[循環]の記事一覧

2013年08月13日

脳死となった10代少女の心臓を、10代少年に提供する手術、成功。

10代少女の心臓、同年代の少年へ 移植手術成功 東大

 長崎大病院で脳死と判定された10代前半の少女の臓器摘出手術が10日行われ、心臓は東京大学病院で10代少年に移植された。東大病院によると、手術は成功し、少年の容体は安定しているという。肺、肝臓、膵臓、腎臓も摘出され、移植する医療機関に運ばれた。

 東大病院によると、少女から摘出した心臓はチャーター機と消防ヘリなどで、10日午前8時半すぎ、病院に到着。拡張型心筋症で入院中の10代の少年に移植され、手術は午後2時過ぎに終わった。



 10代同士。脳死となった臓器が、他の必要としている身体で受け入れられ、命を長らえるのであれば、脳死臓器移植というのは必要な技術のように思います。

 提供して下さった方のご冥福をお祈り申し上げます。
posted by さじ at 19:07 | Comment(0) | 循環

2013年07月07日

高齢者の熱中症対策、今年はいつも以上に念入りに。

ギラギラ熱中症、今年は倍の勢い…搬送4千人超

 熱中症で救急搬送された人が6月末までに全国で4200人を超え、昨年の倍のペースで増えている。

 暑さが厳しくなる7月は例年、患者が急増する傾向があり、政府は今年初めて7月を「熱中症予防強化月間」に指定し、「こまめに水分補給を」と呼びかけている。

 総務省消防庁によると、5月27日から6月30日の搬送人数は4278人で、昨年同時期の2・2倍。6月中旬、関西を中心に暑い日が続いたのが主な原因とみられる。昨年も7〜9月に4万3864人が搬送され、2008年の調査開始以来、2番目に多かった。

 気象庁はこの週末、関東地方を中心に気温が上昇すると予測。7日は、埼玉県熊谷市で37度、東京で34度になるとして注意するよう呼びかけている。



 特に高齢者の場合は、何が問題かというと「喉が渇いた」と感じにくいところにつきますね。

 甘くないタイプの経口補水液も最近ではコンビニでも売られるようになってきていますし、是非「朝起きたら水を飲む」「散歩する前に水を飲む」習慣づけをお願いしたい。

 おそろしいほどの猛暑ですから、いわゆる「28度にしてエアコンをつけておく」習慣も必要です。
posted by さじ at 13:38 | Comment(0) | 循環

2013年04月14日

メラトニンの少ない人は糖尿病のリスクが2倍にあがる。

眠り誘うホルモンの量と糖尿病リスクに関連性、米研究

 眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌量と、成人発症の糖尿病にかかるリスクとの間に関連性があるとの研究結果が2日の米国医師会雑誌に掲載された。女性を対象に行われた研究によると、夜間のメラトニン分泌量が少ない人は多い人に比べ、糖尿病にかかる確率が2倍に上るという。

 糖尿病を患う女性370人と、人種と年齢が同じで糖尿病にかかっていない女性370人を比較したところ、糖尿病を患う女性は夜間に分泌されるメラトニンの量が少なかった。

 脳から分泌されるメラトニンは寝ている間に分泌量が多くなり、概日リズムまたは「体内時計」を調整する作用がある。

 米ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究者、シアラン・マクマラン氏は「夜に分泌されるメラトニンの量と2型糖尿病のリスクとの独立した関連性が証明されたのはこれが初めて」と話している。



 夜に物を食べると太るといいますが、そういった体内のカロリー消費にもリンクしてるのかもしれませんねぇ。
posted by さじ at 15:55 | Comment(0) | 循環

2013年04月01日

結婚すると心筋梗塞・狭心症の発症リスクが下がる。

結婚が心臓病から男女を救う―フィンランド研究

 結婚は、本当に「人生の墓場」なのか。そんな疑問を抱かせるような研究結果が、1月30日発行の欧州医学誌「European Journal of Preventive Cardiology」(電子版)に発表された。報告したフィンランド・トゥルク大学病院のAino Lammintausta氏らによると、フィンランドに住む35歳以上の男女のデータを検討した結果、未婚者に比べて既婚者では急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)の発症リスクが低かったという。特に既婚女性ではより低リスクだったようだ。

 Lammintausta氏らは、フィンランドに住む35歳以上の男女を対象に急性冠症候群の発症を追跡したデータベースから、1993〜2002年の登録者23万3,000人を解析。10年間で1万5,330人(男性8,137人、女性7,193人)が同症候群を発症しており、発症から28日以内の死亡は7,703人だった。

 その結果、既婚者に比べた急性冠症候群リスクは、未婚の男性で1.58〜1.66倍、未婚の女性では1.60〜1.65倍で、28日以内の死亡はそれぞれ1.60〜2.68倍、1.71〜2.75倍高かった。35〜64歳の男性における28日以内の死亡率は、既婚者が26%、離婚者が42%、未婚者でが51%。同年齢の女性では、既婚者が20%、離婚者が32%、未婚者が43%で、いずれも未婚者で高い死亡率が認められた。これは、65〜74歳と75〜99歳の年齢層でも同じ結果だったという。

 では、なぜ既婚者では急性冠症候群にかかる割合が低かったのか。Lammintausta氏らはその理由として、健康状態が良くない単身者を除外し切れなかったこと、家族と同居している場合、発症後すぐに対応できること、再発を予防する薬をきちんと服用していることなどを挙げている。



 なんだ、結婚すると愛情パワーでストレスが減るとかそういう話ではなかったのか。考察が現実的すぎて面白い。

 まあ結婚したほうがストレスが溜まって心臓病のリスクが上がる、というわけではないことを証明しただけでも価値があるというもの(男にとっては)。
posted by さじ at 01:19 | Comment(0) | 循環

2012年12月19日

細胞の自食作用はシンタキシン17が関与していることを発見する

東京医科歯科大、細胞の自食作用に必要な分子「シンタキン17」を発見

 東京医科歯科大学は、細胞内の一部を取り囲んだ袋状膜構造「オートファゴソーム」に細胞内の分解専門小器官「リソソーム」が融合することで行われる細胞分解システムである「オートファジー(自食作用)」は、オートファゴソーム表面に「SNARE(スネア)」と総称される分子群の1種である「シンタキシン17」が呼び寄せられることで働くことを発見したと発表した。

 成果は、東京医科歯科大大学院 細胞生理学分野の水島昇客員教授らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、12月6日付けで国際科学誌「Cell」オンライン版に発表され、翌7日に印刷版に掲載された。

 細胞が健全であるためには、細胞内のタンパク質や小器官が適切に分解され、常に新しい状態に保たれることが重要だ。オートファジーは、そのために必要な細胞内の大規模分解系の1つで、さらに細胞の新陳代謝、胚発生、神経変性抑制、腫瘍抑制、栄養飢餓適応反応、細胞内病原体分解などにも重要な細胞機能であり、現在注目されている生命現象の1つである。

 その仕組みは、細胞内の一部を取り囲んだ袋状膜構造であり、直径約1μmのオートファゴソームが形成されるところから始まる。次に、分解専門の小器官であるリソソームがオートファゴソームに融合すると、オートファゴソームの内容物が分解されるという仕組みだ。しかし、これまで細胞質を取り囲んだオートファゴソームが、どのようにリソソームと融合するのか、その部分がわかっていなかったのである。

 今回の研究では、オートファゴソームが完成すると、シンタキシン17がオートファゴソーム表面に呼び寄せられることが発見された。シンタキシン17は、細胞内の小器官や小胞同士を融合させるのに必要な、SNARE分子群の1つだ。シンタキシン17はリソソームの表面に存在する「VAMP8」という別のSNARE分子と結合し、それがオートファゴソームとリソソームの融合を引き起こすのである。



 ミクロレベルの出来事。誰の手も借りずにこういう生物としての進化を遂げた結果を、ようやく解明しているというのが、なんか凄いですよね。ホント、生命が生まれたのは奇跡だったんだなぁと思わざるをえない。

 逆にそろそろ、生命を分子的に作り出す事も可能になりつつあるんじゃないかという期待も感じさせます。自食作用そのものは有名ですが、その機序をより細かい点で解明できたのは素晴らしい業績です。
posted by さじ at 04:22 | Comment(0) | 循環

2012年12月02日

iPS細胞で不整脈モデルをつくることに成功する

iPS心筋で不整脈モデル=治療法開発に期待―京大

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を分化させた心筋細胞を使って不整脈の心臓モデルの作成に成功したと京都大の中辻憲夫物質―細胞統合システム拠点長らの研究グループが発表した。論文は30日、欧州心臓病学会誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル」の電子版に掲載された。

 不整脈の心筋細胞モデルは、これまでラットやマウスなどの動物の細胞を用いるのが一般的。ただ、人間の心臓とは異なるため、正確な病状の再現や薬剤効果の評価は困難だった。

 研究グループは、ヒトのiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)を分化誘導し、成熟した心筋細胞で直径12ミリ(心筋細胞数約30万個)の円形の心筋細胞シートを作成。このシートの心筋細胞数を減らすとシートが波打ち、人間の不整脈に当たる状態になることを突き止めた。

 このモデルに不整脈の治療薬を投与すると、シートの波打ちが消えるなど、効果の再現も確認した。中辻拠点長は「病状を再現するモデルができたことで病状や治療メカニズムの解明が可能になる」と話している。



 臨床応用、続々。より人に近いレベルで治験できるのでかなり薬の開発など捗りそうです。 
posted by さじ at 07:00 | Comment(0) | 循環

2012年12月01日

ソフトドリンクを多く飲む男性は、前立腺がんになりやすい。

1日1本のソフトドリンクで前立腺がんのリスク増、スウェーデン調査

 ソフトドリンクを1日1本飲む男性は、治療を必要とする前立腺がんの発症リスクが高くなるとするスウェーデンの調査結果が、26日発表された。ルンド大学の博士課程で学ぶイサベル・ドラケさんらの研究チームは、45〜73歳の男性8000人以上を対象に、平均15年間にわたり定期健康診断の受診と食習慣の記録を依頼した。

 その結果、330ミリリットルのソフトドリンクを1日当たり1本飲む男性は、治療が必要とされる比較的重い前立腺がんの発症率が40%高いことが分かった。これらのがんは、前立腺特異抗原(PSA)検査で発見されたのでははなく、表立った症状が出て見つかったものだった。

 またドラケさんによれば、治療を必要としないことが多い比較的軽度の前立腺がんを発症する割合は、米やパスタに偏った食事をとる男性で31%、砂糖を多く含む朝食用シリアルを頻繁に食べる男性では38%高かった。なお、中国と日本から米国に移住した人は、自国にとどまった人よりも前立腺がんの発症率が高いことが先行研究で示されている。

 ドラケさんは、食生活の指針を改定するにはさらなる調査が必要だとしつつも、ソフトドリンクの量を控えるべき理由は十分にあると話すとともに、食生活の変化に遺伝子がいかに反応するかをさらに研究することで、特定の高リスク集団にあわせた食習慣ガイドラインの作成が可能になるのではないかと語った。



 まぁソフトドリンクを毎日のむ生活っつーのもちょっと想像つきにくいですけれどもね。日本の場合はお茶という素晴らしい飲み物が攻守最強なので、案外大丈夫かも。どんな偉い人でも1日に3食しか食えないといわれているように、毎日の食生活も、出来れば気を付けていきたいものです。…これを書きながらあんまんほおばってますけれども。
posted by さじ at 19:00 | Comment(0) | 循環

見た目より老けて見える人は心臓病を患う可能性が高い。

「老け顔」は心臓病の予兆?米学会報告

 みた目が実年齢より老けている人は、心臓病を発症するリスクが高いというデンマークの研究結果が、米ロサンゼルスで5日開かれた米アメリカ心臓協会(American Heart Association、AHA)の年次総会で発表された。抜け毛や目の周りに脂肪がつくなど複数の加齢の兆候がはっきり現れている人は、若く見える同年齢の人に比べて心臓病を患う可能性が高いという。

 コペンハーゲン大学のアネ・トゥベアハンセン教授らの研究チームは、40歳以上の約1万1000人を35年間にわたって追跡調査した。このうち心臓病を発症したのは3401人で、心臓発作を起こしたのは1708人だった。

 対象者は性別にかかわらず、加齢の兆候が1つ増えるごとに心臓発作や心臓病のリスクが高まっていたが、中でも3〜4つの兆候があった人は全くない人に比べて発作を起こすリスクが57%、心臓病になる可能性は39%高かったという。

 心臓発作と心臓病の両方を最も強く予見した加齢の兆候は、目の周りの脂肪の蓄積だったこめかみ部分の生え際後退、頭頂部の抜け毛、耳たぶのしわなども加齢の兆候として挙げられている。

 トゥベアハンセン教授は、声明で「目に見える加齢の兆候は生理学的または生物学的な年齢を示し、実年齢とは独立している」「医師は診察の際、こうした兆候を必ず確認するべきだ」と忠告している。



 見た目って大事なんですねぇ。目のまわりは、脂肪がたまっていると高脂血症の可能性も高いですし、心臓疾患のリスクは高いと思われます。そういう特徴をパッとみて医師が判断できれば、増悪する前に予防できるかもしれません。
posted by さじ at 10:00 | Comment(0) | 循環

心房性ナトリウム利尿ペプチドを投与すると手術後の癌転移を予防する

がん転移抑制ホルモン 心臓が分泌…国循と阪大

 心臓から分泌されるホルモンに、がんの転移を抑える働きがあることを、国立循環器病研究センターと大阪大のチームが突き止めた。副作用の心配がない、がん転移を防ぐ治療法の開発につながると期待される。横浜市で開かれる日本癌治療学会で26日に発表する。同センター研究所の寒川賢治所長らが発見した「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」というホルモン。心臓や血管を保護する役割があり、心不全の治療薬に使われている。

 チームは、肺がんと心疾患を併発した患者に、がん手術後の不整脈などを予防するためANPを投与すると、がんの再発が少ないことに着目。肺がん患者の再発率は通常、術後2年で20%程度だが、ANPを投与した90人では4人にとどまった。

 がん細胞があるマウスを使った実験では、ANPの投与で転移を通常の15〜30%に抑えた。一方、ANPが働かないよう遺伝子操作したマウスは、肺や肝臓に転移したがん組織が通常の4〜6倍多かった。普通は起こらない心臓への転移もあった。

 がん細胞は血液を通じて移動し、血管内皮に潜り込んで転移する。がん患者は抗がん剤や放射線による治療で血管内皮が傷つき、がん細胞が潜り込みやすい。再発の多くは、手術時に血中にがん細胞が流れ出すことによる転移が原因だ



 理論上は確かにそう考えられなくもないですが、それを実際にやって成果を挙げたのが凄い。手術時の微量の癌細胞が外に出ないようにANPを使っている点が素晴らしいですね。今後これにエビデンスがより多く乗ってくれば標準治療になりうるかもしれない。
posted by さじ at 04:00 | Comment(0) | 循環

2012年11月26日

ビールのホップに含まれるキサントフモールに動脈硬化を予防する効果

ビール原料「ホップ」の成分に動脈硬化予防効果 - サッポロと北大が確認

 サッポロビールと北海道大学(北大)は11月19日、ビール原料のホップに含まれる「キサントフモール」に、動脈硬化予防効果があることを発見したと発表した。

 同成果は同社と同大大学院保健科学研究院の千葉仁志教授、同医学研究科の伊敏助教が、「さっぽろバイオクラスター"BIO-S"」を通じて行った共同研究による成果。詳細は米科学誌「PLoS ONE」電子版に掲載された。

 近年、総コレステロールの低下だけでなく、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」の上昇が動脈硬化を防ぎ、さらには心筋梗塞や脳卒中の危険性を低くすることが報告されるようになってきた。研究分野においては、「Cholesteryl Ester Transfer Protein(CETP:コレステリルエステル転送タンパク質)」と呼ばれるタンパク質の活性が阻害されると、HDLコレステロールが上昇することが知られており、そうしたCETP阻害薬の開発が進められている。

 また、こうした作用による動脈硬化予防に効果がある成分を持つ食品成分や天然物は、これまで報告されていなかった。今回の研究で、初めて天然物として、ビール原料のホップに含まれる「キサントフモール」が、CETP活性を阻害することにより、HDLコレステロールを上昇させる効果があることが発見された。



 ある意味ご当地モノなのか。酒関連は「飲み過ぎなければ良い」んですけどね、飲む言い訳にならなければ。
posted by さじ at 02:17 | Comment(0) | 循環

ダチョウの長い首から人工血管を開発することに成功

国循がダチョウから人工血管開発 細くて長い、世界初

 ダチョウの長い首の血管を加工し、穴の直径約2ミリ、長さ約30センチの血管を作ることに成功したと国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が21日、発表した。

 この人工血管をミニブタに移植し、詰まることなく使用できることを確かめた。センターの山岡哲二生体医工学部長は「ヒトの治療に使えるような細くて長い人工血管の開発は世界初。3年後の臨床応用を目指したい」としている。

 山岡部長らは、食用ダチョウの首の動脈に、1万気圧の高い圧力をかけ細胞や雑菌を除去し、コラーゲンなどでできた管を作った。管の穴の表面には血管の細胞がくっつく物質を付けた。



 目のつけどころがシャープですね。誰がダチョウに目をつけたんだろうか。
posted by さじ at 01:59 | Comment(0) | 循環

2型糖尿病の要因として重要なGタンパク質共役受容体を発見する。

理研、肥満による2型糖尿病の要因としてGPCRの1種「GPRC5B」が重要と確認

 理化学研究所(理研)は11月21日、「脂肪細胞」表面に局在するGタンパク質共役受容体(GPCR)の1種「GPRC5B」が、肥満による2型糖尿病の発症において重要な役割を果たすことを発見したと発表した。

 生体エネルギーの元となる脂肪は、食物から摂取したり体内で炭水化物から合成したりして主に脂肪組織に蓄積されている仕組みだ。蓄積された脂肪は、さまざまな分解経路を経てエネルギーに変換され、生物はそれを利用して生命を維持している。脂肪の蓄積と消費のバランスを制御することは、ヒトも含め生命体の健全性を維持する上で重要だ。食物の過剰な摂取や枯渇による蓄積-消費バランスの破綻は、さまざまな病気の発症につながってしまう。

 特に近年になって、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの疾病リスクを高める肥満は増加の一途をたどっており、早急な予防対策が求められている。肥満の分子メカニズムを理解するためには、組織間で制御されているエネルギー代謝を調節する仕組みを調べることが重要だ。しかし、この仕組みは複雑で容易に明らかにすることは困難である。

 最近の研究により、細胞膜上の構造がエネルギー代謝制御に深く関係していることがわかってきた。2008年に研究グループは、ヒトからショウジョウバエまで共通して保存されているGPCRの1種「BOSS/GPRC5B」を発見し、その機能を詳細に解析。この結果、BOSS/GPRC5B遺伝子は、ショウジョウバエでは複眼形成過程に関わる「Svenless遺伝子」に関連する因子として中枢神経細胞に発現していたが、それだけではなく脂肪体(脂肪組織)にも発現していて、体全体のエネルギーバランスの維持に関わる「膜機能分子」であることが発見されたのである。

 研究グループは今回、GPRC5Bが関わる詳細なエネルギー代謝制御機構の理解を目指して、その機能やそれに関わる因子など解明に挑んだ。具体的には、ヒト胎児腎細胞由来の培養細胞を用いて、GPRC5Bと結合する因子を含んだタンパク質複合体を分離精製し、「分子ふるいクロマトグラフィー」で解析した。

 その結果、GPRC5Bは、細胞膜上で細胞内外シグナル発信の基地となる領域の「脂質ラフト」に存在するタンパク質「カベオリン‐1」と一緒に脂質ラフトに局在することがわかったのである。脂質ラフトは、細胞外との情報伝達に使われる受容体や酵素が密集している通路だ。



 1つ1つのこまかーいたんぱく質の役割が、徐々に解明されつつあります。そこが原因で起こる病気の発見や、たんぱく質に特異的に作用する薬などが誕生すると、これまで以上に「治療対象」となる疾患が増えてくるでしょう。1歩1歩の積み重ねで今の医療があることを再認識させられます。
posted by さじ at 00:00 | Comment(0) | 循環

2012年10月24日

モンスターエナジーのカフェイン含有量はコーラの数倍。

「モンスターエナジー」飲み5人死亡? 米FDAに報告

 「エナジードリンク」と呼ばれる栄養ドリンクの一種を飲んだ後に亡くなった人が過去3年間で5人、米食品医薬品局(FDA)に報告されていることが23日、米メディアの報道でわかった。このドリンクと死亡との因果関係は不明だという。

 死亡者が出ているのは、米国では「モンスターエナジー」の商品名で販売されている飲料で、大量のカフェインが含まれている。昨年12月に不整脈で死亡した14歳の少女は、死亡する前の2日間に続けて、大きいサイズのモンスターエナジーを飲んでいたという。

 日本ではアサヒ飲料が5月から「モンスターエナジー」ブランドの商品を販売している。「モンスターエナジー」と「モンスターカオス」の2種類で、いずれも355ミリリットル缶。アサヒグループホールディングス広報は「米国で販売しているものより容量が小さい。中身も日本の法規制にあわせて変えている」と話している。



 アメリカはあれより多いのか。

 カフェインは、100mlあたりでコーラの4倍らしいですけれども、それで死んでしまうのかな、どうなんだろう。カフェイン中毒はコーヒー8〜10杯程度で起こったような気もしますが。

 でも不整脈のリスクにはなるかもしれませんね。どんなカフェイン飲料でもいえることですが。
posted by さじ at 23:20 | Comment(1) | 循環

2012年10月22日

慢性心不全に和温療法、厚生省が高度医療に認定する。

「和温療法」を高度医療に認める 鹿児島大の心不全治療

 厚生労働省の専門家会議は27日、医療用に特別に開発されたサウナを使って心機能を高める鹿児島大の「和温療法」を、慢性心不全治療の高度医療として認めることを決めた。未承認の機器を使うため費用はすべて患者負担だったが、11月にも、診察や検査、入院費など通常の診療と共通する部分には保険が適用される。

 治療では(1)温度が低めの乾式サウナに15分間入って汗を流す(2)サウナを出て30分間にわたり安静にする(3)水分を補給する―の手順を繰り返す。体温が穏やかに上昇することで全身の血管がわずかに広がり、心臓の負担が軽くなる。



 へー。要は汗をかいて、水分とって…。心機能高まるんだ。そうなんだ。

 サウナって健康に良くないことばかりだと思ってましたけど、いいんですねぇ。よくあるサウナと違って低温で湿気もないからいいんでしょうか。これを繰り返して、代償能を向上させるのかな
posted by さじ at 01:38 | Comment(0) | 循環

2012年10月09日

2012年度のノーベル医学生理学賞は「iPS細胞の山中伸弥教授!」

山中・京大教授にノーベル賞 iPS細胞の作製

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル生理学・医学賞を、生物のあらゆる細胞に成長できるiPS細胞を初めて作製した京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長(50)と、ジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(79)の2人に贈ると発表した。

 日本人のノーベル賞受賞は10年に化学賞を受けた根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授以来2年ぶり19人目。生理学・医学賞では1987年の利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長以来25年ぶり2人目となる。

 授賞理由について、カロリンスカ研究所は声明で「細胞や器官の進化に関する我々の理解に革命を起こした」と説明した。山中教授は、成熟した細胞が、様々な細胞になり得る受精卵のような状態に簡単に戻す手法を見つけた。

 受賞決定後に京都大学で記者会見した山中教授は「さらにこれから研究を続け、1日でも早く医学に応用しなければならないという気持ちでいっぱいだ」と語った。

 山中教授は06年に世界で初めてマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作った。万能細胞と呼ばれ、世界を驚かせた。07年には人間でも作製に成功した。

 従来の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)が受精卵を壊して作るのに対し、iPS細胞は皮膚など体の細胞に4つの遺伝子を入れるだけでできる。生命倫理の問題も回避でき、生命科学や医療応用が広がると期待されている。

 心臓の筋肉や膵臓、目や神経の細胞など様々な細胞に成長できるため、病気やケガで損なわれた臓器を修復する再生医療への応用が見込まれている。患者本人の細胞から作れば、拒絶反応も少ない。

 現代の医学では治療できない難病患者の皮膚などからiPS細胞を作って詳しく調べれば、病気の原因解明や新たな治療法開発につながる可能性も高く、産学連携で研究が始まった。新薬の開発で、実験動物の代わりに薬効や副作用を調べる材料としても使える。

 山中教授の報告以降、世界中の研究者がこぞってiPS細胞研究に参入し、研究開発競争が激しくなっている。遺伝子を2〜3個に減らしても作製可能になった。サルの実験だが、iPS細胞が脊髄損傷や脳疾患のパーキンソン病の治療に役立ったとする成果も相次いで報告されている。文部科学省などが多額の研究予算を投入し、研究推進に力を入れている。

 共同受賞するガードン氏は英国籍。英ケンブリッジ大にあるガードン研究所の責任者で、生命科学の先端研究などを進めている。ガードン氏は62年にカエルを使い、基礎的なクローンの作製に成功した。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金の800万クローナ(約9400万円)は、両受賞者が半分ずつ受け取る。



 若すぎる。早すぎる。凄すぎる。

 山中教授は、いつかは100%受賞すると思われてきましたが、ノーベル賞は基本順番待ちなので、あと数年は先かなぁと思っていましたが

 やはり革命的すぎるのでしょうか。素敵なまでに早い受賞。本当におめでとうございます。マラソンして資金を稼いだりと、山中教授の忙しさはまだ終わりませんが、全人類の期待の星ですからね、頑張っていただきたいと思います。

 本当に、おめでとうございます!

医学処:2006年度のノーベル生理学・医学賞は「RNA干渉の発見」
医学処:2007年度のノーベル医学生理学賞は「ノックアウトマウス」
医学処:2008年度のノーベル医学生理学賞は「HIV&HPV」
医学処:2009年度のノーベル医学生理学賞は「テロメアとテロメラーゼ」
医学処:2010年度のノーベル医学生理学賞は「体外受精」
医学処:2011年度のノーベル医学生理学賞は「獲得免疫と樹状細胞の発見」
posted by さじ at 22:36 | Comment(0) | 循環

2012年08月23日

抗うつ薬ジェイゾロフトがパーキンソン病や多系統萎縮症の病変拡大を予防する。

抗うつ薬がパーキンソン病・多系統萎縮症の病変拡大を抑制する−神経難病の進行抑制に対する新たな治療法の可能性−

 東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野の長谷川隆文助教、今野昌俊医師および武田篤准教授らの研究グループは、抗うつ薬の一種であるセルトラリンにパーキンソン病とその類縁疾患の病変拡大を抑制する効果がある可能性を世界で初めて明らかにしました。

 この発見は、上記疾患の病態解明および今後の治療戦略に大きな影響を与えることが予想されます。この研究成果は、米国科学雑誌「Molecular Neurodegeneration」電子版に掲載されました。

 本研究は、厚生労働省科学研究費助成事業およびカテコールアミンと神経疾患に関する研究助成の支援を受けて行われました。



 セルトラリンというのは要するに日本でいうところの「ジェイゾロフト」です。こういう神経疾患にも効くってのが不思議ですけど、まぁ確かにうつ病に対する抗うつ剤だって、よくよく考えてみれば脳の伝達物質を左右するものですしね、理にはかなってるか。
posted by さじ at 17:20 | Comment(0) | 循環

2012年08月22日

高血圧を一発で治す、腎デナベーションを自治医科大学病院で。

カテーテル使い高血圧治療 腎臓の交感神経を遮断 

 カテーテルと呼ばれる細い管を血管に差し込んで腎臓の交感神経を遮断する新しい高血圧治療の治験が、17日までに自治医大病院(栃木県)などで始まった。海外では重い高血圧症患者でも最高血圧が半年後に平均約30も下がったとの報告があり、画期的な治療法になる可能性があるとして注目されている。

 新しい手法は「腎デナベーション(除神経)」。活動している時に働く交感神経は、腎動脈の表面を通り、脳と腎臓の間で血圧を調整する信号を伝えている。新手法はカテーテルを太ももの動脈から腎動脈まで通し、先端から高周波電流を流して外側の交感神経を数カ所、加熱して遮断する。



 要するに腎臓の交感神経ブロックか。ちょっと侵襲性は高いですけど、どうしても必要な重い高血圧患者には有用っぽいですね。
posted by さじ at 20:13 | Comment(0) | 循環

2012年08月12日

ダウン症の出生前診断を血液検査で行う「プレナテスト」

血液検査によるダウン症の出生前診断、スイス当局が認可

 母親の血液検査によってダウン症の出生前診断を行う新しい検査法がスイスで認可されたことが、7月29日付のスイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(Neue Zuercher Zeitung、NZZ)日曜版で報じられた。

 NZZ紙によれば、ドイツに本社を置く生命科学企業「LifeCodexx」が開発したこの検査は、スイスの医薬品庁である「スイスメディック(Swissmedic)」の認可を受け、「プレナテスト(PrenaTest)」の名称で8月中旬から同国国内で受けることができる。

 LifeCodexxによれば、妊婦の血液サンプルを調べるこの検査には、子宮に針を刺して羊水を採取する羊水穿刺のように体に負担がかかる従来の検査法にあったリスクが無いという。

 スイスの健康保険協会「サンテスイス(Santesuisse)」や婦人科学会は、この検査の有効性が証明されれば、検査費用を通常医療保険でまかなえるようにしたい方針だとNZZ紙は報じている。

 だが、この検査により中絶が増えるのではないかという議論もある。16か国のダウン症関連30団体からなる国際連盟は6月、欧州人権裁判所にこうした検査に対する異議を申し立てた。連盟側は「(ダウン症という)人間の条件を認識し、ダウン症や障害のある人々の生きる権利を守るべき」と主張している。



 これは母体に負担が少なくなっていいですね。

 あくまで検査したい人がすればいいので、ダウン症かどうか調べたい人がすればいいだけの話ですからね。子供に疾患がないほうが良いと思う人がやればいいのであって、その権利と、ダウン症が生きる権利とはまた違う話のような気がしますしね。
posted by さじ at 04:31 | Comment(0) | 循環

2012年06月17日

青森県立つくしが丘病院精神科の殺人事件、同室の2人に刑事責任能力あり。

青森・入院男性絞殺:殺人罪で患者起訴 精神科病院入院の2人、地検「責任能力あり」 /青森

 青森市三内の精神科病院「県立つくしが丘病院」で4月、男性入院患者(当時52歳)が絞殺された事件で、青森地検は14日、同じ病室に入院していた、いずれも無職のO(59)とS(40)の両容疑者を殺人罪で青森地裁に起訴した。

 起訴状によると、2被告は共謀し、4月8日午後6時半から8時33分ごろまでの間、同病院で男性入院患者の首に腰ひもを巻き付けたうえ、ひもの両端を引っ張って強く絞め付け、窒息死させた。

 地検は4月25日から6月8日まで2被告を鑑定留置し、刑事責任能力の有無について調べた。鑑定結果や供述などを総合的に分析した結果、「責任能力について問題ない」と判断し、起訴したとしている。



 何の疾患で入院していたんでしょう?閉鎖病棟だったみたいですけれど。同室であることによるトラブルとかかなぁ。共謀して行っている時点、かつ殺人罪に問われないとでも思っていた時点で内因性の疾患は考えにくいですけどねぇ
posted by さじ at 04:20 | Comment(0) | 循環

スマートフォンに自分の病歴を入れられるアプリを開発する

スマホに持病や薬を登録…迅速伝達へアプリ開発

 急病時に救急隊や病院に伝える搬送者の持病やかかりつけ医の情報を登録できる高機能携帯電話(スマートフォン)のソフト(アプリ)を、慈恵医大(東京都港区)とNTTドコモが共同開発した。

 近く、アプリを約1000人に配布し、救急現場で有用かどうかを調べる実験を始める。

 利用者は、持病、内服薬、アレルギーの有無・種類、かかりつけ医の連絡先をアプリのメニュー「マイカルテ」に登録。スマートフォンは他人が勝手に使えないよう暗証番号を入力する設定にしている場合が多いが、意識不明になった利用者に代わり、そばにいた人が情報を救急隊に伝えられるよう、このアプリは暗証番号なしで起動できるようにした。

 アプリには、119番通報と、家族への一斉メール送信の機能も装備した。



 これは素晴らしい。もしセキュリティが完璧になったなら、本当なら全国の病院で1つの電子カルテにしたいぐらいですからね。(ホント、思っている以上に自分の飲んでいる薬とかアレルギーとか持病関連を覚えていない人もいますし、その人が意識障害になってたりすると何だか分からないですしね。)

 これみんな入れてほしいなぁ。ついでに脳死に同意するかどうかの選択も。
posted by さじ at 03:35 | Comment(2) | 循環
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