考慮して統計結果を調整した後も、塩分の摂取が最も少ない25%に属する被験者は、摂取が最も多かった25%に比べて心疾患による死亡リスクが80%高かった。

 Cohen氏は、一部の人にとって塩分が有害であることを無視するつもりはないとしている。心疾患予防のためには減塩食をと言われてきているのは、塩分を多く摂取することと高血圧に関連があるからである。しかしながら、多くの研究から、塩分摂取による血圧の変化が極めて軽度(modest)であることが示されている点をCohen氏は指摘し、血圧が正常で健康な人に減塩を勧めることへの疑問を投げかけている。今回の研究では、塩分摂取が何らかの別の因子を反映している可能性もあるが、研究グループはその可能性もできる限り考慮したという。

 米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)のHoward Sesso氏は、既存の疾患が隠れた因子となっている可能性を指摘する。被験者は、心疾患や高血圧、糖尿病であったために塩分摂取を控えたのかもしれないが、そういったことが考慮されていない可能性があるという。塩分の害に関する研究では、さまざまな結果が示されており、「血圧の正常な人は塩分の摂取を続けてもよいが、適度(moderation)を心がけ、最も大切なのは食生活全体であることを心に留めておく必要がある」と同氏は述べている。



 まぁ確かに本来生き物である以上、塩分は必要なもの。

 しかしながら現代においてはどうしても「過剰摂取」してしまいがちです。特に日本では味噌醤油といったものを頻繁に使うため、塩分過多になりやすい。

 記事で述べられている注意点としては、「血圧が正常ならば塩分は適度にとるべし」というもの。確かにその通りです。

 減塩食が必要なのは、高血圧の人だけ。高血圧の人はまず、薬での治療も必要ですが、同時に減塩食も心がけないといけません。ある程度の人は、薬を飲まなくても、減塩食を行うだけで血圧が下がりますしね。それだけ日常的に、塩分を取っているということにもつながりますし。

 要するに誰しもが減塩食にすればいいっていうわけではなくて、血圧の高い人は減塩食にしましょうよ、ってことだと思います。なんかこう書くと当たり前のことのようですが…。

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2008年06月09日

心筋の成長を促すたんぱく質IGFBP-4を発見する。

心筋成長促すタンパク質発見 千葉大 心臓再生治療へ道

 心臓の形成に必要な上、万能細胞が心臓の筋肉「心筋」に分化するのを促すタンパク質を発見したと、千葉大のグループが四日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。さまざまな臓器などに分化できる万能細胞の一種「ES細胞」に、このタンパク質「IGFBP―4」をかけると、ES細胞が心筋になることを確認した。心筋梗塞や心不全の患者の心臓再生治療に役立つ可能性もあるという。

 IGFBP―4を発見したのは、千葉大付属病院(千葉市中央区)の小室一成教授(循環器内科)らのグループ。さまざまな細胞をマウスのES細胞と一緒に培養し、ES細胞を心筋にする細胞を選抜。この細胞が分泌していたのがIGFBP―4で、ES細胞が心筋になる確率を約二十倍に高めた。カエルの胎児でIGFBP―4を抑制すると心臓ができないことも分かり、心臓の形成に欠かせないことが示された。

 今後、ES細胞や「iPS細胞」(新型万能細胞)から効率的に心筋を作り出して心臓に移植する方法や、心筋梗塞や心不全になった心臓に直接IGFBP―4を注入して心筋を再生治療する方法の確立を目指す。重症な心不全の治療法は現在心臓移植しかないが、国内での実施例は少ない。小室教授は「今まで治療が難しかった重症な患者さんたちの治療に役立てたい」と話した。

 IGFBP―4は「Wnt」という心臓の発生を制御するタンパク質の作用を阻害していたことも判明。Wntはがんなどさまざまな病気に関係しており、IGFBP―4を使ってがんの肥大化を抑制するなどの応用も考えられるという。



 心臓移植がなかなか出来ない以上、数多くいる虚血性心疾患の患者さんを救うためにもこの分野での活躍が求められます。

 この記事の医療は、心筋を再生するのにふさわしいたんぱく質を特定したというものです。以前より取り上げてきた「心筋シート」による治療法もかなり期待できますが、こちらも応用できそう。臨床で使われれば、心臓の機能を上げることで寝たきりの患者さんを減らすことも夢ではありません。

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2008年05月17日

サイパンの心臓病の新生児を、あいち小児医療センターで手術

サイパンの心臓病新生児の命助かる あいち小児医療センターで手術

 米国自治領サイパンで生まれた重い心臓病の新生児が県立あいち小児保健医療総合センター(大府市)で手術を終え、14日に退院した。現地では心臓手術に対応できないため、北マリアナ諸島連邦(サイパン政府)と同センターは2月に医療協力で合意したばかり。初の適用ケースとなった。

 フィリピン出身の両親から3月下旬に生まれた長女アンジェラ・ビラモアちゃんは1万−2万人に1人という心臓奇形の先天性心疾患。手術しなければ1カ月ほどで死んでしまうところだった。

 空路で中部国際空港(常滑市)を経て、4月8日にセンターに入院。同10日、人工血管で肺動脈に血が流れるようにする手術をした。血中酸素が欠乏するチアノーゼで真っ黒だった顔も、すっかり色つやを取り戻した。1、2年後に再び手術して完治する。

 母親のユセミアさん(38)は「大変幸せ。医師の力で娘の命が助かった」と満面の笑み。父親のレガラドさん(44)も「娘にかかわったすべての人にお礼を言いたい」と話した。

 合意内容は、渡航費や治療費をサイパン政府が負担し、現地で対応できない高度な医療をセンターが引き受ける。2年前、心臓病手術のためサイパンから米国へ向かった新生児が機内で容体が悪化、中継地の中部空港からセンターに搬送され一命を取り留めたことがきっかけ。空路でハワイや米国本土は長時間かかるが、中部なら4時間半で済む。

 この日、サイパン政府のジョセフ・ケビン・ビラゴメス公衆衛生局長(47)も駆け付けてセンターにお礼を述べた。執刀した副センター長兼循環器科部長の前田正信医師(58)は「医者として一つの命を救えた満足感がある。サイパン政府の思い切った決断は高く評価できると思う」と話していた。



 このニュースがきっかけになりました。

医学処:完全大血管転位症を治療するためアメリカへ、向かう途中の日本で手術成功

 なんといっても、サイパン政府が、同じ国であるアメリカで治療を行うのではなく、同レベルの医療を提供できるよその国に治療をお願いしている点が、凄い。大変評価できる、柔軟な思考です。ワケのわからない柵にこだわるのではなく、幼い命をできるだけ優先すべきですからね。
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2008年05月16日

静岡県に経皮的頸動脈ステント留置術の指導医が誕生する

脳梗塞防ぐ「指導医」頸動脈に新治療法袋井病院部長を認定

 袋井市立袋井市民病院の市橋鋭一・脳神経外科部長(47)が、脳梗塞の原因となる「頸動脈狭窄」に対する新しい治療法「経皮的頸動脈ステント留置術」の指導医に、県内で初めて認定された。この治療法は、4月から保険が適用されるようになったばかりで、入院期間が従来の半分程度で済むなど、患者の体の負担が少ないのが特徴。市橋部長は「ステント治療に適した患者は多い」として、普及を目指している。

 のどの横の左右にある頸動脈は、最も動脈硬化が進みやすい部位の一つとされる。肥満などが原因でこの血管が詰まるのが頸動脈狭窄で、脳に血液が行かなくなり、脳梗塞の原因となる。

 この病気は従来、頸動脈を切開し、血管内側にコレステロールがたまってできる病変「プラーク」を削るのが標準的な治療法だったが、この手術は全身麻酔が必要なうえ入院も1週間から10日以上に及ぶなど、患者の負担が大きい。高齢者や心臓病などの合併症がある人は危険も伴う。

 これに対し、最近広まっている「ステント留置術」は、足の付け根からカテーテル(細い管)を挿入し、プラークができている頸動脈の内側に金属製の網状の筒「ステント」(直径6〜20ミリ、長さ2〜6センチ)を留置する方法。局所麻酔でできるうえ、入院も3〜5日程度で済む。高齢者にも行いやすく、昨年度は全国で約3800件が行われ、手術の約2500件を上回ったが、保険が適用されず、数十万円の費用がかかっていた。

 新しく保険適用されたステントは米国の医療機器メーカーが販売している。厚生労働省は、この製品を安易に使用した不適切な治療が広がるのを防ぐため、対象患者や治療承認の条件を制限している。

 市橋部長はステント治療全般で150件程度の実績があったが、新たに講習を受けてこの新製品による治療を重ねた。その結果、新しいステントと関連器具を使え、他の医師に技術を教えることができる指導医として、国内の関連する12学会の基準を満たし、厚労省の定める製品使用条件をクリアした。

 市橋部長は、「この治療法は、頸動脈狭窄への優れた選択肢」と話す。市橋部長は沼津市や浜松市などの病院にも出向いてこの治療の指導を始めており、今後の普及が期待される。



 実際にテレビや新聞を目にしているだけでは手に入らない治療法というものはかなりあります。それはもう、入院した病院による、としかいいようがありませんけれど、効果のある治療法ならば日本全国どこの病院でも出来るようになるべきですよね。それこそが日本の医療の特徴なのですから。

 こういう、各地域ごとのパイオニア的存在が、精力的に指導してくれることで、地域の医療レベルが向上するというのは本当にありがたい話です。医療は一人じゃできません。先人たちの何も大学病院でなくても、こういう治療が出来るんだ、と。

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2008年04月27日

混合型血管奇形を難病指定にするよう求める。

血管の病気、難病指定求める

 原因不明で治療法が確立していない血管の病気「混合型血管奇形」の患者団体(岐阜県各務原市)が25日、厚生労働省に難病指定を求めて14万4761人分の署名を提出した。

 患者団体によると、混合型血管奇形は、先天的に一部の血管が異常に成長してあざができ、その部分を強打すると大量出血する疾患。患部を切除しても再発することがある。連絡先は「混合型血管奇形の難病指定を求める会」(058・375・3181)。



 そもそも難病とは?

 (1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病

 (2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

 と定義されています。難病指定されると、何より国が難病の原因究明や治療法の確立に向けて動き出すので、得体の知れないものに苦しんでいる患者さん、その家族にとっては大きなメリットがあります。逆に国としては、難病指定するとそれだけ医療費が増えるために、なかなか認めたくないようです(難病指定されている潰瘍性大腸炎の患者数が増えているために、難病指定を外そうという動きまで見られるほどです)以下、別ソースより。

  活動を始めたのは母親の佐藤朋子さん(31)と佐藤さんの父顕さん(62)。

 女児は誕生後、異常が判明。すぐに美濃加茂市の病院から岐阜市の長良医療センターに転院し、朋子さんが初めて会ったのは生後13日目。窓越しの対面だった。

 左腹部、左足に盛り上がった赤い腫瘍があり、原因不明の高熱も出て、入院や手術を繰り返す闘病生活が続いた。

 東京の専門医の診断で「混合型血管奇形」と分かったのは4歳の時。専門医は「こんなに大きな腹部の腫瘍は初めて見た」と言い、手術は難しく、仮にしたとしても完治できるか保証できないことを説明したという。

 患者が少ないこともあり、国内の専門医は10人ほど。現在は県内で定期的に検査を受け、そのデータを持って東京の主治医に通い経過観察をしている。

 女児は地元の保育園に通い一見活発だが、左足が右足より1センチ長く、背骨が曲がり始めるなど骨にも異常が現われてきた。来春、小学生になるが最近は、「わたしはおなかに病気があるから、赤ちゃんは産めないだろうな」と言うなど、自分の病気について理解してきたという。

混合型血管奇形

 動静脈、毛細血管、リンパ管のうち、複数の血管の先天性形成不全のこと。あざや腫瘍のような症状が出る。患部を強打すると大量出血を起こしたり、ウイルスに感染すると患部全体に広がり命にかかわる恐れもある。また、背骨や骨盤など骨への悪影響もあるという。下肢に発症した場合は「クリッペルウェバー症候群」という病名になる。全国で唯一、東京都が同症候群に対して医療費助成をしている。

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2008年04月23日

足の異常を自覚しても、ほとんどが病院に行かない。

足の動脈硬化、自覚しても病院に行く人は16%――J&J調査

 閉塞性動脈硬化症の自覚症状があっても病院に行く人は16%。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が実施した「足に関する認識調査」で病気への理解が不十分なことが浮き彫りになった。

 「歩行中、足にしびれや痛みを感じ、少し休むとしびれや痛みが消える」という症状を感じた際の対処方法で、最も回答が多かったのが「安静にして様子を見る」の39%。次いで「何もしない」の22%だった。



 末梢のほうの、循環障害って、一番最初に出てくる警告です。

 糖尿病が進んでいるかどうかをみるときに、足の振動覚(震えを感じるかどうか)や、足が冷たくないかとか、アキレス腱反射や膝蓋腱反射を診ます。閉塞性動脈硬化症は糖尿病の合併としても現れやすいので注意が必要です。糖尿病でなくとも、動脈が硬化するリスクとなれば閉塞性動脈硬化症を来たしやすいです。例えば高脂血症とか。

 臨床では、よくABIなども用いられますね。ABIは、下肢と上肢の血圧の比で、正常では下肢が下にあるぶんやや下肢の方が血圧が高く、ABI>1となります。閉塞性動脈硬化症の患者では、この比が1未満、場合によっては0.5未満にまで低下することも。下肢の血管の硬化で血圧が低くなるのですね。

Fontaine分類

1度:下肢の冷感や色調の変化
2度:間歇性跛行(数十〜数百m歩くと痛みのため歩行継続不可能になる症状。)
3度:安静時疼痛
4度:下肢の皮膚潰瘍。糖尿病などによる末梢神経障害がない限り、患者は激痛を訴える。
5度:下肢の壊死。下肢の温存は不可能であり、切断の適応となる。

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2008年04月08日

時間が経つと体内で吸収されるステント、新発売。

血管広がり保つ「ステント」、体内吸収型発売へ 世界初

 狭まった血管に入れて広がりを保持する「ステント」という医療器具を、体内で分解・吸収される製品とすることに、京都のメーカーが成功した。欧州基準への適合を認められ、初夏にも欧州で発売される。生体吸収性ステントは欧米で研究中だが、販売のめどが立ったのは世界初という。将来は日本でも承認を目指す。

 開発したのは、医療器具製造販売「京都医療設計」(京都市山科区、伊垣敬二社長)。器具は網型の筒状で直径5〜8ミリ、長さ3.6センチ。動脈硬化などで狭まった血管内の病変部に入れ、風船状のバルーンカテーテルで押し広げて固定。血流を確保する。今回の製品は、材料に生体分解性ポリマーのPLLAという合成樹脂を使用。水分で分解されて2〜3年後には血管内に吸収されるのが特徴だ。

 PLLAは、今も骨をつなぐピンとして治療に使われている。開発では血管内で筒状の形を数カ月保てる強度にするため、化学構造を工夫した。

 03年からドイツなどの病院で臨床試験。昨秋、医療器具としての流通が可能になる欧州の安全性基準「CEマーク」を取得した。足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症などを対象に販売される。

 従来の金属製ステントは、一度挿入すると取り出せない。入れた場所より奥で再び狭窄が起こっても、残ったステントが邪魔になって再挿入できなかった。生体に吸収されれば後年、再び挿入できる。子どもに対しても、成長に応じて大きさを変え、複数回入れられると期待される。

 同社は従業員約60人の小規模メーカーで、ステント担当はうち10人。技術者でもある伊垣社長が先頭に立ち、15年かけて開発した。「挿入しやすさや細い血管への適用は、まだ金属製に劣る。改良を重ねて実績を積み、いずれは日本で承認をとりたい」と伊垣社長は話す。



 一番理想的なステントは、「入れたらもうずっと狭窄が起こらないもの」なんでしょうけれど、なかなか難しいんですよね。どうしても再狭窄しやすいものなので。

 これはそんなときのために、あらかじめ吸収されてしまうモノらしいんですけれど、つまり再狭窄前提の代物なんでしょうか?多分溶けてなくなったらまた狭窄するような…。2,3年ごとに入れればいいんでしょうけれど、むーん

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2008年04月07日

心臓を摘出した状態で16日間生存し、心臓移植に成功する。

「死」ってなに?心臓ない状態で16日間生存の男性

 台湾の60歳の男性が心臓のない状態で16日間生存し、心臓移植を受けて無事退院したことが注目を集めている。台湾大学の医師は「前例がないケースで、死亡の定義を書き換える可能性がある。心臓衰弱の患者を限界まで救う動きに影響を与えるだろう」とコメントした。

 この男性は歯周病が原因で感染性心内膜炎にかかり、心内膜で細菌が増殖。家族の同意を得て心臓を摘出し、2台の体外式膜型人口肺(ECMO)と血液透析装置などで心臓移植を待ち、16日後に移植に成功した。



 理論的に言えば、心臓とほぼ同じ働きをする装置で血液をグルグル動かしているわけですから、16日生存もありうる、とは思いますが、実際に成功するとなると、驚きを隠せませんね。しかも16日目に心臓移植に成功してるわけだし…。

 ちなみに、感染性心内膜炎というのは、口の中の菌が血流にのって心臓の弁などに付着し、炎症などを起こすことで発症します。今回は歯周病でしたが、例えば抜歯をした後など、血液に菌が入り込む余地があるものでしたらなんでも起こりえます。

 虫歯だけでなく、感染性心内膜炎を予防するためにも、口腔内ケアはしっかり行っておきたいところですね。

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2008年04月05日

三重大学が、3cmの心臓を手術し、成功させる。

3センチの心臓手術、1か月児救う…三重大成功

 三重大医学部付属病院(津市)は3日、血液が本来の左心房ではなく、右心房に流れ込む「総肺静脈還流異常症」の生後約1か月の女児(1574グラム)に、肺静脈と左心房をつなぐ手術をし、成功したと発表した。

 女児は、肺静脈が複数個所の大静脈につながる「混合型」で、10万人に1人という複雑な疾患。同病院によると、2000グラム以下の乳児で手術に成功したのは国内で初めてという。

 女児は2月14日に生まれたが、1800グラムの低体重のうえ、呼吸不全とチアノーゼの症状がみられた。手術は3月10日、人工心肺をつけて血液を体外で循環させ、肺静脈と左心房を縫い合わせる方法で実施。女児の心臓は2〜3センチ大と小さく、血管の直径も3ミリ程度のため、高度な技術が必要だった。

 術後の経過は順調で、女児は入院中だが、自力でミルクを飲めるまで回復しているという。



 おめでとうございます!

 2,3cmの心臓と、直径3mmの血管。考えただけでその繊細さに圧倒されてしまいます。

 小児の外科医というのはまさにスペシャリスト。いくら手技のスキルを積んでも、その高度さは雲の上です。それを成功させてしまうとは。この子も順調に育ってくれるといいですね。医師にとっては、それが何よりの報酬でしょう。

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2008年03月14日

15歳未満のエホバの証人には、親が拒否しても輸血する2

15歳未満、親拒否でも輸血…5学会決定

 宗教上の理由で輸血を拒否する「エホバの証人」の未成年信者への対応について、日本輸血・細胞治療学会など関連5学会の合同委員会(座長・大戸斉福島県立医大教授)は28日、15歳未満の患者に対しては、本人や親が拒否しても生命の危険があれば輸血を行うとする指針を正式に発表した。

 患者が信仰や親の意思に反して輸血を受けたことで苦しむ恐れがあるとして、退院後も児童心理の専門家らによるカウンセリングを行うよう医療機関に求めている

 指針によると、15歳未満は輸血するものの、18歳以上では患者本人が、15歳以上18歳未満では患者と親の双方が輸血を拒んだ場合は輸血しないとした。最高裁の判例に基づき、宗教上の輸血拒否を患者の自己決定権として尊重した。

 ただ、18〜19歳の患者でも、医療について適切な判断ができないと複数の医師が評価した場合には、輸血すると定めた。



 例えば

 両親がエホバの証人ではない、無宗教の人だとします。息子はエホバの証人です。

 息子にどうしても輸血が必要な状況になったとします。しかし息子は輸血を拒否しています。両親は輸血してくれと言っています。

 この場合、輸血をすると、息子(患者)の意思に反する医療行為をしたとして、訴えられます

 輸血せず息子が死亡した場合、両親に「適切な医療行為をしなかった」として、訴えられます

 どちらにしろ医師を守ってくれる法律がないのです。この矛盾をかかえたままエホバの証人に接しなければいけないのでしょうか?

 この場合の現状での理想策は「息子に輸血することの説得を続ける。しかしどうしても説得できなければ輸血はしない」だそうです。勿論理想策をとっても両親に訴えられれば、負ける可能性があります。

 宗教と患者は密接ですから、医師は配慮しなければならない、それは分かります。しかし基本的に、患者を助けることに全力を注ぐのが医師なのです。到底できないであろう説得、そしてその結果起こってしまったことに対してまで責任を持たねばならないというのは、あまりにも酷い話ではないでしょうか。

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医学処:エホバの証人の手術中に大量出血、輸血を受けずに死亡する。
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ペースメーカーがハッカーに悪用される恐れが生じている

ペースメーカーにハッカー攻撃の恐れ、米研究報告

 米大学の研究チームは12日、心臓ペースメーカーなどのワイヤレス医療機器が送受信する患者情報がハッカーに悪用される恐れがあると指摘した。

 研究を行ったのは、コンピューター科学を専門とするマサチューセッツ大学(University of Massachusetts)のケビン・フー(Kevin Fu)氏とワシントン大学(University of Washington)のタダヨシ・コーノ(Tadayoshi Kohno)氏、ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)の心臓専門医、ウィリアム・メイゼル(William Maisel)氏が主導する研究チーム。

 同チームが、ICD(植込み型除細動器)が発信する信号の傍受(インターセプト)テストを行ったところ、患者の氏名、生年月日、治療状況など医師が扱う患者情報を傍受できたという

 さらに、自前の機器を用いて不正に患者情報を書き換えることもできた。こうした技術が悪用されれば、患者の除細動ショックのタイミングを狂わせることも可能だとフー氏は懸念を示す。

 今日、医療に用いられるワイヤレス型のICDは、信号を送受信できる距離が限られているが、技術の進歩に伴い、送受信範囲は拡大する傾向にある。しかし、これは信号傍受の恐れが高まることも意味する。

 研究チームは、今までICDやペースメーカーをつけた患者がハッカーの攻撃を受けた例はないとしたうえで、「医療機器の高度化に伴い、ワイヤレス技術やインターネット接続が取り入れられ、周辺機器との接続機会も増える。こうした進歩に伴って引き起こされかねない事態が大いに懸念される」と危惧を示す。

 一方、メイゼル氏は研究の主要目的について、「医療現場でのワイヤレス技術導入が進むなかで、医療機器メーカーには患者情報の保護やプライバシーについてより慎重な対策を求めたい」と声明文のなかで語った。

 「幸いなことに、医療機器メーカーのなかには信号傍受に対する防御策をすでに導入している所もある。だが、まだ成されるべきことがある」



 いたずら好きなハッカー(クラッカー?)にとっては格好のターゲット?

 いやいや、人としてこんなことしたら殺人罪ですよ。

 対策が早くとられればいいんですが…怖いですね。

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医学処:iPodを使用すると、心臓ペースメーカーに悪影響が出る。
医学処:携帯の電磁波は天井や壁で反射するので優先席付近だけ警戒しても無駄
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2008年03月07日

ネコの飼い主は心臓発作のリスクが減少する。

ネコの飼い主は心臓発作リスクが低い

 家でネコを飼っている人は、心臓発作リスクが約30%低下することが示され、ニューオーリンズで開催された米国脳卒中協会(ASA)国際脳卒中会議2008で報告された。

 報告を行った米ミネソタ大学脳卒中研究所(ミネアポリス)のAdnan Qureshi博士によると、心理的なストレスや不安と心血管イベント、特に心臓発作との間に関連があることは何年も前から知られているという。また、ペットから得られる愛情と喜びがストレスの解消になることも知られており、2005年に米国心臓協会(AHA)年次集会で発表された研究では、心不全の患者が1回、12分間イヌとともに過ごすだけで心臓および肺の機能に改善がみられることも示されている

 今回の研究は、1976〜1980年に実施された第2回米国民健康栄養調査(NHNES)に参加した30〜75歳の米国人4,435人を対象とした調査データを分析したもの。調査参加者のうち2,435人がネコを飼っているか過去に飼ったことがあり、残りの2,000人はネコを飼った経験がなかった。心疾患および脳卒中をはじめとするあらゆる原因による死亡率を10年間追跡した結果、ネコを飼ったことのある人は心臓発作による死亡率が低いことが判明した。

 Qureshi氏は、効果があるとは予測していたが、ここまで大きな効果(心臓発作リスクが30%軽減)は予想できなかったと述べている。自身もニンジャという名のネコを飼っているというQureshi氏によれば、イヌも同じ効果を人にもたらすはずだが、今回の研究では、イヌを飼う人が少なかったため、統計学的に確かな結論は得られなかったという。

 2005年のイヌと心疾患に関する研究を行った米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)メディカルセンターのKathie Cole氏によれば、今回の知見は意外ではなく、どのような動物でも、飼い主がその動物を大切に思っていれば、健康によい効果をもたらすはずだという。

 特に高齢者にとっては、ペットを飼うことが低コストかつ低リスクの医療的介入になると考えられるが、動物の飼育を禁じているアパートや養護施設が多い点が問題だとCole氏は述べている。Qureshi氏も、ペットが飼い主に医学的利益をもたらすことに同意しており、薬剤や外科手術とは異なり、ペットを飼うことには何のリスクもないと付け加えている。



 ペットセラピーだか何だか、名称は忘れましたが、慢性期の患者さんにおいては生きがい、やる気などを与える良い療法だと耳にしたことがあります。

 まぁ病院でコレをやろうとしても、急性期の疾患や免疫の低下した患者さん、感染症のリスクのある人にとっては動物は不衛生なのでよろしくありませんからね、実施するのは困難でしょう。

 動物を飼うことでストレスがなくなる、これだけのことでリスクが減るんですねぇ。ペットを飼う以外にも、ストレスを減らす生活を心がけられるといいんですけれど、窮屈な現代社会では、なかなか「ストレスを減らす方法」なんてないですからね。

  /l、
 (゚、 。 7   
  l、~ ヽ      
  じし' )ノ 

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