2013年04月15日

他のブタの膵臓を再生することに東大&明大が成功する。

ブタの膵臓再生に成功 東大と明大、移植用臓器作製に道

 東京大学の中内啓光教授と明治大学の長嶋比呂志教授らは、生まれつき膵臓が無いブタを活用し、他のブタの膵臓を作ることに成功した。再生医療用にヒトの臓器を動物の体内で作る研究の基礎となる成果。米科学アカデミー紀要(PNAS)に19日掲載される。

 研究チームは遺伝子操作で膵臓を持たないブタを作った。その胎児から体細胞を採取し、クローン技術を用いて胚を作った。この胚に、正常な膵臓を作れるブタから作った胚を入れた。

 代理母となるブタの子宮に胚を入れ、出産させた。生まれたブタの体内には膵臓ができて機能しており、正常なブタの細胞から作られたのを確認した。

 チームはマウスの体内でラットの膵臓を作るのにも成功している。将来はヒトのiPS細胞を使い、移植用の膵臓をブタに作らせる研究も検討中だ。膵臓は血糖を調整するインスリンを作る働きがあるため、移植すれば糖尿病患者などの症状を改善できる可能性がある。ただ国内ではヒトiPS細胞を注入したブタの胚を子宮に戻して発育させる研究は禁止されている。



 臓器移植がなかなか進まない以上、こういった人工臓器によって助かることも多いはず。これは胚の段階から作ってしまおうという凄い技術ですね。進展が待ち遠しいです。
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再生医療推進法案、いよいよ国会で成立へ。

再生医療推進法、今国会で成立へ

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った再生医療の研究開発と実用化へ国の責務を定めた「再生医療推進法案」が19日の衆院厚生労働委員会に提出され、全会一致で可決された。

 22日の衆院本会議で可決されて参院に送られ、今国会での成立は確実な情勢だ。

 同法案を巡っては、自民、民主、公明3党が昨年10月に合意していた。昨年の衆院選のあおりで国会提出に至らなかったが、3党が今年に入って各党に呼びかけて賛同を得て、松本純衆院厚労委員長による提案として提出された。

 同推進法案は、政府の成長戦略の柱の一つとして期待される再生医療を進める「基本法」と位置づけられている。国の責務として、迅速で安全な研究開発と促進に関する基本方針の策定のほか、「必要な法制上、財政上、税制上の措置」などを義務づけた。



 もちろん倫理的な問題とかもあるでしょうけれど、できるだけ研究者優遇であってほしいですね。せっかく他の国より秀でた再生医療を行えるチャンスですし、特許までとってるわけで国のためにもなりますし。今まで医療関係で多くの問題がありそれを乗り越えてきたからこそ、今度はしっかりできると信じています。
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2013年04月14日

脊髄損傷をしても人工的に繋ぎ動かすことが可能に

脊髄損傷しても手動く技術開発 生理学研、サルで

 自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の西村幸男准教授(神経生理学)の研究チームは11日、サルの脊髄の損傷部分を人工的につなぎ、まひした手を動かすことができるようにする技術を開発したと、欧州専門誌(電子版)に発表した。

 西村准教授は「人工的に神経回路をつなぐ技術で、自分の意思で動きを制御できるようになる。義手や細胞移植などよりも実現可能性が高いのではないか」と話している。

 通常、手を動かすには脳が発した電気信号を脊髄経由で筋肉に送る必要がある。脊髄が損傷した患者は、信号を送る配線が切れた状態になり、自分の思うように動かせなくなる。



 脊髄損傷後に処置をすれば再生も可能に。神経の痺れとか機能の衰えとかもすぐに改善できるといいですが。
posted by さじ at 22:36 | Comment(0) | 再生

2013年03月28日

再生医療用の細胞を扱う施設・医療従事者の認定制度を設けるかも

再生医療、医師や施設に認定制度 学会が声明

 日本再生医療学会(理事長・岡野光夫東京女子医大教授)は23日、横浜市で開催中の総会で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)など再生医療用の細胞を扱う施設や医師、技術者の認定制度を新設することなどを盛り込んだ声明を発表した。

 声明では、「一日も早く安全で有効な医療を患者に届ける」との決意を表明、一部の医療機関が「再生医療」をうたい、安全性の確認されていない治療を行っている現状を問題視した。事故が起きて再生医療の分野が信頼を失う事態を招かないよう、学会として施設や人員の質を確保するとした。

 国会では、iPS細胞などを使った再生医療を推進する法整備が進んでいる。



 臨床応用に向けて、でしょうね。

 いまのところ何でもありなぐらい可能性を秘めているiPS細胞ですが、だからといってやりたい放題やってしまっては、後の副作用や癌化といった焦点がぼやけてしまうのでしょう。
posted by さじ at 01:26 | Comment(0) | 再生

iPS細胞で特定の白血球の大量培養に北大が成功する。

iPSで白血球培養=院内感染治療など期待−北海道大

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って、細菌の増殖を抑える特定の白血球を大量に培養することに、北海道大大学院の若尾宏准教授らの研究チームが成功した。薬が効かない院内感染や多剤耐性結核の治療法につながる可能性があるという。米科学誌セル・ステムセル電子版で22日発表した。

 研究チームは、結核菌の感染から体を守るヒト白血球の一種「マイト細胞」に着目。この白血球はそのままでは培養できないため、いったんiPS細胞に変えて大量に増やした上で、マイト細胞に分化させた。免疫不全のマウスに移植したところ、細菌の増殖を抑える効果が確認できたという。

 iPS細胞を作る際には遺伝子を傷つけない特殊なウイルスを使うため、移植後がんになる危険もないとしている。

 院内感染の原因となるバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)や多剤耐性結核菌など、薬剤では治療が難しい病気で治療に活用できるという。若尾准教授は「iPS細胞で新たな細胞治療を実現したい」と話している。



 計り知れないiPS細胞の応用。

 白血球大量に作れちゃったら、点滴で新たな治療法が確立されるかもしれません。

 従来の治療だと、白血球の産生を促すような薬しかなかったですからね。
posted by さじ at 01:17 | Comment(0) | 再生

2012年12月19日

幹細胞移植治療、厚生労働省が法規制をかける方針。

幹細胞投与の‘治療’法規制へ 厚労省

 がんの治療などをうたって、「幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞を患者に投与するケースが民間の医療機関を中心に増えていることから、厚生労働省は、効果や安全性が不明なこうした治療法を法律で規制することになりました。

 骨髄などに含まれる「幹細胞」は、体のいろいろな細胞の基になることから、がんや糖尿病などの治療や美容をうたって、健康保険が適用されない自由診療で患者に投与するケースが民間の医療機関を中心に増えています。

 大学病院などが効果や安全性を調べる臨床研究として実施する場合は、専門的な審査を受けることが国の指針で定められていますが、医師がそれぞれの患者の治療に必要と判断して投与する場合は規制がありません。

 厚生労働省は、病気やけがで失った体の機能を幹細胞を使って補う再生医療の実用化を着実に進めるには、安全性を十分確保する必要があるとして、こうした幹細胞の投与を法律で規制することを決めました。

 今後、医師などで作る専門の委員会で、がん患者に免疫の細胞を移植する治療法なども対象に含めるかどうか検討することにしています。そして、細胞の培養設備に一定の基準を設けたり、実施に際して国への申請を求めたりする法案を、来年の国会に提出することにしています。



 まーねぇ。実際使いたい気はやまやまなんでしょうけれど、それで癌化したりとか弊害が起こったら、厚生労働省の責任にもなりますからね、歯止めをかけたいところというのは分かります。

 だが、それでもあきらめずに頑張っていただきたい。他国に負けないように。
posted by さじ at 04:31 | Comment(0) | 再生

2012年12月01日

新薬開発・再生医療向けの極小ミニブタを開発する。

実験用ミニ豚開発 新薬開発、再生医療研究に

 県畜産技術研究所中小家畜研究センター(菊川市)はこのほど、医療用実験に適した極小サイズのミニ豚を開発した。30日に都内でセミナーを開き、新薬開発や再生医療研究用の実験動物として、全国の大学や研究機関、医療関係者に売り込む。

 同センターによると、豚の臓器の大きさや生理的な特徴は人間と似ているという。センターは、医療用ミニ豚を生産販売する富士マイクラ(富士宮市、金子直樹社長)のミニ豚を素材として活用した。同じ遺伝子を持つ生物を作り出す「体細胞クローン技術」を利用し、大人になっても体格が小さく、医療実験向きの均質な豚を誕生させた。

 このミニ豚の体重は10キロ。実験に取り扱いやすいサイズにした。毛は白色で皮膚の変色が観察しやすく、免疫反応に深く関わるSLA型(豚白血球抗原型)を統一した。

 衛生管理を徹底した環境で育てるため、豚は病原菌も持たない。センターの松下幸広研究統括監によると「新薬の薬効性や安全性の試験、ワクチン開発で免疫反応が一定になり、安定した実験結果の分析に適している」のが特徴だ。紫外線ランプを照射すると緑色に反応する「GFP遺伝子」を導入したミニ豚も同時開発し、再生医療研究での利用を見込む。

 実験動物は犬や猿などが一般的だったが、「動物愛護の観点から、近年は実験目的で開発したミニ豚への需要が高まっている」(金子社長)という。センターは、世界の医療、研究機関などへの普及も視野に入れ、PRを強化する。



 こういう動物らがあってこそ、今の医療があるといっても過言ではありません。動物慰霊祭などはどの研究施設でもやっていることですが、我々はその犠牲と恩恵を忘れちゃいけないのですねぇ。
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10年以内にiPS細胞で臓器作成を。文科省が本気。

iPSで10年以内に臓器作成 文科省、行程表改定

 文部科学省は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究に関する今後10年程度の目標を示した行程表をまとめた。2日午後の幹細胞・再生医学戦略作業部会に示す。10年以内に肺や腎臓などの臓器を作る技術の確立を目指すとしている。2009年に作成した現行の行程表を、その後の研究の進展状況に合わせて改定した。

 目の網膜や脳の下垂体など、理化学研究所で先進的に行われている組織を作る技術の拡大方針も新たに盛られた。移植医療には、ばらばらの細胞よりも体の中の状態に近い立体的な組織や臓器を作り出して使う方が適しているとして、膵島や肝臓などの作製に広げる考え。



 わずか10年で。でもこの医学進歩のスピードからしたらありえない話ではないですね。そのためには潤沢な資金をですね、山中教授にぶちこんでもらいたい。技術が世界トップクラスのまま続くなら、日本の経済もそれで助かるかもしれませんぜ。
posted by さじ at 15:00 | Comment(0) | 再生