[消化]の記事一覧

2013年04月14日

脂肪の蓄積を調整する遺伝子を阪大が発見する。

脂肪蓄積調整する遺伝子を発見…阪大グループ

 脂肪の蓄積を体内で調整することに関わっている遺伝子をマウスの実験で発見したと、大阪大の審良静男教授(免疫学)らの研究グループが21日、英科学誌ネイチャー電子版で発表する。この遺伝子が働かないマウスは、人間で言う「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の症状を示した。メタボを改善する薬剤の開発などに生かせる可能性があるとしている。

 グループは、肝臓や脾臓などで働く免疫細胞「マクロファージ」を研究する過程で、この細胞が骨髄から作られる際に、「Trib1」という遺伝子が「生成指令」を出すことを突き止めた。

 この細胞は免疫だけでなく、脂肪の蓄積をコントロールする役割を果たすことも確認。Trib1が働かないようにしたマウスは、内臓脂肪の細胞に脂肪をため込めなくなった。このため、脂肪が血液中に流れ出したり、臓器の周りに蓄積したりするようになり、高脂肪の食事を与えると糖尿病を発症したほか、血液中のコレステロールや中性脂肪の濃度も、正常なマウスに比べて高くなった。

 グループの佐藤荘・阪大特任助教は「人も同じ遺伝子を持っており、免疫細胞によって脂肪の蓄積が調整される仕組みは共通しているはずだ。免疫細胞の具体的な働きを調べることで、薬剤候補物質の絞り込みにつなげたい」と話している。



 ほー。肥満っていう現代人の病と遺伝子との関連。考えてみるとエネルギーの蓄積のしすぎで身体に害を与えているってのも何だかなぁという感じはありますね・・・。運動をしよう。


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2013年02月02日

低炭水化物ダイエットを行うと将来の死亡率が上がる可能性も

低炭水化物ダイエット、死亡率高まる可能性

 ご飯やパンなどの炭水化物の摂取が、長期にわたって少ない人は、多い人よりも死亡率が高まる可能性があるとする調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめ、科学誌プロスワンに発表した。

 国立国際医療研究センターの能登洋・糖尿病代謝内分泌科医長らが、米国と欧州で、70代〜30代の男女20万人以上を26〜5年にわたり追跡した住民健康調査などのデータを解析した。その結果、総摂取カロリーに炭水化物が占める割合が40%以下と、低い人の死亡率は、炭水化物の摂取割合が高い人(同60%以上)の1・3倍だった。

 炭水化物を抑えた食事は、短期的には血糖値が下がり、コレステロールの値が改善するなど、心疾患のリスクを下げるとの報告がある。ところが、今回の解析では、長期間の低炭水化物食が、心疾患のリスクを下げる傾向は見られなかった。能登医長は「低炭水化物食は短期的には減量などに効果があっても、長年続けることには慎重になった方が良い」と指摘する。



 脳の活動とか、人間の日常生活において当たり前に必要な糖分ですからね。取り過ぎはそりゃよくないが、取らなくても問題が出ると。

 こういう食事系の体重減量の手法ってのは、何が問題かっていうと、やる側が極端なんですよね。低炭水化物だーってなると、ごりごりに削ろうとして、さじ加減が分からない。

 まぁダイエットが必要な人っていうのはえてしてそういうさじ加減が苦手だから維持も出来ないような気はしますが…。
posted by さじ at 09:08 | Comment(0) | 消化

2012年12月19日

炎症性腸疾患のために経口DDS製剤化技術を開発する。

炎症性腸疾患の根治に期待 -仁丹など、核酸医薬の経口DDS製剤化技術を開発

 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)は、10代後半から30代前半の男女によく発生し、消化器系粘膜のびらん・潰瘍によって下血、下痢、腹痛を多発させる病気だ。治療としては、自己免疫異常を抑えたり、炎症を抑えたりすることはできるが、発症-治療を繰り返した後、大腸摘出手術が必要となるケースもある。

 そのため、対策として、近年では抗体医薬が開発され、世界約100カ国で125万人以上(国内約10.5万人)の患者が治療を受けているが、病院での点滴が必要で、治療費が高く、根治も難しい場合があることから、患者負担を軽減し、かつ安全で安価な根治療法の確立が求められていた。

 こうした背景から、研究グループは、互いの独自技術を持ち寄り、先端的治療薬である「核酸医薬」と「ナノDDS技術」そして森下仁丹の「腸溶性シームレスカプセル化技術」を組み合わ、患者に大きな負担を掛けず、安全で安価な根治医薬の実用化を目指した開発を進めてきた。

 なお、研究グループでは今回の成果は、核酸医薬品の経口製剤化の実現に向けて、各機関が協力して進めてきた研究成果の1つであり、「難治性炎症性腸疾患」の根治治療に道を拓く可能性を示すものであり、今後も産学一体で早期の実用化を目指した取り組みを進めていくとしている。



 今回大勝した自民党の安倍首相も潰瘍性大腸炎ですので同じ炎症性腸疾患になります。若者の中にもかなり多くおり、食事などで難渋する場合がありますので、今後国民の理解が広まればと思います。個人的には、安倍首相が潰瘍性大腸炎を抱えながらも国政をうまく長く維持できれば、同じ炎症性腸疾患の人への励みになると思うので、頑張っていただきたい。
posted by さじ at 04:46 | Comment(0) | 消化

脂肪代謝遺伝子GPAT1遺伝子が成人の代謝疾患に関与する

妊娠・授乳期間の母親の栄養環境と子供のメタボには関係がある!? -森永乳業

 森永乳業は、東京医科歯科大学小川佳宏 教授との共同研究として進めている、胎児期から乳児期の栄養環境に応じた代謝遺伝子の調節機構と、栄養素・食品成分の果たす役割の解明の一環として、マウスを用いた研究において、肝臓の脂肪合成に重要な遺伝子「GPAT1遺伝子」が、栄養環境に応じ、エピジェネティクス調節されることを見出したと発表した。

 幼年期に体内に取り込まれる栄養素の多くは、栄養源であると同時に遺伝子のはたらきを調節し、正常な発育に欠かせない役割を担っている。乳幼児期における栄養環境の変化の1つである離乳は、脂肪豊富な乳から炭水化物主体の食事へとエネルギー源が変化することとなる。これに対し、肝臓の脂肪合成は乳からの脂肪供給の減少を補うために離乳後に増加。そうして肝臓で合成された脂肪は全身の大切なエネルギー源となる一方、その異常が成人期のメタボリックシンドロームなどの代謝疾患に繋がると考えられている。

 これまで乳児期〜離乳後の脂肪合成制御の詳細は不明であったが、今回、研究グループは栄養環境に応じた代謝遺伝子のエピジェネティクス調節が関与することを想定、その解明に取り組んだ。

 具体的にはマウスを用いた解析により、脂肪合成に重要な代謝遺伝子「GPAT1 遺伝子」が、乳仔(ヒトの乳児に相当)の肝臓では、エピジェネティクス調節の一種であるDNAメチル化される割合が高い一方、離乳後はDNAメチル化が低下していることが確認されたほか、対照的に、GPAT1遺伝子のはたらきは乳仔では非常に低い一方、離乳後にはたらきが急増していることが確認された。



 小さい頃から大人のメタボに関係する遺伝子が分かるっちゅーことですかね。これをうまく制御する薬があればメタボも防げる?…そういえば最近メタボって言葉みないですね。
posted by さじ at 03:52 | Comment(0) | 消化

2012年12月01日

血液検査1回で肝炎の原因や進行を診断する手法を開発する

血液検査だけで肝炎診断 患者の負担減、大阪市大

 血液に含まれる特定の「マイクロRNA」の組成を調べて、慢性肝炎の原因や進行具合を診断する手法を大阪市立大や大垣市民病院(岐阜県)、神戸薬科大、広島大のチームが開発し、10月31日付の米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。

 マイクロRNAは微小なリボ核酸。今回の手法は、肝炎の有無や原因によって変化する12種のマイクロRNAの組成を調べるもので、1回の血液検査だけで診断可能という

 チームの村上善基大阪市大病院講師は「従来法と比べ、繰り返し検査をしても患者の負担が小さく、治療効果の判定にも使える。がんの診断にも応用できるかもしれない」としている。



 大掛かりな検査や、何度も採血したりしなくていいのが、患者への負担を考えた素晴らしい手法ですね。こういう検査が発展するだけでも、確定診断と治療が早めに行えるようになるので、ありがたい。
posted by さじ at 18:00 | Comment(0) | 消化

2012年10月22日

ストレスだけで胃潰瘍患者が増えることを初めて実証へ

東日本大震災:ストレスのみが原因で胃潰瘍発症が増加

 東日本大震災後、宮城県内の胃や十二指腸の消化性潰瘍の患者のうち、ストレスだけが原因で発症したとみられる割合が、震災前の13%から24%に増えたことが、東北大学病院の研究グループの調査でわかった。同グループの飯島克則講師は「戦争などのストレスで潰瘍患者が増えることは知られていたが、ストレス単独で潰瘍が発症することが分かったのは初めて」としている。調査結果は消化器病専門誌「ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー」(電子版)に掲載される。

 同病院や石巻赤十字病院など県内7病院で、震災前後の潰瘍患者を比較した。潰瘍はピロリ菌感染かアスピリンなどの薬剤服用が原因とされる。しかし調査結果では、潰瘍患者数が10年の261人から震災後は383人に増加したうえ、ピロリ菌感染も薬剤服用もない患者の割合が、13%から24%に増えた。

 これらの患者はこれまで「原因不明」とされていたが、研究グループは「被災という極度のストレスにさらされたため、菌感染などにかかわらず発症が増えたと考えられる」とし、心因性ストレスによる発症と結論づけた。

 発症のピークは震災10日後だった。患者の年齢別では、血流の悪い65歳以上の患者の割合が、震災前の16%から30%に増えた。

 飯島講師によると、阪神大震災(95年)後も潰瘍患者は増えたが、ほとんどがピロリ菌感染者だった。これまでは感染者がストレスを受けて潰瘍が増えると考えられていたという。飯島講師は「特に高齢者が顕著に増加していた。災害に備え、重症化を防ぐ胃酸抑制剤などを事前に確保しておくことが必要」と提案している。



 未曾有の災害でしたからね。その後のストレスなども著しいものがありましたし。

 しかしストレスによって出るというのは初めて証明されたんですねぇ。なんか「そんな感じがする」っていうノリでストレスで胃潰瘍に、って言ってたんだなぁ。
posted by さじ at 01:40 | Comment(0) | 消化

2012年10月09日

夕食が遅いと体内時計が混乱し糖尿病や肥満になりやすい。

遅い夕食やっぱり太る…体内時計混乱、早大実験

 夕食の時間が遅いなど食事の間隔が乱れていると、体内時計がずれることを、早稲田大学の柴田重信教授(薬理学)らの研究チームがマウスを使った実験で明らかにした。

 人間では体内時計の混乱によって肥満や糖尿病になりやすいことが分かっており、規則的な食事が肥満予防につながるという。11日から京都市で開かれる日本肥満学会で発表する。

 生物の体内時計は細胞中の時計遺伝子で制御されている。1日は24時間だが、体内時計の周期は少しずれているため、光や食事によって補正し、1日のリズムを作っている。柴田さんらはマウスに1日3回の食事を与え、腎臓と肝臓の時計遺伝子の働きを計測し、体内時計のリズムを調べた。

 その結果、人間の朝7時、正午、夜7時に相当する時間に食事を与えた場合は、1日で最も長い絶食時間の後にとる朝食で体内時計がリセットされることが分かった。この朝食の時間が1日の活動リズムを規定する重要な役割を果たしている。



 メシはしっかり食え、ってことですね。

 まぁ私も案外食べられてないですが…。朝バナナにめちゃくちゃハマってますが…。本当は食べないとあかんのですけれどね、なかなか。いやこれ投稿したら毎日食べるようにします。ちゃんと早起きします。
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2012年09月09日

非アルコール性脂肪性肝炎NASHは肥満の肝臓が腸内細菌に過敏になるために起こる!

太っているだけで肝炎に 横浜市立大などが解明

 横浜市立大や大阪大などの研究チームは4日、飲酒しなくても発症する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について、太っている人の肝臓が腸内細菌に過敏に反応することで肝炎を発症するメカニズムを初めて突き止めたと発表した。

 研究チームによると、NASH患者はメタボリック症候群に該当する人を中心に全国で200万人以上に上るが、原因などが分からず、有効な治療法がなかった。今回の研究成果で、治療薬開発などが進みそうだ。

 チーム長の中島淳横浜市立大教授(消化器内科)は「花粉症患者のように肥満者が細菌に過敏反応することが分かった。治療法や診断法の開発に役立てたい」と話している。



 肝炎っちゅーのはだいたい肝炎ウイルスもしくはアルコール多飲によって起こりますが、肝炎ウイルスになってなくても太ってる人が肝炎を起こすことがあります。それが非アルコール性脂肪性肝炎、略してNASHです。名前はかっこいいんですけど恐い病気です。なにせ、理由もないのに太ってるだけで肝炎になってしまうんですもの。

 それが、なんだ、腸内細菌に反応して肝炎起こすという。えぇぇー!?ですよ。凄いわ。どういうことなのか。ちょっと細かい説明欲しいですね。
posted by さじ at 01:54 | Comment(0) | 消化

2012年07月15日

禁煙すると体重が増えるというのが医学的に正しかった

禁煙すると1年で体重約5キロ増、定説より多かった

 禁煙した後に増える体重はこれまで考えられていたよりもずっと多く、1年で平均5キロ近いとの調査結果が11日、英国医学会会報「BMJ」のウェブサイトに発表された。

 英仏の合同チームは米国、欧州、オーストラリア、東アジアで禁煙成功者の体重増加幅を記録した1989年〜2011年の調査データを検証した。すると、体重は禁煙開始から3か月以内に急増する傾向が高く、3か月後で平均2.9キロ、1年後には平均4.7キロ増えていた。

 禁煙者への一般的なアドバイス冊子では現在、体重の増加幅は「1年で平均2.9キロ」と記されている。また、研究チームによると女性喫煙者が禁煙後に増加しても『許せる』と思う体重は平均2.3キロだという。

 先行研究では、ニコチンには食欲抑制効果に加え代謝率を上げる可能性があることが報告されている

 とはいえ、体重増加による健康リスクは喫煙によるリスクよりもはるかに小さいと指摘する専門家グループもいる。喫煙が原因で死亡する人は世界で年間510万人に上るのに対し、肥満が原因の死者数は280万人とされている。



 難しいところですねー。女性はこれを理由にしてしまうかも。

 まぁ確かに、喫煙すると食事量が減る(禁煙すると食事量が増える)って言いますもんねー。でも他のリスクがすんごいんで、やっぱ禁煙したほうが良いでしょうね。
posted by さじ at 02:07 | Comment(0) | 消化

2012年05月01日

頭痛、肩こり、不眠症、便秘に対して、電位治療器が売れているらしい。

「予防医学」に関心広がる 電位治療器も販売好調

 先行き不透明な経済状況が長く続く中で、健康志向が強まり、予防医学への関心も広がっている。高齢化社会の進展などで医療費が増大し、健康保険をはじめとする社会保障や年金制度への懸念が背景にあるが、病気を未然に防ぐための健康管理、自分の身は自分で守ろうとする意識は、大学の生命・健康科学に関する学部、学科の設置や家庭用医療機器の販売にも表れている。

 同志社大は4月、5年一貫制の大学院博士課程となる脳科学研究科をスタートさせた。脳科学専門の大学院開設は国内初で、神経や精神疾患の予防と治療を目指し、脳の発達障害、老化に関わる基礎研究者の育成を急務の課題に掲げる。同大では生命医科学部、スポーツ健康科学部も平成20年に開設した。

 同様の取り組みは教育学部、体育学部のほか経済学系の学部など全国の大学で相次ぎ、中央大は理工学部で人間総合理工学科の設置を構想中だ。立命館大の今春の入学試験では、法学部や経済学部、文学部、理工学部などの競争率が2倍から3倍程度だったのに対し、スポーツ健康科学部では5・6倍にも達した。

 がん、心疾患、脳血管疾患が、日本人の死因の上位を占める。喫煙や飲酒、肥満など、生活習慣に起因する疾病ともいわれ、日常的な生活管理に対する意識の高まりが見られる。家庭用医療機器で好調な売り上げを記録している企業も少なくない。

 9000ボルト程度の交流高電圧を使った家庭用電位治療器を製造、販売するコスモヘルス(東京都千代田区)は20年に25億円だった売り上げを昨年は40億円を超える規模に拡大させた。

 同社の田中清彰社長は「団塊の世代をはじめとするシニア層の量的拡大、健康に対する関心の高まりを背景に市場が拡大している」という。さらに「震災を経験して健康の意義を再確認し、家族を含め自分のことは自ら守らなければならないという意識が強まっている」とも分析する。

 電位治療器は頭痛、肩こり、不眠症や慢性便秘の緩和に効果があることが薬事法で認められている。低電流高電圧の電気の流れがつくる電界が、自律神経などに作用する。

 物理的、心理的刺激による人間機能情報の測定や解析を行い、脳波、自律神経活動、血液循環を研究する北海道工業大医療福祉工学科の山下政司教授は白寿生科学研究所(東京都渋谷区)と共同研究。「体毛の振動により、手の甲の温度が一定時間保持されるなど、電位治療器が皮膚交感神経に作用していることが認められる」とする。

 電位治療器の効果、効能を体感するのに1週間から10日ほど継続的治療が必要とされる。山下教授も「精神性発汗や温感などの心身の変化をはじめ、効果に対する個人差が大きい。メーカーの指示や説明に注意を払い、機器について十分に納得してから購入することが望ましい」という。



 交感神経に作用するんですねぇ。手掌多汗症などには有効そうですけれど、便秘や不眠症に効果があるというのはどういうアレなのか。全身に影響するってことでしょうか。もう少し細かいデータが知りたいところ。
posted by さじ at 00:08 | Comment(0) | 消化

2012年03月12日

十二指腸潰瘍にかかる人は胃がんのリスクが少なく、そしてO型に多い

十二指腸潰瘍の人の胃がんリスクは半分 東大医科研が世界初の立証

 十二指腸潰瘍の人は胃がんになるリスク半分−との研究データを東大の研究グループがゲノム(全遺伝情報)解析によって突き止めた。「遺伝子レベルでの裏付けは報告がなく、世界で初めての研究成果」(東大)としている。5日付の米国の遺伝学専門誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に掲載された。

 研究したのは東大医科学研究所の松田浩一准教授と谷川千津研究員らだ。ゲノム研究の第一人者である同研究所の中村祐輔教授のチームに所属する。松田准教授らは理化学研究所などと共同で、平成15年から集積した7072人の十二指腸潰瘍患者と2万6116人の健常者のDNAについてゲノム解析した。

 その結果、長短2つのタンパク質を作る遺伝子の違いを発見。短いタイプを持つ人では十二指腸潰瘍になる率が長いタイプを持つ人に比べ2・2倍と高いのに対し、胃がんにかかる率は0・56倍と低くなるデータを得た。これまでは疫学データで同様の傾向は指摘されていたが、遺伝子レベルでの立証は世界で初めて。

 同時に、血液型を決めるABO遺伝子との関係も見つけ、O型の人はA型の人に比べ、1・43倍、十二指腸潰瘍になりやすいことが判明した。松田准教授は「血液型と十二指腸潰瘍の関係を遺伝子で特定したのも今回が初めて」としている。

 今回の研究は、十二指腸潰瘍や胃がんにつながる原因遺伝子をピンポイントで特定したものだ。松田准教授は「原因遺伝子を標的とした、副作用の少ないがんの治療薬の開発や遺伝子の型に応じて薬を使い分ける個別化医療につながる」と期待している。



 結局血液型ってのも遺伝子の違いという意味では、違ってくるんでしょうかねぇ。性格の違い、かかりやすい疾患の違いもそこからくるのでしょう。そういうことを初めて研究で明らかにしたという意味でも大きいのかもしれません。

 血液型占い、という非科学的なものは流行らないかもしれませんけど、なんかあと数年したら「血液型によってかかりやすい病気一覧」みたいな本が流行りそうな気も。うつはA型に多いとかもありますしね。
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2012年01月15日

雅子さま、ウイルス性腸炎の疑いとの診断で療養される。

雅子さま、ウイルス性胃腸炎の疑いとの診断

 宮内庁の小町恭士・東宮大夫は13日の定例記者会見で、皇太子妃雅子さまに10日、発熱や胃腸炎の症状があり、東宮侍医によってウイルス性の胃腸炎の疑いがあると診断されたことを明らかにした。

 熱や症状はほぼ治まっており、しばらく東宮御所で療養されるという。



 最近ウイルス性腸炎がものすごく流行ってますからねー。雅子さまも早めに治られると良いのですが。御大事にしていただきたい。

 かくいう私も昨日38度の発熱がありまして、その他の症状がないことと、腹部にやや鈍い痛みがあるという程度だったので、おそらくウイルス性腸炎、もしくはウイルス感染による風邪だったものと思います。

 こういう時解熱剤を飲んでしまうと、ただ強制的にウイルスを退治する熱を下げられてしまうので、よほどのことがない限り飲みません。飲んではいけないと思います。

 まずポカリスエットのような電解質補充のできる水分を1、2リットルほど飲みます。4、5枚着て汗をかくぐらい厚着します。昨日はそれでも発汗しなかったので、腸炎だったらあまりよろしくないんでしょうけれど、小さい鍋を作って食べました。するとえらい勢いで発汗したので、そのまま寝ました。

 起きたとき、熱は下がっていました。腹部にまだわずかな違和感はありますが、おそらく明日には治っているのでは、というぐらいです。

 みなさまもお体お大事に。
posted by さじ at 22:48 | Comment(0) | 消化

C型肝炎ウイルスを高脂血症治療薬で予防できるかもしれない。

C型肝炎、高脂血症治療薬で感染防止

 小腸からのコレステロール吸収を抑える高脂血症の治療薬に、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染を防ぐ効果があることが、広島大と米イリノイ大の共同研究でわかった。

 将来、がんになる危険性が高いC型肝炎の治療につながると期待される。医学誌ネイチャー・メディシンに9日、発表する。

 広島大病院の茶山一彰院長らは、小腸でコレステロールを吸収する際に働くたんぱく質「NPC1L1」が、肝臓細胞の表面にもあることに着目。ウイルスの体にはコレステロールが含まれているため、NPC1L1がHCV感染にも重要な役割があると考えた

 人間の肝細胞を移植したマウスをHCVに感染させる実験で、NPC1L1の働きを妨げる高脂血症治療薬「エゼチミブ」を事前に投与すると、7匹のうち5匹は感染しなかった。また、HCVに感染させた細胞にエゼチミブを加えると、HCVの増殖が抑えられた。



 感染を予防できるというと、C型肝炎の場合どうするといいんでしょうか。針刺し事故を起こした人に対して予防的投与をすると効果があるとかそういうのはどうでしょうか。もし可能なら結構革命的な。
posted by さじ at 22:24 | Comment(0) | 消化

2012年01月09日

胃ろう造設の新技術、鮒田式で安全に胃壁を固定する。

胃ろう造設安全に 開腹せず胃壁固定具、医師開発 三重

 病気やけがで自力では食事ができない患者の腹部に穴を開け、胃に通じるカテーテルを挿入して水分や栄養を送る「胃ろう造設」。三重県松阪市上川町のふなだ外科内科クリニック院長の鮒田昌貴さん(57)が開発した胃壁固定具は、胃ろう造設を安全に行う「鮒田式」として、全国の医療現場で活用されている。

 胃ろう造設の手術をめぐっては、カテーテルが抜けて胃壁と腹壁が離れて腹膜炎を起こしたり、肝臓や横行結腸へ誤って穴を開けてしまうといった医療事故が相次ぎ、中には死亡例もある。

 鮒田さんは、安全な胃ろう造設を医療現場に普及させようと、開腹せずに胃壁と腹壁を縫合固定する胃壁固定具の開発を進めてきた。この「鮒田式」だと短時間で手術できるうえ、手術後には体外から抜糸することができ、体内に異物が残ることもないという。

 1990年に特許出願し、3年後に製品化された。胃ろう造設は全国で年間10万例以上あるといい、このうち鮒田式は年間約4万1千例で実践されているという。さらに、胃がんの摘出や虫垂の切除など、ほかの腹腔(ふくくう)鏡下手術にも応用されているという。

 昨年8月には、手術にあたる医師が片手で操作できる改良版も製品化。医師が内視鏡カメラの画像を見ながら1人でも操作できるようになった。

 鮒田式の胃壁固定具を取り扱う医療機器メーカーによると、旧製品はこれまで国内で34万本、改良版は今年9月までに1万2千本が出荷されたという。海外の医療現場でも使用例が増えており、2002年からドイツを中心に中国や韓国、イタリア、イランでも使われているという。

 鮒田さんは「アメリカなどほかの国の医療現場でも活用してもらい、安全な胃ろう造設の普及へ情報発信を進めたい」と話している。



 説明文を読む限り、いまやられている胃ろう造設が血行な割合で鮒田式な気がします(といってもどれが鮒田式なのか細かいところではよくわかりませんが。笑)
posted by さじ at 18:32 | Comment(0) | 消化

2012年01月08日

女性の肥満症の基準を変更。BMI25以下でも腹囲80cm以上なら肥満。

女性は腹囲80センチ以上も肥満症に…学会検討

 日本肥満学会は、体格指数(BMI)25未満で、腹囲80センチ以上の女性についても肥満症の対象とする検討を始めた。

 これまでBMI25未満の人は、肥満症の対象外だった。特定健診のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の腹囲基準(男性85センチ、女性90センチ以上)は、肥満症の診断基準を基本にしているため、厚生労働省が進める特定健診の腹囲基準見直しに影響を与えそうだ。

 現在の基準で肥満症と診断されるのは、BMIが25以上で、かつ「脂質異常や高血圧などの健康障害が見られる」「腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上」のどちらかに当てはまった場合。しかし、BMI25未満でも内臓周辺に脂肪がたまると、動脈硬化などが増加する傾向が指摘されている。



 肥満症の定義がうにょうにょ変更されて、一般の人としては時流の移り変わりがあってもしっかり肥満症と判断されるのでまぁいいでしょうけれど、つらいのは受験シーズンの医学生か。まぁ国家試験の問題は前年の夏には出来ているらしいので、いきなり変更があってもそれが試験に出題されるということはないので、この記事をみた医学生のアナタ、惑わされないようにして下さい。
posted by さじ at 14:00 | Comment(0) | 消化

過敏性腸症候群や腸の細菌感染に、糞便移植療法が効果あり。

胃腸疾患に"糞便微生物移植"が有望

 とんでもない話にも聞こえるが、かつて医学界から避けられていた“糞便微生物移植(fecal microbiota transplant:FMT)”が広範な胃腸疾患に有用であることが新しい研究で示され、米ワシントンD.C.で開催された米国消化器病学会(ACG)年次集会で報告された。この治療法により、重度の過敏性腸症候群(IBS)や細菌感染を軽減することができるという。

 FMTでは、光学大腸鏡準備後にドナーの糞便を採取する。ドナーは通常、配偶者か親族であるが、誰でもかまわない。その検体を生理食塩水と混合し、60ccシリンジに吸引できる粘度にした後、患者はルーチンの大腸鏡検査を受け、その際に混合物を挿入するというもの。

 これは健常な微生物叢から新しく移植した微生物集団により、患者の潜在的な問題を解消するというもので、これが有効であるという。最も有望な研究のいくつかは、難治性のClostridium difficile(クロストリジウム-ディフィシル)感染に対する処置の有効性を示したもの。この細菌は、身体障害、さらには生命を脅かす下痢や吐気、嘔吐、腹痛を引き起こす。

 米インテグリスIntegrisバプティスト・メディカルセンター(オクラホマシティ)消化器健康センター内科部長のMellow氏は、「C. difficile感染が何度も再発する患者の細菌集団は正常な人と全く異なる。重要なのは微生物の多様性の著しい減少である。多種類の微生物の菌株が存在せず、少ない菌株および種が多数存在する」と述べている。

 同氏の研究では、以前に平均5つの治療コースを受け、反応がみられなかったC. difficile感染患者の98%で症状の迅速な解消がみられた。最初のFMT移植でみられなければ2回目でみられた。同氏は「患者の症状は平均11カ月間みられ、多くは救急施設や高度看護施設にいるか外出できないほどであった。ただし、移植はファーストラインの治療法ではない」と述べている。

 米ノース・ショア大学病院(ニューヨーク州)のDavid Bernstein博士は、「これは特に難治性のC. difficile感染に対する驚くべき治療法となる可能性がある。有効であり、その迅速さは劇的である」と述べている。また、オーストラリアの研究者らも、3例において潰瘍性大腸炎およびクローン病治療にFMTを使用し、成功したことを報告している。



 糞便療法って、みたことないですけど昔からある治療ですよね?たしか。何に使うんだったか忘れましたけど、要するに健常者の便に含まれるいい細菌たちを注入してやることで、細菌叢を確立しようという・・・。

 で、今回注目を集めているのは、クロストリジウム・ディフィシル菌感染症に効くのではないか、と。要するに偽膜性腸炎の治療に使えるのではないか、ということですね。

 これはある意味現代病でして、抗生物質を投与すると腸内のいい細菌も死んでしまうので、時々クロストリジウム・ディフィシルが繁殖してしまって、偽膜性腸炎を発症してしまいます。

 治療にはバンコマイシンなどを使うんですが、この記事は、難治例に効くのではないかということで、もしかすると日本にも輸入されて将来うまく使えるようになるのかもしれませんね。
posted by さじ at 04:35 | Comment(0) | 消化

急性膵炎の原因を予防する遺伝子IRF2を長崎大学が発見する。

長崎大、急性膵炎治療に光 膵臓の酵素抑制作用を解明

 長崎大医歯薬学総合研究科の松山俊文教授らの研究グループは11日、膵臓から分泌され、急性膵炎の原因にもなる消化酵素「トリプシン」が、免疫機能に関わる遺伝子「IRF2」によって抑制される仕組みを解明したと明らかにした。

 松山教授によると世界初の成果で、急性膵炎の治療法確立につながる可能性がある。成果をまとめた論文は、10月31日付の米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

 トリプシンにはタンパク質を分解する作用があり、膵臓自体の組織を分解し始めると急性膵炎となる。



 急性膵炎というのは意外にもおそろしい病気でしてね。

 アルコールによるもの、胆石によるもの、そして原因のよくわからん特発性があります。

 で、簡単に言ってしまうと、食べ物の脂肪分を溶かす役割などをしている膵液が、自分の膵臓を溶かしてしまうのです。すると炎症がどんどん広がってしまいます。

 重症になると命を落としてしまうこともあるのです。アルコールを飲まれている方!ご注意ください。

 治療としては絶飲食、大量の点滴、膵液の影響をなくすため蛋白分解酵素阻害剤の投与などを行います。重症急性膵炎がいた場合は、大きい病院で全力で治療をする必要があります。
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プロバイオティクスヨーグルトは果たして効果があるのだろうか。

プロバイオティクスヨーグルトが腸に及ぼす影響を科学的に解明

 人気の高いプロバイオティクスヨーグルトの健康に対する有益性を調べた新しい研究で、このヨーグルトの摂取により食品が代謝される方法が変化する可能性が示された。ただし、プロバイオティクス食品やサプリメントによって健康が改善するかどうかはまだわからないという。

 “プロバイオティクス”という用語は、一般に十分な量を摂取すれば健康の増進につながりうる細菌やウイルス、酵母などの消化可能な生きた微生物を指す。サプリメントの製造業者は、これが免疫システムを活性化させ、“悪い細菌”から防御し、消化プロセスを助けるために疾患と闘うことに役立つとしている。

 米ワシントン大学医学部(セントルイス)ゲノムサイエンスセンター所長のJeffrey Gordon氏らは、米国立衛生研究所(NIH)とダノンプロバイオティクスヨーグルトActiviaを製造する食品複合企業の一部門であるダノン研究所の資金援助を受け、マウスとヒト双生児を対象に先端技術を用いた研究を実施した。研究結果は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス・トランスレーショナル医療)」10月26日号に掲載された。

 同氏らは、無菌マウスの腸内環境が、遺伝子配列の決定された15種類のヒトの腸内細菌のみになるよう慎重に飼育した。この“ヒト化”マウスと、健常な双子の若い成人女性7組に4カ月間、市販のプロバイオティクスヨーグルトを摂取させ、摂取前後、摂取中の腸内細菌叢の組成と行動パターンを分析した。

 研究の結果、ヨーグルトの細菌種はヒト、マウスともに新たな居住者として腸内に留まらなかったため、マウスとヒトの腸内細菌環境はヨーグルト摂取前後でほぼ同じであった。ただし、“ヒト化”マウスの尿検査で代謝に関与する酵素活性に“有意な変化”がみられ、最も顕著な変化は炭水化物の分解に関係していた。同氏らは、プロバイオティクス摂取がヒトの健康に及ぼす影響について確定的なことを述べるには、さらに研究が必要であるとしている。

 Gordon氏は「連邦規制当局では、プロバイオティクス食品の製造業者によるすべての栄養機能表示の評価への興味が高まっている。実際、食品成分の代謝に影響を及ぼす可能性が示され、微生物群の構造は変化しないが機能は変化する。我々は、これらの微生物が腸に及ぼす影響を調べる方法の開発に成功した」と述べている。別の専門家は「実際にどの微生物が存在するかではなく、何をするかが問題である」としている。



 あれ、細菌の群は変わらないんだ。へー、じゃあ腸内細菌がいいのか悪いのかよくわからんですね。いちおう、尿検査では良くなったっぽいですけど。腸内細菌が既にガタガタの人には効果あるのかもしれないですけどね。
posted by さじ at 03:35 | Comment(0) | 消化

高脂肪食を食べ続けると腸内細菌叢が崩れて菌の種類が激減する

高脂肪食で腸内細菌のバランスが崩れる

 脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが北海道大の研究でわかった。

 消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。

 研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。

 通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。



 やっぱ体にダメージくるんですねぇ。

 うかうかと脂マシマシのラーメンとか食べられませんなぁ。
posted by さじ at 02:34 | Comment(0) | 消化

2011年11月07日

家族性アミロイドポリニューロパチーの新薬タファミディスの臨床試験開始

大病院が難病FAPの新薬、臨床試験へ 来月から

 松本市の信大病院は、特殊なタンパク質のアミロイドが内臓などに沈着して起きる難病「家族性アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)」を治療する新薬「タファミディス」の臨床試験を、11月から始める。既に臨床試験が終了している欧米では年内にも認可される見込み。今回の臨床結果で問題がなく国内でも認可されれば、肝臓移植以外に有効な治療法がないFAP患者にとって朗報になりそうだ。

 担当するのは、信大病院遺伝子診療部の関島良樹准教授(45)と脳神経内科、リウマチ・膠原病内科の森田洋准教授(49)。新薬は製薬会社ファイザー社のもので、1年半にわたり同社と共同で試験する。患者5人に服用してもらい、有効性や安全性を調べる。信大と並んでFAP患者が多い熊本大病院(熊本市)でも同じ試験をする。

 アミロイドの元になるのは主に肝臓で作られるタンパク質トランスサイレチン(TTR)。通常はこれが四つ結合した状態で存在しているが、バラバラになってタンパク質の構造が少し変わると、繊維状に結合してアミロイドになる。関島准教授らはこの仕組みを解明するとともに、従来、炎症や痛みを抑える鎮痛剤として使われてきた薬「ジフルニサル」が、TTRの構造を安定化させ、アミロイド形成を防ぐことを発見した。ただ、ジフルニサルは腎臓の悪い人に負担が大きいため、そうした点を改良し、患者への負担を軽減した薬がタファミディスだ

 関島准教授によると、スウェーデン、ポルトガルなど欧米7カ国で2007〜09年、FAP患者約30人で臨床試験が行われ、手足の筋力低下や感覚障害といった症状の進行を抑えることを確認。こうした海外の結果を受けて今回、信大などで試験。日本でも副作用がなければ13年にも認可される見込みという。

 アミロイドが沈着して起きる病気は、手足の震えや筋肉のこわばりなどの症状が出るパーキンソン病、全身の臓器や組織に沈着して心臓や腎臓に機能障害が出る全身性アミロイドーシスなど多い。タファミディスは、これらの治療にも使える可能性がある。

 一方でジフルニサルの臨床試験も信大病院を含む日本、米国、イタリアなど5カ国で06年から進行中。FAP患者への投薬の選択肢を用意しておくためで、関島准教授は「FAPのように治療法がない難治性の疾患で苦しんでいる患者は多い。今回の試験をそうした疾患の治療の突破口にしたい」と話している。



 他の国で既に確認されている新薬ならば、比較的使いやすいですね(本来なら日本も同時並行で臨床試験を行うべきなんでしょうけれども)

 FAPは完全な治療がみつかっておらず、要するにアミロイドが全身に沈着してしまう病気ですが、症状が治まれば患者さんも楽でしょうし、予後も飛躍的に良くなると思われます。こういう新薬は早く承認されるといいんですけどねぇ。ただ薬で有害事象が出ると、それだけで命に関わる事があるので、慎重にいかねばならないというのが、医療者としてはつらいところです。
posted by さじ at 01:11 | Comment(1) | TrackBack(0) | 消化